「転職しても仕事が続かない…」
「20代、30代の仕事が続かない人に向いてる仕事はある?」
転職してもすぐ退職してしまう方のなかには、仕事が続かないのはどうしてなのか、どのような仕事を探せばいいのかと不安や疑問を抱えている方も多いことでしょう。
結論、仕事が続かない原因は職場の人間関係や仕事内容、また自分自身の仕事に対する価値観などのさまざまな原因があり、その一つ一つを明確にして適切に対処することで仕事を続けられるようになります。
自分の仕事が続かない原因が何なのかわからなければ、対処法や向いてる仕事を見つけられません。また、次の職場に転職したとしても同じことを繰り返してしまう可能性があるでしょう。
そこで本記事では、転職のプロとしてたくさんの転職者をサポートしてきた私が、仕事が続かない人の特徴や原因、原因別の対処法を詳しく解説します。また、おすすめの相談先や向いてる仕事の特徴も紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
本記事を読むことで、仕事が続かない原因を正しく突き止めて対処し、自分の価値観に合った続けやすい仕事に転職できるでしょう。
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1.そもそも仕事はなぜ続けるのかを改めて考えよう
「仕事が続かない」という悩みについて、そもそも仕事をなぜ続けるのかをあらためて考えてみましょう。
「仕事を続けないと生活に困ってしまうから」
「仕事が続かないとキャリアが不安定になるから」
など、つい後ろ向きな理由を考えてしまうかもしれません。追い詰められていると、リスクばかりが気になるものです。
しかし、仕事についての考え方は後ろ向きなものばかりではないはずです。
臨床心理学者のハーズバーグによって提唱された「モチベーション理論」では、「衛生要因」と「動機づけ要因」の2つがあるとされています。
「衛生要因」は賃金など暮らしに直接影響し、足りなければ不満をもたらすもの。
「動機づけ要因」は裁量の大きさなど仕事自体に関わり、あると仕事への満足度につながるものです。
衛生要因を確保することは最低限の状態を保つために必要ですが、仕事における満足を得る要因にはなりません。
あなたにとっての動機づけ要因となるものを見つけることで、前向きに仕事と向き合えて続けられるようになるのではないでしょうか。
あなたにとっての仕事を続ける意義を、もう一度考えてみましょう。
- 人の役に立つ喜びを得るため
- 人として成長するため
- 社会とのつながりを持つため
- 自己実現のため
- 生活を豊かにするため
仕事を続ける意義を前向きに捉え直すことは、仕事を続けるための原動力となります。
動機づけ要因となる要素を見出しながら、衛生要因を確保することが大切です。
ポジティブな気持ちで、仕事を続けるために必要なことを一緒に考えていきましょう。
2.20代・30代の仕事が続かない原因7つ
仕事が続かない状態には原因があります。あなたが仕事を続けられない原因を見極め、解決方法を探りましょう。
厚生労働省が毎年実施している「雇用動向調査」の結果からは、転職者が前職を退職した理由として、男女ともに次のような点を挙げることが多いとわかります。
転職者が前の職場を辞めた理由TOP5
|
男性
(計:2256.1千人) |
男女計
(計:4844.3千人) |
女性
(計2588.2千人) |
1位 |
労働時間、休日等の
労働条件が悪かった
(11.23%) |
職場の人間関係が
好ましくなかった
(12.24%) |
職場の人間関係が
好ましくなかった
(14.78%) |
2位 |
職場の人間関係が
好ましくなかった
(9.33%) |
労働時間、休日等の
労働条件が悪かった
(11.92%) |
労働時間、休日等の
労働条件が悪かった
(12.51%) |
3位 |
給料等収入が少なかった
(8.71%) |
給料等収入が少なかった
(9.07%) |
給料等収入が少なかった
(9.37%) |
4位 |
会社の将来が不安だった
(7.28%) |
会社の将来が不安だった
(5.55%) |
仕事の内容に
興味を持てなかった
(5.36%) |
5位 |
能力・個性・資格を
生かせなかった
(5.42%) |
仕事の内容に
興味を持てなかった
(5.10%) |
会社の将来が不安だった
(4.05%) |
〔出典〕厚生労働省:令和2年雇用動向調査,2019.第15表を基に編集部作成
〔注〕典拠には定年・契約満了、会社都合、出向等を含むその他が理由として含まれているが、
表の作成にあたっては個人的な理由に相当するもののみ抽出の上で、ランキング集計を行った。
「会社の将来性」といった世情・市況による影響が大きそうなものを除けば、退職の理由は仕事内容そのもの(興味ややりがい)、人間関係、働き方(労働時間・休日等)、待遇面(給料等)に集約されていると言えるでしょう。
こうしたことを踏まえ、ここからは仕事が続かない原因として、次の7つを見ていきます。
2-1.仕事内容が合っていない|そもそも向いてる仕事がわからない
自分に合っていない仕事内容だと、働くことがストレスとなり仕事が続かない原因となります。
「いまの仕事は自分に合っていない」
「もっと違う仕事がしたい」
と感じているなら、自分に合った新しい仕事をしようとして現在の仕事を辞めるのは自然な行動と言えるでしょう。
しかし、なかには「いまの仕事が自分に合っているのかわからない」と感じている人もいます。
わからないから辞める、を繰り返しているケースは注意が必要です。それでは仕事を続けられるようにはなりません。
自分に合った仕事内容を選び、やりがいや意欲を持って取り組めると仕事は長続きします。まずは、いまの仕事内容があなたに合っているか、あるいはどんな仕事内容なら自分に合っているのかを考えましょう。
2-2.働き方が合っていない|心身への負担を感じやすくなる
働き方が合っていない仕事は、心身への負担を感じやすく、仕事が続かない原因になります。
たとえば、「夕方に子どもが学校から帰ってくるので仕事は定時で上がりたい」という方にとって、残業が多い仕事は続けにくいでしょう。
