ひと目で分かる調剤薬局薬剤師の年収と年収アップのコツ2選

調剤薬局 年収

調剤薬局の薬剤師として働くにあたって、「正直、年収はどのくらいなの?」と悩んでいませんか?

薬剤師の働き口には調剤薬局・病院・ドラッグストアなどがありますが年収は様々ですし、働く調剤薬局によっても年収は変わります。また、実は年収をアップさせるための簡単な方法も存在します。

このページでは、転職コンサルタントとして数多くの薬剤師転職をアドバイスしてきた知見と経験をもとに、調剤薬局の年収についてご紹介します。

  1. 薬剤師の年収ランキング
  2. 調剤薬局薬剤師の年収が低い理由は「離職率が低いから」
  3. 規模別、調剤薬局の年収は?
  4. 地域別、調剤薬局の年収は?
  5. 調剤薬局薬剤師の年収の上げ方

このページを読めば、調剤薬局での薬剤師の働き方と年収について理解ができ、「本当に調剤薬局で働くべきか」「年収を求めるならどのような就職・転職活動をすればいいか」がわかるでしょう。

<2019年3月:最新情報>

3月は、転職活動を開始するには最高のタイミングです。大手から中小まで、多くの調剤薬局・病院、企業が募集しており、最も選択肢が広がる貴重な時期です。

一方で、多くの求職者が動く時期でもあるため、人気の求人は短期間で定員に達してしまう場合があります。良い求人を確実に手に入れるために、可能な限り早いタイミングで転職活動を開始すべきです。

そのため、以下の簡単なステップで早めに転職を開始しましょう。

  1. このページを見ながら、複数の転職サイト(『薬キャリ』『マイナビ薬剤師』など)に登録する
  2. それぞれの担当者から連絡が来たら、面談または電話で簡単に状況を伝えアドバイスをもらう
  3. 一番相性の良さそうな担当者だったところで、本格的にサポートを受ける

※3月は求職者数が多く、転職エージェントの担当者は、より多くの人のサポートを行います。登録後、転職エージェントからの連絡に可能な限り細目に対応することがポイントです。そうすることで、優先的に良い求人を紹介してもらえる可能性が劇的に上がり、転職活動を円滑に進められるでしょう。


1. 薬剤師の年収ランキング

薬剤師の年収は平均553万円と言われていますが、調剤薬局薬剤師の年収はどの程度だと思いますか?

薬剤師の就職先として最もポピュラーで、多くの薬剤師が働いている調剤薬局ですが、結論から申し上げると「調剤薬局薬剤師の年収は、他の薬剤師と比べると低い」のが現状です。

初任給は悪くありませんが、その後の年収伸びが見込まれず、金銭的メリットを重要視される人は、調剤薬局以外への転職を検討されると良いでしょう。

  初任給 初年収 その後の年収
 調剤薬局 22〜30万円 350〜400万円 450〜700万円
 ドラッグストア 25〜35万円 350〜450万円 500〜800万円
 病院 20〜25万円 300〜350万円 400〜650万円
 製薬企業 22万円前後 300万円前後 600〜1200万円

1-1. 初任給の違い

薬剤師の初任給は、「ドラッグストア>調剤薬局>製薬企業>病院」の順になっています。ドラッグストアの年収は、調剤薬局に比べて「薬剤師手当」が月5〜10万円程度支給されるため、割高となっています。

調剤薬局薬剤師としての初任給は低くなく、大学を卒業した新社会人にとっては、金銭面だと悪く無い勤め先だと感じられると思います。

1-2. その後の年収の違い

薬剤師の年収は、「製薬企業>ドラッグストア>調剤薬局>病院」の順になっています。製薬企業は他一般業界と比べても年種が高い事で有名で、長くキャリアを積んだり外資企業に転職したりすると、破格の年収を得る事も可能です。

調剤薬局薬剤師としての年収は、新卒入社時点から大きな上昇は見込めません。特に管理薬剤師などの役職に付くことがなければ、残念ながら、ほぼ新卒入社と変わらないような年収が続く状況が続いています。

1-3. 薬剤師の年収をもっと詳しく知りたい方は…

 参考サイト
 調剤薬局調剤薬局薬剤師の年収と年収アップのコツ2選
 ドラッグストアドラッグストア薬剤師の年収と年収アップの全ノウハウ
 病院病院薬剤師の年収と年収アップのコツ2選
 派遣派遣薬剤師の年収と高派遣求人を探すための全知識
 薬剤師全般薬剤師の年収と年収アップの全ノウハウ

を参考にしてください。

2. 調剤薬局薬剤師の年収が低い理由は「離職率が低いから」

このように、調剤薬局薬剤師の年収は、初任給こそある程度見込めるものの、その後のキャリアでは低く留まってしまう状況にあります。では、なぜ調剤薬局薬剤師の年収は低いのでしょうか?

