転職時の必要書類がわからず、もやもやした気持ちで退職日を待ってはいませんか。
転職時には膨大な書類の提出が求められます。
書類によっては、退職時に会社に発行してもらわなければならないものや、役所の証明が必要なものも。
「前職が漏れなく用意してくれる」と期待している人もいるかもしれませんが、経験者の話を聞くと、意外と漏れがあることが多いようです。
中には、会社から受け取ったかどうかがわからず、退職後に何度も前職に電話をかけるはめになったり、トラブルになる人も…。
このページでは、気持ちよく退職し、スムーズに転職するために、以下の3つのポイントについてご紹介します。
全て読めば、前職にも転職先にも迷惑をかけることなく、新しいビジネスライフを始められるはずです。
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1. 転職時に必要な15の書類
提出資料は転職先によって異なるので、事前に人事に確認しておきましょう。
すべてで15ありますが、これだけおさえておけば万全です。
必要書類の提出の遅れは、入社早々から転職先に迷惑をかけることになります。
必要書類の種類やいつまでに用意すべきかなどは、しっかり自分で確認しておきましょう。
転職時に必要な15の書類
受け取り先 | 書類名 | 多くの企業で 提出が必要 |
提出時期 |
退職先 | 雇用保険被保険者証 | ○ | 入社時 |
年金手帳 | ○ | ||
源泉徴収票 | ○ | ||
前職の健康診断書 | – | ||
退職証明書 | – | ||
転職先 | 扶養控除等申告書 | ○ | 入社時 |
健康保険被扶養者異動届 | ○ | ||
給与振込先の届書 | ○ | ||
入社承諾書(入社誓約書) | – | 入社前または入社時 | |
雇用契約書 | – | ||
住民票記載事項証明書 | – | 入社時 | |
身元証明書(身元保証書) | – | ||
従業員調書 | – | ||
転職先・退職先以外 | 卒業証明書 | – | 入社時 |
免許・資格関連の証明書 | – |
1-1. 退職先から受け取るもの
雇用保険被保険者証
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
雇用保険に加入するために必要な書類です。
会社が保管していることもあれば、原本を自分で保管していることもあります。
どちらかわからない場合は、在職中に確認をとっておくことをおすすめします。
会社が保管している場合は、退職時に返還されるので、そのまま転職先に提出しましょう。
自分で保管している場合は、事前に手元に用意しておき、万一紛失してしまった場合は、ハローワークで再発行が可能です。
再発行手続きの際は、以下が必要です。
- 本人確認書類
- 印鑑
- 退職先名・住所(加入期間がわかれば、さらにスムーズに発行できます)
上記情報があれば、即日で発行してもらえますが、ない場合は時間がかかることもあります。
また、ハローワーク自体が混み合っていることもありますので、入社までに用意できるよう、早めに手続きをとっておくのがおすすめです。
年金手帳
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
厚生年金保険の加入を証明するものです。
雇用保険被保険者証同様、会社が保管している場合と、自分で保管している場合があります。
会社で保管している場合、退職時に受け取ります。
こちらも入社時に必要になるものですので、手元にある場合は紛失していないか事前に確認しておきましょう。
紛失してしまった場合は、会社または年金事務所、住所地の市区町村役場で再発行が可能です。
しかし、退職先に再発行をお願いするのはなかなか気が引けるもの。
その場合は年金事務所または住所地の市区町村役場に顔写真付きの本人確認書類を持っていけば、即日発行してくれます。
郵送でも手続き可能ですが、再発行に1ヶ月程度かかるので、急ぎの場合は直接足を運んだほうが良いでしょう。
また、配偶者の扶養に入っている場合(国民年金第3号被保険者の場合)は、配偶者の勤め先または配偶者の勤務する事業所の所在地を管轄する年金事務で再発行手続きを行う必要があります。
配偶者の勤務する事業所の所在地を管轄する年金事務所となると、わかりづらいですし、郵送になる人も多くなると思いますので、早めに配偶者に再発行手続きを取ってもらうようお願いしておいたほうがよいでしょう。
源泉徴収票
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
年末調整または確定申告の際に使用する書類です。
退職日当日ではなく、退職後郵送などで受け取ることがほとんどです。
源泉徴収票の提出が必要かどうかは、離職した時期によって異なります。
離職した年内に転職先へ入社する人は、転職先で年末調整を行うため、源泉徴収票の提出が必要です。
