
「病院や調剤薬局からドラッグストアに転職しようかな?」と悩んでいませんか?
薬剤師転職のなかで、ドラッグストアへの転職は比較的簡単な一方で、「専門性が高まらないのでは…」「長時間労働が続くらしい…」と躊躇する人はとても多いのです。
結論から申し上げますと、ドラッグストアは「昔に比べ、薬剤師にとって圧倒的に働きやすい環境」になっています。
このページでは、転職コンサルタントとして数多くの薬剤師転職をアドバイスしてきた知見と経験をもとに、病院薬剤師の転職についてご紹介します。
このページを読めば、ドラッグストアの転職について理解が進み、「働くべきドラッグストアの形態」「ドラッグストア転職に便利なサイト」がわかるでしょう。
<2021年4月:薬剤師転職の最新情報>
コロナ禍による不況で、有効求人倍率は低下し続けており、転職の難易度は日を追うごとに高まっています。
特に好条件の求人であるほど競争が激しくなるので、ライバルに差をつけるためにも、転職のプロの力を借りて、しっかりと対策を行いましょう。
- このページを見ながら、複数の転職サイト(『薬キャリ』『マイナビ薬剤師』など)に登録する
- それぞれの担当者から連絡が来たら、面談または電話で簡単に状況を伝えアドバイスをもらう
- 一番相性の良さそうな担当者だったところで、本格的にサポートを受ける
未だかつて誰も経験したことのない事態だからこそ、周囲よりもいち早く行動を開始し、戦略的に転職活動を行っていくことが重要です。
1. ドラッグストアとは?
初めに、ドラッグストアの形態についてご説明します。
ドラッグストアは大きく分けて2つの種類があります。
1-1. ドラッグストア(OTC販売)
Ⅰ. どんなドラッグストア?
OTCとは、「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略称です。
カウンター越しに薬を販売することに由来しており、大衆薬や市販薬の販売を行います。(2007年にOTC医薬品と呼称が統一されました。)
誰もが想像できる一般的なドラッグストアであり、風邪薬などの大衆薬以外にも、化粧品・サプリメント・日用品や食料品を販売しています。
Ⅱ. どんな業務をするの?
特に調剤業務は無く、OTC医薬品の説明や紹介が中心の業務になります。
処方箋がないので、お客様の症状やニーズをヒアリングして、適切な商品をおすすめします。
時には、お客様の希望以外の薬をすすめるケースもあり、コミュニケーション能力が必要になります。
店長の役職についた場合は、お客様との接点以外に、人員確保・売上管理・仕入発注などの管理業務を行うようになります。
店舗経営に携わる、大変やりがいがあり重要な仕事と言えるでしょう。
1-2. ドラッグストア(調剤併設)
Ⅰ. どんなドラッグストア?
もう一つの形態は、調剤薬局を併設したドラッグストアです。
その名の通り、ドラッグストアの店内に調剤室を併設しているタイプの店舗で、近年増えている形態です。
Ⅱ. どんな業務をするの?
薬剤師は、基本的に調剤薬局と同じように「調剤業務」「服薬指導」「薬歴管理」の業務に加え、ドラッグストアとしてOTC医薬品の説明や販売も行います。
幅広い経験ができることから、近年薬剤師からの人気が高まっている職場です。
1-3. おすすめは調剤併設型のドラッグストア!
ドラッグストアへの転職時のおすすめは、絶対に「調剤併設型のドラッグストア」です。
もちろん、待遇の良いOTC販売型ドラッグストアでの薬剤師求人はありますが、調剤業務に携わらないと、その後の薬剤師としてのキャリアが限定されてしまいます。
薬剤師の方の転職は、「調剤併設型のドラッグストア」に絞って検討することをおすすめします。
さらに詳しくに「ドラックストア薬剤師」について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
2. ドラッグストアへの転職、4つの人気の秘密
上記の通り、私の元に相談にくる転職希望者の多くが、ドラッグストアを希望されます。
新卒採用の時には決して「人気とは言えない」就職先であるドラッグストアですが、なぜ転職の際には人気になるのでしょうか?
