
転職活動を始めるため職務経歴書を書こうとして、「自己PR」の書き方を探していませんか?
一言で自己PRといっても、「自分の何を強みにして自己PRすればいいか分からない…」「第二新卒での転職って、どう自己PR書けばいいの…?」と悩んでいる人はとても多いのです。
しかし、職務経歴書における自己PRの書き方には、自分がどんな経歴であっても「順を追って考えると、必ずいい自己PRが書けるステップ」があることを長年、転職コンサルタントとして多くの方の職務経歴書を添削していくなかで見つけました。
このページでは、「合格する」自己PRの書き方を具体的で丁寧な6ステップでノウハウは一切隠さずご紹介します。
- 人事のアタマの中を知る2観点(経歴/職種)
- PRする強みを1つ選ぶ
- フレームワークで自己PRの書き方を学ぶ
- 「受かる」自己PRの鉄則3選
- 「落ちない」自己PRの鉄則3選
- 年齢別、自己PRの注意点(20代/30代/40代)
全て読んで実践していただけば、あなたの職務履歴書はグッと良くなり、転職成功への道が開けるでしょう。
<2021年3月:転職の最新情報>
コロナ禍による不況で、有効求人倍率は低下し続けており、転職の難易度は日を追うごとに高まっています。
特に好条件の求人であるほど競争が激しくなるので、ライバルに差をつけるためにも、転職のプロの力を借りて、しっかりと対策を行いましょう。
- このページを見ながら、複数の転職サイト(『リクルートエージェント』『doda』など)に登録する
- それぞれの担当者から連絡が来たら、面談または電話で簡単に状況を伝えアドバイスをもらう
- 一番相性の良さそうな担当者だったところで、本格的にサポートを受ける
未だかつて誰も経験したことのない事態だからこそ、周囲よりもいち早く行動を開始し、戦略的に転職活動を行っていくことが重要です。
はじめに:自己PRの書き方6ステップとは
自己PRがうまく書けません…。どう書けば良いのでしょうか?
上記は、私が転職コンサルタントとして数々の職務経歴書対策を支援する中で、応募者から何百回と受ける相談です。
私は、そのような質問を受ける度に「ご安心下さい!」と力強くお答えしています。なぜなら、自己PRの書き方には「順を追って考えると、必ずいい自己PRが書ける」ステップがあるからです。
まずは、受かる自己PRを考えるための「書き方6ステップ」をご覧ください。
(1)まず人事を知る
自己PR文を書き始める前に、「人事のアタマの中」を知りましょう。
- 【ステップ1】人事のアタマの中を知る2観点(経歴/職種)
私の知る限り、応募者の経歴や志望する職種によって、採用担当者が気にする観点にはパターンがあるようです。まずは「人事のアタマの中」を知った上で、自己PR文を考えましょう。
(2)2ステップでPRを書く
自己PRを書くために必要な2ステップです。
- 【ステップ2】PRする強みを1つ選ぶ
- 【ステップ3】フレームワークで自己PRの書き方を学ぶ
自分の強みを整理し、自己PR文を書いてみましょう。分量や書き方などを気にせず、自分の強みを精一杯PRする文章を書く事がポイントです。
(3)3ステップで推敲する
最後は、書いた自己PR文を振り返り推敲する3ステップです。
- 【ステップ4】「受かる」自己PRの鉄則3選
- 【ステップ5】「落ちない」自己PRの鉄則3選
- 【ステップ6】年齢別、自己PRの注意点(20代/30代/40代)
ここでは、前述の「PRを書く2ステップ」で書いた自己PR文を、簡潔で人事に伝わる文章に推敲します。PRしたい内容は削らず、人事が「この応募者と会いたい」と思ってくれる文章にしていきましょう。
具体的な内容は、次章からご説明させて頂きます。
ステップ1:人事のアタマの中を知る2観点(経歴/職種)
転職活動の状況は人それぞれ違いますが、私の知る限り、あなたの経歴や志望する職種によって、採用担当者が気にする観点にはパターンがあるようです。まずは「人事のアタマの中」を知った上で、自己PR文を考えましょう。
人事は「経歴」「職種」の2観点から応募者を見ています。それぞれの観点についてご説明します。
1-1.「経歴」を見る人事のホンネ
「私の経歴だと、転職はうまくいかないと思います…。」
上記のように、転職活動をされる応募者が不安になるケースがあります。事実、そのケースは「転職には不利」だと多くの人事が言うのです。
