
「転職エージェントを利用したいけど、いくらかかるの?」と、転職エージェントにかかる費用について気になっていませんか?
転職エージェントは無料で利用ができます。これから利用する人は、転職エージェントの仕組みを知っておくと安心して利用することができるはずです。
大手の転職エージェントを経て企業で中途採用を担当している私が、転職エージェントにかかる費用や仕組みについてまとめたものです。
このページを読めば、転職エージェントの仕組みと利用法が分かるので、ぜひご覧ください。
1. 転職エージェントの費用の仕組み
転職エージェントを一言で言えば、転職希望者と求人募集している会社をつなぐサービスのことです。
転職エージェントを利用しても、転職希望者はお金を払う必要はありませんが、それは転職エージェントが下の図のようなビジネスモデルになっているためです。
紹介した人材と求人を出していた会社が雇用契約を結んだ場合、求人会社から転職エージェントに報酬が支払われるわけです。
求人を出していた会社は、雇用者の年収の約3~4割を報酬として支払うことになり、雇用者が600万円の場合、600 ✕ 3~4/10 = 180~240万円が転職エージェントの利益となります。
転職希望者は転職エージェントからすれば商品のようなもので、一切費用を払わず、エージェントサービスを受けることができるわけです。
求人会社は転職エージェントの報酬額を下げてもらえる?
報酬額は転職エージェントによって異なるので、「いくらかかるか」「まけてもらえるか」などは、転職エージェントに相談してみないと分かりません。
企業の方で報酬額が高いことを懸念している方は、複数社に見積もりをすることをおすすめします。
ちなみに、早期退職した場合は一定額を返金してもらえますが、返金率も各エージェントで異なるのでチェックしておくと良いでしょう。
2. 転職エージェントを利用するメリット・デメリット
「転職エージェントは無料ってことは分かったけど、利用する価値はあるの?」と気になる方のために、転職エージェントのメリット・デメリットを紹介します。
2-1. 転職エージェントの3つのメリット
転職エージェントには、次のような長所があります。
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 転職活動のノウハウを教えてもらえる
- 応募会社に売り込んでもらえる
それぞれ紹介します。
メリット① 非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントは検索で見つからない非公開求人を扱っており、これらは実際に登録しないと紹介してもらえません。
非公開求人は膨大な数に登り、『パソナキャリア』のように公開求人の4倍以上もの非公開求人を持っている転職エージェントもあります。
転職エージェントに登録すると、リクナビのような転職サイトには載っていない求人をたくさん紹介してもらうことができます。
転職エージェントがあなたのニーズにピッタリあったものを紹介してくれるはずです。
メリット② 転職活動のノウハウを教えてもらえる
転職エージェントに登録すると、面談をすることになりますが、そこで転職に役立つことをいろいろと教えてもらうことができます。
- 面接の受け方の指導
- 職務経歴書の添削
これだけでなく、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、転職希望者の質問にあまさず答えてくれます。
転職した後でも、相談に乗ってもらうことができるなど、心強い存在なのです。
メリット③ 応募会社に売り込んでもらえる
転職エージェントは、会社にあなたのことを売り込んでくれるだけでなく、面接後のフォローもしてくれます。
「御社が第一希望ということなので、内定が出たら必ず応じるそうです」という感じで橋渡しをしてくれます。
さらに、年収交渉、退職後の段取りなど、転職希望者が気になることを全面的にサポートしてくれます。
2-2. 転職エージェントの2つのデメリット
転職エージェントの短所として次の2つが挙げられます。
- 求人を紹介してもらえない場合がある
- 応募を急かされる時がある
それぞれ紹介します。
短所① 求人を紹介してもらえない場合がある
次のような場合、転職エージェントに紹介を断られてしまうことがあります。
- アルバイト、フリーターで正社員経験が無い
- 俳優など経歴が独特
- 高年齢
- 地方で仕事が少ない
- 転職が多すぎる
転職エージェントは転職希望者を売り込む存在ですが、転職希望者の属性が悪いと売り込めないので「現在、紹介できる求人はありません」と断られてしまう場合があるわけです。
ただ、断られる基準は分かりませんので、不安にならず、申し込んでみることをおすすめします。
短所② 応募を急かされる時がある
転職エージェントのサービス期間は基本的に3ヶ月で、その間に転職を成功させるため、転職エージェントは多くの求人を紹介してくれます。
そのため、「最低10件は申し込みましょう」というように、エントリーを急かされることがあるのです。
消極的だと紹介される求人が減らされてしまう場合もあるので、「マイペースに転職活動したい」という方にはおすすめできません。
2-3. 転職エージェントはどんな人におすすめ?
