薬剤師の仕事の種類25選!どんな仕事がある?仕事内容をプロが解説

薬剤師 仕事 種類

「薬剤師の仕事って、薬局以外に何があるの?」と考えていませんか。

薬剤師の多くは、調剤薬局やドラッグストアに勤務していますが、それ以外にも薬剤師が活躍できる仕事は多岐に渡ります。

この記事では、元薬剤師で転職コンサルタントの私が、薬剤師の仕事の種類について解説します。

  1. 薬剤師の主な勤務先と仕事内容【4人中3人の薬剤師が勤務】
  2. 薬剤師の珍しい仕事の種類【調剤以外の仕事も】
  3. 公務員薬剤師の仕事の種類

この記事を読めば、薬剤師の仕事の種類が分かり、将来のキャリアプランの一助となるでしょう。

1. 薬剤師の主な勤務先と仕事内容【4人中3人の薬剤師が勤務】

この章では、薬剤師の主な勤務先と仕事内容を紹介します。以下の職場は4人中3人の薬剤師が勤務しており、薬剤師として働くうえでまず確認しておくべき勤務先であると言えるでしょう。

早速ご紹介します。

1-1.調剤薬局

薬剤師の勤務先としてまず思い浮かぶのが、調剤薬局です。薬剤師の約6割は調剤薬局に勤務しているとのデータもあることから、薬剤師の就業先としてもっとも知られていると言えます。(参考:厚生労働省

一般的な調剤薬局の業務と流れは、以下の通りです。

順番に見ていきましょう。

(1). 調剤業務

薬剤師は、医師からの処方箋をもとに薬の調剤を行います。このとき、医師の処方内容が適切であるかという「処方監査」も薬剤師として重要な業務です。

また、患者の薬剤処方歴の確認や、複数の薬を処方する場合には、相互作用に問題がないかも確認します。調剤を誤ると患者の健康に影響が出るため、薬の知識や経験、正確性が求められます。

(2). 服薬指導

薬剤師は、患者に薬を受け渡す際に、服薬指導として薬の効能や服薬方法について説明をおこないます。服薬指導は、薬剤師が薬を販売する際に必須の業務であり、同時に病気への向き合い方を患者へ伝える役割も担っています。

一方的に薬の説明をするのではなく、患者が抱えている悩みを聞き出し、症状を改善できるようにアドバイスを行うことが大切です。対面での接客となるため、説明力やコミュニケーション力も求められます。

(3). 薬歴管理

薬歴管理とは、患者に適切な服薬指導をおこなうために、各薬局に義務付けられている患者の服用履歴を管理することです。薬剤師は、患者ごとの服薬状況や、過去の副作用の有無などを薬歴として管理し、チェックをおこないます。

新たに薬を処方した場合は、医薬品情報の入力管理をすることも仕事の一つです。薬歴は、薬剤師の記載から3年間保存されます。

(4). 医療機関との連携

必要に応じて、医師や医療機関と連携をおこない、患者に適切な医療サポートをすることも薬剤師の仕事です。多種多様な医薬品を正しく活用するためにも、患者が医師に伝えられなかったことを聞き取り、医師に伝える役割も担います。

また、昨今は訪問薬局のニーズが高まりを見せています。訪問薬局には各医療関係者や医療機関との連携は不可欠であり、「チーム医療」の一員として薬剤師の重要性は今後ますます高まるでしょう。

薬局の仕事内容はどこも同じと思われがちですが、実際には近隣の病院に影響を受けることが多く、取り扱う薬や仕事内容は変わってきます。

このため勤務先を選ぶ際は、どのような調剤薬局なのかを事前に知っておくと良いでしょう。

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1-2.ドラッグストア

ドラッグストア薬剤師の仕事内容は、その施設業態に応じて「OTC販売型ドラッグストア」「調剤薬局併設型ドラッグストア」の大きく二つに分けられます。

(1). OTC販売型ドラッグストア

ドラッグストアの多くは「OTC販売型ドラッグストア」に分類されます。OTCとは英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略語で、対面販売で薬を買うことです。