その経歴と「転職には不利」な人事のホンネを以下にご紹介します。
経歴 | 「転職には不利」な人事のホンネ |
第二新卒での転職 | 「短い期間で何を学んだのか?」 「仕事に本気で取り組んできたのか?」 |
異業種への転職 | 「即戦力としての活躍を期待できない?」 「転職後、活きるスキルや経験はある?」 |
転職歴が多い | 「採用しても、すぐに辞めてしまう?」 「積み上がった経験が少ない?」 |
派遣社員から正社員 | 「与えられた仕事をこなすだけ?」 「強みや持ち味が確立されていない?」 |
ブランクからのチャレンジ | 「採用しても、すぐに辞めてしまう?」 「仕事に対してやる気が無い?」 |
リストラ後の転職 | 「能力が低くリストラされたのでは?」 「解雇されたのは会社のせいと、他責にならないか?」 |
決して、上記経歴を持つ人が転職できない訳ではありませんよ。「転職には不利」だと思われる人事のホンネを覆すような自己の強みをPRするようにしましょう。
1-2.「職種」を見る人事のチェックポイント
人事が見ているもう一つの観点は、「職種」です。
多くの中途採用は、職種別採用を行っています。職種ごとに志望動機を考える事はアタリマエのように感じると思いますが、職種によって「人事がチェックするポイント」があり、ここが抜けて書類選考で落選する応募者は、意外にも多いのです。
その職種と、「人事がチェックするポイント」を以下にご紹介します。
職種 | 人事がチェックするポイント |
営業職 | 「成果は何か?苦労話自慢なPRではないか?」 「得た学びや学習は何か?成果が出た事で満足していないか?」 |
管理部門 | 「幅広く経験を積んでいるか?」 「専門職に留まらず、組織貢献/後進育成にも携わってきたか?」 |
技術職 | 「専門スキルだけでなく、社会人スキルをどの程度習得しているか?」 「専門職に留まらず、組織貢献/後進育成にも携わってきたか?」 |
販売職 | 「接客スキル以外に、どんな強みがあるか?」 「個人力だけでなく、チーム力をどう高める事ができるか?」 |
一般事務職 | 「実務能力だけでなく、組織の一員として活躍できるか?」 |
大事な事は、自分の強みを一方的にPRするだけでなく、「自分の強みを、働く職種でどう活かす事ができるか」です。「人事がチェックするポイント」を頭に入れながら自己の強みをPRするようにしましょう。
ステップ2. PRする強みを1つ選ぶ
ステップ1で、人事のアタマの中を知った後、ステップ2では自己PRする自身の強みを考えます。一般的にPRする強みは、以下の3つに分類されます。この中から、「もっとも自分がPRしたい強み」を一つ選択して下さい。
- 実績や経験をPRする
- 資格やスキルをPRする
- 身に付いた力をPRする
2-1. 実績や経験をPRする
自身のキャリアの中で、成功した仕事を振り返りましょう。その仕事を実現するために、「どんな目標に対して」「どう取り組み」「どんな結果が出たか」を整理します。
一方的に実績を書き連ねるだけでなく、「環境が変わっても同じ成果が出せる」事をPRするため、背景の情報も併せて言語化しておくことがポイントですよ。
2-2. 資格やスキルをPRする
志望企業が求めているスキルと合致した資格やスキルをアピールしましょう。
ただし、取得した資格数ばかりをPRしてはいけません。「資格取得が目的になる」PRはNGですよ。志望企業での働き方や活躍が目的である姿勢を力強く伝えると、自己PRだけでなく強い志望動機にもなります。
2-3. 身に付いた力をPRする
「周囲を巻き込みながら仕事を進めていく事が得意」など、身に付いた力をPRする事も一手です。自己PRする強みが見つからない場合は、自己分析から自分の強みを整理しましょう。
本質的に自己分析を行い、過去の自身のキャリアから自己PRする強みを探す場合は、プロ直伝!転職成功に導く自己分析4ステップ【シート付】を参考にして下さいね。
ある程度簡単に、自分の強みを「客観的」かつ「職務経歴書で使えるもの」として知りたい場合は、グッドポイント診断がおすすめです。「グッドポイント診断」で自己分析・職務経歴書の質を上げる6ステップを参考にして下さい。
ステップ3. フレームワークで自己PRの書き方を学ぶ
ステップ2で、自己PRする自身の強みを明らかにした後、ステップ3ではいよいよ自己PRの文章を書いていきます。ここでは、誰でも「受かる自己PR文」を書けるフレームワークをご用意しました。
