「薬剤師は未経験の職場に転職できるの?」
「未経験だけど調剤薬局から病院に転職したい」
と考えていませんか。
結論として、薬剤師は未経験の職場へ転職することが出来ます。
各職場の特徴を押さえたうえで転職することで、後悔しない転職をすることができるでしょう。
この記事では現役薬剤師監修のもと、未経験の職場へ転職する方法やコツをご紹介します。
- 【結論】未経験の職場でも転職はできる
- 未経験から病院への転職 | 転職難易度は高め
- 未経験からドラッグストアへの転職 | 転職しやすく高年収も狙える
- 未経験から調剤薬局への転職|未経験者も転職しやすい
- 未経験から企業への転職 | 大幅な年収アップとなるが転職難易度は非常に高い
- 未経験での転職でも年収は下がらないことが多い
- 未経験者でも成功する転職活動の流れ
- 未経験での転職におすすめの転職サイト
このページを読めば、未経験での転職活動への理解が進み、希望の職場への転職を挑戦できるようになるでしょう。
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目次
1. 【結論】未経験の職場でも転職はできる
結論として、薬剤師は未経験の職場でも転職することができます。
実際に、弊社が転職を経験とした薬剤師71人にアンケートを取ったところ、約半数の33人が未経験の職場へ転職していることが分かりました。
この章では、薬剤師が未経験の職場にも転職できる理由や、転職に必要な条件をご説明します。
1-1. 薬剤師の業務内容はどの職場でも重複するものがある
未経験の職場へ転職できる最大の理由としては、業務内容が各職場で重複していることが挙げられます。
薬局・ドラッグストア・病院の主な業務内容を比較すると、どの職場でも調剤業務・服薬指導を行うことが分かります。
薬局 | ドラッグストア | 病院 |
調剤業務 服薬指導 薬歴管理 |
調剤業務 服薬指導 OTC医薬品の販売 |
調剤業務 服薬指導 チーム医療への参加 |
各職場で行う業務は違いますが、どの職場でも調剤業務が中心となるので未経験の職場でも、比較的早く業務に慣れることができます。
そのため、薬剤師の転職サイトでは半数近くの求人が未経験でも応募可能となっています。
(薬キャリエージェント・ファルマスタッフ・マイナビ薬剤師の求人数を合計)
未経験でも応募できる求人は47.4%と半数近くにのぼり、多くの求人は薬剤師免許を持っていることのみが必須条件となっています。
調剤業務未経験者も応募できる求人も多いので、調剤業務経験さえあれば、未経験の職場でも転職を有利に進めることができるでしょう。
1-2. 薬剤師は人手不足の職場が多く需要が高い
2つ目に薬剤師は人手不足の職場が多いため、未経験者でも需要が高いことが挙げられます。
女性の割合が多い薬剤師は、結婚や出産などライフステージの変化によって、休職やパートへ変わる人が多く人手不足に陥りやすいのです。
実際に、医師・薬剤師を対象に行った調査によると、薬局では2割、病院では5割の人が薬剤師不足を感じていると回答しました。(参考:薬剤師不足の認識、医師より薬剤師で高く)
ドラッグストアにおいても、大手のドラッグストアチェーンは吸収合併を繰り返して規模を拡大させており、薬剤師不足に陥っている店舗も多いため、未経験者でも応募できる求人が多くなっています。
1-3. 最低3年の調剤経験があればどの職場へも転職できる
調剤経験が3年以上あると、未経験の職場へも転職しやすく、転職後も多くな負担なく仕事をすることができるでしょう。
5年以上の調剤経験があると、経験を考慮されて高年収を狙うこともできます。
