転職するなら、いまより年収の高い会社へ移りたい。そう考えると、候補の会社が運輸・物流業界の中でどんな位置にあるのかが気になるところです。そこでこの記事では、海運・鉄道・航空・物流の大手31社を平均年収の高い順に並べ、平均年齢・平均勤続年数・従業員数も同じ表で比べられるようにしました。あわせて、表に入らない非上場の会社を含む7つの分類別の大手一覧と、平均の数字を自分の年収と比べるときの注意、主な職種、経歴に合った転職エージェントも紹介します。
目次
運輸・物流業界の大手31社の年収ランキング
| 社名 | 分類 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 商船三井 | 海運 | 1,660万円 | 38.4歳 | 12.9年 | 1,433人 |
| 日本郵船 | 海運 | 1,555万円 | 37.8歳 | 13.9年 | 1,370人 |
| 川崎汽船 | 海運 | 1,450万円 | 38.0歳 | 13.4年 | 962人 |
| 全日本空輸 | 航空・空港 | 1,172万円 | 41.3歳 | 14.9年 | 14,983人 |
| 日本航空 | 航空・空港 | 1,011万円 | 40.2歳 | 14.9年 | 14,627人 |
| 成田国際空港 | 航空・空港 | 892万円 | 40.1歳 | 12.3年 | 900人 |
| ロジスティード | 総合物流・倉庫 | 882万円 | 42.7歳 | 19.3年 | 898人 |
| 東海旅客鉄道 | JR | 861万円 | 37.0歳 | 16.3年 | 18,518人 |
| 住友倉庫 | 総合物流・倉庫 | 844万円 | 37.9歳 | 12.9年 | 918人 |
| 東京地下鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 837万円 | 39.7歳 | 18.1年 | 9,532人 |
| 中部国際空港 | 航空・空港 | 829万円 | 43.0歳 | 10.5年 | 292人 |
| 小田急電鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 827万円 | 43.5歳 | 22.0年 | 3,685人 |
| 東日本旅客鉄道 | JR | 819万円 | 39.8歳 | 17.1年 | 39,598人 |
| 京成電鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 799万円 | 40.9歳 | 17.4年 | 2,474人 |
| 阪急電鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 794万円 | 42.8歳 | 20.4年 | 3,118人 |
| 京王電鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 758万円 | 40.5歳 | 17.7年 | 2,429人 |
| 日本トランスシティ | 総合物流・倉庫 | 734万円 | 40.6歳 | 15.7年 | 700人 |
| 山九 | 総合物流・倉庫 | 731万円 | 41.3歳 | 15.2年 | 12,452人 |
| 西日本旅客鉄道 | JR | 728万円 | 37.4歳 | 13.7年 | 22,524人 |
| 京浜急行電鉄 | 大手私鉄・地下鉄 | 723万円 | 40.8歳 | 17.9年 | 2,921人 |
| 名古屋鉄道 | 大手私鉄・地下鉄 | 661万円 | 44.4歳 | 23.3年 | 5,096人 |
| 西日本鉄道 | 大手私鉄・地下鉄 | 652万円 | 46.3歳 | 18.0年 | 5,009人 |
| 日本郵便 | 宅配・路線便 | 650万円 | 45.4歳 | 20.1年 | 168,922人 |
| 近畿日本鉄道 | 大手私鉄・地下鉄 | 641万円 | 45.8歳 | 23.2年 | 6,674人 |
| 九州旅客鉄道 | JR | 640万円 | 42.5歳 | 13.4年 | 6,483人 |
| ヤマト運輸※ | 宅配・路線便 | 610万円 | 45.9歳 | 17.3年 | 76,882人 |
| 鴻池運輸 | 総合物流・倉庫 | 587万円 | 44.0歳 | 13.4年 | 9,290人 |
| 佐川急便 | 宅配・路線便 | 564万円 | 44.2歳 | 15.3年 | 38,920人 |
| センコー | 総合物流・倉庫 | 562万円 | 43.3歳 | 13.9年 | 3,978人 |
