職務経歴書の書き方と例文、職種別のポイントから送り方まで

職務経歴書は、応募先で活かせる経験を選んで厚く書き、ほかの経歴は短くまとめるのが基本です。書く前に経歴を時系列で書き出し、求人票から応募先が求める経験を読み取っておくと、どこを詳しく書くかが決まります。職務要約や自己PRの記入例から、職種ごとの書き分け、形式や枚数の目安、送り方まで順にまとめました。

職務経歴書とは?履歴書との違い

履歴書が氏名や学歴・職歴などの基本情報を決まった枠で伝えるのに対し、職務経歴書は担当業務や実績、スキルを詳しく伝える書類です。決まった用紙や書式はありません。応募先から提出を求められなかった場合でも、添えて出すと履歴書だけでは伝わらない仕事の中身を伝えられます。

派遣会社に登録するときは、職務経歴書の提出は基本的に求められません。紹介予定派遣で面接がある場合などは、持参を求められることがあります。

採用担当者は、求人が求める経験があるか、入社後も成果を出せそうかを見ており、面接の質問材料にも使います。

職務経歴書の書き方

職務経歴書の一般的な項目は、上から「日付・氏名」「職務要約」「職務経歴」「活かせる経験・スキル」「資格・免許」「自己PR」です。書く順としては、先に職務要約と自己PRで伝えたい強みを決めると、職務経歴のどこを詳しく書き、どこを短くするかが決めやすくなります。

職務経歴書を書く前の準備

最初に、社会人になってからの経歴を時系列で書き出します(キャリアの棚卸し)。会社や部署ごとに、担当した業務、役割、目標と実績、工夫したこと、身についたスキルを並べましょう。「誰に・何を・どのように」していたかの3つでまとめると、業務の中身がはっきりします。人からよく頼まれることや、周りが苦手でも自分は楽にできることを思い出すと、自分では当たり前と思っている強みが見つかりやすくなります。

次に、求人票の「仕事内容」「求める経験・スキル」や応募先の採用ページを読み、応募先がどんな人を求めているかを書き出します。書き出した経験のうち、応募先で活かせるものを選び、それを厚く書きましょう。同じ職種への応募でも会社ごとに求める経験は違うため、職務経歴書は使い回さず、応募先ごとに厚く書く経験を選び直し、自己PRを書き直します。

職務要約

職務要約は経歴全体を数行でまとめた文で、最上部に置きます。採用担当者が最初に読み、読み進めるかを判断する欄です。業界・職種、経験年数、業務、役割、実績を200〜300字でまとめ、最後に強みや仕事で心がけていることを一言添えます。

Webマーケティング支援の会社で営業をしてきた人の例です。

大学卒業後、株式会社〇〇にて約4年間、法人向けWebマーケティング支援の新規開拓営業に従事してまいりました。リスティング広告の提案から運用改善まで担当し、2023年度には年間売上目標に対して達成率115%を記録し、営業部内で年間MVPを受賞いたしました。常にお客様の業務課題を深くヒアリングした上でそれぞれに合った提案を行うことを心がけており、長期的な信頼関係の構築を得意としております。

職務経歴

会社ごとに在籍期間、正式な社名、事業内容、資本金・売上高・従業員数などの規模、雇用形態を書きます。その下に配属された部署、役職、担当業務を書きましょう。同じ会社で部署が変わった場合は、部署ごとに分けて書きます。業務内容は箇条書きにし、件数・人数・金額などの数字を入れると規模が伝わります。実績は売上金額や予算比など職種で使われる指標を用い、成果を出すために工夫したことや意識したことを一言添えましょう。

事務職など数字で示しにくい職種は、業務マニュアルの作成、作業時間の短縮、ミスを減らす仕組みづくりなど、目に見える改善を書きます。出向や転籍がある場合も、勤務した期間・社名・職務内容を転職した場合と同じように書きます。