新卒で調剤業務を行う職場へ入った場合、調剤経験が3年となる30歳頃に一度自分のキャリアを振り返り、未経験の職場へ挑戦してみるのもおすすめです。
1-4. 企業への転職は要注意
薬剤師は未経験の職場へも転職しやすいことをご説明しましたが、企業への転職は慎重に行う必要があります。
薬剤師資格を活かして製薬企業へ転職することは出来ますが、製薬企業は他の職場とは業務が全く異なるので、慣れるまでに非常に時間がかかるでしょう。
例えば、薬剤師資格を活かして製薬企業で働くことのできる職種としてCRC(治験コーディネーター)というものがありますが調剤薬局やドラッグストアとは業務内容が大きく異なります。
CRC | 調剤薬局やドラッグストア |
治験事前ミーティングの資料作成 検査機器の管理 被験者のスケジュール管理 症例報告書の作成 |
調剤業務 服薬指導 薬歴管理 |
製薬企業は、CRC以外にも管理薬剤師や開発職など様々な職種があるため、事前に情報収集を行い未経験でも順応できそうな業務であるか見極める必要があります。
また、大手製薬企業は新卒採用がメインで中途採用では、前職でも同じ業務を経験していることを必須条件としている場合が多いので、応募可能な求人数も非常に少ないです。
2. 未経験から病院への転職 | 転職難易度は高め
病院薬剤師は、未経験での転職はあまりおすすめできない職場と言えます。
理由としては、以下の2つが挙げられます。
- 2-1. 業務内容が幅広く、慣れるまでに時間がかかる
- 2-2. 年収の大幅ダウンを受け入れる
2-1. 業務内容が幅広く、慣れるまでに時間がかかる
病院薬剤師の業務内容は、調剤業務以外にも薬剤管理指導や治験、チーム医療への参加など幅広いため、業務に慣れるまでに非常に時間がかかります。
また、最先端の医療技術を扱うので常に最新の知識が求められます。
膨大な知識や迅速な判断が求められる病院薬剤師は、未経験で転職することが最も難しい職場と言えます。
病院で勤務する薬剤師は医師や看護師とのコミュニケーションが必要となり、同程度の知識が求められます。
薬剤知識がないまま転職すると大きな負担となってしまいます。
2-2. 年収の大幅ダウンを受け入れる
病院薬剤師へ転職する場合は、年収が今よりも大きく下がることを前提に転職活動を進めましょう。
病院薬剤師の平均年収は558万円で、薬剤師全体の平均年収の562万円と比較すると年収は低めであると言えます。(参考:医療経済実態調査・賃金構造基本調査)
さらに、業務内容が多岐に渡る病院薬剤師では、調剤業務のみの経験では評価されにくく、未経験者が高待遇で転職できるとは考えにくいです。
長時間労働や夜勤も多く体力的にもハードな病院薬剤師ですが、高年収は見込めないため年収面の不満から転職する人も多いのが現状です。
給料面の不満で転職を後悔することのないよう、年収の大幅ダウンを受け入れてから転職しましょう。
2-3. 慢性期病院は落ち着いて業務を行うことができる
未経験で病院薬剤師へ転職したい場合は、慢性期病院への転職がおすすめです。
慢性期病院は、容体が安定している患者に継続的に治療を行う病院なので、比較的落ち着いて業務を行うことができます。
一方の急性期病院は救急患者の対応や急変しやすい患者の治療を行うため、常に忙しく未経験者への研修が十分に行われない場合があるのです。
実際に、マニュアルや、仕事を自分のペースで行えるかを重視して慢性期病院へ転職した方がいました。
急性期病院と比べて落ち着いており、未経験者にもマニュアルや研修などで、指導をしてくれる慢性期病院は、未経験者におすすめの職場と言えます。
関連記事:病院薬剤師に転職するには?|転職のコツ5選やおすすめ転職サイトを全解説