また、夜型の生活が身体に合っている方や、平日に休みを取りたい方には、平日の昼間に働く仕事よりも夜勤やシフト勤務がある仕事が向いています。
人によっては週5日、1日8時間働くのが合わないという方もいるのではないでしょうか。
その場合は、パートやアルバイト、短時間勤務の契約社員などの働き方を選ぶ道もあります。
無理をせず、自分に合った働き方を選ぶことが仕事を続けるコツです。
最近では、フリーランスとして個人で仕事を請け負い、働く時間や場所を柔軟に決められる働き方も増えています。
あらゆる働き方を知り、あなたに合ったものを選ぶことで、仕事を続けやすくなるでしょう。
2-3.人間関係に問題がある|転職の繰り返しでは解決できない
仕事が続かないのは、人間関係が原因である可能性もあります。
仕事では、職場の人と協力して業務を進めなければなりません。人間関係が悪いと、職場に行くのが憂鬱になり、働くのが嫌になります。
業務の遂行に支障が出るケースもあるでしょう。思うように働けず心理的な負担が積み重なる結果、仕事を辞めてしまいます。
「職場の人間関係は転職することでリセットできる!」と考えて転職を繰り返す人もいるのではないでしょうか。
しかし、どこの職場でも人と人が関わり合って働く以上、人間関係をめぐる多少のトラブルは避けられないものです。
人間関係の問題が起こるたびに仕事を辞めていては、きりがありません。
1つの職場で仕事を続けていく上では、人間関係の問題とどう向き合うかが大切です。
また、職場の人間関係ではなく、自分自身の人間関係の築き方に問題があるケースもあります。自分の考えをわかりやすく話すことや、相手の話を聞いて意図を汲み取ることに苦手意識があると、人間関係の構築に困難を感じるでしょう。
自分では気づいていなくても、周囲を不快にさせていることもあります。
これまでの職場の人間関係を思い返し、問題がなかったかを振り返ってみましょう。
2-4.労働環境・待遇に問題がある|低賃金や時間外労働など
労働環境や待遇に不満があると、仕事のモチベーションが低下して続かなくなります。
「自分はこんなに働いているのに」
「結果を出しても評価されない」
と感じることはないでしょうか。
働きやすい労働環境が整っていることや、待遇が良いことは、仕事を続けるために大切な要素です。
労働環境や待遇への不満の例として、次のことがあります。
- 給料が低い
- 残業や休日出勤などの時間外労働が多い
- 働きを正当に評価されていない
- 業務遂行に必要なツールやシステムが導入されない
- 有給を取得させてもらえない
働きに対して給料が少なかったり、残業や休日出勤が多かったりすることは、仕事へのやる気が失われる原因になります。その結果、仕事を辞めてしまうのです。
いまの労働環境や待遇について不満に感じていることがないかを振り返り、改善できないか考えていきましょう。
2-5.ハラスメントがある|被害者だけでなく知らない間に加害者になっていることも
ハラスメントが横行している職場は仕事を続けられない原因となります。
ハラスメントだと気づかずにしている/されているケースもあるので注意が必要です。
職場でよくあるハラスメントには以下があります。
- パワーハラスメント(パワハラ)
- モラルハラスメント(モラハラ)
- セクシャルハラスメント(セクハラ)
- マタニティハラスメント(マタハラ)
パワーハラスメントは、暴行・暴言、過大・過小な要求、飲み会への参加強要などがあたります。
「上司に叩かれた」「明らかに遂行不可能な業務を指示された」などがなかったか振り返ってみてください。
モラルハラスメントは無視や差別発言など、倫理的な嫌がらせです。「高卒のくせに」など学歴や職歴で見下すような発言も含まれます。不機嫌な振る舞いや失敗を責め続けるような行為も職場でよく見られるモラハラです。
セクシャルハラスメントは性的な嫌がらせです。「髪や肩などを触られる」「性的関係を求められ、断ると仕事上の嫌がらせを受ける」などがセクハラにあたります。「まだ結婚しないのか」「相変わらず色気がない」という発言など、セクハラと気づかれずに横行しているケースも多いです。
マタニティハラスメントは、妊娠・出産・育児に関する嫌がらせを意味します。妊娠・出産・育児のために休みを取ろうとすると「休みが多い」「あなたが休むせいでみんなが大変な思いをしている」と言われることなどが当てはまります。また、妊娠・出産・育児を理由に退職を迫られたり、契約を打ち切られることもマタハラです。
近年はハラスメントをなくそうとする動きも見られますが、まだ職場のハラスメントが残る企業はあります。
2-6.仕事観に問題がある|仕事の意義や目的を明確にしよう
仕事が続かないのは、あなた自身の仕事観が原因である可能性もあります。
仕事観とは、仕事の意義や目的など、仕事に関する考え方です。
仕事観によって、仕事とどのように関わっていくのかが決まります。
たとえば「仕事はお金を稼ぐためだけのもの」という考えなら、続けることにはあまりこだわらず、稼げる仕事を求めて退職・転職を繰り返すことになるでしょう。
また、「選ぶ仕事は天職でなければならない」と考えていたら、自分にとって天職だと思える仕事を求めて延々と仕事が続かないままかもしれません。
「あなたにとって仕事とはどういうものか?」という仕事観をたずねる問いは、就職活動の面接時でもよく質問されます。
いまのあなたの仕事観を明確にして、説明できるように考えてみましょう。
2-7.性格・体調に問題がある|自分の特徴を知ることが大切
性格や体調が原因で、仕事を続けられないこともあります。
本人の性格上、つい無理をしてストレスを溜め込んでしまい、仕事を辞めることもあるでしょう。
また、人はそれぞれ体調の問題を抱えており、状況によっては仕事に影響が出てしまうことも少なくありません。
仕事が続けられない性格や体調の問題については、次の章で詳しく解説します。
3.自分では気付かない…?仕事が続かない人の特徴6つ
仕事が続かない原因として、本人の性格や体調があることをお伝えしました。
自分の状態については、意外と自分で気づけていないケースも多いです。
