
「HSPの自分に向いている適職を知りたい」「HSPと相性の良い仕事って何?」と悩んでいませんか?
「HSPの自分にはどんな仕事も向いてない」と諦めてしまうのは、よくある間違いです。
生まれつき敏感な気質を持ち合わせたHSPでも、正しく仕事を選択すれば、ストレスなく働けます。
この記事では、キャリアコンサルタントとして数多くの転職相談に答えてきた私が、HSPの特徴を持つ方に最適な仕事を、厳選して紹介します。
- HSPの特徴と向いてる仕事の選び方【基本知識】
- HSPの適職・向いてる仕事の特徴【6タイプ別に紹介】
- HSPに向かない仕事の特徴
- HSPの正しい仕事選び3ポイント
- HSPの適職・向いてる仕事の探し方
- HSPの仕事探しは適職診断ツールを使うのもおすすめ
- HSPの適職探しにおすすめな転職エージェント4選
- HSPの人が仕事を無理なく長続きさせるコツ
- HSPに関するよくある質問
すべて読めば、繊細すぎるあなたの性格にぴったりの仕事がわかり、新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。
1.HSPの特徴と向いてる仕事の選び方【基本知識】
HSPとは、「Highly Sensitive Person」の頭文字をとった言葉で、感受性が非常に強く敏感な気質を持つ人を意味します。
現在の研究では、先天的なもの、つまり生まれ持った気質であると言われています。
なお、HSPは性格的な側面のことで、病気や症状を指す言葉ではありません。
1-1.HSPの特徴
HSPの人は、「DOES」と呼ばれる以下のような特徴を持ちます。
【HSPの特徴:DOES】
Depth of processing 考え方が複雑で、思考の度合いが深い |
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Overstimulation 刺激に敏感で疲れやすい |
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Empathy and emotional responsiveness 他者の気持ちに振り回されやすく、共感力が高い |
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Sensitivity to subtleties あらゆる感覚が鋭い |
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参考:新宿ストレスクリニック
もちろんこれだけで断定はできませんが、上記に当てはまる方はHSPの傾向があると言えるかもしれません。
1-2.HSPの仕事選びは、特徴を長所として捉えることがポイント
一般的にHSPは、「繊細、過敏で疲れやすい」「あれこれ頭で考えてしまいがち」「細かすぎる」といったネガティブなニュアンスで語られがちです。
またHSPの傾向にある人の割合は総人口の15~20%と少数派なため、様々な局面で生きづらさを感じることもあるでしょう。
しかしこれらの特徴は、見方次第で、他の人にはない「強み」と言い換えられます。
HSPならではの強み
- 他者の感情に敏感、共感能力が高い
- 人の痛みが分かり、真摯に寄り添うことができる
- 物事の細部にまで気を配ることができる
- 一つのことを掘り下げて深く考えることができる
- 感受性が豊か
HSPの人は、これら強みの側面を活かせる仕事を選べば、本来の実力を発揮しながら、無理なく長く働けるでしょう。
この記事では、HSPの特徴の中でも、上記のような長所的側面を基準にして、あなたに最適な仕事を厳選しました。
それではさっそく、次の章から詳しく見ていきましょう。
2. HSPの適職・向いてる仕事の特徴【6タイプ別に紹介】
HSPの特徴を持つ人に向いている仕事は、主に以下の6タイプに分類されます。
- HSPの適職①.人の心や体のケアをする仕事
- HSPの適職②.動物や自然に関わる仕事
- HSPの適職③.正確さが求められる仕事
- HSPの適職④.技術職(特にIT・WEB系)
- HSPの適職⑤.クリエイティブ(創造的)な仕事
- HSPの適職⑥.他者との交流が少ない仕事