自己PRは、単に実績・スキル・身に付いた力を羅列するものではありませんね。採用担当者に、「どんな実績を出し」「どんな力を得て」「どう企業に貢献できるか」を分かりやすく伝える文章です。
以下に、自己PRの書き方をフレームワークを活用した例文をもとにご紹介します。
フレームワーク | 自己PR例 |
PRタイトル | 【顧客の潜在ニーズを聞き出すソリューション営業が強み】 |
仕事内容 | 入社以来5年間、大手顧客を中心とした営業職に従事してきました。 営業場面で拘っている事は、単なる状況ヒアリングに留まらず、顧客の戦略や事業の仮説をぶつける事です。 顧客の潜在ニーズを聞き出す事で、深い顧客理解をベースとしたソリューション営業を心掛けてきました。 |
結果 | 結果、多くの顧客から「○○さんが一番うちの事を知っている。〇〇さんにお願いしたい。」と指名を頂くようになりました。 入社以来、継続的に売上を20%アップさせる事ができ、昨年度は営業全体のMVPを頂く事ができました。 |
得た強み | この経験から得た「顧客の潜在ニーズを聞き出す」「顧客の課題解決を行うスタンス」が私の強みです。 |
企業に貢献できる事 | 私の強みを活かし、より深く提案営業を追求したく、貴社の企業コンサルタントとして顧客に貢献し、成長していきたいと考えています。 |
上記5つのフレームワークに沿って自分の経験/強みを書いていくと、自己PR文になります。ぜひステップ2で言語化した自分の強みを整理して、自己PR文を書いてみて下さいね。
PRタイトルにはこだわって!
自己PR文を書く際に、最もこだわって欲しい点はPRタイトルです。PRタイトルは言わば「あなたらしさが表れた名刺の肩書き」のようなもの。書類選考後の面接でも必ず聞かれる部分です。
PRタイトルを付ける際は、「ソリューション営業が強み」といった1テーマの言葉に終わらず、仕事のプロセスも併せて書きましょう。あなたらしさがぐっと高まる強みになりますよ。
例:「行動量」→「どんな欠点もカバーできるだけの行動量」
例:「愚直さ」→「目標に向かって、地道に進み続ける愚直さ」
例:「実行力」→「やると決めたらどんな時も逃げない実行力」
例:「営業力」→「顧客との対話を何よりも重視する営業力」
ステップ4. 「受かる」自己PRの鉄則3選
ここまでは「自己PRを書く」ステップでしたが、ここからは「書いた自己PRを推敲する」ステップです。ステップ3で書いた自己PRを、ステップ4~6の観点に沿って推敲し、より良い自己PRにブラッシュアップして下さい。
受かる自己PRには鉄則があります。採用担当者が読み「この人と会いたい!」と思わせる自己PRの鉄則をご紹介します。
- PRする強みは1点に絞る
- 客観的な数値をPRする
- 企業が欲しい強みをPRする
4-1.PRする強みは1点に絞る
悪い例
私は、「コミュニケーション力」が高く、「協調性」があり、「フットワーク」が良く、「顧客との交渉力」を武器に…。
ステップ2でもお話しましたが、私が転職コンサルタントとして職務経歴書を推敲していると、よく「自身の強みを何個もPRされる」方に出会います。もちろん、強みを複数持っている事は大変すばらしい事ですが、職務経歴書では最も自信のある強みを1つPRするようにしましょう。
強みを複数書くと、それぞれの強みの説得力が落ち、結果的に人事にPRする事が難しくなってしまいます。
4-2.客観的な数値をPRする
悪い例
私はフットワークを生かした新規開拓営業に自信があります!どんな時でも顧客第一優先でお客様から信頼を勝ち得てきました。
採用担当者は過去の経験や実績を見て、自社で活躍できるかどうか判断します。そのため、上記のような漠然としたアピールをしても、それを裏付ける証拠がないと、採用担当者には信じてもらえません。
良い例
誰よりも行動する事でお客様から信頼を得ようと、一日100件のテレアポと週20件の訪問を欠かさず3年続けました。
上記のように、分かりやすい客観的な数値をPRする事で、よりリアリティを持った自己PRを行う事が可能になります。ぜひ試してみて下さいね。
4-3.企業が欲しい強みをPRする
悪い例
PC業務が中心の一般事務職に応募される方が、前職の販売職で鍛えた「フットワーク」をアピールする
