
「看護師の転職って、どう進めるのが普通なの?」
「求人ってどうやって探す?」
とお悩みではないですか。
まず転職先の探し方をお伝えすると、求人を探す方法は以下の6通りあります。
- 転職サイト(人材紹介会社)
- ハローワーク
- 直接応募
- 求人広告サイト
- ナースセンター
- 知人の紹介
それぞれ求人の見つけやすさや転職活動の進め方が少々異なりますが、一番定番の方法は「転職サイト(人材紹介会社)」です。
実際に、当サイトが転職経験のある看護師100人を対象に実施したアンケートで「職場探しはどのようにして行いましたか?」と質問したところ、転職サイトという回答が最多でした。

看護師の半数以上は転職サイトを利用
転職活動の流れは、【求人探し→応募】とどのやり方でもおおむね同じですが、求人探しの方法によって若干進め方が異なります。
そこでこの記事では、数多くの転職支援経験のある私が、それぞれの方法で実際に転職活動を進める流れを解説していきます。
- 転職サイト(人材紹介会社)で転職
- ハローワークで転職
- 直接応募で転職
- 求人広告サイトで転職
- ナースセンターで転職
- 知人の紹介で転職
- 看護師求人を探す前にやるべきたった2つのこと
- 看護師100人の調査から分かった転職に成功する人・失敗する人の違い
全て読めば転職活動の進め方が分かり、転職の成功率をグッと高められます。

1989年、北海道生まれ。北海道美唄聖華高等学校を経て、看護師として札幌医科大学附属病院へ入職。約5年間の小児科病棟勤務ののち、クリニック勤務を経て、妊娠・出産を機に派遣看護師へ転向。コロナ禍の社会情勢や子育て上の理由から、より柔軟な働き方を求め、2021年より看護師ライターとして活躍中。現在2児の母。
編集部が実施した看護師723名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。
キャリア・転職に悩んでいたり、今の仕事・職場から離れようかなと考えていたりするすべての看護師におすすめの相談先です。
左右にスクロールできます。
おすすめ転職サイト | 口コミ満足度 | 公開求人数 | おすすめポイント |
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約5.9万件 |
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約14.1万件 |
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〔求人数〕2023年1月5日時点
目次
看護師の転職方法①.転職サイト(人材紹介会社)
転職サイトの活用は、看護師の転職で定番のやり方です。
看護師転職サイトは、キャリアアドバイザーと呼ばれる転職のプロと二人三脚で仕事探しを行う転職支援サービスです。
転職サイトがおすすめな人
- 転職するのがはじめてで不安
- 働きながら転職活動をする
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 実績豊富な看護転職のプロにまずは相談したい
転職サイトのメリット・デメリットを先にお伝えしておきます。
メリット | デメリット |
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本章では、転職サイトに登録した場合の転職活動の進め方を、順を追って紹介します。
1-1.キャリア面談
転職サイトに登録すると、担当のキャリアアドバイザーと面談を行います。
面談で話すこと
- 希望条件
…年収/希望の施設/立地や通勤時間 - 転職理由
…「転職を決めた理由」や「前職の不満」など - 看護観
…看護職に対する想いや考え方 - 仕事に対する価値観やキャリア志向
…いつまでにどのようなキャリアを築いていきたいか
そして面談の内容を踏まえて、あなたのニーズに合った職場の求人を後日提案してくれます。
「転職しようと思ったきっかけ」や「キャリアに対する悩み」、「絶対に譲れない条件」などを問診のように丁寧にヒアリングして、適切な職場を提案してくれるというのは、転職サイトならではのメリットです。
補足:面談は電話・オンラインで実施
キャリアアドバイザーとの面談は、電話・オンラインで行います。(以前は対面でのやりとりもあったが、2021年現在ほとんど行われていない)
その後の求人紹介や担当者との連絡も、電話やメール、LINEなどで完結するので、直接会ってやり取りすることは基本的にありません。
1-2.求人提案
キャリア面談が終わると、担当者から「この職場はどうですか?」と求人情報が送られてきます。
自分で求人を探す必要がなく、自動的に自分に合った求人情報が得られるのも、転職サイトを使う利点です。
