看護師を辞める理由に嘘はあり?7パターンの退職理由や伝え方を例文付きで伝授

看護師のやめる理由

「退職したいけどどう伝えたらいいの?嘘はあり?」
「円満に退職できる伝え方を知りたい」

結論、看護師が円満に辞めるためには、本音と建前を使い分けることが大切です。

退職理由の伝え方を工夫すれば、引き止めにあう可能性が減り、スムーズに退職しやすくなるでしょう。

「上手な伝え方がわからない…」と悩んでいる場合は、この記事で紹介している例文を参考に、自分なりの退職理由を考えてみるのも一つの手です。

退職理由別の例文を紹介

本記事では元看護師の私が、過去の退職経験から得た学びを元に、退職理由を伝えるときのコツや辞めるときの流れなどを紹介しています。新人看護師にも必見の内容です。

すべて読めば、退職理由の伝え方がわかり、幸せな毎日を送るための第一歩を踏み出せるでしょう。

この記事を読むとわかること

注:看護師の辞めたい理由を知りたい方は「看護師を辞めたい理由|100人に聞いたつらい原因と対処法を紹介」を参考にしてみてください。ランキング形式で紹介しています
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看護師が円満に辞めるための退職理由7パターン&例文|嘘はあり?

看護師の退職理由

退職理由の伝え方を工夫することで、看護師でもスムーズに退職ができます。

大切なのは、本音と建前を使い分けることです。

よくある退職理由7パターンを例文とともにご紹介していきます。

スキルアップ・キャリアアップ・他分野への転職など新たな道を選択したくなった

スキルアップ・キャリアアップ・他分野への転職は前向きな退職理由なので、受け入れられやすいです。

①スキルアップの場合

「ここで経験を積み、〇〇分野を深く学びたいと思うようになりました。そのため〇〇分野の専門病院に転職し、いずれは認定看護師を取得したいと考えております。そのため今年度をもって退職させていただきたいです。」

②キャリアアップの場合

「病棟での経験から、患者さんの生活に身近な存在になりたいと考え訪問看護に挑戦したいと思っております。そのため、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

③他分野への挑戦の場合

「ここでの経験から、看護師資格が活かせる他分野に挑戦したいと考えるようになりました。具体的には予防医療に興味関心があるので、企業看護師として働き知見を広げていきたいと考えております。そのため、〇月末で退職させていただきたいです。」

辞める理由だけでなく「前向きな理由で転職ができるのは、今の職場で育ててもらったから」という感謝の思いを伝えましょう。印象よく面談を終えられるだけでなく、上司から執拗な引き止めを受けずに済みます。

しかし、前向きな退職理由であっても、人手不足の職場では以下のように引き止められることがあります。

<よくある引き止め例>

  • 「今度〇〇の研修があるんだけど参加しない?費用は病院が負担するから」
  • 「今の職場でステップアップできるよう支援する」
  • 「部署を異動してもう少し経験を積んでからのほうが視野が広がる。転職はそれからでも遅くない」
  • 「〇〇分野に挑戦し院内初のキャリアモデルになってほしい」

上記のように引き止められても、いまの職場では理想のキャリア形成ができないことをハッキリ伝えましょう。

また「〇〇病院の〇〇分野に挑戦したい」と具体的な転職先の名前を出すと、すでに転職活動を始めているニュアンスが伝わるのでおすすめです。

結婚・妊娠・出産・育児などライフイベントが変化した

結婚・妊娠・出産・育児などのライフイベントで退職する場合は、やむを得ない状況であることをしっかり伝えましょう。
具体的な例文をご紹介します。

①結婚する場合

「私事ではありますが、この度〇月〇日に結婚することになりました。
結婚後も仕事を続けていくか悩みましたが、家庭に入り家族を支えてきたいという思いが強く、〇月末をもって退職をさせていただきたいです。」

②妊娠した・出産を控えている場合

「ご報告があり、この度妊娠をいたしました。出産予定日は〇月〇日なのですが、つわりにより体調がすぐれない日も多くあります。できることなら、産休・育休などを利用し仕事を続けたかったのですが、今のままでは他のスタッフに迷惑をかけてしまうため、退職をさせていただきたいです。」

