
「転職したいけど踏み切れない」「そもそも転職活動ってどうやればいいの?」と悩みを抱えている看護師さんも多いのではないでしょうか。
転職は人生を左右する分岐点ともなり得る重要な決断です。悩みや不安ゆえに転職活動に踏み切れない方も少なくありません。
そこでこの記事では、転職のプロとして多くの求職者の転職相談に乗ってきた私が、実際に転職した看護師の方々がどんな悩みを抱えていたかを踏まえて、後悔しない看護師転職を実現するためのノウハウをご紹介します。
- 「転職したいけど不安」迷いや悩みを抱える看護師さんは多数
- 看護師さんが転職で抱える悩み・不安をプロが解決!
- 後悔しない選択のために、転職後に起こり得るリスクを知っておこう!
- 看護師の転職活動の手順【期間は3ヶ月が目安】
- 初めての転職で失敗しないための4つの秘訣
- 看護師におすすめの転職サイト3選
この記事を全て読めば、後悔のない転職をするにはどうしたらいいのかが分かるでしょう。
1.「転職したいけど不安」迷いや悩みを抱える看護師さんは多数
職場環境の問題や家庭の事情などで転職を考えているものの、不安な気持ちを抱えている看護師さんは多いのではないでしょうか。
転職を検討している看護師さんを対象にした調査では、以下のような不安を抱えていることが分かっています。
引用:PRTIMES
なお、「不安がない」という方は、わずか2.1%しかいません。働く環境が変わることに対し、不安を抱くのは当然と言えます。
事実、当サイトが看護師さんを対象に行ったアンケート調査でも、以下のような回答がありました。
職場が変わると、日々の生活にも影響が及ぶため、そう簡単に行動には踏み切れないものでしょう。
看護師が転職に踏み切ろうと思う理由
看護師は、数ある職種の中でも特にストレスを抱えやすい仕事と言われています。
看護師の転職理由は、ライフステージの変化(結婚や出産)も多いですが、それよりも、以下のような日々の業務に対する不満がが多いです。
【看護師が転職を考える理由TOP5】
転職を考える理由 | 内訳 |
1位.業務の負担 | ・業務量が多い ・十分な休憩が取れない ・看護師が人手不足 ・時間外の研修が多い |
2位.人間関係が悪い | ・スタッフ同士のしがらみ、いさかい ・威圧的な医師との関わり ・気難しい患者や家族との関わり |
3位.責任の重さ・重圧 | ・医療事故への不安 ・緊迫した環境に対する疲れ |
4位.生活への負担 | ・休みが取れない ・時間外勤務が多い ・夜勤の負担が大きい |
5位.給与が少ない | ・夜勤を減らすと手取りが下がる ・転職すると給料が少なくなる |
※看護師282人を対象にした研究調査(病院における看護師のストレス実態調査)を参考に作成
2021年最新調査では新たな悩みも
当サイトが行った最新の取材(2021/04実施)では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、コロナ病棟の看護師でなくても「とにかく徹底的な感染対策が求められるようになった」「患者から嫌な言葉を投げかけられた」など負担が増加したという声もありました。
理不尽に患者さんに怒られることが増えた
感染対策で疲労が倍増、手荒れがひどくなり出血するほどに
このように、日々の業務負担や人間関係で転職を考えている看護師さんは多くいらっしゃいます。
しかし、「転職したいと思いつつも、現実問題なかなか踏み切れない」という悩みを抱えている方は少なくありません。また、働きながらいざ転職活動を始めてみても、全く上手くいかないという方も多いようです。
そこで次章からは転職のプロ目線で、よくある悩みに対する解決策を提案していきます。
2.看護師さんが転職で抱える悩み・不安をプロが解決!
