「年収が下がったらどうしよう……」「転職先の新しい環境に馴染めるだろうか」
「転職先が決まるのか心配」
転職活動には不安がつきものですよね。
特に30代になると「転職は35歳まで」「30代の転職は20代よりも厳しい」という噂もあって余計に判断に迷ってしまうという人もいるでしょう。
事実、30代の転職は20代よりも難しくなります。
30代以降は基本的に即戦力採用となること、同じ能力であれば若い方が採用さやすいという現実があるからです。
同じ30代であっても年齢を追うごとに難易度は上がります。本当に転職したければ1歳でも若いうちに行動したほうが良いでしょう。
30代をどのように過ごすかによってその先のキャリアは大きく変わります。よって、転職すべきかどうかは慎重に決断すべきです。
今回は、30代の転職事情と転職を迷った時にすべきこと、成功のポイントも解説します。
- キャリアの有無で明暗が分かれる!30代の転職事情
- 30代の転職はスキルや専門性がないと厳しい
- 30代が転職市場で求められる人材像とは
- 迷っているなら慎重に!30代が転職する前に注意すべきこと
- 30代の転職活動を成功に導くポイント
- 30代の転職は書類選考が肝!通過率を上げるためのポイント
- 30代におすすめの転職エージェント
- 転職エージェントを使う際に注意すべき5つのポイント
- 30代が必ず登録しておきたい転職サイト5選
- まとめ
この記事を読めば、転職を成功させるために今の自分がすべきことがわかります。
目次
1. キャリアの有無で明暗が分かれる!30代の転職事情
はじめに、30代の転職事情について解説します。
30代の転職について、20代よりも難しくなるイメージはあっても実情はどうなのかを知りたい人も多いかと思います。
過去には「35歳転職限界説」など、転職したいなら35歳までにしなければいけないと言われていた時期もありました。しかし、現在は30代後半を含む30代の中途採用が活発に行われており、30代の求人は増加しています。
厚生労働省発表の一般職業紹介状況によると、2009年時点では35歳〜39歳の新規求人倍率は0.75%だったのに対し、2019年時点では2.41倍と3倍以上になっています(厚生労働省:一般職業紹介状況,2020.)。
さらに同データで確認したところ2019年時点の新規求人倍率は、25歳〜29歳が2.50倍、30歳〜34歳は2.47倍でした。
つまり、20代後半と30代ではほとんど変わらないのです。
このように30代の人材を求める企業は増えており、転職できるチャンスは増えていると言えます。しかし実際には、30代の転職事情はキャリアの有無で明暗が大きく分かれます。
この章で、転職による収入の変化や内定までの期間、応募社数など具体的な数値を見ていきましょう。
- 1-1. 30代前半は約半数、30代後半は約4割で給与がアップ
- 1-2. 約半数弱が3ヶ月以内に転職を決めている
- 1-3.平均応募社数は19.1社。20代よりも少なく、40代よりも多い
- 1-4.3人に1人が仕事内容やスキル、5人に1人が賃金以外の労働条件で転職先を選んでいる
1-1. 30代前半は約半数、30代後半は約4割で給与がアップ
厚生労働省の調査によると、転職した30代の求職者のうち、30代前半は約半数、30代後半は4割以上が年収アップに成功しています。
〔出典〕厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021.を基にCareer Theory編集部作成
詳しく見てみると、転職によって年収を上げた人は30代前半で48.6%、30代後半では40.6%です。いずれも全年齢の平均値39%よりも高い数値であることが分かります。
「変わらなかった」と回答した人も合わせると、6割以上の30代が年収アップまたは維持して転職できたことになります。
この数値を見ると30代の転職は収入面において何も問題がないように思えます。
しかし注意が必要です。転職で給与アップできた人の割合を年齢別に見てみると、以下のように30〜34歳をピークに、35歳以降は右肩下がりで推移しています。
〔出典〕厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021.を基にCareer Theory編集部作成
35歳を過ぎた時点から下落を始め、40代はほぼ横ばい、50代以降は一時的に下降・上昇するものの60代前半にかけて顕著に下がっています。
50代後半に数値の一時的な回復が見られ、一見希望が持てそうな気もします。
しかしこれは、定年間近のこの年代で転職する人がそもそも少なく、さらに転職に成功する人は、もともとのスキルが高く市場で評価してもらえる人材だからということが考えられます。
30代以降は加齢とともに給与を上げての転職が難しくなる傾向にあります。つまり30代は、どのようなキャリアを積むかによって将来の明暗が分かれる重要な年代と認識しておいたほうがよいでしょう。
1-2. 約半数弱が3ヶ月以内に転職を決めている
厚生労働省の調査によると、30代の求職者が転職を決めるまでの期間は以下の通りでした。
30代前半 | 30代後半 | |
3ヶ月以内 | 41.4% | 47.9% |
4ヶ月〜半年以内 | 60.8% | 62.7% |
30代の約半数が3ヶ月以内、6割以上が半年以内で転職を決めていることが分かります。
一方で、転職に要した期間を年代別にまとめたデータによると、4ヶ月以上かかった人は、20代で18%、30代で27%、40代になると33%です(エン・ジャパン:「転職活動」実態調査,2018.)。
このことから、転職活動は年齢とともに長期化する傾向があると言えるでしょう。
短期で決まる方は、リファラル採用と呼ばれる知人の紹介や、ヘッドハンティング等の特別な選考フローを経て短期で内定を獲得する人か、企業が求める以上のスキルを保有している優秀な人材が多いと言われています。
また、転職を意識し始めた頃から事前準備として自己分析や転職市場の調査を行ったことで、本格的な転職活動開始から就職先が決まるまでの期間が短かったというケースもあります。
準備期間を含めると、3ヶ月以内で転職先が決まらない可能性は高いと覚悟しておきましょう。
1-3. 平均応募社数は19.1社。20代よりも少なく、40代よりも多い
以下は、年代別の平均応募社数をまとめた表です。
20代 | 30代 | 30代 | |
平均応募社数 | 22.2社 | 19.1社 | 12.4社 |
〔出典〕doda:転職成功者の「平均応募社数」,2023年10月24日付.
30代は19.1社と、20代よりも少なく40代よりも多い結果となりました。
また、応募社数が1社のみと回答した割合は40代の半分以下でした。
20代 | 30代 | 40代以上 | |
1社のみと答えた人の割合 | 10.8% | 16.6% | 35.3% |
〔出典〕doda:転職成功者の「平均応募社数」,2023年10月24日付.