もちろん、転職理由は人それぞれだと思いますが、代表的な人気の秘密をご紹介します。
ドラッグストアへの転職、4つの人気の秘密
- 高い年収
- OTC知識が増え、家族の役に立てる
- 数多くの患者さんに接することができる
- 休みは意外に取れる
人気の秘密1. 「高い年収」
一つ目の理由は、「高い年収」です。
薬剤師として働く場として「病院」や「調剤薬局」などが挙げられますが、年収や待遇面では際立って高いのがドラッグストアです。
年収600万以上、パートでも時給2,000円以上の求人は簡単に見つかるでしょう。詳しくは4章でご説明します。
人気の秘密2. 「OTC知識が増え、家族の役に立てる」
二つ目の理由は、「OTC知識が増え、家族の役に立てる」です。
例えば、子供や親などが体調を崩した際に、まずは大衆薬(OTC医薬品)で対処するケースがほとんどですが、意外にも病院薬剤師や調剤薬局の薬剤師は、OTC知識がないので家族からの質問に答えられません。
薬を専門的に扱うものとして、「身近な人の役に立てる」という嬉しさが、ドラッグストア勤務のやりがいに繋がるのです。
人気の秘密3. 「数多くの患者さんに接することができる」
三つ目の理由は、「数多くの患者さんに接することができる」です。
特に調剤薬局では、患者さんと接する機会はほとんど無く、処方箋に沿った調剤が業務の中心になります。
人間関係は薬剤師内の狭いコミュニティ内に留まることから「人間関係が嫌で転職します」という人も多くいます。
ドラッグストアでは、調剤業務以外にもOTC医薬品を購入に来たお客様と接することができ、処方箋に沿った調剤だけでなく健康全般についての相談を受けることもあります。
人と接することが好きな人は、より一層やりがいを感じられるでしょう。
人気の秘密4. 「休みは意外に取れる」
四つ目の理由は、「休みは意外に取れる」です。
よく、「ドラッグストアでは、薬剤師が休みを取れば店舗が回らないので、休みを取り辛いのでは?」という意見がありますが、これは根も葉もない噂です。
その理由は二つあり、「一人薬剤師の調剤業務付きのドラッグストアは、ほぼ0%」「どうしても手が足りなくなる時のために、ヘルプ専用部隊が本社にある」からです。
特に後者のヘルプ専用部隊は、大手のドラッグストアチェーンではどこでもありますので、休みは取れると安心してください。
3. ドラッグストアへの転職、2つのデメリット
2章の通り、ドラッグストアへの転職は多くのメリットがありますが、一方デメリットもありますので、全ての薬剤師におすすめする訳ではありません。
デメリットだと感じる理由は人それぞれだと思いますが、代表的な2つのケースをご紹介します。
ドラッグストアへの転職、2つのデメリット
- 残業が多い
- 利益を優先するお客様対応
デメリット1. 「残業が多い」
一つ目の理由は、「残業が多い」です。
調剤薬局だと、勤務時間は9〜18時、残業があったとしても1時間程度というのが平均的ですが、ドラッグストアでは9〜20時といった働き方になります。
また、深夜業務があるドラッグストアでは、夜のシフトが組まれる事もあり、業務時間はぐっと伸びるでしょう。
デメリット2. 「利益を優先するお客様対応」
二つ目の理由は、「利益を優先するお客様対応」です。
調剤薬局と違い、ドラッグストアでは主体的にお客様の悩みを聞きOTC医薬品を提案するのですが、ここで「利益を優先するお客様対応」が求められます。
というのも、OTC医薬品は商品によって利益率が違います。ドラッグストアとしては売上と利益が大事なので、利益率の高いOTC医薬品を推奨・販売してもらうに指導され、ノルマを設定する企業もあります。
一般企業で「利益優先」は当たり前の方針ですが、調剤薬局から転職する薬剤師の方で、どうしても利益優先の風土に馴染まないケースもあります。
4. 薬剤師の年収ランキング
2章でもご説明しましたが、ドラッグストアの年収は高い事で有名です。
「初任給は圧倒的に高く、その後の年収も十分に期待できる」というのが現状です。
病院や調剤薬局での年収に不満を感じる方は、転職をおすすめします。
初任給 | 初年収 | その後の年収 | |
調剤薬局 | 22〜30万円 | 350〜400万円 | 450〜700万円 |
ドラッグストア | 25〜35万円 | 350〜450万円 | 500〜800万円 |
病院 | 20〜25万円 | 300〜350万円 | 400〜650万円 |
製薬企業 | 22万円前後 | 300万円前後 | 600〜1200万円 |
4-1. 初任給の違い
薬剤師の初任給は、「ドラッグストア>調剤薬局>製薬企業>病院」の順になっています。
ドラッグストアの年収は、調剤薬局に比べて「薬剤師手当」が月5〜10万円程度支給されるため、割高となっているのです。
4-2. その後の年収の違い
薬剤師の年収は、「製薬企業>ドラッグストア>病院>調剤薬局」の順になっています。
製薬企業は他一般業界と比べても年収が高い事で有名で、長くキャリアを積んだり外資企業に転職したりすると、破格の年収を得る事も可能です。
ドラッグストア薬剤師としての年収は、新卒以降も十分に期待できる額だと言えるでしょう。
特に店長に昇格すると1,000万円以上の年収を得る事も可能です。
4-3. 薬剤師の年収をもっと詳しく知りたい方
参考サイト | |
調剤薬局 | 調剤薬局薬剤師の年収と年収アップのコツ2選 |
ドラッグストア | ドラッグストア薬剤師の年収と年収アップの全ノウハウ |
病院 | 病院薬剤師の年収と年収アップのコツ2選 |
派遣 | 派遣薬剤師の年収と高派遣求人を探すための全知識 |
薬剤師全般 | 薬剤師の年収と年収アップの全ノウハウ |
を参考にしてください。
次章では、ドラックストア薬剤師転職に強い転職サイトを紹介していきます。
5. ドラッグストアに強い転職サイト5選
年収アップ転職で人気のドラッグストアですが、どうすれば希望に近い転職を実現する事ができるのでしょうか?