アタリマエの鉄則のように感じますが、意外に出来ていない応募者が多いのです。最も自信のある強みをPRする事は大事ですが、応募企業が欲しい強みも理解した上でPR文を書くようにしましょう。
ステップ5. 「落ちない」自己PRの鉄則3選
ステップ4「受かる」自己PRの鉄則と同様、「落ちない」自己PRの鉄則もあります。ぜひ、自身の自己PR文が当てはまっていないか、下記項目を読んで推敲して下さい。
- 読みやすい文章を心掛ける
- 誇大な自己PRは避ける
- 独りよがりの評論はNG
5-1. 読みやすい文章を心掛ける
採用担当者は多くの職務経歴書を読んで、面接で会う価値のある人材を選んでいます。その際に読みにくい自己PR文はご法度!自身の文章が下記項目に当てはまっているか、チェックして下さい。
- 文字数は300字まで
- 表現は平易かつ具体的に
- 「~だが」「しかし~」など、逆説の接続詞を多用しない
- ですます調で統一されている
5-2. 誇大な自己PRは避ける
あなたの職務経歴書は採用担当者のみならず、転職面接者も読む事になります。面接者はあなたよりも経験豊富なビジネスパーソンである事が多く、誇大な自己評価は「ただの勘違い」と捉えられる事があります。
誇大な自己PR文の特徴として「主観が多い」「具体性が無い」「形容詞が多い」などが挙げられます。自身のPR文を見返し、身の丈に合った自己PRかどうか確認してみて下さいね。
5-3. 独りよがりの評論はNG
誇大な自己PRと共に「鼻に付く」PRの典型が、独りよがりの評論になってしまう文章です。「貴社の事業環境を踏まえると…」「競合とのマーケットシェア争いでは…」などと、企業理解を十分にしている事をアピールしようとする方がいらっしゃいます。
もちろん面接場面などで企業理解の深さをアピールする事は大切ですが、自己PR文では簡潔で要点を得た文章を書くように心掛けましょう。
ステップ6. 年齢別、自己PRの注意点(20代/30代/40代)
最後のステップでは、自己PR文を書く際に陥りがちな注意点を、年齢別にお伝えします。ぜひ、ご自身の状況に照らして、自分の強みを再度考えてみて下さいね。
20代の自己PR
20代の応募者によく見られる失敗自己PR文は、大学生のサークルやアルバイトなどで得た長所の自己PRに終始されるケースです。第二新卒と呼ばれるような20代前半~中盤の転職者でも、仕事で得た力や強みを中心にPRしましょう。
30代の自己PR
30代の応募者によく見られる失敗自己PR文は、過去の成果や実績が多くあり、強みを一つに絞り切れていないケースです。「成果を上げるために拘っている流儀」といったご自身のパターンを言語化してPR事をお薦めします。
40代の自己PR
40代の応募者によく見られる失敗自己PR文は、十分過ぎるキャリアがあるため、新しい職場や仕事へのチャレンジが出来ないように映ってしまうケースです。自分の得意分野に留まらず、苦手な事や新規性の高い事にチャレンジできる事をPRすると、より書類選考の合格率がアップしますよ。
さいごに
自己PRのポイントやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
何度もお伝えしますが、人事は「自己PRで書類選考を決めている」といっても過言ではないほど、しっかり読んでいます。とにかく大事なのは「自己分析に沿った強みをPRする」「PR文を客観的に推敲する」こと。自己PRは必ず面接でも聞かれます。しっかり考え、丁寧に想いをこめて書いて下さいね!
また、上記以外についても職務経歴書や履歴書でお困りの方は、転職エージェントに聞くのが手っ取り早くおすすめです。その際は無料で上手く転職エージェントを利用しながら簡単に職務経歴書を作成する方法をまとめた『職務経歴書の添削に強いおすすめ転職エージェントと活用法』をご参考ください。
※転職エージェントを利用する際の注意点
転職エージェントは完全無料で使えますが、あなたが内定・転職すると企業側から多額の報酬(提示年収の30%前後)を受け取っていますので、言葉巧みに転職へ誘導してきます。
彼らの営業トークにのせられて焦って転職先を決めてしまうことだけは避けてください。
『リクルートエージェント』のような大手エージェントは本気で転職を検討していればおすすめですが、担当のノルマも厳しいため注意しないと営業トークにのせられます。
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