薬剤師のドラッグストア転職を成功させる全知識|準備からおすすめ転職サイトまで網羅的に解説

ドラッグストア 薬剤師 転職

「薬剤師としてドラッグストアで働くのは大変?」
「激務だったりするのかな…」

と考えていませんか。

ドラッグストアで働く薬剤師は、業務の幅が広く、薬局とは異なる大変さがあります。

しかしドラッグストアはお客様とコミュニケーションが取りやすい、地域貢献している実感を得やすいなどの理由で、薬剤師に人気が高い転職先の一つであることも事実です。

そこでこの記事では、元薬剤師としてドラッグストア勤務経験があり、現在転職コンサルタントの私が、薬剤師のドラッグストア転職について全解説します。

  1. 薬剤師のドラッグストアでの仕事内容【転職前に押さえたい】
  2. 薬剤師がドラッグストア転職する際に求められるスキル
  3. 薬剤師のドラッグ転職を成功させるポイント【準備が重要】
  4. 薬剤師転職に人気の大手ドラッグストア
  5. ドラッグストアが薬剤師の転職先として人気な理由
  6. ドラッグストア薬剤師の大変なところ
  7. ドラッグストア転職が向いている薬剤師はこんな人
  8. ドラッグストアに転職したい薬剤師におすすめする転職サイト

この記事を読めば、薬剤師がドラッグストア転職するうえで知っておくべきことが分かります。

薬剤師500名が選んだ人気の転職サイト

編集部が実施した薬剤師500名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。

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1.薬剤師のドラッグストアでの仕事内容【転職前に押さえたい】

ドラッグストアの施設業態は主に「OTC販売型ドラッグストア」「調剤薬局併設型ドラッグストア」の2種類に分類されます。

OTC販売型ドラッグストア 調剤薬局併設型ドラッグストア
仕事内容 OTCの説明・販売
健康相談
食料品、日用品・生活雑貨の販売
商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち
左のOTC販売型ドラッグストアの業務
調剤業務
服薬指導
薬歴管理
扱う医薬品 第一類医薬品 第一類医薬品
医療用医薬品
調剤の有無 なし あり

上記のように、仕事内容や扱う医薬品がそれぞれ異なります。順番に見ていきましょう。

OTC販売型ドラッグストア|OTC医薬品の販売やレジ打ち・在庫管理

OTC販売型ドラッグストアは、第一類医薬品を中心とした「OTC医薬品の販売」と「健康相談」を主な業務としています。

調剤薬局併設型ドラッグストアとは異なり、調剤業務はありません。

OTCとは

OTCとは英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略語で、対面販売でくすりを買うことを意味しています。

薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買うことができる「要指導医薬品」と「一般用医薬品」はOTC医薬品の一つです。

OTCとは

出典:日本OTC医薬品協会

OTC販売型ドラッグストアでの仕事内容詳細は以下4つです。

  • OTCの説明・販売
  • 健康相談
  • 食料品、日用品・生活雑貨の販売
  • 商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち

このように、「商品の品出しや陳列」「在庫管理」などの様々な業務を行う必要があります。

調剤薬局併設型ドラッグストア|ドラッグストア業務と調剤薬局業務の両方をおこなう

調剤薬局併設型ドラッグストアとは、店内に調剤薬局コーナーを設けているドラッグストアのことです。

調剤薬局併設型ドラッグストア

出典:アカカベ

先述のドラッグストア業務に加えて、調剤薬局としての業務も行う点が大きな特徴です

ドラッグストア
  • OTCの説明・販売
  • 健康相談
  • 食料品、日用品・生活雑貨の販売
  • 商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち
調剤薬局
  • 調剤業務
  • 服薬指導
  • 薬歴管理

調剤併用型ドラッグストアは、通常のドラッグストアと比較して裁量の大きい仕事ができる環境であるため薬剤師としてのスキル向上やキャリアアップにつなげやすいでしょう。

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【薬剤師】ドラッグストアの仕事内容は?年収やメリットデメリットを徹底解説

ドラッグストアと薬局の違い

ドラッグストア(OTC販売ドラッグストア・調剤薬局併設ドラッグストア)と調剤薬局(保険薬局)は、いずれも医薬品を患者さんやお客様に提供する店舗ですが、制度上は異なる業態とされており、扱える医薬品や業務内容などが異なります。

