
「看護師1年目で転職ってアリ?ナシ?」「実務経験がほとんどないのに、そもそも転職できるの?」とお悩みではないですか。
結論から言うと、ポイントを押さえた転職活動を行えば、看護師1年目の転職も不可能ではありません。
ただし、1年目となると経験がほとんどない状態なので、難易度が高く、ある程度長期化することを理解しておく必要があります。
思いつきではなく、何度も思い悩んだ結果「この病院で働き続けるのはどうしても無理」という考えに至った方に向けて、この記事では看護師1年目の転職活動を成功させるポイントを具体的な事例を踏まえて解説していきます。
- 今の病院をどうしても続けられないなら1年目の転職もアリ
- 看護師1年目の転職難易度が高くなる3つの採用事情
- 看護師1年目の転職理由のベストな答え方
- 看護師1年目の転職は「転職サイト」を使った求人探しがおすすめ
- 1年目で転職するなら要登録 | おすすめ看護師転職サイト
- 看護師1年目の転職を成功させるための5つのポイント
- 【補足】1年目の看護師必見!仕事を習得する4つのコツ
- 転職を考える看護師1年目のよくある質問6選
- (2021/4追記)看護師1年目の転職っておすすめできる?先輩看護師100人に徹底取材
全て読めば、看護師1年目が転職する際どういう行動を取ればよいか分かります。
編集部が実施した看護師723名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。
キャリア・転職に悩んでいたり、今の仕事・職場から離れようかなと考えていたりするすべての看護師におすすめの相談先です。
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1.今の病院をどうしても続けられないなら1年目の転職もアリ
結論から言うと、「今の病院をどうしても続けられなさそう」と悩んでいる方に限っては、1年目の転職を視野に入れ、行動に移してみることをおすすめします。
1年目で転職する看護師の割合
実は1年目で離職する看護師はそれほど珍しくなく、12人に1人は新卒で入った病院を辞めているというデータもあります。「看護専門学校の一クラス(40人と想定)に3人いる」くらいの割合です。(参考:2020年病院看護実態調査)
看護師の離職理由として、「学校で学んだこと」と「看護現場」のギャップが大きいことがあげられます。
1年目でよくある理想と現実のギャップ
- 仕事中は業務に、プライベートは勉強に追われる
- 命預かる仕事なので、常に緊張感が必要
- 先輩からキツイ言い方をされる
- 女性特有の人間関係のトラブルに発展しやすい
- 患者さんからの暴力、セクハラに遭遇すること多い
「想像よりもはるかに大変だった」と心が折れてしまう看護師も多いようです。
ただ、1年目の転職は難易度が高いのも事実です。転職活動は長期間かかることを考慮しておきましょう。
次章では、「転職に踏み切る前に理解しておかなければならない1年目の転職事情」について解説していきます。
看護師奨学金制度(いわゆる”お礼奉公”)で看護学校に通いそのまま就職した方は、指定された年数より早く転職する場合、原則として奨学金の残りを一括で返金しなければなりません。
もし離職する場合は、返金額によりますが「そもそも一括返済が可能かどうか」「今すぐお金を返した場合、その後の生活に支障はないか」を試算しておく必要があります。
2. 看護師1年目の転職難易度が高くなる3つの採用事情
看護師1年目の転職は可能ではありますが、以下の理由から、できるだけ慎重に考えるべきです。
これらの事情を理解し、それでも転職活動に踏み切るかどうか考えましょう。
理由1. 選考の段階で「すぐ辞めるのでは?」と懸念される
1年目で転職活動をする場合、書類選考の段階で「採用してもすぐ辞めるのではないか」と懸念されやすくなります。
病院の採用担当者は、候補者のスキルはもちろんですが、「この人はすぐに辞めたりしないだろうか」という点もじっくり見極めています。看護師の採用・教育には非常にお金がかかるからです。
すぐ退職されてしまうと病院にとって多大な損失となってしまうことから、若年層看護師の採用に慎重な姿勢を示す病院も少なくありません。
また、職歴の長い看護師さんからは、以下のような意見が得られました。
レッテルを貼られてしまう
何か原因がある子と思われる
そのため、職歴が1年未満しかない履歴書を送付した時点で、あっさりと選考落ちになり、面接にすら進めないことも覚悟しておく必要があります。
