転職するなら、いまより年収の高い会社へ移りたい。そう考えると、テレビ局やゲーム会社、出版社などのエンタメ業界の大手が、同業の中でどんな位置にあるのかが気になるところです。そこでこの記事では、エンタメ業界の21社を平均年収の高い順に並べたランキングにし、平均年齢・平均勤続年数・従業員数も同じ表で比べられるようにしました。あわせて、ランキングに入らない非上場や外資系を含む7つの分類別の大手一覧も載せました。平均の数字を自分の年収と比べるときの注意、主な職種、経歴に合った転職エージェントも紹介します。
目次
エンタメ業界の年収ランキング21社
エンタメ業界の大手企業を検討するときは、年収データの基準をそろえて見る必要があります。
各社の数字は、最新の有価証券報告書(2025年9月〜2026年6月期)に載る平均年間給与です。会社単体の社員の平均で、賞与を含みます。次の7社は、持株会社ではなく、その下で社員が働く事業会社(非上場)の数字です。テレビ局はテレビ朝日、日本テレビ放送網、フジテレビジョン、テレビ東京、ゲームはスクウェア・エニックス、セガ、コナミデジタルエンタテインメントです。
| 社名 | 分類 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| テレビ朝日 | テレビ・放送 | 1,500万円 | 44.5歳 | 19.1年 | 1,234人 |
| 日本テレビ放送網 | テレビ・放送 | 1,468万円 | 43.8歳 | 18.0年 | 1,211人 |
| フジテレビジョン | テレビ・放送 | 1,370万円 | 42.9歳 | 18.7年 | 1,140人 |
| テレビ東京 | テレビ・放送 | 1,310万円 | 41.6歳 | 15.8年 | 757人 |
| WOWOW | テレビ・放送 | 1,077万円 | 41.2歳 | 13.6年 | 331人 |
| タカラトミー | テーマパーク・キャラクター・玩具 | 1,038万円 | 42.1歳 | 12.7年 | 630人 |
| カプコン | ゲーム | 985万円 | 38.1歳 | 11.2年 | 3,593人 |
| 任天堂 | ゲーム | 982万円 | 40.5歳 | 14.6年 | 3,084人 |
| 東宝 | 映画・アニメ | 952万円 | 37.9歳 | 9.2年 | 529人 |
| サイバーエージェント | 動画配信・ネット | 914万円 | 33.8歳 | 6.5年 | 2,588人 |
| コナミデジタルエンタテインメント | ゲーム | 889万円 | 39.8歳 | 14.0年 | 2,063人 |
| セガ | ゲーム | 883万円 | 40.8歳 | 13.4年 | 2,540人 |
| KADOKAWA | 出版・新聞 | 872万円 | 41.6歳 | 4.8年 | 2,471人 |
| 東映 | 映画・アニメ | 863万円 | 43.3歳 | 14.1年 | 445人 |
| 東映アニメーション | 映画・アニメ | 855万円 | 39.5歳 | 9.8年 | 758人 |
| 松竹 | 映画・アニメ | 830万円 | 42.3歳 | 14.6年 | 619人 |
| スクウェア・エニックス | ゲーム | 783万円 | 41.3歳 | 9.1年 | 3,235人 |
| アミューズ | 音楽・芸能 | 752万円 | 39.2歳 | 11.4年 | 253人 |
| サンリオ | テーマパーク・キャラクター・玩具 | 700万円 | 37.8歳 | 12.1年 | 1,423人 |
| オリエンタルランド | テーマパーク・キャラクター・玩具 | 605万円 | 39.8歳 | 10.1年 | 6,528人 |
| ブシロード | ゲーム | 499万円 | 32.4歳 | 4.7年 | 275人 |
21社のうち、平均年収が1,000万円を超える会社は、テレビ・放送の5社とタカラトミーの6社です。1位のテレビ朝日は1,500万円で、21位のブシロードの499万円とは約1,000万円の差があります。表に入るテレビ局4社は、1,310万〜1,500万円で1位から4位を占めています。
