
- 「看護師の平均年収はどのくらい?」
- 「看護師は他の職種より年収が高いのかな?」
と考えていませんか。
結論として、看護師の平均年収は483万円です。
看護師の年収は多職種と比べて高く、景気に左右されずに安定している傾向にあります。
この記事では、数多くの看護師のキャリアアップをサポートしてきた経験を持つ私が、男女・地域・就業先別に分けて、看護師の平均年収を解説していきます。
すべて読めば、看護師の年収について正しい知識を得られるでしょう。
1.看護師の平均年収は483万円
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
看護師の平均年収は482万9,100円です。
これは月額平均給与額は賞与を含んだものであり、内訳は以下の通りです。
平均年収 | 482.9万円 |
平均月収 | 33.4万円 |
平均賞与 | 81.6万円 |
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
これはあくまで看護師全体の平均年収であり、条件によって多少変動するため、以下の流れで詳しく説明していきます。
それでは見ていきましょう。
1-1.看護師の年収は男女で10万円ほどの差が生じる
看護師の年収は、男性の方が女性より10万円ほど高い傾向にあります。
この理由として、出産を機に短時間勤務やパートタイム勤務になる女性が多いのに比べて、男性は正看護師としてフルタイムで働き、管理職につく人が多いことが挙げられます。
2019年の看護師の平均年収は、男性が約496万円、女性が約481万円となりました。
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
1-2.看護師の年収は年齢と共に上がり50代でピークを迎える
看護師の年収は年齢と共に上がり50代で約530万円とピークを迎えます。
役職に就くことにより平均年収が増加すると考えられます。
※女性看護師のみの集計
出典:看護roo!
1-3.看護師の賞与額は80万円程
2019年の看護師がもらう賞与は約81.6万円でした。
例年80万円前後と、年による変動はほとんどありません。
准看護師の年収は看護師より70万円程低く、約403万円です。
今後も看護の仕事を継続する意向がある方は、看護師資格の取得も視野に入れておくと良いでしょう。
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
ここまでは、看護師の年収額を紹介しました。
次の小からは、他の職種との比較を行っていきます。
2.看護師の年収は他の職種と比べ高水準&安定
看護師の年収について、より詳しく見ていきましょう。
- 2-1.他職種と比べ、20代~30代前半の平均年収が相対的に高い
- 2-2.医療・福祉業界の職種では、4位にランクイン
- 2-3.看護師の年収・給料は他職種と比較して、景気に左右されづらい
- 2-4.エリア別平均年収・給料
順に説明していきます。
2-1.他職種と比べ、20代~30代前半の平均年収が相対的に高い
20代~30代前半の看護師の平均年収は、他職種と比べ相対的に高くなっており、全職種の平均年収が約320万円であるのに対し、女性看護師の平均年収は約390万円です。
しかし年齢が上がるにつれ、看護師の年収は全職種の平均年収よりも低くなっていきます。
女性の中では年収が高いと言えますが、突出して高収入であるとは言えません。
出典:看護roo!