一方、離職した年以降に転職先へ入社する人は、転職先へ源泉徴収票を提出する必要はありません。
ただし、12月31日付で離職した人以外は、会社が年末調整を行ってくれないので、自分で確定申告を行う必要があります。
その際に源泉徴収票が必要になりますので、退職の際には忘れずに受け取っておきましょう。
多くの企業で提出が必要な源泉徴収票ですが、会社によってはこちらから依頼しなければ発行してくれないこともあります。
ひどい場合は、依頼しても源泉徴収票を発行してくれないなんてこともあるので、在職中に人事に発行してもらえるかを確認しておきましょう。
また源泉徴収票は、発行までにかなり時間がかかることが多いものの一つです。
退職後すぐに転職する場合は、入社日までに発行が間に合わないことがほとんどなので、事前に発行時期を確認の上、転職先に提出時期を伝えておいたほうが良いでしょう。
前職の健康診断書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
退職時にもらうこともあれば、申請しないともらえないこともあります。
会社によっては健康診断書の提出を求められることがありますので、事前に転職先に確認しておいたほうが良いでしょう。
自分で健康診断を受けることもできますが、実費で受けるのはもったいないですし、会社での定期検診に準じた診断書が必要になりますので、もらっておくことをおすすめします。
万一、新たに健康診断を受ける必要がある場合は、実費になるのか、費用を出してもらえるのかなどについても確認しておきましょう。
退職証明書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
前職への就職事実や、確実に離職したかを確認するために求められることがあります。
離職先からもらう離職届とは別のもので、こちらから発行を求めないかぎり、基本的には発行してもらえません。
退職日当日でも発行可能というところもありますが、社内手続きに時間のかかることも多いため、必要な場合は退職の1〜2週間前までに申し出ておくと親切です。
1-2. 転職先から渡されるもの
扶養控除等申告書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
扶養控除だけでなく、障がい者控除や社会保険などの手続きに必要に必要な書類です。
入社前にもらうこともあれば、入社時に記入を求められることもあります。
扶養家族がいない場合も提出が必要で、転職先から法令用紙を受け取り、記入後転職先に提出します。
健康保険被扶養者異動届
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
扶養家族がいる場合のみ、提出が求められる書類です。
転職先から法令書類が渡されますので、必要部分を記入後提出します。
給与振込先の届書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
○ | 入社時 |
給与の振込先を記入するものです。
入社前に渡されることもあれば、初出勤時に記入と提出を求められる場合もあります。
通帳のコピーが必要になる場合もあるので、その際は添えて提出しましょう。
入社承諾書(入社誓約書)
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社前または入社時 |
転職先があなたの内定を承諾したことを伝える書類です。
入社誓約書と兼用になっている場合は、就業規則や秘密保持の順守などについても書かれています。
初出勤時に渡されることもありますが、入社前に事前に書類を渡され、入社時に提出を求められることのほうが多いようです。
雇用契約書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社前または入社時 |
雇用条件について書かれた書類です。
入社前に提出を求められることもあれば、初出勤時に記入・捺印を求められることもあります。
住民票記載事項証明書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
現住所が履歴書の内容と相違ないかを確認するための書類です。
入社前にもらうこともあれば、入社時に記入を求められることもあります。
記入書類自体は転職先が発行しますが、発行のためには役所で証明のための印鑑を押してもらう必要があります。
手続きの際は、書類以外に印鑑と本人確認書類が必要となるほか、発行手数料として200〜400円程度が必要となります。
書き損じた場合、新たに書類を発行してもらわなければならない場合があるため、書き方がわからない場合は勝手に記入せず、事前に人事または役所に書き方を教えてもらったほうが良いでしょう。
身元証明書(身元保証書)
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
身元を証明するためのもので、一般的には親族に署名・捺印してもらいます。