結論から申し上げますと、「調剤薬局薬剤師の離職率が低い」事が一番の理由です。離職率が低いと年収を上げて離職を防いだり、新たに転職採用したりする必要が無くなってしまうのです。

調剤薬局薬剤師の離職率が低い理由

  • 働きやすい環境
  • 転勤・異動・復職が容易
  • 薬剤師自身の安定志向

2-1. 「働きやすい環境」

何と言っても、調剤薬局は働きやすいですね。休みも取りやすいし、福利厚生も充実していますよ。

一つ目の理由は、働きやすい環境です。

もちろん調剤薬局によりますが、門前薬局であれば完全週休2日制、残業ナシも珍しくありません。調剤薬局は特に女性薬剤師から人気ですので、育児休暇や産休・育休などの福利厚生は極めて充実しています。女性薬剤師の定着率を高めようと「生理休暇」といった様々な福利厚生をつける調剤薬局も増えました。

ある程度の期間働く事で、勤続手当を支給する調剤薬局もあります。子育てママ薬剤師が長く働くには、最適な職業と言えるかもしれません。

2-2. 「転勤・異動・復職が容易」

旦那の転勤で辞めようと考えていましたが、転勤先近くの薬局への転勤をすぐにOKしてくれました。

二つ目の理由は、転勤・異動・復職が容易です。

ある程度の規模の調剤薬局であれば、薬剤師の希望する場所での仕事ができるように便宜を図ってくれるようです。特に既婚女性で働いている方は、旦那の転勤で仕事を辞めざるを得ないケースがありますが、店舗異動しやすいように制度を整えている調剤薬局がほとんどです。

この制度があるので、例えば結婚や家の事情だけでなく「狭い人間関係に疲れてしまった」「嫌な同僚や上司がいる」といったケースでも、辞める事なく別の地域や店舗に異動する事ができ、結果的に離職率が下がるのです。

2-3. 「薬剤師自身の安定志向」

確かに年収は上がりませんが、仕事にも慣れたので、あえて転職したいとは思いません。

三つ目の理由は、薬剤師自身の安定志向です。

例えば、先生・医者・弁護士・看護師といった「資格を必要とする仕事」に就職する人は、安定志向が強いと言われています。資格を持たないと仕事ができないため、全員とは言いませんが「長く安定的に働ける」事をメリットとして勉強・就職するケースが大半です。

調剤薬局の薬剤師は、上記理由も相まって「特に安定志向が強い人」が多く就職しています。製薬会社や病院薬剤師といった激務な一方でやりがいに溢れる職場でなく、年収が多少低くとしても「働きやすい環境」「転勤・異動が容易」である調剤薬局を選ぶ薬剤師が多いのです。

上記のような構造上、調剤薬局での薬剤師年収が他職種と比べて低く止まる事はビジネスの構造上仕方なく、また今後も続くといって間違いないでしょう。

3. 規模別、調剤薬局の年収は?

次に、調剤薬局薬剤師の年収を、もう少し詳しく見ていきましょう。3章では、大手調剤薬局の年収についてご説明します。

3-1. 大手調剤薬局の年収は?

従業員1000人以上 : 545万円

従業員100〜999人 : 483万円

従業員1〜99人 : 588万円

一般的に、製薬会社やメーカーなど多くの業界では、従業員数が多くなればなるほど年収が高くなる傾向にあります。これは大手企業の方が「業績が良い」「より優秀な人材を採用したいニーズがある」ので、高い年収を支払ってでも優秀な中途採用者を採用したいというニーズがあるからです。

一方で、調剤薬局業界では傾向が違い、「中小企業の方が年収が高い」という状況にあります。この傾向はとても稀なケースで、調剤薬局業界の特殊性を表していると言えるでしょう。

3-2. 大手調剤薬局が中小に比べて年収が低い理由2選

「中小調剤薬局の経営状態が良い」

調剤薬局は他業界と比較して、極めて中小企業が多い事で有名です。薬局数はコンビニより多いと言われている一方で、ほぼ4社が独占しているコンビニ業界と違い、調剤薬局業界は多くの中小企業が頑張っています。中小の調剤薬局でも十分な経営状態を続けていける証拠と言えるでしょう。

ただ、近年調剤薬局でもM&Aによる大型化・寡占化が進んでおり、経営状態の芳しくない中小調剤薬局が淘汰されていく時代を迎えるかもしれません。

「大手調剤薬局は、薬剤師採用で質よりも数を求めている」

2つ目の理由は「質よりも数」を求める大手調剤薬局の採用姿勢です。上記の通り大企業は、より優秀な人材を採用したいニーズがある事が一般的ですが、調剤薬局では店舗に配属するために絶対的な薬剤師の数が必要であり、「優秀な薬剤師を採用するより、多数の薬剤師を採用する」事を重視しています。

結果的に、「年収がある程度低くても大手で勤めたい」という薬剤師が転職する事になり、年収が低く抑えられているのです。

4. 地域別、調剤薬局の年収は?

4章では、地域別調剤薬局の年収についてご説明します。

4-1. 都市部調剤薬局の年収は?