特に転職サイトは「非公開求人」と呼ばれる情報を持っています。これは、ハローワークや求人広告サイトでは公開されない求人です。広く公開されている求人と比べて、好条件・好待遇の可能性が高い傾向にあります。
好条件な求人ほど非公開で募集される仕組み
人気の病院や待遇の良い職場ほど「応募が殺到すると面接などが大変。できるだけ効率的に人材を集めたい」と思っている
→非公開求人にして「転職サイト登録者の中から、本当に欲しい人材だけが応募してくる」ようにしたい
このような非公開求人は、転職サイト登録者だけが得られる情報です。
「求人探し=ハローワーク」と考えてしまいやすいですが、転職サイトを駆使することで、他の看護師さんが見つけられていない好条件求人に応募できるようになります。
補足:強引に転職を勧めて担当者に注意
転職サイトは、看護師を病院に紹介した仲介料で収益をあげるサービスなので、悪質なサイト(担当者)にあたってしまうと、転職をやや強引に急かされたり、興味のない求人ばかり提案されたりすることもあります。
「周囲の意見に流されやすい」「断るのが苦手で押しに弱い」という方は要注意です。これを避けるには、複数のサイトに登録し、担当者のサービス(対応)を比較してみるのがおすすめです。
1-3.応募(選考対策)
興味のある病院が見つかれば、応募へと進みます。転職サイトでは、応募の際の選考対策も行ってくれます。
転職サイトの選考対策
- 書類の添削
…履歴書、経歴書の添削を行い、選考に通りやすい魅力的な応募書類を作る - 面接対策
…模擬面接を通して事前に練習でき、「理想的な答え方」などアドバイスをもらえる
「初めての転職で、履歴書をどう書けばいいか分からない」「面接を上手くやり遂げられる自信がない」という方にとって、大きなメリットです。
なお、転職サイトを経由して応募すると、面接の日程調整を代行してもらえます。働きながら転職先を探していたり、シフトの調整が難しかったりする看護師さんでも、スムーズに転職活動を進められます。
1-4.内定・退職
内定が決まったら、雇用条件などを最終確認し、問題なければ承諾します。これで転職活動そのものは終わりです。
ただし、働きながら転職活動をしている場合、その後円満退職に向けて行動する必要があります。基本的に円満退職を実現するには、1か月ほど前に辞意を伝え、余裕を持って引継ぎをするのが好ましいとされています。
そのため、次の病院からの内定を承諾したら、入職日は「ある程度期間を取って回答」するのがベストです。
「いつから働けますか?」と聞かれると思うので、「1カ月後を目安に勤務開始できると思います。具体的な日時については、退職日と調整させてください」と答えましょう。
その後、現在の病院に退職の意思表示をして、「具体的な退社日」が決まれば、再度次の病院に連絡して、入社日の調整(○月○日から勤務開始できます)を進めます。
なお、転職サイト経由で応募しておけば、転職先との調整も代行してくれるので安心です。
参考:看護師から高評価の大手転職サイト3選
数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人の数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
1位 看護roo! | 56,000件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 136,000件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 61,000件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるので、希望にぴったりの求人を見つけることができるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は135,763件と転職サイトトップレベル
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。
キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を詳細まで把握しています。
したがって、、「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえます。
また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力的です。
こんな看護師さんにおすすめ
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる
マイナビ看護師の特徴
- 看護師認知度4年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は6万件以上
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
『マイナビ看護師』は、大手人材企業マイナビが運営する定番の転職サイトです。
数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
そのため、「ゆっくりと考えたいのに連絡が煩わしい」「早く転職したいのにサポートが遅い」といったミスマッチもなく、自分のペースで転職活動を進められるでしょう(面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれます)。
こんな看護師さんにおすすめ
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
看護師の転職方法②.ハローワーク
ハローワークは、転職サイト(人材紹介会社)を使わずに自分で探す方法の中で、最も定番のやり方です。
一度退職をして、失業手当をもらいながら次を探す方は、必ずハローワークに訪れることになります。その際、求職相談などをするのも効率的です。
ハローワークがおすすめな人
- 今の職場を辞めてから転職活動する予定
- 自分のペースで転職活動をしたい
ハローワークは国営の機関のため、どの医療機関とも金銭的な利害関係がなく、中立公正な立場で求人紹介や転職アドバイスをしてくれるのが魅力です。
メリット | デメリット |
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本章では、ハローワークでの転職活動の進め方を、順を追って紹介します。
2-1.ハローワークに求職登録する
最寄りのハローワークで、求職登録を行います。登録は「求職申込書」に氏名や連絡先、希望する仕事を記入する形で行います。
求職申込書を提出し、受理されたら「ハローワークカード(会員証のようなもの)」を受け取ります。
2-2.求人検索・相談
ハローワークでは求人検索や窓口での求職相談が可能です。
求人検索
登録が済んだら、ハローワークに設置された端末で看護師求人を検索していきます。ハローワークは、良い求人があれば窓口に伝え、紹介状を受け取った上で病院に履歴書を送る、というやり方で進めていきます。
求人端末はハローワークで公開されている求人全てにアクセスできますが、やや検索しづらい難点があります。
また、ハローワークで求人を探す際は、その情報に対して細心の注意を払う必要があります。というのも、ハローワークはブラックな求人が紛れ込みやすい仕組みだからです。
ハローワークは公的機関なので、病院や施設がハローワークに求人を載せる際、掲載費用はかかりません。
このため、以下のような病院・施設の求人が集まりやすくなっています。
ハローワークにはこんな病院・施設の求人が紛れているかも
- スタッフの採用にお金をかけたくないと考えている
- 採用にお金をかけられないほど経営状態が悪い
- 待遇が悪く人が集まらないので、ずっと求人を出している
(いつまで掲載しても無料なのでリスクはない)
人材への投資に消極的な職場ほど、給与が低かったり、待遇が悪かったりする可能性が高いので注意が必要です。
また、実はハローワークに掲載されている求人情報には、嘘が書かれているケースが多く報告されており、その報告件数は医療業界が最多と言われています。
このため、ハローワークだけで仕事を探すのではなく、転職サイトや他の手段と併用し、情報を比較しながら転職活動を進めるのがおすすめです。
相談
ハローワークには相談窓口が設置されており、そこで看護師転職の相談ができます。
ただ、窓口担当者は病院に詳しいわけではないので、それほど有益なアドバイスは期待できません。相談するとしても、あくまで参考程度にとらえておきましょう。
なお、ハローワークでの求職相談は、失業保険の受給要件になります。
失業保険の受給は、「離職中でありながらも求職活動を行っていること」が条件として定められており、求職活動として認められることの中に「ハローワークが行う職業相談、職業紹介」も含まれています。
原則として月に二回以上の求職活動が必要ですが、ハローワークで相談をするとそのうちの一回にカウントされます。
失業保険を受給するには、月に一度「失業認定」のためにハローワークに通うことになるので、その際同時に仕事探し・相談をすると、スムーズに失業保険を受け取りやすくなります。
2-3.採用選考
ハローワークで紹介状をもらい、病院に履歴書を送付したのち、書類選考に通れば面接案内の連絡がきます。