以下の悩みに対して解決策をアドバイス
悩み1.できれば本当は転職せずに今の職場で働き続けたい
辞めたいと考えているが、「本音を言うとできれば転職せずに今の職場で働き続けたい」と悩むケースです。
アドバイス:心理学に基づいて接し方を工夫する
人間関係などで精神的に限界がきているのであれば、早いうちに辞めた方が心身の健康ためです。特に上記のような方の場合は、改善が難しいかもしれません。
ですが自らの行動や工夫で、人間関係の悩みを緩和させられることもあります。
例えば、苦手な相手とも良好な関係を築く方法は心理学で確立されています。
円満な人間関係を築く心理学的テクニック
1.相手との共通点を見つける
人は共通点を持つ相手に親近感を覚えます(類似性の法則)。
相手の話に耳を傾けて、自分と共通する部分があれば、積極的に自己開示してみると良いでしょう。
2.周囲に自分から話しかける
人は好意を示してもらった相手に好意を持つと言われています(好意の返報性)。
良好な関係を築きたいという意思を示す意味でも、積極的に自分から話しかけてみると良いでしょう。
3.ポジティブな感情を表情に出す
自分は好意的に接しているつもりでも、表情に出ていなければうまく伝わらず、良好な関係が築けないケースもあります。
例えば「嬉しい」と言っているのに表情が曇っている場合、受け手は視覚情報=表情を重視して「嬉しくないのでは」と捉えてしまいます(メラビアンの法則)
4.人間関係はある程度のところで割り切る
必要以上に周囲と仲良くしようと考えず、「仕事上で必要不可欠なやり取りができればOK」くらい割り切って考えるのも大切です。「自分ではコントロールできないものに一喜一憂しない」という考え方で、アドラー心理学では課題の分離と言われています。
苦手な人が居たとしても、他人の行動は変えられません。無理になんとかしようとせず、自分のペースを乱されないようにある程度距離を取って、最低限のやり取りで仕事に集中してみましょう。
まずは自分でできる工夫を試みて、それでも職場環境に改善が見られないようであれば、素直に転職を検討するのがおすすめです。
また『看護師の人間関係の悩みに効果抜群!心理学にもとづく6つの改善策』の記事も参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
悩み2.職場が人手不足で辞められない
職場が人手不足のため、退職できないと悩むケース。責任感の強いしっかりした人が抱えやすい悩みのようです。
アドバイス:1ヶ月以上前に辞意を伝えて、しっかり引継ぎをすれば迷惑はかからない
結論としては、1ヶ月以上前に辞意を伝えて、しっかりと引継ぎを行えば、同僚に迷惑がかかることはありません。むしろ無理して働き続ける方が、深刻な事態をもたらす可能性があります。
余裕を持って退職の旨を伝え、時間をかけて引継ぎをしておけば、業務は滞りなく進みます。新しい人材を採用する時間もあるでしょう。
ですが「人手不足だから仕方ない」無理をして働き続け、もしある日突然あなたが体調を崩して退職するとなると、その場合、病院側は何の準備もできていないため対応ができません。
施設側としては、「早めに伝えてもらえれば引継ぎの余裕も生まれるし、採用の時間もある」というのが本音なのです。
悩み3.転職しても人間関係が悪い職場になってしまいそうで不安
「転職先の人間関係がいいのか分からない」「同じ悩みを抱えそうで不安」と悩むケース。お金や仕事内容はもちろんですが、「人間関係が良好な職場で働けるのが一番」と考えている方も多いのではないでしょうか。
アドバイス:職場見学と口コミ調査を行う
職場の内部事情は、まず面接時に「職場を見学させてもらう」ことである程度把握できます。
職場見学時のチェックポイント
- スタッフ同士の適度な雑談はあるか
- スタッフが明るく挨拶をしてくれるか
- 病院内はきれいな状態か
- スタッフの年代はバランスが良いか
- 整理整頓ができている環境か
- スタッフの身だしなみはきちんと整っているか
決め手は職場見学!スタッフや利用者の会話から雰囲気が分かった
ただ近年は感染症対策の一環で、職場見学ができないというケースも増えています。
そこで、看護師が病院の評判を投稿している口コミサイトを活用して情報を得ることも欠かせません。
例えば、『ナスコミ』や『ナース専科』『medico』は、実際にその病院で働いた方が「人間関係」や「労働の実態」などのリアルな評価を投稿しているサイトです。
匿名サイトなので悪い評価に偏るという側面はありますが、気になる病院があれば検索しておくのも良いでしょう。
悩み4.何がしたいか分からない
「転職しようにも、自分は何がしたいか分からない」という悩みを抱えているケース。漠然と転職しようにも、方向性が定まってないとなかなか行動に踏み切れないですよね。
アドバイス:どうありたいか(どういう生活をしたいか)を考える
仕事内容に対して特に希望がないならば、何がしたいかではなく「どうありたいか(どういう生活をしたいか)」を軸に考えてみてください。
例えば家族との時間が大事なのであれば、私生活を圧迫されないという条件(残業なし、家から近いなど)だけで職場を選んでみるのも良いでしょう。将来的にずっと看護師を続けたいなら、業務内容はさておき、とにかく経験を積める職場にひとまず転職してみるという選択肢もあります。