③育児が理由の場合

「これまで職場の皆様にご配慮頂きながら仕事を続けてきましたが、育児と仕事の両立は体力的に難しく限界を感じております。家族で話し合いを重ね、こどもが小さいうちは子育てに専念したいので〇月末で退職させていただきたいです。」

ときどき、結婚や育児で退職することを良く思わない人もいます。

下記の例のように、経験則でアドバイスをしたり、引き止められることもあるようです。

<よくある引き止め例>

  • 「結婚しても仕事は続けておいたほうがいい。今までのキャリアがもったいない」
  • 「産休・育休制度があるから、いつでも戻ってこれる」
  • 「退職は受理するけど、産むまでは働けるよね?」
  • 「こども産むなら、働いて貯金しておいたほうがいい」

仕事と家庭のバランスは、個人の価値観やパートナーとの話し合いで決めるべきです。

周囲の反応を気にするよりも、ご自身が決めた選択に自信を持ちましょう。上司から強く引き止められても「個人的なことなので……」と押し切っても問題はありません。

親の介護や家庭の事情で仕事が続けられなくなった

親の介護や家庭の事情による退職はやむを得ないと判断されやすく、退職までスムーズに進むケースが多いです。しっかりと事情を伝え、上司の理解を得ましょう。

親の介護や家庭の事情の場合

「実の母が脳卒中で倒れ、現在〇〇病院で入院しております。状態は回復していますが、麻痺が残るため今後は介護が必要になります。そのため、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

「家庭の事情で……」と濁した表現をするよりも、上記のように状況を端的に伝えたほうが、上司の理解は得られやすいでしょう。

ただ、退職に理解を示しつつも、なかには下記のような声かけをする上司もいます。

<よくある引き止め例>

  • 「他に介護の協力してくれる人はいないの?」
  • 「介護休暇を使いながら、仕事を続けることもできる」
  • 「外で仕事をしていたほうが、メリハリになる」

上司は退職に反対したいのではなく、あなたの身を案じている場合が多いです。

もし以上のように声をかけられた場合は「退職は避けられないが周囲にサポートしてくれる人はいる」と伝えると、過度に詮索されずに済むでしょう。

体調不良や病気、メンタルの不調などで療養が必要になった

体調不良や病気で退職することは、正当な退職理由として認められます。

病気や体調不良の場合

「以前から体調不良を感じており、〇〇病院に受診した結果〇〇と診断をされました。
このまま仕事を続けるのは難しく、周りの方々にも迷惑をかけてしまいますので、退職をさせてください。」

注意していただきたいのが、今の職場が体調不良の原因である場合、上司から引き止められる確率がかなり高いということです。

<よくある引き止め例>

  • 「一度休職して、体調が回復したら戻ってくるのはどうか」
  • 「こうなるまで苦しんでたのね。話しを聞かせてくれない?(そのまま退職を先延ばしされる)」
  • 涙ぐみ、共感してくれようとしてくれる。

体調不良で判断力が低下した状態で面談すると、こうした上司の対応に決心が揺らいでしまうこともあるでしょう。場の雰囲気に流されないように、事前に医療機関を受診し診断書を提出するのがおすすめです。

また「体力的に厳しくてこのまま残っても皆さんに迷惑をかけてしまう」といった断りを入れると、しつこい引き止めを避けられるでしょう。

看護観や業務内容のミスマッチで今の職場がイヤになった

看護観や業務内容のミスマッチで辞める場合も、建前の理由を伝えることをおすすめします。

そもそも、看護観のミスマッチは個人の価値観に左右されるため、上司に理解されにくく、「もっと経験を積んで視野を広げるべき」と言われ退職交渉が難航する可能性があります。

また、ミスマッチを言語化することで、職場への批判につながることもあります。

以上のことから、円満に退職するのであれば建前の理由を伝えたほうがよいでしょう。

看護間や業務内容のミスマッチの場合

「病棟の経験を通して、今後は〇〇分野に挑戦し知見を広げていきたいと考えております。そのため、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

退職交渉で詳しい理由を聞かれても、今の職場では叶えられないキャリアや働き方があることを強調すると、詮索をされずに済むはずです。

看護とは違う仕事へ転職したくなった

他職種への転職が理由で退職する場合、転職先によっては理解が得られないこともあります。

看護師資格を活かせる仕事であれば問題ありませんが、看護師とは関係のない職種に転職する場合は、キャリアアップやスキルアップなど建前上の理由を伝えることをおすすめします。