OTC販売ドラッグストア 調剤薬局併設ドラッグストア 調剤薬局(保険薬局)
一般用医薬品
要指導医薬品
医療用医薬品(処方箋が必要) ×
日用品の販売 ×
調剤室の有無 なし あり あり
開設時の都道府県知事からの許可 不要 必要 必要
保険適用 なし あり あり

調剤薬局は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品を扱える唯一の施設ですが、近年では医療用医薬品の調剤以外にもドラッグストアで売っている要指導医薬品や一般用医薬品などを販売する店舗も増え、薬局も多様化しています。

一方でドラッグストアは、調剤室をもたず、医療用医薬品は扱えない点が特徴でしたが、近年では前述した調剤薬局併設型ドラッグストアのような形態も増えてきています。

2.薬剤師がドラッグストア転職する際に求められるスキル

この章では、薬剤師がドラッグストア転職をする際に求められるスキルを紹介します。以下のスキルを身に付けることで、より一層ドラッグストアでの仕事がしやすくなるでしょう。

順番に見ていきましょう。

スキル1.販売スタッフとしての情報収集力

一つ目のスキルは、販売スタッフとしての情報収集力です。ドラッグストアで働く薬剤師は、販売スタッフとしてお客様からの相談に応じることや、医薬品に加え健康食品やサプリメント、日用品など多くの商品について把握しておく必要があります。

特に医薬品に関しては、お客様に違いが分かりにくく「分からなかったら店員さんに聞こう」と考えて来店されるかたも多いため、医薬品の情報は抜かりなく得ておく必要があります。

このように、常に情報収集をし続けることは、販売スタッフとして欠かせない力であると言えます。

スキル2.お客様に最適な商品を提案する力

二つ目のスキルは、お客様に最適な商品を提案する力です。調剤以外で来店されたお客様に対して、ドラッグストア薬剤師はお客様からヒヤリングをおこない、症状や悩みの内容から最適な商品を提案することが求められます。

また、商品を買いに来るお客様の心理として、無意識に他のドラッグストアと比較をしている場合があるため、商品の情報を的確に把握し、お客様に最適な答えを出せる薬剤師は、まさに求められている存在と言えるのです。

このように、お客様に適切な商品提案をおこなうスキルはドラッグストア薬剤師に必須であると言えます。

スキル3.お客様や他職種のスタッフとのコミュニケーション力

三つ目のスキルは、お客様や他職種スタッフとのコミュニケーション力です。

調剤薬局併設型のドラッグストアであっても、業務における接客の比率は高いことが多いため、薬剤師のコミュニケーション力が店舗の売上や評判にも影響しやすいと言えます。

お客様とのコミュニケーションを通じて、必要な商品を提案することはもちろん、短時間のやりとりでも「相談して良かった」と思われるような、価値ある時間を作り出すこととが重要なのです。

また、ドラッグストアには薬剤師以外の販売スタッフや、ビューティーアドバイザー、学生のアルバイトなど、多様な職種の人が働いており、店舗の売上に貢献するためにも、他のスタッフとのコミュニケーションは欠かせないと言えるでしょう。

3.薬剤師のドラッグ転職を成功させるポイント【準備が重要】

本章では、薬剤師転職で失敗しないために「転職活動を始める前」の段階で押さえておくべきポイントを解説します。

実は、薬剤師転職が成功するかどうかは、転職前に8割決まります。この注意点を理解しているかどうかで、転職の成否が左右されるのです。年代・希望職場問わず、全ての薬剤師に共通して言える話なので、ここだけは必ず理解しておきましょう。

ポイント1.転職の軸を明確にする

まずは転職の軸を明確にすることから始めましょう。

転職の軸とは、次の職場を選ぶ上で絶対に譲れない条件(今回の転職で必ず達成したい最優先事項)のことです。

例えば、「年収450万円以上のドラッグストアがいい」「調剤業務の量が多い方がいい」などがあげられます。

この転職の軸がないと、求人を探していても「このドラッグストアいいな…やっぱりこっちもいいかも…」となってしまい、いつの間にか当初の目的とずれてしまうことがあります。