入社前にもらうことがほとんどです。
親族が近くにいない場合や、親族の署名・捺印が困難な場合は、保証人を探す必要があるため、面倒になることもあります。
すべての会社で必要になるわけではないので、入社前に提出が必要か、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
従業員調書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
家族情報などを記入するものです。
入社前にもらうこともあれば、入社時に記入を求められることもあります。
履歴書で代用される場合が多いですが、まれに提出を求められる場合があります。
1-3. 転職先・退職先以外から受け取るもの
卒業証明書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
第二新卒者の転職時などに提出を求められることがあります。
郵送で対応してくれることもありますが、学校でしか手続きや受け取りができないこともあります。
発行依頼から受け取りまでの期間は、各教育機関によって異なりますが、2〜7営業日ほどかかるところが多いようです。
第二新卒者の場合は事前に必要かどうかを確認したほうがよいでしょう。
免許・資格関連の証明書
多くの企業で提出が必要 | 提出時期 |
– | 入社時 |
就業に際し、特殊な資格が必要な場合は、資格取得証明書の提出を求められる場合があります。
2. 退職の際に返却すべき全てのもの
退職の際には、会社経費で購入した備品などを返却する必要があります。
返却せずにトラブルになる場合もありますので、退職日までに何を返却すべきかを事前に確認しておきましょう。
2-1. 健康保険被保険者証
健康保険の加入先は、会社によって異なります。
一般的に転職の際は現在の加入先を脱退し、転職先で新たに加入する必要があるため、現在使用している健康保険被保険者証は退職先に返却しましょう。
2-2. セキュリティカード
会社でセキュリティカードが発行されている場合は、退職日に返却しましょう。
返却し忘れた場合は、退職先の人事部に処分方法を確認しましょう。
2-3. 社章・身分証明書
会社の社員であることを証明するものは、全て退職時に返却しましょう。
2-4. 名刺
基本的には会社名の入った自分の名刺を指しますが、取引先と交換した名刺の返却を求められる場合もあります。
名刺には個人情報が多数記載されているので、取り扱いには十分注意しましょう。
2-5. 定期券
現物支給されている場合は、退職日に会社に返却しましょう。
2-6. 制服・作業服・事務用品・パソコンなど支給された備品
ペンやノート、制服など会社の経費で購入したもの(会社が所有しているもの)については、退職日までに会社に返却しましょう。
2-7. 会社所有のマニュアルや書類など
会社が所有している資料やマニュアル、会社案内などを持っている場合は、個人で処分せずに退職日までに返却しましょう。情報漏えいなど問題になることがあります。
2-8. ロッカー・デスクの鍵
使用しているデスクやロッカーの鍵は、返却を忘れやすいもののひとつです。忘れずに返却しましょう。
3. 必要書類を郵送する場合の2つのマナー
退職先や転職先に書類を送付する際は、マナーとして以下項目に注意しましょう。
3-1. 送付状を添える
転職かどうかにかかわらず、ビジネスで書類を贈る際は、必要書類の一番上に送付状を添えて送るのがマナーです。
内容は以下を押さえておけば、簡単なもので構いません。最後は「以上」出しめることも忘れずに。
- 送付した日付
- 宛先(会社名・部署名・担当者名)
- 差出人(住所・名前・電話番号・メールアドレス)
- 件名
- 本文
- 記書き(送付内容)
以下にサンプルをご用意しましたので、こちらを例に送付状を作ってみてください。
送付状の内容は定型文で構いません。大切なのは、一言添えることです。
また、奇をてらう必要もありません。大切なのは、送付状としてのマナーをしっかり抑えているかどうかです。
送付状があるかどうかで、受け取った相手の印象は大きく変わります。
「マナーのなってない人だ」と思われないためにも、一手間かけるクセを付けておきましょう。
3-2. 書類をクリアファイルにまとめる
受け取った相手が書類を取り出しやすいように、書類はクリアファイルにまとめておくのが親切です。
書類の取り忘れ防止にもつながります。
また、100円ショップでまとめて購入できるので、ケチらずに新しいものを使用しましょう。
4. まとめ
退職日はあっという間にやってきます。
退職日当日や入社時に慌てないためにも提出書類や返却物については、事前にしっかりチェックしておきましょう。
必要な書類に関して、忘れっぽい方は「転職必要書類チェックリスト」をご用意したのでご活用ください。
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。