分類ごとに見ると、映画・アニメの4社は830万〜952万円の間にあります。ゲームの6社は、カプコンの985万円からブシロードの499万円まで幅があります。
表の分類の列で絞り込めば、同じ分類の会社どうしで比べられます。
エンタメ業界の大手企業一覧(分類別)
エンタメ業界への転職を考えるときは、自分がどの分類のどの工程に関わりたいかによって、選ぶべき会社と職種が変わってきます。この記事では、エンタメ業界の会社を、次の7つに分類して整理しました。「テレビ・放送」「動画配信・ネット」「映画・アニメ」「音楽・芸能」「出版・新聞」「ゲーム」「テーマパーク・キャラクター・玩具」です。
各分類の大手企業の概要は、次の一覧表のとおりです。
| 分類 | 社名 | 上場か非上場か | 親会社 |
|---|---|---|---|
| テレビ・放送 | 日本テレビ放送網 | 非上場 | 日本テレビホールディングス |
| テレビ・放送 | テレビ朝日 | 非上場 | テレビ朝日ホールディングス |
| テレビ・放送 | TBSテレビ | 非上場 | TBSホールディングス |
| テレビ・放送 | フジテレビジョン | 非上場 | フジ・メディア・ホールディングス |
| テレビ・放送 | テレビ東京 | 非上場 | テレビ東京ホールディングス |
| テレビ・放送 | 日本放送協会(NHK) | 非上場 | |
| テレビ・放送 | WOWOW | 上場 | 親会社なし |
| 動画配信・ネット | サイバーエージェント | 上場 | 親会社なし |
| 動画配信・ネット | Netflix(日本法人) | 非上場 | Netflix, Inc. |
| 映画・アニメ | 東宝 | 上場 | 親会社なし |
| 映画・アニメ | 松竹 | 上場 | 親会社なし |
| 映画・アニメ | 東映 | 上場 | 親会社なし |
| 映画・アニメ | 東映アニメーション | 上場 | 東映 |
| 映画・アニメ | ウォルト・ディズニー・ジャパン | 非上場 | ウォルト・ディズニー・カンパニー |
| 映画・アニメ | ワーナー ブラザース ジャパン | 非上場 | |
| 映画・アニメ | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント | 非上場 | |
| 映画・アニメ | スタジオジブリ | 非上場 | 日本テレビホールディングス(議決権42.3%) |
| 映画・アニメ | アニプレックス | 非上場 | ソニー・ミュージックエンタテインメント |
| 音楽・芸能 | アミューズ | 上場 | 親会社なし |
| 音楽・芸能 | エイベックス | 上場 | 親会社なし |
| 音楽・芸能 | ソニー・ミュージックエンタテインメント | 非上場 | ソニーグループ |
| 音楽・芸能 | ユニバーサル ミュージック | 非上場 | ユニバーサル ミュージック グループ |
| 音楽・芸能 | 日本コロムビア | 非上場 | |
| 音楽・芸能 | 吉本興業ホールディングス | 非上場 | |
| 音楽・芸能 | ホリプロ | 非上場 | ホリプロ・グループ・ホールディングス |
| 音楽・芸能 | スターダストプロモーション | 非上場 | |
| 出版・新聞 | KADOKAWA | 上場 | 親会社なし |
| 出版・新聞 | 講談社 | 非上場 | |
| 出版・新聞 | 集英社 | 非上場 | |
| 出版・新聞 | 小学館 | 非上場 | |
| 出版・新聞 | 日本経済新聞社 | 非上場 | |
| 出版・新聞 | 日経BP | 非上場 | 日本経済新聞社 |
| ゲーム | 任天堂 | 上場 | 親会社なし |
| ゲーム | カプコン | 上場 | 親会社なし |
| ゲーム | スクウェア・エニックス | 非上場 | スクウェア・エニックス・ホールディングス |
| ゲーム | セガ | 非上場 | セガサミーホールディングス |
| ゲーム | コナミデジタルエンタテインメント | 非上場 | コナミグループ |