それぞれHSPに向いている理由と、具体的な職種を紹介していきます。
HSPの適職①. 人の心や体のケアをする仕事
具体的な職種
- 看護師
- 介護士
- 教師、養護教諭
- 整体師
- マッサージ師
- 鍼灸師
- 介護福祉士
- 臨床心理士
- エステティシャン
- セラピスト
- 心理カウンセラー
- コーチング
他者と一対一で向き合って、親身に寄り添い、心や体の疲れを癒す仕事は、HSPの人にとって、適職であると言えるでしょう。
HSPは、共感能力が高い傾向にあるからです。
また他者の痛みにも敏感であり、人一倍感情移入するという特徴から、「目の前の人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という思いを強く抱く方も少なくありません。
HSPの方は、人間関係に苦手意識を持ちやすいと言われていますが、「悩みを抱えた人に真摯に向き合う」ことに関しては、実は適性があるのです。
特にこんな人におすすめ
- 人と向き合う仕事がしたい
- 頑張っている人をサポートする仕事がしたい
- 癒し系のような雰囲気があると言われる
- 洞察力があるとよく言われる
補足:カウンセラーなどの仕事は、HSPの共感能力が強すぎると向いてないケースもあるので注意
あまりに共感力が高すぎる人は、注意が必要です。
プロフェッショナルとして客観的な判断がしにくかったり、感情移入しすぎてしまったりすることもあるからです。
感情移入しやすい人は、次項以降の職業が適しています。
HSPの適職②. 動物や自然に関わる仕事
具体的な職種
- 花屋
- 植物園の職員
- トリマー
- 獣医・動物看護師
- ドッグトレーナー
- 動物園・水族館スタッフ
- 植木職人
- 農業、林業
- ガーデンデザイナー
- フラワーコーディネーター
- 造園士
- ペットショップ店員
- ペットシッター
- ペットトレーナー
HSPの共感能力の高さは、人間以外にも発揮されます。
そのため、動物や自然に関わる仕事も向いていると言えます。
HSPはあらゆる感覚が鋭く、普通の人であれば見逃すような動物のサインや仕草を認識できたり、非言語的コミュニケーションを取ることができたりするのです。
また騒々しい環境を苦手とする人にとって、特に自然に囲まれた空間は、最適な環境となるでしょう。
特にこんな人におすすめ
- 細かいことに気づく人
- 洞察力があるとよく言われる
HSPの適職③. 正確さが求められる仕事
具体的な職種
- 工場のライン作業
- 自動車整備士
- 電気機器の製造業
- 電子部品・デバイス・電子回路製造業
- 検査や検品、分析に関わる仕事
- バス、トラック、タクシーの運転手
- 経営コンサルタント
- 事務
- 経理
- データ入力
- DPSオペレーター
物事の細部にまで気を配ることができるHSPの人は、正確さ・緻密さが求められる仕事に適しています。
繊細な人は、一つひとつの仕事が丁寧で、細かい作業の積み重ねを得意とします。
「些細なことが気になる」など短所とされているHSPの特徴が、逆に長所となるのです。
特にこんな人におすすめ
- 細かいことに気づく人
- ルーティンワークが好きな人
HSPの適職④. 技術職(特にIT・WEB系)
具体的な職種
- システムエンジニア
- インフラエンジニア
- ネットワークエンジニア
- プログラマー
- テスター、デバッガー
- ソフトウェア開発
- システムアナリスト
- WEBデザイナー
- WEBライター
- UI/UXデザイナー
- Webマーケター
繊細かつ丁寧さが求められる技術職も、HSPの人にぴったりです。
中でも近年需要が増加し続けているシステムエンジニア、WEBクリエイターなどの仕事は、特におすすめの職種と言えます。
例えば、システムエンジニアなどの仕事は、些細なプログラムの記述の違いに気を配らなければなりません。
単に手を動かして作業するだけでなく、目の前の物事を深く考え抜き、洞察することも必要です。
まさに「一つのことを掘り下げて深く考えることができる」というHSPの人にうってつけの仕事と言えるでしょう。
特にこんな人におすすめ
- 洞察力がある人
- 深く考えるのが好きな人
HSPの適職⑤. クリエイティブ(創造的)な仕事
具体的な職種
- デザイナー
- イラストレーター