このような結果となったのは、40代以降の転職は優秀な人材のヘッドハンティングや今までの人脈を生かした紹介なども含まれるからと考えられます。
一方30代の転職では、転職活動を始めるまでにどのようなキャリアを積んだかで、転職市場で差がつきはじめる時期です。同じ30代でも年齢を重ねるほど企業側の期待も高まり、その傾向は顕著になります。
一般的に年齢が上がるほど採用の難易度は上がり、応募社数も増えていくと言われています。
dodaの調査によると転職活動の際の書類選考通過率は、20社応募して5社、つまり20%です(doda:転職成功者の「平均応募社数」,2023年10月24日付.)。
さらに面接に進んだ5社のうち内定が出るのは1社と言われており、内定をもらうのは狭き門であると言えます。
これらを考慮すると、1社のみの応募はかなりリスクが高いことがわかりますよね。
また、1社応募して落ちたら次に応募、というような進め方をしていたら転職活動が長期化してしまいます。
自分が納得できる転職を最短で実現するためには、複数社に同時進行で応募していくのがベターと考えた方がよいでしょう。
1-4. 3人に1人が仕事内容やスキル、5人に1人が賃金以外の労働条件で転職先を選んでいる
厚生労働省の調査によると、30代の多くは以下の理由で転職先を選んでいます。
30代前半 | 30代後半 | |
仕事内容やスキルを活かせる | 31.5% | 37.5% |
賃金以外の労働条件 | 23.0% | 20.4% |
30代の求職者のうち3人に1人が仕事内容やスキルを活かせること、5人に1人が賃金以外の労働条件で転職先を選択しています。
このような結果となった背景には、30代の転職は基本的に即戦力採用であることや、応募の段階でスキルや専門性が必須とされることで、職務経験をベースとした転職となりやすいことが挙げられます。
一般的に30代になると、年齢を重ねるほど職種未経験での採用は難しくなります。よって何かやりたいことがあっても経験ありきの採用となり、それが特に30代後半では顕著になるのです。
もちろん、スキルや職務経歴を活かして転職した結果、満足する職場を見つける人も多いでしょう。しかし転職で大きく方向性を変えたくても、30代という年齢が壁になってしまうことは現実としてあります。
厚生労働省の調査によると、30代前半の離職理由の1位は「賃金以外の労働条件が良くなかったから」、30代後半は「会社の将来性に不安を感じたから」でした。
【30代前半】転職理由 | 割合 | |
1位 | 賃金以外の労働条件が良くなかったから | 36.7% |
2位 | 賃金が低かったから | 25.5% |
3位 | 会社の将来に不安を感じたから | 25.1% |
4位 | 他によい仕事があったから | 20.7% |
5位 | 満足のいく仕事内容ではなかったから | 19.2% |
30代前半は「賃金やそれ以外の労働条件」を理由に転職する人が6割以上を占めています。しかし30代後半になると、「会社の将来」や「仕事内容の満足度」を理由とした転職が増えるのです。
【30代後半】転職理由 | 割合 | |
1位 | 会社の将来に不安を感じたから | 29.1% |
2位 | 賃金以外の労働条件が良くなかったから | 25.9% |
3位 | 満足のいく仕事内容ではなかったから | 25.0% |
4位 | 賃金が低かったから | 22.9% |
5位 | 人間関係がうまくいかなかったから | 18.0% |
30代は年齢によって求められる要件が大きく変化する年代です。30代後半になるとそもそも転職の難易度が上がるため、多少の労働条件の悪さだけでは、転職の決定打にはならないのでしょう。
特に「会社の将来」は自分の力では大きく変えにくい要件の一つです。40代になるとさらに転職が難しくなることを見込んで、30代後半のうちに転職を決断する人が多いと考えられます。
全ての条件で納得できる転職先はなかなか見つかりません。最短で納得いく転職先を見つけるためにも、30代はどうしても譲れない条件以外は柔軟に考慮することも必要な年代と言えるでしょう。
2. 30代の転職はスキルや専門性がないと厳しい
1章を読むと、「そうは言っても、30代のうちに転職すればなんとかなりそう」と感じた方もいると思います。
しかし30代での転職は、スキルや専門性がないと非常に苦労するのが現状です。そこでこの章では、30代の転職が厳しいと言われる主な理由を解説します。
- 2-1. 年を重ねるごとに求人数が減る
- 2-2. ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
- 2-3. 新環境・職場への適応力が20代より低いとみられがち
- 2-4. 家庭を持つ人が増え、年収や勤務地など条件へのこだわりが増える
- 2-5. 30代後半になると転職はさらに厳しくなる
- 【補足】30代の女性の転職事情
2-1. 年を重ねるごとに求人数が減る
30代になると、年齢を重ねるごとに応募できる求人が減少していきます。
多くの企業は、会社を長期的に発展させるための戦略として、自社で採用した人材に長く活躍してもらうよう育成します。
20代などの若いうちに採用し、自社の社風や価値観、仕事の進め方などを実務ベースで教えていく会社が多いのです。
このため新卒や20代での採用が最も多く、30代前半になると20代ほどの募集がなく、30代後半になると一気に求人数が減ってしまいます。
また30代になるとそれまでの実績次第では、管理職になる人も出てきます。この管理職ポジションは、適任者が社内にいればあえて外から採用する必要はありません。
社内で活躍できる確約がない転職者を採用するよりも、自社で長く働いている人材を登用するほうが圧倒的に低リスクだからです。
40代になれば管理職としてマネジメントの経験を積んでいる人も出てきますが、30代だと管理職としては未熟と判断されてしまうこともあるでしょう。
結果として一般社員と管理職、いずれの求人需要も少ないために一気に求人数が減ってしまうのです。
2-2. ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
30代で転職をすると、基本的に即戦力を求められます。ポテンシャル採用の対象は主に20代が中心で、30代前半でも一部見られるものの、全体として採用基準が高くなるのは間違いありません。
求職者は年齢に相応しい知識やスキル、経験を求められますし、企業側は上がった採用基準に合わせた給与を支払う必要があります。
転職先での給与は、自社の相場と前職の給与、過去の実績などから総合的に判断して決定されます。
企業が支払う給与額に対して、求職者がそれに見合う人材であるのかを厳しくチェックされているのです。
また30代の候補者と同じ能力を持つ20代がいた場合、企業が支払う給与は若手の方が安く済む可能性が高いです。このため、そちらを優先的に採用するでしょう。
教育コストを回収しやすいという観点でも若手は優遇されやすいです。
中途採用であっても入社後の研修やオリエンテーションなど教育にはかなりのコストがかかります。
30代よりも20代の若年層の方が伸びしろがあり、かつ長期的に就業する可能性が高いと捉えられやすく、多くの観点でも20代が有利となるのです。
2-3. 新環境・職場への適応力が20代より低いとみられがち
30代になると、20代の若手と比べて新たな環境や職場への適応力が低いのではないかと思われてしまいます。
一般的に採用側は、若手であるほど発想力が自由であり、環境に対して柔軟に対応できると考えがちです。
例えば転職先に入社したら、新たな人間関係を築く必要があります。30代で転職すると、自分よりも年下の人と同列のポジションで仕事をしたり、上司が自分よりも若かったりするケースも多くなるでしょう。
このような新たな環境・人間関係に適応してやっていけるのかを懸念されることがあるのです。
また企業にとっては、自社のルールや社風に合わせて業務を遂行できるかも採用の重要なポイントになります。
30代で社会人歴も長くなると、仕事に対する考えが固定化され始める人が多いです。新しい職場環境や自社方針に適応できるかも懸念されてしまい、同じ能力であれば年齢が若い方が優遇されてしまいます。
2-4. 家庭を持つ人が増え、年収や勤務地など条件へのこだわりが増える
30代は年齢を重ねるほど家庭を持つ人や、年収や勤務地などの条件面で譲れないことが増えます。
特に30代後半になると住宅ローンや子どもの教育費が心配で年収を下げられない人も多く、転勤を避けたい人も出てくるでしょう。
家庭を持つようになると条件に融通が利かないことも多く、結果として選択肢が狭まってしまい転職活動が難航することがあります。
