
転職エージェントは掛け持ちで利用したほうがいいの?その場合どこを選べばいいの?と思っていませんか。
結論から言うと、転職エージェントは掛け持ちするのが基本ですが、その際にエージェント選びに失敗してしまうと逆に大きな足でまといとなってしまい、転職サイトから自分で応募すれば通ったはずの企業にも落ちるといった失敗につながります。
このページでは、現役キャリアコンサルタントの経験から、転職エージェントを掛け持ちする上で必要な全ての知識を下記の流れで説明します。
全て読めば、転職エージェントを掛け持ちして成功するための全てがわかり、最大限効率的に転職を成功させることができるでしょう。
1. 掛け持ちする3つのメリット
掛け持ちするメリットは下記3点です。
- 最適なキャリアコンサルタントを選べる
- 用途によってエージェントを使い分けられる
- 独占案件をカバーできる
それぞれ解説していきます。
1-1. 最適なキャリアコンサルタントを選べる
転職活動でエージェントを活用する場合にとにかく重要なのは、どこの転職エージェント会社を選ぶかではなく、いかに優秀なキャリアコンサルタントに担当してもらうかです。
1社にしか登録せず転職活動を進めてしまう場合、あなたが知らない間に優秀ではないキャリアコンサルタントに身を任せてしまっている可能性があります。
そのため、最初の登録で最低でも3社以上に登録して実際に面談を行った上で最適なキャリアコンサルタントを見つけ出しましょう。(選び方については3章で解説します。)
1-2. 用途によってエージェントを使い分けられる
掛け持ちする2つ目のメリットとしては、求人量・業界知識・面接対策・職務経歴書添削など、それぞれのエージェントの得意とするサービスを同時に受けることができる点です。
例えば、それぞれのサービスごとに一般的に強いと言われるエージェントは下記の通りです。
エージェント名 | |
求人の質・量 | リクルートエージェント・doda・キャリアカーバー |
面接・職務経歴書 | パソナキャリア・キャリアカーバー(ハイキャリア向け) |
業界専門知識 | リクルートエージェント・その他業界特化型エージェント |
ただし、これらのサービスの質についても担当したキャリアコンサルタントの質に依存しますから、複数登録して「この人は面接対策には詳しそうだから利用しよう」など、上手く活用しましょう。
要するに「1社だけだと受けきれないサービスを他でカバーする」ということです。
1-3. 独占案件をカバーできる
3つ目のメリットとして、それぞれの転職エージェントには、そのエージェントでしか取り扱っていない「独占案件」が存在しているため、掛け持ちすることでより多くの案件に応募することができます。
独占案件とは:
企業戦略上あまり表にしたくない稀少度の高い好条件の求人です。「いきなり新規プロジェクトの技術担当がいなくなったから、年収はいくらでも出すからすぐにでも来て欲しい。しかし競合に動きを察知されたくないから得意先のエージェントにだけにこっそり頼むとしよう」このように発生する案件なので、条件も仕事内容も良い場合が多いです。
緊急性が高い案件の場合が多いため、企業側は少しでも登録者数の多い転職エージェントに依頼しようとするため、独占案件はTOP3社に集中しているケースが多いです。
特にハイキャリア層の方や、専門職の方は年収・キャリアアップにつながる案件が多いですから、妥協せずに独占案件を探すことをおすすめします。
2. 絶対にしてはならない2つの注意点
転職エージェントを掛け持ちする場合には2つだけ注意するべきポイントがあります。
- 掛け持ちしていることを隠さない
- 同じ求人には絶対に複数のエージェントから応募しない
2-1. 掛け持ちしていることを隠さない
よくある質問ですが、掛け持ちしていることはしっかりと伝えるべきで、理由は下記2点です。
- 隠してしまうと、つじつまが合わず意思疎通ができなくなるケースが多い
- 案件が他社エージェントと被らないようにするため
掛け持ちしていることを隠している時に、「この案件、おすすめです!」とエージェントに言われて、「(ああ、この案件は他社エージェントで進んでる…)」となると、断る理由が見つかりませんよね。
そこでてきとうな理由を言って案件紹介を断ると、「この人はこういう案件は好まないんだな。」となってしまい、次回以降同じような好条件の案件も紹介されなくなってしまいます。
他社と案件が被らないように効率よく進めるために、あらかじめ掛け持ちしていることは伝えましょう。
2-2. 同じ求人には絶対に複数のエージェントから応募しない
これは、掛け持ちしていることを隠している場合に起こってしまうことですが、同じ求人には複数のエージェントからは応募しないようにしてください。
これをしてしまうと、最終的にどちらのエージェントで進めるかあなたが選ばなければならないのですが、これをされるとエージェントは企業と掛け合ったり場合によっては他社エージェントとかけあわなければならないため、大きな揉め事につながります。
エージェントに対しても、企業に対しても悪い印象を与えるため、同じ求人に複数のエージェントを通して応募することはやめましょう。
3. 転職エージェントの選び方
転職エージェントの選び方は非常にシンプルで「多くのキャリアコンサルタントと効率よく接触し、その中から最適な担当者を選ぶ」で、具体的には次の3STEPです。
- Step1. 大手総合転職エージェントに2社以上登録する
- Step2. 業界特化型転職エージェントに1社〜2社登録する
- Step3. 自分と合う担当コンサルタントにしぼる