- ハンドメイド作家
- カメラマン
- ゲームクリエイター
- 編集・制作
- コピーライター
感受性が豊かであるという特徴を持つHSPの方は、クリエイティブな仕事を選ぶのもおすすめです。
何かをゼロから生み出す仕事は、ひらめきや独自の感性を活かせます。
一人で没頭して作業を行うことが多い点もHSPにおすすめできる理由の一つです。
クリエイティブな仕事というと、芸術家やアーティストなど、敷居が高いと感じられる方も多いかもしれません。
しかし現代はインターネットの普及に伴い、誰もがクリエイターとして、自身の感性を発揮できるようになりました。
SNSで情報を発信したり、ものづくりをしてフリマアプリで販売したりするなど、まずは小さなアクションから始められます。
特にこんな人におすすめ
- 感受性が強い
- 理論より感覚派
- スピードを求めない仕事がしたい
- クリエイティブな仕事がしたい人
HSPの適職⑥. 他者との交流が少ない仕事
具体的な職種
- 家事代行
- 倉庫作業
- 新聞配達
- 清掃員
- 図書館司書
- 学芸員
- 警備員
- ドライバー
- 工場作業員
- 重機オペレーター
- 在宅ライター
- 在宅デザイナー
交流が少なく、黙々と取り組める仕事を選ぶのも重要な視点です。
HSPの人は、他者の反応を過剰に気にしてしまったり、気を遣いすぎてしまったりする傾向にあるためです。
また、不特定多数の人がいる騒がしい環境を苦手とするため、なるべく静かな空間で働ける仕事を選びましょう。
これらの仕事には、比較的他人の言動を気にせず、没頭できるという特徴があります。
また、オンラインで作業を行うものであれば、在宅ワークなども行いやすいでしょう。
特にこんな人におすすめ
- 気を使いすぎる人
- 人と接すると気疲れする人
ここまで、HSPの方が向いている仕事を紹介してきました。
HSPに適した仕事は多々ありましたが、見方を変えると「HSPが選んではいけない仕事」というのも実は存在します。
そこで次章から具体的に「これは避けた方がいい」という仕事を紹介していきます。
3.HSPに向かない仕事の特徴
HSPの特徴を持つ人に不向きな仕事も知っておきましょう。
主に以下の3タイプは、HSPの人が苦痛に感じやすい傾向にあります。
それぞれ詳しく解説します。
HSPに不向きな仕事①.ノルマや売上目標が厳しく常にプレッシャーを感じる仕事
ノルマや売上至上主義の、いわば「競争の激しい仕事」は、HSPの人に向いていません。
ストレスを感じやすいHSPにとって、常に成果を上げ続けなければならない環境は、負担が大きすぎます。
周囲からのプレッシャーに耐えかねて、気を病んでしまうこともあるでしょう。
また、苛烈な競争に勝ち抜くために、時には周囲を出し抜くことも必要ですが、これは共感能力が高く、人の感情に敏感なHSPにとって、苦痛に感じられるでしょう。
具体的な職種
- 営業職全般
- 特に保険、不動産、総合商社の営業
- 外資系企業
HSPに不向きな仕事②.要領の良さ・機敏さが求められる仕事
要領の良さ・機敏さが求められる仕事も、極力選ばないことをおすすめします。
HSPの人は、物事を深く考えられる一方で、テキパキとした機敏やさ要領の良さが必要な作業を苦手とする傾向にあるためです。
マルチタスクを課されたり、スピード感を求められたりすると、パニックに陥り、些細なミスを繰り返してしまうこともあります。
具体的な職種
- 飲食店スタッフ
- チームをまとめるリーダー
HSPに不向きな仕事③.他者との接点が多い仕事
他者との接点の多い仕事は極力選ぶべきではありません。
HSPは、人の些細な言葉に傷つきやすく、他人の一挙手一投足に過剰に反応してしまいやすいため、余計な気疲れを蓄積してしまいやすいからです。
特に接客業や対面営業などは避けておくことがベターです。
具体的な職種
- 接客業
- 販売業
- 営業職
- コールセンター
- 窓口対応
- 受付
ここまでのまとめ
HSPの人に向いている仕事・向いていない仕事を紹介しました。
以下に再掲しておきます。
HSPに向いてる仕事 | HSPに向いてない仕事 |
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ここまでご覧になって、仕事探しをしてみたいと思われた方は、6章「HSPの適職探しにおすすめな転職エージェント4選」にてご紹介しているエージェントから仕事の説明・紹介をしてもらうと良いでしょう。