(1).転職の軸は理想の将来像から決める

転職の軸は、「理想の将来像」をベースに決めましょう。

5年後、10年後にどんな働き方をしていたいかという理想を具体的にイメージし、「その理想を達成するには、何が必要か」を明確にしていきます。

(2).今の職場の不満をあげてみるのも有効

転職の軸を明確にするために、今の職場の不満をあげてみるのもおすすめです。そうすると、自分が何を望んでいるのかが分かってきます。

5年後、10年後は「家族との時間を大事にして、今よりゆとりのある生活をしたい」が、今働いている薬局では人手不足で残業がほぼ毎日ある。プライベートも余裕がない。この環境だと続けるのは無理だと感じるので、早いうちに体力的に負担のないドラッグストアに転職しておきたい。

→業務内容や年収よりもワークライフバランスを重視

  • 残業が月10h以下(譲れない条件No1!)
  • 5日以上の連続休暇が取れる
  • 育児・託児・介護支援制度がある

など条件が明確になる

条件が複数あっても問題ありません。ただその際は優先順位をつけて、「譲れない条件No1」だけははっきりと決めておきましょう。

(3).妥協できる点を決めると更に良い

できれば「これは妥協しても良いと思える点」も考えておくと好ましいです。

理想の条件をすべて満たす職場を見つけるのは難易度が高く、転職活動が長引くからです。転職活動が長引くと、次第にモチベーションが下がったり、十分に比較検討せずに焦って内定を承諾してしまったりする可能性があります。

ポイント2.ドラッグストアで働きたい理由を言葉にする

求人探しの前に、「なぜドラッグストアに転職したいのか」を明確にしましょう。

「なぜドラッグストアで働きたいか」をはっきりさせると、転職活動の方向性が見えてきます。

大事なのは「自分がどういう働き方がしたいのか」です。それに合わせて会社・仕事を選べば、転職後に後悔することもなくなります。

また、「なぜ薬局ではなくドラッグストアで働きたいのか」は採用面接で必ずと言っていいほど聞かれますので、早い段階で言語化しておきましょう。

ポイント3.転職活動期間は長期化前提でスケジュールを立てる

転職活動は、ある程度長期化すること前提でスケジュールを立てましょう。具体的には、余裕を持って「半年くらいかかる」と思っておいた方が良いです。

一般的に、転職の期間目安は3ヶ月ほどと言われています。

採用ニーズの高い企業・業界であれば1~2ヶ月で決まることも珍しくありませんが、ドラッグストアは薬局と比べて求人数自体が少ないので、「なかなか希望にぴったりの求人がない」という可能性もあります。

スケジュールを甘く見積もってしまうと、「早く決めなければ」と焦ってしまい、条件を妥協して転職の軸がぶれてしまうことも考えられます。

できるだけ職歴に空白期間を作らないためにも、在職中から少しずつ求人探しを始めておき、次の会社が決まってから退職するという流れがベストです。

ポイント4.転職先は条件以外に「社風」も入念にチェック

求人情報に記載された条件以外に、企業の社風もチェックしておきましょう。

薬局だと、職場ごとの違いはそれほどないかもしれませんが、ドラッグストアで働くとなると社風次第で働きやすさはまるで違います。

そのため、特に応募・面接を受けるタイミングで社風が自分に合うかどうかを見極めることが重要になります。

自分に合うドラッグストアか見極める方法

  • 企業の公式サイトを確認
    特に経営者のメッセージや経営理念など
  • 口コミサイトを見る
    転職会議」や「Open work」など元社員による口コミ投稿
  • 子育てとの両立に対する理解
    子育て世代の社員はどのくらいいるか。最近では時短・時差勤務制度を設けているドラッグストアもある

上記のような視点で、「ドラッグストアの雰囲気が自分に合っているか」を見極めることが重要です。

ただこの辺りはなかなか面接官に聞きづらいこともあると思いますが、その場合は次章で紹介する転職サイトのキャリアアドバイザー(転職活動の支援をしてくれる担当者)に代わりに聞いてもらうこともできます。

ここまでのまとめ

ドラッグストアへの転職ならではのポイントを紹介しました。

  • 転職の軸を明確にする
  • ドラッグストアで働きたい理由を言葉にする
  • 複数の転職サイトを使って求人をできるだけ多く集める
  • 転職活動期間は長期化前提でスケジュールを立てる
  • 転職先は条件以外に「社風」も入念にチェック