| ゲーム | バンダイナムコエンターテインメント | 非上場 | バンダイナムコホールディングス |
| ゲーム | ブシロード | 上場 | 親会社なし |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | オリエンタルランド | 上場 | 親会社なし |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | ユー・エス・ジェイ | 非上場 | NBCユニバーサル(コムキャストグループ) |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | サンリオ | 上場 | 親会社なし |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | タカラトミー | 上場 | 親会社なし |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | GENDA | 上場 | 親会社なし |
| テーマパーク・キャラクター・玩具 | ラウンドワン | 上場 | 親会社なし |
テレビ・放送
在京キー局では、日本テレビホールディングスなどの持株会社が上場しており、番組を制作して放送する会社は、その傘下の事業会社です。転職の応募先も、事業会社になります。
具体的には、日本テレビ放送網(日本テレビホールディングスの事業会社)とテレビ朝日(テレビ朝日ホールディングスの事業会社)があります。TBSテレビ(親会社はTBSホールディングス)もあります。フジテレビジョン(フジ・メディア・ホールディングスの事業会社)とテレビ東京(テレビ東京ホールディングスの事業会社)を加えた5社が、在京キー局です。
日本テレビ放送網は、テレビ番組を企画制作して無料放送をおこない、広告枠を販売しています。あわせて、番組などのコンテンツの配信とライセンス、映画の製作・公開、イベントや美術展の開催も事業です。テレビ東京の事業にも、番組の企画編成と広告枠の販売があります。
日本テレビホールディングスの有価証券報告書の記述は、次のとおりです。インターネットメディアの普及などで視聴環境が変わり、インターネット広告へのシフトや動画配信市場の拡大が進んでいます。そのため、テレビがもつメディアとしてのパワーの維持は、大きな課題です。
一方、民間放送が番組広告枠を販売するのとは異なるビジネスモデルをもつ放送局もあります。非上場の日本放送協会(NHK)は、放送法に基づき全国であまねく受信できる国内放送をおこない、放送番組の配信や国際放送を手がけています。
また、上場企業のWOWOWは放送衛星を使ったBS有料放送を展開しており、主に加入者から支払われる視聴料によって事業を運営しています。「WOWOWオンデマンド」による放送同時配信やアーカイブ配信も提供しています。
動画配信・ネット
動画配信・ネットの分類には、サイバーエージェントとNetflixの日本法人が入ります。動画配信は、映画やドラマなどの映像コンテンツをインターネットのサービスをつうじて届ける事業です。
外資系では、Netflixの日本法人(Netflix合同会社、非上場)があります。映画、ドラマ、アニメ、ゲームを配信する動画配信サービス「Netflix」を運営しています。
国内では、上場企業のサイバーエージェントが、インターネット広告事業をおこなっています。「ABEMA」「Ameba」などのメディア&IP事業、ゲーム事業、投資育成事業も手がけています。
映画・アニメ
映画の仕事は、作品をつくる「製作・制作」、映画を劇場に届けて宣伝する「配給」、映画館を運営して観客に届ける「興行」の3つの工程に分かれます。会社によって、どの工程までを自社で担うかが異なります。
東宝、松竹、東映はいずれも上場企業です。東宝は映画の製作・配給・興行を中心に、IP・アニメ事業、演劇事業、不動産事業を展開する会社です。有価証券報告書は、「ゴジラ」のIPを軸にした事業展開を挙げています。松竹も、映画の製作・配給・興行のほか、歌舞伎をはじめとする演劇事業や不動産事業があります。東映の事業は、劇場用映画とテレビ映画の製作・配給と、シネマコンプレックスの経営です。東京撮影所と京都撮影所もあります。