2-5. 30代後半になると転職はさらに厳しくなる
30代の人の中でも、30代の後半になるにつれて状況はどんどん難しくなっていくことが予測されます。
それは、企業が同じスキルを持った「30歳」と「39歳」であれば長く働ける前者を選ぶからです。
また下記の表からもわかる通り、転職して給与をあげた人の割合は、30代後半になると大幅に下がっています。
30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | |
転職して給与を上げた人の割合 | 48.6% | 40.6% | 41.7% |
なお40代前半の割合が若干上がっているからと言って、安心してはいけません。
40代で給与を上げて転職できるのは30代までに身につけたスキルや経験が評価された場合であり、40代という年齢を評価された結果ではありません。
このことからも30代で転職を決意して動くのなら、即戦力となるスキルや経験が必要であることがわかります。
【補足】30代の女性の転職事情
30代の女性の転職事情も、男性と同様に厳しくなっています。
その厳しい女性の転職市場においても、求められるのはやはり「即戦力」です。
dodaの調査によると、多くの30代女性が転職先に選んでいるのは「事務・アシスタント系」「企画・管理系」の2種類でした(doda:30代女性の転職事情 ~データで見るリアル~,2023年10月6日閲読)。
両職種の転職者とも、前職で類似の業務経験があってそのスキルを活かせる転職を選んだ人の割合が多いのが特徴です。この点からも30代ならではの豊富な経験やスキルが買われていることがわかります。
また30代の女性というと、家庭がある人や子どもがいる人など、プライベートと両立できるのかを不安に感じる方が多いのではないでしょうか。
総務省の統計では、30代の有業者で育児をしている人・介護をしている人それぞれにおいて、仕事と両立する人の割合は5年前よりも増加しています。
女性有業者 | ||
2012年 | 2017年 | |
育児をしている人(35~39歳) | 約53.2% | 約64.1% |
介護をしている人(40歳未満) | 約59.0% | 約66.1% |
30代はこれから子どもの教育費の必要性や、老後の資金を意識し始める年代なので、家庭と両立しつつ正社員として収入を維持したいと考える人は多いです。
最近では女性の就業率が高くなっていることで、ワーキングマザーを含む女性に特化した転職エージェントも増えています。
以前よりもワークライフバランスを重視した正社員求人が探しやすくなっており、「時短勤務可能」や「残業20時間以下」などの項目で求人検索が可能なサービスも多く見られます。
全ての自分の理想や希望条件を叶えることが難しくても、豊富な経験値を武器に転職活動をすれば、納得のいく職場が見つかる可能性はあるでしょう。
3. 30代が転職市場で求められる人材像とは
30代の厳しい転職市場で求められている人材は「高い専門性と即戦力」「マネジメント経験」のいずれかを持つ人です。
転職市場で求められる30代の人材像について、詳しく見ていきましょう。
3-1.高い専門性があり即戦力として活躍できる人
経験・知識が豊富で高い専門性を持ち合わせており、即戦力として活躍できる人は、転職市場で高い需要があります。
企業が30代に求めるのは即戦力であり、入社してすぐに現場で動けて、数ヶ月後には成果を出せるような人材です。
さらに、わざわざコストをかけて中途採用をするわけですから、自社の同年齢以上のパフォーマンスを期待されるでしょう。
つまり30代が転職する際は、新たな価値や実績を創造できる人や、高い専門性を活かして会社を牽引するほどの力がある人物が求められます。
組織内で後輩を指導することも増える年代なので、見習いたいと思われるような人間性も必要です。
3-2.マネジメント経験がある人
30代は一人前のプレーヤーとしての能力があることが前提で、さらに人材の育成や組織をけん引するなどのマネジメント経験が求められます。
30代後半になると、この傾向はより色濃くなります。30代前半で管理職やマネージャーなどの役職経験がない人でも、何かしらのチームリーダー経験は求められるでしょう。
マネジメント経験があれば、マネジメントスキルを持ち合わせている人材だと判断されやすくなります。実際のマネジメント経験を通して自身のマネジメント能力がいかに磨かれてきたかアピールすることが重要です。
マネジメントスキルの例
- 現状の課題を見出し目標を立てる力
- 目標を現場で共有し達成に向けてチームを動かす力
- 部下を育成し能力を引き出す力
- チームメンバーの状況を把握し仕事を調整する力
- 状況を冷静に分析・判断する力
今までのキャリアの中で、プロジェクトの立ち上げや部下への指導、チームを率いた経験などを持つ人は、上記のようなスキルを発揮した経験があるでしょう。
役職に就いたことがなくても、マネジメントに通じる経験や、それらを通して自分の中に培われたスキルがないかを確認することがおすすめです。
【補足】どちらもあてはまらないときは新たな環境への適応力をアピールする
マネジメント経験や高い専門性のどちらもあてはまらないときは、新たな環境への適応力の高さをアピールしましょう。
30代となると、専門的な業務知識やスキルがあることが当たり前とみなされる一方で、新たな環境への適応力などが懸念される傾向にあります。
「考え方が違う後輩と相互理解をしながら業務を遂行できた」など具体的なエピソードがあれば、自分の強みとして伝えられるでしょう。
4. 迷っているなら慎重に!30代が転職する前に注意すべきこと
30代の転職は若い世代と比べて難航しやすく、年齢を追うごとにその傾向は高まります。
20代と同じような感覚で転職活動をしてしまうと、転職先がなかなか見つからなかったり、年収が大幅に下がったりと失敗してしまうケースもあります。
以下で、30代の転職で失敗してしまった事例を紹介します。
30代での転職は一度失敗してしまうと、再度の転職活動は始めにくくなってしまいます。しっかりと準備をして慎重に転職活動をしましょう。
もし転職を迷っているなら、勢いのままに退職することはおすすめしません。
ここでは、辞めたいと感じたときに考えるべきことをお伝えします。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
4-1. 辞めたい理由を明確にする
30代での転職はラストチャンスになる場合もあるため、中途半端に失敗することは許されません。
そのため転職に踏み出す前に、なぜ今の会社を辞めて転職したいのかを考えてみましょう。
やりがいを感じられる業務を担当したければ異動すれば解決できるなど、あなたの転職したい理由が今の会社で解決できるのであれば、退職するのではなく異動希望を出すことをおすすめします。
なぜなら「時間をかけて社内で築いた地位や人脈がもったいない」、「転職すると待遇が悪化する可能性がある」からです。
また、転職しようと思ったことは一時的な衝動に過ぎない可能性もあります。
長く働くことで、昇進や退職金の面でも有利になります。よって、焦って転職することは避けましょう。
4-2. 転職先に求める譲れない条件を考える
転職先に求める「譲れない条件」を考えておくことも大切です。
なぜなら転職活動が上手くいっていないと気付いていても、今の会社を退職したい思いの強さから、条件面などを大きく妥協して転職してしまい、結果後悔することがあるからです。
高望みするのはおすすめできませんが、焦りから自分を客観視できず、妥協して転職先を決めてしまう恐れがあります。
これは譲れないと考える条件を軸にして求人探しをおこない、後悔のないようにしましょう。
勤務地や年収、勤務時間などの待遇面に加え、自分のやりたいことやスキル、価値観などの会社との相性を考慮すると企業とのミスマッチを防げます。
しかし条件を詳細に絞りすぎてしまうと、応募可能な求人が極端に少なくなってしまう可能性があります。
年収なら最低金額、通勤時間ならば片道の限度時間など最低限のラインを決めたり、条件の中でも優先順位をつけたりすると良いでしょう。
4-3. キャリアの棚卸をしておく
転職活動に踏み出す前にキャリアの棚卸をしておきましょう。
キャリアの棚卸とは、今までの自分の実績や業務内容、キャリアを見直すことです。
そうすると、以下の2点が明確になります。
- 仕事での強み・弱み
- 興味のある分野、やりがいが持てること
この作業で、自分がやりがいを感じられる仕事や得意分野が分かるので、待遇のみにとらわれることなく転職先を探せます。