転職エージェントは、次のような方に向いています。
- 短期間で転職を決めたい
- 転職回数が少ない
- 正社員としていろいろな経験を積んでいる
短期間で決めたいという方に向いているので、じっくり転職先を決めたいという方には向いていない場合があります。
「転職を早期に決めたい」と思う方は、ぜひ利用してみることをおすすめします。
3. 転職エージェントの利用法
転職エージェントは次の流れで利用していきます。
ステップごとに紹介していきます。
Step 1. 登録する
転職エージェントの公式ページから登録します。
どこも転職エージェントでも次のようなことを入力することになります。
転職希望時期・希望勤務地・現在の職種・年収・メールアドレス
氏名・性別・生年月日・電話番号・学歴
経験社数・現在の就労状況・業種・職種・英語・海外赴任経験
大体5〜10分程度で完了します。
Step 2. 連絡が来る
登録してしばらくすると、面接担当の方から面談の日程調整の案内メールが来ます。
面談は各エージェントの拠点で行われれることが多く、行けない場合は電話で行われます。
面談の前に、履歴書と職務経歴書を用意しておきましょう。
職務経歴書の書き方について迷うことがある方は、こちらのページ「【完全版】プロが教える抜群に好印象な職務経歴書の書き方」をご覧ください。
Step 3. 面談を行う
初回面談では次のようなことを話すことになります。
- あなたのキャリアの棚卸し
- PRポイントの整理
- 転職するべきかどうか
- 転職するとしたらどのような企業に内定をもらえそうか
- どのように職務経歴書を書いたら通過しやすくなるか
- 転職についての要望の深堀
キャリアカウンセリングで気づくことも多く、なるべく多くのキャリアアドバイザーに意見をもらえば、考えがまとまっていき後悔ない転職をすることができるでしょう。
Step 4. 求人紹介を受ける
面談が終わったら、あなたの希望に合いそうな求人をいくつか紹介してもらいます。
数十件も紹介される場合もあり、エントリーを急かされる場合もありますが、後悔しないようにじっくり精査しましょう。
1つもエントリーしないで無反応でいると、紹介されなくなってしまう場合もありますから、「もう少し年収が高めの求人がほしい」というように希望を伝えるようにしましょう。
Step 5. 職務経歴書の添削
職務経歴書や履歴書といった選考書類を添削してもらいます。
場合によってはこのためだけに面談を設定してくれたり、何度も書き直しを行います。
最高の職務経歴書をリクルートエージェントと一緒に作り上げましょう。
Step 6. 応募する
選考書類が完成したら、転職エージェントが最後に推薦文を添えて企業に応募します。
自分ではなかなか伝えられないあなたの魅力を、転職エージェントが企業に営業してくれます。
転職サイトを使って自力で応募すると、推薦文はもちろん誰も書いてくれませんし、企業への手続きも全部自分でしなければならないため、それに比べるとエージェント経由は有利です。
Step 7. 面接対策を受ける
応募している企業の面接担当者がどのような質問をして、どのようなタイプの方を好むのか、今持っているスキルのなかで何をPRするべきなのかといったポイントのアドバイスを貰います。
あなたが希望すれば模擬面接を実施してもらえるケースもあります。
Step 8. 企業との面接を行う
面接の日時設定は転職エージェントが全て行ってくれます。
対策してもらったことをフル活用して、力を出し切りましょう。
面接に落ちてしまった場合には、多くの場合、転職エージェントが人事担当者からフィードバックを受けているため、次の面接に生かすことができます。
Step 9. 内定と退職サポート
内定が出た後は、転職エージェントが給料交渉や入社日の調整を責任を持って行ってくれます。
また、退職手続きについて不安な場合も、上司にどのように報告するかなど大手エージェントならノウハウを持っているので、迷うなら相談してみることをおすすめします。
4. おすすめの転職エージェントまとめ
ここでは、おすすめの転職エージェントを紹介します。
転職エージェントは大きく2つに分かれます。
- 総合転職エージェント・・・あらゆる業界を扱う転職エージェント
- 特化型転職エージェント・・・特定の業界のみを扱う転職エージェント
それぞれおすすめを紹介するので、自分に合っていそうな所を2~3社チェックして応募してみて下さい。
おすすめの総合転職エージェント
- doda|一番おすすめの転職エージェント
- パソナキャリア・・・面倒見の良さに評判がある転職エージェント
- リクルートエージェント・・・求人数が一番多い転職エージェント
クリックすると、公式サイトへリンクします。
この3社は、私が500人の口コミをチェックした最もおすすめの転職エージェントです。
特におすすめなのが求人の量・質が豊富で、キャリアアドバイザーも評判が良いdodaです。
転職エージェントの比較ランキングについて詳しく知りたい方は、こちらのページ「転職エージェントおすすめランキング|500人の評判比較!」をご覧ください。
doda
『doda』はパーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する国内最大手の転職エージェントです。
求人の質、サポート、提案力など、バランスに優れた転職エージェントで、転職エージェントランキングで最良として評価されました。
口コミを調査した限り、担当者の当たり外れが少ないので、あなたの希望に合わせた転職活動サポートをしてくれるはずです。
doda公式サイト:
注:『doda』の詳しい評判については、「dodaは利用すべき?500人の評判とその真偽を検証した結果」でご紹介しています。
パソナキャリア