この章では年収アップし、自分に合ったドラッグストアへの転職を実現するおすすめの転職サイトをご紹介します。
ドラッグストアの募集は一年中ありますが、残業時間・営業ノルマのリアルな実態はWebサイトを見ているだけでは分からず、転職コンサルタントによるサポートが重要です。
転職サイトを選ぶ際に大事な要素は「求人数の多さ」と「転職コンサルタントによるサポート体制」の2点。以下、ドラッグストアへの転職に強いサイトを5つピックアップしました。
求人数・質 | 提案力 | サポート力 | |
薬キャリ | ◎ 4.1 | ◎ 4.3 | ◎ 4.1 |
マイナビ薬剤師 | ◎ 4.2 | ◎ 4.2 | ○ 3.7 |
ファルマスタッフ | ○ 3.9 | ○ 3.8 | ◎ 4.1 |
ファーマキャリア | ◎ 4.2 | △ 3.4 | ◎ 4.1 |
◎ 4.2 | ○ 3.9 | △ 3.4 |
転職エージェントは、担当するキャリアアドバイザーの相性や質が重要ですから、数社登録して面談をしてみて、一番良いと思ったところを活用することをおすすめします。
どこに登録すればいいかわからない方は 、総合評価が高い『薬キャリ』と、ドラッグストア求人数No.1の『リクナビ薬剤師』を同時に登録して、2社とも試しに面談を受けてみるとスムーズに転職活動が進むでしょう。
面談を受けて、最終的に転職をしないことに決めても全く問題ないので、まずは気軽な気持ちで一歩を踏み出してみて下さいね
登録自体は3分程度です。
もちろん完全無料で費用等は一切かかりません。
転職エージェントサービスの各公式ページは下記の通りですので、登録前にご参考ください。
- 薬キャリ:https://agent.m3career.com/
- マイナビ薬剤師:https://pharma.mynavi.jp/
- ファーマキャリア:https://pharmacareer.jp
- ファルマスタッフ:https://www.38-8931.com/
- リクナビ薬剤師:https://rikunabi-yakuzaishi.jp/
5-1. 薬キャリ|スピーディで丁寧な転職サポート
『薬キャリ』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。
また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。
業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。
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当サイトでは薬キャリのコンサルタントにインタビューを行いました!
薬キャリの強みやコロナ禍における薬剤師の転職事情をお話いただいたので、転職を検討している方はぜひご覧ください。
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5-2. マイナビ薬剤師|面談でのサポート力が高い
『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。
マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、6万3,000件以上の求人を掲載しています。
また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。
親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。
全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。
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5-3. ファーマキャリア|希望に沿った好条件求人を提案
『ファーマキャリア』は、オーダーメイド求人が魅力の転職サイトです。あなたの希望に合わせた好条件求人を、キャリアコンサルタントが厳選して提案してくれます。
求人の数よりも質を重視したい方におすすめです。
また、優秀なキャリアコンサルタントが担当してくれる点も特徴的です。
一人ひとりがより満足のいく転職を実現するために、非常に親身なサポートを実施しています。
公式サイト:
→https://pharmacareer.jp
5-4. ファルマスタッフ|総求人No.1 日本調剤グループ
『ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。
調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスであるため、薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。
また、派遣求人の数を業界で最も多く保有している点も特徴です。
さらに、20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力であると言えます。
薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。
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5-5. リクナビ薬剤師|コンサルタントが優秀
『リクナビ薬剤師』は、人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師を専門に扱ったサイトです。
サービスの規模も大きく、数多くの転職実績があります。
ドラッグストアの求人や、高収入の求人が多い点も特徴です。
また「日本一の人材紹介会社」としてのノウハウが豊富であり、特に優秀なコンサルタントがいるという点も大きな強みです。
公式サイト:
→https://rikunabi-yakuzaishi.jp/
さいごに
ドラッグストアの転職について、コツやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
ドラッグストアは「高年収が期待できる」職場ですがデメリットもあります。
ポイントは「転職のデメリットを知る」「ドラッグストアに強い転職サイトに登録する」の2点。
これだけで満足いく転職の可能性をぐっと高める事ができます。
ぜひ、転職成功に向けてトライしてください!
ドラッグストアに強い転職サイト5選
※薬剤師が転職するときの注意点
薬剤師は転職率が高く、「年収アップ」などの理由で転職する人が多い業界ですが、口コミの通り、職場雰囲気の悪さや長時間労働に後悔するケースが多いのも事実です。
『薬剤師の転職で失敗しない!体験談と転職ノウハウの全てを』見て、後悔しない転職を実現してください。
特に初めて転職する人は、職場雰囲気のヒアリングや面接対策などのため、転職エージェントを活用することをおすすめします。
『薬剤師のための転職エージェント全知識|1から理解し徹底活用!』を参考にすると良いでしょう。
転職活動は、将来のキャリアや待遇などに検討すべきことが多く、すぐに決められるものではないので、しっかり考えた上で、次の一歩を踏み出してくださいね。
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。