3. 未経験からドラッグストアへの転職 | 転職しやすく高年収も狙える
ドラッグストアは、調剤薬局や病院と同じ業務内容もあり転職しやすく、さらに高年収も狙いやすい職場と言えます。
ドラッグストア勤務の特徴として主に以下の5点が挙げられます。
3-1. OTC業務は知識や経験が活かしやすい
医師の処方箋なしに購入できるOTC医薬品の販売や説明を行うOTC業務では、薬剤師としての知識や経験が活かしやすいです。
調剤薬局で扱う薬剤は、基本的に医師の処方箋が必要となりますが、OTCの場合は薬剤師が患者の症状や希望に合わせて医薬品を販売することができるので、やりがいを感じやすいです。
OTC業務は薬剤師としての経験や知識を生かしてどの医薬品を勧めればいいのか、病院の受診を勧めるなど、自身で判断することができるので存在価値を感じやすい業務です。
3-2. 年収アップが期待できる
ドラッグストアの年収は薬剤師全体の平均年収よりも高く、転職による年収アップが期待できるでしょう。
ドラッグストアに勤務する薬剤師の平均年収は、薬剤師全体と比較して男性は約70万円、女性は約40万円高いことが分かっています。
男性 | 女性 | |
薬剤師全体 | 587.4万円 | 502.4万円 |
調剤併設型ドラッグストア | 655.0万円 | 539.7万円 |
(参考:リクナビ薬剤師)
薬剤師平均を大きく上回るドラッグストア勤務への転職は、年収アップしやすいと言えるでしょう。
年収が高いドラッグストア勤務の薬剤師は、病院や調剤薬局と比較して給与満足度も高いです。
(参考:リクナビ薬剤師)
給与面で不満があり転職を考えている人や、年収アップを狙っている薬剤師にぴったりの職場と言えます。
3-3. 薬剤師需要が高く待遇が良い
M&Aや規模の拡大が加速するドラッグストアは、慢性的に人手不足となり薬剤師需要が高いので、好待遇が期待できます。
薬剤師の採用に力を入れているため、高年収かつ休みが取りやすいホワイト企業が増えています。
育児休暇や時短勤務など、家庭と両立しやすい勤務体制や、豊富な福利厚生を強みに、薬剤師の人員確保に務めています。
このようにドラッグストアは薬剤師需要の高さから、年収が高く働きやすい環境が整えられている職場が多いです。
3-4. 患者が幅広く、一般のお客さんの相談にも乗れる
1つ目に、対応する患者が幅広いことが特徴として挙げられます。
ドラッグストアには、病院を受診した患者以外にも市販薬を求める患者も対応します。
年齢層や症状も様々で、薬剤師としての知識や経験が役に立ったとやりがいを感じる機会も多いです。
患者だけでなく、薬のスペシャリストとして一般のお客さんの相談にも乗ることができるのが大きな魅力です。
3-5. 薬剤師としての業務以外も多いことに注意
ドラッグストアでは、調剤業務以外にも品出しやレジ業務など多くの業務があることに注意が必要です。
薬剤師ではなく店員とみなしているドラッグストアでは、薬剤師としての業務よりも販売や接客業務が多くなり不満を持ってしまうことがあります。
実際に、自身の薬剤師としての存在価値に疑問を持ち、ドラッグストアから病院へ転職した方がいました。
また自社ブランドのオリジナル商品があり積極的に買ってもらうよう接客の研修が行われ、薬剤師として疑問を感じていました。毎日日報を書き、上司へ提出することが義務付けられ、仕事が終わり家に帰っても日報を書くばかりで、薬の勉強する時間がうまく取れませんでした。
薬剤師としての仕事に専念したい人は、販売や品出しなど薬剤師としての経験が活かせない業務も多いドラッグストア勤務はおすすめできません。
関連記事:ドラッグストアへの転職の全知識|失敗したくない薬剤師必見!