他職種へ転職する場合

「ここでの経験を踏まえ、以前から興味のあった保育園看護師への転職を考えています。夜勤がない職場に転職し、小児看護に関する学びを深める時間を確保したいと考えているので、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

他職種への転職は隠すことではありませんが、下記のように引き止められ退職交渉が難航するケースもあります。時間をかけずに退職したい方は、本音と建前を使い分けたほうが堅実でしょう。

<よくある引き止め例>

  • 「看護師を続けていたほうが、安定して働ける」
  • 「病院以外で働くと、福利厚生とかが充実していないから損するよ」
  • 「看護師以外の仕事をしても、看護師に戻ってくる人だっている。辞めないで続けたほうがよい」

人間関係・労働環境・給与などに不満があり辞めたくなった

人間関係や労働環境、給与など今の職場に不満があって辞める場合、どう伝えるか悩む方もいるでしょう。

以上の理由の場合、基本的には、不満は伝えず建前の理由を伝えることをおすすめします。なぜなら、不満をそのまま伝えてしまうと、「改善するから辞めないで」と言われ辞めにくくなったり、トラブルに発展して辞めるまで過ごしにくくなってしまうからです。

具体的な伝え方と例文をご紹介します。

<具体的な伝え方>

  • あれこれ理由を付ける必要はなく「〇〇だから、辞めます」と端的な言い方をする。
  • 詳しく聞かれたら、一言二言で簡潔に答えるようにする。
  • 今の職場では叶えられないことを理由にすることで、退職交渉が長引かないようにする。

おすすめの退職理由は「キャリアアップ」「働き方を変える」「業務内容を変える」ことです。

①キャリアアップを理由にする場合

「ここでの経験から急性期医療についてしっかり学びたいと考え、ERを併設する〇〇病院に転職しキャリアアップしたいと考えております。そのため、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

②働き方を変えることを理由にする場合

「病棟で3年経験を積みましたが、夜勤や残業が続くと体調を崩してしまうため、転職を考えております。今後は日勤のみの職場で働く予定なので、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

③業務内容を変えることを理由にする場合

「これまでの手術看護の経験を活かし、以前から興味のあった美容系のクリニックへの転職を考えております。そのため、〇月末をもって退職させていただきたいです。」

一見、建前の理由を伝えるのは不誠実だと思うかもしれません。

しかし、職場側からすると、退職交渉に時間がかからないほうが人員配置を考える余裕ができるというメリットもあるのです。職場に迷惑をかけたくない方こそ、建前の理由を貫くことを推奨します。

職場への不満がある場合の具体的な退職理由は、次章で詳しく解説します。

面接時のネガティブな退職理由はポジティブに言い換えるようにする

ポジティブに言い換える

 

ネガティブな退職理由は使わないようにしましょう。ネガティブな理由だと、当然上司も会社全体もいい気はしません。

「どうせ辞めるから、言いたいことを投げつけたい」と思う気持ちも理解できますが、こじれるだけで何の得もありませんよ。

どうしても伝えたい場合は、ポジティブな言葉に変換して伝えましょう。

一例ですが、下記に辞める理由ランキングで上位になりやすい退職理由を、ネガティブからポジティブに言い換えて紹介します。

退職の意思を伝える上司との面接時に参考にしましょう。

人間関係が悪い|自分が成長したいと伝える

直接「人間関係が悪いから」とは、言わないようにしましょう。職場の雰囲気が悪くなり、円満退職は遠のいてしまいます。

例えば、以下のような言い方はどうでしょうか。

「職場内のコミュニケーションが乏しいため、この職場で働くのは難しいと感じています。この職場で働くうちに、同じ目標に向かって仕事ができるチームに身を置いて、もっと成長したいという気持ちが強くなりました。そのため、〇月末をもって退職させていただいきます。」

