「薬剤師におすすめの副業を知りたい」
「在宅ワークの副業に挑戦してみたい」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
薬剤師が副業に挑戦する場合は、資格を活かせる仕事を選ぶのがおすすめです。例えば、メディカルライターや海外の薬剤文献の翻訳などです。
在宅でも可能な副業であれば、子育て中のママさん薬剤師の方などでも、無理なく稼ぐことができるでしょう。
ただし、勤務先で副業が禁止されている場合もあるので注意しましょう。就業規則などをしっかりと確認した上で、自分に合った在宅ワークを探してみてください。
この記事では、元人事部で薬剤師の働き方にも詳しい筆者が、「薬剤師におすすめの在宅ワークの副業」を紹介していきます。また、在宅ワークを成功させるポイントや、仕事の探し方についても触れています。
この記事を読めば、どのような在宅ワークを選ぶべきなのか、どのように副業を始めればよいのか理解できるでしょう。
目次
1. 薬剤師におすすめの在宅ワークの副業5選
まずは、「薬剤師におすすめの在宅ワークの副業」を紹介していきます。具体的には、以下の5つです。
それぞれ丁寧に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1-1. メディカルライター
最初におすすめしたいのは、メディカルライターです。
医療や薬剤に関する専門知識を活かしながら、ライターとして主にWebサイトの記事を執筆します。例えば、以下のようなライティング業務を行うことが多いです。
- 医薬関連のニュースを記事にする
- 健康食品やサプリメントの紹介記事を書く
- 薬学の知識を一般の人向けにまとめる
- 薬剤師としての体験談を執筆する
副業としてWebライティングに挑戦する人は年々増えており、全体的な傾向として、ライティング業務の単価は低くなっています。しかし、専門知識を有する薬剤師は、一般的なライターよりも高単価で仕事を受注できる可能性が高いでしょう。
インターネットにおける医療記事では、筆者の権威性や専門性が重要視される傾向にあるからです。
執筆前のリサーチに時間がかかったり、思うように執筆が進まなかったりする場合もありますが、慣れてくれば上手くスケジュールを調整し、本業と両立しながら、納期に間に合うように進められるようになるでしょう。
1-2. 翻訳
続いて紹介するのは、翻訳業務です。
- 外国からの輸入薬剤の翻訳
- 医学・薬学に関する最新の海外文献の翻訳
医薬における高度な専門知識に加えて、語学スキルも必要になるので、翻訳業務の難易度は非常に高いですが、その分報酬も高めに設定されており、メディカルライターよりも高単価で効率的に稼ぐことが可能です。
ただし、医薬翻訳の仕事はそもそも数が少なく、案件を見つけにくいというデメリットもあります。
1-3. お問い合わせ対応
問い合わせ対応業務も、おすすめの副業のひとつです。
製薬メーカーの医療用医薬品などに関する問い合わせ窓口として働きます。例えば、以下のような問い合わせに電話やメールで対応することが多いでしょう。
- 薬の用法、用量について
- 薬の効果について
- 薬の副作用について
薬剤師としての専門性を活かしながら、お客さんの悩みを解決できるので、やりがいも大きいはずです。基本的にはマニュアルもしっかりと整備されているので、安心して仕事を行えるでしょう。
電話対応の仕事であれば難しいですが、メールなどのテキスト対応の問い合わせであれば、在宅でも無理なく仕事ができます。
1-4. 書類作成・データ入力
書類作成やデータ入力の仕事もあります。
- 製薬会社などから依頼を受け、書類作成を代行
- 必要なデータを入力
- 治験に関する申請書類やプロトコル(治験実施計画書)の作成
研究機関やCRO(医薬品開発業務受託機関)から委託
こちらは医薬関連の専門知識に加えて法律の知識が必要な場合も多く、難易度は高めです。仕事に就くのも容易ではないですが、薬剤師の専門知識を求めている企業が見つかれば高収入が期待できます。
1-5. ブログ運営
自分でブログを運営するという方法もあります。
- 薬剤師としての知識や経験を活かして有益なコンテンツを作成
- アクセスに応じた広告収入を得られる
ブログといっても日記を書くわけではなく、「薬剤師さんのリアルな働き方が知りたい」といったニーズを満たすような有益な記事を作成する必要があります。
アクセスが見込めれば、それに応じた広告収入(アドセンス広告・アフィリエイト広告)を得られます。
ブログ運営の最大のメリットは、自分のペースで自由に進められることでしょう。本業が休みの土日にだけ、家事や育児の合間になど、空いた時間を有効に使うことが可能です。納期に追われる心配もありません。
ただし、稼げるまでにある程度の時間が必要です。ブログ運営(アフィリエイト)をしている人の9割は月の収益が5,000円以下と言われるほど厳しい世界です。
2. 薬剤師が副業を始める上での注意点
この章では、薬剤師が副業を始める上での注意点を解説します。
2-1. 公務員薬剤師は副業禁止
すべての公務員は公務員法によって副業が禁止されています。もちろん、公務員薬剤師も例外ではありません。
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
出典:国家公務員法103条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
出典:地方公務員法 第38条
仮に副業を行ってしまった場合、減給や免職などの懲戒処分を受けることになります。
2-2. 管理薬剤師は原則副業禁止
管理薬剤師も、原則的に副業が禁止されています。
医薬品医療機器等法(薬機法)によって、以下のように定められています。
薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。
出典:改正薬事法第七条
ただし、これは「自身が勤めている就業先以外で働いたり、薬事に関する実務を行ったりしてはならない」と定めているに過ぎません。ゆえに、薬事に関わらない副業であれば、問題なく行うことができます。
また、都道府県により公共性が高いと判断された場合も、副業が認められます。
2-3. 就業規則によって副業が禁止されているケースも
就業規則によって副業が禁止されているケースもあるので注意してください。
会社の就業規則に副業禁止の旨が記載されていれば、公務員薬剤師や管理薬剤師でなくても、副業を行うことができません。そのため、在宅ワークの副業を始める際は、必ず勤務先の就業規則をチェックするようにしましょう。
就業規則は、職場の見やすい場所に保管されていたり、パソコンの共有フォルダに入っていたりするのが一般的です。「服務」「服務心得」などの項目に、副業や兼業に関する規則が明記されているはずです。
3. 薬剤師が副業で在宅ワークを行うメリット・デメリット
薬剤師が副業で在宅ワークを行うメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット |
|
|
特に税金の手続きには要注意!