具体的な目標は特になくても問題ありません。「こういう生活が理想」「将来こんな働き方がしたい」などの漠然とした理想から、職場を選んでみてください。
悩み5.転職回数が多いから採用されないと諦めている
転職回数が多いから採用されないと諦めているケースです。看護師はそもそも転職回数が多いことが当たり前ですが(結婚や配偶者の転勤など、ライフステージの変化)、それでも面接官に聞かれたらなんと答えればいいか悩むという方もいるでしょう。
アドバイス:3回目以上の転職歴がある場合、回数が多い理由をポジティブに伝えるのが大事
ナースセンターが看護師1,200人を対象に行った調査では、転職回数2回以下という看護師が全体の85%以上でしたので、「これまで2回転職した」という方は特に懸念はありません。
ただ「これまで3回転職した=4回目以降の転職」の場合は、回数が多い理由を以下にポジティブに伝えられるかが重要です。
転職回数が多いことは、見方を変えれば、多くの職場や診療科を経験してきていると言えます。
「様々な視点から患者のサポートに貢献していきたい」「応募先企業で、より幅広い知識と経験を身に付けていきたい」と自分のこれまでの経験と志望動機を関連させて伝えることで、好印象を与えられるでしょう。
転職回数についての詳しい解説は、『転職回数が多い看護師でも転職を成功させるための全知識』を参考にしてください。
また転職理由の伝え方は、『看護師の本音の転職理由ランキング』で解説しています。
悩み6.そもそも転職活動の仕方が分からない
「転職活動ってどうやればいいの?」と悩むケースです。求人探しや履歴書の書き方など、やるべきことがたくさんあって、初めての方は特に不安が付き物でしょう。
アドバイス:まずは転職サイトに相談
転職活動はまず求人探しから始まりますが、それには以下のような方法があります。
求人探しの手段
- 転職サイト(人材紹介会社)
- ハローワーク
- ナースセンター
- 求人広告サイト
- 知人の紹介
- 直接応募
この中で、最もサポートが手厚く仕事を見つけやすいのは転職サイト(人材紹介会社)です。
転職サイトに登録すると、キャリアアドバイザーと呼ばれる担当者が、希望の条件にあった求人を紹介してくれたり、完全無料で転職活動全般をサポートしてくれたりします。
転職のプロから支援してもらえるので、初めて転職をするという方でもスムーズに転職活動を進められます。
関連記事:
【決定版】看護師転職の方法・手順と求人を自分で探すやり方
悩み7.現職が忙しくて転職活動の時間が取れない
「今の仕事が忙しく、転職活動なんてする暇がない」という悩みです。一度退職して失業手当をもらいながらゆっくり探すこともできますが、ブランクをできるだけ空けたくないという方も少なくありません。
アドバイス:転職サイトのサポートをフル活用する
前述の転職サイトは、転職活動の様々な工程を代行してくれます。
転職サイトがしてくれること
- 希望を伝えれば、それに合う求人を紹介してくれる
- 新しい求人が出れば、すぐに教えてくれる
- 求人広告が出回っていない非公開求人なども紹介してくれる
- 応募先病院との面接日の調整を代行してくれる
このため、自ら色々と行動をしなくても、転職活動をスムーズに進められます。
働きつつ子育てをしながらの転職活動だったので不安が多かったが、担当者がメールでやり取りをしながら不安の解消に努めてくれました。そのため、私は一つ一つ考えながら転職先を絞り込むことが出来たと思います。
このように、現職と子育てを両立しながら、転職を成功させられたという声も多数ありました。
なお、今の職場を辞めて転職活動をするのはリスクが高いので、なるべく現職を続けながら行いましょう。(参考記事:会社を辞めてからの転職活動は危険!すぐ辞めたいときの対処法)
悩み8.妥協しなければ転職先がなかなか見つからない
転職活動を始めたものの、「職場がなかなか見つからない」と悩むケース。働きづらい病院に入ってしまい、また転職するなんてことは避けたいですよね。
アドバイス:転職サイトは複数使う
結論としては、転職サイトを複数使うことをおすすめします。
転職サイトには、それぞれそのサイトしか扱っていない「独占求人」があるからです。一つのサイトしか使わない場合、他のサイトの独占求人を見ることはできません。
また看護師の求人は、非公開のものが多く、転職サイトに登録していないとなると、そもそも希望の条件と合う求人を見つけにくいです。
選択肢を広げるためにも、複数のサイトを並行して使うのがおすすめです。(紹介先が重複する場合もあるので、面接などが決まれば他サイトの担当者にも共有しておきましょう)
看護師としてのキャリアに悩んだら、公共機関や民間企業が設置している相談窓口の活用もおすすめです。例えば、看護師専門のキャリア支援期間「eナースセンター」などでは、転職を悩んでいる段階でも相談できます。その他の詳しい相談先は『看護師転職の相談先一覧|仕事の悩みから将来の不安まで何でも話せる相談窓口』を参考にしてください。
3.後悔しない選択のために、転職後に起こり得るリスクを知っておこう!
