「看護師の経験が浅いから、志望動機を書けない」
経験の浅い看護師が転職活動を始めるとき、履歴書の志望動機をどう書けばいいか悩むでしょう。
しかし、悩む必要はありません。
なぜなら、志望動機で書く内容が決まっているからです。
この記事では、現役看護師の筆者が転職活動を始める経験の浅い看護師向けに、志望動機の書き方などを解説していきます。
この記事を読むとわかること
- 志望動機で書くうえで重要なこと
- 志望動機を書くときのコツ
- 経験が浅い看護師の参考になる志望動機
- 経験が浅い看護師におすすめの転職エージェント
この記事を読めば採用される志望動機を書けて、転職活動が成功するでしょう。
転職を成功させたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.志望動機を書くうえで、経験の豊富さは重要ではない
「臨床での経験を十分にアピールできない」
経験の浅い看護師が志望動機で悩むのは当たり前です。
しかし、志望動機を書くのに豊富な経験は重要ではありません。
なぜなら過去ではなく、「自分はなぜ転職先で働きたいのか」のような未来を書くのが志望動機だからです。
実際に病院の採用担当者は、志望動機で以下を知りたいと考えています。
- なぜ他ではなくうちの病院で働きたいのか
- 長く続けてくれそうなモチベーションはあるか
- 応募者が理想とする看護や働き方が実現できるか
- 病院の理念や環境と応募者の考えが合うか
つまり、スキルや経験をアピールするよりも、どうしても転職先で働きたいのを伝える方が大切です。
もちろん、志望先で活かせるスキルや経験があるのは理想的でしょう。
しかし、転職先で働きたい熱意を感じさせる文章にするには以下を伝えるほうが重要です。
- 自分の今後のキャリア
- やりたい看護が職場といかにマッチしているか
- 長く働くモチベーション
スキルや経験の少なさに引け目を感じますが、志望動機を書くときに気にする必要はありません。
志望動機を書く目的や意味を理解しておけば、誰でもいい文章を書くことが可能です。
2.志望動機を書くときの6つのコツ
志望動機の方向性がわかったところで、志望動機を書くときのコツを紹介します。
具体的には以下の6つです。
それぞれ詳しく紹介していきましょう。
2-1. 情報収集を徹底しておこなう
はじめに、志望先の情報収集を徹底しておこなうのが大切です。
なぜなら、志望先の情報がないまま、志望動機を書くと表面的で具体性に欠ける文章になるからです。
たとえば「貴院の理念に共感し、志望いたしました」のような文章はどの病院でも書ける文章で、応募者の考えやこの病院で働きたい熱意は伝わりません。
採用者側からすれば、「本当にうちで働きたいのか」「うちの病院のことをきちんと調べて応募したのか」と思われてしまいます。
したがって、求人情報に記載された待遇や募集要項だけでなく、病院の理念や看護師像など詳細を調べておきましょう。
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志望動機を書くために必要な情報 |
情報源 |
病院の理念・基本方針 |
病院HP |
病院の特色
- 病床数
- 対象としている患者・疾患・地域
- 救急体制
- 力を入れている部門や治療法
|
病院HPやインターンシップ・病院見学で確認。 |
看護体制
- 求める看護師像
- 看護配置
- 教育・研修制度
- キャリア形成
|
看護部HPやインターンシップ・病院見学にて確認。
求める看護師像は、教育体制や看護部長の挨拶文から読み取れる。 |
2-2. 退職理由を書く
「退職理由を書くのは、ネガティブな印象を与えてしまうため評価が下がるのでは」と考えるでしょう。
しかし評価が下がる原因は、退職したことではなく退職理由にあります。
たとえば「人間関係や残業の多さで退職した」と伝えた場合、真実でもマイナスな評価になりやすいです。
なぜなら、退職理由を同僚や会社の責任にしているからです。
したがって、看護師の経験が浅くても転職をしたいのであればポジティブな理由を書きましょう。
たとえば「貴院の救急病棟で、緊迫した患者さんを救いたい」のような内容です。
採用担当者は、短期で転職をする人に対して「採用しても、またすぐに退職するのではないか」と考えてしまいます。
しかし前職を辞めた理由や今後どうしたいかを前向きに伝えると、不安から期待へ変わるため退職理由の伝え方は工夫が必要です。
2-3. 意欲を前面にアピールしていく
志望動機はスキルや経験のアピールの場ではなく、志望先への熱意を伝えるのが大切です。
したがって、就職できたら何をどう頑張りたいのかを具体的にアピールしましょう。
アピールできる例としては、以下のとおりです。
- 今の自分が出来ること
- 目標に対してどの段階にいるのか
- やりたいことを実現するためにおこなっていること