「絶対に年収を下げたくない」など待遇に固執して転職先を探していると、入社後に価値観が合わず職場に馴染めないなど、ミスマッチが起こりやすくなります。
こういった失敗を防ぐためにも、これまでの自分の実績や仕事に対する価値観を見直しておくことが大切です。
また、強みや得意分野を認識することで、書類選考や面接でのアピールポイントを整理できるでしょう。
30代での転職は即戦力かつ専門性が求められるので、「経験」や「できること」をきちんと自分の言葉で伝えられるようにしておくことが大切です。
そのため、30代の方は過去・現在・未来のそれぞれの側面での自己分析が必要です。
自己分析の方法を詳しく知りたい方は、すべてのステップを解説した「プロ直伝!転職成功に導く自己分析4ステップ【シート付】」を参考にしてみてください。
4-4. 自分の市場価値を知る
自分の転職市場価値を正しく理解するのは、転職活動を進めるうえでとても大切なことです。
自分の転職市場価値から見て過度に高望みしてしまうと、いつまでも転職先が決まらなくなってしまいます。
他方で、自身の価値を過小評価してしまうと、本来ならより好条件の転職先に入社できるにもかかわらず、そのチャンスを逃し、後悔してしまう可能性もあります。
自分の市場価値を知るには、実際に転職活動をしてみて、その結果を指針とするのがベストです。
採用選考の結果は、その人の市場価値に対する最も端的な評価と言えるからです。
たとえば書類選考・面接をどの程度クリアできるか、応募数に対して内定をもらえる割合などは、あなたのスキルやキャリアに対して、企業目線でどの程度魅力的であったかの答えと言えるでしょう。
こうしたことからも、自身の転職市場価値を探ることができるのです。
そうは言っても、忙しいなか覚悟も決まっていないのに転職活動をスタートすることに躊躇してしまう人は多いでしょう。
転職活動開始までにおおよその市場価値を把握するために、以下2つの方法を紹介します。ぜひ実践してみてください。
- 業界の標準年収と自分の年収を比較する
- 転職エージェントから届くスカウトから把握する
業界の標準年収と自分の年収を比較する
同じ業種・年代の平均年収と自分の年収を比べてみると、自分の適正年収や能力に応じた評価を受けられているかを判断する材料ができます。
適正年収を知る方法としては、
- 求人情報から給与を知る
- 職業×標準年収で検索する
この2つがあります。
しかし、同じ業種や年代であっても企業の規模や地域によって年収は変動します。よって、この方法では正確な数値が把握できるわけではありません。
1つの判断材料として捉えておきましょう。
転職エージェントから届くスカウトから把握する
もう1つの方法は、転職エージェントから届くスカウトから市場価値を把握する事です。
転職エージェントに登録すると、あなたの経歴にあった求人をキャリアアドバイザーから紹介してもらえたり、登録情報に基づいたスカウトメールが届いたりします。
この転職エージェントの「スカウト機能」は、経歴や年収に合わせて配信されるため、転職市場におけるあなたの評価が具体的にわかります。
届いた求人を複数見れば、あなたの転職市場価値や適正年収の目安となるでしょう。
このほかにも転職エージェントに登録するメリットは多くあります。詳細は5-5で解説していますので、そちらを参考にしてみてください。
5. 30代の転職活動を成功に導くポイント
転職活動が成功したと判断する材料は人によって異なります。
しかし大幅に年収が減って経済的に困窮したり、転職先の社風と自分の価値観や働き方が合わずに後悔したりすることは誰でも避けたいはずです。
ここでは、30代の転職活動を成功に導くポイントを紹介します。
- 5-1. 業種にとらわれないで探す
- 5-2. 応募先の企業の情報は入念に調べる
- 5-3. 転職先が決まるまで退職しない
- 5-4. 転職後に一時的に年収が下がることも。家族がいるなら理解も得て
- 5-5. 転職エージェントを利用する
- 5-6. 転職サイトを利用する
それでは、1つずつ見ていきましょう。
5-1. 業種にとらわれないで探す
30代の転職は、人によっては求人探しが難航する場合があります。
同一業種にこだわりすぎると、選択肢が狭まってしまうことがあるのです。このため業種にとらわれず、幅広く求人を探すと良いでしょう。
未経験の業種であっても、自分の経歴や社会人として身につけてきたスキル・専門性が生きるケースも多いです。
どの経験やスキルを活かすべきか分からない人は、自分の中に、全ての仕事に通用するスキル=ポータブルスキルがないか考えてみると良いでしょう。
ポータブルスキルの例
- コミュニケーション能力
相手の話を傾聴する、受け入れる、相手を支援する、自己主張、提案する力 - 論理的思考能力
物事を整理して、矛盾や飛躍をせずに筋道を立てる思考能力 - 交渉力
ビジネスシーンで互いが納得できるところに結論を持っていく力 - 問題解決能力
現状から課題を把握、目標を設定、計画の立案、行動と評価する力 - マネジメントスキル
部下の育成や組織をまとめる力
一般的に即戦力が求められる30代で、未経験の業種に転職するハードルは高いです。
しかし上記のようなポータブルスキルがあり、かつそれをうまくアピールできるなら、転職に成功する可能性はぐんと高まります。
例えば、ポータブルスキルをアピールして保険営業からMR(製薬メーカー勤務で医療機関向けに情報提供をする役割)に転職することも不可能ではありません。
一見すると関連スキルがなさそうな保険業界と医療業界ですが、これら2つの仕事には高い共通性があります。
どちらも個人顧客(MRの場合は医師)を対象としている点で営業スタイルが似ており、かつ営業経験で培った交渉力やコミュニケーション能力は業種が変わっても大きく役立つのです。
このように、これまでの業務で自分が培ってきたポータブルスキルを洗い出し、他業種でも活かせないかと考えることで、転職先の選択肢が広がるでしょう。
【補足】未経験でも参入しやすい職種
ここでは、30代未経験でも参入しやすい職種を紹介します。
- 営業職
- 販売・接客業
- 物流関係・ドライバー
- 介護職
未経験可の分野というと力仕事や介護業界が多いイメージですが、営業職も求人が多く、比較的参入しやすいと言われています。
営業職は全ての業界で求められる職種のため、業界・雇用形態ともに幅広い選択肢があるのです。
幅広い年代とコミュニケーションを取る機会も多い職種であるため、社会人経験と柔軟性がある30代の特性を生かせるでしょう。
商材にもよりますが、人生経験を武器に若手とは異なる提案をできる可能性もあります。
営業職未経験の場合、特に30代におすすめなのが以下の2つの業界です。
- 不動産業界
- 保険業界
不動産はメインターゲットが30代以降のファミリー層が多いです。よって家庭がある人も増える30代は、顧客ニーズを把握しやすく、営業における交渉力や説得力も増します。
保険業界も主な顧客層が30〜60代で、介護や年金など老後を意識しはじめる30代は親近感を持たれやすいでしょう。
5-2. 応募先の企業の情報は入念に調べる
書類選考や面接を通るために、念入りな企業研究は転職活動の基本であり、全世代に重要です。
さらに30代は転職活動のラストチャンスが近づくため、より一層重点的におこなう必要があります。
応募企業を研究する主な目的は、以下の通りです。
(1)選考を通りやすくする
そもそも、応募先の企業の情報がなくては志望動機を作成できません。
志望動機とは「その企業で働きたい理由」、「応募企業に魅力を感じたポイント」を伝えるものです。
採用担当者にこの企業を選んだ理由が伝わらなければ、印象に残らないうえ、下調べ不足が露呈することで、かえって志望度の低さが伝わってしまいます。
例えば、ただ「経営理念に魅力を感じた」というだけでは、魅力を感じた理由や、企業が応募者を採用するメリットが分からないですよね。
企業は志望動機を通して、
- 自社の考えとマッチする人材なのか
- 入社後に会社にどのように貢献してくれそうか
- 自社の応募にかける熱意はあるか
を知りたいと考えています。
自分という人材がいかに企業にマッチして貢献できる存在なのかを伝え、応募にかける熱意と説得力が詰まった志望動機を作成するには、入念な企業研究が欠かせないのです。
(2)企業とのミスマッチを防ぐ
給与や勤務時間など待遇面での条件がマッチしていても、社風や経営方針と自分の理想とする働き方が合わなければ、転職を後悔する可能性があります。
特に、以下のように慢性的な人手不足に陥っている会社は、いわゆるブラック企業であることも多いです。
苦労して転職活動をしている中で、1社のみすぐ来てほしいと言ってくれた会社がありました。
