転職の面接の流れとよく聞かれる質問、当日のマナーと結果連絡まで

転職の面接では、これまでの実務経験や強みが応募先で生かせるか、仕事への適性や入社意欲が見極められます。よく聞かれる質問への答えは丸暗記せず、要点を短く話す練習をしておくことが大切です。また、受付から退室までの所作や身だしなみ、面接後の結果連絡への対応まで把握しておくと、本番でも落ち着いて対応できます。選考の流れから当日の受け答えまで要点を整理し、面接に臨む参考にしてください。

転職の面接の流れ

中途採用の面接は、入社後すぐに仕事を任せられる人を探している企業が多いため、新卒採用に比べて職歴やスキル、転職理由の確認が多くを占めます。選考は一般に書類選考を通過したあと一次、二次、最終と面接を重ね、回数は企業により1回から3回が目安です。最終面接を通過したあとに企業から採用通知を受け取り、応募者が入社を承諾する書類を返送すると正式に内定が決まります。

面接当日の流れと時間

1回の面接時間は一般に30分から1時間、質問数は5問から10問が目安です。回答に対して気になる点があれば、その場で掘り下げた質問が続きます。当日は一般に次の順で進みます。

  1. 挨拶(面接官の自己紹介や短い雑談)
  2. 応募者の自己紹介
  3. 面接官からの仕事内容の説明
  4. 面接官からの質問(職歴、転職理由、志望動機、自己PRなど)
  5. 条件の確認(希望年収や入社時期など)
  6. 逆質問(応募者からの質問)

なお、オンライン面接でも進む順や質問内容は対面とほぼ同じです。

一次面接・二次面接・最終面接の違い

一次面接は人事や現場社員が担当し、これまでの職務内容やスキル、志望動機、転職理由を聞き、話し方や受け答え、社会人としてのふるまいも見ます。二次面接は配属先の上司や部門責任者が、実務経験の具体性やチーム適性、仕事で意見が対立したときにどう動いたかなどを確認します。最終面接は役員や社長が、入社意欲や社風への適合を見極めます。

面接官は提出書類と、前の面接で応募者が話した内容を手元に置いて質問します。前と答えが変わると本心ではないと受け取られることがあるため、次の面接の前には書類と前回の答えを見直しておきましょう。

転職の面接でよく聞かれる質問と答え方

中途採用の面接で聞かれる質問は業界を問わず共通しており、自己紹介、転職理由、志望動機、自己PR、条件、逆質問が中心です。序盤の自己紹介や志望動機は後の質問の土台となるため、伝えたい要点をはっきりさせておきます。

回答を丸暗記すると変化に対応できないため、質問ごとに伝えたい結論と裏づける経験だけを決め、結論から1分前後を目安に話します。要点を短く伝えて深掘りを待つのがやり取りを続けるコツです。本番で緊張して言葉が出なくなるのを防ぐため、想定した質問に声に出して答える練習を繰り返しておきます。それでも当日に緊張したときは、「緊張しております」と一言伝えてもかまいません。

自己紹介と自己PR

自己紹介は冒頭で行われ、面接官は書類で経歴を知ったうえで、応募者が要点をわかりやすく話せるか、どんな印象を与えるかを見ています。順序は名前と挨拶、現職(前職)の仕事と実績、締めの挨拶とし、長さの目安は1分(300字ほど)です。「自己PRも兼ねて」「志望理由と合わせて」と言われたら、その分を足して話します。

強みや経験の質問では、募集している仕事を任せられるだけの経験があるか、応募先でも同じように成果を出せるかを面接官は確かめています。強みは応募先の仕事で生かせるものを選び、達成率や削減時間などの数字や具体的な場面、お客様や上司から言われた言葉で伝えます。職務経歴書に書いた内容はさらに深く掘り下げて聞かれることが多いため、事前に整理しておきます。

長所や短所を聞かれた際、短所は「ありません」と答えるのを避け、仕事に影響しないように工夫していることまで話します。成功の経験は工夫した点と結果を、失敗の経験はなぜ失敗したか、どう立て直して何を学んだかを答えます。

なお、30代・40代の応募者はチームをまとめた経験を聞かれやすく、役職がなくても後輩指導の経験を人数・期間・成果とともに伝えます。

転職理由と志望動機

転職理由を聞く面接官は、同じ理由で辞めないか、転職で今の職場での不満が解消できるかを確かめています。不満がきっかけでも嘘はつかず、「次の職場で実現したいこと」を軸に話します。今の会社で改善しようと自分が動いたことを伝えると面接官に納得してもらいやすくなります。残業が長く続くなど職場の環境に問題がある場合も、不満や悪口を中心にせず、事実だけを短く伝えます。

志望動機を聞く面接官は、志望度の高さと、応募者のやりたいことが募集している仕事と合っているかを見ています。他社でも通じる志望動機を使い回すのは避け、応募先のホームページや求人票を読み込んで事業や仕事の進め方のどこに惹かれたかを自身の経験と結びつけて伝えます。

今の(前の)仕事でやりがいを感じた点、続けるのが難しいと感じた点、転職で実現したいこと、それが応募先でできる理由の順に一本の筋でつなぐと、面接官に話が通ります。入社後のキャリアプランを聞かれたら、1年後・3年後など時期を区切り、応募先で実現できる将来像を伝えます。