仕事が続かない原因が自分にあると、職場を変えたとしても問題の根本的な解決にはなりません。
仕事が続かない原因が自分にあるかどうかを判断するには、仕事が続かない人の特徴を知るといいでしょう。
ぜひ自分のことを振り返りながら、読み進めてみてください。
以下より、仕事が続かない人の6つの特徴をご説明します。
3-1.人間関係を築くのが苦手で業務を溜め込んでしまう
仕事が続かない人は、人間関係を築くのが苦手という特徴があります。
退職理由のなかでも人間関係は上位にランクインする項目です。
「人間関係」は先ほど紹介した厚生労働省「雇用動向調査」(2019)においても転職者の前職を辞めた理由で1位(男女計)となっていましたが、日本労働調査組合の調査でも、やはり「職場の人間関係」が退職理由の1位となっています(参考:日本労働調査組合:仕事の退職動機に関するアンケート調査(2021年4月).)。
人間関係を築くのが苦手な人ほど、退職が現実的なものとなりやすいです。
仕事では、さまざまな人と協力しながら業務を進めます。業務をスムーズに遂行するには、人間関係を良好に保つことが重要です。
しかし、人間関係を築くのが苦手な人は、周囲に頼ることができず、一人で業務を抱え込んでしまう傾向があります。
自分でこなせる業務量には限界があるため、キャパシティを超過して抱え込んだ結果、ミスや失敗につながることも少なくありません。「周囲に迷惑をかけてしまった」と余計に萎縮してしまいます。
また、人間関係に安心感を得られずにいると、常に気持ちが張り詰めて疲れやすくなってしまいます。心理的な負担を感じて働き続けたいと思えなくなることから、仕事を辞めてしまいます。
3-2.頑張りすぎて無理をするため後からどっと疲れる
仕事が続かない人は、必要以上に頑張りすぎて無理をしがちです。
「つい頑張りすぎてしまう」
「張り切って働くと、あとからどっと疲れてしまう」
と感じることはないでしょうか。
仕事に対して気力を注ぎ込み続けることは、時として大きな消耗感につながり、バーンアウト(燃え尽き)と呼ばれる、強い疲労・消耗感や仕事に対する意欲・関心の喪失をもたらすことがあります。
作業量の多さや勤務時間の長さからくる身体的な負担はもちろん、仕事に伴う重圧や葛藤など、心理的な負担が情緒的な資源(心のリソース)を消耗させ、バーンアウトの要因になると考えられています(久保真人:バーンアウト(燃え尽き症候群)――ヒューマンサービス職のストレス.日本労働研究雑誌558:54-64,2007.)。
そのような消耗感をもたらすほど無理をして働くような環境では、働き続けるのが難しいでしょう。
また、無理をして仕事を続けていると、ストレスから体調不良になりやすくなる懸念があります。
「なんだか体調が優れないな」と感じているうちに、うつ病になってしまい、仕事を辞めるケースも少なくありません。
特に真面目で責任感が強く、完璧主義な性格の人ほど、次から次へと業務を引き受けてしまうなど、無理を重ねすぎてしまって仕事が続かない状況に陥りやすいです。
また、プライドの高い人や、楽観的な性格の人も「自分ならこれくらいできるだろう」と思い込んで無理をするため、注意しましょう。
自分が気づかないうちに無理をしてしまうことも多いので、落ち着いてあなたのキャパシティがどれくらいなのかを考えてみてください。
3-3.仕事に理想を持ちすぎて現実とのギャップを感じてしまう
理想と現実のギャップが大きいことも仕事が続かない人の特徴です。
エン・ジャパンのアンケート調査によると、89%が就業前後のギャップを体感し、そのうち56%はギャップが原因で退職したことがあると回答しています(エン・ジャパン:⼥性500名に聞く「就業前後のギャップ」実態調査.『ウィメンズウィーク』ユーザーアンケート,2019.)。
このアンケートは女性のみの回答で、ギャップの内容もさまざまですが、就業前のイメージと実態との差が退職につながる原因として挙げられていることは事実です。
現実をよく確認せず、理想ばかりイメージしてしまいがちな人は注意しなければなりません。
また、自分が抱いていた期待・夢と仕事・職場の実状との間にあるギャップがもたらす衝撃(リアリティ・ショック)は、組織や上司への信頼感低下など、組織へ留まる意欲を低下させることが示唆されています(小川憲彦:リアリティ・ショックが若年者の就業意識に及ぼす影響.経営行動科学18(1):31-44,2005.pp. 39-40)。
こうしたことからも、理想と現実のギャップが仕事を続けられない状況につながり得ると考えることができるでしょう。
「憧れの仕事でキラキラ働ける」という理想を持っていたのに、実は地道な業務の積み重ねが多かったなど、現実とのギャップが大きいと働く意欲を失ってしまいます。
理想があることは、向上心を持って仕事に取り組むために大切なこと。しかし、地に足がついていなければ、現実とのギャップに苦しみます。
「イメージと違った」と期待が裏切られたように感じてしまい、やる気を失って退職につながるのです。
3-4.飽きやすく継続的な努力が苦手ですぐ転職しようとする
なかなか仕事が続かないという人のなかには、飽きやすく継続的な努力が苦手という特徴を持つ人がいます。
ある研究では、調査対象となった労働者のほとんどが仕事に対してマンネリ間・停滞感に省庁される「飽き」を経験しており、それが「先が見えない」感覚と結びついて、異動や転職への欲求につながるとされています(市村 陽亮:キャリア形成における責任と職務自律性の関係についての一考察.組織学会大会論文集7(2): 374-379,2018.)。
飽き性な人は、新しい仕事を始めてもすぐに目の前のことに飽きて、ほかの仕事にばかり魅力を感じます。興味関心が変わりやすく、好奇心が旺盛です。
また、継続的な努力が苦手で、同じ仕事を長期的に続けることに苦痛を感じます。
仕事が単調でつまらなく感じるため、成長意欲や向上心が失われがちです。数ヶ月〜数年単位の視野で物事に取り組むときには、計画倒れになることもしばしばでしょう。
3-5.仕事に対する目的意識がない
仕事に対する目的意識がないと、仕事は続きにくいです。