東映アニメーションは、東映の子会社で、自らも上場している会社です。アニメ作品の企画・製作と放映権等の販売のほか、作品キャラクターの使用許諾によってロイヤリティを得る版権事業をおこなっています。玩具・ゲーム・文具・アパレルメーカー等に使用を許諾し、海外にも販売しています。
アニプレックスは、ソニー・ミュージックエンタテインメントが100%出資する会社です。アニメを中心に、映像・音楽作品の企画製作、ゲームの企画・開発、劇場作品の製作・配給、商品化ライセンスなどを手がけています。日本テレビホールディングスが議決権の42.3%を持つスタジオジブリは、アニメーション映画等の企画制作とライセンスをおこなっています。
外資系の日本法人もあります。ウォルト・ディズニー・ジャパン(非上場)は、国内でエンターテイメント領域とエクスペリエンス領域を展開しています。前者はスタジオやディズニープラスなど、後者はパーク、グッズ、ストアなどです。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(非上場)は、映画とホームエンターテインメントの事業を手がけています。ワーナー ブラザース ジャパン(非上場)は、映画の輸入配給と映像ソフトの企画・販売をおこなってきました(劇場配給業務は2025年12月31日に終了)。
音楽・芸能
音楽・芸能の分類には、音楽作品を出す会社と、タレントのマネジメントをおこなう会社が入ります。
上場企業のアミューズは、総合エンターテインメント企業です。コンサートや舞台などのイベント関連事業、ファンクラブ運営、アーティストグッズの商品販売、音楽・映像、タレントの出演・CM事業を手がけています。エイベックス(上場)も、音楽事業、アニメ・映像事業、海外事業をおこなっています。
レコード会社では、ソニー・ミュージックエンタテインメント(非上場)がソニーグループの100%子会社で、グループ全社の経営・管理をおこなっています。マーケティング、アーティストの発掘・育成、デジタルコンテンツ、ライブエンタテインメントなどの事業も展開しています。ユニバーサル ミュージック(非上場)は、邦楽、洋楽、クラシックス&ジャズなどのレーベルから作品を出す、ユニバーサル ミュージック グループの日本法人です。日本コロムビア(非上場)は、オーディオ、ビデオ、ゲームソフト等の制作、宣伝、販売と、音楽アーティストのマネジメントをおこなっています。
芸能プロダクションでは、吉本興業ホールディングス(非上場)が、所属タレントやアスリートのマネジメントを手がけています。劇場運営、テレビ番組や映像・音楽コンテンツの制作・販売、NSC吉本総合芸能学院の運営なども事業です。ホリプロ(親会社はホリプロ・グループ・ホールディングス、非上場)は、タレントのマネージメントに加えて、CMやテレビ番組の制作をおこなっています。スターダストプロモーション(非上場)の事業は、タレント・歌手・俳優のマネージメントです。
出版・新聞
出版・新聞の分類には、書籍・雑誌の出版社と、新聞・ビジネス情報の会社が入ります。
上場企業のKADOKAWAは、書籍・雑誌の出版を中心に、アニメ・実写映像、ゲーム、教育事業まで手がけています。動画コミュニティ「niconico」などのWebサービスも展開しています。有価証券報告書が基本戦略に掲げているのは、「グローバル・メディアミックス with Technology」です。
非上場の出版社では、講談社が書籍・雑誌の出版を中心に、電子書籍などのデジタル事業や映像化・アニメ化などのライツビジネスを展開しています。集英社は、マンガ誌・ファッション誌・文芸誌などの雑誌、書籍、コミックスの出版を手がけています。小学館の事業は、雑誌・書籍・コミックの出版と、関連するデジタル、映像、キャラクター事業です。
新聞・ビジネス情報の分野では、日本経済新聞社(非上場)が、新聞、出版、デジタル、映像などの媒体をつうじて情報を提供しています。その子会社の日経BPは、出版物の発行をおこなっています。
ゲーム
ゲームの分類には、親会社をもたない上場企業の3社と、親会社をもつ4社が入ります。