薬局やドラッグストアなどで買うことができる「要指導医薬品」と「一般用医薬品」はOTC医薬品です。

OTC販売型ドラッグストアでの主な仕事内容は、以下4つです。

  • OTCの説明・販売
  • 健康相談
  • 食料品、日用品・生活雑貨の販売
  • 商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち

このように、薬剤師としてお客様に対して最適な薬をおすすめする以外にも、「商品の品出しや陳列」「在庫管理」などの様々な業務を行う必要があります。

(2). 調剤薬局併設型ドラッグストア

調剤薬局併設型ドラッグストアとは、ドラッグストアに加えて調剤薬局を併設している店舗のことです。このため、ドラッグストア業務に加えて、調剤薬局の業務も行います

  • OTCの説明・販売
  • 健康相談
  • 食料品、日用品・生活雑貨の販売
  • 商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち
  • 調剤業務
  • 服薬指導
  • 薬歴管理

1日に100枚など、調剤専門薬局並みの処方箋を受けつける店舗では、薬剤師は一般の店舗業務は行わず、調剤業務のみという場合もあるため、事前に確認することがおすすめです。

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1-3.病院

病院薬剤師とは、病院内で働く薬剤師のことです。

病院薬剤師の仕事は、大変多岐に渡ります。最近の医薬品は効果の高い性質を持つ一方で、十分にその効能や役割を理解してしようしないと逆効果になってしまう医薬品が多くあるからです。

患者に医薬品を有効かつ安全に使用していただくために、日々最新の知識と技術を学び研鑽しながら、以下のような様々な業務に携わっています。

  • 調剤業務
  • 製剤業務
  • 注射調剤業務
  • 注射薬混合調剤業務
  • 医薬品情報業務
  • 治験業務
  • 病棟薬剤業務
  • 疑義照会
  • 専門薬剤師
  • 薬剤師外来
  • 外来科学療法
  • 救命救急業務
  • チーム医療

尚、急性期病院と慢性期病院では、薬剤師に求められる傾向や患者の年齢層が異なるため、ご自身の適正やキャリアプランと合わせて検討すると良いでしょう。

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1-4.診療所・クリニック

診療所やクリニックに努める薬剤師の仕事内容は、調剤業務や服薬指導などです。調剤薬局や病院薬剤師と異なり、基本的に院内に薬剤師が1人であるため、薬に関わる業務は全て1人で対応します。

他にも、医薬品の発注や検品、入庫、処方箋の入力やレセプトの作成、薬歴の管理など、付随する事務作業も重要な仕事です。

診療所やクリニックのほとんどが単科であることから、総合病院や多くの薬を取り扱う薬局と比べると、扱う医薬品は少ないでしょう。ただ、皮膚科や小児科では、軟膏やシロップなどの製薬業務も担当するため、経験が求められることもあります。

視野を広く持ちながら自分で仕事を進めることが得意な人や、薬剤師としての経験をある程度積んだ人におすすめです。

2.薬剤師の珍しい仕事の種類【調剤以外の仕事も】

薬剤師の仕事は、先に述べたもの以外にも多岐に渡ります。この章では、薬剤師が活躍している仕事を紹介します。

興味がある項目をぜひご覧ください。

2-1.MR

MRとはMedical Representativeの略で「製薬会社の営業・広報担当者」を意味する言葉です。患者との直接的な関わりはないものの、医薬品を通して多くの患者に貢献しています。

「自社の医薬品を適切に使用・開発すること」を目的とし、医療機関から医薬品の有効性や安全性の情報を収集します。適正な薬の使用方法の確立から有益な医薬品開発につなげることも、MRの重要な役割です。

具体的な仕事内容は、以下の通りです。

  • 医師や薬剤師への、商品の品質や効能、安全性などの情報提供
  • 競合他社の医薬品や最新の医療知識の調査
  • 医療現場の薬に関するフィードバックの伝達
  • 権威のある医師に「医薬品の説明・PR」を行ってもらう講演会の実施
  • MRが医師に向けて「自社製品の説明・PR」を行う製品説明会の実施

製薬企業の営業部門に所属する働き方をする人が多いですが、中には派遣会社から出向して働く方法もあります。

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2-2.MS

MSとは、Marketing Specialistの略で、製薬会社から仕入れた医薬品や医療用材料、医療機器などの製品を、医療機関や調剤薬局などに販売する仕事です。