4. 未経験から調剤薬局への転職|未経験者も転職しやすい
調剤薬局は未経験者可の求人も多く、未経験者が転職しやすい職場です。
未経験者にとっての調剤薬局の魅力としては、以下の3つが挙げられます。
4-1. 業務内容が限られているので、未経験でも覚えやすい
1つ目の魅力は、他の職場と比較して業務内容が限られており慣れやすいことです。
薬局薬剤師の主な業務は、調剤業務です。
一般的な調剤薬局では主に以下の4つの業務を行います。
- 医師の処方箋に基づいた調剤
- 処方監査
- 疑義照会や処方提案
- 服薬指導
これらの業務は、病院やドラッグストアにおいても共通しているので調剤薬局の勤務経験がなくても、経験していることがほとんどです。
また、製剤業務や救急救命業務も行う病院勤務や、商品の品出しやレジも行うドラッグストア勤務と比べて、業務内容は限られていると言えます。
病院勤務やドラッグストア勤務であれば、調剤業務は行っているため転職後も仕事に慣れやすいと言えます。
4-2. 残業なし・休日が多い求人を見つけやすい
調剤薬局は、開店時間が決まっているため残業がほとんどありません。
また、土日祝は休みなどカレンダー通りの休みが取れることも魅力的です。
そのため、子育てと仕事を両立させたい人に人気の職場となっています。
急な残業も多い病院や企業勤務に比べて、就業時間が決まっており調剤勤務は、家庭と仕事を両立させたい人にとって非常に働きやすい環境と言えます。
4-3. 転職先の選択肢が豊富
調剤薬局は、コンビニの店舗数よりも多く、働く場所を見つけやすい職場です。
2018年時点で、コンビニは約56,800軒あるのに対し調剤薬局は59,613施設とコンビニより多い数あることが分かっています。(参考:薬剤師に関する基礎資料)
実際に、薬剤師の求人数を職場別に比較してみると、調剤薬局の求人数は他の職場より10倍近く多いことが分かります。
※数値は薬キャリエージェント・ファルマスタッフ・マイナビ薬剤師の求人数を合計して求めたものです。
薬剤師の転職サイト大手3社の求人数を合計すると、調剤薬局の求人数は9.8万件です。
一方、ドラッグストアは1.7万件、病院や企業は1万件以下と調剤薬局と比較して非常に求人数が少ないことが分かります。
求人数が多い職場では、年収条件や土日休みなどある程度希望条件を設けても、希望に合った職場が見つかりやすいので、自分に合った職場へ転職しやすいです。
関連記事:薬剤師必見!調剤薬局への転職で絶対後悔しないための全知識
5. 未経験から企業への転職 | 大幅な年収アップとなるが転職難易度は非常に高い
製薬企業は、平均年収が1000万円を超える企業も多く大幅な年収アップが見込める転職先です。
一方、薬剤師資格が必須ではなく、転職先として非常に人気のある職場なため転職難易度は高くなっています。
5-1. 製薬企業の業務内容
製薬企業には、薬剤師としての知識を活用できる様々な職種があります。
製薬企業の業務内容
- 研究職
新薬を開発する研究や、薬の有効性や安全性を高める研究を行う
- 開発職
新薬の候補となる薬剤の承認申請に向けて、臨床試験を行う
- 生産管理・技術職
高品質の製品を安定して供給するために製品の品質管理や製造工程の改善を行う
- MSL職
高度な専門性や学術知識を持ち、医学的・科学的な面から製品の適正使用を推進する
医療関係者と定期的に面会し、医学情報の伝達・入手を行う
- MR職
調剤薬局や病院を訪問し、自社の医薬品の販売や、医薬品の品質・有効性・安全性などに関する情報提供を行う
- 薬事職
厚生労働省への新薬の承認申請を行う
- DI業務
医薬品情報を管理して、MRや医療従事者などに情報提供やアドバイスを行う
- CRC(治験コーディネーター)
治験の際に、被験者への説明や服薬指導などを行い治験の進行をサポートする
製薬企業には、新薬開発から自社の医薬品の営業まで様々な仕事があり、薬剤師資格は必須ではありませんが薬剤の知識を活かすことができる機会が多いです。
ただし、中途採用の場合、実務経験が必須となることもあり未経験で転職できる職種は限られてきます。
次章で詳しくご説明します。