自社でハードウェアとソフトウェアの両方を手がけるのが、上場企業の任天堂です。携帯型・据置型のゲーム専用機を開発・製造・販売し、自社のソフトには『スーパーマリオ』シリーズ、『マリオカート』、『ゼルダの伝説』シリーズがあります。また、上場企業のカプコンは、家庭用ゲームやモバイルコンテンツの開発・販売をおこなっています。新作の投入に加えて、過去に発売したタイトルのリピート販売をデジタル販売の強化で伸ばす方針です。『ストリートファイター6』では、ハリウッドでの映画展開も進めています。
スクウェア・エニックス(スクウェア・エニックス・ホールディングスの事業会社)は、コンピュータゲームの企画・開発・販売をおこなっています。コミックなどの出版事業やライツ・プロパティ事業もあります。セガ(セガサミーホールディングスの事業会社)の事業は、コンシューマゲームとアミューズメント機器の開発・販売です。コナミデジタルエンタテインメント(コナミグループの事業会社)は、「遊戯王カードゲーム」や『eFootball』などを展開しています。バンダイナムコエンターテインメント(親会社はバンダイナムコホールディングス)は、家庭用ゲームやネットワークコンテンツの販売・配信をおこなっています。
また、上場企業のブシロードは、トレーディングカードゲームの企画・開発・発売を主軸にしています。モバイルゲームの企画・開発や音楽コンテンツ・ライブの制作・運営を連動させるメディアミックスも展開しています。
テーマパーク・キャラクター・玩具
テーマパーク・キャラクター・玩具の分類には、テーマパークの運営会社、キャラクターと玩具の会社、アミューズメント施設の運営会社が入ります。
テーマパーク運営では、上場企業のオリエンタルランドが、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営しています。ホテルの経営・運営もおこない、米国のディズニー側とは、ライセンスや開発、建設、運営に関する業務提携契約を結んでいます。大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するのは、ユー・エス・ジェイ(正式名は合同会社ユー・エス・ジェイ、非上場)です。米国のNBCユニバーサル(コムキャストグループ)の傘下にあります。
キャラクターや玩具では、上場企業のサンリオが、キャラクターの商品化権の許諾・管理、ギフト商品の企画・販売、テーマパークの運営をおこなっています。タカラトミー(上場)は、おもちゃの企画・製造・販売をおこなっています。
アミューズメント施設の運営では、GENDA(上場)が、エンターテイメント事業の持株会社です。アミューズメント施設を運営する「GENDA GiGO Entertainment」を連結子会社に持っています。ラウンドワン(上場)は、ボウリング、アミューズメント、カラオケ、スポッチャなどを備えた屋内型複合レジャー施設を運営しています。
このほか、当サイトで企業研究の記事がある広告・Webの会社は次のとおりです。
エンタメ業界の年収ランキングを見るときのポイント
エンタメ業界の大手企業の年収は、平均年齢・勤続年数・従業員数とあわせて読みます。有価証券報告書に載る平均年収は会社全体の平均値であるため、社員の年齢構成や組織の規模、業界全体の相場とあわせて見ると、転職後の待遇を考える材料になります。
平均年齢と平均勤続年数
各社の平均年収は、「平均年齢」と「平均勤続年数」とあわせて見ます。同じ年収でも、何歳くらいの社員が何年ほど勤めて得ている金額なのかで、意味が変わります。
表の21社では、平均勤続年数が10年を超える会社が15社、平均年齢が40歳以上の会社が12社です。表の平均年収は、こうした社員を含めた平均であり、中途で入る人の年収そのものではありません。
表に入るテレビ局4社は、平均年齢が41.6〜44.5歳、平均勤続年数が15.8〜19.1年です。勤続年数は、21社のなかで長い順に1位から4位を占めます。映画の東宝は平均年収が952万円(9位)で、平均年齢は37.9歳です。