人間関係については、詳しく述べずに「コミュニケーションが乏しい」と匂わせる程度が無難です。

「自分が成長したい」と、ポジティブな理由を全面に出しましょう。

労働環境に不満がある|体調万全で働ける職場に移りたいという理由を述べる

サービス残業や休日出勤など労働環境が悪いために、多くの看護師が退職するきっかけになっています。

しかし、労働環境の悪さを直接理由にすると、環境改善を提案されて引き止められる可能性もあります。

もし、労働環境が悪いために体調を崩している場合は、体調が良くないことを理由にしましょう。

「残業が多く家でもなかなか休めないため、疲労がたまっています。このままでは患者さんのケアにも支障が出てしまうため、身体の負担を減らせて自分の能力が発揮できる〇〇への転職を考えています。そのため、〇月末をもって退職させていただきます。」

あくまで、「患者さんのために、体調万全で働ける職場に移りたい」という理由を述べましょう

給与に満足できない|他の職場で自分を試したいとアピールする

看護師の仕事は看護研究や新人・実習生のフォローなど、看護業務以外の部分も多いのですが、たいていは給料に反映されません。

多くの看護師が給料に対して不満をもっていますが、直接口にするのは職場批判ととらえられてしまいます。

そのため、直接給与が低いことを理由にするのは、得策ではないでしょう。

本音は違いますが、まずは「十分な給料を頂いていますが」と、今の職場を立てましょう。

「今の職場でも十分な給料を頂いていますが、今以上に成果に対して十分な報酬が期待できるところで自分を試したいという思いが強まりました。

以前より、〇〇への転職を考えていたため、〇月末をもって退職させていただきます。」

嘘はいけませんが、建前としては許容範囲でしょう「自分を試したい」とアピールすれば、波風も立ちにくいです。

知っておきたい退職理由の伝え方5つのコツ

退職理由の伝え方

 

看護師が退職するのはさほど難しくありませんが「できれば円満に退職したい」「なるべく時間をかけずに辞めたい」と思う方も多いでしょう。

そこで本章では、看護師が退職理由を伝えるときに知っておきたい5つのコツをご紹介します。

順番に見ていきましょう。

心の整理をして退職の意志を固めよう

退職を決めたら、まずは心の整理をおこない退職の意志を固めましょう。

最初に考えをまとめておくと、他人の意見に左右されることなく退職を進められます。辞めたい理由はしっかり分析することをおすすめします。

具体的には、以下の4つを意識して分析をおこないましょう。

  • なぜ辞めたいと感じるのか
  • どうしたら満足できるのか
  • 今の職場で改善できるか
  • 今の病院(会社)で改善できるか

上記のポイントを見つめ直すことで、上司に引き止められたときも決心がブレずに話しを進めることができます。

紙とペンを用意し記載しても構いませんが、『仕事辞めたい!8つの理由別に最高の決断をするための全知識』では、専用のワークシートをご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

退職を伝えるときは必ず直属の上司から先に伝えよう

退職を伝えるときは、必ず直属の上司(病棟であれば師長)から先に伝えましょう。

具体的には、

  1. 直属の上司(師長)
  2. お世話になった先輩
  3. 仲の良い同期や後輩

の順番で伝えるべきです。

伝える順番を意識するだけで、退職日までの過ごしやすさが変わってくるので、このコツはしっかりと押さえておきましょう。

伝える順番を間違えると、思いがけないトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

退職を決めたらなるべく早めに伝えよう

退職を決心したら、なるべく早めに伝えましょう。

伝えるタイミングは、以下の3つの中から一番早いタイミングで伝えると揉めずに退職できます。

  • 就業規則で決められた期日(2~3ヵ月前に規定されている職場が多い)
  • 次の転職先が決まった時点
  • 上司との定期面談のとき

「あまり早く伝えると、辞めるまで気まずい」と心配になるかもしれませんが、早めに伝えたほうが希望の時期に退職しやすいのです。

なぜなら、同じ時期に退職する看護師が多い場合、申し出が遅いと希望どおりの時期に退職ができなくなることもあるからです。また、民法では「退職は14日前までに申し出れば可能」と規定されていますが、シフト勤務である看護師が実行すると周囲に迷惑をかけてしまいます。