転職後に起こりえるリクスを知らずに安易に転職すると、以下のような後悔につながる恐れもあります。
そこで本章では、転職のリスクを口コミを交えてご紹介します。
3-1.即戦力を求められ思ったよりもキツイ仕事だった
例えば希望の条件を「家から近いところ」などだけで決めてしまい、業務内容を軽視して転職活動をすると、転職後に業務内容についていくことができず、後悔することがあります。
レベルの高さに苦戦
今までと違う科に転職したり、ブランクがある方が転職すると、業務内容についていけなかったという事態が発生することがあります。
転職の際は、業務内容によく目を通し、自分にできる範囲のことなのかを見極める必要があります。
3-2.人間関係がやはり上手くいかない
転職後に、人間関係を上手く築けずに悩む看護師は少なくありません。
もちろん人間関係は職場見学や口コミサイトである程度予測できますが、確実ではありません。入職してみない限り分からないため、「実際に働いてみると、ギスギスしていた」「前の職場と同じような合わない人がいた」というケースもあります。
ただ看護師さんの中には、人間関係はどこにいっても悪いものだと割り切って、その他の条件が良い職場を選んだという人もいらっしゃいました。このような考え方も参考になるかもしれません。
人間関係はどこも同じと諦めて給料の良い職場に移った
3-3.職場環境が事前に聞いていた情報と違った
好条件だと思い応募したが、実情は求人に記載されている通りではなかったという事例もありますので注意しましょう。
また、給与や勤務先などにばかり目を通し、労働環境について考慮せずに転職すると、労働環境の悪さに悩む結果を生むことになるケースがあります。
ほとんどの場合、転職先との比較や、辞めたい理由を明確にしていないことなどが原因で後悔が生まれます。
1度、誰かに相談し、本当に転職してしまって良いかを考えることが、転職に失敗しないポイントです。
4.看護師の転職活動の手順【期間は3ヶ月が目安】
看護師の転職活動には1~3ヶ月かかるのが一般的です。
実際に当サイトが転職経験のある看護師100人を対象に行ったアンケートでは、約半数が「転職活動に1~3ヶ月かかった」という結果が得られました。

当サイトが看護師100人を対象に行ったアンケート調査結果
もちろんスムーズにいけば1ヶ月程度で終わるかもしれません。しかし、看護師の求人倍率は2020年以降低迷を続けているので、ある程度長引くと考えておいた方が良いでしょう。
また円満に現職を辞めるためには余裕を持って早い段階で辞意を伝え、引継ぎを行う必要があります。
1ヶ月目:求人探しスタート
まずは転職サイトやハローワークを活用し、求人探しを始めます。
その際、手段を一つに絞らないことが大切です。要するに、ハローワークや複数の転職サイトを併用し、できるだけ選択肢を多くするのが転職成功のカギです。
おすすめの転職サイトについては、当サイトが700人以上の看護師を対象に調査した結果を『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』にまとめているので、参考にしてください。
なお求人の傾向をみると、看護師が最も転職しやすい時期は12月~3月です。転職先をスムーズに決めたいなら、12月頃から求人探しを少しずつ始めておき、遅くとも3月までに内定を決める、というスケジュールが理想です。
関連記事:
看護師転職の時期は「冬から春先」がベストな理由|採用に有利なタイミングをプロ視点で解説
2ヶ月目:選考を受ける
条件に合う職場が見つかり次第、応募・選考へと進みます。
転職サイトを使っておけば、選考書類や面接対策も行ってくれるので、特にはじめての転職では安心です。ハローワークもサポートはしてくれますが、それほど手厚くないので注意が必要です。
なお当サイトでは、看護師の選考通過率をアップさせるノウハウも別記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
3ヶ月目:退職の意思を伝え引継ぎをして新職場へ
内定が決まり次第、できるだけ早く退職の意思を今の職場に伝えましょう。
円満退職のためには、辞める1ヶ月前あたりがベストと言われています。
職場を円満に辞めるコツは『会社を円満に辞める5つのステップとは?ベストタイミング&退職理由の伝え方』を参考にしてください。
5.初めての転職で失敗しないための4つの秘訣