退職を決意した際に、ふと気になってその会社の口コミを調べました。
そこには、社員の方が不満をひたすら書き込んでいて、会社の良くない状況がひしひしと伝わってきました。
私が内定をもらえたのは、能力を評価してもらったのではなくただの人員不足だったのかとその時気づきました。あの時、口コミを見ずに転職していたらと思うとゾッとします。
企業とのミスマッチを防ぐためにも、公開されている企業情報に加えて内部の評価や企業の社風、価値観を研究しておきましょう。
(3)企業の安定性を見極める
30代での転職は、ラストチャンスとなる場合もあります。
定年まで30年近く勤務する可能性がある企業なので、現在の経営状態や今後の見通しから安定性があるかも判断する必要があります。
そこで経営が長期的に安定しやすい企業の特徴を以下に挙げました。
- 業界のシェア率が高い
- 自己資本率が高い
- 業界に将来性がある
どんなに有名な大企業でも、決して潰れない保証はありません。これらの情報を参考に、目先の人気やネームバリューだけで転職先を選ばないようにしましょう。
企業研究として、以下の項目は調べておきましょう。
- 企業の基本情報
- 事業内容
- 働き方に関する制度
- 採用情報
- 同業界での位置づけ
- 他社との違い
また、企業情報を調べる方法としては以下がおすすめです。
- 企業の公式サイトを確認する
- IR情報をチェックする
- 口コミサイトを確認する
- 転職エージェント・サイトを利用する
入念な情報収集をすると、書類選考や面接に通過しやすくなります。さらに転職失敗のリスクを減らすことにもつながるのです。
実際に企業に応募する前に、入念に行いましょう。
5-3. 転職先が決まるまで退職しない
基本的に、転職先が決まるまでは退職しないことをおすすめします。
30代の転職活動は人によっては難航することがあるため、勢いで退職すると経済的に困窮する可能性があるからです。
前の会社を勢いでやめてしまい、転職活動を開始しましたが、まったく決まりませんでした。
自己都合退職のため、失業手当がすぐには出ず、貯金を切り崩して仕事を探していました。
その焦りで入社を決めてしまったのが、前職よりも環境が悪い、いわゆるブラックな会社です。
勢いだけで退職してしまったことを後悔する日々が続いています。
自己都合の退職の場合、失業手当が出るまでに約3ヶ月かかります。また、無収入であることに焦りが生まれ、上記の事例のように妥協して転職先を決めてしまうと、失敗する可能性が高いのです。
転職活動と仕事の同時進行は負担がかかりますが、転職活動は退職せずにおこないましょう。
5-4. 転職後に一時的に年収が下がることも。家族がいるなら理解も得て
転職タイミングによっては賞与(ボーナス)が満額もらえず、特に転職初年度は年収がダウンするケースも少なくありません。
30代は家庭がある人も増え、住宅ローンの支払いや子どもの教育費の捻出など将来の出費が気になり始める時期です。
あなたの収入減は家族の将来にも大きく影響を与えますので、転職活動を始める前に家族の理解を得る必要があります。
収入ダウンの可能性があるのなら、これを機に家計の収支を見直しましょう。
毎月の支出に加え、子どもの教育費や家のローンや修繕費、車の買い替えなど、将来的な大きな出費に必要な年収はいくらくらいなのか、計算してみてください。
また、あなたが仕事と転職活動を両立することで、家庭の時間が減少し、他の家族に家事・育児の負担が増加する可能性もあります。
家庭のことを考えて転職活動をしたのに、家族との関係性が悪化しては元も子もありません。
一時的に負担が増えるかもしれないという点をきちんと説明し、理解と協力を得られるよう努力しましょう。
5-5. 転職エージェントを利用する
30代の転職であればまず「転職エージェント」に登録することをおすすめします。
転職エージェントとは、登録すると転職相談に乗ってくれて、企業の求人紹介から面接のセッティング、給与交渉など転職に必要なサポートをしてくれるサービスのことです。完全無料で利用できます。
30代こそ転職エージェントを使うべき理由は主に以下の4つがあります。
それぞれの理由を具体的に紹介していきます。
理由1. 書類の通過率が高まるから
30代は想像以上に書類選考に落ちることが多く、転職エージェント経由で応募した場合の書類選考通過率は約1割、良くても約2割と言われています。
理由としては「専門性の高さ」、「マネジメント経験」、「業界経験の豊富さ」など、何かしら秀でた理由がないと採用されないからです。
人手不足や人員拡大の場合、20代の若手を優先して採用します。
ここで転職エージェントを使うと、エージェントが企業の採用担当者に、「こういうな人(あなた)がいるのですが、前職の経験が御社で役立ちそうなので、会ってみませんか?」と営業してくれます。
書類だけでは伝わりにくい「あなたを採用すべき理由」を伝えてくれるため、書類選考や面接を有利に進められます。
少ない椅子を多くの候補者で奪い合わなければならないため、転職エージェントの力をうまく活用して戦略的に内定を勝ち取りましょう。
理由2. エージェントしか知り得ない情報を知れるから
書類選考に運良く通ったとしても、求人数がそもそも減少するため30代の方の転職活動は厳しくなりがちです。
そんななか、転職成功に大きく影響するのが「情報量」です。
転職エージェントはあなたが転職に成功して初めて収益が生まれるため、あなたが内定を得るために彼らが持っているさまざまな情報を提供してくれます。
エージェントの担当者によっては面接官の名前や人柄、企業が求める人物像を事前に教えてくれるところもあり、このような事前情報で大きな差がつくのです。
数いる候補者の中であなただけが知っている有益な情報があれば、選考を有利に進められるでしょう。
理由3. 自分の経験やキャリアを客観的に見つめ直せるから
転職エージェントでは、初回のキャリア面談の後に求人紹介をしてもらいます。そのため、転職のプロに相談していく過程で自然とあなたの経験やキャリアを見つめ直すことができるのです。
一人での転職活動では気づけないあなたの市場価値や最新情報を、転職エージェントは教えてくれます。
失敗できない30代の転職だからこそ、転職のプロと相談しながら客観的に自分を見つめ直すことが大切です。
理由4. 面倒な手続きを代理で行ってくれるから
転職エージェントを通して転職をおこなうと、通常ならあなたが対応する以下のことを転職エージェントが代行してくれます。
- 履歴書・職務経歴書の作成(添削)
- 求人探し
- 求人の応募手続き
- 面接の日程調整
- 配属先の交渉
- 給与・ポジションの交渉
- 雇用契約書の確認
- 入社関連手続き
転職活動で手間がかかることを全て自分の代わりにやってくれるので、面接本番以外で直接企業とやりとりすることはほぼありません。
30代の方は仕事の負担が大きく増える時期であり、さらに家庭もある場合、転職活動の同時進行は非常に困難です。
このため、手間を少しでも減らすために転職エージェントを活用すると良いでしょう。
きちんと仕組みを理解したうえで活用したい方は「【図解】転職エージェントとは|1から理解し使いこなすための全知識」を参考にしてみてください。
5-6. 転職サイトを利用する
30代では希望に合う求人自体が少ないので、転職エージェントに加えて、複数の転職サイトに登録して求人を集め、数多く応募することが転職成功のコツです。
具体的に転職で成功する人は、転職エージェントと転職サイト合わせて10サイト以上は登録していることが多いです。
転職サイトでは数万件の求人情報が常に公開されており、自分で求人を探して応募します。転職エージェントと合わせて使うことで求人数の少なさをカバーすることができるのです。
転職エージェントと同様に無料で使えるため、積極的に利用して求人数でライバルに差をつけましょう。
6. 30代の転職は書類選考が肝!通過率を上げるためのポイント
前述のとおり、転職活動時の書類選考通過率は最大でも約20%です。
まずは、この書類選考の通過率を上げるためにやっておくと良いことをピックアップしました。
- 6-1. 職務経歴書は「見てもらう」ことを意識して、レイアウトをわかりやすく
- 6-2. 転職理由にキャリアアップや学びたいは通用しない
- 6-3. 志望動機を書く際はスキルのアピールに偏りすぎないよう注意
- 6-4. 書類の折り目やしわにも細やかな気配りを
- 6-5. 印鑑の押印や日付の記載を忘れずに
- 6-6. プロの添削を受けよう
- 【補足】面接が決まったら身だしなみにも気をつけて
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