中立的な立場から情報提供をおこなうため、メーカー別の製品の特徴だけでなく、医療制度や疾患に関する幅広い知識が必要となります。MSは医療機関と価格交渉をすることも仕事であるため、原価や利益に関する知識も求められます。

近年では、取引先である医療機関や薬局の経営環境が変わってきています。このため、製品に関する情報に加え、この商品を採用するとコスト削減につながるなど、各企業のニーズに合わせた医療経営コンサルティングの観点も求められている点が特徴です。

尚、MSはマーケティングの観点から医薬品の流通に携わり、MRはメディカルの観点から医薬情報の提供に携わるため、取り扱う商材と必要とされる知識が大きく異なります。

2-3.企業内診療所

企業内診療所とは、企業内の医務室や保健室のことであり、企業の福利厚生の一部となっています。企業内診療所で働く薬剤師の仕事は、主に以下の3つです。

  • 処方箋の調剤
  • 社員の健康管理・服薬指導
  • 社内の衛生管理

医者が出した処方箋の調剤や、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の対策や予防に関するアドバイス、社内に消毒液を設置するなどの衛生管理をおこないます。

このように企業内診療所の薬剤師は、社員の健康を守るために、会社として対応すべきニーズを把握しながら仕事をすることが求められるのです。

尚、診療所を訪ねるのは社員のみであるため、調剤薬局や病院に比べて混雑はせず、大量の業務に追われにくいという点は大きな特徴ですが、薬剤師の配置が1人である企業も多いため、経験豊富な人が求められる傾向があります。

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2-4.品質管理

品質管理とは、自社の医薬品が薬事法で定められた基準を満たしているか検証する仕事です。薬剤師は主に企業に勤務し、製品がGMPに合っているかを評価する過程である品質検査をおこないます。

※GMPとは…「適正製造規範」のこと(薬事法に基づくGMP省令)で、製造業者(外国製造業者含む)・製造販売業者は、この省令に基づいた製造販売が求められる

薬品は、原料入荷から出荷まで、企業の工場で作られ、品質管理担当者は各工程ごとで品質を検査する役割を担います。

  1. 原料の受け入れ試験
  2. 製造工程における各種テスト(クロマトグラフなどを利用)
  3. 問題があれば要因分析
  4. 担当部署へ改善提案
  5. 製品出荷前の最終試験

これらの工程を経て、基準を満たすと判断されたものが、市場に出回ることとなります。もし品質に問題が見つかった場合は、その都度原因を突き止めて、改善点を報告することも薬剤師の役割です。

また、検査(テスト)以外にも、管理マニュアルの作成、製造機器の選定、検査項目の検討、各所からの問い合わせなどの対応もおこないます。

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2-5.CRC(治験コーディネーター)

治験コーディネーターとは、新薬の研究開発過程において、必要な臨床試験をおこなう際に、医療機関の代わりにその進行をサポートする人のことです。

医療機関や製薬会社、患者の間に立ち、スムーズに治験が進行するよう調整する役割を担います。

具体的には、 医療機関において治験を実施する医師の指示のもと、治験に係わる事務的業務、チーム内の調整、被験者となる患者のサポートなど、医学的判断を伴わない業務を担当する役割です。

日本では新薬の開発が盛んで、国が治験の活性化を促していることもあり、その需要が拡大している仕事の一つと言えます。

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2-6.臨床開発モニター

臨床開発モニターとは、医療機関へ治験の実施を依頼し、治験の実施が決定したあと、治療薬の治験・臨床試験が基準に従って適切に行われているか、監視(モニタリング)する仕事です。

具体的な業務内容は以下の通りです。

  • 医療機関との契約手続き
  • 医師へのヒアリング
  • 報告書の作成管理
  • 計画書に従った臨床開発のモニタリング
  • 治験薬の管理

基本的にはデスクワークがメインですが、医療機関とのやり取りを行うために、外勤が発生することもあります。新薬開発の各工程をスムーズかつ正確に実施するための、重要な役割です。

CRAは、製薬会社か医薬品開発業務受託機関(CRO)のいずれかに勤務します。製薬会社勤務の場合、自社開発の治験薬のみ取り扱いますが、CROで働く場合は多くの製薬会社からの治験業務を請け負うため、扱う治験薬は幅広くなるでしょう。

