
看護師として転職活動をするとき、
- 「志望動機はどのように書いたらいいのだろう」
- 「志望動機の例文が知りたい…」
と悩んでいませんか。
履歴書に記載する志望動機は、転職意欲をアピールする重要な項目です。
「スペースが小さく、何を書けばいいか分からない」と悩む方も多いですが、正しい書き方で魅力的な志望動機を書ければ、それだけで選考通過しやすくなります。
このページでは、転職コンサルタントとして数多くの看護師転職をアドバイスしてきた知見と経験をもとに、履歴書の志望動機についてご紹介します。
これを読めば魅力的な志望動機の書き方が分かります。
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1. 【看護師転職】履歴書の志望動機を考える2つの基本
履歴書の志望動機に書くべきことは、大まかに言うと3つあります。
それぞれ詳しく解説します。
1-1. その職場ならではの志望動機を書く
志望動機の一番大事なポイントは、「その職場ならではの志望動機を書く」ことです。
ホームページなどから、勤務先の理念、人材育成方針などをよく調べ、どのポイントに魅力を感じたのかを志望動機に盛り込みます。
志望動機欄は、その病院・施設に入職したいという熱意を伝える場です。「多くの病院の中から貴院を選んだ理由は…」と、他の病院と被らない理由を具体的に書くと効果的です。
ここで注意したいのは、待遇面(給与、休日、残業の有無など)ばかりを書かないことです。
「希望する病院で働くことで看護師として成長したい」「人間的にも向上したい」など、前向きな理由を書くことが大切です。
1-2. 看護師としての経験・経歴を書く
看護師としての経験や経歴を具体的に書くことも重要です。
前職の経験が詳しく記述されていると、志望動機に説得力が増すからです。
具体的に言うと、「過去にどのような病院で働き、どのような経験を得たのか」「どのような診療科で働いていたのか」を詳しく書き、「そこからどういう考えで転職するに至ったのか」とつなげると流れがスムーズになります。
例
- 前職では急性期病院の外科病棟で5年間勤務
- 術前術後、退院支援まで一連の看護を学んだ
- やりがいはあるが、一方で患者ともっと深く関われる環境で働きたいとも思っている
→長期入院患者へ独自の退院支援を行っている貴院で働きたいと考えている
このような論理であれば、志望先の病院になぜ魅力を感じたのかが伝わり、説得力がグッとアップします。
さらに経歴が具体的に書かれていると、「この人は入職したらこんな仕事を任せられそう」「即戦力として働けそう」とあなたを採用するメリットを伝えられる効果もあります。
1-3.「どのような働き方をしたいか」があると更に伝わる志望動機になる
「入職後はどのような働き方をしたいか」について触れると、更に志望動機は良くなります。
例えば、
- 「臨床経験を積み、スキルアップしたいと考えています」
- 「将来、訪問看護の専門家として地域社会に貢献していきたいと考えています」
など、どのような将来像を描いているかを書くと、熱意・前向きさが伝わります。
ここまでのまとめ
志望動機には、以下の3要素を盛り込みましょう。
- その職場ならではの情報
- 看護師としての経験・経歴
- どのような働き方をしたいか
中でも重要なのが、「なぜその病院に転職したいのか」という職場ならではの情報です。ここをしっかりと具体的に書き込めると、志望動機がグッと魅力的になります。
逆に言うと、具体性が乏しくどの病院でも使いまわせるような志望動機になってしまうと、熱意や意欲は伝わりません。
そこで次章では、病院の情報収集のポイントを解説します。
2.病院ならではの情報は「病院名×看護部」で検索して調べる
病院ならではの情報を集めるためには、まず「病院名×看護部」で検索して公式サイトにアクセスしましょう。
看護部のページには、看護部の理念や教育方針、独自の取り組みなどが紹介されています。
例えば徳島大学病院の看護部のページを見てみるとPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)と呼ばれる看護体制を取っていることが紹介されていました。
これは、一人の看護師が複数人の患者を受け持つ従来のやり方と違い、二人一組のパートナー体制で複数人の患者を受け持つ看護方式です。大学病院などで近年取り入れられているようです。

PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)
出典:徳島大学病院看護部
このような取り組みを詳しく調べておくことで、その病院ならではの情報を盛り込むことができ、唯一無二の志望動機を作れるでしょう。