6-1. 職務経歴書は「見てもらう」ことを意識して、レイアウトをわかりやすく
職務経歴書は面接官にとって見やすいレイアウトを意識して作成しましょう。
どんなに素晴らしい経歴があっても、ごちゃごちゃと見にくい職務経歴書では「配慮が足りない人だ」という印象を与えてしまいます。
人気企業になると、採用担当者が1人の職務経歴書に目を通す時間は数十秒とも言われているほどの短さです。
短い時間でもあなたの強みが目に止まり、「ぜひ会いたい」と思わせるためにはレイアウトから工夫しなければなりません。具体的には、以下の工夫をおすすめしています。
(1)自分にあったフォーマットを選ぶ
職務経歴書のフォーマットは主に3種類あります。各特徴を把握したうえで、自分の強みを活かせるものを選びましょう。
内容 | このような人におすすめ | |
編年体形式 | 学歴や職歴のように、時系列順に業務経験を書いていく形式 | 面接官が最も見慣れている形式なので、書き方に迷ったら、これがおすすめ |
逆編年体形式 | 編年体形式とは逆に、最新の業務経験からさかのぼって書いていく形式 | 直近のキャリアで強調してアピールしたいものがある人におすすめ |
キャリア形式 | 時系列に関係なく携わってきた業務別にまとめていく形式 | 経験を積むために転職を多くしてきた人におすすめ |
(2)強調したい業務や実績を決め、客観的かつ具体的に書く
経歴や実績を全て詳細に書くと、内容が長くなってしまう可能性があります。このため、経歴の中でも強調したい業務や実績を決めておき、ポイントを絞って書くようにしましょう。
過去の実績や担当業務を伝える際は、具体的な数値を用いて書いてみてください。
業務や実績の記載例
- 売上目標を達成→20XX年度の売上目標を120%達成
- チームリーダーとしてメンバーの教育・育成を担当→チームリーダーとして8人のメンバーの教育・育成を担当
このように、数値を入れることであなたが経験した業務の規模や実績が、採用担当者に伝わりやすくなります。
具体的に書くといっても専門用語は多用しないよう注意してください。相手が、あなたの業界や仕事内容についての深い知識があるとは限りません。
専門用語が多用されていると読みづらくなってしまい「相手への配慮ができない人だ」とマイナスに捉われてしまうかもしれないのです。
(3)見やすい文字サイズで1文が長すぎないようにする
文字サイズや1文の長さにも注意しましょう。
全体的に見やすい職務経歴書にするには、手書きではなくパソコンで作成し、10.5ポイント以上の文字サイズにしてください。
細かい字が敷き詰められているだけで、ただでさえ時間がない採用担当者は読む気が失せてしまいます。
文が長すぎると視覚的に読みづらい印象になるので、文あたり25〜40文字を意識するとよいでしょう。
また文章はすべて繋げず、改行を入れていくのが得策です。ある程度内容がまとまって次の話に移行する際に、改行したり段落でまとめたりして余白を作ると読みやすくなります。
(4)多すぎず少なすぎず適切な分量を心がける
職務経歴書の枚数はA4用紙2枚を目安に、多すぎず少なすぎないようにしましょう。
文章量が少ないと応募へのやる気がないと思われたり、内容が抽象的であなたの魅力が十分に伝わらなかったりする可能性があります。
また、文章が多すぎても相手の負担になるうえ、内容にまとまりがないと思われてしまうため注意しましょう。
具体的な職務経歴書の書き方についてはCareer Theoryの以下の記事も参考にしてみてください。
◆職務経歴書の詳しい書き方・テンプレートはこちらの記事をチェック
6-2. 転職理由にキャリアアップや学びたいは通用しない
転職理由に、キャリアアップや学びたいと意欲をアピールするのは20代では有効です。しかし30代の転職ではあまり効果的とは言えません。
経験が少なく伸びしろがある20代は、意欲のアピール=ポテンシャルとして捉えられプラスに働くケースもあります。
しかし企業が30代に求めているのは即戦力なので、20代と同じようにアピールしても、効果的とは言えません。
また企業は若い世代よりも給与が高くなる30代の教育に、時間もお金もかける余裕がないのが本音です。
30代の採用は、いち早く結果を出し企業に貢献できる能力があることが前提条件です。自分の経験やスキルでいかに企業に貢献できるかをアピールしましょう。
6-3. 志望動機を書く際はスキルのアピールに偏りすぎないよう注意
30代の転職では、経験やスキルで即戦力をアピールすることが大切とお伝えしましたが、志望動機を書く時はスキルのアピールに偏りすぎないように注意しましょう。
志望動機とは「なぜ自分がこの企業で働きたいか」をアピールし、企業に自分が応募にかける熱意を伝えることが重要です。
スキルのアピールに偏りすぎてしまうと、読み手が応募先にかける熱意が伝わりづらく、傲慢な印象を与えてしまう可能性もあります。
ただ熱意をアピールするといっても、魅力的に感じた点を書けば良いわけではありません。
自分が仕事や職場に求める要件と、応募先のビジョンや業務内容のマッチしている点について語りましょう。
そのうえで自分のスキルや経験を活かして、応募先企業にどのように貢献できるかを伝えるようにしてください。
そうすることで、あなたが企業にマッチした人材であると採用担当者にアピールできるだけでなく、入社後に活躍できる人材だと思わせることができるでしょう。
志望動機の具体的な書き方を知りたい方は『職務経歴書で完璧な転職の志望動機を考える3ステップ』をぜひ参考にしてください。
6-4. 書類の折り目やしわにも細やかな気配りを
履歴書や職務経歴書を提出する際は、封筒の折り目やしわにも細やかな気配りをしましょう。
折り目がきれいについている書類と、折り目が曲がってしわになっている書類では、採用担当者が受ける印象は大きく変わります。
採用側も候補者一人ひとりの書類をじっくり読み込む時間はないため、第一印象が非常に重要です。
シワがつき折り目が曲がっている書類では、あなたが雑な仕事をする人だと思われてしまう可能性もあるでしょう。応募先への入社意欲が低いと思われてしまうかもしれません。
マイナスイメージを少しでも避けるためにも、提出書類の扱いには注意しましょう。
6-5. 印鑑の押印や日付の記載を忘れずに
基本的なことですが、印鑑の押印漏れや日付の記載漏れ、誤字脱字がないことをきちんと確認しましょう。
どんなに内容が素晴らしい履歴書でも、基本事項が整っていないと、中身を見てもらえず選考対象外となってしまう可能性があります。
書類を見てもらえたとしても「仕事が雑な人」、「ビジネスマナーがなっていない人」と懸念されてしまうかもしれません。
なお、誤字を訂正する際に二重線に訂正印で対処する人がいますが、見栄えが悪くなるうえビジネスマナーとしては適切ではありません。面倒でも新しい用紙に書き直すようにしましょう。
6-6. プロの添削を受けよう
完成させた職務経歴書は、必ず転職のプロであるキャリアアドバイザーに添削を依頼しましょう。
「経歴書の書き方なんてすでにわかっている」という方もいるかもしれません。
しかし応募書類は、採用担当者に内容が伝わって初めて意味を成します。
プロの客観的な添削を受けると、自分だけで書いた文章よりも格段に書類選考通過の可能性が高まります。必ず応募前にチェックしてもらいましょう。
また職務経歴書は、ただ自分の経歴やスキルを順番に書けば良いというものではありません。
書類選考に通過するためには、企業が求める人材像と応募者のスキルや経験がいかにマッチしているかがカギとなります。
企業ごとに求める人材像は異なります。異なる企業で同一スキルや経験をアピールする場合でも、各応募先に合わせた伝え方をする必要があります。
つまり、他社宛の応募書類に書いた内容の使いまわしは不可能なのです。
自身で書いた内容が各企業のニーズにマッチしているかを客観的に確認してもらうためにも、プロ目線でのアドバイスを受けることが効果的です。
さらに、転職のプロであるキャリアアドバイザーに添削してもらうことで、自分では見逃していた価値ある経験が見つかるケースもあります。
キャリアアドバイザーはあなたとの面談や書類の添削を通じて、あなた自身では気づいていない強みまで引き出してくれるのです。
自分にとっては何気ない業務や経験が、応募企業にとっては高い評価を受けられる場合も意外とあります。そのようなポイントを見落とさないためにも、プロのアドバイスを受けることは必須と言えるでしょう。
【補足】面接が決まったら身だしなみにも気をつけて
書類選考を通過して面接が決まったら、服装や髪型にも気を配ってから挑みましょう。