以上のことから、退職は早めに伝えることを意識しましょう。

電話やメールではなく、必ず対面で伝えよう

退職の意志を伝えるには勇気がいりますが、必ず対面で伝えることをおすすめします。

なぜなら、対面のほうが相手に誠意が伝わり退職を受け入れやすくなるからです。逆に、電話やメールなどで退職を伝えるとマナー違反とみなされるため、注意しましょう。

対面で伝えるときは事前にアポイントメントをとり、面談の日程を設けるようにしましょう。

場所は上司から指定されることもありますが、個室やドアのある部屋でおこなったほうが話しやすくなります。

引き止められたら、日を改めよう

上司に引き止められたら「一度考えさせてください」と伝え、日を改めたほうが賢明です。

なぜなら、上司からの説得で決心が揺らいだままでは、納得した答えを出すことが難しいからです。

また、上司は引き止めにより本当に退職したいのかを確かめようとしています。押し切られそうになったら、一度場を改めましょう。

引き止めにあわないようにするためのコツ

  • 最初から「辞めます」とハッキリ意思表示をおこなう
  • 「実は退職を考えているのですが……」など、相談をもちかけるような言い方はしない。

しつこく引き止められたときは『受容&譲らない姿勢』を意識して会話をすると、相手のペースに巻き込まれずに済みます。

<しつこい引き止めにあったときの対処法>

例:上司から「辞めるなんてもったいない」「あなたのためを思って言っている」と言われた。

  • 受容
    「そこまで考えてくださり、ありがとうございます」
    「私のことを思ってくださり、光栄です」
  • 譲らない姿勢
    「ここまで育てて頂いたからこそ、看護師としてステップアップしたいと思えるようになりました。退職に関しては申し訳ありませんが、新しい環境で成長した姿を〇〇さん(上司)にもいつか見て頂きたいんです。」
    「ずっと挑戦したかった分野があって、ご縁があり採用が決まりそうなんです。」

以上のように、退職交渉が難航した場合は、一度相手の思いを受容してから切り返すことが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。

事前に把握!看護師が退職するときの流れ

退職の流れ

 

退職までの流れを事前に把握しておくと、退職までにどう行動すべきか確認できます。

この章では、看護師が退職するときの流れをご紹介します。

職場によっては必ずしも下記の順番どおりにいくわけではありませんが、一般的な流れとしてご参考になさってください。

直属の上司に退職の意志を伝える

まず、直属の上司(病棟なら師長)に退職の意志を伝えましょう。

退職の意志を伝えるときは、すでにお伝えした伝え方の具体例やコツを参考に伝えるのがおすすめです。

上司から退職の承諾が得られたら、次のstepに進みます。

上司と相談のうえ、退職日を決める

退職の承諾が得られたら、上司と相談し退職日を決定します。

退職日は就業規則に基づいて決める職場もあれば、人員補充のタイミングで退職するよう勧められる職場もあります。

シフトの都合もあり、必ずしも希望どおりの日程で辞められる訳ではないので、注意しましょう。

しかし、転職の準備や引越しなどの事情がある方は、事前に伝えておくと融通が利くこともあります。なかには、最終勤務日のあとに有休消化をさせてくれる職場もあるので、事情がある方は相談してみるとよいでしょう。

退職に伴う手続きを確認する

退職に伴う事務手続きは、担当者に確認し期日を守っておこないましょう。

一般的には、社会保険・住民税・源泉徴収票などの手続きが必要になってきます。また、勤続年数に応じて退職金が支払われる場合は、合わせて確認をしましょう。

制服や名札、シューズなどの返却物がある場合は、返却日や場所の確認も忘れずおこないましょう。

関連記事:退職の手続き|充実の図解でわかる効率的におこなうための全知識

お世話になった先輩や同僚に直接退職の意志を伝える

上司との退職交渉が終わったら、お世話になった先輩や同僚に退職の意志を伝えましょう。

周囲にしっかり報告することはマナーであり、周囲に義理を通すことにもなります。

職場のスタッフ全員に公言する必要はありませんが、こうした気遣いをしておくと、退職するまでの過ごしやすさも変わってきます。ぜひ、忘れずにおこないましょう。

後任者に迷惑がかからないように、仕事の引継ぎをする

仕事の引継ぎは、後任者に迷惑がかからないように余裕をもっておこないましょう。

看護師の場合、日々の業務に関しては申し送りやカンファレンスで情報共有をしているため、引継ぐことはポイントを絞って伝えるべきです。

引継ぎ内容の例

  • 受け持ち患者に関すること(サマリの記載と提出、患者さんへの挨拶など)
  • 看護研究(チームで研究している場合は、チームメンバーへの引継ぎ)
  • 委員会業務
  • 主催した勉強会の資料整理
  • 他職種との関わりで共有すべきこと(連絡先や名刺など)