2-7.コールセンター

コールセンターで働く薬剤師の主な仕事は、医師や薬剤師、看護師などの医療関係者から、医薬品に関する問い合わせを受けることです。

主に製薬会社に勤務し、薬の使い方や、用法、用量、併用注意薬についてなどの薬自体の知識から、有効性や安全性、治療法や保険適用のことまで、幅広い内容の問い合わせに回答します。

問い合わせ内容を的確に汲み取り、迅速かつ分かりやすい言葉で、エビデンスを示しながら答えることが求められます。MRと同様に、製薬会社の顔とも言えるため、伝え方にも配慮する必要があります。

経験を積んでいくことで、薬に関する科学的知識はもちろん、コミュニケーション能力も身に付けられる仕事です。

2-8.研究職

薬剤師は企業の研究職として働くこともできます。研究職として働く場合、製薬会社、化粧品会社、食品会社などが勤務先となります。

研究室で新しい薬の実験をすることが主な業務内容です。新しい薬のアイデアを実現させるための業務内容は幅広く、一例として以下のものが挙げられます。

  • 化合物の合成
  • 処方設計
  • 医薬品候補品の選別
  • 細胞・動物に対する有効性や安全性の確認
  • 既存医薬品の改良、育薬
  • 製造方法のスケールアップを目的とした化学的視点からの考察
  • 薬効・薬理の確立と評価
  • GLP(Good Laboratory Practice)に則った致死量の探索
  • 臓器や人体への影響の確認

上記の業務を通じて、分析や検証をおこない、データを取得して形にしていくことが開発職の仕事となります。高度な知識が必要とされるため、大学院を修了していないと難しいかもしれません。

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2-9.開発職

薬剤師の開発職は、研究から得られたデータを元に、医薬品にするまでの作業をおこなう仕事です。具体的には、技術開発と商品開発に分かれています。

技術開発とは、研究で得られた情報から、実際に商品化するために技術的な開発をしていきます。

一方の商品開発は、マーケティング、商品企画、プレゼンテーション、生産部署との調整、販売戦略会議など、市場に商品が出回るまでの作業全般が担当です。

仕事内容が幅広く、多くの部署との連携が必要となることから、コミュニケーション力やチームワークで仕事をする力が多く求められる点が特徴です。

どちらの開発職も、実際に製品化するまでの過程で薬剤師の高度な専門性が追及されることから、研究職と並んで薬剤師の難関職種の一つであると言えます。

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2-10.DI

DIとはDrug Informationの略で、医薬品情報管理を意味します。DIの業務は、主に管理、収集、提供、問い合わせ対応の4つであり、医薬品のプロフェッショナルと呼ばれています。

上記の仕事以外にも、近年では以下のような幅広い仕事を担当することが多いです。

  • 膨大な医薬品の管理
  • 新薬の開発情報の収集(他社を含む)
  • 文献・論文からの情報収集
  • 医療現場からの情報の取りまとめ
  • データベースのリニューアル
  • 医療従事者・大学研究機関・MRへの情報提供と問合せ対応
  • アンメットメディカルニーズのマーケティング
  • 各診療科の権威医師との医療発展プロジェクト
  • 医薬品の販売促進

DI担当者がミスをしてしまうと企業や業界を巻き込むことにもなりかねません。このため、薬剤師に求められる正確性が、より一層必要とされる仕事です。

薬剤師としての知識や経験はもちろん、責任感や探求心の多さが仕事に大きく影響するでしょう。

2-11.学校薬剤師

学校薬剤師学校の環境衛生について検査し、生徒にとって快適な学校環境を作る仕事を担っています。高等学校卒業までの発育・発達期という重要な期間に学校保健を担当する、社会的にも意義のある仕事と言えるでしょう。

具体的な仕事としては、以下のものが挙げられます。

  • 学校保健計画・学校安全計画の立案
  • 水道水やプール、給食などの環境衛生の検査・指導・助言
  • 健康相談・保健指導
  • 医薬品の管理
  • 薬物乱用防止活動
  • 「薬の正しい使い方」授業への参画