『パソナキャリア』は人材派遣領域で業界No.2の『パソナ』が運営している、16,000社以上と取引実績のある信頼できる優秀な転職エージェントです。
求人数を見ると、他の大手に若干見劣りはしますが、人材派遣領域でのコネクションを生かした非公開求人の質が良いと評判です。
パソナキャリアは面倒見が良いと評判なので、親身な対応をしてくれる転職エージェントを利用したいという方におすすめです。
パソナキャリア公式サイト:
※注『パソナキャリア』の詳しい評判については、「パソナキャリアは利用すべき?500人の評判とその真偽を検証した結果」でご紹介しています。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、案件総数・内定決定数ともにNo.1の国内最大手の総合転職エージェントです。
求人の数は業界トップレベルなので、キャリアに自信がなくても問題なく求人を探すことができます。
Uターン転職や、第2新卒、狭い業界での転職、高齢での転職など、他の転職エージェントで断られるような場合も、リクルートエージェントであれば案件が見つかるとの口コミが見受けられました。
キャリアに自信がない方も登録をしておけば、求人の選択肢がグッと増えます。
リクルートエージェント公式サイト:
注:『リクルートエージェント』の詳しい評判については、「リクルートエージェントは利用すべき?500人の評判とその真偽を検証した結果」でご紹介しています。
おすすめの特化型転職エージェント
特化型の紹介をまとめたのが下の表です。
まずは総合型転職エージェントを使うのがおすすめですが、下の条件に当てはまるならこちらの転職エージェントもチェックしてみてください。
※名前をクリックすると公式ページにリンクします。詳しく知りたい方は、解説サイトをご覧ください。
5. 転職エージェントに関するQ&A
転職エージェントに関してよくある疑問をQ&A形式にしてまとめました。
- 転職エージェントと人材派遣会社は何が違うのですか?
- 転職エージェントは複数を利用した方が良いですか?
- 転職エージェントの内定は断っても良いですか?
- 企業側が転職エージェントを利用するメリットは何ですか?
- キャリアアドバイザーは代えてもらうことができますか?
それぞれ紹介します。
5-1. 転職エージェントと人材派遣会社は何が違うのですか?
転職エージェントは人材紹介会社とも呼ばれる通り、人材を紹介し、求人を出している会社に正社員雇用をしてもらうためのものです。
一方、人材派遣会社は、雇用契約をしている人材を求人募集中の会社に派遣するもので、報酬は人材派遣会社から支払われます。
転職エージェントでは正社員として収容できますが、人材派遣会社の下では派遣社員として働くことになります。
5-2. 転職エージェントは複数を利用した方が良いですか?
転職エージェントはいくつも登録することがおすすめですが、次のような理由があります。
- それぞれのエージェントが持つ独占求人を紹介してもらえるから
- 優秀なキャリアアドバイザーに当たる可能性が高まるから
転職エージェントはそれぞれ独占的に持っている求人があり、複数に登録するとそれだけ紹介してもらえる求人の数を増やすことができます。
また、転職エージェントサービスは担当になるキャリアアドバイザーの優秀さによってサービスの質が大きく変わってしまいますが、複数登録すると優秀なキャリアアドバイザーに当たる可能性が高くなります。
2~3社に登録してみるのがベストだと思います。
転職エージェントを複数利用することについて詳しく知りたい方は、こちらのページ「転職エージェントを複数利用すべき全理由と8つの活用法」をご覧ください。
5-3. 転職エージェントの内定は断っても良いですか?
内定が出たとしても、行きたくなくなった場合は断っても大丈夫です。
ただ、「年収が少ない」という場合など、転職エージェントに相談するとアップしてもらえることがあるので、まずは、行きたくない理由を正直に話してみることがおすすめです。
それでダメなら、正式に断っても良いでしょう。
5-4. 企業側が転職エージェントを利用するメリットは何ですか?
企業側が転職エージェントに報酬を支払っても使うのは、次のようなメリットがあります。
- 応募者をふるいにかけてもらうことができる
- 競合他社に求めている人材を隠すことができる
普通に求人を出すと応募者が多くなりすぎて、人事部の負担が大きくなってしまうことがあります。
また、求人を出すと、「無効はプロジェクトマネージャーが不足しているんだな」と、弱点を晒すことにもなりますが、非公開求人にすればそれがなくなります。
こういう理由があって、多くの会社が転職エージェントを利用しているわけです。
5-5. キャリアアドバイザーは代えてもらうことができますか?
それぞれのエージェントで代え方は異なりますが、代えられないことはないはずです。
転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーがつくことになりますが、イマイチ自分に合わない場合があります。
合わないなと思ったら、代えてもらうようにしましょう。
6. さいごに
転職エージェントの仕組みについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
転職エージェントは無料で利用することができ、面接指導、経歴書添削、求人紹介など多くのサポートを受けることができます。
転職経験が少ない方は分からないことも多いので、ぜひ登録してみることをおすすめします。
<おすすめの転職エージェント>
- doda|一番おすすめの転職エージェント
- パソナキャリア・・・面倒見の良さに評判がある転職エージェント
- リクルートエージェント・・・求人数が一番多い転職エージェント
このページが、読者の皆様の転職活動にお役に立てることをお祈りします。