この辺りの調整は全て自分で行う必要があるので、複数の病院に応募していたり、働きながら仕事探しをしていたりする方は、スケジュール調整を忘れずに行いましょう。
その後採用の場合は、病院から連絡がくるので、入職の手続きへと進みます。
看護師の転職方法③.直接応募
働いてみたい病院があるなら、その病院に直接応募してみるという方法もあります。
直接応募がおすすめな人
- 働いてみたい病院がある
- 近場で働くと決めている
転職サイトに求人を出していなくても、「人手不足で人材を確保したい」という病院は珍しくありません。そういった場合、病院公式サイトの採用ページなどで、看護師の募集情報を出しているはずです。
メリット | デメリット |
採用確率が高い | 病院の詳しい情報が事前に分からない |
直接応募のメリットは、採用される確率が高いことです。転職サイトなどを経由すれば、病院側にコスト(仲介料)がかかりますが、直接応募での人材採用では、ほとんどコストはかかりません。
また求人広告を出していない病院なら、同時期に応募する人も少なく、競争率も低くなります。評判が良くて気になっている病院などあれば、公式ホームページを確認してみましょう。
ただ、事前に得られる情報が限られるので、面接時に疑問点・懸念点は全て質問し、解消しておく必要があります。
看護師の転職方法④.求人広告サイト
前述の看護師転職サイトは、担当者とやり取りをしながら転職活動を進めていくものですが、このやり取り(特に電話)が面倒という方も少なくありません。
そういった方におすすめなのが、病院・施設の求人情報を自分で探せる求人広告サイトです。
求人広告サイトがおすすめな人
- とにかく多くの求人情報を得たい
- キャリアアドバイザーはつけず、一人で転職活動したい
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
自分のペースで転職活動できる | 転職に関するアドバイスやサポートは受けられない |
求人広告サイトでは、自分で求人を検索して、気になったものがあれば応募するという流れで転職活動を進めていきます。
原則、担当者(キャリアアドバイザー)はつきません。自分一人で求人探し・応募を行うので、マイペースに転職活動したい方や、転職意欲はそれほど高くないが、良い求人が見つかれば転職したい方に適しています。
大手検索エンジン『indeed』や、医療・福祉系職種専門サイト『ジョブメドレー』や『グッピー』が有名です。
補足:おすすめNo1は「電話なし」のジョブメドレー看護
完全電話なしで転職サイトを利用したい方は、『ジョブメドレー看護』がおすすめです。
『ジョブメドレー看護』は、株式会社メドレーが運営する医療介護求人サイトです。
ほとんどの転職サイトは、担当者とやり取りしながら、事務所への応募も転職サイトを介して行いますが、ジョブメドレー看護は自分で希望条件に合う求人を検索して応募をして、企業とのやりとりも転職サイトを介さずに行います。
診療科や仕事内容、福利厚生など細かい条件で求人を検索することができるので、自分の希望にぴったりの求人が見つかりやすいのが特徴です。
例えば、希望の診療科は29科から、希望のサービス形態もクリニックや急性期病棟など11形態から選ぶことができます。
また、希望者は担当者に相談することができるので、転職活動に不安を抱える方も安心です。
看護師の転職方法⑤.ナースセンター
民間企業の転職サイトではなく、公的機関を活用して仕事を探したい方は、日本看護協会の「ナースセンター」を活用する方法もあります。
ナースセンターは、看護人材確保を目的として設置された行政機関です。
ナースセンターがおすすめな人
- 看護知識が豊富な人に相談したい
- 自分のペースで転職活動をしたい
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
| 求人が少ない |
ナースセンターを活用する場合の転職活動の進め方を、順を追って紹介します。
5-1 .ユーザー登録し、eナースセンターで求人を探す
ナースセンターは「eナースセンター」という検索サイトを提供しており、基本的にこちらを活用して求人を探していきます。もちろん、都道府県ナースセンター窓口を訪問し、窓口で相談員とやり取りをしながら求人検索も可能です。
eナースセンターでは、ユーザー登録を行う(メールアドレスで登録可)と、希望勤務地やライフスタイルから、インターネット上で求人検索ができるようになります。
自ら求人検索ができますが、他にも希望条件を登録しておけば、おすすめの求人情報が毎週日曜日の夜間に求職者ポータル画面(マイページ)に表示される仕組みもあります。
一度登録しておけば、自動的に求人情報が得られるようになるのは大きなメリットです。