「教育者にふさわしい人間性」「教育に正しい理解を持つ」「職務に必要な知識の研鑚」を求められる点において、その他の薬剤師と大きく異なる点が多いものの、地域社会に大きく貢献する仕事と言えます。

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2-12.在宅医療薬剤師

在宅医療薬剤師とは、在宅で治療や療養を行っている患者に対して、薬の専門家として医師の指示でご自宅に訪問し、薬の正しい飲み方の説明や副作用・相互作用の確認、保管方法の説明などを行う仕事です。

今までは「入院」「外来」「介護」といった医療現場の代替の位置づけであった在宅医療ですが、近年では、地域全体で協力して患者をフォローする時代に変わってきました。

このため、医師・看護師・ケアマネジャーなどの多くの関係者と連携しながら、薬剤師は患者へ薬剤の知識を正しくアドバイスする役割を担います

また、調剤報酬の切り下げにより、多くの企業や調剤薬局で経営環境が変わってきており、今まで以上に在宅医療に取り組む職場が増えています。

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3.公務員薬剤師の仕事の種類

薬剤師の中には、公務員として働く人もいます。公務員薬剤師の仕事の種類は大きく以下の3つに分類されますが、その仕事内容は幅広いことが特徴です。

順番にご紹介します。

公務員試験には年齢制限があることも

公務員になるためには、公務員試験を受ける必要がありますが、多くの場合はその受験に年齢制限が設けられています。

このため、公務員薬剤師として仕事をすることを考えているかたは、事前に採用ページを確認し、ご自身のキャリアプランと合わせて早めに計画を立てられることがおすすめです。

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3-1.国家公務員薬剤師

ここでは、国家公務員薬剤師の一例を紹介します。薬剤師の知識や経験が役に立つ内部部局(部署)としては、「医薬・生活衛生局」「内閣府食品安全委員会」「保険局 /医政局」が挙げられます。

医薬・生活衛生局

医薬・生活衛生局は、医薬品の有効性や安全確保、薬事に関することなどを所管する局です。具体的には、医薬品や医療機器などの薬事、食品や水道などの生活衛生、薬剤師などの国家試験などに関する業務をおこないます。

その中の総務課では、薬剤師行政に関する企画・立案、薬剤師国家試験の改定や問題作成、医薬品の適正販売の制度策定や見直し、かかりつけ薬剤師制度の啓蒙と推進など、薬剤師が活躍できる環境を整えることが仕事です。

他にも、医薬品の承認・審査や、新薬の開発促進など、医療現場が求める医薬品を提供するための仕組みを整える医薬品審査管理課、医療機器の安全対策や実用化のための制度の整備をおこなう医療機器審査管理課など、薬剤師が活躍できる多くの課が存在します。

内閣府食品安全委員会

内閣府食品安全委員会は、国民の食の安全にまつわる業務を担う機関です。国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識のもと、科学的知見から客観的かつ中立公正にリスク評価を行っています。

委員会の中に16の専門調査会が設置されており、企画等専門調査会の他に、添加物、農薬、微生物といった危害要因ごとに15の専門調査会が設置されています。

食の安全にまつわる業務を担い、食品の安全性の確保、食品衛生法に基づく食品・添加物等の企画や基準を策定するうえで、薬剤師の知識や経験が生きるでしょう。

保険局 /医政局

保健局は、国民健康保険や、後期高齢者医療制度などの公的医療保険(共済組合を除く)などを所管する局です。また、医政局は医療機関の整備や安全管理、医療従事者に関する全般の業務を担っています。

どちらの局も、薬剤師の観点が活かされる業務が多く、具体的な業務の一例は以下の通りです。

  • 薬価の算定や診療報酬 ・調剤報酬の改定
  • 医療保険行政の企画立案
  • 医薬品の価格に関する指導等
  • 医薬品の安定的な流通に関する施策

特に保険局では統計調査も担当しており、診療報酬・調剤報酬明細書のデータを基にした医療費の動向分析などもおこなうため、薬剤師として医療業界全体に貢献できる仕事であると言えます。

