キャリアアップを目指す方から、家庭や子育てとの両立を求める方まで、転職活動の進め方に悩む女性は少なくありません。中途採用で企業が求めることは男女で変わりませんが、結婚や出産、子育てへの懸念から「女性の転職は不利?」と不安に思う方もいるはずです。このページでは、転職すべきかの判断基準や年代別の採用ポイントをはじめ、企業の懸念を解消する面接での対応、働きやすい会社を選ぶコツを解説します。強みの棚卸しや活動の進め方を押さえ、譲れない希望にマッチする求人を見つけましょう。
転職を考えるきっかけと判断基準
転職を考えるきっかけとして多いのは、男女を問わず、キャリアアップや昇進・昇給の見込みの薄さ、業務内容に対して給与が見合わないといった待遇への不満です。また、職場の人間関係や仕事の負担の重さ、家庭との両立が難しい点なども挙げられます。
不満を解消するには、転職でしか解決しない悩みかを見極めることが重要です。
社風への違和感や雇用形態への不満など、現在の職場に留まる限り改善が難しい悩みは転職に向いています。一方で、人間関係や「やりたい仕事ができない」といった悩みは社内の部署異動で解消できるケースもあるため、まずは上司や人事への相談も検討しましょう。
実際に転職活動を進める際は、応募先に求める条件を「これだけは譲れない」もの3つ程度に絞り込んでおくと、希望にマッチする求人を見つけやすくなります。
年代別に企業が採用で重視すること
企業が中途採用で年代ごとに求めることは、男女で変わりません。
20代の転職で見られること
社会人経験が浅い20代の採用選考では、企業はこれまでの実務経験の多さよりも、仕事への熱意や今後の成長性(伸びしろ)を重視します。ポテンシャルを評価してもらいやすいため、未経験の職種にも挑戦しやすい年代です。
未経験の業界を目指す場合は、転職サイトや業界ニュースなどを事前にリサーチしておきましょう。業界の動向や業務内容を理解したうえで志望動機を組み立てると、説得力を持って意欲を伝えやすくなります。
なお、新卒で入社して1〜3年目の転職は、企業から「第二新卒」として扱われることがあります。在籍期間が短い分、転職理由は待遇や人間関係への不満ではなく、「新しい分野でこのようなスキルを身につけたい」といった前向きな言葉に言い換えて伝えることが大切です。
30代の転職で見られること
30代の採用選考では、企業は即戦力としての活躍を求めるため、これまでに培ってきた実務スキルや実績を持つ人が有利になります。ポテンシャルが重視される20代と比べると、未経験の職種への転職はハードルが上がります。
30代以降は未経験職種の求人が減少傾向にあるため、「同じ職種のまま別の業界へ移る」「同じ業界内で異なる職種にチャレンジする」といった、これまでの経験を活かせる転職が現実的な選択肢となります。
40代・50代の転職で見られること
40代の転職では、企業は業務の即戦力性に加えて、後輩の指導やチームをまとめるマネジメント経験を重視します。未経験職種への転職難易度は非常に高くなるため、これまでのキャリアやスキルをダイレクトに活かせる職場を選ぶのが得策です。
50代の採用において企業が求めるのは、長年の経験に裏打ちされた高度な専門性と実務力、トラブルに対応する問題解決力、そして若手の育成や組織運営を円滑にする調整力です。
50代は応募できる求人が限られやすいため、譲れない条件は保ちつつも、企業規模や細かい待遇などの条件を少し広げて探すことで、選択肢を増やせます。
転職活動の進め方
転職活動を始める際は、まずこれまでの業務経験やスキル、工夫して取り組んだ実績を書き出して棚卸しを行いましょう。応募先で活かせる強みを言語化しやすくなり、経歴の説明や転職理由など面接で頻出の質問に対する回答も準備しやすくなります。
活動は、現在の仕事を続けながら進めるのがおすすめです。退職してから始めると収入が途絶えてしまうリスクがあります。
また、1社ずつ選考結果を待つと活動が長期化しやすいため、「◯月までに転職する」と目標期限を定め、複数の企業へ並行して応募を進めましょう。
もし書類選考や面接の不採用が続く場合は、希望条件を一度見直したうえで、応募する業界や職種を広げてみてください。
また、派遣社員や契約社員から正社員を目指す場合も、雇用形態を理由に応募先を狭める必要はありません。企業が評価するのは現在の雇用形態ではなく、これまでの実務経験やスキル、入社後に活躍できる見込みです。応募先で活かせる強みを書類や面接で具体的に伝えていきましょう。
女性の転職は不利?企業の懸念と面接での対応