3. 看護師転職の志望動機例文
ここでは、看護師転職の志望動機例文をご紹介します。
3-1. 病院に転職する場合
病院に転職する場合の志望動機
私はこれまで高齢者向け施設の看護師として勤務してきましたが、患者様とより密接に関わることができ、多くの方の健康維持に貢献する貴院への入職を希望いたします。看護師は医療の専門家であり、患者に一番近く、そして医師との間の架け橋となる存在でなくてはならないと考え、日々進歩する看護に対する専門性を高める努力を継続しています。そんな中で、看護師として患者様の健康に寄与することはもちろん、地域に根付いた病院として貢献している貴院で仕事をしたいと考えております。高齢者向け施設の看護師として得た知識や経験を生かし、新しい知識や専門性を高めながら、地域に根付いた医療に貢献していきます。
病棟看護師に転職したい理由と、その中でも応募した職場を選んだ理由、自分の経験や強みがどのように生かして職場に貢献できるかが伝わる志望動機にすることが大切です。
3-2. クリニックに転職する場合
クリニックに転職する場合の志望動機
新卒から5年間の病棟看護師での勤務経験を活かしながら、貴院で臨床以外のスキルも身につけたい、広く患者さんと接する力をつけたいと考え、入職を希望いたしました。病棟看護師としての実務経験を生かして仕事をすることに加え、少数精鋭で幅広い業務に対応することで、結果としてより一層のお客様の健康維持に貢献できると考えています。また、自身のキャリアを考えた際、多くの経験を積み、更なる専門分野の知識を身に着けたいです。貴院では主体性を重視して仕事を任せる環境であると伺い、そのようなチャレンジできる職場環境に身を置くことで、ひいてはお客様と貴院への力になりたいと考え、志望いたしました。
クリニックに転職したいと考える理由に加え、そのクリニックの特徴と自身のキャリアビジョン、かつそれが患者さんや職場の力になれることを伝えると良いでしょう。
3-3. 看護師として患者さんの力になることをアピール
患者さんの力になれることをアピールする志望動機
これまでの病院看護師としての経験から感じることは、看護師は患者様にとって一番身近な存在であるということです。このため、医療の専門家であることはもちろん、医師には話せないようなことも気軽に話せるような存在でなくてはならないと考えています。そこで、医師や薬剤師など、他の医療従事者の方々と協力し合い患者様と向き合いながら患者様と医療に貢献したいと考え、貴院への入職を希望いたしました。貴院は糖尿病治療において、地域の中心的な役割を果たされており、私が訪問看護師時代に得た糖尿病患者様への看護経験を生かした仕事ができると考えています。また、医療の現場において臨床経験を積みながら看護知識向上とスキルアップを図ることで、多くの患者様の健康と貴院の発展に貢献していきます。
患者さんのお役に立ちたいことだけでなく、具体的に自分の過去の経験が役立つ根拠や、自身が入職することによって病院にどのようなメリットがあるのかを伝えることがおすすめです。
3-4. 自分のキャリアアップを通じた職場への貢献をアピール
自分のキャリアアップと職場への貢献をアピールする志望動機
私は現在、訪問看護ステーションの看護師として勤務しています。仕事は毎日充実していますが、今後の自身のキャリアを考えた際に、より多くの経験を積み、将来は認定看護師、専門看護師として責任のある立場での仕事をしたいと考えるようになりました。看護のレベルを高めるべく、本などから勉強をしましたが、知識だけでなく実際の業務から学ぶことの方が多いのではないかと感じ、貴院への入職を希望いたします。また、貴院では若手のやる気次第では大きな仕事を任せる文化があると伺い、そのようなチャレンジできる職場環境に非常に魅力を感じております。これまでの業務で得た経験や看護の知識を貴院の業務で生かすことはもちろん、実践からも看護の勉強に日々取り組み、自身の能力を高め、貴院の発展に貢献していきます。
キャリアアップという自分のための理由であっても、自分が入職することで職場にとってプラスとなることは、伝える必要があるでしょう。
ここまで志望動機の例文を紹介してきましたが、実は例文に頼りすぎるのはおすすめではありません。
その理由を次章でご紹介します。
4. 注意点:例文をそのままコピペするのはNG
志望動機を書く際には、上記の例文をベースにご自身の志望動機を考えてみてください。
ただし、例文に頼りすぎることは逆効果であり、コピペはおすすめしません。
理由は以下の通りです。
ひとつずつご紹介します。
(1) 例文の転用は採用担当者にすぐばれる
例文の転用は、採用担当者にすぐにばれるため、やらない方が良いでしょう。