初めての転職を行う際は、以下のポイントを押さえておくと失敗を避けられます。
5-1.公式ホームページは確認必須
求人票だけでなく、病院・施設の公式ホームページは確認しておきましょう。
公式ホームページの写真や情報、院長のコメントや院内ブログなどから、職場の雰囲気を予想できます。
介護施設であれば、利用者向けの情報を見てみるのも良いでしょう。施設の魅力や提供サービスが詳しく解説されているため、どのような環境で働くことになるのかが分かります。
また公式ホームページに採用情報の項目があれば、求人票の内容と違いがないか照らし合わせておきましょう。
5-2.業務内容については入念に質問しておく
面接の際は、業務内容についての質問を入念にしておきましょう。入職後のギャップを少なくするためです。
看護師さんによってはなかなか質問しづらいという方もいますが、ここの認識をしっかり合わせておかないと、あとあと後悔につながります。
確認すべきこと
- 自分が担当する業務(具体的にイメージできるくらい)
- 配属される部署、ポジション
- キャリアが浅い場合は研修の有無について
業務内容以外では、夜勤の頻度や残業時間などでギャップが生じやすいです。「夜勤は月平均何回なのか」「残業時間は多い月で何時間、少ない月で何時間」など、数字として具体的に把握するようにしてください。
5-3.労働条件通知書は隅々まで確認する
「こんなはずではなかった」と入職後に後悔しないために、労働条件通知書は隅々まで確認しておきましょう。
特に金額面には注意が必要です。看護師の給与は基本給+手当で決定しますが、手当の支給に条件がついていたり、試用期間の基本給が低くなっていたりすることがあります。
所定労働時間外や休日なども、求人票と齟齬がないか確認しておきましょう。
5-4.転職サイトは大手を複数使う
転職サイトに登録する場合は、「大手サイト」に「複数登録」することをおすすめします。
大手サイトであれば、転職支援の実績も豊富で、全国に対応しています。求人数も多く、仕事が探しやすいです。
また複数登録することで、求人の選択肢を増やすことができます。さらに、担当者の相性なども比較して見極めることができるので、いくつかのサイトに登録してみて、より信頼できそうな人に担当してもらうというのもおすすめです。
次章では、当サイトが行った調査で特に評価の高かったサイトを厳選して紹介するので、参考にしてください。
6.看護師におすすめの転職サイト3選
数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるので、希望にぴったりの求人を見つけることができるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は135,763件と転職サイトトップレベル
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。
キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を詳細まで把握しています。
したがって、、「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえます。
また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力的です。
こんな看護師さんにおすすめ
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる
マイナビ看護師の特徴
- 看護師認知度4年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は6万件以上
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
『マイナビ看護師』は、大手人材企業マイナビが運営する定番の転職サイトです。
数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
そのため、「ゆっくりと考えたいのに連絡が煩わしい」「早く転職したいのにサポートが遅い」といったミスマッチもなく、自分のペースで転職活動を進められるでしょう(面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれます)。
こんな看護師さんにおすすめ