女性の転職が不利と言われる背景には、企業側が抱く懸念があります。企業が何を気にしているのかを知り、面接での適切な応じ方を押さえておけば、過度に不安がる必要はありません。
企業が採用で懸念すること
女性の採用で企業が気にしているのは、入社後に長く活躍し続けてくれるかどうかです。
結婚を控えた女性や既婚女性を採用する際、企業側が懸念しやすいのは「入社してすぐに休職に入ってしまうのではないか」「家庭と仕事の両立が難しくなり、早期離職につながるのではないか」という点です。
性別そのものではなく、中長期的に安定して働けるかどうかの見通しが伝わらないことが企業の不安につながります。
そのため、選考では長く働き続けたい意欲とともに、現実的な働き方の見通しを伝えることが大切です。
結婚を控えた方や子どもがまだいない場合は、入社後に腰を据えて貢献したい意思や希望する働き方を伝えます。一方、子育て中の方が仕事と家庭の両立について尋ねられた場合は、家族との役割分担や子どもの預け先の確保など、具体的な体制や根拠を挙げて説明すると企業側も安心できます。
面接で結婚・出産の予定を聞かれたときの対応
厚生労働省は、公正な採用選考のため、適性・能力に関係のない事柄を面接でたずねないよう企業に求めています。男女雇用機会均等法の指針でも、女性にだけ結婚や出産後の就業について質問することは性差別にあたるとされており、応募者に回答する義務はありません。
しかし、実際の面接現場では質問されるケースもあります。その場合でも、予定の有無そのものに答える必要はありません。「長く腰を据えて貢献したい」という意欲を伝えたうえで、希望する勤務時間や勤務地など、現実的な働き方の希望を伝えるのが無難です。
働きやすい会社の選び方と転職サービスの活用法
転職先は仕事の内容や給与だけでなく、出産や子育てと両立しながら長く働けるかどうかも、入社前に確かめましょう。
転職先で使える産休・育休と子育ての制度
出産を控えている人や子どもが小さい人は、転職した直後に使える制度と使えない制度があることを知っておきましょう。産休(産前・産後休業)は法律で定められた権利のため、入社して間もないタイミングであっても取得できます。
一方で注意したいのが育休(育児休業)です。企業が労使協定を締結している場合、「入社1年未満の従業員」を取得対象外としているケースがあり、転職してすぐには育休を取得できない可能性があります。
また、企業には、3歳未満の子どもを育てる人のために、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる「短時間勤務制度(時短勤務)」の設置が義務付けられています。
ただし育休と同様に、労使協定によって入社1年未満の人が対象外になる場合があるため、入社直後から使える規定になっているかを事前に確認しておきましょう。
女性が働きやすい会社を選ぶチェックポイント
求人票に充実した制度が記載されていても、社内の風土や業務体制によっては実際にはほとんど利用されていない企業も存在します。制度が形骸化していないかを見極めるため、応募時や面接では次の項目を確認しましょう。
- 産休(産前・産後休業)や育休(育児休業)の取得と復職の実績
- 時短勤務や在宅勤務を実際に活用している社員の有無
- 残業時間、出張、転勤の頻度
女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進の取り組みが優良な企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし認定」や、子育てサポートに力を入れている企業を同じく厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」も、働きやすさを見分ける目安になります。
女性向けの転職サイト・転職エージェントの活用法
女性向けの転職サイトや転職エージェントには、女性の活躍支援に積極的な企業の求人が集まりやすく、今後のライフプランを見据えた相談がしやすいメリットがあります。
一方、総合型の転職エージェントは扱う求人が多く、その中に女性向けのサポートを設けているところもあります。
転職エージェントを利用すれば、客観的な視点での強みの棚卸しや、応募書類の添削、面接対策のアドバイスを受けられます。
さらに求職者と企業の間に入ってくれるため、実際の残業時間や時短勤務の取得実績・可否など、面接では直接聞きづらい条件面を代わりに確認してもらうことも可能です。