2-2.医療・福祉業界の職種では、4位にランクイン
医療・福祉業界の区分で比較した場合、看護師の平均年収は、医師、歯科医師、薬剤師に次いで、4位にランクインしています。
順位 | 職種 | 年収 |
1位 | 医師 | 1,169万円 |
2位 | 歯科医師 | 570万円 |
3位 | 薬剤師 | 562万円 |
4位 | 看護師 | 483万円 |
5位 | 診療放射線・X線技師 | 393万円 |
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
このように、看護師は医療・福祉業界の職種の中でも、高水準の収入となっていることが分かります。
2-3.看護師の年収・給料は他職種と比較して、景気に左右されづらい
看護師の年収・給料は他職種と比較して、景気に左右されづらいです。
2010年の年収が約469万円であるのに対し、2019年は約483万円と、緩やかに上昇しています。
※月収×12+年間賞与で計算
出典:賃金構造基本統計調査
(令和元年、平成30年、平成29年、平成28年、平成27年、平成26、平成25年、平成24年、平成23年、22年平成)
2-4.エリア別平均年収・給料
看護師の平均年収は、就業エリアによっても異なります。
地域別に看護師の平均年収を比較した結果、以下のようになりました。
平均年収が高い県 | 都道府県 | 平均年収 |
1位 | 岐阜県 | 543万円 |
2位 | 滋賀県 | 537万円 |
3位 | 千葉県 | 522万円 |
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
一方、九州地方は平均年収が低い傾向にあるようです。
平均年収が低い県 | 都道府県 | 平均年収 |
ワースト1位 | 宮崎県 | 392万円 |
ワースト2位 | 福島県・大分県・鹿児島県 | 417万円 |
ワースト3位 | 青森県 | 429万円 |
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
エリア別年収の詳細は以下の通りです。
地域 | 平均年収 | 地域 | 平均年収 |
北海道 | 499万円 | 滋賀 | 537万円 |
青森 | 429万円 | 京都 | 489万円 |
岩手 | 476万円 | 大阪 | 490万円 |
宮城 | 442万円 | 兵庫 | 495万円 |
秋田 | 467万円 | 奈良 | 511万円 |
山形 | 442万円 | 和歌山 | 514万円 |
福島 | 417万円 | 鳥取 | 493万円 |
茨城 | 509万円 | 島根 | 447万円 |
栃木 | 521万円 | 岡山 | 463万円 |
群馬 | 466万円 | 広島 | 456万円 |
埼玉 | 490万円 | 山口 | 443万円 |
千葉 | 522万円 | 徳島 | 484万円 |
東京 | 510万円 | 香川 | 475万円 |
神奈川 | 517万円 | 愛媛 | 449万円 |
新潟 | 473万円 | 高知 | 438万円 |
富山 | 464万円 | 福岡 | 461万円 |
石川 | 468万円 | 佐賀 | 473万円 |
福井 | 496万円 | 長崎 | 452万円 |
山梨 | 450万円 | 熊本 | 430万円 |
長野 | 466万円 | 大分 | 417万円 |
岐阜 | 543万円 | 宮崎 | 392万円 |
静岡 | 519万円 | 鹿児島 | 417万円 |
愛知 | 494万円 | 沖縄 | 456万円 |
三重 | 495万円 |
※月収×12+年間賞与で計算
出典:令和元年賃金構造基本統計調査
ぜひ参考にしてみてください。
ここまでのまとめ
看護師の平均年収は483万円と、全職種の中では平均的な値となっています。
収入が景気に左右されないため、働きやすい職種と言えるでしょう。
次章からは、看護師が年収・給料をアップさせる方法について紹介していきます。
3.看護師が年収・給料をアップさせる方法
看護師が年収・給料をアップさせる具体的な方法は、以下の4点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.夜勤の回数・シフトを増やす
最も実行しやすいのは、「夜勤の回数・シフトを増やす」という方法です。
就業先の規定により様々ですが、看護師の夜勤手当は1回勤務あたり、4,000円から1万円程であると言われています。
