「SE未経験だけど転職できるの?」
「転職するには何から始めればいいの?」
と悩んでいませんか?
いざSEへの転職をしようと思っても、何から始めればいいのかが分からないという方も多いでしょう。
どの分野のエンジニアを目指すのかが曖昧なまま行動を始めてしまうと、中途半端な転職に終わる可能性があります。
そこでこの記事では、筆者が元銀行員からエンジニアに転職した実体験をもとに、未経験からSEへの転職を成功するためのコツをご紹介します。
- SEは今後も需要が伸び続ける
- 未経験SEの転職のしやすさ【年齢による違い】
- SE未経験者が転職に成功するまでの3ステップとは
- 未経験からSEを目指すなら「SES」への転職が現実的
- 自社開発・受託開発の求人を見つけるなら転職エージェントの活用がおすすめ
全て読んでいただければ、あなたがSEに転職すべきか判断できるとともに、転職の成功率を劇的に上げることができるでしょう。
目次
1. SEは今後も需要が伸び続ける
SEを目指す方は、まずはじめにSE市場の動向を確認していきましょう。以下にある3つの理由から、SEの需要は伸び続けると予想されます。
1-1. 2030年時点で78.7万人のIT人材が不足
IT人材は、2030年までに最大で78.7万人不足すると言われています。(参考:2019年に経済産業省が発表した「IT 人材需給に関する調査」)
考えられる原因は、大きく2つです。
- IT人材の需要増加
- スキルを持った人材の不足
IT人材の需要増加
1つ目は、テクノロジーの発展により、さまざまな企業でIT人材が必要となってきているからです。
最近では、新型コロナウイルスの影響でリモートワークの環境を用意する必要が出てきました。
そのとき、IT人材を抱えている企業は速やかに環境整備をおこなえたものの、IT人材を抱えていない企業はすぐに対応できない状況でした。
このように、IT人材はどの業界においても必須となっており、今後も需要が伸び続けるとされています。
スキルを持った人材の不足
2つ目は、スキルを持った人材が少ないことです。
近年、エンジニアを目指す人が増えているため、IT人材不足も解消するのではないかと思うかもしれません。しかし、目指す人は増えていても十分なスキルを持ったエンジニアが不足しています。
不足の原因はさまざまありますが「エンジニアを目指して月収100万円を目指せる」といった甘い誘い文句でプログラミングスクールに入学し、スクール任せになってしまうケースは少なくありません。
スクール任せになってしまうと、エンジニアにとって必須である「自分で解決する力」を身につけられません。エンジニアは、何か問題が起きたら原因を切り分けて、自分自身で解決しなければならないのです。
プログラミングスクールに通う場合でも、今の自分に足りないものを意識しながらカリキュラムをこなしていきましょう。
1-2. 年収が他の職種に比べて高い
SEの平均年収は、他業種を含む全体の平均年収と比べて高い傾向にあるため、今後も需要が伸びる理由として挙げられます。
全ての職種の平均年収が454.5万円であるのに対して、SEの平均年収は550.8万円という結果でした。(参考:賃金構造基本統計調査(平成29年))
平均年収に100万円程の差があると分かります。SEは専門的な技術が必要となる職種のため、年収が高い傾向にあると予想されます。
1-3. リモートワークにも対応できる
最近では、システム基盤の多くがクラウド環境に移行しているため、SEの多くがリモートワークで作業をできる状況になりました。
今までは、社内にサーバーを持つ「オンプレミス」の環境が多かったため、会社まで足を運ばないと仕事にならない状況が多く見られました。
しかし、新型コロナウイルスの影響や政府の推進により、リモートで作業せざるを得ない状況となったため、一気にリモートワークが浸透したのです。
リモートで仕事ができるようになってからは、通勤時間の削減によって家族と過ごせる時間が増えたり、好きなことにさける時間が増えてワークライフバランスが充実しました。
2. 未経験SEの転職のしやすさ【年齢による違い】
未経験の場合、20代前半までであれば転職の成功率が高い傾向にあります。
また、若いうちは社内研修を実施している場合も多く、未経験でも安心してエンジニアとして活動できるでしょう。
しかし、30代以降で未経験者の場合は、プログラミング以外のスキルがないとなかなか転職に結び付かないのが現状です。スキルとしては、業務知識やマネジメントスキルなどが挙げられます。
30代からのSE転職は「経験業界で働くこと」が成功の秘訣
未経験からSEを目指すなら、「経験のある業界」への転職がおすすめです。
例えば元銀行員として営業や窓口を経験していた場合、業務知識を活かした要件定義などで重宝されるため、金融システム開発の現場に採用されやすいでしょう。
30代以降で転職を考えている方は、年齢のせいにして転職を諦めるのではなく、今まで培ってきた業務経験やマネジメント経験を武器に転職活動を進めるのがおすすめです。
3. SE未経験者が転職に成功するまでの3ステップとは
筆者は、転職が成功するまでに以下の3ステップにしたがって活動しました。
このステップにしたがって転職活動を進めれば、SE未経験者でも転職に成功する確率が上がるでしょう。
3-1. 目指すSE像を具体的にする
どのようなSE像を目指すかを最初に決めておくと、何を学ぶべきかが明確になります。特に、習得するプログラミング言語の習得時に重要です。
もちろん、業務次第でプログラミング言語が必要ないケースも多々あります。
SEは、要件定義・システム設計などを担当するため、この段階でプログラミングコードを書くケースはありません。
しかし、未経験からITの開発現場に飛び込むなら、必要最低限の知識は欠かせません。特に技術者との意思疎通ができるレベルにまでは達しておくべきでしょう。
プログラミング言語は、業界や開発プロダクトによって異なります。
開発に用いられるプログラミング言語
- 法人系の大規模システム
Java(あらゆる現場で使われる!!)、C#、C++ - WEBアプリケーション(バックエンド)
PHP / Python / Ruby - WEBアプリケーション(フロントエンド)
JavaScript - データベースの操作
SQL
ちなみにシステムエンジニアは細かく分類すると、様々な種類があります。
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- アプリエンジニア
働き方や年収は業界や職種によって変わってくるため、事前に決めておくのがおすすめです。
3-2. 開発の基礎知識をマスターしておく
「未経験だが、開発の知識は会得している」ことをアピールするためにも、できる限り事前に学習しておきましょう。
SEの業務に直結するという意味では、IT系の資格が最適です。期日も決まっているため、モチベーションも維持できるでしょう。
SEの業務に直結する資格
- 基本情報技術者試験(初学者におすすめ!!)