5-2. 未経験で転職できる職種は非常に少ない
製薬企業の中途採用は、即戦力として働ける経験者を募集するところがほとんどで、未経験者も応募できる求人は非常に少ないです。
実際に、転職サイトの求人では製薬企業の求人数6065件のうち、未経験者が応募できる求人は847件と全体の約1割となっています。
(薬キャリエージェント・ファルマスタッフ・マイナビ薬剤師の求人数を合計)
未経験者の募集が少ない理由としては、製薬企業の募集は基本的に新卒採用で行うため、中途採用では即戦力のみを募集するからです。
また、年収や福利厚生が整えられており、途中退職者も少ないので求人数自体も少なく倍率が高くなるので、未経験者の転職難易度は高いと言えます。
5-3. 未経験でも転職しやすい職種
製薬企業において未経験でも転職しやすい職種は、DI業務、管理薬剤師、CRCです。
例えば、未経験可の求人では管理薬剤師のサポート役として、医薬品の在庫管理やDI業務を行う求人がありました。
(参考:薬キャリエージェントに掲載された求人を抜粋して掲載)
研究職や開発職は、経験者が優遇されるため未経験での転職はほぼ不可能ですが、薬の知識やマネジメント力が求められるDI業務、管理薬剤師、CRCは未経験でも転職しやすいと言えます。
関連記事:薬剤師が製薬会社で働くための全知識|年収や仕事内容&求人探しの方法を徹底解説
6. 未経験での転職でも年収は下がらないことが多い
未経験で転職した薬剤師33人に、転職前と転職後の年収の変化について質問したところ、年収が増えたと回答した人は57.6%で、年収が減った人は27.3%と少数派と分かりました。
この章では、未経験者で転職した際の年収変化について詳しくご紹介します。
6-1. 100万円以内の年収アップをする人が多い
転職により年収がアップしたと回答した人の9割は、年収の増加額が100万円以内であることが分かりました。
給料は、経験を考慮して決めることが多いので未経験者の場合、大幅な年収アップは見込めません。
転職の最大の目的が年収アップである場合は、前職と同じ職種に転職することをおすすめします。
6-2. 働きやすさを重視するのなら年収ダウンは受け入れる
自分の希望する勤務形態や業務内容など、より働きやすい職場を求めて転職する場合は、年収ダウンを受け入れましょう。
アンケートでは年収面ではなく働きやすさを重視した結果、年収は下がっても転職満足度が高いことが分かりました。
年収だけで転職先を決めてしまうと、長時間労働や職場環境に不満を持ち、転職を後悔してしまうこともあります。
今の職場環境に不満がある場合、年収ダウンは受け入れて、より希望に合った、働きやすい職場を選びましょう。
6-3. 年収が下がる可能性があることを前提に転職活動を進める
転職活動では、年収が下がる可能性があることを前提に職場選びや選考を進めましょう。
アンケートでは、過半数の人が年収が上がり年収が下がった人は3割以下という結果となりましたが、職場や地域により年収は様々です。
年収が下がった人は企業やドラッグストアから未経験の職場へ転職をした人が多いことも分かりました。
年収が高い職場は、業務時間が長い、豊富な知識や迅速な対応を求められるなど未経験者が働きにくい環境であることが多いです。
年収や福利厚生など、条件を絞り込みすぎずに求人を探しましょう。
7. 未経験者でも成功する転職活動の流れ
未経験で転職したい方の中には、転職活動自体が未経験という方もいると思います。
こちらでは、未経験者でも満足のいく転職ができるよう、転職活動の手順やポイントをご説明します。
7-1. 転職活動の手順
転職活動は大きく分けて、転職準備・選考・入社準備の3ステップに分かれます。
まず、転職準備では、転職の目的を振り返り、自分の希望する職種を考えます。
次に、希望条件を元に求人を絞り込み応募します。
履歴書作成や面接対策では、履歴書の添削や面接練習をしてもらうと安心です。
採用後は、退職する1ヶ月前までに退職する意思を伝え、退職準備に取り掛かります。
関連記事:薬剤師の転職方法とは?流れや成功のポイントを転職のプロが詳しく解説!