意欲のアピールに加えて、就職したあとに活躍している姿を病院側が想像できているかがポイントです。
志望先でやりたいこと、頑張りたいことを具体的に書いて、他の人との差別化をしていきましょう。
〈悪い例〉
現在は急性期病棟に勤務しているため救急外来の勤務はありませんが、3次救急のある貴院でスペシャリストになるべくスキルを磨いていきたいと思います。
……意欲のアピールはしていますが、誰にでもいえそうな内容になっています。
〈良い例〉
3次救急のある貴院でスキルを磨き、救急看護のスペシャリストになりたいと考えています。
現在は急性期病棟で看護の基礎を固めながら、日本救急看護学会のセミナーに参加し、救急時の対応やフィジカルアセスメントを学ぶなど日々自己研鑽に励んでいます。
……転職先で働きたい意欲だけでなく、あなたが目標に向かって努力する力がある人材なのが伝わります。
2-4. 志望先の魅力に感じる点・共感できる点を書く
志望動機には調べた病院の情報から、魅力に感じている点や共感できる点を書きましょう。
具体的には、以下の箇所から探すのがおすすめです。
病院側は、自分たちの考え方や方針に合った人材の採用を考えています。
したがって「理念や教育体制に共感して魅力を感じている」のように、病院側と考えがマッチ点を志望動機に書きたいところです。
しかしホームページに書いてあるような、調べればすぐわかる情報を丸写ししてはいけません。
なぜ他ではなくうちで働きたいのか、病院側が納得できる文章を書くのが大切です。
そのためには自身の経験や看護観など、具体的なエピソードを書くのがいいでしょう。
例)
私は、看護部の理念である「患者さんの主体性を尊重し発揮できるような医療を提供する」に共感し、貴院を志望しました。
きっかけは、学生時代に実習で脳梗塞後の患者さんを受け持ったことです。
その際にADLが少しでも回復するように、患者さんの「コツコツ努力できる強み」を引き出して援助する看護師の姿がありました。
そこで私も患者さんのできることを尊重して、その人らしさを発揮できる看護をしたいと考えました。
貴院のインターンシップに参加した際も、スタッフ1人1人が「どうしたら患者さんが主体的に治療に取り組めるか」「患者さんの強みはなにか」を話し合う姿を拝見しています。
そのような経験もあって、私も貴院の一員になりたいと思い志望いたしました。
2-5. 「学びたい」だけはNG!職場に貢献する気持ちがあるのを忘れずに書く
経験の浅い看護師の志望動機で注意しなければいけないのは、学習意欲を全面に出してしまう点です。
やる気や向上心が伝わってよさそうですが、むしろ逆効果といえます。
なぜなら受け身な印象を与えてしまい、学びたいだけの人を採用するメリットがないからです。
たとえば、子供を見てくれるベビーシッターを見つけるときを想像してみましょう。
「お子さんのお守りを通して、保育を学びたいです!」と話すベビーシッターよりも、
「シッター歴は浅いですが子供向けの英語教育の経験があるので、楽しく英語を教えられます!」のほうが好印象です。
このように、「学びたい」をアピールするのは何も好印象を与えません。
病院側にメリットがない内容は避けたほうが賢明です。
2-6. 経験・スキルがあればさらに説得力が増す
志望先の病院に貢献できるスキルがあれば、アピールしましょう。
志望動機に説得力が増して、他の応募者との差別化ができます。
看護師の経験が浅いと自信を持って書けないところですが、実は病院にとって価値のある経験やスキルの可能性があります。
強みや志望先で活かせそうなスキルを見つけるために、スキルや経験の棚卸しをしてみるのがおすすめです。
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看護師の業務経験・スキル |
その他の業務経験 |
看護師としての考え方 |
- 勤務経験のある病棟と年数
- どの経過にある患者さんか(急性期・慢性期など)
- 担当したことのある疾患
- 患者さんの年齢層
- 患者さん・ご家族とどんな関わりをしてきたか
- 習得した医療行為・看護技術
|
- 病棟の係や委員会の経験
例)・褥瘡対策チームに加わり、患者さんの皮膚トラブルに対応していた。
- 医療安全委員会に所属し、安全対策の啓蒙していた
- リーダーやプリセプター経験の有無
- 他職種との連携
|
- 看護師を目指した理由
- どんな看護師になりたいか
- 仕事をしていく上で大切にしていること
- やりがいを感じたエピソード
- 辛かったことと乗り越え方
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3.経験が浅い看護師の志望動機の例文【7選】
志望動機を書くコツを紹介してきたところで、経験が浅い看護師の志望動機の例を紹介しましょう。
志望動機は、何が決め手になったのかを書くのがポイントです。例として、以下の7つが考えられます。