| 西濃運輸 | 宅配・路線便 | 525万円 | 47.1歳 | 16.9年 | 15,563人 |
| 福山通運 | 宅配・路線便 | 517万円 | 45.9歳 | 15.6年 | 10,994人 |
※各社の有価証券報告書(基準日2026年3月31日)の会社単体の数字。ヤマト運輸はフルタイマーの数字
上記の表の平均年収は、各社の有価証券報告書にある会社単体の平均年間給与です。持株会社体制をとるグループは、持株会社ではなく事業会社の数字を掲載しています。対象は全日本空輸、阪急電鉄、近畿日本鉄道、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、センコー、西濃運輸の8社です。
大手31社の平均年収を比べると、1位の商船三井(1,660万円)と31位の福山通運(517万円)の差は1,143万円に達し、約3.2倍の開きがあります。平均年収が1,000万円を超えるのは海運3社と全日本空輸、日本航空(JAL)の5社で、800万円以上は13社です。31社の中央値は758万円(京王電鉄)となっています。
分類ごとの平均年収の幅は、海運が1,450万〜1,660万円、航空・空港が829万〜1,172万円、JRが640万〜861万円です。大手私鉄・地下鉄が641万〜837万円、総合物流・倉庫が562万〜882万円、宅配・路線便が517万〜650万円です。
海運会社の年収
大手31社のランキングで1位から3位を独占したのが、海運の商船三井(平均年収1,660万円)、日本郵船(1,555万円)、川崎汽船(1,450万円)の3社です。海運の平均年収の幅は1,450万〜1,660万円に達し、31社の中で突出した高水準に位置しています。
3社の平均年齢は37.8〜38.4歳(日本郵船37.8歳、川崎汽船38.0歳、商船三井38.4歳)と、31社で最も若いJR東海(37.0歳)に迫る若い水準です。
会社単体の従業員数は962〜1,433人(川崎汽船962人、日本郵船1,370人、商船三井1,433人)と小規模です。
3社はいずれも船による国際的な海上貨物輸送を行う会社で、自動車専用船やLNG(液化天然ガス)船、油送船、ばら積み船、コンテナ船などの事業を営んでいます。
航空・空港の会社の年収
航空・空港の分類では、航空会社の全日本空輸(ANA)が平均年収1,172万円(4位)、日本航空(JAL)が1,011万円(5位)です。海運3社に次いで1,000万円を超えています。両社とも国内線・国際線の航空運送を行う会社で、平均勤続年数はともに14.9年です。単体の従業員数もANAが14,983人、JALが14,627人と規模は拮抗しています。
空港を設置・管理する会社では、成田国際空港が平均年収892万円(6位、平均年齢40.1歳、従業員900人)です。中部国際空港は829万円(11位、平均年齢43.0歳)です。中部国際空港は従業員数292人が31社で最も少なく、平均勤続年数10.5年も31社で最短となっています。
鉄道会社の年収
JR4社の平均年収の幅は640万〜861万円です。最高額はJR東海(東海旅客鉄道)の861万円(8位)です。JR東海の平均年齢37.0歳は31社の中で最も若い数字です。次いでJR東日本(東日本旅客鉄道)が819万円(13位、平均年齢39.8歳)で、従業員39,598人は鉄道13社の中で最多となっています。JR西日本(西日本旅客鉄道)は728万円(19位)で、平均年齢37.4歳はJR東海に次いで2番目に若い水準です。JR九州(九州旅客鉄道)は640万円(25位、平均年齢42.5歳)で、JR東海とJR九州の差は約220万円あります。
大手私鉄・地下鉄9社の平均年収は641万〜837万円で、地域による差があります。首都圏の東京メトロ(東京地下鉄)、小田急電鉄、京成電鉄、京王電鉄、京急電鉄(京浜急行電鉄)の5社は723万〜837万円に収まります。一方、中部・九州・関西の名古屋鉄道(名鉄)、西日本鉄道(西鉄)、近畿日本鉄道(近鉄)は641万〜661万円です。ただし、関西の阪急電鉄は794万円(15位)で、首都圏の会社と並ぶ水準です。なお、平均年齢が高いのは西鉄の46.3歳、近鉄の45.8歳です。
鉄道会社は勤続年数が長い会社が多く、名古屋鉄道の23.3年、近畿日本鉄道の23.2年、小田急電鉄の22.0年は、31社の平均勤続年数で上位3つを占めています。
物流会社の年収
物流会社は、倉庫や工場内作業を中心とする総合物流・倉庫と、配送網を持つ宅配・路線便で水準や人員構成が大きく分かれます。