HSPの方が仕事を探す際に必ず意識しておくべきポイントを知りたい方は、次章を読み進めてみてください。
4.HSPの正しい仕事選び3ポイント
仕事探しを失敗しないためにも、HSPの人は以下の点を必ず意識しておきましょう。
それぞれ順に解説します。
4-1. 自分が興味を持てる仕事を選ぶ
HSPの仕事選びで何よりも重要なのは、自分が心から興味を持てるかどうかです。
なぜならHSPの人は、目の前の物事に対して、あれこれと考えすぎてしまいやすいためです。
「本当にやりたいことなのだろうか」「この仕事は何の意味があるのだろうか」と、一度抱いてしまった違和感や疑問を、無視することはできません。
少なくとも「お金のためだ」と割り切って平然と働き続けることは難しいでしょう。
HSPに向いているという視点に加えて、「自分が心からやりたいと思える仕事かどうか」を考えることも大切です。
4-2.苦手を克服するのではなく、強みを活かす
HSPの人が仕事をするうえでは、苦手を克服するのではなく、強みを活かすという方向で考えましょう。
人間関係が上手くいかないなど、HSPは社会的な生活を送るうえで短所として捉えられがちです。そのためなんとか苦手を克服しようとする方も少なくありません。
しかし、苦手の克服にはストレスがかかります。そもそも性格を根底から矯正することは難しいと言えるでしょう。
苦手克服に力を入れるのではなく、むしろHSPならではの長所を活かす、と考え方の視点を変えれば、肩の力を抜いて、無理なく仕事に取り組めます。
成果につながれば、やがて自信もついてきて前向きに仕事を続けられるでしょう。
4-3. 職場の環境や人間関係も働きやすさを左右する
職種や業務内容だけでなく、職場の環境や人間関係も、働きやすさを左右する要素であると理解しておきましょう。
例えば、騒々しい環境下では、まったく仕事が手につかないということも考えられます。
騒音や雑音などの刺激に対して、敏感に反応してしまうからです。
そのため、数百人単位の社員が、同じフロアにいるような環境は、極力避けるべきです。
また、人間関係に問題のある職場に転職してしまうと、余計なストレスを抱えてしまうこともあります。
ここまでのまとめ
仕事探しを失敗しないために、意識しておくべきポイントを再掲します。
- 自分が興味を持てる仕事を選ぶ
- 苦手を克服するのではなく、強みを活かす
- 職場の環境や人間関係も働きやすさを左右する
さて次の章からは、実際に仕事を探す具体的な方法について解説していきます。
5.HSPの適職・向いてる仕事の探し方
HSPの適職・向いている仕事の探し方は、以下のような方法があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
方法1. 自分の苦手なこと・環境を正しく知る
まずは自分の苦手なこと・環境を正しく把握することを意識しましょう。自分に合わない仕事・職場の条件が次第に具体的に分かってきます。
HSPの特徴は、誰でも共通しているわけではありません。「騒音が頭に響くほど苦手」という人もいれば、「多少の音は我慢できる」という人もいるはず。何に対して敏感・繊細であるかは、人によって様々です。
自分がどんな時に働きづらい・生きづらいと感じたのか、一度振り返ってみてください。
例
- 見知らぬ人と長時間話し込むとドッと疲れる
- 気心知れた人なら問題ない
- オフィスはできるだけ静かな方がいい(電話がずっとなっている環境などは苦手)
そもそも自分にHSPの傾向があるのか分からないという方は、一度セルフチェックなどを通して、自己を客観視してみることをおすすめします。
※参考ページ:Are You Highly Sensitive?(HSP研究者による簡易セルフチェック)
方法2.「仕事探しの軸」を考える
自分の苦手なこと・環境をある程度具体化できたら、次に「仕事探しの軸」を考えましょう。
仕事探しの軸とは、仕事選びで「これだけは譲れない最優先事項」のことです。これだけは必ず実現したい条件No1を決めておきましょう。
