最大300万円をもらってお得に地方移住・就業・起業するなら、2024年までに?!
新型コロナウイルス感染症の広がりにより、地方への移住を検討したり実際に生活拠点を移したりする人が増えています。
国も東京一極集中を分散させるため2019〜24年度まで「移住支援金」や「起業支援金」を支給しています。
この連載では、東京圏以外からの移住者も活用できる全国の地方自治体の魅力的な取り組みをご紹介。
地方移住を検討しているが地域を決め切れていない人や、今はまだ地方移住に具体的な興味を抱いていない人にも参考になる情報をお届けします。
今回は、『石巻市(宮城県)』です。
石巻市SDGs移住定住推進課主事の今野芳紀氏、一般社団法人ISHINOMAKI2.0の矢口龍太氏のお二人に話を伺いました。
国が支給している「移住支援金」は、地域の重要な中小企業等への就業や社会的起業をする移住者を支援するもの。
単身者で60万円、世帯では100万円(18歳未満の者一人につき30万円を加算)が受け取れます。
「起業支援金」は、地域の課題に取り組む「社会性」「事業性」「必要性」の観点をもった起業等(社会的事業)を支援するもの。
最大200万円が支給されます。
これらの支援金は地方自治体によって名称や活用方法はさまざまです。
1.石巻市ってどんなまち?
石巻市データ(参照以外は石巻市HPの情報)
多様なライフスタイルに開かれた街
石巻市は、宮城県の北東部に位置する太平洋に面した県下第2の都市です。
食材は海の幸や山の幸ともに恵まれており、食料自給率はカロリーベースで73%、生産額ベースでは96%と高い水準を保っています。
(参照:農林水産省「令和元年度(概算値)、平成30年度(確定値)の都道府県別食料自給率」)。
気候は夏は涼しく冬は雪が少ないため暮らしやすく、交通アクセスもJR仙石線、石巻線や仙石東北ライン、気仙沼線や三陸自動車道が通っているため便利です。
昔から漁業のまちとして栄えていましたが、東日本大震災後に市外から多くのボランティアが訪れてそのまま移住したり、移住者を呼び込んだりと働きかけ、クリエイティブな街に生まれ変わっています。
独自のフリーペーパーやラジオ、経済新聞などを通じた情報発信、民泊やレストラン事業による観光復興、産学連携による高校教育改革推進への取り組みなど、自治体や省庁ともタッグを組んで幅広く石巻市の地域再生に尽力されています。
改めて石巻市の魅力を教えてください。
近年、移住する人が多く、移住者ごとに多様なライフスタイルがあります。
芸術・文化・アートなど、やりたい事があるならば何にでもチャレンジできる、開かれた環境があるおもしろい街だと言えます。
そしてなんといっても、農産物から海産物まで、食の魅力に溢れる街ですね。
お寿司、金華サバ、カキ、ホヤ、ササニシキなどおいしいものがたくさんあります。
(以下、矢口氏)
2.石巻市に移住したくなる移住サポート
石巻市では移住者に対する下記のサポート体制が整っています。
それぞれについて、詳しく伺ってみましょう。
- 移住支援金制度
- 石巻市定住促進住宅取得等補助金
(1)移住支援金制度
18歳未満1人につき30万円を加算します。
(2)石巻市定住促進住宅取得等補助金
取得の場合、住宅の新築又は購入に要する費用の10%で最大100万円が基本額となり、
15歳以下の子どもがいる子育て世帯の場合は30万円、
市内業者が施工する場合は20万円が加算されます。
中古住宅の取得の場合、
空き家バンクを活用して取得する場合は20万円の加算となります。
改修の場合は加算補助はありませんが、石巻市への移住者のほか、空き家所有者が移住者に賃貸するために空き家を改修する場合も対象となり、住宅の改修に要する経費の50%で最大50万円を給付します。
3.石巻市は農業・水産業就業も手厚くサポート
石巻市では下記のように農業・林業・水産業就業へのサポートも手厚く行っています。
- 石巻市農業担い手センター
- 新規就農者独立支援事業
- 水産業担い手センター事業
順に伺っていきましょう。
(1)基幹産業である農業の新たな担い手をシェアハウスで育成
シェアハウス機能を持つ【石巻市農業担い手センター】で『農業担い手育成事業』を実施しています。
本市では一般社団法人イシノマキ・ファームに業務を委託しています。
- 定例就農相談会 24回
- 石巻百姓塾 2回
- オンラインイベント(Youtube配信)
- その他イベント(セミナー、講演会等)
現在市内1カ所(桃生町)で運営しており、新たな土地での新生活におけるハードルを少しでも低くするため、資金的な負担軽減や仲間のいる暮らしのご提案を行っております。
また、移住から就農まで、それぞれに合ったスタイルで農業を学べるように、就農コーディネーターがサポートします。
(2)新規就農者独立支援事業
現在、「農業者の高齢化と農家数減少」が全国的に大きな問題となっています。
農業の担い手を確保・育成するため、勤労意欲のある経営開始5年以内の認定農業者及び認定新規就農者に対して助成金を交付することにより、本市農業の振興と、地域社会の発展を目指します。
(3)減少する漁業従事者・水産関連会社の担い手育成
石巻市における漁業従事者数は減少傾向にあり、今後さらに漁業従事者の減少は深刻化すると見られ、担い手の確保が喫緊の課題となっています。
空き家など使われていない建物を利活用し、短中期的に生活できるシェアハウス機能を持った「石巻市水産業担い手センター」を整備し、担い手育成のための事業運営を行っています。
2021年度からは水産加工業者の人材確保・幹部候補の育成も並行して実施しています。
4.石巻市は奨学金返還も手厚くサポート
- 看護師
- 保健師
- 助産師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 保育士
2020年度で102件、1403万7798円を交付しました。
助成金の詳しい内容については、市のページをご覧ください。
5.実際に石巻市に移住した人の声
実際に石巻市に移住した人々はどのような感想を抱いているのでしょうか。
ここでは、移住した人の声をご紹介します。
■なお さん(20代)石巻市出身(Uターン)俳優
高校卒業と同時に幼少期からの夢だった俳優を志して上京したなおさん。
ずっと「石巻はなにもない場所」と考えて、上京時は戻ることは考えてもみなかったけれど、帰省するたびに気づかなかった故郷の温かさや魅力に触れたと言います。
演劇の専門学校在学中に、高校1年で被災した石巻市に何かできないかという思いから故郷での野外公演を行いました。それ以降、「石巻で演劇を作り、演じ、石巻を演劇の街にしたい」ということが大きな目標となり、2017年に帰郷することとなりました。
現在は石巻市を拠点に俳優として活動しています。
地域での演劇活動で得られた最も大きいものは「つながり」だと言います。
「人、仕事、居場所、食、教育…。さまざまなつながりが得られたからこそ、現在、たくさんの活動の場をいただけています」
(※移住者の声は「三陸情熱界隈 事務局」に掲載されているインタビューを再編集しています。なおさんのフルバージョンや、他の先輩移住者の話も掲載されています。ぜひ、ご一読ください。)
6.まとめ
まずは、一度本市を訪れていただいて、まちの良さや魅力を実感してください。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。