では次章から、転職活動の第一歩である求人探しに最適な転職サイト(転職支援サービス)を紹介していきます。

4.薬剤師転職に人気の大手ドラッグストア

この章では、薬剤師転職におすすめの大手ドラッグストアをランキング形式で紹介します。ランキングは、以下の内容を総合的に判断し、決定しました。

ランキング基準

  • 年収の高さ
  • 残業時間数
  • 教育制度の充実度合い

1位.マツモトキヨシ

マツモトキヨシ

マツモトキヨシは、ドラッグストア業界5位、1,717店舗を展開しています。平均年収はドラッグストア業界では高めの703万円で、基本給よりもボーナスが上乗せされることで年収が上がる場合が多いようです。

残業時間も業界内では少なめの30~40時間であるため、給与・ワークライフバランスともにおすすめ度合いはトップランクに入ると言えます。

尚、マツモトキヨシは2021年10月に予定するココカラファイン(売上高7位)との経営統合をおこなう予定です。これにより、経営統合による業務への影響が出ると考えておく方が良いでしょう。

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2位.ツルハドラッグ

ツルハドラッグ

ツルハドラッグは、ドラッグストア業界2位、国内で1番の2.150店舗を展開しています。

平均年収は666万円で、正社員であれば経験や年齢によって年収600万円以上での転職も可能です。給与水準が高い一方、店舗によっては残業時間が40~50時間以上と長い店舗もある点は認識しておく必要があるでしょう。

薬剤師は「調剤部門」と「OTC部門」の2部門に分かれている募集がされている点が特徴です。それぞれSV、薬局長、部長等の管理職、本部スタッフとしてPB商品開発や社員教育など、幅広いキャリアステップが用意されています。

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3位.ウエルシア薬局

ウエルシア薬局

ウエルシア薬局は、調剤薬局併設率が関東のドラッグストアで1位、全国で2,012店舗を展開しており、採用でも調剤業務・OTC販売両方の経験を希望している人を求めています。

「日本一のかかりつけ薬局」を目指しており、地域の身近な医療機関として調剤併設化を推進している点が特徴です。無菌調剤室の設置店舗を増やすことで、より高度な在宅医療にも対応しています。

また、お客様・患者様目線での店舗運営に力を入れており、24時間営業を実施していることから、夜勤が発生する可能性は高いでしょう。

平均年収は約700万円で能力次第で昇給も見込めます。薬剤師としてのキャリアパスが豊富な上に研修制度も充実しているため、薬剤師の業務に力を入れたい方も安心して働くことが出来ます。

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4位.クリエイトSD

クリエイト

クリエイトSDHDは、ドラッグストア業界8位、855店舗を展開する大手ドラッグストアです。

年収は同業他社では低めであり、500万円台での転職が平均的ですが、その後700万円台まで昇給の可能性もあります。

教育体制が充実しており、薬剤師中でも薬剤師としての専門性を極めるコースと、経営マネジメントの方向性に進むコースのいずれかを選べるなど、選択の幅が広いことも特徴と言えるでしょう。

残業はドラッグストア業界では少なめの30時間程度であるため、ワークライフバランス重視して働きたい人にはおすすめの会社です。

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5位.サンドラッグ

サンドラッグ

サンドラッグは、ドラッグストア業界4位、876店舗を展開しています。年収は535万円と同業他社の中では低めですが、年齢・経験次第では年収600万円以上での転職も可能です。

店舗で働くスタッフを、調剤・OTCカウンセリングスタッフと店舗運営スタッフのふたつに分け、専門業務を分担する「1店舗2ライン制」を取り入れており、調剤業務に集中しやすい環境整備がされています。