IT人材になるための基本的な知識、技能を持つことを証明する - 応用情報技術者試験
管理、マネジメントなど開発の様々な工程で必要な技術があることを証明する - システムアーキテクト試験
システム開発の上流工程に必要な知識があることを証明する - ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークシステムの要件定地、保守、運用に関する知識を持つことを証明する
また、これと合わせてプログラミング言語も事前に習得しておくこともおすすめです。
プログラミングを経験する手段として、オンライン学習サービスの活用が手軽でしょう。オンライン学習サービスとは、Web上で気軽にプログラミングを学べるサービスで、さまざまなサービスが登場しています。
初心者がつまずきやすい環境構築をせずにプログラミングを経験できるため、挫折せずにプログラミングをはじめられるでしょう。
おすすめの学習サービスは「Progate」と「ドットインストール」です。
Progate
出典:Progate
Progateは、コースをクリアするごとに自分のレベルが上がっていくため、ゲーム感覚で楽しくプログラミングを学べます。
扱っている言語も幅広く、現在主要となっているPythonやJavaScriptも学べるのが特徴です。
ドットインストール
出典:ドットインストール
ドットインストールは、3分という短い時間で動画を見て学習をするサービスです。
動画では、実際にコーディングをしながら進めているため、自分の手元で実践しながら進めるようにしてください。
Progateよりも扱っているテーマの難易度が高いため、Progateでプログラミングの概要を掴んだ後に、ドットインストールを見ながら自分の手元で実践するのがおすすめです。
3-3. 未経験の教育に力を入れている企業に絞って応募する
プログラミングの学習と並行して、早い段階から、企業探しも行っておきましょう。
近年は、未経験者の採用に力を入れている企業も多く、ポテンシャルを示せれば実務経験がなくても転職可能です。
ただしこの場合、「今転職に向けてどのような行動をしているか」「前職ではどのような仕事をしていて、どんな実績があるか」といった客観的に示せるアピールをしなければなりません。
未経験転職を成功させるアピールポイント
- IT業界への転職に向けた学習
プログラミングの習得、IT系資格の取得など - 前職での実績
前職のポジション、売上実績、具体的な仕事内容など - 業界知識
同業界の転職なら、前職の知識・経験を最大限アピールする
「やる気がある」といった言葉だけのアピールでは採用に繋がらないので気を付けましょう。
4. 未経験からSEを目指すなら「SES」への転職が現実的
未経験からSEを目指すなら、「SES事業」を行う企業への転職が最も現実的です。
前提として、SEとして働く場合、以下3パターンの企業のどれかに就職することになります。
- SES(System Enginnering Sevice)
IT人材が不足している企業に、エンジニアを派遣する事業 - 自社開発
自社でサービスを開発する事業 - 受託開発
企業から依頼を受けてシステムの開発を行う事業
未経験者が転職しやすい「SES」とは、端的にいうと、自社のエンジニアを他の企業に派遣するという事業です。
SES事業を行う企業に社員(正社員・契約社員・業務委託)として採用されますが、その会社で働くわけではありません。
契約先の会社に派遣され、契約期間その会社で開発業務を行います。(”派遣される”とありますが、雇用形態は派遣社員ではありません)
4-1.SESは未経験採用の間口が広い
SESは未経験採用の間口が広く、未経験からでも十分技術者として働けるようになるほど、研修体制が整っていることも多いです。
SESは端的にいうと、「スキルのある人材を派遣する事業」なので、多くの技術者を自社で確保する必要があります。このため、未経験歓迎など選考のハードルを下げて人材を採用しようと考えています。
また、SES事業者によって、自社の技術者のスキルアップは何より重要です。このため、様々な制度を用意し、自社の技術者の開発スキルを高める仕組みを作っているのです。
いきなり自社開発・受託開発への転職は難しい
未経験からSEに転職する際、自社開発・受託開発に採用されるのはかなりハードルが高いです。
そもそも「未経験可」と打ち出している求人を見つけることすら難しいでしょう。実務経験が全くない状態から育成するのは、企業にとってコストがかかり過ぎるからです。
もちろん、ポートフォリオなどを作成したり、資格を取得したりして、独学でスキルを身につけている方であれば不可能ではありませんが、それでも転職活動は難航するはずです。
4-2.SESは給与が低くなる可能性がある
SESは給与が低くなる可能性があります。「エンジニアになって高収入を目指す」と考えている方は、ここが懸念されるはずです。
給与が低くなる理由としては、IT業界の産業構造が関係しています。
SES事業者も、業界全体でみるとピラミッド構造になっており、大手→中小→零細のように仕事が委託されます。
一次請け→二次請け…と多重下請け構造になり、零細企業で働く技術者ほど、支払われる給与が少なくなってしまうのです。
この他にも、未経験者は研修にコストがかかることを見越して、基本給が低く設定されていることも少なくありません。
まずはSESで実務経験を身につけることが重要!!
