「ストレスで精神的に疲れたけど、怖いから退職を言いづらい」
「退職したいけど人手不足で申し訳ない」
円満退職を実現したいなら、勇気を出してできるだけ早いタイミングで仕事を辞める意思を伝えましょう。
加えて、辞めたいと伝えるときのコツを押さえれば、余計なトラブルや引き止めを回避できます。
- 本音と建前を使い分ける
- 「相談」のような言い回しをしない
- 職場の不満は決して口にしない
- 辞める理由は個人的な内容or前向きな内容にする
- 仕事辞めたいけど次がないを防ぐために、先に転職先を決めておく
本記事では、元人事部で退職・転職について詳しい筆者が、仕事を辞めるコツや流れなどを紹介しています。知恵袋にはない情報も満載です。
すべて読めば、仕事の辞め方がわかり、円満退職への第一歩を踏み出せるでしょう。
この記事を読むとわかること
なお「上司が怖くて退職を言い出せない…」と悩んでいるなら、退職代行サービスの活用を検討しましょう。会社に行かず仕事を辞められます。
転職や退職の方法に関する悩みは、それぞれの分野のプロフェッショナルに頼るのも有用です。
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目次
仕事を辞めたいのに言えない4つの理由
仕事を辞めたいけれど言えない代表的な理由としては、以下の4つが挙げられます。
それぞれ簡単に解説していきます。
上司の反応が怖いので退職したいと言い出せない
上司の反応が気になってしまい、なかなか退職を言い出せない方は多いです。
特に上司が怖かったり威圧的であったりする場合、「怒られるのではないか」「話を聞いてもらえないのではないか」と心配になるのは当然だと言えます。
また、お世話になっている優しい上司の場合であっても、なかなか言い出しづらいもの。「残ってもらえないかとお願いされたら断れない」「引き止められたらどうしよう」と心理的なハードルが高くなってしまうのも無理はありません。
人手不足で職場に申し訳ないと思い言いづらい
自分が辞めることで職場に迷惑をかけてしまうという理由で、退職を躊躇している方もいるでしょう。
責任感の強い人ほど、「自分が抜けたら仕事が回らなくなるかもしれない」と心配してしまうケースが多いです。特に人手不足の職場であれば、なおさら辞めづらいでしょう。
しかし、一人の社員が抜けただけで仕事が回らなくなったのであれば、それは経営側の責任であり、退職者の責任ではありません。
引き継ぎさえしっかりと行っておけば、自分が辞めた後の職場のことまで心配する必要はないと言えます。
辞めると伝えた後も会社に行くのがストレスで言えない
辞めると伝えた後も会社の行くのが気まずい、という人も多いでしょう。
仕事を辞めると伝えたその日に退職することは基本的になく、やむを得ない事情により出社できなかったり、有給消化を行ったりする場合がほとんどでしょう。たいていは、数週間~数か月間会社に通うことになります。
そのため、多少の気まずさを感じることもあると思います。辞めるまでの期間過ごしやすいかは、上手く辞意を伝えられるかどうかに左右されますので、この記事で解説する方法を参考に伝えるようにしてください。
家族の反応が気になり勇気がでない
家族の反応が気になって仕事を辞めたいと言い出せない方もいるでしょう。
両親であれば、「せっかく入った会社なのだから辞めるのはもったいない」「考えが甘いのではないか」と、厳しい意見を言われるかもしれません。
奥さんや旦那さんであれば、「収入は大丈夫なのか」「今後の生活はどうするのか」「将来が不安だ」と、難色を示されるかもしれません。
相手が納得できる退職理由を考え、現在の状況や将来のプランを伝えることが大切だと言えます。
【結論】「辞めたい」は早く伝えるほど後が楽になる
「辞めたい」というタイミングを逃している方も多いと思いますが、円満退職を実現するならむしろ「できるだけ早いタイミングで伝える」ことこそが何より重要です。
余裕を持って退職の旨を伝え、時間をかけて引継ぎをしておけば、会社側としても困ることはなくなるからです。新しい人材を採用する時間もあるでしょう。過度な引き止めにあったり、周囲に迷惑をかけてしまい、気まずくなったりすることもなくなります。
具体的に言うと、仕事を辞める旨は1ヶ月以上前に伝えるようにしてください。
これに対して、ギリギリまで「辞めたいけど言えない」と悩み続け、急なタイミングで伝えてしまっては、会社側としては当然引き止めを行います。いきなり人がいなくなったら、業務が回らなくなるからです。
企業の本音
企業側としても、「もちろん長く続けてほしいが、退職するのは仕方がない。早めに伝えてもらえれば引継ぎの余裕も生まれるし、採用の時間もあるから、快く送り出せる。急に”今月辞めます”と言われたら、引き止めざるを得ない」というのが本音です。
ちなみに、ほとんどの会社では、就業規則に1ヶ月前~3ヵ月前に申し出るよう記載されているはずです。
退職手続きには、以下のような工程を踏む必要があるからです
- 社内承認を得る・調整:1週間~2週間
- 業務の引き継ぎ:1週間~2週間
- 有給休暇の消化:1週間程度
就業規則はあくまでも会社が定めた規則であり、法的な強制力はありませんが、なるべく従うようにしましょう。