内閣府の世論調査では、「働く目的は何か」という質問について4.2%が「わからない」と回答しています(内閣府:令和国民生活に関する世論調査(令和元年6月調査),2019.)。
目的意識を持って仕事をしていれば、つらいときや挫けそうになったときでも「目的を達成するため」と自分を奮い立たせて、仕事を続けるための行動ができます。
一方で、もし目的が明確になければ「自分は何のために仕事をしているんだろう?」と立ち止まり、そのまま仕事を続ける道が見えなくなってしまうでしょう。
あなたは「何のために仕事をしているのか」と聞かれて、すぐに答えられるか考えてみましょう。
3-6.うつ病や発達障害などの病気や障害を抱えている
仕事を続けることが難しい病気や障害を抱えている可能性もあります。
障害者職業総合センターの調査によると、身体障害者の39.2%、知的障害者の32.0%、精神障害者の50.7%、発達障害の28.5%は1年以内に離職していることがわかりました(高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター:障害者の就業状況等に関する調査研究.調査研究報告書137,2017.)。
病気や障害が原因で仕事に困難を感じるのは仕方のないことです。
そして、自分では気づいていない病気や障害によって、働きづらさや生きづらさを感じている人はたくさんいます。
実際に、仕事に困難を感じたことをきっかけに次のような病気や障害が判明するケースは多いです。
- 気分障害(うつ病、双極性障害〔躁うつ病〕)
- 発達障害(ADHD、ASD、LD)
- 適応障害
躁うつ病を含む気分障害の人数は2017年時点で124.6万人で、2002年の68.5万人から増え続けています。この数字は外来のみのため、病院で診察を受けていない気分障がいの人はさらに多いと見込まれます。
2021年現在のデータはありませんが、そのまま推移していればますます増加していることが予測できるでしょう。
また、近年は発達障害者に対するキャリア支援などが推進されており、社会全体の課題として取り上げられています。
「大人の発達障害」といって、発達障害が成人後に判明するケースも見られるようになりました。
一般的に発達障害のなかでもADHDは子どもによく見られ、「落ち着きがない」といった多動傾向の症状が代表的な症状です。
しかし大人の場合、多動傾向の症状はやや落ち着いている一方で「注意力が低い」など注意欠陥傾向の症状がよく見られます。
「仕事でミスが多い」「コミュニケーションがうまくいかない」などから判明するケースも少なくありません。
適応障害は、ストレスが原因で心身に不調が現れる精神疾患です。
「仕事に行こうとすると体調が悪くなる」「苦手な上司の顔を見ると心臓がバクバクする」など、心当たりがあれば注意しましょう。
すでに病気や障害がわかっていれば、必要な対策を講じることができます。
しかし、自分で気づいていない状態では、つらい状況が続くだけです。
もし気になる症状や不安がある場合は、医療機関を受診しましょう。原因がわかって適切に対応できれば、仕事を続けることも十分に可能です。
4.【効果あり】長期的に安定して働くためのポイント12選
仕事が続かないときには、適切な対処法を実行しましょう。
原因を解決できれば、仕事が続かない状況を打破し、長期的に安定して働けるようになる可能性があります。
ここでは、仕事が続かない時の対処法12選を見ていきましょう。
ケース別にとるべき対処法をまとめてみました。
以下より、それぞれの対処法について詳しくご説明します。
4-1.仕事内容を変える|部署異動や自分に向いてる仕事を探す
仕事内容が合わないことが原因で仕事が続かないなら、仕事内容を変えましょう。
仕事内容を変える方法は「異動を希望する」「転職する」の2つです。
まずは上司にいまの仕事が合わないことを相談します。上司に相談することで、仕事の分配により担当する業務を変えてもらえる期待ができるでしょう。上司に相談しにくい場合は、より上の役職の人や異動希望先の役員、人事部門などに相談します。
希望を聞き入れてもらえれば、次の半期(上期・下期)あるいは新年度など、組織改編が起こるタイミングから別の部署に配属されて、新しい仕事ができるかもしれません。
異動が難しい場合は、自分に合った仕事ができる企業に転職する道があります。
あらかじめ自己分析や企業分析を十分におこない、自分に合った仕事内容で働ける環境を手に入れましょう。
4-2.働き方を変える|副業や独立も視野に入れる
仕事が続かない原因が働き方なら、働き方を変えましょう。
いまの仕事のままで働き方を変えることは難しいことが多いので、転職が現実的な選択肢です。
働き方を変える際には、自分にどんな働き方が合っているのかをあらかじめ考えておくことが重要になります。
「夜勤」「シフト制」「完全週休2日制」など、さまざまな働き方を知りましょう。
副業や独立など、個人で仕事を獲得して収入を得る働き方もあります。
働き方を変える例は以下の通りです。
働き方を変えるコツ(例)
①働く曜日・日数を変える
- 毎月安定した収入を得たい→固定性
- 予定に合わせて柔軟に働きたい→シフト制
②働く時間を変える
- 幼稚園に子どもを迎えにいける時間に帰りたい→時短勤務
- 朝早く起きるのが苦手で、夜型の生活で働きたい→深夜勤務
4-3.苦手な相手から適度に距離を置く|無理に親しくなる必要はない
仕事をするなかで人間関係に悩むときは、まず苦手な相手から適度に距離を置くよう心がけましょう。
苦手な相手と関わる機会を減らすだけでも、働きやすくなるはずです。
「悪口の言い合いには関わらない」「行きたくない飲み会には参加しない」なども距離を置く行動になります。
業務上どうしても苦手な相手と関わらなければならない場合は、上司に相談して業務を変えてもらうのも手です。人間関係について上司や人事など、信頼できる相手に相談しておくといいでしょう。
同僚は、あくまで仕事の仲間であって友達ではないため、「仲良くしなければ」と考えすぎる必要はありません。
仕事上の関係と考え、ほどよい距離感でいることも大切です。
4-4.力の入れ具合を調節する|メリハリをつけることが重要
仕事でつい頑張りすぎて無理をしてしまう人は、力の入れ具合を調節することを意識しましょう。