SESは労働条件が良くない企業も多く、「ブラック」「きつい」と言われやすいですが、実務経験を積めるという点では、未経験者にとって大きなメリットです。
未経験からのSE転職では、「実務経験のなさ」が最大のネックとなるからです。逆に言えば、実務経験さえ十分に積めば、働く企業の選択肢は格段に増えます。
そのためにも、まずはSESで開発の現場に携わって、ある程度力をつけてから、希望条件を満たすような職場にステップアップするという流れが理想です。
修業期間のような形で、まずは開発を経験することをおすすめします。
5.自社開発・受託開発の求人を見つけるなら転職エージェントの活用がおすすめ
自社開発・受託開発の求人を見つけるなら転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントとは、登録すると転職相談に乗ってくれて、求人探しから面接対策まで、幅広いサポートをしてくれる『人材紹介サービス』のことです。
転職エージェントがやってくれること
- 面倒な手続きをすべて代行してくれる
- あなたに合った非公開求人を探してきてくれる
- 過去データから万全な面接対策をしてくれる
- 年収交渉を引き受けてくれる
- 退職トラブルの相談相手になってくれる
そして、ここまでのサービスが全て無料で受けられることが大きな強みです。
前述の通り、自社開発・受託開発はなかなか未経験歓迎の会社が見つからないので、一人で転職活動を進めていくと、思った以上に時間がかかるはずです。
未経験からSEを目指して転職活動をするにあたって、利用は必須と言えます。
注意点としては、エージェントによっては「未経験者の転職支援」を積極的に行っていないこともあります。そのため、転職エージェントなら何でも良いわけではなく、実務経験のない求職者の支援実績が豊富なサービスを選ぶことが重要です。
未経験からのSE転職ならワークポートがおすすめ
『ワークポート』は、IT・WEB業界を始めとした各業界の求人を網羅的に扱う転職エージェントです。
IT・WEB業界が今ほど大きくない頃から、IT分野での転職サポートを行ってきた実績があり、その分企業との信頼関係を築いています。
求人数や取引企業数、転職サポート実績はトップクラスで、ワークポート経由でしか応募できない企業も少なくありません。
また、コンシェルジュ(転職サポートの担当者)の専門性が高く、業界・職種の知識を熟知した担当者がつく仕組みとなっています。
利用者からは「コンシェルジュの対応が非常に丁寧で、履歴書対策から面接対策まで徹底的につきあってくれた」との声が寄せられています。
未経験・第二新卒向けの求人を多く扱っている特徴もあるので、新たな業界に挑戦したいという方におすすめです。
転職サイト(求人広告サイト)の併用も必須
転職エージェントは、求職者と二人三脚で仕事探しを進めていくものですが、これに頼り切りになるのではなく、自ら転職サイトを使って求人を検索することも欠かせません。
数あるサイトの中でも『GREEN』『dodaエンジニアIT』はIT業界に特化しており、求人数も豊富です。
それぞれのサイトでしか掲載されていない求人も多いので、できるだけ多くの選択肢を得るためにも、積極的に登録しておきましょう。
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まとめ
今回は、筆者の実体験をもとに、未経験からSEへの転職を成功するためのコツをご紹介しました。
まずは目指す技術者像を明確にして、自分のできる範囲でコツコツと学習を進めていくことが欠かせません。
プログラミング言語の基礎とITパスポートなどの資格取得から始め、平行して企業探しをしていくと良いでしょう。
未経験者を採用しているのは主にSES事業を行う企業となり、給与などの面ではネックですが、実務経験を積むという意味では積極的に挑戦することをおすすめします。
自社開発・受託開発企業で働くことにこだわりがある方は、プログラミング言語を習得しつつ、『ワークポート』などの転職エージェントを活用して、理想の職場を見つけましょう。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。