サイバーエージェントは、平均年齢33.8歳、平均勤続年数6.5年で、平均年収は914万円(10位)です。ブシロードも、平均年齢32.4歳、平均勤続年数4.7年で、平均年収は499万円(21位)です。
従業員数と社員の構成
ランキングの平均年収は、会社単体の従業員の平均値です(持株会社の下の7社は、その事業会社の従業員の平均)。そのため、企業の従業員数や社員の構成によって数字の持つ意味が変わってきます。
オリエンタルランドの従業員は6,528人で、21社のなかで最も多く、平均年収は605万円(20位)です。有価証券報告書には、従業員のほかに「平均臨時雇用者数14,263人」が外数で示されています(2026年3月期)。
会社の規模も、企業によって大きく異なります。従業員数が3,000人を超えるのは、オリエンタルランド、カプコン、スクウェア・エニックス、任天堂の4社です。一方、WOWOW(331人)、ブシロード(275人)、アミューズ(253人)は、400人を下回ります。
業界全体の平均年収との比較
業界全体の相場とも比べます。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和7年)をもとにした年収の目安は、次のとおりです。
| 産業 | 年収の目安(従業員10人以上の企業すべて) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 年収の目安(1,000人以上の企業) |
|---|---|---|---|---|
| 放送業 | 約713万円 | 43.8歳 | 15.9年 | 約813万円 |
| 映像・音声・文字情報制作業 | 約617万円 | 41.8歳 | 14.3年 | 約945万円 |
| 情報サービス業 | 約670万円 | 39.7歳 | 12.3年 | 約807万円 |
| 娯楽業 | 約438万円 | 42.8歳 | 11.1年 | 約464万円 |
この統計とランキングの21社を比べると、放送業の約713万円を上回る会社は、21社のうち18社です。娯楽業の約438万円は、21社すべてが上回っています。映画・テレビ番組の制作や出版などを含む映像・音声・文字情報制作業は、1,000人以上の企業で約945万円です。ただし、この区分の1,000人以上は平均年齢46.5歳・平均勤続年数21.4年と、ほかの産業より高いため、年収の差をそのまま比べられません。
なお、ゲームソフトの会社が入る情報サービス業はシステムの受託開発会社なども含むため、業界全体の数字はゲーム会社だけの平均ではない点に留意してください。
応募する求人の年収レンジ
ランキングの平均年収は全社の平均値であり、自身が応募する職種の年収とは別物です。実際の中途採用では、職種やポジションごとに年収の範囲(上限と下限)が提示されます。
営業・マーケティング、エンジニア、企画、制作といった職種の違いや、これまでの実務経験、入社時の等級によって提示額は大きく変動します。そのため、平均年収は企業の支払い能力や処遇水準の目安としてとらえ、実際の応募時は具体的な求人票の年収レンジを確認することが欠かせません。
あわせて求人票を見るときは、金額以外の労働環境の項目も確認しておくと安心です。月平均の残業時間やみなし残業の時間、年間休日の日数、休日出勤が発生した際の振替休日の扱いなどは、入社後の働きやすさに直結する大切な確認ポイントです。
エンタメ業界の主な職種
エンタメ業界の職種は、作品づくりの現場だけでなく、流通や販売、経営管理まで広がっています。この章では、制作・プロデューサー、ゲームのクリエイター・エンジニア、営業・マーケティング、事業企画・管理部門の仕事を順に紹介します。
制作・プロデューサー
映画の製作・配給・興行のうち、東宝は3つすべてを手がけています。キャリア採用でも、映画・アニメ・演劇・不動産・管理の各セクションで、専門性やキャリアを生かす人材を募集しています。