理由2.転職先の選択肢は限られる
1年目の転職では、選択肢がかなり少ないことも理解しておきましょう。
そもそも中途採用は、即戦力の人材確保を目的として行われるものだからです。そのため、たいていの場合は臨床経験3年以上などの条件が設けられています。
「未経験歓迎=1年目OK」ではない
転職サイトを見てみると「未経験歓迎」という求人もありますが、これはあくまで「病棟で長年勤務した人が、未経験の分野に転職する」といった場合に該当するものです。基本的なスキルが身についていない看護師を受け入れているというわけではありません。
また、年度の途中での受け入れ体制がない病院もあります。
すでに経験が豊富な看護師であれば、即戦力として年度の途中で採用することができますが、1年目の看護師だと教育が必要と考えられるケースが多いです。
ですが規模の大きい病院でない限り、途中で入職した新人を、丁寧に教える仕組みが整っている現場は非常に稀です。
このような理由から、看護師1年目は転職先の選択肢が減ってしまうのです。
理由3.転職先の仕事についていけない可能性がある
1年目の転職は、新しい職場の仕事についていけない可能性が高いです。
1年目は、様々な看護業務を経験することで、今後の成長の土台を作るために重要な時期ですが、その時期に転職してしまうことで、スキルが不十分なまま新しい職場で働くことになるからです。
前述の通り、中途採用はすでに経験がある人を採用するのが基本であり、受け入れ側も万全の教育体制を整えているわけではありません。
そのため、ただでさえ一通りのスキルが身についていないのに、いきなりたくさんの仕事を任されるという可能性もあります。
以下は、実際に1年目で転職し、「失敗した」と感じている方のコメントです。
しっかりとした教育を受けられませんでした
また、「現職が辛くて今すぐ辞めたい」「現職が忙しくて転職活動の時間が取れない」といった理由から、退職してから転職活動を行うこともありますが、離職期間が長くなるとわずかな現場感覚でさえ鈍り、仮に転職できても「全然ついていけない」となってしまいやすいです。
ここまでのまとめ
看護師1年目の転職は、以下のような理由から難易度が高く、できる限り慎重になるべきです。
- 選考の段階で「すぐ辞めるのでは?」と懸念される
- 転職先の選択肢は限られる
- 転職先の仕事についていけない可能性がある
しかし逆に考えてみると、上記の3点をクリアできれば、理想の転職を実現できる可能性がグッと高まります。
逆転の発想で導く転職成功率を上げる3つのポイント
- 選考の段階で「すぐ辞めるのでは?」と懸念される
→選考対策をして、「すぐ辞めそう」という懸念を持たれにくくする
(次章で詳しく解説) - 転職先の選択肢は限られる
→求人探しの方法を知って選択肢を増やす
(「転職サイト」を使った求人探しをチェック) - 転職先の仕事についていけない可能性がある
→仕事の要点を押さえて、現職でできるだけスキルを身につけておく
(仕事を習得する4つのコツをチェック)
では次章から、1年目の転職で押さえておくべきポイントを具体的に解説していきます。
関連記事:新人看護師が転職に慎重になるべき理由と失敗しないためのコツ|体験談や転職サイトも紹介
3.看護師1年目の転職理由のベストな答え方
転職活動ではほぼ確実に「前職を辞めた理由」を聞かれるはずです。以下の点を押さえて的確に回答することで、「すぐに辞めそう」という印象を薄められます。
それぞれ詳しく解説します。
3-1.前職の病院は悪く言わない
退職理由を聞かれた場合、前職の病院の悪いところを言うのはやめておきましょう。
もちろん、退職理由は「人間関係」や「職場の労働環境」など本人の力ではどうしようもないものかと思いますが、不平・不満を直接口にすると、採用担当者に悪い印象を与えます。
以下のようにできるだけ前向きな理由に言い換える工夫が必要です。
残業などの労働環境が理由の場合

前職では、月の残業時間が50時間を超え、急なシフト変更や夜勤追加も多い環境でした。このため業務の効率化をはかったり、自己研磨を重ねたりといった、スキルアップにあてる時間が取れない状況が続いていました。
ただ仕事をこなすのではなく、余暇時間なども利用して自らを高め、貴院や患者様に貢献できるような看護師になりたいと考え、退職を決意いたしました。
3-2.今できることを正確に伝える
「今できることを正確に伝える」ことも1年目の転職で大切です。
「どのような看護技術を習得しているのか、どのような経験があるのか」が分かれば、採用側はあなたを採用後にかかる教育コストを把握できるからです。