総合物流・倉庫の6社の平均年収は562万〜882万円です。最上位のロジスティード(882万円)は、荷主企業の物流システム構築から在庫管理、センター運営まで包括して請け負う3PL事業を主力としています。住友倉庫(844万円)と日本トランスシティ(734万円)は倉庫業や港湾運送業、陸上運送業を手がけています。山九(731万円)は港湾荷役や輸送などの物流事業に加え、製鉄・石油化学・電力関連の装置建設や保全を行う機工事業を営む点が特徴です。鴻池運輸(587万円)は運輸業を祖業とし、鉄鋼などの素材や食品・日用品の顧客の工場構内で工程を請け負い、プラント設備の据付も行っています。航空や医療の分野でも業務を請け負っています。センコー(562万円)は、物流センターの運営や貨物自動車運送、倉庫業などの物流事業を営んでいます。
宅配・路線便の5社の平均年収は517万〜650万円です。この分類は従業員数が多い点が特徴で、日本郵便の168,922人は31社で最多、ヤマト運輸の76,882人は2番目、佐川急便の38,920人は4番目の規模です。5社の平均年齢は44.2〜47.1歳と全体的に高めで、西濃運輸の47.1歳は31社の中で最高齢となっています。事業面では、日本郵便が郵便・物流、ヤマト運輸が宅急便、佐川急便が宅配便を中心に展開しています。一方、西濃運輸と福山通運は特別積合せ貨物運送(路線便)を長年営む会社です。
運輸・物流業界の大手企業一覧
| 分類 | 社名 | 上場か非上場か | 親会社 |
|---|---|---|---|
| 海運 | 日本郵船 | 上場 | 親会社なし |
| 海運 | 商船三井 | 上場 | 親会社なし |
| 海運 | 川崎汽船 | 上場 | 親会社なし |
| 航空・空港 | 日本航空 | 上場 | 親会社なし |
| 航空・空港 | 全日本空輸 | 非上場 | ANAホールディングスの子会社 |
| 航空・空港 | 成田国際空港 | 非上場(有価証券報告書あり) | 親会社なし。株式はすべて国(国土交通大臣・財務大臣)が持つ |
| 航空・空港 | 中部国際空港 | 非上場(有価証券報告書あり) | 親会社なし。国土交通大臣と愛知県などが大株主 |
| JR | 東日本旅客鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| JR | 東海旅客鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| JR | 西日本旅客鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| JR | 九州旅客鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 東京地下鉄 | 上場 | 親会社なし。国と東京都が大株主 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 東武鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 西武鉄道 | 非上場 | 西武ホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 京成電鉄 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 京王電鉄 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 小田急電鉄 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 東急電鉄 | 非上場 | 東急(上場)の子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 京浜急行電鉄 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 相模鉄道 | 非上場 | 相鉄ホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 名古屋鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| 大手私鉄・地下鉄 | 近畿日本鉄道 | 非上場 | 近鉄グループホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 南海電気鉄道 | 非上場 | 株式会社NANKAI(上場)の子会社。2026年4月に鉄道事業の分社化で発足 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 京阪電気鉄道 | 非上場 | 京阪ホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 阪急電鉄 | 非上場 | 阪急阪神ホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 阪神電気鉄道 | 非上場 | 阪急阪神ホールディングスの子会社 |