※上記の3Stepについても面倒と感じる方は『リクルートエージェント』『キャリアカーバー』『doda』『パソナキャリア』といった大手エージェントに片っ端から登録しましょう。
Step1. 大手総合転職エージェントに2社以上登録する
転職エージェントは、業界を横断して大量の案件を持つ『総合転職エージェント』と、業界や対象とする層を絞って専門的に案件を持つ『特化型転職エージェント』の2つにわけられます。
それぞれのタイプでメリット・デメリットがそれぞれ異なるので、合計3社は登録するようにしましょう。
総合転職エージェントのメリット・デメリット
- ◯ 業界を横断して大量の案件を保有(最大10万件以上)
- ◯ 今あなたがいる業界外の可能性を提案してくれる
- × 業界特有の知識には弱い傾向にある
特化型転職エージェントのメリット・デメリット
- ◯ 業界出身のコンサルタントが多く、知識が豊富
- ◯ 業界特有の面接対策を提供してくれる
- × 特化型エージェントは中小企業が多く、案件数は少ない(100件〜)
- × 案件が少ないため、手持ちの案件を押し付けられてしまう場合がある
総合転職エージェントの選び方
総合転職エージェントの選び方はシンプルで、あなたの年収にあわせて2社以上を選びましょう。
数あるエージェントの中から評判がよく、実際のサービスのクオリティーの高い5社を厳選し、分類しました。他にも優良エージェントはありますが、まずは下記5社からおすすめします。
500万円未満 | 〜800万円 | 〜1200万円 | 1200万円以上 | |
リクルートエージェント | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
キャリアカーバー | △ | ◎ | ◎ | ◯ |
doda | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
パソナキャリア | ◎ | ◯ | △ | △ |
マイナビエージェント | ◯ | △ | △ | △ |
どこに登録すればいいかわからない方は、まずは比較的万人におすすめ出来る『リクルートエージェント』・『doda』『パソナキャリア』の3社に登録して、面談を受けてみることをおすすめします。
Step2. 業界特化型転職エージェントに1社〜2社登録する
業界特化型エージェントは、業界の経験者が在籍するケースが多く、情報収集や面接対策には大変効果があります。
その一方で、保有案件がどうしても少ないため、最終的には総合転職エージェントで転職するケースが多いため、うまく情報収集のために活用することをおすすめします。
特化型転職エージェントの選び方
特化型転職エージェントは、あなたが転職したい業界や条件で選びましょう。
担当のキャリアコンサルタントが業界出身者であったり、知識面でも頼りになりますので相談をするだけでも利用をおすすめします。
各業界別に、特におすすめな1社を厳選してまとめました。さらに詳細を知りたい方は表内「業界別解説サイト」をご参考ください。
他にも特化型エージェントは多数存在しますが、あまりに規模が小さいと、保有案件も限られ、またサービスの質が低い傾向にあるため、参考程度に活用しましょう。
Step3. 自分と合う担当コンサルタントにしぼる
担当コンサルタントの絞り方は非常にシンプルで、下記2点です。
- 同時に3社以上に登録し、来社し面談を行う
- キャリアコンサルタントの質を見極める
- 最後に1~2社程度に絞り、転職活動を行う
それぞれ簡単に説明します。
(1) 同時に3社以上に登録し、来社し面談を行う
登録後電話が来るケースが多いと思いますが、この時は電話専門担当員の可能性が高いため、ここでは判断せずに一度キャリアコンサルタントと面談を行ってから判断しましょう。
(2) キャリアコンサルタントの質を見極める。
優良なキャリアコンサルタントの4つの条件と、最悪なキャリアコンサルタント5の条件を参考にしながら見極めましょう。
優良なキャリアコンサルタントの4つの条件
- 求人を紹介するだけでなく、あなたのキャリア相談にのってくれる
- あなたが志望する業界に精通している
- 企業へあなたを売り込む営業スキルがある
- 所属するエージェントの質が高く、良質な求人案件を持っている
最悪なキャリアコンサルタントの5つの条件
- 初回面談で特にヒアリングもせず求人を紹介してくる
- 内定が出やすい求人ばかり紹介してくる
- ただひたすら大量の案件を紹介してくる
- 対応が遅く、連絡が不定期
- 求人・仕事内容に対して知識が浅い
(3) 最後に1~2社程度に絞り、転職活動を行う
転職活動の一つの目安として3ヶ月ということが業界内では言われます。最初の登録から2週間以内にメインで活用するエージェントを決めて転職活動をすすめましょう。
以上を全て守れば、転職エージェントの選び方は万全です。
4. 最大限活用するための8つのテクニック
上記のフローで選んで頂ければ基本的に失敗しませんが、業界の裏事情など、知っておけば転職エージェントを最大限活用できるテクニックを8つ紹介します。
4-1. エージェントに登録後は、2週間に1回くらい連絡を入れておく
転職エージェントは、企業から依頼を受けるとデータベースの中から条件を絞り応募者を探していくのですが、この時の表示順番が「更新日」(=最後にコンタクトを取った日)なのです。
「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されるので、連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります。