この仕事探しの軸がないと、求人を探していても「この仕事もいいな…やっぱりこっちの仕事もいいかも…」となってしまい、いつの間にか当初の目的とずれてしまうことがあります。
(1).仕事探しの軸は「ストレスフリーな状態」から決める
仕事探しの軸は、「ストレスフリーな状態」をベースに決めましょう。
まずは「どんな働き方ならストレスがないと思えるか」を考え、次に理想の職場環境をイメージしていきます。次第に仕事を探す軸が明確になってくるはずです。
自分の思うストレスフリーな状態(例)
- 見知らぬ人と極力コミュニケーションを取らない仕事が理想(譲れないNo1)
- でも1日中だけとも話さないと、それはそれでストレスが溜まりそう
→「対外的なコミュニケーションが発生しない仕事」が仕事探しの軸。その上で、職場環境は比較的風通しがよく、同世代のスタッフが多い会社がベスト。
まずは「なんでも理想が叶うなら、どんな働き方がしたいか」と思考の枠を外し、自由な発想で理想の状態を考えていきましょう。
仕事探しの軸を明確にするために、今の職場の不満をあげてみるのもおすすめです。そうすると、自分が何を望んでいるのかが分かってきます。
(2).妥協できる点を決めると更に良い
できれば「これは妥協しても良いと思える点」も考えておくと好ましいです。
理想の条件をすべて満たす職場を見つけるのは難易度が高く、仕事探しが長引くからです。
例えば、HSPに向いてる仕事の例として事務・経理がありますが、これらは正社員だとやや転職難易度が高まります。
ですが、雇用形態に特にこだわらない(ストレスなく働けることが一番大事)のであれば、正社員ではなく派遣・契約社員なども視野に入れると、理想の環境で働ける可能性がグッと高まります。
このように、「ストレスなく、自分が活き活きと働ける仕事をする代わりに、何を妥協できるか」を事前に考えておくのがおすすめです。
方法3. 第三者から客観的なアドバイスをもらう
第三者から客観的なアドバイスをもらうこともおすすめです。
HSPは短所として捉えやすいことから、自己肯定感が低い方も少なくありません。
「自分は繊細すぎるため、社会に溶け込めない」と、不必要に選択肢を減らしてしまっている方も多いのです。
しかし、HSPは様々な面で強みとなることも珍しくありません。
あなたを良く知る第三者からの客観的な視点でアドバイスをもらうことで、自分でも気づかなかった長所を知ることもできるのです。
補足:迷ったら、転職のプロに相談するのもおすすめ
自分の性格に合った仕事を見つけたいのなら、「転職エージェント」に相談するのも、効果的な方法です。
転職エージェントとは
一般的な求人サイトと異なり、求職者一人に対してキャリアコンサルタントが担当し、転職活動をサポートしてくれるサービスです。
求人の紹介から、面接対策まで、転職活動を総合的に支援してくれます。
転職エージェントは、あなたの悩みをもとに最適な提案をしてくれる、いわば転職のプロです。
「繊細すぎる自分が、無理なく続けられる仕事はあるのだろうか」という相談から丁寧に対応してくれます。
自身の性格の側面に課題を感じているのであれば、まずは一度、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
6.HSPの仕事探しは適職診断ツールを使うのもおすすめ
大手転職サイトが提供している「適職診断ツール」を使うのもおすすめです。
適職診断ツールは、画面に表示される質問に回答していくと、あなたに向いている仕事を提案してくれるサービスです。誰でも無料で使えます(サイトによっては要登録)。
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大手人材会社が提供している適職診断ツールを以下に紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
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質問数は50問(簡単な選択式)で所要時間は3分〜5分ほどです。
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「自分に合った仕事を効率的に見つけたい」という方は是非利用してみましょう。
公式サイト
https://doda.jp/fair/egogram/type