医薬品のPB商品(プライベートブランド商品)の開発に、現場の薬剤師も参加する点は、他社にはない特徴と言えるでしょう。

繁華街や駅前一等地の店舗も多く、残業時間は40~50時間と他社と比較して長時間労働の傾向があります。

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5.ドラッグストアが薬剤師の転職先として人気な理由

この章では、薬剤師さんの実際の声をもとに、ドラッグストアが薬剤師の転職先として人気な理由をお伝えします。

薬剤師アンケート

ドラッグストア転職をした薬剤師さんの声を集約したところ、その理由は主に以下の5つに分かれました。

早速見ていきましょう。

7-1.お客様とコミュニケーションが取りやすい

お客様とコミュニケーションが取りやすい点は、ドラッグストア転職が人気である大きな理由と言えます。

ドラッグストアはお客様にとって薬局よりも敷居が低い分、距離も近いため、ちょっとした悩みの相談を受けやすく、それにやりがいを感じる薬剤師さんはとても多いです。

薬剤師さんの中には、前回の接客でお客様に顔を覚えていただいたことで、お役に立てている実感を得られているという声も聞かれました。

口コミ・評判

32歳女性(契約社員)
小さいお子さんを連れている親子のお客様がいらした時に、3歳くらいのお子様にお薬を飲みやすくするゼリーを提案したところ、とてもニコニコした笑顔でありがとうといってくださったことにとてもやりがいを感じました。また後日来てくださったのですが、お姉ちゃんが教えてくれたゼリーおいしかったといってくれたのでとても嬉しかったです。

口コミ・評判

30歳男性(契約社員)
お客様と接する機会が多く、会話などをこなしつつ症状をきいたりすることが多い点はドラッグストアならではだと思います。
お薬をご紹介する際も私なりではありますが、症状から効能のあるお薬をお客様に納得した上でご購入して頂けるよう努力し、それに対しての謝辞を頂けることもとてもうれしく感じます。

7-2.地域に貢献できていると感じられる

地域に貢献できていると感じられる点も、薬剤師さんのドラッグストア転職が人気の理由と言えます。

調剤薬局併設型のドラッグストアの場合、調剤薬局としての良さとドラッグストアの良さの両方を活かせるため、お客様のニーズにもれなく応えられるというメリットもあるのです。

他のスタッフとの連携によって、主体的な提案ができれば、医療機関や門前薬局ではすくい上げにくい地域のニーズや細やかな需要にも対応できるでしょう。

口コミ・評判

31歳女性(パート)
ドラッグストア側にも力を入れていて店舗全体が仲がいい環境だったこともあり、前職ではあまり経験できなかったOTC側との連携がやりがいを感じられる部分だった。調剤で受ける相談は大抵ドラッグストア側に必要な商品を置いていたりするし、ドラッグストア側からは調剤の方にお客さんを引き連れてきてくれていて地域医療に貢献できている実感が感じられた。

7-3.薬剤師としての意見が反映されやすい

薬剤師としての意見が反映されやすい点も、薬剤師にドラッグストア転職が人気である理由の一つです。

医師からの処方箋ありきの調剤薬局とは異なり、ドラッグストアは、一般用医薬品を探しに来たお客様の相談にのる場所でもあります。

このため、お話を聞く課程で最適な薬をおすすめするだけでなく、場合によっては医療機関の受診を勧めるなど、調剤薬局よりも薬剤師個人の判断がお客様に反映されやすいと言えます。

そこから、患者さんの健康を支えている実感を得ているという薬剤師さんは多いのです。

口コミ・評判

39歳女性(パート)
能動的に相談に乗れる機会となる。調剤薬局では基本的に医師から処方された薬が記載されている処方箋に基づいて調剤をして患者さんへお渡しする仕事であるが、ドラッグストアは一般のOTCをお探しに来られた方の相談に乗る仕事である。その方のお話を聞いて、OTCで対応できるのか、それとも受診を勧めたほうがいいのか、個人の裁量でアドバイスができる点に魅力を感じている。

7-4.調剤以外の仕事も担当できる

調剤以外の仕事も担当できる点は、ドラッグストア薬剤師として働く魅力の一つと言えます。

ドラッグストアならではの仕事!

  • トレンドや地域性を踏まえた商品の発注
  • 人気商品の陳列やレイアウトの工夫
  • 売り場のポップ作り
  • 目標達成のための売上・在庫管理

これらの仕事は、調剤薬局や病院では携わることができず、ドラッグストア特有の仕事と言えるでしょう。

口コミ・評判

29歳男性(正社員)
現在は管理薬剤師としてドラッグストアの業務運営全般を任されています。スタッフのシフトを組んだり、医薬品の発注・返品・廃棄などの在庫管理をしたりなどと前職ではあまり経験できなかった業務に対してやりがいを感じることができます。患者さんからの要望やクレームなどに対しても先頭に立って対応する機会が多く、責任の重い仕事ではありますが、同時にやりがいもあると思います。