| 大手私鉄・地下鉄 | 西日本鉄道 | 上場 | 親会社なし |
| 宅配・路線便 | ヤマト運輸 | 非上場 | ヤマトホールディングスの子会社 |
| 宅配・路線便 | 佐川急便 | 非上場 | SGホールディングスの子会社 |
| 宅配・路線便 | 日本郵便 | 非上場 | 日本郵政の子会社 |
| 宅配・路線便 | 西濃運輸 | 非上場 | セイノーホールディングスの子会社 |
| 宅配・路線便 | 福山通運 | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | 日本通運 | 非上場 | NIPPON EXPRESSホールディングス(上場)の子会社 |
| 総合物流・倉庫 | ロジスティード | 非上場(有価証券報告書あり) | ロジスティードホールディングスの子会社。旧社名は日立物流 |
| 総合物流・倉庫 | 山九 | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | センコー | 非上場 | センコーグループホールディングスの子会社 |
| 総合物流・倉庫 | 鴻池運輸 | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | 三菱倉庫 | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | 三井倉庫 | 非上場 | 三井倉庫ホールディングス(上場)の子会社 |
| 総合物流・倉庫 | 住友倉庫 | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | 日本トランスシティ | 上場 | 親会社なし |
| 総合物流・倉庫 | SBSホールディングス | 上場 | 親会社なし |
| 国際物流 | 郵船ロジスティクス | 非上場 | 日本郵船の子会社 |
| 国際物流 | 近鉄エクスプレス | 非上場 | 近鉄グループホールディングスの子会社 |
| 国際物流 | DHLジャパン | 非上場 | ドイツのDHLグループの日本法人 |
一覧のうち宅配・路線便では、宅配便は重量30kg以下の一口一個の荷物を運ぶ運送で、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便が代表格です。路線便(特別積合せ貨物運送)は、集めた荷物を混載して営業所間を定期輸送し、配達先に仕分ける運送で、西濃運輸や福山通運が担っています。
国際物流のうち、船会社や航空会社の運送を利用して貨物を運ぶ事業者は、一般にフォワーダーと呼ばれます。郵船ロジスティクスや近鉄エクスプレスが代表例です。
このほか、当サイトに企業研究の記事がある会社です。
年収ランキングの読み方
表の平均年収を転職先の検討に役立てるには、数字の背景にある前提を知ることが欠かせません。
年収に含まれるもの
表に掲載している各社の平均年収は、各社が報告書で開示している「平均年間給与」です。基本給だけでなく賞与と基準外賃金(残業代など)を含んだ総支給額で、職種や役職、年代を分けない会社単体の全社員の平均です。特定の職種別・年代別の金額ではありません。
持株会社と事業会社の年収の違い
持株会社はグループ各社の株を保有して経営を管理する会社で、本体で働く社員は管理部門を中心とした少人数に限られます。そのため、持株会社が開示する平均年収は本体の少人数だけの数字であり、駅や営業所、倉庫で働く事業会社の社員は含まれません。
実際の数字を見ても、ヤマトHD(ヤマトホールディングス)1,248万円(18人)に対し事業会社のヤマト運輸は610万円(76,882人)です。SGホールディングス786万円(242人)に対し佐川急便は564万円(38,920人)で、いずれも持株会社のほうが事業会社より高くなっています。センコーグループホールディングス816万円とセンコー562万円、セイノーホールディングス712万円と西濃運輸525万円にも同じ傾向があります。鉄道でも、阪急阪神ホールディングス920万円と阪急電鉄794万円、近鉄グループホールディングス823万円と近畿日本鉄道641万円の差があります。