外見だけで内定が決まることはないものの、第一印象は面接官に人材としての魅力を感じてもらううえで非常に重要です。
30代ならではの落ち着いた雰囲気と清潔感を意識して服装選びをしましょう。
転職活動の基本は、スーツスタイルです。古すぎるものやサイズが合わないものは、新調したほうが良いでしょう。
また、「自由な服装で」と言われたときもジャケットや襟付きのシャツを着用した方が無難です。
服装以外にも、メイクや髪型、髭などは清潔感があるように意識してください。
7. 30代におすすめの転職エージェント
30代の方が転職エージェントを使って転職を成功させる方法は、信頼できるエージェントに登録することです。
大手で求人数も多く、30代の転職も成功させている転職エージェントをご紹介します。
また求人数をさらに多く集めるために、転職サイトでの求人チェックも同時に行うと良いでしょう。
まず30代が登録しておくべきエージェントを紹介し、次にハイキャリアや管理職の人向けのエージェントを紹介します。
7-1. 30代がまず登録すべき転職エージェント4選
30代の転職では、基本的にキャリアに自信のある人や明確な強みのある人でないと転職は厳しいです。
そのため30代が転職で成功するには、とにかく求人数を集めて、数多く応募して内定確率を上げていくことがコツになります。
求人数が多く信頼できる転職エージェントにはできる限り登録し、担当のキャリアアドバイザーと良好な関係を築くのが重要なポイントです。
ちなみに「30代に強い転職エージェントはいないの?」という質問がよく聞かれますが、30代にのみ特化したサービスは残念ながら見当たりません。以上を踏まえて30代がまず登録すべきおすすめの4社を紹介します。
←スマホの方は左右にスクロールできます→
公開求人数 | サポート体制 | 提案力 | |
リクルートエージェント | 約37万件 | 対面あり | 4.2 |
doda | 約18.8万件 | 対面あり | 4.0 |
type転職エージェント | 約1.8万件 | 対面あり | 3.9 |
Spring転職エージェント(アデコ) | 約3.2万件 | 対面あり | 3.8 |
2023年10月6日時点
リクルートエージェント|求人量圧倒的No.1
『リクルートエージェント』は、求人数No.1の総合転職エージェントです。
公開求人は約37万件、登録者のみ閲覧できる「非公開求人」を合わせると約62万件以上の求人を扱っています(2023年4月7日時点)。
業界最大の転職支援実績があり(厚労省「人材サービス総合サイト」より2019年実績)、サポートも充実しているので、転職を検討しているなら必ず登録すべき1社です。
転職成功率を上げるには、『dodaエージェント』や、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
◆補足:リクルートが運営している関連サービス
- リクルートダイレクトスカウト(年収700万円ある人向け)
- リクルートエージェントIT(エンジニア向け)
doda|顧客満足度No.1
ランスタッド|年収800万円以上の外資求人豊富
『ランスタッド』は、オランダに本社を置き、世界39カ国で人材ビジネスを展開する世界最大級の外資系転職エージェントです。
保有求人全体の約半数が「年収800万円以上」の求人で、中には年収2000万円以上のハイクラスな求人も見つけることができます。S&P500企業からスタートアップまで、求人の幅が広いことも特徴的です。
またランスタッドでしか募集をしていない「独占求人」も多く、特にグローバル企業や外資系企業のハイクラスポジションの仕事を見つけられます。
公式サイト:
https://randstad.co.jp
※ランスタッドでは、IT企業の転職に特化したエージェントサービスも行っています。IT業界志望者はこちらを利用してみてください。
パソナキャリア|年収500万円から高年収を目指すなら
『パソナキャリア(ハイクラス向け)』は、大手人材サービス会社「パソナグループ」が運営するハイクラス向け転職エージェントです。
豊富な求人数を誇る『パソナキャリア(ハイクラス)』は、充実したサポート体制が魅力のハイクラス向けの人材サービスです。
年収800万円以上のハイクラス求人が非常に豊富であり、ハイクラス転職にグッと近づくことができます。
また、『パソナキャリア(ハイクラス)』では多くの独占求人を保有しており、希少な求人を求めて登録する方も数多くいます。
なにより、注目すべきなのが利用者満足度の高さです。
2019〜2022年オリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門において、4年連続総合1位を獲得し、実績と信頼を兼ね揃えたサービスであることは疑いようがありません。
CareerTheory編集部が行ったアンケート調査でも、「満足のいく転職ができた」「サポートがよかった」という声が多く寄せられています。
「なるべく多くのハイクラス求人を見比べたい」「サポート体制が整った転職エージェントを探している」とお考えの方は、『パソナキャリア(ハイクラス)』をぜひ利用してください。
ヘッドハンティング型転職エージェントで使うべき2社
求人の 質・量 |
提案力 | |
ビズリーチ | ◎ 4.0 |
〇 3.7 |
リクルートダイレクトスカウト | 〇 3.5 |
〇 3.6 |
ビズリーチ
『ビズリーチ』は、管理職・専門職などのハイクラス向け求人に特化したヘッドハンティング型転職サイトです。
企業の求人掲載、求職者の登録の双方に事前審査が行われることにより、質の高いマッチングを実現しているのが特徴です。
基本的な検索サービスなどは無料で利用できますが、求人応募やプラチナスカウトの受信などの機能は有料会員への登録が必要となります。
- タレント会員
年収750万円未満の方対象 / 月額3,278円(税込) - ハイクラス会員
年収750万円以上の方対象 / 月額5,478円(税込)
月額課金制の転職サイトは業界でも珍しく、利用をためらってしまう人もいるかもしれませんが、その分質の高い求人が揃っているので、「本気で転職したい」と考える方に特におすすめです。
公式サイト:
https://bizreach.jp/
リクルートダイレクトスカウト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス向けのヘッドハンティング型転職サイトです。
ハイクラス求人の検索はもちろん、レベルの高いコンサルタント(ヘッドハンター)を選んで相談をすることもできます。
レジュメを登録しておけば、それを見たヘッドハンターから好条件のスカウトをもらうことも可能です。
また、総求人は118,653件と選択肢も多いので、高年収を狙う方であればすべての方におすすめできる転職サービスといえます。
レジュメ登録後はスカウトを待つだけで良いので、「時間をかけて高年収の仕事を見つけたい」という方におすすめです。
8. 転職エージェントを使う際に注意すべき5つのポイント
この章では、転職エージェントを使う際に知っておくべき5つのポイントを解説します。
特に30代の方はチャンスが限られる分、転職エージェントと上手に付き合い、最大限使う必要があります。
そのため、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 8-1. エージェントに登録後は、2週間に1度連絡をする
- 8-2. 担当キャリアアドバイザーが合わなければ遠慮なく変更する
- 8-3. 経歴やスキルに嘘をつかない
- 8-4. 推薦文は必ず確認する
- 8-5. 同じ案件に複数の転職エージェントから応募しない
8-1. エージェントに登録後は、2週間に1度連絡をする
転職エージェントに登録後は、2週間に1度を目安に担当者とこまめなコンタクトを取りましょう。
転職エージェントは、企業から依頼を受けると登録者のデータベースから条件を絞って、募集要件に合った応募者を探していきます。この時に表示される順番が「更新日」(=最後に応募者と連絡を取った日)なのです。
「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されてしまいます。そのため連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります。
例えば、下記は「年齢39歳以下、転職回数1回以下、勤続年数2年以上、TOEIC780以上の営業」で検索した結果です。
実務的な処理としては、更新日が新しい順番に20人ずつメールを送ります。そのメールへの反応を待ち、応募者がいない場合は次の20人へまたメール送信、といったように対応していきます。