7-5.研修制度が充実している企業が多い

また、大手ドラッグストアの傾向として、薬局などと比べて研修制度が充実している企業が多いです。例えば、薬剤師に人気のマツモトキヨシでは、このような教育カリキュラムが用意されています。

マツキヨ研修

出典:マツモトキヨシ

一般用医薬品についての専門知識を高める研修や、コミュニケーションや接遇研修などをおこなうなど、多くのドラッグストアが積極的なスキルアップを推奨しています。

また、製薬メーカーの担当者が来社して新商品の勉強会の開催や、調剤薬局併設型の店舗向けに、調剤に関する研修が開催されるなど、企業全体で研修をおこなっている点は大きな特徴でしょう。

このように、店舗ごとに大きな差がなく、着実にステップアップすることができるのはドラッグストアに勤務する大きなメリットであると言えます。

6.ドラッグストア薬剤師の大変なところ

この章では、ドラッグストアの大変なところを、実際の薬剤師さんの声をもとにお伝えします。ドラッグストア特有の大変さが多く見受けられました。

ぜひチェックしてみてください。

6-1.調剤以外の仕事が多い

大変なところの一つ目として、調剤以外の仕事が多いことが挙げられます。

先述したとおり、調剤業務以外の仕事に携われることは魅力の一つですが、裏を返せば業務の幅が広いということであり、それがデメリットに感じる薬剤師さんが多くいるのも事実です。

調剤以外の仕事が多いために、調剤薬局勤務の薬剤師とくらべて、医療用医薬品のスキルがつきにくいと感じる人もいます。

このため、調剤のみやりたいという薬剤師さんがドラッグストアで働くことは難しいかもしれません。

口コミ・評判

26歳女性(契約社員)
新卒での入社だったこともあり、職場の先輩の補佐としてお客様(患者様)の応対がメインになっておりました。調剤に関しては、初めての職場ということもあり受付をして案内するだけの淡々とした業務でした。また、ドラッグストアゆえに接客やら陳列レジといった業務もこなしていかなければならなかったこともあり根気のいる職場でした。

口コミ・評判

45歳男性(正社員)
事務員のいない調剤併設ドラッグストアだったので、OTCの対応、保険調剤以外にレセプト請求もしなければいけなかった。また面分業だったため薬が揃わない場合もあり、その時は取り寄せ後に休憩時間や閉店後の時間を使ってお届けしたり郵送手続きをしないといけなかった。時間外労働をなかなか認めてもらえない環境だったため苦労はあった。

6-2.医薬品や商品の種類の多さが負担になりがち

ドラッグストアで働く薬剤師の大変なところの二つ目として、医薬品や商品の種類の多さが負担になりがちである点が挙げられます。

種類だけでなく個数が多く在庫管理が大変であることや、ドリンク類などの商品の陳列が重労働であるなど、商品が多いドラッグストアならではの大変さが聞かれました。

また、売上を上げる観点での店舗作りに時間がかかるなど、商品数の多さが労働時間に影響を及ぼす場合もあるようです。

口コミ・評判

32歳女性(パート)
医薬品の販売というドラッグストアではよくある業務内容をしています。医薬品一つ一つの在庫管理が一番大変な仕事です。数が多い上に間違える訳にはいかない商品であるためチェック時は集中して行っています。

口コミ・評判

26歳男性(正社員)
ドラッグストアでのOTC業務は、ドリンクの品出しなど重いの物を運ぶ作業が大変です。特に、特売日などはドリンクを売り場に山のように積み上げる必要があったため女性や高齢のスタッフには辛い内容と思います。ドリンクは1ケースに瓶50本入りなどが多く、ケース当たりの重量は10kgを超えるものが多いです。

口コミ・評判

28歳女性(フリーランス)
商品の棚替えが一番大変です。どの商品をどのように並べるかを考えるのにまずかなりの時間がかかります。売れ筋を見やすい場所に置き、関連商品を近くに置いて…フェイスを調整して…とやっていると数日はかかります。その上棚替えの時間を勤務中に貰えないので、毎回早めにきて作業を始めるか、勤務が終わってから残ってやることが多いです。

6-3.会社の売上や利益を意識し続けなくてはならない

会社の売上や利益を意識し続けなくてはならないことも、ドラッグストアに勤務する薬剤師の大変なところの一つです。

企業によって濃淡があるものの、ドラッグストアは調剤薬局よりも売上を求められることは間違いありません。ただ、会社によっては、薬剤師としてのスキルアップよりも、売上を上げることを優先する場合もあり、大変だと感じるかたも多いです。