なお、NXHD(NIPPON EXPRESSホールディングス)は単体で833万円(296人。2025年12月期)ですが日本通運単体の数字は報告書にありません。一方、山九や鴻池運輸、福山通運は現場の作業を担う会社自身が上場しているため、報告書の数字に現場の社員も含まれます。
運輸・物流業界全体の平均年収との比較
国税庁「民間給与実態統計調査」(令和7年分)によると、運輸業、郵便業で1年を通じて働いた人の平均給与は482.5万円です。平均年齢は50.2歳、平均勤続年数は12.9年です。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)の年収の目安は、航空運輸業(約882万円)が最も高く、鉄道業(約746万円)、水運業(約730万円)の順です。郵便業(約544万円)、運輸に附帯するサービス業(約531万円)が続きます。道路貨物運送業は約469万円、道路旅客運送業は約453万円で、最も低いのは倉庫業(約441万円)です。
表の大手31社を業界の平均年収と比べると、次のような位置づけになります。
- 海運の大手3社(1,450万〜1,660万円)は、水運業の1,000人以上の会社(約1,322万円)を上回ります。
- 航空・空港では、ANA(1,172万円)とJAL(1,011万円)が、航空運輸業(約882万円)を上回る高水準です。
- JR・大手私鉄・地下鉄の13社(640万〜861万円、中央値758万円)は、鉄道業(約746万円)の前後に分布しています。
- 宅配・路線便の5社(517万〜650万円)は、道路貨物運送業(約469万円、1,000人以上の会社は約502万円)より高めです。
- 総合物流・倉庫の6社(562万〜882万円)は、倉庫業(約441万円)を上回っています。
年収以外に確認したいポイント
表の31社でも、平均勤続年数は中部国際空港の10.5年から名鉄(名古屋鉄道)の23.3年まで幅があります。
報告書の平均年収には残業代が含まれます。2024年4月から法律で、トラックなど自動車の運転者の時間外労働は原則として年360時間(月45時間)までに制限されています。特別の事情がある場合でも年960時間までです。
勤務の形も確認したい点です。ヤマト運輸のセールスドライバーのように業務量に合わせて出退勤時間を調整するシフト勤務もあります。入社後の働き方を具体的に把握するため、当サイトの各社の企業研究の記事にまとめている社員の口コミや転職のポイントも合わせて参考にしてください。
運輸・物流業界の主な職種と仕事内容
運輸・物流業界の採用区分は会社によって異なります。JR東日本(東日本旅客鉄道)は「総合職」「地域総合職」「ジョブ型」に分かれ、駅や乗務員の仕事は関連コースが担います。日本郵船は陸上職(事務系・技術系)と海上職(航海士・機関士)に分かれ、日本通運は営業、オペレーション、営業企画・開発、コーポレートなどの職種別で採用されます。
ドライバー・運転士
ヤマト運輸のセールスドライバーは、集配車で担当エリアのお客さまへ荷物を配達・集荷するだけでなく、営業活動も兼ねています。
鉄道では、駅の接客や列車運行の業務、列車を運行する乗務員(車掌・運転士)、運行管理を行う指令員などに役割が分かれます。運転士になるには、動力車操縦者試験への合格や指定の養成所を経て、国土交通省の動力車操縦者運転免許を取得しなければなりません。空港では、グランドハンドリングや空港旅客サービスといった地上の仕事が運航を支えています。また、乗合バスなど旅客を運ぶ運転には第二種免許が必要で、乗車定員30人以上の大型バスは大型第二種免許が必要と法律で定められています。
海運の船で働く航海士は船の安全な操縦と積荷の管理を、機関士はメインエンジンや発電機、ボイラーなどの運転・管理・点検・修理を担います。機関士には海技士(機関)の国家資格が必要です。航空会社にはパイロット(運航乗務員)、客室乗務員、運航管理者などの職種があります。
倉庫・在庫管理
日本通運のオペレーションは、輸配送・保管・荷役・包装・流通加工などの現場で、スタッフのマネジメントや業務の標準化・改善を担います。倉庫の仕事は、物品の保管、入出庫管理、流通加工などです。
営業・企画
日本通運の営業は、顧客のニーズを把握して合うロジスティクスサービスを提案し、ヒアリングから物流プランの立案、輸送の立ち会い、フォローまで一貫して担当します。営業企画・開発は、市場動向を分析して新たなソリューションを生み出す職種です。
日本郵船の陸上職事務系は、荷主と貨物輸送契約を結ぶ営業のほか、運航管理、船隊整備、経営企画などを約3年ごとのジョブローテーションで経験します。
ITエンジニア・技術職
