転職で資格は有利になる?選び方・取る時期・履歴書の書き方を解説

転職活動では資格なしでも経験や成果で評価される職種が多い一方、業務独占資格が要る仕事では、資格が採用を大きく左右します。有利な資格を選ぶときは、資格の名前で選ばず、その資格が目指す職種の求人票で必須資格や歓迎資格に挙がっているかを確かめます。さらに、資格を転職前に取るか働きながら取るかの判断と、履歴書・面接で資格を仕事の実績と結びつけて伝える方法も解説します。

転職に資格は必要?

転職の選考で資格がどこまで評価されるかは、目指す職種と求人の条件で決まります。中途採用ではこれまでの実務経験や実績が重く見られることが多いものの、状況によっては資格が大きな強みになります。

資格が有利になるケース

業務独占資格が必要な仕事に応募するときは、資格が応募の条件そのものになります。業務独占資格は法律で有資格者だけが業務を行えると定められた国家資格で、医師や薬剤師、看護師などの求人では、持っていないと応募できない必須資格に指定されます。これらの資格は養成校を卒業しないと受験できないため、こうした求人に応募するのは主に、資格を持っている人が同じ仕事で職場を移るときです。

不動産や医療、福祉、建設のように有資格者を置く義務がある業界では、その資格を使う仕事の求人で、資格を持っているかどうかが採用に直結しやすくなります。たとえば不動産会社は、事務所ごとに専任の宅地建物取引士を従業員5人あたり1人以上置くことが法律で義務づけられています。また、業界を問わず、従業員50人以上の事業場は、衛生管理者を選任することが法律で義務づけられているため、総務の求人では衛生管理者の資格を持つ人が歓迎されます。

未経験の職種に応募するとき、その職種に関係する資格は、基礎知識があることと学ぶ意欲があることを示す材料になります。さらに、同じくらいの経験を持つ応募者が並んだ選考では、求人票で歓迎資格とされている資格を持つ人が選ばれることがあります。歓迎資格は、持っていなくても応募でき、持っていれば評価される資格です。

資格なしでも転職できる?

求人票に必須資格の指定が無い求人なら、資格が無くても応募できます。

営業職や販売職、企画職、コールセンターなどは、資格よりも仕事の経験や人とやり取りする力が重く見られる職種です。また、同じ職種のまま業界を変える転職では、移る先の求人に必須資格が無い限り、採用担当者は前の仕事の実績を見ており、資格は加点にとどまります。こうした職種や転職では、資格を持たない応募者であっても、前の仕事で身につけたスキルと成果を具体的に伝えれば、選考で評価されます。

転職に有利な資格の選び方

転職に有利な資格は、資格の名前から選ぶのではなく、自分が目指す職種の求人で実際に求められているものから選びます。

求人票の必須資格・歓迎資格を確かめる

求人票に記載される資格の条件には、「必須資格」「歓迎資格」「資格不問」の3つがあります。必須資格は、応募者がその資格を持っていなければ応募の条件を満たさない資格です。歓迎資格は、応募者が資格を持っていなくても応募できますが、持っていれば選考で評価される資格です。資格不問は、企業が応募者の資格の有無を問わず、これまでの実務経験や人物面を重視して選考を行う求人を指します。

自分が目指す職種で評価される資格を知るには、その職種の求人票を何件も並べて確認します。複数の求人票を見比べ、どの資格が何度出てくるかを数え、それが必須資格か歓迎資格かを見分けると、その職種で実際に求められている資格がわかります。

職種・業界別に評価される資格

職種・業界 評価される資格の例
不動産 宅地建物取引士
経理 日商簿記検定2級以上
IT 基本情報技術者試験
証券 証券外務員一種
介護 介護職員初任者研修
人事・労務 社会保険労務士
総務 衛生管理者

年代別に見た資格の選び方

転職活動では、応募者の年代によって企業が資格を評価する視点が変わります。20代の応募者は仕事の経験が浅いぶん、資格が学ぶ意欲や基礎知識の証明として前向きに受け止められやすくなります。そのため20代の応募者は、目指す職種の求人に出てくる資格のうち、基礎知識を示すものを選びます。

30代の転職では実務経験が評価の中心になり、資格は今の仕事の経験を裏づける材料として見られます。そのため30代で今の仕事に近い職種へ移る応募者は、求人に出てくる資格のうち今の仕事の経験に近いものを選びます。別の職種へ移る応募者は、20代と同じく基礎知識を示すものを選びます。