ジョブリシャス診断
『ジョブリシャス診断』は、人材業界大手マイナビが提供する適職診断ツールです。
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公式サイト
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いい仕事ミイつけよう診断
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公式サイト
https://woman-type.jp/suggest/
7.HSPの適職探しにおすすめな転職エージェント4選
「自分の性格にぴったりの仕事を見つけたい」という方に向けて、以下の点を基準におすすめの転職エージェントを4社に厳選しました。
転職エージェントの選定基準
- 求人数:求人の数は豊富かどうか
- 提案力:求職者にぴったりの提案をしてくれるかどうか
- サポート体制:コンサルタントからの手厚いサポートを受けられるかどうか
HSPの適職探しにおすすめの転職エージェントは以下の通りです。
転職エージェント | 求人数 | 提案力 | サポート体制 |
リクルートエージェント | ◎ 約14.7万件 | ◎ 4.2 | ◎ 4.1 |
dodaエージェント | ◎ 約11万 件 | ◯ 3.9 | ◎ 4.1 |
マイナビエージェント | ◯ 約3.2万件 | ◯ 3.9 | ◎ 4.o |
パソナキャリア | ◯ 約3.8万件 | ◯ 3.8 | ◯ 3.9 |
※求人数:2021年12月更新
それぞれ詳しく説明します。
リクルートエージェント | 求人数No.1
リクルートエージェントは、求人数No.1の総合転職エージェントであり、コロナ禍で求人数が減っている今、必ず登録すべき1社です。
ただ、1社だけだと十分な求人数には満たないので、No.2の『dodaエージェント』をはじめとした他の転職エージェントも同時登録しておくことをおすすめします。
また、コンサルタントに一部ネガティブな口コミもありましたので(※大手なので担当差が大きい)、不安な場合は、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
※年収700万円以上での転職を目指すなら『リクルートダイレクトスカウト(byリクルート)』がおすすめ
Point:転職エージェントは必ず3社登録しよう
コロナ禍で求人数が減っている今、たった1社の転職エージェントでは良い求人を集めることができません。
最初の登録は、少しだけ面倒かもしれませんが、可能な限りたくさん登録することが、転職成功への最初の一歩です。
例えば、総求人数No.2の『doda』、サポート満足度が高い『マイナビエージェント』など、最低でも3社登録することをおすすめします。
リクルートエージェント関連記事
dodaエージェント | 求人の質・転職サポートが評判
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8.HSPの人が仕事を無理なく長続きさせるコツ
HSPの人は、以下の点を意識することで、仕事を無理なく長続きさせることができます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
8-1. 自分を責めすぎない
無理なく長く仕事を続けるためには、自分を責めすぎないことが大切です。
HSPの方は、人一倍考えすぎるゆえに、些細なミスをしてしまった際も「相手に迷惑をかけてしまった」と自分を強く責めてしまいがちです。
また、人間関係を上手く形成できないことに対しても、自分に非があるのだ、とネガティブに解釈してしまいやすいでしょう。
- 必要以上にハードルを上げない
- ミスをいつまでも引きずらない
- 失敗よりも成功に目を向ける
という点を意識しておいてください。
8-2. 働きやすい環境を確保する
いかに自分にとって働きやすい環境を確保できるかは、働きやすさを大きく左右します。
上司や同僚に事情を話し、極力自分が快適に過ごせる環境を作りましょう。
具体例
- 耳栓やイヤフォンの使用を許可してもらう
- 業務内容や人間関係が合わないのであれば、異動を申し出る