「仕事を辞めたい」と伝える5つのコツ
会社を円満に退職するには、「辞めたい」の伝え方が重要です。以下の5つを全て押さえておくことで、余計なトラブルや引き止めを回避できます。
それぞれ解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
本音と建て前を使い分ける
退職を伝える際は、本音と建て前を使い分けるようにしましょう。
「本当の退職理由」と「会社に伝える退職理由」は、必ずしも同じである必要はありません。
例えば、給料が安すぎて退職したい場合でも、「給料に不満があるので退職します」と正直に伝える必要はなく、「家庭の事情で」「一身上の都合で」など、建て前の理由を伝えた方が円満に仕事を辞めやすくなります。
実際、エン・ジャパンの調査によると「本当の退職理由を伝える人は約半数しかいない」ことが分かっています。(参考:退職理由のホンネとタテマエ)
同調査によると、会社に伝えた退職理由として最も多いのは「結婚、家庭の事情」であり、本当の退職理由については「人間関係」が最多の回答でした。
円満退職を目的に、多くの人が本音と建て前を使い分けていることが分かります。
「相談」のような言い回しをしない
「相談」のような言い回しをしないことも重要です。「辞めます」と言い切るくらい、はっきりとした意思表示をしてください。
「実は会社を辞めたいと思っているのですが……」のような曖昧な言い方をすると、上司に引き止められる可能性が高くなります。
歯切れの悪い伝え方では、上司も相談されているのではないかと勘違いし、会社に残る前提で話が進むことがあるからです。話し合いに発展し、退職しづらい空気になってしまうでしょう。
職場の不満は決して口にしない
職場の不満を口にするのは避けましょう。
「残業が多い」「人事評価制度が良くない」「人間関係が悪い」など、会社や上司に対して不満があり、退職を決意した人も多いと思いますが、それらを会社に直接伝えてしまうと、トラブルに発展しかねません。
上司に悪影響を与えてしまい、退職までの期間に気まずい思いをすることにもなります。
円満退職するためにも、不満や悪口は言わないように気をつけてください。
辞める理由は個人的な内容or前向きな内容にする
退職理由は、個人的な内容か前向きな内容にすることをおすすめします。
個人的・前向きな理由であれば、会社側も引き止めにくく、スムーズに退職できる可能性が高いからです。
具体的な理由
- 家族の介護をしなければならない(個人的な事情)
- 結婚することになった(個人的な事情)
- 異なる業界に挑戦してみたい(前向きな理由)
- 将来やりたいことがある(前向きな理由)
特に「将来やりたいことがある」という理由は、円満退職につながりやすいでしょう。例えば、「目標のためにハローワークの職業訓練校に通いたい」などです。
「将来やりたいことが明確になったが、今の会社では(部署異動しても)実現できない」という場合も、会社側も理解してくれる可能性が高く、良い関係性を保ちながら退職することができます。
「仕事辞めたいけど次がない」を避けるために転職先を決めておく
先に転職先を決めておくことも重要です。
当たり前ですが、転職先が既に決まっている場合、現在の会社は必ず辞めることになります。
いくら上司の反応が怖くても、退職を申し出る以外の選択肢はないので、思い切って「仕事を辞めます」と伝えられるでしょう。
また、転職先が決まっていれば、現在の仕事を辞めた後の経済的な不安などもなくなります。そのため、ポジティブな状態で退職を伝えることができます。
働きながら転職活動となると、スケジュール管理が難しくなるので、転職エージェントなどのサポートサービスの利用をおすすめします。
「仕事辞めたい」を言えないまま先延ばしにするデメリット
仕事を辞めたいと言えないまま、退職をズルズルと先延ばしにしてしまうと、以下のようなデメリットが生じます。
働きがいがなくなり、人生の幸福度が下がる
結論から言うと、「この会社で働きたくない」という状態のまま退職をズルズルと先延ばしにすると、人生の幸福度が下がります。
ギャラップ社という企業が50年以上にわたり行った幸福の調査・研究によると、仕事の幸福度が高い人は、そうでない人に比べて「自分は素晴らしい人生を送っている」と思う割合が2倍も高いことが分かっています。
言い換えると、「今の会社・仕事に対してネガティブな捉え方をしていて、仕事の幸福度が低い」という状態は、人生の幸福度や日常生活の充実度を下げてしまうのです。
働く意欲が低下したり、精神的に疲れたりする
皆さんはワークモチベーションという概念をご存知でしょうか。ワークモチベーションとは、与えられた職務を遂行するために、あるいは目標を達成するために主体的に働き続ける意欲のこと。以下の3要素で構成されています。
- 方向性:目標をなぜ、どのように成し遂げるのかの明確性
- 強度:目標の実現に向けた努力や意識の高さ
- 持続性:目標を追求・実現するために費やされる時間の長さや継続性
「この会社を辞めてしまいたい」という状態では、目標を高く掲げたり、努力を継続したりすることは難しいでしょう。ワークモチベーションは下がってしまいます。