テレビ局の番組づくりは、番組のプランやスケジュールを決めるプロデューサーと、現場で撮影スタッフらを指揮し、出演交渉もする放送ディレクターが連携しておこないます。近年のテレビ番組制作は制作プロダクションへの外注が多く、放送局の社員は制作セクションのアシスタントディレクターから経験を積みます。幅広い教養や統率力が求められ、番組制作に入ると労働時間は不規則になりがちです。日本テレビのドラマのように1〜2年かけてつくる番組もあれば、情報番組のように情報の鮮度が命となる現場もあります。また、カメラマンや音声などの制作技術に加え、電波を送る送信(国家資格の陸上無線技術士が必須)などの放送技術者も現場を支えています。
アニメの現場では、作画作業の割り振りや予算・進捗を管理する「制作進行」が工程を納期に間に合わせます。絵を描くスキルは求められないことが多く、制作デスクをへてプロデューサーへ進む道があります。東映アニメーションでも、オリジナル作品の立案などを担う企画部門と、製作進行や作画、CGを担う製作部門は別の部門です。
出版社の図書編集者は、企画立案から採算性の検討、執筆依頼、レイアウト、印刷スケジュールの決定までを担います。中途採用では、専門知識や著者との人脈を持った経験者が募集されることがあります。
ゲームのクリエイター・エンジニア
ゲームソフト制作は、「企画」「グラフィック」「プログラミング」「サウンド」の4担当が基本です。企画は構成やシナリオ、進行を担い、グラフィックはキャラクターや背景を描きます。プログラミングはシステムの構築、サウンドは音楽や効果音づくりが仕事です。学歴や資格は不問で、専門的な技術や発想力が求められます。
大手の開発現場では職種が細分化されています。たとえばカプコンの開発職の募集区分は、アーティスト(2D・3D、テクニカルアーティスト、UIなど)、プログラマー/エンジニア、企画、サウンドです。プログラマーには、ゲーム開発のほか、自社ゲームエンジン(RE ENGINE)の開発やサーバー開発の枠もあります。開発環境を整えるソリューション開発や、プレイデータを分析するデータアナリストの枠もあります。
転職エージェントでゲーム関連の職種を探すときは、dodaなら「クリエイター・クリエイティブ職」で検索できます。リクルートエージェントなら、「クリエイティブ/デザイン職」の「ゲーム」区分で検索できます。
営業・マーケティング
テレビ局の営業は、地上波や配信のCM枠を販売し、スポンサーの要望に応える番組コラボCMやイベントを企画します。日本テレビの海外ビジネスは、コンテンツや企画フォーマットのライセンスを海外へ販売する仕事です。Hulu・TVerでの配信や、SNSやYouTubeを活用したICTビジネス(コンテンツ・マーケティング)も展開しています。また編成部門が、調査と分析をもとにどのコンテンツをいつ放送・配信するか決定します。
ゲーム会社やアニメ会社でも事業部門が活躍しています。カプコンの総合職事業部門は、1つのコンテンツを多面的に展開する「ワンコンテンツマルチユース戦略」のもと、事業を展開します。仕事は、市場分析やプロモーション、eSports企画運営、ライセンスビジネスなどです。東映アニメーションの営業部門も、版権事業、商品販売、イベント、映像販売(放送局や配信プラットフォームとの調整)などに分かれ、作品の収益化を広く担っています。
事業企画・管理部門
作品やキャラクターの使用許諾(ライセンス)を事業にしている会社があります。東映アニメーションの版権事業や、サンリオのキャラクター商品化権の許諾が一例です。日本テレビは、自社の仕事を、コンテンツを「つくる」、映像を「届ける」、CM枠やコンテンツを「売る」、事業を「支える」、「戦略を立てる」に分けて紹介しています。「つくる」には、映画やアニメ、ライブ、舞台をトータルに手がけるエンターテインメントビジネスがあります。e-sports、XR、VTuberなどの新規事業を開発する部署も、「つくる」の仕事です。
管理部門は、経営企画、経理、総務・人事、法務、情報システムなどです。知財や、カプコンの開発支援スタッフ(各ハードメーカーの審査対応やCEROなどのレーティング機関への申請、ストア登録)といった専門職もあります。新製品やサービスの企画・調査担当は中途採用もおこなわれており、部門ごとの原価や損益を見極める判断力やマーケティング知識が求められます。
エンタメ業界への転職で使う転職エージェント