株式会社〇〇(2020年4月〜2024年3月)
[事業内容]Webマーケティング支援 [規模]資本金3,000万円、従業員80名 [雇用形態]正社員
【配属】営業部(2020年4月〜2024年3月)
[業務内容]
・法人向けリスティング広告の新規開拓営業(月15件の商談実施)
・後輩社員2名の指導・育成
[実績]2023年度売上4,800万円(目標比115%・課内1位)
[工夫]事前分析をもとに顧客ごとの改善提案書を作成し、商談からの成約率を従来の20%から32%に引き上げました。

活かせる経験・スキル・資格

活かせる経験・スキルには、ツール名と習熟度(表計算ソフトなら関数を使えるか、など)を箇条書きで書きます。語学やプログラミング言語も正式名称で記載しましょう。資格・免許は取得年月と正式名称で書き、応募先に関わるものを優先します。書ける資格がない場合は「特になし」とし、勉強中の資格があれば取得予定時期を添えます。

自己PR・志望動機

自己PRは身につけた強みが応募先でどう役立つかを伝える欄です。「強み→エピソードと成果→活かし方」の順で、強みを1〜2つに絞り250〜300字にまとめます。志望動機は欄を設けないことも一般的ですが、応募先から求められた場合は、自分の経験が応募先のどの仕事で活かせるか、なぜその会社かを短く書きます。

次は、営業事務の人が事務職に応募する場合の例です。

【課題発見力と業務効率化の推進】
私の強みは、日々の業務における課題を見つけ、効率的な手順を構築して改善する力です。前職の営業事務では、月次の受発注集計業務が属人化しており、月末に特定の担当者へ作業が集中して残業が発生していました。そこで、業務フロー全体を見直して集計マニュアルを作成するとともに、表計算ソフトの関数を用いた共通フォーマットを導入いたしました。その結果、入力ミスをゼロに抑え、課内全体の集計時間を月あたり約15時間削減できました。貴社のバックオフィスにおきましても、周囲の業務を円滑にする仕組みづくりに貢献してまいります。

職種・経歴ごとの書き分け

採用担当者が見る点は職種によって違うため、応募する職種に合わせて厚く書く項目を変えます。

職種ごとに厚く書くこと

応募する職種 採用担当者が見る点 厚く書く項目
営業 誰に何をどう提案したか、成果を再現できるか 扱った商材、顧客(法人・個人、規模、担当件数)、商談相手の役職。売上額、予算比、前年比、社内順位、表彰などの数字と、成果のために取り組んだこと
事務・管理部門 業務の正確さ、処理能力、改善への取り組み 担当業務と経験年数、処理件数などの数字、扱えるソフトとその程度。業務手順を改めた工夫や、ほかの部署・社外とのやり取りの経験
販売・サービス 接客姿勢や現場への貢献、店舗運営の視点 店長や店長候補として応募するなら、店の売上(予算比・前年比)、商材と平均単価、来店数や販売件数、店の規模とスタッフ数、売上のための取り組み。スタッフとして応募するなら、接客で大切にしたこと、周囲からかけられた言葉、目標への取り組み
ITエンジニア 経験した技術環境、担当工程、チームでの役割 案件ごとの概要、役割、担当工程、期間、使った言語・データベース・OS・ツールとその程度、資格。リーダー経験は明かせる範囲で案件規模・人数・期間も書く

企画・マーケティングは勤めてきた会社の規模によって仕事の範囲が大きく違うため、部署の規模と自分の役割をはっきり書きます。情報の集め方や分析のしかた、社内外との調整も書きます。建築・土木などの技術職は担当した領域、主担当か補佐か、資格の正式名称と取得状況(学校に通っている、試験の結果待ちなどの段階も含む)を書きます。