若年層の看護師を積極的に採用している病院であれば、ある程度教育コストがかかることは想定しています。(プリセプター制度、勉強会など)
なので、過剰に見栄を張ったり、逆に卑屈になったりする必要はありません。面接で「○○はできますか?」と聞かれた場合は、数字や事実を踏まえて正確に答えるようにしましょう。
3-3.ポテンシャルをアピールする
1年目の看護師は、経験・スキルをアピールポイントして伝えるのは難しいので、ポテンシャル・熱意をアピールするのがおすすめです。
ポテンシャル・熱意をアピールする際に効果的なのが、「将来を見据えていること=具体的なキャリアビジョン」を伝えることです。
例えば、「ゆくゆくは○○の資格を取り、活躍の場を広げたい」のような具体的な将来像がある人ほど、志望動機などに説得力が生まれます。
応募先病院の研修制度やクリニカルラダーとの関連性があるとなお良いでしょう。
本章のまとめ
転職理由は以下の点を押さえて答えましょう。
- 前職の病院は悪く言わない
- できることを正確に伝える
- ポテンシャルをアピールする
詳しい回答例文を知りたい方は『看護師の本音の転職理由ランキング|面接で好印象を与える伝え方&例文を紹介』の記事を参考にしてください。
次章からは、1年目でも応募できる求人探しの方法を紹介します。
4.看護師1年目の転職は「転職サイト」を使った求人探しがおすすめ
看護師求人探しの方法は複数種類がありますが、結論から言うと、1年目の転職はプロのサポートが受けられる「転職サイト」がおすすめです。
転職サイトは、希望に合った施設の求人を紹介してくれる転職支援サービスです。
転職サイトに登録すると、求職者一人ひとりに担当者(キャリアアドバイザー)がつき、求人探しから選考対策までサポートしてくれます。
転職サイトのサポート
- キャリア相談
- 求人紹介・提案
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 面接対策
- 面接日の調整
- 給与交渉
- 内定後のサポート(入社日の調整、年収の交渉、現職場への退職に関する相談)
希望に合った病院求人をプロ目線で探して提案してくれる点は、非常に魅力的です。
特に1年目の転職となると、そもそも応募可能な求人が見つからないことが多いです。また仮に求人があったとしても、書類・面接の段階で不採用になってしまうことも少なくないでしょう。
ですが、転職サイトを利用すれば、キャリアアドバイザーに希望を伝えるだけで、あなたのニーズにマッチした求人を提案してくれ、さらに応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削や、面接対策(どのように受け答えすれば良いかのアドバイス)などのサポートもしてくれます。
病院側の納得できる1年目での転職理由や、自身のアピールポイントなども教えてくれるので、1年目での転職に関する不安を取り除くことができます。
連絡手段はメール・電話・LINEがメイン
キャリアアドバイザーとの連絡手段は、メール・電話・LINEがメインです。対面でのやりとりは、2021年現在ほとんど行われていません。
転職サイト利用者に話を伺うと、「メールやLINEなどテキストでのやり取りが楽で良い」という意見が多数派でした。「電話で話をするのが苦手」「休みの日に連絡してほしくない」という方は、メールやLINEでのやり取りが可能なサイトか事前に確認しておきましょう。
なお、看護師さんからの評価の高い大手サイト(看護roo!、レバウェル看護(旧 看護のお仕事)、マイナビ看護師)は、いずれも電話・メール・LINEから、希望の連絡方法を選べるようです。
転職サイトは、特にはじめて転職活動を行う1年目の方におすすめです。
看護師求人の探し方は他にも「ハローワーク」や「ナースセンター」などの方法があります。詳しくは『看護師転職の方法をイチから解説!必ず踏むべき正しい手順&求人探しの手段』の記事で解説しているので参考にしてください。
5.1年目で転職するなら要登録 | おすすめ看護師転職サイト
数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1

- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるので、希望にぴったりの求人を見つけることができるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!

- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は135,763件と転職サイトトップレベル
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。
キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を詳細まで把握しています。
したがって、、「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえます。
また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力的です。
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる

- 看護師認知度4年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は6万件以上
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
そのため、「ゆっくりと考えたいのに連絡が煩わしい」「早く転職したいのにサポートが遅い」といったミスマッチもなく、自分のペースで転職活動を進められるでしょう(面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれます)。
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
6.看護師1年目の転職を成功させるための5つのポイント
1年目の看護師が転職をする時の注意点について解説します。
この注意点を知っておかないと「転職先がなかなか見つからない…」「転職できたのはいいが、前の職場と同じ問題が起こりそう…」といった状況に陥る可能性があります。
そうならないためにも、以下のポイントを確認しておきましょう。
順に解説していきます。
6-1. 辞めたいと思った原因を正しく分析する
転職活動において、あまり深く考えずに転職サイトの待遇の良い求人に手当たり次第に応募する方がいます。
しかし、転職活動を始める前に、なぜ今回辞めたくなったか、どういった環境なら辞めずに続けられたかを徹底的に分析すべきです。
理由は以下の2点です。
- 転職活動時に退職理由は必ず聞かれるから
- 正しく分析をしないと、職場選びで同じ失敗をする恐れがあるから
1年目で看護師を辞めて、次の職場選びでも失敗してしまうと以下のリスクがあります。
1年目で転職して職場選びで失敗するリスク
- また辛くなって辞めてしまうとやめ癖がついてしまう
- 仮に辞めたとしたら、すぐに辞める人と認識され、社会的信用が落ちる
- 新しい職場でも仕事がうまくいかないと、同世代と比べて、スキルや経験に差が出てしまう
以上のことから、1年目で転職を考える場合は職場選びに細心の注意を払うべきです。
6-2. 転職先が決まってから今の職場を辞める
看護師の転職は、「転職先の病院が決まってから、今の職場を辞める」という流れがベストです。
先に退職してしまうと、次の転職先が決まるまでの間、無収入になってしまいます。
さらに言うと、1年目は失業保険受給資格の「離職日以前の2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること」の要件を満たしません。つまり、失業保険をもらいながらゆっくり転職活動をするというのはできないのです。
金銭的な余裕がなくなると精神的にも追い詰められて「どこでもいいから早く転職先を見つけないと…」と焦りが生じて、ミスマッチのリスクが高まります。
転職を成功させるためにも、できるだけ転職先を見つけてから、退職することをおすすめします。
ただし、「激務で退職しないと転職活動の時間が取れない」「今すぐに辞めないと、健康障害やうつ病を発症しそう」といったケースであれば、例外的に先に退職しても構いません。
6-3. 職場の人には相談しない
職場の人には絶対に内緒で転職活動をしましょう。
「転職活動をしている」と噂になると、転職活動を進めるのが気まずくなります。
また、転職をやめて今の職場で続けると判断した際に、職場に居づらくなるのもデメリットです。
仲のいい同僚でも、ボロっと話してしまうと取り返しのつかないことになるため、絶対に言わないようにしましょう。
職場で「あの人、転職活動をしている」という噂はすぐに広がります。
転職を決意し、内定を承諾してから、まずは直属の上司から順に伝えましょう。
6-4. 入ってから苦労する職場は避ける
高いスキルや経験が必要で、教育制度が整っていない職場は避けるべきです。
というのも、万が一転職できたとしても、働き始めてから苦労することになるからです。