40代以降の転職では、求人票に載る資格のうち、今の実務経験と同じ分野のものを選ぶと、資格を経験と一緒に生かせます。たとえば、経理の経験がある応募者が日商簿記検定2級以上を選ぶと、これまでの実務経験に裏付けを加えられます。

資格は転職前に取るか、働きながら取るか

資格を先に取るか、転職活動と並行して取るかは、その資格が求人票で必須資格と歓迎資格のどちらに挙がっているかと、取得にかかる期間で分かれます。

転職前に資格を取るケース

必須資格に指定された求人では、先に資格を取得してから応募することで書類選考の条件を満たせます。

また、必須資格のうち、取得までに長い勉強が要るものは、勉強を応募と同時に進めるのが難しいため、勉強を先に済ませてから応募を始めることになります。

転職活動と並行して勉強する場合

求人票に歓迎資格と書かれている場合は、資格を持っていなくても応募できます。応募を進めながら勉強を続け、内定後や入社後に取得する計画でも、応募先に受け入れられることが多くあります。

在職中に活動する人は、応募と面接が重なる時期は勉強の量を落とし、比較的時間のある活動初期に勉強を進めるやり方があります。なお、勉強のために講座を受講する場合は、教育訓練給付金を利用できることがあります。教育訓練給付金は、条件を満たす人が指定された講座を修了したときに受講費用の一部が支給される制度で、自身が対象になるかはハローワークで確かめられます。

国家資格の介護福祉士のように、受験に実務経験や養成施設の卒業が要る資格もあります。介護の仕事を目指す人で、実務経験で受験の条件を満たす道を選ぶ場合は、資格がなくても始められる介護の仕事に就き、働きながら受験を目指します。

履歴書と面接で資格を伝える方法

取った資格や勉強中の資格は、履歴書に書いた内容と、面接で話す内容(資格を取った理由や生かし方)をそろえて伝えます。

履歴書の資格欄はどこまで書く?

応募者は、免許や資格を履歴書の「免許・資格」欄に正式名称で書き、「取得」や「合格」を添えて取得時期の早い順に並べます。求人票の必須資格を書き忘れると応募先に応募条件を満たしていないと判断されるため、注意が必要です。

資格欄には必須資格や歓迎資格、応募職種で役立つ資格を書きます。応募する職種の経験がある人の場合、取りやすい級の資格は書いてもアピールにならないことが多くあります。ただし、求人票に「日商簿記検定3級以上」のように指定があれば忘れずに記載します。未経験の職種に応募する場合も、その職種に関係する資格は書いておきます。応募職種と関係のない資格を並べると応募先が志望理由の一貫性を気にすることがあるため、関連する資格を絞って記載します。

書ける資格や免許が無い応募者は、資格欄を空欄にせず「特になし」と書きます。「特になし」と書いたことだけで不利になることはありませんが、同じ時期に選考を受ける人が業務に関係する資格を持っていれば、その人と比べて見劣りすることがあります。

勉強中・結果待ちの資格の書き方

未取得の資格でも「日商簿記検定2級(取得に向けて勉強中)」のように履歴書へ書けます。取得見込みの時期を添えると、学習の進捗が応募先に伝わります。

受験を終えて合否を待つ資格がある場合、受験した年月と資格名に「受験(結果待ち)」と添えて、「〇年〇月 日商簿記検定2級 受験(結果待ち)」のように記載します。

面接での資格アピールの流れ

面接で資格について聞かれた際、応募者は取った動機、勉強で学んだこと、入社後の生かし方をひと続きにして話すと伝わります。必須資格でない資格について、採用担当者は資格そのものよりも、資格を取った理由や、その知識を仕事でどう使ってきたかを見ています。

前の仕事の成果と結びつけるときは、実績を数字で説明します。同じ職種の経験者どうしが比べられる選考では、資格より実績が見られます。資格を持っていても仕事で使った実績を話せない人より、資格がなくても仕事の成果を数字で説明できる人のほうが、評価が高くなることがあります。また、キャリアチェンジのために資格を取った応募者は、なぜその資格が要るのか、取ってどう生かしたいのかを話すと、意欲と目指すキャリアが伝わります。