すべてに120%の力で取り組んでいては、すぐに体力や気力が尽きて長く持ちません。
大切なのは、物事の全体像を把握して、力を入れるべき部分と抑えるべき部分を見極めることです。
たとえば、1時間で社内会議の資料を作成しなければならない場合、フォントや文字のサイズ、グラフの色などにこだわるよりも、議題についてのデータや意見をまとめることのほうが重要です。
業務の目的は何かを考えることで、力の入れどころや抜きどころが見えてくるでしょう。
仕事において、何が重要で力を入れるべきかを意識して取り組むことで、必要以上に疲弊せずに済みます。力を入れるべき部分に迷うときは、上司や同僚に相談することもおすすめです。
メリハリをつけて仕事に取り組むことで、ここぞというときに力を発揮できます。
また、自分の力量を適切に把握していれば、無理をする前にみずから歯止めをかけられるでしょう。仕事を続けていくには、力の入れ方を工夫することが重要です。
4-5.現状分析をする|良い部分に注目する癖をつける
理想と現実のギャップを感じてしまう人は、現状を分析して良い部分に注目する癖をつけましょう。
「イメージと違ってがっかりしたこと」ではなく「良かったこと」がないかに意識を向けるのです。
ただ自分の想像と違ったからというだけですべてを否定的に見てしまうと、いまの仕事の良い面は見出せません。現在の環境で自分にとってプラスになる部分を探すことで、前向きに仕事と向き合える要因が見つかる可能性があります。
良い部分と悪い部分の両方を冷静に受け止められれば、ミスマッチな期待を持つことがなくなり、継続的に仕事に取り組めるでしょう。
まずはいまの仕事の良い部分と悪い部分をリストアップすることから始めてみてはいかがでしょうか。
4-6.期限や目標を決めて取り組む|1つ1つのハードルを低くする
継続的な努力が苦手で仕事が続かないなら、期限や目標を決めて取り組むのが効果的です。
期限や目標を考えるときのコツは、スモールステップで設定すること。短期間かつ小さな目標をたくさん設定すれば、1つ1つのハードルが低いので達成しやすくなります。
たとえば、飽きやすいルーチンワークに取り組むときに、「30分以内に終わらせよう」と目標を立てるとモチベーションになります。
面倒に感じる業務でも、少し頑張れば達成できる程度の目標を立てることで、ゲーム感覚で取り組めるでしょう。
飽き性でも工夫次第で楽しみながら仕事を継続できるので、ぜひ実践してみてください。
4-7.待遇を交渉する|資格取得も有効
待遇に不満がある場合、直接交渉するのも解決策の1つです。
たとえば、「給料が低い」という不満がある場合、これまでの実績やスキルを根拠に昇給を要求することで、希望が通る可能性があります。
直属の上司や人事と話し合う場を設け、入念に準備をした上で交渉をしてみましょう。事前に昇給の基準を調べたり、業務に役立つ資格を取得しておいたりすると交渉を進めやすくなります。
また、給料以外でも、有給取得や残業など不満を感じている待遇について相談することで改善される可能性はあります。
行動を起こし、納得のいく待遇をみずから掴み取りましょう。
4-8.仕事に目的意識を持つ|キャリアアンカー診断で確認
仕事に目的意識を持つことも、仕事を続けるための有効な手段です。
「何のために仕事をするのか?」とみずからに問いかけてみましょう。目的を設定するコツとして、キャリアアンカー理論を活用する方法があります。キャリアアンカー理論とは、自分がキャリアを考える上で譲れない軸となる価値観や考え方(アンカー:船の錨)を次の8つに分類したものです。
キャリアアンカー(キャリアの軸となる8つの価値観・考え方)
- 管理能力
- 専門・職能別能力
- 安全・安定
- 起業家創造性
- 自律と独立
- 奉仕・社会貢献
- チャレンジ
- 生活様式
自分のキャリアアンカーを確認する方法は、以下の3つがあります。
- 特定の質問票による自己採点
- 客観的な意見(他者から「何が得意で、何を行いたいと考え、何をしているときが充実しているか」を中心にインタビューしてもらう)
- 上記1・2の結果を総合的に判断し、8つの類型のなかで順位付けを行う
結果としてわかる自分のキャリアアンカーをもとにすれば、仕事に対する目的意識を考える助けとなります。手軽にキャリアアンカーを確認する方法として「キャリア・アンカー診断」を活用する方法もあります。
キャリアアンカー理論を提唱した心理学者シャインは、次の3つの問いが自分のキャリアのよりどころを探る出発点になるとしています。
キャリアのよりどころを探る3つの問い
- 自分はいったい何が得意か
- 自分は本当のところ何をやりたいのか
- 何をやっている自分に意味や価値を感じられるのか
上記のことを意識しながら自分のキャリアアンカーを確認し、仕事の目的意識を考えてみてはいかがでしょうか。
常に目的意識を持っていれば、仕事における多少の困難は乗り越えられます。目的を達成することに意識が向いているので、困難が小さなことに感じられるのです。
仕事をする目的は本人の経験や価値観によって変わります。その時々に応じて、自分なりの目的意識を持つようにしましょう。
4-9.自分に合った仕事を選ぶ|自分の本来の能力を発揮させよう
仕事が続かないときには、自分に合った仕事を選ぶことが大切です。
たとえば、人と関わることが苦手なのに営業の仕事をしていると、苦手なことをやらなければならないストレスを常に感じる上に、自分の本来の能力を発揮できません。
自分に合わない仕事をしていては長続きしないでしょう。自分に合った仕事を選び、転職を成功させる方法については後ほど詳しく説明します。
また、以下の記事でも仕事選びについてまとめているので、参考にしてみてください。
4-10.適度にストレスを解消する|筋トレやランニングがおすすめ
ストレスが原因で仕事が続かないときは、普段から適度にストレスを解消するよう心がけましょう。
ストレスによる心身への影響は大きく、ときには病気の原因になります。のびのびと仕事を続けるためにも、ストレスを解消することは重要です。
あなたは自分に合ったストレスの解消方法を把握しているでしょうか?