5-2.求職相談・再就業支援
ナースセンターでは他にも、相談員による就業相談や、再就職に向けた研修の開催なども行っています。
相談員の多くが看護師経験者なので、専門的な話もしやすく、親身に相談に乗ってくれるでしょう。
また、ブランクの長い方を対象にした研修なども随時開催されており、事前に手技の練習などを行った上で職場復帰も可能です。
看護師の転職方法⑥.知人の紹介
知人や友人、元同僚からの紹介で転職するという方法もあります。
おすすめな人
- 看護学校の同級生と未だに交流がある
- 人間関係などリアルな情報を知っておきたい
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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紹介のメリットは、求人広告からは分からないリアルな情報も事前に教えてもらうことにより、双方のミスマッチを減らせることです。
また紹介経由の応募は、他の手段経由の応募よりも採用されやすい傾向にあります。病院側にとっても、素性の知らない人を採用するよりは、紹介経由での採用の方が信頼できるからです。
ただし、「面接や見学をしてイメージと違っていたとしても断りづらい」「退職を言い出しづらくなる(早期離職の場合は特に)」などのデメリットも大きいため、注意が必要です。
看護師求人を探す前にやるべきたった2つのこと
転職活動は、入念な準備から始まります。いきなり求人探しから始めるのは、失敗のもとなので注意しましょう。
やるべきことは(1).転職の理由をはっきりさせること、(2)譲れない点・妥協できる点を決めることです。
(1).まずは転職の理由をはっきりと言葉にしてみる
まずは転職の理由をはっきりと言葉にしてみてください。次の職場を選ぶ判断基準となります。
もちろん結婚などライフステージの変化が理由の場合、この段階は飛ばして構いませんが、現職に対しての不満が理由の場合は、その理由をはっきりさせる必要があります。
このように理由を具体的にすれば、転職先探しの指針がはっきりします。この方の場合は、以下のような軸で仕事を探すと良いでしょう。
転職先探しの指針
- 慢性回復期の患者が多いなど、比較的に余裕を持って働ける職場
- 夜勤の回数が今より少ない、あるいはクリニックなど夜勤そのものがない
- 30~40代の子育て世代のスタッフが多い
不満の内容が曖昧なままだと、気づかないうちに同じような職場に転職する可能性があります。
転職に失敗する人ほど、転職理由が曖昧なことが多いです。
(2).譲れない点・妥協できる点を決める
次に、「絶対に譲れない点」を1つ決めましょう。できれば「これは最悪妥協しても良いと思える点」も考えておくと好ましいです。
転職に成功した看護師さんは、「絶対に譲れない点」をはっきりさせており、複数ある場合は優先順位をつけているようでした。
実際に転職経験のある看護師さんの声を具体例として紹介します。
譲れない点:残業無し
妥協できる点:人間関係、譲れない点:給料
譲れない点:休みの多さ、妥協できる点:給料
なかなか求人が見つからないという事態になると転職期間が長引くので、妥協できる点も考えておくのがスピード転職の秘訣です。
看護師100人の調査から分かった転職に成功する人・失敗する人の違い
成功する人 | 失敗する人 | |
計画 | スケジュールを立てている | 無計画 |
転職活動の時期 | 現職を辞める前に始める | 勢いで退職してしまう |
選択肢 | 多い | 少ない |
職場見学 | している (or口コミを調べている) | していない |
身だしなみ | TPOに合わせた服装ができる | 無頓着 |
内定後 | 業務内容や条件を確認 | 内定をすぐに承諾してしまう |
それぞれ詳しく解説します。
ポイント1.スケジュールを大まかに立てる
転職活動の際は、大まかにで構いませんのでスケジュールを立てておきましょう。
スケジュールを立てるポイントは、「理想:できれば何月何日までに転職先を決める」「妥協:遅くとも何月何日までに転職先を決める」の2つを決めることです。
無計画に進めてしまうと、ズルズルと先延ばしになる可能性があります。期間が長引くほど負担も大きくなるので、なるべく早めに決めておきたいところです。
看護師さん100人へのアンケートでは、過半数が「1~3か月かけて転職活動を行った」という回答結果が得られました。
※2021年4月実施調査
看護師の求人倍率は近年やや低めに推移しつつあるので、やや長引く可能性も想定して、3か月目安で計画を立てておくとよいでしょう。
ポイント2.勢いで辞めてしまうのは避ける
転職活動は、在職中に行うのが望ましいです。勢いで辞めてしまうのはできるだけ避けましょう。