例文を参考に志望動機を作成したいと考える方は多くいらっしゃいますが、インターネットに掲載されている例文を転用した志望動機を履歴書に記載すると、採用担当者はすぐに分かってしまいます。
なぜなら、担当者は自社に応募する志望動機を何百通と読んでいるため、「当社の良さをしっかり認識した志望動機」と「ネット検索で上位表示されるサイトの例文をパクッた志望動機」の違いは明らかであるからです。
ですので、自分だけの志望動機をしっかりと考えて記入することが大切です。
(2) 志望動機は面接でも質問される
二つ目の理由は、志望動機は面接でも質問される項目であるためです。
履歴書の志望動機は「書類選考を通過すればOK」ではなく、ほとんどの場合、面接で採用担当者から再度質問をされるでしょう。
しっかりした自己分析から自分のWill(想いや気持ち)を明らかにして志望動機を書かないと、肝心の面接がうまくいかなくなってしまいます。
このため、面接で質問されることも想定し、志望動機を作成すると良いでしょう。
(3) ネットに出ている例文の中には質が低いものも多い
残念ながら、ネットに掲載されている例文の中には質が低いものが存在します。
志望動機はご自身の自己PRの部分とリンクして作成することがポイントのひとつですが、ネットに出ている例文は万人向けに書かれているものが多く、内容が手薄となりがちなのです。
また、ノウハウを提示することなく、例文だけを出しているサイトも多くありますが、そのサイトを参考にする場合も、例文に頼りすぎることなく、オリジナルの志望動機を作成してみてください。
5. 履歴書の書き方3つのポイント
本章では、志望動機を含む履歴書の書き方を3つご紹介していきます。
順番に見ていきましょう。
ポイント1. バランスのとれた文字の大きさ
全体的にバランスのとれた文字の大きさで履歴書を書くと見栄えがよくなるためおすすめです。
文字の大きさを揃え、斜めにならないように注意しながら書きましょう。
また、漢字に対してひらがな・カタカナは7割~8割程度の大きさを意識し、漢字とひらがな・カタカナの配分も意識すると綺麗に整って見えます。
文字の大きさは、読みやすい大きさを意識し、どの年代の担当者でも読める大きさを意識しましょう。
ポイント2. 文章量はスペースの8割を意識
スペースの大きさにもよりますが、文字量はスペース8割を埋めることを意識しましょう。
文章を書くスペースは、余白が多すぎると熱意が伝わらす、印象を悪くしてしまいます。
また、欄外にはみ出すほどにぎっしり書き込まれた履歴書は、熱意は伝わるものの、読みにくいだけでなく、簡潔にまとめる能力に欠ける印象を与えてしまいます。
このため、8割を埋めることで、見やすくまとまっている印象を与えることができるのです。
ポイント3. 看護師専門の転職コンサルタントの添削を受ける
どうしても、履歴書の書き方に自信のない人は、志望動機と併せて看護師専門の転職コンサルタントに添削してもらいましょう。
大手の転職サイトにお願いすることで、履歴書の添削と細かいテクニックを聞くことが可能です。
転職コンサルタントとの相談は基本的に無料ですので、まず相談してみることがおすすめと言えます。
なお、看護師からサポート面で高評価の大手転職サイトは『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』の記事で紹介しています。
(参考) 履歴書は「志望動機欄」のないものを選ぶのもおすすめ
履歴書の中には志望動機欄がない履歴書も存在するため、こちらを選んでも良いでしょう。
なぜなら
- 書類選考の多くは“職務経歴書”によって行われ、履歴書は人事情報として保管するもの
- 履歴書は限られた枠内での情報しか伝えることができないため
です。
また、「志望動機欄のないもの」を選べば志望動機に悩んだり、うまく書けなくてマイナスになってしまうこともありません。
個人経営のクリニックなど、履歴書のみ提出での書類選考の場合は「面接重視」がほとんどです。
「履歴書は人事情報として保管するもの」という理由が同様に当てはまり、履歴書内容を気にされなくても問題ありません。
7. さいごに
履歴書の志望動機の書き方について、コツやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
もし志望動機を作成する際には、以下の要素を盛り込むことを意識するとグッと印象が良くなるはずです。
- その職場ならではの志望動機を書く
- 看護師としての経験・経歴を書く
- どのような働き方をしたいか」があると更に伝わる志望動機になる
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。