SEとして大手企業へ転職するなら知っておきたいこととは?転職後のギャップもご紹介

「中小企業から大手企業のSEに転職したい」
「中小と大手ではどんな違いがあるの?」

と悩んでいませんか?

中小企業でSEをしている方は、大手企業のSEにあこがれを持つ方もいるでしょう。しかし、大手企業に転職する方法や転職後のギャップを不安に感じる方も多いと思います。

そこでこの記事では、大手SEへ転職するメリットとデメリットを解説し、大手SEに向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。

  1. 大手SEへ転職する5つのメリット
  2. 大手SEへ転職する4つのデメリット
  3. 大手SEへの転職が向いている人の特徴
  4. 大手SEへの転職が向いていない人の特徴
  5. 大手SEへ転職する方法
  6. 大手SEへ転職するときのポイント

全て読んでいただければ、大手SEへ転職する方法がわかるだけではなく、転職後のギャップも事前に理解できるでしょう。

1. 大手SEへ転職する5つのメリット

大手SEへ転職すると、以下5つのメリットがあります。

1-1. 社会的信用を得られる

大手SEは知名度の高い企業になるため、社会的信用を得やすいです。

有名企業に勤めていると、金銭面が安定していると判断されるため、ローンなどの審査にも通りやすくなります。また、大手SEに勤めているというのは社会的信用につながるため、今後転職をするときに大きなプラス要素となるでしょう。

1-2. ワークワイフバランスを重視できる

大手SEは働き方改革にも積極的に取り組んでいるため、無理な残業や休日出勤が少ない傾向です。したがって、業務後や休日に自分の時間を作りやすいためワークライフバランスを重視できるのです。

世間のSEに対するイメージは、ブラックな職種で残業や休日出勤が多いといったものです。しかし、最近では定時通りに帰宅出来たり、休日出勤もほとんどないといったように変わりつつあります。

ただし、担当するシステムの納期が迫っていたり、突発的な障害が発生した場合などは時間外の労働が発生することもあるでしょう。

1-.3 年収増加につながる

大手のSEは、中小のSEと比べて年収増加につながりやすいです。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査 」によると、男女ともに所定内給与額が小規模な企業で高い結果でした。

しかし、年間賞与を加味すると、大企業とその他の企業で年収に50~100万程度の違いが見られたのです。したがって、総合的に判断すると大企業の年収額が最も高いと分かります。

SE 年収

参考:賃金構造基本統計調査 

1-.4 福利厚生の充実

大手SEは、中小SEと比べて福利厚生が充実しています。

主に、大手SEで見られる福利厚生は以下の通りです。

  • 残業代の満額支給
  • 家賃補助
  • カフェテリアプラン
  • スポーツジムに格安でいけるプラン

大手SEは有給消化率も高く、多くの社員が有給を使い切って足りないという状況があるくらいです。福利厚生の充実は、ワークワイフバランスを保つうえでも重要な要素の一つといえるため、大きなメリットと言えるでしょう。

1-5. 教育制度が確立している

大手SEでは、社内独自の研修制度やオンライン講座等が充実しており、教育制度が確立しています。

中小のSE企業では、社内の教育制度が確立されておらず、自身で学ばなければならない企業が多く見られます。しかし、大手SEであれば自分が身につけたいスキルの講座を受講できるため、スキルアップをしていきたい方にうってつけの環境です。

2. 大手SEへ転職する4つのデメリット

大手SEへ転職すると、大きく以下4つのデメリットがあります。

2-1. 専門的なスキルを得にくい

大手SEでは、自分が手を動かして開発するというよりもベンダーや協力会社に指示をする機会が増えやすいです。したがって、プログラミングスキルやネットワークの知識といったテクニカルな知識を得にくいでしょう。