自分の状況や考えに合った例文を参考に、志望先の病院に合わせた志望動機を書いてみてください。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
3-1. スキルアップを軸にした場合
今後のキャリア形成を考えて転職する場合は、スキルアップをして目指す姿を志望動機に書くといいでしょう。
3-2. 病院の特色を軸にした場合
志望動機に病院の特色を書くのであれば、どのような特色があって、なぜ魅力を感じているかを書くといいでしょう。
看護師の経験が浅くて未熟な面もありますが、急性期で培った「患者さんの小さな変化に気付く観察力」を活かしたいと考えています。
3-3. 提供している医療に魅力を感じた場合
提供している医療に魅力を感じた志望動機を書く場合、力を入れている事業や強み、やりたい看護がマッチしている点を伝えていきましょう。
3-4. 過去の経験がきっかけの場合
志望先に興味を持つきっかけとなった経験を書く場合、具体的なエピソードを交えると説得力のある文章ができます。
3-5. 通勤しやすいを軸にした場合
通勤しやすい点を志望動機にする場合、通勤時間を強調しないようにしましょう。
採用する側が「うちよりも通いやすい病院に行ってしまうのでは」と考えるからです。
通勤だけでなく、病院の特色や方針などにも魅力を感じている点も書くとよいでしょう。
3-6. 理想とする看護が軸の場合
理想とする看護を書く場合、なぜ理想の看護が実現できると考えたのかを具体的に書きましょう。
3-7. 病院の研修制度に魅力を感じた場合
看護体制や病院の研修制度を書く場合、研修制度を利用してどう活躍したいかまで書くようにしましょう。
4.経験が浅い看護師におすすめの転職エージェント【3選】
志望動機を書くコツやお手本がわかったところで、あとは実際に志望動機を書いて転職活動を開始するだけです。
転職活動は、転職エージェントを利用するのをおすすめします。
なぜなら、志望動機のフィードバックをしたり転職先の情報を知っていたりと、転職が成功するノウハウを熟知しているからです。
おすすめは、以下の3つの転職エージェントです。
1つずつ詳しく紹介していきます。
4-1. 看護roo!(看護ルー)
『看護roo!』は、利用者の満足度が96%の転職エージェントです。
有効求人の数も4万件を超えており、経験が浅くとも転職できる求人を探すには十分な求人数でしょう。
実際、キャリアセオリーでおこなったアンケートでも、求人の質や量、サポート力がトップクラスでした。
また掲示板のサービスもあって、転職の悩み相談もできるため、転職がうまくいく情報をエージェント以外からも知ることができます。
多くの口コミも投稿されているので、ぜひ参考にしてみてください。
4-2. レバウェル看護(旧・看護のお仕事)
『レバウェル看護』は、公開求人数が1番多い転職エージェントです。
公開求人数が14万以上で、主要な看護師の転職サイト16サービスのなかで1番多く抱えています。
実際、キャリアセオリーでおこなったアンケートでも、求人の質と量が1位であり、サポート力もトップクラスです。
また、お役立ち情報には、経験が浅い看護師さん向けの記事も掲載しています。
看護roo!に続いて、レバウェル看護も利用して転職できた口コミがあったため、登録すべき転職エージェントでしょう。
4-3. マイナビ看護師
『マイナビ看護師』は、マイナビ転職で有名なマイナビ株式会社が運営しています。
看護roo!やレバウェル看護に比べて、病院以外の施設の求人が多いのが特徴です。
マイナビ転職の転職支援サービスの実績もあるため、転職のノウハウは豊富だといえます。
実際に、転職を希望する看護師には「看護師転職サポートブック」が配布され、役に立つと好評です。
また、口コミにも「経験が浅くても転職できた」との声があります。
したがって、病院以外での転職を希望している方におすすめの転職エージェントです。
5.まとめ
この記事では、経験が浅い看護師の志望動機の書き方とその例文を解説しました。
看護師の経験が浅い状態で志望動機を書き始めると、経験の浅さにネックを感じる人も多いでしょう。
しかし、志望動機を書くうえで大切なのは、スキル・経験のアピールではなく「他ではなく転職先で働きたい熱意」を伝えることです。
志望先への想いが込められた志望動機が書ければ、採用の担当者に魅力的な人材なのかが伝わります。
志望動機の書き方に悩んだら、この記事を参考にすれば問題ありません。
あなたの転職活動が成功するのを祈っています。
大学病院の消化器外科に2年半勤務し、専門的な医療を学んできました。
仕事を続けていくなかで、看護師としてより幅広い疾患に対応出来るジェネラリストになりたいと考えるようになり、地域の医療全般を担う貴院を志望いたしました。
知識・技術ともに未熟な面はありますが、大学病院で培った学習し続ける姿勢を大切にしながら、現場で第一線で活躍し続ける看護師を目指すべくスキルアップしていきたいです。