薬剤師がドラッグストアで働く場合、企業や店舗の方針によっては、薬剤師としてのスキルよりも売上や店舗運営のスキルを重要視される場合があることは、念頭に置いておく必要があるでしょう。

口コミ・評判

28歳男性(正社員)
薬剤師としてのスキル向上はにのつぎで、会社全体としての売り上げを常に意識し、研修会などが開催されています。
また自社ブランドのオリジナル商品があり積極的に買ってもらうよう接客の研修が行われ、薬剤師として疑問を感じることも多いです。
また毎日日報を書き、上司へ提出することが義務付けられ、仕事が終わり家に帰っても日報を書くばかりで、薬の勉強をする時間がうまく取れないことが悩みです。

口コミ・評判

36歳女性(正社員)
店舗では多くの種類の商品を仕入れて販売するが、自分の仕入れ数の判断が間違えていれば、在庫が減らないため責任を感じる。販売責任を負うことがつらいです。

6-4.仕事中心の生活になりがち

ドラッグストア薬剤師の大変なところとして、仕事中心の生活になりがちであることが挙げられます。

近年では改善されている企業も多いですが、ドラッグストアは人手不足などの理由により長時間労働になりやすく、特に正社員の場合はパートさんのシフトが足りないところに出勤しなければならないなど、融通がきかないと感じるかたも多いです。

また、店舗の仕事をしながら売上の管理なども担当している場合、そもそも時間が足りずに残業が増えるということもあるため、入社前に残業時間などについて情報収集をすることがおすすめです。

口コミ・評判

25歳女性(正社員)
ドラッグストアということもあり長い時間働いていないといけない空気があります。勉強する時間の確保もできず、自分のスキルアップができないことも悩みです。

口コミ・評判

30歳女性(正社員)
主人が平日勤務の一般的なサラリーマンの働き方だったのに対してドラッグストア系調剤薬局は平日は夜遅くまで、土日もシフトが入り家庭とのバランスが取れない。シフトも他のパートさんたちのお子さんの熱などのイレギュラーな休暇に対応しなければならずプライベートの予定も立たなくてストレスフルです。

7.ドラッグストア転職が向いている薬剤師はこんな人

この章では、ドラッグストア転職が向いている薬剤師さんがどのような人か、紹介します。以下に当てはまるかたは、ドラッグストア転職をおすすめできると言えるでしょう。

順番にご紹介します。

7-1.高年収を得たい

薬剤師として高年収を得たい人は、ドラッグストア転職が向いていると言えます。

なぜなら、調剤薬局併設型のドラッグストアは調剤薬局や通常のドラッグストアとは異なり、薬剤師手当が支給されることで年収が高くなりやすいからです。

厚生労働省の調査によると、ドラッグストア薬剤師は初任給の時点から薬局や病院薬剤師の初任給よりも高給であることも分かります。

初任給 ドラッグストア 薬局 病院
18万円超~22万円 3.4% 1.9% 41.6%
22万円超~26万円 5.4% 29.1% 49.4%
26万円超~30万円 24.4% 36.2% 7.3%
30万円超~ 66.1% 32.6% 1.3%

出典:厚生労働省

調剤薬局併設型のドラッグストアは、調剤業務ができる薬剤師が在籍していなければ運営ができないため、高待遇で薬剤師の人材を確保しておく企業が多いと考えられます。

また、調剤薬局併設型の大手ドラッグストアは、店舗数が多く、エリアマネージャーなどの管理職に昇進できる可能性も高いため、高年収を得やすくなるでしょう。

7-2.医薬品を含む商品の知識を深めたい

医薬品などの商品知識を深めたい薬剤師さんも、ドラッグストア転職が向いていると言えます。

ドラッグストアでは、多くの一般用医薬品、要指導医薬品、サプリメントなどの健康食品を取り扱っていることに加えて、調剤薬局併設型のドラッグストアの場合、医療用医薬品も扱います。

ドラッグストアには、さまざまな悩みを持つお客様が来店するため、処方箋からの情報がある調剤薬局とは異なり、来店されたかたの目的や症状、状態に合った薬や商品を提供する必要があるのです。