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
7.看護師転職サイトをより効果的に利用する6ポイント
看護師転職サイトは、以下のポイントを押さえておくことで、より効果的に利用できます。
どのサービスを選ぶかと同じくらい、どうやって活用するかも重要です。利用前にそれぞれのポイントを押さえておきましょう。
point-1.登録前に「担当者との連絡方法」を確認する
転職サイトに登録する前に、担当者(キャリアコンサルタント)との連絡方法を確認しておきましょう。
連絡方法は主にメール・電話・LINE・ビデオ通話などのツールが用いられます。どのツールをメインで使うかはサイトによって異なります。「自分が連絡を取りやすい形でやり取りできるか」という視点は、スムーズに転職活動を進める上で大切です。
転職経験者の話では、「メールやLINEなどテキストでのやり取りが楽で良い」という意見が多数派でした。「電話で話をするのが苦手」「休みの日に連絡してほしくない」という方は、メールやLINEでのやり取りが可能なサイトを選びましょう。
なお、看護師さんからの評価の高い大手サイト(看護roo!、レバウェル看護(旧 看護のお仕事)、マイナビ看護師)は、いずれも電話・メール・LINEから、希望の連絡方法を選べます。派遣会社利用の場合は、電話のみというケースが多いようです。
point-2.希望条件をしっかりと伝える
担当者との面談の際は、時間をかけて、希望条件をしっかりと伝えましょう。
希望の働き方や条件を具体的に伝えるのはもちろん、「転職に対する想い」「将来的なキャリアビジョン」などもしっかりと伝えておいてください。
キャリアコンサルタントは、二人三脚で転職活動を進めるパートナーのような存在。そのため、両者が同じゴールを見据えていることが何より大切です。
「転職に対する想い」「将来的なキャリアビジョン」がしっかり伝わっていれば、担当者は希望条件の背景まで先読みして、本当に知りたかった情報を教えてくれたり、キャリアの可能性を広げるような提案をしてくれたりします。
一方で、双方の認識がズレていると、自分の求める病院と提案される病院の方向性が一致せず、時間と手間だけがかかってしまいます。
point-3.転職時期は最短可能な日程を伝える
転職サイトに登録すると、「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と質問されます。特に決まった時期がなければ、「できるだけすぐに転職したい」と伝えておきましょう。
直近で転職を考えている看護師ほど、積極的にサポートしてもらえるからです。転職サイトは、看護師を病院・施設に紹介し、その仲介料で収益を上げるビジネスモデルなので、転職意欲が高い人を優先する傾向があります。
ただし、働きながら転職活動をする場合は、現実的に退職が可能な時期(引継ぎが終わるタイミング)も併せて伝えておいてください。
point-4.経歴やスキルは正確に伝える
経歴やスキルは正確に伝えるようにしてください。曖昧にしたままでは、適切な提案を受けられません。診療科目や病院の規模、具体的な担当業務は誤解のないよう伝えておきましょう。
診療科目:内科、消化器内科
病床数:一般200床
担当業務:消化器疾患のケア(消化器官の早期がんに対する内視鏡治療など)
もし内容に偽りがあった場合は、担当者からの信用を失うリスクもあります。
point-5.紹介された病院の口コミをチェックする
転職後に後悔しないためにも、紹介された病院の口コミを事前にチェックしておくのも大切です。
もちろん、病院の良い面・悪い面、リアルな内部情報は、転職サイト経由であらかじめ把握できます。ですが場合によっては、転職サイトの担当者が病院の悪い面を正しく把握していないケースもあるのです。
口コミサイトはいくつかありますが、その中でも特におすすめなのが、40万件以上の口コミが投稿されている『ナスコミ』と、病院ランキングなどが表示される『medico』です。
いずれも口コミを投稿することで閲覧ポイントを獲得できるものなので、やや労力はかかるものの、事前にリアルな口コミを知ることで、ブラックな職場を避けられます。
point-6.複数の転職サイトを併用する
複数の転職サイトを併用することで、スムーズな転職が可能になります。あまり多すぎると連絡がわずらわしくなるので、利用サイトは2~3つがベストです。
複数併用することで、以下のようなメリットがあります。
複数利用のメリット