その一方で、ベンダーや協力会社の管理をおこなうため、マネジメントスキルは身についていきます。

しかし、将来的にフリーランスエンジニアとして独立を考えている方は、実作業を経験したほうがスキルを習得できるため、大手SEよりも中小SEの方が向いているでしょう。

2-2. 昔ながらの社風であることも

大手SEは、歴史の長い企業が多いため、昔ながらの文化が根付いているケースが多いです。

例えば、全ての意見がトップダウンに流れていくため、部下から決定権のある人まで意見が通るケースがほぼありません。こうした昔ながらの文化が根付いていることで、新しい仕組みやシステムを導入しようと思っても、変化することを嫌って導入に結びつけるのが難しいです。

また、企業によっては損得が働くことも多く、社内政治が存在することもあるので、自分の思ったように発言をできずにもやもやしてしまうこともあるでしょう。

2-3. ベンダーコントロールが多い

大手SEは、社内で新たなシステムを導入するときに、外注のベンダーに依頼するケースが多いです。そのため、主に上流工程を担当する機会やベンダーコントロールが増えるため、実際にシステムを開発する経験を積めないでしょう。

一方で中小SEの場合は、社内で開発する機会が多く、自分自身で手を動かす機会が増えるためプログラミングスキルが身につきやすいです。

2-4. 意思決定が遅い

大手SEでは、社内申請のフローが複雑であるため、意思決定までに多くの時間を要すことが多いです。したがって、すぐに新しい仕組みを導入するのが難しいでしょう。

また、今まで取り組んでこなかった新しい仕組みやツールを導入するときには、前例がないという理由で拒否されやすいです。

3. 大手SEへの転職が向いている人の特徴

ここまでで、大手SEのメリットとデメリットが分かったでしょう。ここからは、メリットとデメリットを踏まえたうえで、大手SEの転職に向いている人と向いていない人の特徴を解説します。

まずは、大手SEへの転職が向いている人の特徴です。

3-1. 安定した働きを手に入れたい

大手SEの場合は、何といっても多数の実績があるため、安定して仕事をしたい方に向いています。

大手企業は多くの取引先企業がおり、仕事の獲得も安定しているため、大きめのプロジェクトを担当しやすいでしょう。また、社内の仕組みも確立されているため、手厚いサポートを受けながら業務を行っていけます。

3-2. 幅広いスキルを得たい

大手SEでは、特定の業務を行うよりもさまざまな業務をこなす機会が増えるため、幅広いスキルを得たい方に向いています。

例えば、プログラミングスキルだけではなく、クラウド関係の業務やネットワークに関することなどを最初の設定部分だけ行うといったことがあります。各分野の深くまで理解するのは難しいものの、ある程度の知識であれば身につけられるでしょう。

3-3. 管理業務をしたい

大手SEは、自分が手を動かして作業をするよりも外注に依頼するケースが多いため、ベンダーコントロールやプロジェクトの管理をしたい方に向いています。

大手SEは、システムに掛けられる予算を多く所有しているため、時間効率を重視して社内で開発せずに外注へシステム開発を依頼するケースが多いです。そこで大手のSEは、外注のコントロールを中心に業務を行うため、管理業務が好きな方に向いているでしょう。

4. 大手SEへの転職が向いていない人の特徴

続いて、大手SEへの転職が向いていない人の特徴も紹介します。

4-1. 新しいことにチャレンジし続けたい

新しいことにチャレンジし続けたい人は、大手SEへの転職に向いていないでしょう。

大手SEは、古くからの文化が根付いているケースが多いため、新しいことを取り入れようと思ってもなかなか首を縦に振ってくれません。一方で中小SEの場合は、社内の制度が確立していないからこそ、新しいことでもいいと思ったものを柔軟に取り入れてくれる姿勢がよく見られます。

4-2. 自分で手を動かしていきたい

システム開発でプログラミングをしたり、環境構築をしたり、自ら手を動かしていきたい方は大手SEに向いていないでしょう。

大手SEの場合、開発やテストなどの下流工程を外注するケースが増えるため、外注の進捗や内容を確認することが多いです。結果的には、自身で作業をするよりも外注の管理業務やプロジェクトの進捗を管理する業務が増えてしまいます。