年収や入社時期、他社の選考状況

条件に関する質問で面接官が確かめているのは、応募者の希望と企業が考えている条件にずれがないか、入社後に無理なく働けるかです。

希望年収は現在の年収をもとに伝えるのが一般的で、引き上げるなら生かせるスキルなど理由を添えます。入社時期は在職中なら引き継ぎを考慮し「内定から1〜2か月後」が目安です。今の会社の就業規則や雇用契約書で、退職を申し出てから辞められるまでの期間を事前に確かめておきます。

他社の選考状況は事実のまま伝えます。応募先の企業は自社の結果連絡の時期やどう入社を後押しするかを考えるために聞いており、他社の社名は業界名でぼかしてもかまいません。受けている業界や職種の共通点を一言添えると、会社選びに筋が通っていると伝わります。

残業や転勤が難しい事情がある場合は、理由とできる範囲を具体的に伝えます。できると答えて入社後に覆すと、トラブルにつながります。

なお、結婚や出産の予定など応募者の適性と関係のない事柄で採否を決めないよう、厚生労働省は企業に公正な採用選考を求めています。それでもこうした事柄を聞かれたときに備えて、どう答えるかを決めておくと落ち着いて対応できます。

逆質問

面接の終盤に面接官が逆質問の時間を取るのは、応募者の疑問を解消して入社後のずれを防ぎ、自社への関心の深さを確かめるためです。応募者にとっても応募先の働き方や職場の実態を確かめる機会です。「特にありません」と答えることや、調べればわかる質問は避け、質問を複数用意しておきます。

質問は面接官の立場に合わせ、人事には制度や働き方、現場社員には日々の業務、役員には会社の方向性を尋ねます。入社してまず担当する業務や中途入社の人が成果を出すまでの期間、活躍している人に共通する点、チームの人数や雰囲気などを尋ねる質問を用意しておきます。用意していた質問への答えが面接の中で出てしまった場合は、聞いた説明の中で気になった点を聞くか、聞くことが残っていなければお礼を伝えて終えます。

志望動機を聞かれずに面接が終わりそうなときは、最後の逆質問や「最後に一言」の場面で、志望の理由を短く伝えてもかまいません。

給与や残業など待遇のことばかり聞くと、条件だけを見ていると受け取る面接官もいます。待遇は働くうえで大事な点なので、仕事の内容の質問をしたあとに聞くか、内定後の面談で確かめます。

面接のマナーと服装・持ち物

受付から退室までの所作や身だしなみは、面接官が社会人としてのふるまいや配慮を見る大切な材料になります。

受付から退室までのマナー

コートは建物に入る前に脱ぎ、面接の5〜10分前に受付を済ませるのが目安です。大きなビルは移動時間を見込み、遅れる際はわかった時点で採用担当者に連絡します。受付の窓口や担当者を呼ぶ電話で、約束時刻、名前、面接で来たこと、採用担当者の名前を伝えます。

入室時は、ドアをノックし(3回が慣例)、「失礼いたします」と入り、名乗って挨拶し(30度の一礼が慣例)、「おかけください」と言われて座ります。鞄は床に置き、部屋で待つときは面接官が入ってきたら立って挨拶します。

面接中は、背筋を伸ばし、質問を最後まで聞いて話します。視線は面接官の目元に向け、メモを取るときは面接官にひと言断り、書くことより会話を優先します。

退室時は、荷物を鞄にしまって立ち、お礼を一礼(45度が慣例)とともに伝えます。「失礼いたします」とドアを静かに閉め、コートは建物の外で着ます。

身だしなみと持ち物

服装の指定が無ければ、紺やグレーのスーツが一般的です。久しぶりに着るスーツは体型が変わっていることがあるので、早めに試着しておきましょう。「服装自由」「私服可」のときは、応募先の採用ページなどで社員の服装を見て合わせます。髪型やメイクは清潔感を優先します。

持ち物は、A4サイズが入る鞄に入れます。

  • 提出書類の控え、企業から指定された書類
  • 筆記用具、メモ帳
  • スマートフォン、財布、ハンカチ・ティッシュ
  • 会場の地図、採用担当者の連絡先
  • あると便利なもの(腕時計、折りたたみ傘、充電器、手鏡、予備のストッキング)

オンライン面接のマナー

前日までに通信環境や機器を確かめ、予備の端末や回線も用意します。当日は静かな場所を選び、背景を整えます。

面接の2〜3分前にURLへ入って待機し、面接官が入室したら挨拶します。画面越しでは声や表情が伝わりにくいため、大きめの声で話し、表情をはっきりさせます。終了時はお礼を伝えて一礼し、面接官が切るのを待ちます。面接官がなかなか通話を切らないときは、「失礼いたします」と自ら退出します。

面接後のお礼メールと結果の連絡

面接後のお礼メールは必ず送るものではなく、合否を左右することも少ないです。送る場合は面接を受けた当日中、企業の営業時間を過ぎたら翌日の午前中に送ります。

予定より早く面接が終わったり、志望動機や希望年収の質問がなかったりしても、不合格とは限りません。応募者の答えが予想できる質問を省く面接官や、雑談の中で人柄を見る面接官もいるためです。

結果の連絡時期は面接の最後や案内メールで示されることが多く、わからなければ面接の最後に確かめておきます。示された目安の時期を過ぎても連絡がないときは、採用担当者にメールで選考状況を問い合わせて問題ありません。

不採用だったときは、次の面接前に原因を見直します。企業が求める人物像と経験・スキルの不一致、転職理由や志望動機の整理不足、本番でうまく伝えられなかったことのどれにあたるかを確かめます。他社に決めて選考を辞退するときは、決めた時点で早めに採用担当者へ電話かメールで伝え、転職エージェント経由の場合は転職エージェントの担当者に伝えます。