- 各サイトの非公開・独占求人にアクセスできる
- 応募先の選択肢が増える
- 担当者を比較し、最も相性の良い人にサポートしてもらえる
- 異なる視点のアドバイスをもらえる
特に各サイトの非公開・独占求人にアクセスできるのは、かなり魅力です。
複数のサイトを利用すると、条件の良い求人情報を得られ、より理想に近い職場を見つけやすくなります。
8.看護師転職サイト利用の流れ
転職サイトを使ったことがない方に向けて、利用の流れを分かりやすく解説します。
Step1.登録後、担当者から連絡が来る
まずは転職サイトの公式ページから登録を行います。やるべきことは、氏名や生年月日を入力するだけ。どのサイトも、登録は1分程度で完了します。
登録完了後は、数日以内に電話・メールでサイトの担当者から連絡が来ます。転職希望時期や志望職種などを大まかに質問されますが、事前に準備などをする必要はありません。
初回の連絡は数分程度で終わります。その際、次のステップであるキャリアカウンセリングの日程調整などを行います。
Step2.キャリアカウンセリングを受ける
転職をサポートしてくれるキャリアコンサルタントと、一対一で面談(キャリアカウンセリング)を行います。
面談といっても、2021年時点は、ほぼ全てのサイトで電話やビデオ通話を用いてオンラインで実施されます。都市部在住で、近隣に拠点のあるサイトを利用する場合は、対面面談も選択可能です。
キャリアカウンセリングでは以下のような話題で話を進めていきます。
キャリアカウンセリングの内容
- 現在の転職市場について
- これまでの職歴や身につけたスキル
- 転職を決めた理由
- 転職先に希望する条件
- 将来的なキャリアビジョン
キャリアカウンセリングでは、転職支援のプロから客観的な意見をもらいながら、転職活動の方向性を定めていきます。自身の考えを整理できる良い機会なので、じっくり時間をかけて行いましょう。
Step3.求人を紹介してもらう
面談の内容に合わせて、キャリアコンサルタントが職場を厳選して紹介してくれます。
自分で探す手間が省けるので、転職活動を効率的に進められます。非公開求人・独占求人の中からニーズに合ったものを提案してもらえるのも、転職サイトならではの利点です。
Step4.応募書類の添削を受ける
応募先の病院が決まれば、書類の作成を行います。応募書類は主に履歴書と職務経歴書の2つ。希望者は、添削を受けることもできます。はじめて転職する方で書き方が分からない場合は、積極的に添削してもらうようにしましょう。
Step5.求人に応募する
書類が完成したら、転職サイト経由で求人に応募します。
その際、キャリアコンサルタントが推薦文を添えてくれることがあります。推薦文は、応募書類からは伝わりづらいあなたの魅力を、代わりに伝えてくれるものです。どんな内容を書いてくれているのか確認もできるので、気になる方は担当者に尋ねてみてください。
書類選考に通過したら、次は面接へと進みます。書類選考期間は病院次第ですが、目安として1~2週間程度と想定しておきましょう。
Step6.面接対策を受ける
希望者は面接対策を受けることもできます。特に、転職サイトと病院がもともと深い関係を築いている場合は、「面接官はどんな人なのか」「どのような質問をされるのか」などを事前に把握できます。これも、転職サイトを利用するメリットの一つです。
なお、面接日の調整なども転職サイトが代行してくれます。
Step7.選考に通過した場合は病院で面接を行う
書類選考が通過したら、採用面接を受けます。面接回数は1回であることが多いです。
転職サイトを利用した場合、キャリアコンサルタントが同行してくれるケースもありますが、2021年現在、面接は最小限の人数を指定される場合も多く、1人で受けることを想定しておいたほうが良いでしょう
採用の場合は、雇用条件などを最終確認し、問題なければ承諾しましょう。入職の日程などは、担当者が間に入って調整してくれます。これで転職活動は終了です。
さいごに
転職を考えている看護師さんの悩み解決のアドバイスを紹介しました。
結論としては、転職サイトのキャリアアドバイザー(転職のプロ)の力を借りて、事前に病院の働きやすさを知ったうえで決断すれば、失敗をできる限り避けられます。
また転職を急ぐあまり、じっくり比較検討せずに転職先を決めてしまうのもよくあるミスです。最低でも3ヶ月の余裕を持って、慎重に進めていきましょう。
皆さんの今後の活躍を心からお祈りしております。