ストレスの解消方法は人によってさまざまです。自分なりのストレス解消方法を持っておくと、ストレスを自分でコントロールできます。
おすすめは筋トレやランニングなどの運動です。身体を動かすことで血流が促されて脳が刺激されるので、気分が良くなります。ストレスを気持ちよく発散しましょう。
4-11.プライベートを充実させる|オンオフをつけることで余裕ができる
プライベートを充実させると日々の生活にメリハリがついて、仕事を続けやすくなります。
仕事が大変でも、仕事後に楽しみな予定があると「あと少しだから頑張ろう!」と思える方は多いでしょう。
ある企業が30代の会社員を対象に行った調査によると、プライベートを充実させることは「仕事のモチベーションが上がる」ことにつながるとした人が、回答者の54.8%(660人中)を占めていました。
また、プライベートが充実することで心理的な余裕ができ、人間関係が良くなると答えた人も47.3%見られるなど、仕事への好影響をもたらしていると考えている人が多いようです(TPO:30代会社員の休み⽅・理想と現実 調査結果レポート,2019.)。
また、仕事で嫌なことがあっても、プライベートが充実していれば気分転換が可能です。
マイナスな気持ちを引きずらず、また前向きな気持ちで仕事に取り組めます。
4-12.信頼できる相手に相談する|家族や友人、相談窓口へ
仕事が続かずに悩んだときは、信頼できる相手に相談することが大切です。
1人で抱え込むよりも、誰かに相談した方が問題の解決は近づきます。信頼できる相手は誰でも構いません。親や兄弟、友人やパートナー、会社の上司や人事など、相談しやすい相手に話して見てはいかがでしょうか。
「仕事が続かない」と悩む人は多く、そのような仕事の悩みを持つ人向けの相談窓口もあります。積極的に活用しましょう。
5.仕事が続かない人におすすめの相談先4選
「仕事が続かない」と自分1人で悩んでいては、不安になるばかりです。相談できる機関を知り、気軽に相談してみましょう。
相談先を知っていれば、身近に相談できる相手がいないときでも安心です。
誰かに話を聞いてもらえるだけで落ち着いたり、解決にたどり着くための具体的なアドバイスをもらえたりします。ぜひ活用してみてください。
以下より、仕事が続かないときの相談先4選についてご説明します。
5-1.ハローワーク(公共職業安定所)|厚生労働省が運営で安心
ハローワークは、職業紹介をおこなう公的機関です。
主に求職者の就職、転職に関する支援をしています。そのため、現在の職場や仕事に関する悩みの相談を中心にしているわけではありません。
しかし、「いまの仕事を辞めたいと考えており、次の仕事先を探している」というケースでは役に立ちます。
仕事を紹介してもらうなかで、「仕事が続けられずに困っており、自分でも続けられる仕事を見つけたい」と相談することも可能です。
どのような求人があるか、自分の経験やスキルでどのような企業へ採用される見込みがあるかなどもわかるので、仕事探しでは活用しましょう。
5-2.公共相談窓口|無料で電話、SNS、メールで相談可能
公共相談窓口は、国や地方自治体が運営している相談窓口を意味します。
仕事に関する公共相談窓口を選べば、仕事のあらゆる相談が可能です。仕事が続かない悩みの相談先としても適しています。
いずれも利用は無料で、気軽に利用できます。
「こころの耳」は働く人のためのメンタルヘルス・ポータルサイトです。
「こころの耳相談」という相談窓口を設けており、電話、SNS、メールで相談できます。「仕事が続かない」と悩む方におすすめです。必要に応じて、精神科や心療内科などを案内してもらうこともできます。
「総合労働相談コーナー」は、職場のトラブルに関する相談を受け付けています。
仕事を辞めたい・続けられないと感じる原因が職場にある場合の相談先としておすすめです。面談あるいは電話で相談できます。
各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの379か所に設置されており、最寄りの窓口で相談可能です。
「障害者就業・生活支援センター」は、障害がある方が生活・仕事の両方について相談できる機関です。
「障害で仕事が続けられず生活に困っている」「障害を考慮しながら仕事を続けたい」という方におすすめの相談先です。令和3年4月1日時点で全国に336箇所設置されています。
5-3.カウンセリングサービス|オンラインや匿名相談など気軽に利用できる
カウンセリングサービスは、専門の知識や技術を持つカウンセラーとの対話を通じて、相談者の抱える困りごとの解決をサポートするサービスです。
自分の悩みについて知識のあるカウンセラーに相談することで、心理的な負担が軽くなり、解決の手助けをしてもらえます。
「仕事が続かない」という悩みを相談できるカウンセリングサービスとして、以下があります。
cotree(コトリー)は、オンラインカウンセリング・コーチングを中心としたメンタルヘルスケアサービスです。ビデオ・電話・テキストメッセージから自分に合った方法で、24時間いつでもカウンセリングを受けられます。
うららか相談室は、200名以上の厳選したカウンセラーに3,960円から悩みを相談できるオンラインカウンセリングサービスです。ビデオ・電話・メールのほか、対面でもカウンセリングを受けられます。
ことり電話は、電話専用の相談窓口です。仕事・恋愛・人間関係・家族・人生など幅広い悩み相談ができます。匿名ですぐに相談できるので安心です。
また以下の記事では、キャリアコーチングやキャリア相談・支援などのサービスについてまとめています。よりキャリアを重視した相談先を知りたい方は、ぜひご覧ください。
5-4.医療機関(精神科・心療内科)|専門知識があり的確な診断が受けられる
「仕事が続かない原因は、もしかして病気や障害かも」と思ったときは、精神科や心療内科で相談しましょう。