先に辞めてしまうと、収入が途絶える期間が発生します。なかなか転職先が見つからなかった場合、「早く決めなければ」と焦って判断してしまう可能性も考えられます。
もちろん、失業手当を受給しながら転職活動を進めるのも問題ありません。ただその場合も、しっかりとスケジュールを立てて、「何月から仕事探しを始める」と決めておきましょう。
ポイント3.選択肢の数を増やすことが転職成功のポイント
自分の希望にぴったりの求人を見つけるためには、なるべく多くの情報を集めることが重要です。
複数のサイトを使うなどして、選択肢を増やしましょう。求人がなかなか見つからないという悩みは、一つの手段に固執しているのが原因であることが多いです。
おすすめの併用パターン
- 失業保険受給中の方:転職サイトとハローワークの併用
…転職サイトから応募しつつ、ハローワークで月々の手続きを行う際に、窓口で相談。求人の応募は、失業保険受給要件である求職活動実績として認められる - 転職活動がはじめての方:転職サイトとナースセンターの併用
…どちらも看護師転職に特化したアドバイスなどが受けられるので、転職成功率を高めることができる。 - なるべくたくさん求人を見たい:複数の転職サイトの併用
…複数のサイトを利用すれば、数百~数千件の情報の中から、最適なものを選べる。ただ選択肢が増えすぎても判断に迷うことがあるため、転職サイトのキャリアコンサルタントと相談しながら決めるのがおすすめ
はじめのうちは、気になる求人を徹底的にピックアップすることを意識してください。
そしてある程度候補が見つかった段階で、「転職の目的」や「理想のキャリアプラン」と照らし合わせながら、絞り込んでいきましょう。
ポイント4.人間関係や雰囲気は職場見学でチェック
人間関係が良いかどうかは、事前の職場見学である程度判断できます。実際に病院を見学することで、求人情報からは分からない職場の雰囲気が見えてくるでしょう。
職場見学時のチェックポイント
- スタッフ同士の適度な雑談はあるか
- スタッフが明るく挨拶をしてくれるか
- 病院内はきれいな状態か
- スタッフの年代はバランスが良いか
- 整理整頓ができている環境か
- スタッフの身だしなみはきちんと整っているか
実際に、職場見学で人間関係の良さがうかがえたという意見もありました。
決め手は職場見学!スタッフや利用者の会話から雰囲気が分かった
ただ注意点として、近年は感染症対策の一環で、職場見学ができないというケースも増えています。そこで、看護師が病院の評判を投稿している口コミサイトを活用して情報を得ることも欠かせません。
例えば、『ナスコミ』や『ナース専科』、『medico』は、実際にその病院で働いた方が「人間関係」や「労働の実態」などのリアルな評価を投稿しているサイトです。
匿名サイトなので悪い評価に偏るという側面はありますが、気になる病院があれば検索しておくのも良いでしょう。
ポイント5.面接は身だしなみも大事
看護師転職の面接はたいていの場合1回で終わります。だからこそ、しっかりと好印象を与えておきたいところです。
人のイメージや好感度は、第一印象によって決定されます。面接前に鏡を確認し、身だしなみを整えることが欠かせません。髪は整っているか、服や靴は汚れていないかなど、念入りにチェックしてください。
ポイント6.業務内容や条件を確認して、入職後のギャップをなくそう!
業務内容や条件を確認して、入職後のギャップをなくすのも忘れないようにしましょう。
転職に成功する人ほど、事前にしっかり確認して認識のズレがないようにしています。対して、失敗する人は漠然とした理解のまま入職してしまい、実際に働き始めて「こんなはずではなかった」と後悔していまうのです。
特に給与や残業時間などは必ず確認しておきましょう。「聞きづらい」という方は、転職サイトの担当者に代わりに聞いてもらうこともできます。積極的に活用しましょう。
さいごに
看護師の転職活動の方法を解説しました。
手順に沿って正しく進めていけば、希望通りの職場に転職するのも難しくありません。まずは「希望条件をしっかりと決める」ことから始めてみてください。
条件が決まれば『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などの大手サイトに登録して求人を紹介してもらい、比較検討していきましょう。
あなたの転職がうまくいくことを心から祈っています。

1989年、北海道生まれ。北海道美唄聖華高等学校を経て、看護師として札幌医科大学附属病院へ入職。約5年間の小児科病棟勤務ののち、クリニック勤務を経て、妊娠・出産を機に派遣看護師へ転向。コロナ禍の社会情勢や子育て上の理由から、より柔軟な働き方を求め、2021年より看護師ライターとして活躍中。現在2児の母。