具体的に、以下のような職場は避けましょう。
1年目転職で避けるべき職場
- 教育制度が用意されていない
- プリセプターをつけるような人員の余裕がない
また、病院以外に転職しようという方もいるかもしれませんが、訪問看護・介護施設などの職場も避けておくべきでしょう。
1人で状況判断しなければならない状況が多く、スキル・経験的に苦労するからです。
クリニックも看護師の人数が少なく、じっくり指導してもらえないことが多々あります。専門的な看護技術が必要なこともあるので気を付けましょう。
1年目の転職先は、「教育制度の整った比較的大きめの病院」がベストです。
6-5. クリニック転職は病院以上に対策が必要
クリニックへの転職は、人気の就業先で転職難易度が高いため、病院以上に入念な対策が必要です。
夜勤がなく、休日に休みが取れることの多いため、転職を考える看護師の26.7%、約4人に1人がクリニックへの転職を希望しています。(参考:ナースセンター)
人気が高く、ベテラン看護師やクリニック勤務経験者も応募してくるため、新人看護師の転職難易度はより高くなります。
実際に、クリニックへの転職難易度の高さは、看護師1人あたりが応募できる求人数を示した求人倍率にも現れています。
全体の求人倍率が2.32倍であるのに対し、クリニックの求人倍率は0.8倍と大きく下回る結果となっています。
就業先 | 求人数 |
全体平均 | 2.32倍 |
クリニック(無床) | 0.8倍 |
(参考:ナースセンター)
クリニックの求人倍率は1を下回っており、看護師1人あたりに応募できるクリニックは1以下である、つまり「仕事がかなり見つかりづらい」と言えるのです。
クリニックへの転職を希望している人は、複数サイトに登録して求人の選択肢を増やす、転職サイトの担当者に選考対策をお願いするなど、より入念に選考対策を行いましょう。
関連記事:クリニックに転職したい看護師が事前に知っておくべき全知識|おすすめ転職サイト
7. 【補足】1年目の看護師必見!仕事を習得する4つのコツ
本章では、1年目の看護師が仕事でどのような点を意識しておくべきかを解説します。
転職を前向きに考えている方も、今いる環境で可能な限りスキルを身につけておくと好ましいので、日々の仕事の参考にしてください。
コツ1.メモを取りミスの原因を分析する
1年目のうちは、先輩から教わったことはもちろん、「日々の業務の気づき」や「学んだこと」「失敗したこと」など、徹底的にメモを取ることをおすすめします。
そしてそのメモを、終業後に見返してみましょう。
忙しい中で学んだことを100%覚えておくのは難しいですが、その日にあったことを振り返ってメモしておくだけで、要点を忘れずに済みます。
私はいつもメモの残し、仕事終わり10分程度で見直して、問題点や進捗状況などを毎日把握していました。きっとそう言う地道な努力が必要なのかもしれないです。仕事の追われる状況は皆同じです。後はミスを減らすだけです。
そして重要なのが、そのメモから失敗の原因を分析することです。「なぜ失敗してしまったのか」を繰り返し自分に問うことで、ミスの本質的な原因にたどり着けます。
トヨタが実践する「なぜなぜ分析」を看護の現場に応用!
一般企業の例ですが、自動車メーカーのトヨタでは、一つの問題に対して「なぜ」という質問を5回繰り返すことで、生産ラインの改善を行っていたと言われています。(通称:なぜなぜ分析)
看護師の例でいうと、以下のような分析になるはずです。
【失敗:患者の容態が変わったので医師に指示を仰いだが、情報不足のまま報告してしまい怒られた】
- なぜ怒られたのか
→情報を詳細まで把握できてなかったので、医師から聞かれたことにすぐ返せなかった - なぜ聞かれたことにすぐ返せなかったのか
→患者さんの容態が急変し、焦っていた - なぜ焦りが生まれたのか
→入院したばかりの患者さんのため、基本的な情報を把握できておらず、どのような状態かの見当がつかなかった
このように3回「なぜ」を繰り返しただけでも失敗の本質に気づけます。この場合、入院患者の情報を入念に確認することで、同様のミスを回避できるはずです。
原因が分かれば、「出勤時間を少しだけ早くして、(申し送り前に)情報収集をしておく」といった具体的な改善行動につながるでしょう。
コツ2.先輩には遠慮せずに頼る
少しでも分からないことがあれば、先輩・上司に遠慮せずに頼ることも大切です。
私は自分が信じられる先輩を見つけて、わからないことはその先輩に聞いていました。もちろん毎日その先輩がいるわけではないので、その日その日の振り返りはできなくても、休みの日などにレポートにまとめて、信頼できる先輩に提出してチェックしてもらっていました。
先輩や上司も忙しそうで「質問しづらい」と遠慮してしまいがちになると思いますが、あえて積極的に聞いてみることをおすすめします。