熱量高く目の前の仕事に没頭できない状態なので、モチベーションが高い人より相対的に後れを取ってしまいます。
市場価値が下がり転職で不利になる可能性がある
退職を先延ばしにすればするほど、自分の市場価値は下がっていきます。
高いモチベーションで没頭できない状態が続き、年齢だけを重ねてしまうからです。
上述の通り、ワークモチベーションが低いまま仕事を続けても、熱量高く目の前の仕事に没頭できず、モチベーションが高い人より相対的に後れを取ってしまいます。
スキル面でも差がついてしまい、どんどん自分の市場価値は低くなっていくでしょう。
即戦力が求められる中途採用では、必要なスキルを備えた市場価値の高い人材が採用されていきます。
自分の市場価値を下げないためにも、退職を先延ばしにするのはなるべく避けましょう。
仕事を辞める際の基本的な流れ
以下では、仕事を辞める際の基本的な流れについて解説します。
退職の旨を直属の上司に伝える
まずは、仕事を辞める旨を上司に伝えましょう。
伝えるのは「直属の上司」です。忙しい時間帯を避けて声をかけるか、あらかじめメールで都合を確認しておき、二人きりで話せる時間を作ってもらいましょう。
そして、「このような理由で退職します」ということを、丁寧に伝えてみてください。
なお、上述の通り、退職の1ヶ月以上前に申し出るのが望ましいです。
上司や人事担当者と退職に関する交渉を行う
仕事を辞める旨を伝えたら、上司や人事担当者と退職交渉を行います。
具体的には、以下のようなポイントについて話し合います。
- 退職日や有休消化について
- 業務の引き継ぎについて
また、退職交渉が終わったタイミングで、退職届を上司に提出します。書き方などが分からなければ、事前に確認しておきましょう。
なお、退職交渉でもし引き止められそうになった場合は、「嬉しいお言葉ありがとうございます。しかし、退職の意思に変わりはございません」と、ハッキリと伝えるようにしましょう。
また、「すでに転職先は決まっています」と伝えることで、引き止めの余地をなくすことも可能です。
業務の引き継ぎや有休消化を行う
退職交渉が終われば、後は業務の引き継ぎや有休消化を行い、退職日を待ちましょう。
「どうせ辞めるのだから」という姿勢で手を抜くのは良くありません。以下のポイントを意識しながら、退職日を迎えるまで丁寧に仕事を行ってください。
- 引き継ぎは計画的に進める
- 一方的に説明して終わらない
- 口頭説明だけでなく、必ずデータで残しておく
- 簡易的な資料を作っておく(要点をまとめ、共有しておく)
なるべく周囲の負担にならないよう心掛けることが大切です。
また、会社に返却するものや会社から受け取るものが複数あるので、しっかりと確認しておきましょう。
仕事を辞めたいとどうしても言えない場合の対処法
「どうしても退職を言い出せない」という場合は、以下のような対処法もあります。
極力おすすめしませんが、やむを得ない場合は検討してみてください。
人事部宛てに退職届を郵送する
上司に直接退職を伝えられない場合は、人事部宛てに退職届を郵送しましょう。
実は退職届を提出さえすれば民法の規定により、仕事を辞めることが可能です。郵送した証拠を残すため、「内容証明郵便」を利用すると安心です。
ただし、職場との関係が悪くなる可能性は高いので、十分に注意してください。基本的には直接手渡しするものなので、退職届の郵送は極力やらない方がよいでしょう。
退職代行サービスの利用を検討する
やむを得ない事情により退職を伝えられない場合は、退職代行サービスを検討してみてもよいでしょう。
退職代行サービスを利用すれば、会社に行かずに仕事を辞めることが可能です。退職手続きの全てを代行してもらえるので、上司とやり取りする必要もありません。
ただし、ある程度のコストがかかることは頭に入れておきましょう。
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仕事を辞めたいと言えないままにするのはNG!できるだけ早く伝えよう
元人事部で退職・転職について詳しい筆者が、「仕事を辞めたいけれど言えない理由や対処法、伝えるときのコツ」などを解説しました。
「仕事を辞められなかったらどうしよう」
「上司に退職を拒否されるのではないか」
このような不安を感じている方も、
辞められない仕事など存在しませんので、安心してください。
会社の就業規則には「退職日の1カ月前~3カ月前に意思表示」と記載されているケースがほとんどです。
やむを得ない事情がない限りは、就業規則にしたがいましょう。就業規則は、以下のような状態で保管されています。
- 職場内の見やすい場所に保管
- パソコンの共有フォルダに保管
- 社内ポータルサイトに保管
- 入社時に冊子として配布
見つからない場合は、人事部や総務部に確認してみてください。
なお、就業規則に「2週間前」と記載されていた場合は、2週間前の通告で問題ありません。
円満退職の流れについて更に詳しく知りたい方は、『会社を円満に辞める5つのステップとは?ベストタイミング&退職理由の伝え方』の記事を参考にしてください。
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