特に税金の手続きは非常に大切なので、しっかりと把握しておきましょう。
副業による所得が年間20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。
確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の副業所得額を計算し、本業の所得額とあわせ、翌年2月16日~3月15日の間に税務署に対して申告する手続きです。
また、主婦の方は、103万円の扶養控除ラインに注意してください。
副業所得が103万円を超えていない場合、本人に所得税は発生しません。また、夫は38万円の配偶者控除を受けられるので、税負担が軽減されるというメリットがあります。しかし、副業所得が103万円を超えた場合は、本人に所得税が発生し、夫も配偶者控除を受けられなくなります。
4. 在宅ワークを成功させる3つのポイント
この章では、「在宅ワークを成功させるポイント」を紹介します。具体的には、以下の3つです。
それぞれ簡単に解説していくので、参考にしてください。
4-1. 副業を行う目的を明確にする
まずは、副業を行う目的を明確にしておきましょう。
目的や目標をはっきりさせておくことで、副業探しの軸が定まるからです。
例えば、「収入額を上げたい」という目的があるのであれば、時給や単価を軸にしながら仕事を探してみてください。
「自身のスキルの幅を広げたい」のであれば、どのような経験を積めるのか、どのようなスキルが身に付くのかを軸にしてみると良いでしょう。
4-2. 薬剤師の資格を活かせる仕事を選ぶ
効率的に稼ぐためには、薬剤師の資格を活かせる仕事を選ぶことが重要です。
例えば、Webライティングの副業に挑戦する場合、恋愛やファッションなどのジャンルで執筆するのは得策ではありません。ある程度リサーチすれば誰でも書けるような分野だと、単価も上がりにくいからです。
一方で、医療や薬剤のジャンルであれば、専門的な知識や経験が必要になるので、高単価になりやすいと言えます。
国家資格である薬剤師資格は、他人にはない皆さんだけの強みです。薬剤師資格を持っていなければ受注できない仕事、薬剤師資格を持っているからこそ高単価な仕事を選ぶようにしましょう。
4-3. 本業に支障が出ない範囲で副業を行う
当然ですが、副業を行う際は、本業に支障が出ないように注意してください。
副業を始めたばかりの頃はモチベーションも高く、スケジュールが多少ハードでも問題ないかもしれません。しかし、無理を続けていれば、身体的・精神的疲労が溜まっていき、どこかで限界がやってきます。睡眠不足で本業に集中できなくなってしまう可能性もあるでしょう。
また、プライベートにも悪い影響を及ぼしかねません。在宅ワークのメリットのひとつとして、家事や育児との両立が可能なことが挙げられます。しかし、副業に没頭するあまり、家事や育児に手が回らなくなってしまっては元も子もありません。
そのため、まずは無理のない範囲で、少し余裕を持ちながら副業を行うようにしましょう。
5. 薬剤師が在宅ワークの仕事を探す方法
最後に、「在宅ワークの仕事の探し方」について簡単に解説します。
5-1. クラウドソーシングでの仕事の探し方
在宅ワークの仕事を探す場合は、クラウドソーシングサービスを利用することをおすすめします。
ここでは、代表的なクラウドソーシングサービスのひとつである「クラウドワークス」を例に、実際の仕事の探し方を見ていきましょう。
まずは、ログイン後に最初に表示される画面(マイページ)の上部にある「仕事を探す」をクリックします。
すると、検索ボックスが表示されるので、「薬剤師」と入力し、検索ボタンをクリックしてください。
出典:クラウドワークス
画面が切り替わり、薬剤師関連の案件が一覧で表示されます。
出典:クラウドワークス
気になる案件を見つけたらクリックして、仕事の詳細をチェックしてみてください。
5-2. 薬剤師系の仕事が豊富なクラウドソーシングサイト一覧
薬剤師系の仕事が豊富なクラウドソーシングサイトは、以下の通りです。
- クラウドワークス
https://crowdworks.jp/ - ランサーズ
https://www.lancers.jp/ - クラウディア
https://www.craudia.com/ - ココナラ
https://coconala.com/ - シュフティ
https://app.shufti.jp/
無料で登録できるので、ぜひ利用してみてください。
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6. まとめ
元人事部で薬剤師の働き方にも詳しい筆者が、「薬剤師におすすめの在宅ワークの副業」を紹介しました。
副業を探す際は、メディカルライターや海外の薬剤文献の翻訳など、薬剤師の資格を活かせる仕事を選ぶのがおすすめです。
無理のない範囲で、気軽に在宅ワークに挑戦してみてください。
在宅ワーク以外の薬剤師におすすめの副業は、『薬剤師におすすめの副業8選 | 職場にバレない&稼げる仕事!』の記事でも詳しく解説しています。
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