というのも、先輩や上司も目の前の業務に追われており、「あなたが何に困っているのか分かっていない状態」かもしれないからです。
受け身にならず、主体的に質問を投げかける姿勢で、疑問点は先輩の知恵を借りてどんどん解決していきましょう。
ただしその際、丸投げの質問にならないように気を付けてください。
NG例
「○○ってどうするんですか?」
「○○が分かりません」
OK例
「○○について質問させてください。自分は□□であると理解しているのですが、もし間違いがあれば教えてください」
先輩・上司の負担を最小限にするという配慮を忘れないようにしましょう。
コツ3.リフレーミングで前向きな思考を意識する
悩んでいる方の多くが「今日は〇〇をしてしまった」など、失敗ばかりを反省しがちですが、できることを無理やり見つけて振り返りもすると、辛さやプレッシャーも軽くなります。
なかなか自然には難しいと思うので、意識的に取り組むことが大切です。
物事の捉え方・考え方を意識的に変えることを「リフレーミング」と言います。
リフレーミングとは、出来事に対する認知(フレーム)を変える技法です。
たとえば、決められた時間内に点滴を終われなかったとします。新人看護師は、「時間内に終わることができなかった」「また失敗した」と落ち込んでいるかもしれませんね。
しかし、「決められた時間内に点滴が終われず、落ち込む」ことは、点滴の重要性や時間内で終わる必要性を理解できていると、解釈することもできます。
無理やりポジティブに解釈しているように思えるかもしれませんが、これくらい半ば強引に前向きにとらえることも時として重要です。特に1年目のうちは、些細なことでも自信を失ってしまいやすい時期です。
できるだけプラス思考になれるように、意識的に考え方を変えてみましょう。
コツ4.人間関係を円滑にする心理学的テクニックを実践する
人間関係で悩んでいる方に向けて、心理学に基づいた「人間関係を円滑にする技術」をまとめます。
円満な人間関係を築く心理学的テクニック
1.相手との共通点を見つける
人は共通点を持つ相手に親近感を覚えます(類似性の法則)。
相手の話に耳を傾けて、自分と共通する部分があれば、積極的に自己開示してみると良いでしょう。
2.周囲に自分から話しかける
人は好意を示してもらった相手に好意を持つと言われています(好意の返報性)。
良好な関係を築きたいという意思を示す意味でも、積極的に自分から話しかけてみると良いでしょう。
3.ポジティブな感情を表情に出す
自分は好意的に接しているつもりでも、表情に出ていなければうまく伝わらず、良好な関係が築けないケースもあります。
例えば「嬉しい」と言っているのに表情が曇っている場合、受け手は視覚情報=表情を重視して「嬉しくないのでは」と捉えてしまいます(メラビアンの法則)
4.人間関係はある程度のところで割り切る
必要以上に周囲と仲良くしようと考えず、「仕事上で必要不可欠なやり取りができればOK」くらい割り切って考えるのも大切です。「自分ではコントロールできないものに一喜一憂しない」という考え方で、アドラー心理学では課題の分離と言われています。
苦手な人が居たとしても、他人の行動は変えられません。無理になんとかしようとせず、自分のペースを乱されないようにある程度距離を取って、最低限のやり取りで仕事に集中してみましょう。
8. 転職を考える看護師1年目のよくある質問6選
ここで、1年目の転職したい看護師さんからよくある質問へ回答していきたいと思います。
Q1. 看護師1年目はお給料どのくらいでしょうか?
平均基本給与額 | 平均税込給与総額※ | |
高卒+3年過程 | 202,289 円 | 262,277 円 |
大卒 | 208,918 円 | 270,292 円 |
※平均税込給与総額=通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当(8回で計算)、当直手当を含んだ額です。
年収に換算すると、平均年収は民間350万円、国公立で400万円程度と言われています。
もちろん、地域によっても変わってきますし、病院ごとによっても変わってきます。
あくまでも目安ですが、今の給料に不満がある方は、転職サイトに登録し、どれくらい給料を増やせる求人があるのかをチェックしてみましょう。
Q2. 卒業した学校に頼るのはありですか?
あなたのことをよく知っている先生であれば、いいアドバイスや紹介を受けられるかもしれません。
Q3. 転職は2年〜3年働いた方が有利なのですか?
しかし、2年目・3年目になるにつれて病院が戦力としてより強く認識するので、引き留めも強くなる傾向にあります。
Q4. 既卒看護学生なんですが1年目の転職は可能ですか?
看護師として既に経験がある既卒1年目であれば、スキルを評価してもらいやすいですが、看護師として未経験であれば苦戦する可能性が高いです。
Q5. ハローワークは使えますか?