JR東日本の総合職にはIT・デジタル戦略、機械設備、土木、建築、列車制御システム・エネルギー・情報通信などのコースがあります。地域総合職にも車両、機械設備などのコースがあります。車両の仕事は開発から設計、製造、メンテナンス、改造まで担います。
日本郵船の陸上職技術系は、造船計画から新技術開発まで船の一生に携わります。
運輸・物流業界への転職で使う転職エージェント
運輸・物流業界への転職では、転職エージェントの活用が効果的です。このあと紹介する3社は、いずれも利用は無料です。エージェントは自身の置かれた状況に合わせて使い分けます。ほかの業界から移る人(メーカーや商社の物流・購買の担当者など)や、現業職から総合職・管理職を目指す人はリクルートエージェントです。業界の中で別の会社へ移る人はdoda、管理職・専門職として移る人はJACリクルートメントを選びましょう。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界や職種を限らずに求人を紹介する総合型の転職エージェントです。キャリアアドバイザーが希望条件と企業の採用条件を照らし、サイトに載せていない非公開求人を含めて紹介します。
公式の業界別の入口に「運輸業界」があります。リクルートエージェントは職種「交通/運輸/物流専門職」の中に、ドライバー/乗務員、道路交通/陸運、鉄道、空運/空港関連の区分を設けています。海運/港湾関連、物流手配/管理、倉庫/配送センターの区分もあります。「サプライチェーン/購買/物流」の中にも「物流」があり、希望職種を細かく絞り込めます。
応募先に合わせた職務経歴書の書き方やアピールの助言、企業の注目点や採用傾向を伝える面接対策を受けられるほか、登録者向けの面接力向上セミナーもあります。面接の日程調整や条件交渉はアドバイザーが代行します。面談は対面か電話で土日や平日の夜にも調整でき、転職を勧められない場合もあり、相談だけでも利用できます。なお、求人の状況によっては面談が難しい場合があります。
doda
dodaはパーソルキャリアが運営する転職サービスで、厚生労働省の委託事業「職業紹介優良事業者」に認定されています。
求人検索の業種「運輸・物流」は、鉄道業、道路貨物運送業(宅配便・トラック運送など)、道路旅客運送業、海運業、航空運輸業、倉庫業・梱包業に分かれます。業種を絞って探せます。無料のスカウトサービスに登録すると企業からオファーが届きますが、氏名や電話番号、メールアドレスは公開されません。企業ブロック設定を使えば、現在の勤務先に経歴を見せない設定も可能です。
専任のキャリアアドバイザーと採用プロジェクト担当の2種類がつき、電話やメール、LINEでやり取りできます。書類添削や模擬面接、企業への推薦や日程調整を代行してもらえます。ほかのエージェントとの併用も可能で、併用していると伝えれば、できる限り選考日程を調整してもらえます。「今の仕事を続けること」も選択肢として相談でき、内定後は円満退職のアドバイスもあります。なお、面談は原則オンラインか電話で、状況によっては採用プロジェクト担当からの求人案内になる場合があります。
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、ハイクラス・エグゼクティブの転職に特化したエージェントです(利用は無料)。求人検索では業種「流通(EC・運輸・小売)」や、職種「購買・物流・生産管理」で探せます。
専用の「流通・物流・小売」ページがあり、流通・物流・小売専門コンサルタントが転職をサポートすると書いています。複数の専門コンサルタントが連携し、面談では5年先・10年先の中長期のキャリアを一緒に考えながら非公開求人を紹介します。
レジュメ添削や面接対策、日程調整、内定後の条件交渉や入社日調整、円満退社の助言、入社後のフォローまで一貫してサポートを受けられます。面談はWEBか電話で行われます。なお、ハイクラス求人に特化しているため、経験や希望によっては紹介できる求人が無く、支援が難しい場合があります。
まとめ
運輸・物流業界の大手31社を比べると、海運3社と全日本空輸、日本航空が1,000万円を超える一方、宅配・路線便は500万〜600万円台と下位です。分類ごとに水準が大きく異なります。
ただし、表の平均年収を自分の待遇と比べる際は注意が必要です。ネットで目にする持株会社の数字は本社に所属する少人数の平均であり、現場を担う事業会社の給与とは大きな開きがあります。また、表の数字は全社員の平均で、職種や役職によって実際の金額は変わります。
転職先を選ぶ際は、当サイトの企業研究の記事で気になる会社の詳細を調べつつ、自分の状況に合う転職エージェントに相談して、実際の募集条件を確かめましょう。