一方で中小SEは、大手SEから外注されたものを業務としているケースが多いため、プログラミングなどの業務をこなしてスキルアップを図っていけるのです。

5. 大手SEへ転職する方法

大手SEへの転職は、新卒でないと難しいのではないかと考える方も多いでしょう。しかし、実力あるものが評価される社会になってきたからこそ、転職先としても大手SEを選択できる時代となってきました。

そこで、大手SEへ転職する方法を2つご紹介します。

5-1. 知人からの紹介

大手SEは、紹介した人が入社するとお祝い金が入るというインセンティブ制度を取り入れている企業があるため、知人からの紹介で転職が可能です。

実際に筆者が転職をしたときも利用した方法で、筆者の場合は中小SEに在籍しており、現場常駐で仕事をしていたときに、同じ現場にいた大手SEの方から紹介してもらいました。

チャンスはどこにあるかわからないため、人とのつながりを大事にしましょう。

5-2. 転職エージェントを利用する

大手SEへ転職したい方は、転職エージェントの利用もおすすめです。

転職エージェントは無料利用が可能であり、自身のスキルや経歴をもとに希望条件を果たせる企業を提案してくれます。自分で企業選定をする必要がないため、働きながら転職活動をしている人におすすめのサービスです。

また、転職エージェントは選考中のサポートをしてくれるため、自分ひとりの力では難しい大手SEへの転職も安心して挑戦できます。

また、転職エージェントによって得意としているジャンルがあるので、IT業界に強い転職エージェントの利用が良いでしょう。

6. 大手SEへ転職するときのポイント

大手SEへ転職するときには、以下3つのポイントがあります。

6-1. スキルシートは定期的に更新しておく

スキルシートとは、自身のスキルや経験を記載したシートのことです。

スキルシートを更新しておくことで、転職したいと思ったタイミングですぐに動き出せます。

また、日頃業務をこなしていると、細かな実績や経験を忘れがちになってしまうため、転職をするタイミングで振り返りの作業をすると全てを思い出せずに多くの時間を要してしまうでしょう。

スキルシートで企業が気にするのは、現場の経験やIT関連の資格です。特に、現場の経験を重視していることが多く、現場経験が3年以上あると即戦力として期待され、良い評価を得やすいでしょう。

資格は、企業によりますがそこまで重要視されることはありません。しかし、候補者の中で同じ条件の方がいたときに、資格を持っているほうが優先されるでしょう。したがって、多少の資格は保持しておくのもおすすめです。

具体的には、国家資格である応用情報技術者の資格やAWS関連の資格を保持していると評価されやすいでしょう。

6-2. なぜ転職したいのかを明確化する

ポイントの2つ目は、大手SEに転職する理由を明確化することです。

転職するには、必ず何かしらの理由があると思います。仕事内容の不満、年収の不満など人によって異なるでしょう。転職する理由を明確にすることで、転職の軸を定められるため、迷ったときでも軸をもとに転職活動を進めていけます。

転職活動をスタートするときには、まず始めに転職したい理由を明らかにすることから始めましょう。

6-3. 社内SEも選択肢の一つに入れる

大手SEへの転職をしたい方は、社内SEへの転職も選択肢の一つに入れましょう。

筆者は、前職で大手SEをしていたところから社内SEへの転職を成功させました。社内SEは、システムを利用するユーザーが社内の人間になるため、いい意味で気楽にシステム開発に取り組めます。また、システムを利用するユーザーが近いため、感謝の言葉を直接受けたい方におすすめです。

また、残業が少ない企業もよく見られるため、全体的にホワイトな現場が多いでしょう。

まとめ

今回は、大手企業へ転職するメリットとデメリットを解説し、大手SEに向いている人と向いていない人の特徴を紹介しました。

大手SEと中小SEでは、企業規模が異なってくるため、担当する業務も異なってきます。大手SEは、自身で作業をするよりも管理する立場になる機会が多いです。

一方で中小SEは、自身で作業をする立場が多いため、プログラミングスキルを身につけたい方に向いています。

これから大手SEへの転職を検討している方は、今回の記事を参考に自分が大手SEに向いているかを判断して進めていきましょう。