実際に、紹介された求人がブラック企業だったという声もあります。
詳しくは『看護師の転職でハローワークは使うべき?メリット・デメリットや求人の探しやすさを徹底解説』で解説しているので参考にしてください。
Q6. 退職の切り出しがうまくできるか心配です。
- 転職を決める時まで退職については周囲には一切言わない
- 最初は師長などあなたの上司にあたる人に2人きりになったタイミングで伝える
- 引き留めにあっても絶対に意思を曲げない
特に3つ目のポイントが大切で、人によっては引き留められて心変わりしてしまうケースもあります。
しかし、一度辞めたいと言った以上、そのあと腫れ物扱いされたり、今後本当に転職したいときに切り出しにくくなります。
絶対に転職すると決めた時以外は退職を口にしてはいけません。
9.(2021/4追記)看護師1年目の転職っておすすめできる?先輩看護師100人に徹底取材
当サイトでは、看護師1年目の転職という選択がおすすめできるかどうか、ベテラン看護師100人を対象に調査を行いました。
結論から先に言うと、全体の6割以上はやはり「極力おすすめしない」という回答でした。
回答の内訳を見てみると、「1年目は分からないことが多く、技術も十分に身についていないため、あらゆる面で不利になる」というのが主な理由でした。
また、人間関係や職場環境のネガティブな悩みなどであれば、「転職はしない方がいい」という意見も多数見られます。
ですが見方を変えると、4割近くは「転職してみても良いのではないか」という意見であり、中には「実際に1年目で転職して良かった」という内容のコメントもありました。
1年目の転職はおすすめしないという看護師さんの意見
まずはおすすめしないという意見を抜粋して紹介します。
まずは担当の科を変更するところから考えてほしい
1年目で向き不向きは判断できない
転職後も苦労すると思う
ひとり立ちできている状態ではない
人間関係の悩みなどが原因ならおすすめしない
1年目で転職するのもアリという看護師さんの意見
看護師さんの中には、1年目で転職してみるのも一つの手段として良いのでは、という意見を持っている方もいらっしゃいました。
一つの職場では見えてこないところもある
合わない職場で続けても体調を崩すだけ
精神的に追い込まれる状態になってまで続ける必要はない
その病院の変なクセや考え方が染みつく前に転職すべき
理由としていくつかありますが、まずこの資格は日本全国何処に行っても働く事が出来ます。また、転職をするならその職場に染まる前にした方が絶対にいいと思っているのもあります。染まってしまうとその病院の変なクセや考え方が染み付いてしまうからです。最後は、合わない職場で過ごしていると必ず自分自身が精神面・肉体面・又は両方が傷つきます。最悪立ち直れない程の傷が出来る事になると考えます。大事なのは自分の体です。
鬱になる前に辞めるべき
補足:キャリア1年目で転職した看護師さん体験談
【1年目で転職を決めた理由】
特に、他のナースへの引き継ぎが大変でした。自分が担当した内容や患者さんの容態を全て引き継いでもらわないといけない、申し送り時間ギリギリ前まで患者対応をしたあと引継ぎをして、残った業務や記録などで、毎日残業という感じでした。残業してもあまり残業代はつかず、負担ばかり募っていき、同期や先輩後輩もどんどんやめていきました。
転職サイト(人材紹介会社)を利用しました。転職活動は1ヶ月くらいでした。昔から自分が通っていた病院だったこともあり、病院の雰囲気や、医師、看護師の雰囲気がいいのが分かっていたので、すぐに選びました。
満足です。患者さんに「全然いたくなかったよ、すごいね」「気にかけてくれてありがとう」と声を掛けてもらった時にやりがいを感じています。患者さんとやりとりをしてこその仕事なので、なるべく気持ちに寄り添ったり、思いに共感したりしていきたいです。
いまは転職してスキルアップしていく時代ですし、1年目の転職も良い選択だと思います。
看護師さん意見のまとめ
看護師さんのアドバイスをもとに、転職すべき人・そうでない人を悩みの理由で分類しました。
転職を検討しても良い人 |
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転職すべきでない人 |
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転職の難易度は高くなりますが、「メンタル的に限界」「仕事が心底辛い」という方は、積極的に環境を変えてみることをおすすめします。
まとめ
ここまで1年目看護師の転職について解説しましたが、いかがでしたか?
看護師1年目の転職はデメリットが多いため慎重になるべきです。
それでも、転職したいという気持ちが変わらない方は、本記事で紹介した成功のポイントやおすすめの転職サイトを活用してみてください。
あなたの今後の人生がより明るいものであることを心から願っています。