医療・福祉・介護は経験した業務と役割に加え、業務で工夫・改善したこと、ほかの職種の人との連携を厚く書きましょう。

ITエンジニアやクリエイティブ職でスキルが多いときはスキルシートに分けてまとめ、デザインなどの職種では作品をまとめたポートフォリオを添えます。

転職回数が多い・ブランクがある場合

短期間で辞めた会社や休職も含め、職歴は省かずに書きます。書かなかった職歴が入社後に判明すると経歴を偽ったと受け取られることがあるためです。病気やけがの休職は、いまは回復して仕事に差し支えない旨を書き添えましょう。転職回数が多いときは共通する経験やスキルを中心にまとめます。経験を業務ごとにまとめるキャリア形式も使えます。空白期間が長いときは、転職活動や資格の勉強など、していたことを備考として一行添えます(離職中に簿記2級を取得、など)。

なお、派遣社員として働いた期間は、派遣先・派遣元の社名や業務内容を明記します。アルバイトの経験も、長く続けた、フルタイムに近い、店長など責任のある立場だった、応募先の仕事に活かせる、といった場合は書いて構いません。それ以外のアルバイトの経験は、原則として職歴には書きません。

職務経歴書のフォーマット

職務経歴書に決まった形式はありません。伝えたい経験が伝わる形式を選び、読みやすい枚数やフォントに整えましょう。

編年体・逆編年体・キャリア形式の違い

形式 書く順 向く経歴
編年体形式 古い経歴から新しい経歴へ(時系列) 経験年数が浅い人、転職が少ない人、同じ職種で段階を踏んで経験を積んできた人
逆編年体形式 現在の経歴から過去へさかのぼる 直近の経験が応募先の仕事に近い人、直近で役職や大きな成果がある人
キャリア形式 業務の種類やプロジェクトごと 案件ごとに働く職種の人、1つの会社で複数の職種を経験した人、同じ種類の仕事で転職回数が多い人

迷ったときは、履歴書の職歴と照らし合わせやすい編年体形式を選びます。キャリア形式では時系列が分かりにくくなるため、在籍した会社と期間の一覧を別に添えます。

外資系企業で英文の書類を求められた場合は、職歴をまとめた英文のレジュメと、自己PRや志望動機を書くカバーレターを提出します。

枚数・フォントの目安

枚数はA4用紙で、社会人経験が5〜7年程度までなら1〜2枚、経歴が長い場合は2〜3枚が目安です。長くなったときは文字を小さくせず、応募先に関わりの薄い経歴を短くして実績を箇条書きにまとめます。

職務経歴書は修正しやすいようにパソコンで作るのが一般的ですが、応募先から手書きの指定がある場合は手書きにします。フォントは明朝体やゴシック体など標準的なものを選び、本文は10.5〜11ポイント、見出しは12〜14ポイント、余白は上下左右15〜25ミリを目安に整えましょう。

職務経歴書の送り方

職務経歴書は、応募先の指定に合わせてメールや郵送で提出し、送る直前に誤字脱字や履歴書との食い違いがないかを確かめます。

メールで送る場合

指定がなければ、レイアウト崩れを防ぐためPDFにして添付します。ファイル名は「日付_書類名_氏名」とし、件名には用件と氏名を明記します。宛先、あいさつ、用件、添付書類名、署名を入れた本文が送付状の代わりです。送信には携帯電話会社のアドレスを使わず、パソコンで使うアドレスから送ります。ファイルにパスワードを付ける場合は、パスワードを書類とは別のメールで送りましょう。

郵送する場合の封筒の書き方

封筒はA4を折らずに入る白の角形2号を選びます。上から送付状、履歴書、職務経歴書の順にクリアファイルへ挟みましょう。表面に宛先と赤字で「応募書類在中」、裏面に差出人と「〆」を書き、郵便局の窓口から出します。面接へ持参する際は封をせず、手渡し時に封筒からクリアファイルごと出しましょう。

提出前のチェック

  • 日付は提出日にし、履歴書と西暦か和暦かをそろえたか
  • 誤字脱字がなく、文末が「です・ます」で統一されているか
  • 社名は正式名称か、履歴書と内容に食い違いがないか

提出後に誤りに気づいたときは、すぐに採用担当者へ連絡してお詫びし、指示に従いましょう。