引継ぎはノートやファイル、データなどを利用し、後任者にわかりやすい方法でおこないましょう。作成した資料を渡すだけではなく、必要に応じてポイントを口頭で伝えるのも大切です。

退職日当日まで誠意をもって仕事をする

必要な手続きや引継ぎを終えたら、退職日当日まで誠意をもって仕事をしましょう。

退職が決まったからといって、仕事で手を抜くことは禁物です。

退職日当日の流れのイメージは、下記をご参考になさってください。

  • 出勤後、上司にひとこと挨拶をする。
    (例「本日で退職します。最後までしっかり仕事させていただきますので、よろしくお願いします。」)
  • 通常どおり勤務をする。
  • 退職前のスピーチを求められたら、1分程度で感謝の思いを伝える。
  • 事前に退職日におこなう職場の慣例がないかを確認し、実践する。
    (例 休憩室に菓子折りを置く、医師にも挨拶に行く など)

関連記事:仕事を辞めるときの準備と流れ|会社を辞める前に知っておくとためになる情報を総まとめ

<転職活動は退職を決めた時点から始めよう>

転職活動は退職を決めた時点で始めると、スムーズに転職ができます。
実際に、当サイトが転職経験のある看護師100人を対象におこなったアンケートでは、約半数が「転職活動に1ヵ月~3ヵ月かかった」という結果が得られました。
退職が決まってからおこなう手続きや引継ぎを考えると、退職を決めた時点で転職活動を始めるのがベストだといえます。

【新人必見】看護師を辞める前に知っておくべき4つの注意点

知っておきたい注意点

 

「転職先でも看護に関する仕事に就きたい」と考えている場合に、知っておきたい注意点が以下の4つです。

以上のポイントに注意したうえで転職活動をおこないましょう。

病院以外では給与の下がる確率が高い

特に病院からほかの職場に転職する場合は、ほとんどのケースで給料は下がります

一部の産業看護師や美容クリニックなどでは、給料があがる場合もありますが、ほとんどの職場では病院以上の給料は出ないでしょう。

転職先の給料がどの程度になるのか、しっかりと考えて転職活動をおこなってください。

もし転職して年収アップを望んでいるのなら、以下の記事が参考になりますよ

医療機関以外では看護師としてのスキルアップが難しい

医療機関以外に転職した場合、看護師としてのスキルアップは望めません。

看護以外の仕事が増えるケースも多く、最新の技術を身につける機会も少ないです。

病棟以外の看護師の働き方に興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。

病院以外での実績は看護師としてのキャリア・経験とみなされない

病院以外に転職したものの、思いどおりにいかずに病院に戻る場合も考えられます。

しかし病院以外でのキャリアは、看護師のキャリアとしてみなさない採用担当者もいるので注意が必要です。

病院以外での看護師キャリアは、積みにくいと認識したうえで検討しましょう。

病院以外に転職すると看護業務以外の仕事が多くなる

病院以外に看護職として転職しても、看護以外の仕事の割合が増えるのは覚悟しましょう。

また、ほかの職員を補助する仕事や、場合によっては営業なども考えられます。看護業務にやりがいを感じている方には、逆につらい状況になるかもしれません。

看護師が辞める理由を伝えるときは、本音と建前を使い分けると円満退職しやすくなる

コツを覚えて円満退職

 

看護師が円満退職をするためには、本音と建前を使い分けて退職理由を伝えることが大切です。

ご紹介した退職理由の例文やコツを実践すると、円満に辞めることも可能でしょう。

また、転職を考えている方は退職を決めた時点から転職活動を始めるのがおすすめです。

退職理由を転職先に伝えるときのコツは『看護師の本音の転職理由ランキングこちら|面接で好印象を与える伝え方&例文を紹介』をご参考になさってください。

あなたが円満に退職できるよう、祈っております。