3-2.地方公務員薬剤師

地方公務員薬剤師の主な勤務先は、以下の通りです。国家公務員薬剤師とくらべて馴染みがあるものが多く、採用枠も多いと言えます。

興味のある仕事をチェックしてみてください。

(1). 公立病院

公立病院は都道府県や市区町村などの地方自治体が運営しており、そこに勤務する薬剤師は地方公務員薬剤師となります。

仕事内容は、私立病院などその他の民間病院とほとんど変わりません。病院内の薬剤部に所属し、外来・病棟での調剤業務や患者への服薬指導をおこないます。

尚、公立病院は規模が大きい病院が多いため、高度な医療に携われる機会が多くなりやすい点もポイントと言えるでしょう。

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(2). 保健所

薬剤師は各市区町村にある保健所に勤務することもできます。仕事内容は、地域の施設に対する新規解説許可や立ち入り検査などです。

訪問する施設は、調剤薬局やドラッグストア、飲食店、美容院、大衆浴場など幅広く、調査や検査、指導を中心に、施設の新設許可なども担当します。

調剤薬局や病院での業務とは仕事内容が大きく異なる点が多いことから、就業後に仕事を一から覚えることになり、これまでの経験が強みとなりにくい点は認識しておく必要があります。

(3). 行政

行政で働く薬剤師は、市役所や地方厚生局などに勤務し、薬事衛生や医薬安全に関する検査や指導をおこないます。

例えば、製薬会社などの医薬品を扱う民間企業への立ち入り検査や、製造販売許可、監視指導などが主な仕事であり、デスクワークの比率も高い点が特徴です。

尚、市役所や県庁など、勤務先によって仕事内容が異なる場合があります。このため、行政で働きたいと思ったかたは、事前に各行政機関の募集要項をチェックすると良いでしょう。

(4). 衛生研究所

衛生研究所に勤務する薬剤師は、衛生についての研究を行います。保健所が衛生についての管理や検査を行うことに対して、衛生研究所では、主に食中毒を引き起こす細菌やウイルスについての研究や検査に携わります。

地域住民の健康に関わる課題に対して調査や研究を行った後、この結果を保健所等に通知し、地域の健康被害を未然に防ぐための対策を立案、実行することが仕事です。

検査結果により、地域住民の行動制限や店舗の損害に大きくかかわるため、検査には慎重さと正確さが求められる点も大きな特徴と言えます。

(5). 消費者生活センター

消費者生活センターは、住民からの要望を受け、各種分析をおこなうことが主な仕事です。また、消費者からの相談にも対応します。

薬剤師は、食品や衣類の成分分析や、住民に向けたその結果内容の発表など、一連の業務を担当します。化学的な観点での分析が多いことから、薬剤師として学べる知識も多いでしょう。

また、消費者からの苦情を含む相談を受けることも仕事の一つであり、一次対応として食中毒などの苦情報告を受けた後に、その商品や店舗に対して原因究明を行っていきます。

3-3.麻薬取締官

麻薬取締官とは、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に勤務し、麻薬の取り締まりを主に行う専門職のことです。国家公務員・地方公務員といった枠組みとは別に、薬学の専門職の公務員として扱われています。

主な業務は、以下の通りです。

  • 違法・規制薬物の取り締まり
  • 違法薬物使用防止の啓発運動
  • 麻薬や危険ドラッグに関する相談対応
  • 麻薬の流通経路を確認するための病院や薬局への立入検査
  • 薬物犯罪を未然に防ぐための啓発活動や相談対応
  • 逮捕術や射撃術の訓練

麻薬取締官の大きな特徴として、特別司法警察職員としての権限を持っていることが挙げられます。犯罪捜査に関わるため危険が伴うことも多いですが、薬剤師として特殊なキャリアを積むことができるでしょう。

薬物取り締まりに立ち向かうことで薬剤師として貢献したい、という強い責任感を持った人に向いている仕事であると言えます。

さいごに

薬剤師の仕事の種類について解説しました。

多くの薬剤師が働いている調剤薬局やドラッグストア、病院以外にも、薬剤師が活躍できる仕事は多岐に渡ります。

薬剤師としてのキャリアについて考える際は、まず多くの仕事を知り、ご自身がどのような薬剤師人生を歩みたいかと合わせて考えられると良いでしょう。

多くの選択肢を検討することで、最適な仕事が見つかる可能性が高くなります

この記事が、あなたにとって理想の仕事探しの一助となることを祈っています。