つまり、更新日が古いと、どんなに自身の履歴書などが良くても、機械的に後回しになってしまう場合があるのです。
8-2. 担当キャリアアドバイザーが合わなければ遠慮なく変更する
担当キャリアアドバイザーに情をうつしてはいけません。担当変更はさほど問題ではありません。性格が合わない、知識が不足しているなど不満を感じたら、すぐに担当変更してもらいましょう。
担当変更メール文面例
いつも大変お世話になっております。
現在転職の支援をして頂いている○○と申します。
担当の○○様には、日頃より丁寧な対応をしていただいており、大変感謝しています。
しかしながら、初めての転職活動に不安も大きく、他の方のご意見も頂戴したいです。
もし可能であれば、現在志望しております○○業界に詳しいキャリアアドバイザーの方とも
一度お話をしたい所存です。
大変お手数をおかけしますが、ご検討くださいませ。
よろしくお願い申し上げます。
担当者の変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。
8-3. 経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについては申し出をしない限りは情報が残ります。よって、経歴やスキルに嘘をつかないようにしましょう。
キャリアアドバイザーの中でよく話題にあがるのが、3年前の登録情報と今回の登録情報が違うという話です。
この場合、虚偽の申告をするリスキーな人材として、求人紹介をしないなどの判断がくだされてしまいます。
8-4. 推薦文は必ず確認する
必ず、担当のキャリアアドバイザーが書いた推薦文を確認しましょう。
企業の採用担当者は、高い確率でキャリアアドバイザーが書いた推薦文に目を通しています。本来なら書類審査で落とすような人物でも、信頼できるキャリアアドバイザーの推薦文を見て面接に進むというケースもあります。
逆に、不適当な推薦文の場合、自社には合わないと書類選考で落とされたり、面接に進んでも質疑応答に矛盾が生じたりと、あなたに不利益が生じる可能性があるのです。
キャリアアドバイザーはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書いていくものですが、あまり優秀ではないキャリアアドバイザーの場合は経歴をそのまま写すだけなどひどいケースがあります。
そこで「面接時に相違がないようにしたい」、「客観的に今一度自分を見直したい」というふうに伝え、推薦文を見せてほしい旨を伝えましょう。
8-5. 同じ案件に複数の転職エージェントから応募しない
数社の転職エージェントを利用している場合、複数の転職エージェントから同じ案件に応募しないようにしましょう。
というのも、企業から「他の転職エージェントからも応募があるんだけど」とキャリアアドバイザーに連絡がいってしまいます。
すると企業・担当キャリアアドバイザー両者に不信感を与え、場合によっては破談となります。こうなってしまうと、企業に改めて応募することだけではなく、その転職エージェントからはもう案件を紹介してもらえなくなるでしょう。
9. 30代が必ず登録しておきたい転職サイト5選
30代での転職を成功させるためには、転職エージェントに加えて転職サイトにも登録し、とにかく多くの求人情報をキャッチすることが大切です。
両タイプとも信用できて求人数の多いサイトに登録することが重要です。
求人数も多く、転職成功者の多くが利用する信用できるサイトだけをご紹介します。
30代におすすめの転職サイトは以下の通りです。
←左右にスクロールできます→
公開求人数 | サポート体制 | 提案力 | |
リクナビNEXT | ◎ (約53,000件) |
– なし |
– なし |
doda | ◎ (約128,000件) |
– なし |
– なし |
Green | 〇 (約28,000件) |
– なし |
– なし |
@Type | 〇 (約2,600件) |
– なし |
– なし |
日経転職版 | ◎ (約74,000件) |
– なし |
– なし |
2023年10月時点
転職サイトは、求人を自分で選び企業へ直接応募するため、サポート体制と提案力は「なし」としています。
薬剤師や看護師などの専門職を対象とする求人や、医療施設のような一般企業とは異なる業態の事業者からの求人は、
大手総合系の求人広告サイトには掲載されにくい傾向があります。
特に薬剤師・看護師は人材の需要も高く、薬剤師転職・看護師転職を専門に扱う職種特化型の転職サイト(求人サイト)が存在します。
それらを詳しくまとめた「薬剤師が使うべき転職サイト6選」や「看護師が使うべき転職サイト8選」をチェックしてみましょう。
9-1. リクナビNEXT
『リクナビNEXT』は、転職業界最大手のリクルートが運営する求人型サイトです。
求人件数も首位で(具体的な数値は非公開)、会員数については約1,200万人、2番手が800万前後と言われていますから、国内での優位性は圧倒的No.1です。
年収600万円を超えるようなハイクラス人材であれば、『リクルートダイレクトスカウト』がおすすめですが、年収600万円に満たない方であれば、すべての人におすすめできる転職サイトです。
公式サイトから登録する:
https://next.rikunabi.com/
9-2. doda
『doda』は、20万件以上の求人を保有している転職サイトです(2023年3月時点、非公開求人を含む)。
顧客満足度No.1(2023年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント20代 第1位)を誇り、幅広い職種に対応しています。良い求人が見つかりにくい地方の転職にも向いています。
なお、dodaはエージェントサービスも提供しており、転職のプロからのアドバイスを受けながら転職活動をしたい方は『dodaエージェント』がおすすめです。
9-3. Green
『Green』は、IT・WEB業界に特化した転職サイトです。
エンジニア・プログラマー求人は、常時2万件以上掲載されています。
企業の求人ページは写真が豊富で社内の雰囲気が分かりやすいのが特徴です。
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10. まとめ
今回は、30代の転職事情について解説しました。
30代の転職事情
- 年収アップさせている人は30代前半で約半数、30代後半で約4割
- 約半数弱が3ヶ月以内に転職を決めている
- 平均応募社数は19.1社。20代よりも少なく、40代よりも多い
- 3人に1人は仕事内容やスキル、5人に1人が賃金以外の労働条件で転職先を選んでいる
この数値を見ると、30代の転職に特に問題はなさそうに見えます。その一方で、
- 年を重ねるごとに求人数が減る
- ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
- 新環境・職場への適応力が20代より低く見られがち
このような事情もあり、高い専門性やマネジメント経験がある人材でなければ、転職成功は難しいと覚悟しておいた方が良いでしょう。
また、30代の転職は年齢を重ねるほど、若い世代のように順応性・適応力が低く評価されがちになります。
転職を迷っているのなら、まずは退職せずに解決する方法がないか考えてみてください。
もし、転職を視野にいれるなら、転職先に求めるものを明確にし、キャリアの棚卸しや自分の転職市場価値をきちんと確認したうえで、慎重に考えて行動しましょう。
すでに転職を決意した方は、30代におすすめの転職エージェント・サイトを有効活用してみてください。
30代におすすめの転職エージェントは以下の通りです。
30代がまず登録すべき転職エージェント4選
総合転職エージェントで使うべき3社
ヘッドハンティング型転職エージェントで使うべき2社
また転職エージェントと合わせて、以下の転職サイトの登録もおすすめです。
あなたの転職が成功することを、心より祈っています。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
転職活動をするも、なかなか転職先が決まらず、ようやく1社から内定が出ました。
前の職場は人間関係が悪く、早く辞めたいと毎日思っていました。提示された条件には問題がなかったので、すぐに入社を決めました。
ところが実際に働いてみると、みなし残業と長時間労働、月に数回緊急対応の夜勤もあります。
30代のうちに転職すれば間に合うかな…と考えつつ、また失敗するのが怖くて動けずにいます。