7-2. 未経験者可の職場の探し方
未経験者可の職場を探すのには、未経験でも働きやすい職場や職種を絞り込むことが重要です。
調剤薬局やドラッグストア、慢性期病院、企業ではDI業務、管理薬剤師、CRCは、未経験者も転職しやすいと言えるでしょう。
職種を絞り込んだ後は、転職サイトの担当者に未経験者でも働きやすい職場という条件を伝えて、職場を探してもらうのが確実です。
自身で探す場合は、多くの求人サイトでは未経験者可の求人を絞り込むことができるので、見つかった求人から自分の条件に合う求人をいくつか見つけてみましょう。
未経験での転職は難易度が高いため、転職先の候補を複数選んでおくことも大切です。
7-3. 入社後の研修制度が充実している職場を選ぶ
職場選びでは、入社後の研修制度が充実している点を重視しましょう。
一般的に、大手企業の方が採用数が多いため、未経験採用も行っており転職後のフォロー体制も整えられています。
比較的早く業務に慣れることができるように、大手企業や研修制度が充実していると分かる職場を選ぶことをおすすめします。
【補足】未経験者の転職は転職サイトを利用することがおすすめ
未経験で転職する場合は、転職サイトを利用することがおすすめです。
転職サイトでは、希望条件に合った求人探しから履歴書の添削、面接練習まで転職活動のサポートを無料で行ってくれます。
選考中のサポート例
- 履歴書、経歴書の作成・添削
- 面接練習
- 面接のスケジュール管理
- 選考中の悩み相談
- 不採用となった際に次の対策を考える
- 職場の内情を教えてくれる
転職サイトの担当者は、職場の雰囲気や研修制度など内情を知っていることも多いので、未経験でも転職しやすい職場なのか判断しやすいです。
不安が大きい未経験での転職活動をスムーズに進めるためにも、転職サイトを利用することをおすすめします。
8.未経験での転職におすすめの転職サイト
最後に、未経験での転職を考えている方におすすめの転職サイトを紹介します。
数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い薬剤師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人の数
…総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい - 利用者満足度(提案&サポート力)
…利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアコンサルタントに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
1位. 薬キャリエージェント |
約60,000件|◎4.3 薬剤師さんからの利用満足度No1(※エムスリーキャリア調べ)の転職サイト。求人の質の高さや、丁寧なキャリアヒアリングが高評価 |
2位. ファルマスタッフ |
約51,000件|○3.9 調剤薬局の求人数・量ともに業界トップクラスの転職サイト。20年以上に渡る転職支援実績があり、サポート力も高い |
3位. マイナビ薬剤師 |
約46,000件|○3.8 マイナビグループのネットワークを活かした圧倒的な求人数が魅力の転職サイト。地方在住の方もおすすめ |
※求人数:2024年5月7日更新
※この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『薬剤師500人が選ぶ転職サイトおすすめ比較!口コミ評判&求人数ランキング』を参考にしてください。
1位.薬キャリ | 総合満足度No1、実績豊富で利用者満足度95%(※エムスリーキャリア調べ)
『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)
運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。
また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。
業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。
公式サイト:
https://agent.m3career.com/
2位.ファルマスタッフ | 調剤薬局と派遣の求人が豊富
『ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。
特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。
20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。
薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。
公式サイト:
https://www.38-8931.com/
3位.マイナビ薬剤師 | 親身なサポート体制に高評価
『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。
マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています。
また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。
親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。
全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。
公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/
9. まとめ
今回は、未経験での薬剤師転職についてご説明しました。
結論として、未経験でも転職をすることは出来ますが、急性期病院や製薬企業など、未経験者の転職難易度が高い職場もあります。
転職を成功させるためには、未経験でも働きやすい職場であるか確認することが大切です。
あなたの未来が明るくなることを祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。