転職エージェントは、移りたい先の業界に合わせて選びます。テレビ・出版・映画などメディアの会社へ移る人は、専門職でも営業や事業部門の職種でも、リクルートエージェントが向いています。ゲーム会社へ移る人は、クリエイター・エンジニアでも営業などの職種でも、dodaです。管理職や経験を積んだ企画・マーケティングの人はJACリクルートメントです。
リクルートエージェント(大手・総合型)
テレビ・出版・映画などメディアの会社へ移る人に向く理由は、業界の区分から職種を問わず求人をさがせるためです。業界「マスコミ 広告業界」(マスコミ・出版・放送・雑誌・新聞・テレビ)や「スポーツ エンターテイメント業界」の区分でさがせます。専門職として移る人は、職種の区分も使えます。区分は「出版/メディア/芸能/エンタメ専門職」(出版/印刷/著述業、テレビ/映画/アニメ、芸能、キャスティングディレクター)です。非公開求人も特定の職種や業種にかぎらずそろっています。
キャリアアドバイザーが、希望条件と企業の採用条件をあわせて求人を紹介します。支援の流れは、会員登録、面談、求人紹介と書類添削、応募と面接対策、内定後の年収交渉と入社日の調整です。応募先に合わせた職務経歴書の書き方を助言し、面接は企業ごとの着眼点や採用された人の傾向をつたえます。日程調整や条件交渉もかわりにおこないます。
面談は対面か電話で、土日や平日の夜にも調整可能です。利用は無料で相談だけでも使え、転職をすすめられない場合もあります。求人の状況によっては面談がむずかしい場合もあります。
doda(大手・総合型)
パーソルキャリアが運営する総合型エージェントです。
ゲーム会社へ移る人に向く理由は、業種の区分でゲーム会社をさがせるためです。区分は「ゲーム(オンライン・ソーシャル)」や「アミューズメント・エンタメ・ゲームメーカー」です。業種「インターネット・広告・メディア」には「放送・新聞・出版」「印刷」もあります。「Web・ITエンジニア」「モノづくりエンジニア」「管理職・ハイクラス」などの専門サイトがあり、専任のアドバイザーが在籍します。
担当は、求職者に付くキャリアアドバイザーと、企業ごとに求人を紹介する採用プロジェクト担当の2種類です。書類添削や推薦のほか、1〜3回ある面接に向けて模擬面接などの対策や日程調整をかわりにおこないます。企業からオファーが届く無料のスカウトサービスもあり、氏名や連絡先は非公開で現在の勤務先をブロックできます。
利用は無料で、転職するか決めていなくても相談できます。複数エージェントの併用をつたえれば日程調整に配慮してもらえます。カウンセリングは原則オンラインか電話です。登録から2週間程度かかることや、状況により設定できない場合もあります。その際も採用プロジェクト担当から求人が案内されます。
JACリクルートメント(ハイクラス型)
ハイクラス・エグゼクティブの転職に特化したエージェントです。
管理職や経験を積んだ企画・マーケティングの人に向く理由は、求人の区分と専門チームです。業種「マスコミ(広告・制作)」「WEB(デジタル・メディア・ゲーム)」や職種「クリエイティブ(広告・デザイン)」の求人を扱っています。経営企画・人事・法務・IR・広報などを担う管理部門の専門チームもあります。
登録後はWEBや電話で面談し、5年先・10年先のキャリアを一緒に考えたうえで非公開求人を含めて紹介します。複数の専門コンサルタントが連携して支援する点が特徴です。応募時のレジュメ添削や面接対策、日程調整に加え、内定後の条件交渉、入社日の調整、円満退社の助言、入社後のフォローまで一貫してサポートします。
利用は無料です。ただし、ハイクラス求人に特化しているため、これまでの経験や希望条件によっては紹介できる求人がなく、支援がむずかしい場合もあります。
まとめ
エンタメ業界21社の平均年収は、1位のテレビ朝日の1,500万円をはじめ、テレビ・放送の5社が上位5位を占めました。21社のうち、放送業の約713万円を上回る会社は18社です。平均年収は会社全体の平均なので、応募する職種の年収は求人票で確かめます。
転職先は、7つの分類から興味のある分野を選び、自分の職種が求められている会社へ絞ります。自分の経験に合う転職エージェントに相談してください。









