コロナ禍でリモートワークが進む中、地方移住を検討する人も多いのではないでしょうか。東京圏からの移住者に対しては国が支援をしていますが、自治体も各自の支援策を展開しています。
そこで、東京圏以外からの移住者も活用できる全国の地方自治体の魅力的な取り組みをご紹介、地方移住を検討しているが地域を決め切れていない人や、今はまだ地方移住に具体的な興味を抱いていない人にも参考になる情報をお届けします。今回は、『新潟県』です。
今回ご紹介する新潟県の移住支援事業の詳しいお話やまちの魅力について、新潟県産業労働部しごと定住促進課U・Iターン就業促進班主任の八木のぞみ氏にお話を伺いました。
目次
1.新潟県ってどんなまち?
新潟県データ(参照以外は新潟県HPの情報)
- 面積:1万2584㎢
- 人口:222万8517人(新潟市 72万1203人)
- 世帯数:89万9514世帯(新潟市 30万9042世帯)
- 平均気温:山沿い 11~13℃、海岸・平野部 13~14℃(参照:気象庁)
- 年合計降水量:海岸部 1500~2000mm、山沿い 3000mm以上の地域もあるが湯沢や妙高方面は2000mm程度(参照:気象庁)
- 年合計日照時間:海岸部や佐渡 1500~1600時間、山沿い 1300~1400時間(参照:気象庁)
- 交通アクセス:東京から新幹線で1時間半~2時間程度
- 平均年収:321万円(正社員)(参照:求人ボックス)
- 平均時給:1145円(派遣社員)、864円(アルバイト・パート)(参照:求人ボックス)
田舎と都会の”ちょうどいい”バランスがある
東京からは新幹線で1時間半〜2時間ほどでアクセスでき、高速道路も発達しています。田舎と都会の“ちょうどいい”バランスがある県です。
さらに、製造業にも強みがあります。燕三条(燕市と三条市を合わせた呼称)は刃物や金物、洋食器の生産が盛んで世界的にもレベルの高い金属加工技術を誇りますし、五泉市は婦人用ニット製品の生産額が日本一で、ニットの産地として有名です。
燕三条には、アウトドアブランドのスノーピークや家電メーカーのツインバードなど、人気ブランドの本社もあります。
ぜひそういった企業も知っていただきたいです。
2.新潟県に移住したくなる移住サポート
新潟県では移住者に対する下記のサポート体制が整っています。それぞれについて、詳しく伺ってみましょう。
2-1. 新潟U・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」
新潟県だけでなく、県内市町村もこのサイトに情報を掲載しているため、タイムリーな市町村情報も充実しています。
移住に興味のある方、新潟に興味のある方、まずはこちらのサイトをご覧ください。
2-2. にいがた暮らしセミナーなど各種セミナー
新潟への移住に関心のある方、実際に移住を検討している方向けのイベントとして、「子育て」や「自己実現」などのニーズに応じたテーマを設定して「にいがた暮らしセミナー」を開催しています。
2023年度は8回、実施予定です(※2回目までは終了。3回目は8月7日予定)。
もう少し漠然と新潟や地方での暮らしに興味がある方向けには、「にいがたU・Iターンフェア」を開催しています。
どちらも先輩移住者の楽しいお話が聞けますので、ぜひ気軽に参加してください。
2-3. 移住体験ツアー(市町村事業の紹介)
市内企業や空き家、教育機関などを見学して回るツアーや、地域住民や先輩移住者との交流ができるツアーなど内容は多様です。
参加者の希望に合わせて日程を組むオーダーメイド型のツアーもあります。
少し変わったところでは、自然豊かな環境へ移り住んで創作活動をしたいクリエイターを対象とした移住体験を用意している市もあります。
2021年度は新型コロナウイルスの影響でやむを得ず中止となるものもありましたが、実際に現地を見て情報を得られますので、興味のある方は参加していただきたいです。
2-4. にいがた暮らし・しごと支援センター
続いて「にいがた暮らし・しごと支援センター」について教えてください。
「暮らし」と「しごと」の両面から、お一人お一人のニーズに合わせてU・Iターンをサポートします。
新潟で暮らしたい、働きたい、という方のサポートはもちろん、まずは情報収集からという方も、全国どこからでもオンラインで簡単に登録いただけます。
利用者からは、「毎回同じ相談員に相談できる点が良い」、「定期的な情報提供やイベントのお知らせが役立っている」などの声をいただいています。
ぜひお気軽にご登録ください。
窓口利用のハードルを下げるため、オンラインで簡単登録ができるようにしています。
また、登録者の状況を継続的に確認させていただき、U・Iターンの検討度やニーズに合わせて、情報提供や希望に沿った求人開拓などの支援を行っています。
東京都内2カ所(表参道、有楽町)にオフィスを設置し、専属の相談員がU・Iターンの相談に応じます。
表参道オフィスでは、国家資格のキャリアコンサルタント有資格者が在籍しています。社会人だけでなく、新潟県にU・Iターン就職したい学生の就活支援も行っています。
有楽町オフィスは、新潟県や県内市町村の移住セミナー・移住相談会も多数開催しています。新潟県へのU・Iターンを決めている方はもちろん、漠然と地方暮らしが気になる、自分に合った地域を探したい、という方にもオススメです。
ぜひイベントに参加してお話を聞いてみてください。
3.新潟県は子育て世代にも積極的に情報発信
八木さんによると、新潟県は「日本一子育てがしやすい県(自称)」だそうです。
ここでは、子育て世代に耳寄りな情報をご紹介します。
また、通勤時間が全国17位の片道25分という短さで、子どもと過ごす時間を増やせるのも大きいのではないでしょうか。
首都圏では1日のうちに平均で1時間34分〜1時間45分を通勤に当てているというデータもあり、長い目で見ればその差は歴然ですね(参照:総務省統計局「社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング」)。
子育て世代向けに具体的にどのような取り組みを行っていらっしゃいますか。
先述の新潟U・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」では、子育てに関する情報をまとめたWebページ「にいがた子育てのススメ」を設けました。
子育て支援制度・支援施設や、親子で楽しめるお出かけスポットなどを紹介しています。
同じページでは、Twitterで人気の「耐え子の日常」とコラボした新潟での子育てライフアニメを掲載しています。
さらに今年度は、県内のスポットを巡って新潟子育ての魅力をご紹介する「子育て世帯に向けた移住体験ツアー・交流会」も開催予定です。
興味のある方はぜひ参加ください。
新潟県の子どもはからだも学力ものびのび!