とはいえオフィスで仕事をする方にとって、快適な環境を作るのは難しいかもしれません。
また、そもそもHSPの特徴は、なかなか周りの理解を得られないものです。
環境自体が強いストレスになるのであれば、転職などを検討してみることも推奨します。
8-3. 適度にストレスを解消する
仕事とプライベートのオンオフをしっかりと切り替え、適度にストレスを解消することを意識してみてください。
HSPの人は、仕事のミスや問題を引きずってしまい、深く考えすぎてしまいやすいです。
オンオフの切り替えが上手くできていないと、休日も仕事のことが頭から離れず、ゆっくり頭と体を休められないでしょう。
結果として、疲れが蓄積してしまい、ストレスを溜め込んでしまうのです。
業務時間外は極力仕事のことを考えなくて済むように、
- 没頭できる趣味を見つける
- リフレッシュする(人と会う、外出するなど)
ことを意識的に行いましょう。
8-4. 苦手な人とは距離を置く
苦手と感じる人と無理に関わりあう必要はありません。
周囲の人と適度な距離を置くことも大切です。
人の些細な言動や人目を気にしすぎてしまうHSPの方は、「相手から嫌われているのではないか」「不快にさせてしまったのではないか」と余計な想像がふくらみ、ストレスを抱え込むことも多々あります。
ですが、そもそもどんな人でも、すべての人から好かれることは不可能です。
苦手な人から、良い印象を持ってもらおうと、気を張って無理をする必要はありません。
全員から無理に好かれようとせず、自分が自然体で接することができる人と深く関わっていきましょう。
8-5. 一人で抱え込まない
もし仕事で悩み事があるのならば、極力一人で抱え込まないようにしてください。
どんな些細なことでも、周囲に相談することが大切です。
繊細な人ほど「相手に迷惑をかけたくない」と、一人で問題を抱え込みがちです。
その結果、自分でも気づかぬうちに、ストレスが蓄積し、メンタル面に悪影響を及ぼすこともあります。
自分の性格を理解してくれている人がいれば、積極的に相談しましょう。
補足:HSPの傾向がある方は、うつ病に注意
HSPの傾向がある方は、人一倍ストレスを感じやすいため、うつ病になりやすいと言われています。
あまりにも気分が落ち込む日が続く、といった場合、メンタル面で不調に陥っている場合もあるので、注意が必要です。
家庭におけるうつ病のサイン | 職場におけるうつ病のサイン |
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参考:うつ病 こころとからだ
このような状態が継続するようであれば、診療機関の受診なども検討してみてください。
9.HSPに関するよくある質問
HSPに関するよくある質問をまとめました。
気になることがあればここで解決しておきましょう。
Q1.HSPを改善する方法はありますか?
そもそも、HSPを改善するという考え方はあまり好ましくありません。
「なんとか頑張って改善しよう」という意識が、空回りしてしまい、余計に自己肯定感を下げてしまうこともあるからです。
HSPは生まれ持った性格の側面であるため、根底から矯正するのは難しいでしょう。
むしろ、HSPとは何かを正しく把握し、「うまく付き合っていく」という考え方が適切です。
「なんとしても改善しなければ」と、無理に気を張らないようにしてください。
Q2.HSPの影響で、仕事が長く続きません
仕事が長続きしないという方は、「業務内容」が適切でない可能性があります。
あるいは「労働環境」が合っていないということも考えられるでしょう。
同じ仕事内容であっても、労働環境や社風、周囲の人間関係次第で、働きやすさは左右されます。
いずれにしても、無理に自分を変えようとせずに、環境を変える方向性で考えてみましょう。
Q3.HSPの影響で、仕事が遅いことに悩んでいます
仕事が遅いことに焦るあまり、マルチタスクで仕事を進めてしまわないようにしましょう。
複数の作業を同時に行うマルチタスクは、むしろ生産性を下げてしまうことが明らかになっています。
一つひとつの作業を丁寧に実行することを意識してみてください。
その方が、むやみに焦って手を動かすよりも、結果的に仕事は早く終わるはずです。
Q4.HSPは成功者やリーダー、経営者が多いというのは本当ですか?