原因がわからずに不安な気持ちでいるよりは、診断を受けて適切な対応をとる方が安心でき、仕事が続かない状態の解決にもつながります。
精神科や心療内科と聞くと、気が引けてしまう方も多いかもしれません。
しかし、精神・心も身体と同じように、病気になるときがあります。
治療して働きやすい環境を整えるためには、早期発見が大切です。気になる症状や傾向がある場合は、気軽に医療機関で診察を受けてみましょう。
精神科と心療内科のどちらに行くべきか迷ったときは、以下を参考にしてみてください。
- 精神科:心理的・精神的な症状があるとき(落ち込む、無気力など)
- 心療内科:身体的な症状があるとき(不眠、倦怠感、発疹など)
なお、企業によっては保健師や産業医がいるオフィスもあります。
「いきなり医療機関にかかるのはちょっと…」という場合は、利用してみるのも手です。
6.仕事が続かない人が転職を繰り返すことによるリスク5つ
仕事が続かないと、さまざまなリスクを背負うことになります。
あらためてどのようなリスクがあるのか確認しましょう。
以下より、仕事が続かないリスクを5つご説明します。
6-1.安定した収入がないので社会的な信用が低下する
仕事が続かない状態でいると、社会的な信用が低下するおそれがあります。
社会的な信用において重要なのは、安定した収入があることや、支払いの遅延がないことなどです。
仕事が続かないと、会社で得た給料が途切れてしまい、収入が安定しません。また、会社に雇用されていない間は社会的な信用(金融機関等から見た支払能力の見込み)が非常に低い状態です。社会的な信用の低下は、以下のようなデメリットがあるので注意しましょう。
- クレジットカードの審査に通らない
- ローンの審査に通らない
- 賃貸契約の審査に通らない
もし引越しなどで新たに部屋を借りる予定やクレジットカードを作成する予定があるなら、会社員として働いている間に済ませておくと安心です。
6-2.逃げ癖がつくので成功体験を得られず、自分への自信がなくなる
仕事が続かないリスクとして、「逃げ癖」がついてしまう可能性があります。
仕事に限らず、困難にぶつかったときに「辞めればいいや」とすぐに諦めてしまいやすくなるのです。
逃げ癖がつくと、あらゆる局面で成功体験を得られず、自分への自信を失ってしまいます。やりたいことがあっても、プレッシャーを感じるとすぐに投げ出してしまい、いつまでも実現できません。
ハラスメントの横行や劣悪な就労環境、改善の見込みがない人間関係など、明白に辞めるべき理由以外のネガティブな動機から退職を検討する場合には、一度立ち止まって冷静に考え直してみましょう。
6-3.経済的に苦しくなる
仕事が続かなければ、収入がなくなって経済的に苦しくなります。
貯金があったとしても、いつかはなくなってしまうため、ずっと貯金で生活していくわけにはいきません。
生活をするにはお金が必要です。経済的な困窮に陥らないためには、安定した収入を得られる仕事が欠かせません。
6-4.スキルや経験が得られないため年齢が上がってから苦労する
仕事が続かず、職場や仕事内容が変わってばかりだと、スキルや経験が積み重なりません。
特に30代以降は、転職時にそれまで身につけたスキルや経験が求められるようになります。
年齢が上がるほど、スキルや経験がないことのリスクは高くなります。
できるだけ早いうちに、長期的に続けられる仕事を見つけることが重要です。
6-5.採用してもすぐに辞めるのではないかと思われるので転職しにくくなる
仕事が続かず、職務経歴書に短期間のキャリアばかりが並んでいると、転職時に採用されにくくなるリスクがあります。
面接官に「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かせてしまうためです。
採用や育成は一種の投資であり、大きなコストがかかります。
採用側は候補者にそのコスト以上の利益を期待しており、できるだけ長く働いてもらいたいと考えて応募者を選んでいます。
不利になりやすいことを理解し、退職理由や今後のキャリアプランについては伝え方を工夫しながら、前向きに転職活動に取り組みましょう。
7.仕事が続かない人が転職を成功させるためのポイント5つ
仕事が続かないと、転職しにくくなるリスクがあることをお伝えしました。
すでに何度も短いキャリアを繰り返していて、転職に不安を感じる方も多いでしょう。
しかし、転職が不可能になるわけではありません。
大切なのは、仕事が続かない人が転職活動をするときに、十分な準備をすることです。転職を成功させるポイントをおさえて、自分に合った企業への転職を成功させましょう。
以下より、仕事が続かない人が転職を成功させるための5つのポイントをご説明します。
7-1.自己分析で自分が続けられる仕事を見つける|逆に続けられない仕事も確認する
自分に合った仕事を見つける基本は自己分析です。自分がどんなことなら続けられるのかを明らかにしましょう。
仕事に限らず、「これならずっと続けられる」ということを思いつく限り書き出します。
また、これまでの仕事が続かなかった経験から、どんな仕事は続けられないのかを明確にしておくことも大切です。
転職サイトの自己分析ツールなどを活用して参考にするのもいいでしょう。
自分にとって、どんな仕事なら続けられるのかを見つけることが成功の鍵です。
7-2.企業分析で労働環境や人間関係を確認する|評判や口コミを調査する
自分に適した企業を見つけるには、企業分析で労働環境や人間関係をよく確認することが重要です。
求人の募集要項のみでは、企業の実態を知るのに不十分と言えます。
社員から直接話を聞いたり、企業の内情に精通しているエージェントから情報収集したりして、企業分析を入念におこないましょう。
企業分析を十分にすることで、入社後のギャップを最小限に抑えられます。
7-3.退職する前に余裕を持って行動する|転職は妥協しないことが大切