例えば、上記は「年齢30歳以下、転職回数1回以下、勤続年数2年以上、TOEIC780以上の営業」で検索した結果ですが、実務的な処理としては、更新日が新しい順番に20人ずつメールを送って反応をみて、応募者がいなければ次の20人へ、といったように送信していきます。
更新日が古いと、いくら条件が良くても機械的に後回しになってしまう場合があるのです。
※最近は「最終ログイン日」だけで見ている場合もあります。
4-2. とりあえず「良いところがあればすぐにでも」と言っておく
キャリアコンサルタントも売上目標があり日々追われています。コンサルタントとのファーストコンタクトで必ず「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と聞かれますが、この時に「良いところがあればすぐにでも」と答えるようにしましょう。
そうすればあなたはすぐに売上に繋がると考え、優先順位をあげて対応してくれることでしょう。
4-3. 担当コンサルタントは合わなければ変更する
担当コンサルタントに情をうつしてはいけません。担当変更はさほど大した問題ではないため、性格が合わなかったり、知識に不満があれば変えてもらいましょう。
担当変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。
担当変更メール文面例
いつも大変お世話になっております。
現在転職の支援をして頂いている○○と申します。
現在、ご担当者の○○様には大変丁寧にご対応頂いており感謝をしておりますが、
転職活動が初めてで不安が大きく、他の方のご意見も是非お伺いしたいです。
もし可能であれば、現在志望しております○○業界に詳しいコンサルタントの方と
一度お話をしたく考えております。
大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
4-4. 経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについては申し出をしない限りは情報が残ります。コンサルタントでよく話題にあがるのが、3年前の登録情報と今回とで登録情報が違うよ・・・という話です。
この場合、虚偽報告を行う危険な人材として紹介する案件を限るなどの判断がくだされます。
4-5. 推薦文は必ず確認する
ほとんどの場合、担当コンサルタントはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書きますが、あまり優秀ではないコンサルタントの場合は経歴をそのまま写すだけなどひどいケースがあります。
そこで「面接時に相違があると困るのと、客観的に今一度自分を見直したいため、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」と一声かけましょう。
今までみた中でもっともひどかった推薦文(参考)
「業務内容を把握している現場の方の目でご判断頂くことが一番です。スキル面については掘り下げてお聞き下さい。」
言ってることは間違いではないですが、応募者からすると転職エージェントを使う意味がないですよね。しっかりプッシュしてもらいましょう。
4-6. 同じ案件に複数のコンサルタントから応募しない
数社の転職サイトを使っている場合、同じ案件には複数のコンサルタントから応募しないようにしましょう。企業から「他の転職サイトからも応募があるんだけど」と担当に連絡がいってしまいます。
企業・担当コンサルタント両者に不信感を与え、場合によっては破談となり、企業に再度応募することはもちろん、その転職エージェントから案件を紹介してもらえなくなるでしょう。
4-7. 内定が出たら、他のエージェントに話を聞きに行ってみる
内定承諾をした後、その判断に迷いがないか・正しいのかを確認するために、正直に内定を持っていることを伝えた上で別の転職エージェントに相談をしてみましょう。
そうすることで、もっとあなたのキャリアにふさわしい案件が発見できたり、内定を持って余裕のある状態で冷静な判断ができます。
この行動によって結果的に内定を辞退したとしても、転職エージェントにはしっかりと謝罪をしなければなりませんが、法的なペナルティーはありません。
内定を辞退するのは大変心苦しいことですし、転職エージェントとしてされると非常に腹がたつのですが、ご自身のキャリアに対して妥協せずに意思決定をするために有効なテクニックです。
4-8. 丁寧に、マナーを守って対応する
時々、横柄な態度を取る方がいますが、そういった方には優良案件は紹介しません。
大手の転職エージェントであれば、1人のアドバイザーは多ければ100人以上の応募者を一度に担当しますので、転職市場や時期も大事ですが、個人的な感情もふまえて力の入れ具合が変わります。
感謝を伝え、丁寧にマナーを守って対応しましょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
転職エージェントを活用するなら掛け持ちが基本ですから、使おうかな…と迷っているようなら、完全無料なのでまずは登録して相談してみましょう。
その際は総合転職エージェントの中から2社、その後に志望業界に特化した転職エージェントに登録してキャリア面談を受けることから転職活動をはじめてみることを推奨します。
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あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。