県別薬剤師年収

1位:静岡県 660万円

2位:群馬県 613万円

3位:広島県・山口県 609万円

5位:熊本県 600万円

※参考:薬キャリPlus

一般的に多くの業界では、都市部になればなるほど年収が上がる傾向にあります。実際に厚生労働省が出している県別平均年収は「東京都」「神奈川県」「愛知県」「京都府」「大阪府」の順になっています。これは都市部企業の方が「仕事が多く人材難である」「物価が高く賃金も高くならざるを得ない」事が影響しています。

一方で、調剤薬局業界では傾向が違い、「地方の方が年収が高い」という状況にあります。この傾向はとても稀なケースで、調剤薬局業界の特殊性を表していると言えるでしょう。

4-2. 都市部調剤薬局の年収が低い理由2選

「地方の高齢化が進んでいる」

1つ目の理由は「地方の高齢化」です。日本全体で高齢化が進んでいますが特に地方では進んでおり、結果として医療産業が拡大に従って調剤薬局の数も増えています。一方、若手人口は減る一方で薬剤師自体の数も多くありません。結果として調剤薬局と薬剤師の間に需給ギャップが生まれ、地方では年収を高く設定して薬剤師を採用するのです。

「薬学部のある大学が多い」

2つ目の理由は「薬学部のある大学数」です。薬学部の開設には、国の厳しい許可と研究機関・研究所の設立が必要で、ある程度の資金がある大学でないと開設できません。地方私立大学は「文系学部」のみを開設するところも多く、薬学部のある大学は都市部に集中しています。

結果、都市部に勤める薬剤師が多く輩出される事になり、需給バランスから都市部の調剤薬局年収が抑えられる傾向にあるのです。

5. 調剤薬局薬剤師の年収の上げ方

それでは、調剤薬局薬剤師として年収をあげるには、どんな方法があるのでしょうか?以下、2点の方法を検討する事をおすすめします。

4-1. 「管理薬剤師」などの役職経験を経た後に転職する

一つ目の方法は、「管理薬剤師」などの役職経験を得た後に転職するという正攻法です。

3章で、大手調剤薬局は「質よりも数重視な」年収を抑えた採用をするとお伝えしましたが、あくまでもヒラとしての薬剤師に当てはまる傾向です。「管理薬剤師」などの役職経験を経た薬剤師はしっかりと優遇され、高待遇で採用されるケースも散見されます。

もし、この記事をご覧になっている薬剤師の方が「ヒラ薬剤師」であれば、一刻も早く管理薬剤師としての役割を任せてもらえるように頑張りましょう。一度、管理薬剤師としての経験を積んだ後に転職すれば、グッと高待遇での薬剤師キャリアを積む事ができますよ。

4-2. 地方で少規模な「穴場」調剤薬局を探す

「管理薬剤師になるのが待てない」「今すぐ年収をあげたい!」と感じる人におすすめなコースが、地方×小規模で年収のよい「穴場」調剤薬局を探す事です。3・4章で申し上げた通り、「大手・都市部」調剤薬局では年収が低く抑えられる傾向にありますが、その逆をいく選択を考えましょう。つまり、「地方」×「小規模」という不人気な調剤薬局を探すのです。

年収が高い調剤薬局の傾向

  • 3大都市圏以外の地方
  • 薬学部のある大学が近くにない
  • 小規模 店舗数は5店舗以下

薬局業界はM&Aなどで統廃合が進んでいるとはいえ、老人人口が増える一方の日本において医療は成長産業だと言われています。小規模調剤薬局と言えども、10年程度での大幅なリストラは考え難いでしょう。逆に大手調剤薬局と合併する事があれば、同年収で大手調剤薬局に勤める事になるかもしれません。

ただし、中小調剤薬局のデメリットは「店舗異動ができない」点にあります。「人間関係がよくない」「旦那の都合で転勤になった」などで転職せざるを得ないケースも出てくるでしょう。基本的に薬剤師は売り手市場で転職しやすいので、しっかり転職サイトなどを活用しながら次の職場を探すようにしてくださいね。

「穴場」調剤薬局を探したい人は、薬剤師必見!調剤薬局への転職で絶対後悔しないための全知識を参考にして下さい。

さいごに

調剤薬局薬剤師の年収について、コツやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

お伝えした通り、調剤薬局は初任給こそ高いものの、その後の昇給が見込めず生涯年収は低く抑えられています。

年収を上げるポイントは「管理薬剤師などの役職経験を経た後に転職する」「地方で小規模な穴場調剤薬局を探す」の2点。これだけで調剤薬局薬剤師としての年収をアップさせる事ができます。ぜひ、転職成功に向けてトライしてみる事をおすすめします!

※薬局薬剤師として転職する際のポイント

調剤薬局は薬剤師の勤め先として最もメジャーですが、「年収が想定以上に上がらない」「職場の雰囲気が悪すぎる」と転職を後悔する人も多くいます。ベテラン薬剤師の方でも薬剤師必見!調剤薬局への転職で絶対後悔しないための全知識を参考にして、転職エージェントを活用することをおすすめします。

ただ、調剤薬局で働いている限り、年収の大幅アップは見込めません。高年収を狙った転職を検討される方は、薬剤師が高年収で転職するために必要な全知識を参考にしてください。

転職活動は、将来のキャリアや待遇などに悩み、すぐに決められるものではありません。しっかり考えた上で、次の一歩を踏み出してくださいね。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。