転職を成功させるには、いまの仕事を退職するまでに次の転職先の内定を得ておくなど、余裕を持った行動が必要不可欠です。
もし退職後に転職活動を始めることになると、収入の不安があるなかで焦りの気持ちから、妥協した企業を選んでしまいかねません。
十分な自己分析や企業分析、面接対策ができず、中途半端に転職を進めることになります。その結果、新たな就職先にも不満を感じて、続かない可能性が高いです。
7-4.面接で職務期間の短さや回数の理由を前向きに説明する|伝え方の工夫が重要
転職活動時の面接では、職務期間の短さや回数の理由を前向きに説明することが選考通過率アップにつながります。
短い経歴ばかりが並んだ職務経歴書を見たときの面接官の懸念は、「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか?」という点です。
そこで、次のように言い換えましょう。
- いまの職場ではスキルが身につかない→スキルアップをはかるため
- 仕事内容に飽きてしまった→働くなかで◯◯に興味を持ったため
- 給料が少なくて不満だった→結婚を機に収入アップをはかるため
なお、転職の軸に一貫性を持たせると、説得力のある回答になります。
たとえば、「人をサポートすること」を軸とすれば、目の前にいる顧客の悩みを解決する営業から、人が働くことをサポートする人材業界への転職という流れも自然です。
また、実際の転職理由が後ろ向きな理由でも、より良い環境を得るためにみずから動いたという伝え方ができると好印象を与えられます。
選考書類や面接では、ぜひ伝え方を工夫してください。
7-5.転職エージェントに相談する|プロが自分に合った仕事を見つけてくれる
仕事が続かない人が転職を成功させるためには、転職エージェントに相談することもポイントになります。
転職エージェントとは、転職市場に関する知識や情報によって求職者をサポートし、転職成功を支援するサービスです。
仕事が続かない人に転職エージェントがおすすめな理由は以下になります。
- 客観的な視点で自己分析の精度を高められる
- 業界に精通したプロに自分に合った仕事を紹介してもらえる
- 労働環境や人間関係など企業の内部情報も得られる
たとえば、『Spring転職エージェント』は、コンサルタント(キャリアアドバイザー/転職エージェント)が1人の求職者と企業の両方を担当し、求職者と候補企業のカルチャーとの相性まで見極めながら情報提供をしてくれます。
志望企業の生の情報を得られるため、企業の内情を的確に知ることが可能です。
転職エージェントは「仕事が続かない」という悩みの相談はもちろん、自己分析や企業分析のサポートから選考書類の添削や面接対策、企業との条件交渉まで手厚い支援を受けられます。無料で利用できるので、一度相談してみましょう。
8.仕事が続かない人に向いてる仕事の特徴3つ
「仕事が続かない自分におすすめの仕事が知りたい」という方もいるでしょう。
そこで、仕事が続かない人の特徴に応じておすすめの仕事をまとめました。
仕事選びの参考にしてみてください。
以下より、仕事が続かない人におすすめの仕事の特徴3つをご説明します。
8-1.人間関係が苦手な人は1人でできる仕事|警備員・清掃員・Webライターなど
人間関係に苦手意識を感じているなら、1人でできる仕事がおすすめです。
人間関係の悩みから解放され、リラックスして目の前の業務に集中できるでしょう。1人でできる仕事の具体例は以下になります。
- 警備員
- 清掃員
- 長距離トラック運転手
- Webライター
- エンジニア
「Webライター」や「エンジニア」などは人と協力しながら進めることも多いですが、作業自体は1人で取り組むことが中心です。
フリーランスなど、1人で仕事をする働き方もあります。
最近はフリーランスと発注者をマッチングするプラットフォームも充実しており、受注から納品まで一貫してオンラインで完結できるのでおすすめです。
8-2.飽きやすい人は変化が多い仕事|マーケター・接客業・クリエイターなど
飽き性の人には変化が多い仕事がおすすめです。
常に新しいものに触れられるので、日々楽しみながら働けるでしょう。
変化が多い仕事の具体例は以下になります。
- 企画
- マーケター
- 接客業
- Webデザイナー
- クリエイター
上記の仕事は、最新情報をキャッチしながら世の中のトレンドやニーズに合わせて仕事をするので、変化に富んでいます。
また、業界ではIT業界の成長スピードが速く、最新技術に触れられるチャンスも多いです。クリエイティブな仕事が多い業界なので、単調な仕事が苦手な人は自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。
8-3.時間外労働や待遇が不満な方は実力重視の仕事|営業・販売など
待遇に不満を感じやすい人は、実力重視の仕事がおすすめです。
いまだに年功序列や残業の多さを誇るといった古い体質の企業は多く、ストレスを感じることもあるでしょう。
しかし、実力重視の職種や業界を選べば、自分の実績やスキルを適正に評価して、見合った待遇を得られます。
インセンティブ制が導入されていることが多く、実力次第でプラスアルファの収入を得るチャンスが大きいです。
実力重視の仕事の具体例は以下になります。
また、外資系企業は実力重視の社風であることが多いです。自分の能力に自信がある方は、転職先として外資系企業も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
9.仕事が続かない人は自分の特徴を知ったうえで自分に合った会社に転職しよう!
今回は、仕事が続かない原因と対処法について以下のようにご紹介しました。
あなたの状況に照らし合わせて、ぜひできることから行動を起こしてみてください。
仕事が続かないという悩みは、仕事を長く続けていきたいという前向きな気持ちの表れです。
あなたにとっての仕事の意義を明確にして、仕事を続けていけるようにしましょう。