また深夜の勤務は深夜割増賃金として、日中の給与金額の1.25倍が支払われます。
働き方を変えることで手当てを増やせば、今の職場でも十分収入アップが見込めるでしょう。
注意点:負担の増加に注意
夜勤の回数を増やそうとしても、希望通りのシフトを実現できるとは限りません。
また、夜勤が増えることで身体的な負担が大きくなってしまうことに注意しましょう。
3-2.資格を取得する
資格を取得することで、資格手当がつく場合があります。
以下の資格は様々な職場で評価の対象となるため、取得を検討してみると良いでしょう。
- 専門看護師
- 認定看護師
- 認定看護管理者
資格手当として約1万円以上の手当がつく場合があり、かつ転職活動でも有利となるため、これらの資格を取得しておいて損はありません。
注意点:資格取得までに時間と労力がかかる
就業先の規定によっては、資格手当がつかない場合もあります。
また、資格取得にはある程度の期間を要するため、いますぐ給与をアップさせることはできません。
たとえば、認定看護師では半年、専門看護師では2年間程の期間がかかるとされています。
日々の業務と勉強を両立させなければならないため、根気と体力が必要です。
3-3.管理職を目指す
年収を上げるためには、管理職・役職を目指すというのも一つの方法です。
勤続年数を重ね、指導・管理を行う立場になれば、課される責任と比例して、基本給も高くなっていきます。
注意点:長い目で見ておく必要がある
看護師も他の職種と同様、経験が評価される仕事であるため、年功序列で昇進するのが一般的です。
したがって、管理職を目指すのは、非常に長い期間が必要となります。
また、管理職になるとカンファレンスや部下の指導を行うなど、業務内容が多岐にわたり、かつハードになっていくことが予想されます。
准看護師の方は、看護師にキャリアアップすることで収入は高くなる
現在准看護師として働いている方は、看護師にキャリアアップすることで、今以上の収入を見込めるでしょう。
今後も看護の仕事を継続する意向がある方は、看護師資格の取得も視野に入れておくと良いでしょう。
准看護師から看護師を目指す方法については、『看護師になるには?社会人として働きながら看護師を目指す基礎知識』にて詳しく解説しているので、参考にしてください。
補足:看護師と准看護師の違い
看護師は国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事の認可による資格です。業務内容に大きな違いはありませんが、「業務には医師や看護師からの指示が必須」となっています。
3-4.年収・給料が高い就業先に転職する
最も早く、確実に年収を上げる方法は「年収・給料が高い傾向にある就業先に転職する」ことです。
看護師も就業先によって給与額は大きく異なり、職場を変えるだけで年収が数十万円アップすることも珍しくありません。
一般的に、給与の高い傾向にある就業先の特徴は、以下の通りです。
それぞれを簡潔に紹介します。
(1)職場の規模が大きい
大学病院や総合病院など、規模の大きい医療施設は、年収が高く設定されているのが一般的です。
病院の規模が大きくなるほど、資格取得手当や教育制度、子育て支援など、様々な制度が確立されていることが多いというのが、背景として挙げられます。
(2)高い技術が求められる
高度な医療を実施する施設では、最先端の医療を行う高い技術レベルが求められるため、看護師の年収も高くなります。
具体的には、以下のような就業先が挙げられます。
- 救急救命病棟(ER)のある病院
- 化学療法を行う病院
- 集中治療室(ICU)のある病院
(3)自由診療の病院・クリニック
以下のような自由診療を行う病院・クリニックは、診療にかかる費用を設定できるため、高い収益性を見込めます。
- 美容整形外科
- 美容皮膚科
自由診療を行う病院・クリニックは、業績によって多額のボーナスが支払われることもあります。
さらにこれらの医療施設は、基本的に朝から夕方までしか開院していないため、看護師は「日勤のみ」の勤務が可能です。
一般的な企業と同様のサイクルで生活しつつ高収入を得られる働き方であると言えるでしょう。
さて、ここまでは看護師の年収を上げる具体的な方法について解説しました。
- 夜勤の回数・シフトを増やす
- 資格を取得する
- 管理職を目指す
- 年収・給料が高い就業先に転職する
この中で、職場を変えるという方法が最も早く確実であると言えます。
ただ、条件の良い職場の求人を見つけるのは、そう簡単なことではありません。