このため、医薬品に加えて、サプリメントや健康食品などドラッグストアで扱う商品の情報を常に最新にアップデートし、相互作用や禁忌も含めて勉強を続ける熱意があるかたに、ドラッグストアでの仕事が最適であると言えるでしょう。

7-3.地域医療に貢献したい

地域医療に貢献したいというかたも、ドラッグストア転職が向いていると言えます。

ドラッグストアで働く薬剤師は、調剤薬局よりも顧客との距離が近く、地域のお客様からの相談を受けることはしばしばあります。

「病院に行くほどではないが、体調が悪いため風邪薬がほしい」「家族の体調に気になる点があり、どうしたらよいか」など、なにかしらの悩みを解消するために来店するかたもとても多いのです。

自分の判断や対応が地域のかたに反映しやすい点が特徴であり、ドラッグストアという業態だからこそ、調剤薬局では拾い上げることができない、細やかな応対が可能と言えるでしょう。

7-4.テキパキと応対する力がある

テキパキと応対する力がある薬剤師さんも、ドラッグストア転職が向いていると言えます。

調剤薬局や病院薬剤師とくらべると、ドラッグストアは取扱商品や対応業務範囲が広い点が特徴です。また、業務において接客の割合が高く、全ての年齢と健康レベルのお客様の対応をしなくてはなりません。

さらに、1人ひとり丁寧に向き合って顧客対応がしやすい調剤薬局に対して、ドラッグストアでは短い時間で顧客対応をおこない、瞬時にその背景や状態を見極めながら接客する必要があります。

ときには、調剤をしている際に話しかけられるなど、集中したい業務をしている際にお客様から話しかけられることもあるため、複数の業務を並行して処理し、スピード感を持って対応できる人にドラッグストア転職はおすすめです。

8.ドラッグストアに転職したい薬剤師におすすめする転職サイト

この章では、ドラッグストアに転職したい薬剤師におすすめする転職サイトを紹介します。

数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い薬剤師向け転職サイト」をピックアップしました。

転職サイト選定基準

  1. 求人の数
    …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
  2. 利用者満足度(提案&サポート力)
    …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアコンサルタントに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる

利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。

転職サイト 求人数|総合満足度
1位.
薬キャリエージェント
約60,000件|◎4.3
薬剤師さんからの利用満足度No1(※エムスリーキャリア調べ)の転職サイト。求人の質の高さや、丁寧なキャリアヒアリングが高評価
2位.
ファルマスタッフ
約51,000件|○3.9
調剤薬局の求人数・量ともに業界トップクラスの転職サイト。20年以上に渡る転職支援実績があり、サポート力も高い
3位.
マイナビ薬剤師
約46,000件|○3.8
マイナビグループのネットワークを活かした圧倒的な求人数が魅力の転職サイト。地方在住の方もおすすめ

※求人数:2024年5月7日更新

※この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『薬剤師500人が選ぶ転職サイトおすすめ比較!口コミ評判&求人数ランキング』を参考にしてください。

1位.薬キャリ | 総合満足度No1、実績豊富で利用者満足度95%(※エムスリーキャリア調べ)

薬キャリ

『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)

運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。

また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。

業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。

公式サイト:
https://agent.m3career.com/

2位.ファルマスタッフ | 調剤薬局と派遣の求人が豊富

ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。

20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。

薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。

公式サイト:
https://www.38-8931.com/

3位.マイナビ薬剤師 | 親身なサポート体制に高評価

マイナビ薬剤師

※マイナビのプロモーションを含みます。

『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。

マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています

また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。

親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。

公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/

※マイナビのプロモーションを含みます。

さいごに

薬剤師のドラッグストア転職について解説しました。

ドラッグストア薬剤師は、業務の幅が広く、勤務先によっては労働時間が長いなどの大変さがあるものの、お客様との距離が近く、地域貢献している実感が得やすいなどの理由で人気があることも事実です。

このため、薬剤師としてドラッグストアに転職を考えているという方は、薬キャリエージェント』や『ファルマスタッフ』などの薬剤師専用の転職サイトにぜひ相談してみてください。

転職サイトへの登録・相談は無料です。自分に合う求人や担当者を見つけるためにも、2~3社を併用することがおすすめです。

あなたが理想のキャリアを実現されることを祈っています。