HSPは厳密に分けると、(1).HSS型(High Sensation Seeking・刺激探求)と(2).HSE型(Highly Sensitive Extroversion・外交的)があり、(1).HSS型は天才肌と呼ばれることがあるようです。
その理由は、「物事を深く考える繊細さ」に加えて「探求心」を兼ね備えており、具体的なアクションにつなげる行動力を伴っているからです。
好奇心旺盛で特定の分野にのめりこみやすく、行動に移す力もあるので、結果的にHSS型の方は他より秀でた能力を発揮するのではと考えられます。
成功者や経営者にHSPが多いと言われていますが、彼らは(1)HSS型である可能性もあると言えます。
Q5.HSPですが、職場に性格が合う人がいなくて悩んでいます
HSPの人と性格が合う人の特徴は、以下の通りです。
- 感情がフラットで安定している
- 相手を尊重する余裕がある
- 洞察力がある
- 否定的なことを言わない
端的に言うと、相手もHSP気質があると、その人とは相性が良いと感じるでしょう。
反対に、感情的な人や相手の立場に立って考えない人とは相性が悪いです。そういった方は、「合わない」と割り切って適度な距離を取る方が良いでしょう。
Q6.HSPだと「働けない・できる仕事がない」と思ってしまいます。
結論、そのような絶望的な気持ちになる必要はありません。
というのも、「自分は働けない・できる仕事がない」という悩みは、たいていの場合、「自分に合う仕事の存在を知らない」ことが原因だからです。
実は厚生労働省が公表した資料によると、日本国内には1万7,000以上の職種があると言われています。たいていの人にとっては、知らない仕事の方が多いとさえ言えます。
普通に生活していて「仕事を知る機会」というのは中々ないので、どうしても自分の頭の中にある選択肢から探そうとしてしまいがちです。
しかし、世の中にどんな職種があるのかを知り、選択肢を増やすことで「これなら自分もできそう」と思えるはずです。
具体的には、厚生労働省が提供している「職業情報提供サイト」などを使って、興味があることやテーマを軸に、世の中にどんな仕事があるのか探してみることをおすすめします。
Q7.HSPでニートなのですが、どうすればいいですか?
結論、まずは雇用形態にこだわらず、週1日でも良いので何かしら仕事を始めることをおすすめします。
というのも、HSPの仕事選びは「自分が何が苦手で、どういう環境にストレスを感じるか」を言語化することから始めますが、就労経験が浅いと自分の苦手・ストレスすら的確に自覚できないからです。
そうなると仕事探しの軸がはっきりせず、「どうやって仕事を選べば良いか分からない」と途方に暮れてしまいます。
もし、どうしても正社員での就労を検討している方は、第三者の協力を得て客観的な意見をもらいながら仕事を探すのが大事です。ニートの就労支援に強い転職エージェント『ハタラクティブ』などの活用をおすすめします。
Q8.HSP気質がある男なのですが、どんな仕事を選べば良いですか?
「自分が過ごしやすいという環境」を軸に選ぶことをおすすめします。
例えば、「男性ばかりの環境の方が気が楽」なのであれば、男性が占める割合の多い仕事を選ぶと良いでしょう。
男性比率が高めの仕事
- IT技術者
- 電気工事技術者
- 製造業
- サイエンス系企業
- 金融機関
- 輸送・機械運転
- 土木・測量技術者
反対に、男性ばかりの職場の方が苦手という方は、職種自体は何でも良いですが、企業選びの際に「社員の男女比」をみて、働きやすそうかどうかを確認しておきましょう。
さいごに
HSPの適職について解説しました。
ストレスなく仕事を長続きさせるためには、自身の性格を正しく理解し、無理のない範囲で、興味のある仕事を選ぶことが大切です。
「興味はあるが、転職してよいものなのか判断できない」という方は、転職のプロであるエージェントへの相談も検討してみましょう。
あなたの人生がよりよいものになることを願っています。