新潟県の子どもは、全国的にみても体力や運動能力が高いのが特徴です。
さらに、高等学校等進学率が全国1位、中等教育学校数が全国2位で最高ランク!
「日本一子育てがしやすい県」は、子どもがのびのびと育つ環境としても日本一です。
小学生体力・運動能力 (文部科学省「R3全国体力・運動能力、運動習慣等調査」) |
中学生体力・運動能力 (文部科学省「R3前項体力・運動能力、運動習慣等調査」) |
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男子 | 7位 | 1位 |
女子 | 6位 | 4位 |
高等学校等進学率 (文部科学省「R2学校基本調査」) |
中等教育学校数 (文部科学省「R2学校基本調査」) |
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1位 | 2位(7校) |
4.新潟県は学生や若い世代への支援も充実
新潟県は学生や若い世代への支援が充実しています。
4-1. U・Iターン学生就職面接等交通費助成事業補助金
公共交通機関を利用して住所地と県内を移動する場合の交通費と宿泊費の1/2の額を補助しています。
申請1回あたりの補助上限額は1万円、補助金を受けられるのは学生1人につき年度内に3回までです。
利用者アンケートでは、回答者のうち6割超の方が実際に新潟に就職されています。
ぜひ活用してください。
4-2. Uターン促進奨学金返還支援
そこで、本県出身者にUターン転職してもらえるように奨学金の返還を支援しています。
- 県内の高校等を卒業
- 転入時の年齢が30歳未満
- 大学等卒業後、県外で通算1年以上の就業期間を有している
- 県内に転入後6カ月以内に県内本社企業・団体または県外本社企業・団体の県内支店(本社は不可)等に就業する
上限額等がありますので、詳しくは「にいがた暮らし」のホームページをご覧ください。
5.世界遺産への推薦が決定!「佐渡島の金山」
2023年10月、「佐渡島(さど)の金山」が世界遺産登録の国内推薦が決定しました。
これに伴い、新潟県のブランド力が高まり新たなビジネスチャンスが移住者に開かれる可能性も予想されます。
そこで、今回は別途、新潟県観光文化スポーツ部文化課世界遺産登録推進室主事の北見亜樹氏にも佐渡にまつわるお話を伺いました。
現在も、佐渡には伝統的手工業による金の生産技術に関わる遺跡や生産体制に関わる奉行所跡や鉱山集落跡などが残り、鉱山の全体像を理解することができます。
こうした遺跡が良好な状態で残るのは世界的に見ても佐渡だけであり、そこに世界遺産登録の意義があります。
この貴重な遺産を後世に守り伝えていかなければならないと考えています。
現状や今後の可能性として、具体的にどのような職種で人員を必要とされているか教えてください。
地元では、ガイド養成のための取り組みを行っているほか、多くの方々をお迎えするための準備が進められています。
それらの可能性を含めたうえで、改めて移住を検討している人に佐渡に関してアピールポイントがあればぜひ教えてください。
更に、能や鬼太鼓をはじめとする多様で豊かな芸能や娯楽、信仰などの佐渡の文化に触れることもできます。
そのような環境での、新しい生きがいとなるような働き方に可能性を感じる方も多いのではないかと思います。
ぜひ佐渡にお越しいただき、その魅力を感じていただきたいです。
6.実際に新潟県に移住した人の声
実際に新潟県に移住した人々はどのような感想を抱いているのでしょうか。
ここでは、移住した人の声をご紹介します。
■自分が快く働ける環境を探してたどり着いた三条市
- 青森県むつ市出身
- 2019年に三条市に移住
- ウコンの6次産業化に取り組む、ウコン農家
- 高校卒業後、前橋工科大学に進学→建設会社の 建築事務所(群馬)→フリーランスでグラフィックデザイナー+花屋(群馬)→地域おこし協力隊(三条市)→起業
- 友人とシェアハウス生活
もともと建築設計士だったSさんは、後にフリーランスのグラフィックデザイナーとして独立、新潟県三条市の地域おこし協力隊としても活動する中で出会ったウコン農家に感銘を受け、自らもウコンの栽培や商品開発に本格的に乗り出したという異例のキャリアの持ち主。
仕事をする中で起きる葛藤に向き合い、行動し続けたことで“天職”と出会った経験は、進路に悩む読者にとっても気付きを与えてくれるはずです。詳しくは、「にいがた暮らし」ホームページ内の移住者インタビュー「ニイガタビト」のページへ!
ほかにも様々なUIJターン事例がたくさん掲載されています。
7.まとめ
思い描くライフスタイルの実現に向けて、ご紹介した制度をぜひ活用ください!
参考記事一覧
- 新潟県の転職エージェント・サイトおすすめ13選!利用者500人の評判を徹底比較
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現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。