仕事をしながら転職活動を進めていくのも、負担が大きいでしょう。
これらの課題は、転職サイトを活用することで解決することができます。
ここからは転職サイトを活用して、年収アップの転職を成功させるための具体的な手順と、おすすめの転職サイトについて詳しく解説していきます。
4.年収・給料をアップを目指せるおすすめ転職サイト
ここでは、以下の3点を基準に、高収入の看護師求人探しにおすすめの転職サイトを紹介します。
転職サイトを評価する3つの基準
- 総合評価:求人×サポートの総合得点
- 求人数&質:求人の量やその内容の良し悪し
- サポート力:必要な時に必要なサポートを受けられたか、親切だったか
転職サイト | 求人の量・質 | 総合評価 | サポート力 |
看護roo! | ◎ 約51,000件 | ◎ 4.1 | ◎ 4.2 |
看護のお仕事 | ◎ 約101,000件 | ◎ 4.0 | ◎ 4.1 |
ナースではたらこ | ○ 約93,000件 | ◎ 4.0 | ◎ 4.0 |
※求人数は2020年12月時点のものです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1. 看護roo!|利用満足度No.1
『看護roo!』は東証一部上場企業の株式会社クイックによって運営される看護師向けの転職サイトで、特に求人の質が良く、サポートも充実していると高評価です。
特に、ホームページには出ていない5万件を超える優良求人を紹介してくれるため、まず登録しておきたい転職サイトと言えるでしょう。
また、面接に同席までしてくれるサポートの手厚さも特徴で、面接が不安な方にもおすすめです。
運営会社 | 株式会社クイック |
対象地域 | 主要都市圏 |
オフィス | 全国4箇所(東京・大阪・名古屋・横浜) |
公開求人数 | 約51,000件 |
公式ページ | https://kango-roo.com/ |
4-2. 看護のお仕事|求人多数で選択肢の幅が広い!
『看護のお仕事』は日本最大級の看護師向け転職サイトで、公開求人だけでも10万件以上、ネットには出せない良質な非公開求人も豊富(12万以上の事業所)です。
そのため、希望の転職先が見つからない…ということはほぼないので、総合評価1位の『看護roo!』と合わせて、ぜひ登録しておきたい転職サイトです。
運営会社 | レバレジーズ株式会社 |
対象地域 | 全国 |
オフィス | 全国12箇所 |
公開求人数 | 約101,000件 |
公式ページ | https://kango-oshigoto.jp |
4-3. ナースではたらこ|サポートは抜群、行きたい病院を指名できる!
『ナースではたらこ』はアルバイトの求人媒体「バイトル」なども手掛ける、大手人材会社のディップ株式会社が運営する看護師向け転職サイトです。
24時間の電話対応、ナース・キャリア・ステーションでの対面支援など、手厚いサポートへの満足度はNo.1でした。
求人に関しても、行きたい病院を指名できる「逆指名」を行なっているため、下記のように気になる病院があれば求人を探してくれます。
そのため、行きたい病院がなんとなくでもある方は登録しておくべき1社です。
運営会社 | ディップ株式会社 |
対象地域 | 全国 |
オフィス | ナース・キャリア・ステーション全国5箇所 |
公開求人数 | 約93,000件 |
公式ページ | https://iryo-de-hatarako.net |
5.看護師転職サイト利用の4つのメリット
転職サイトは選考前から、入職後までとにかく手厚いサポートを無料で行ってくれます。
転職サイトを利用する具体的なメリットは、以下の通りです。
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
5-1. 面談で転職の方向性を明確にできる
転職サイトに登録をすると、転職サイトの担当者から連絡がきます。その後時間を合わせて、対面もしくは電話で面談を行います。
「年収500万円以上の病院に転職したい」などの具体的な希望条件のヒアリングから、「まだ転職しようか迷っている」という悩みまで、相談内容はどんなものでも構いません。
ヒアリングで明確になったあなたの希望に応じてその後求人を紹介してくれるようになるので、譲れない条件があればはっきりと伝えておきましょう。
- 希望の給料やボーナスの水準
- 希望の勤務場所(立地や交通の便)
- 「大学病院がいい」などの転職先の希望
転職サイトを使わないとここが大変!
転職サイトを使わずに1人でやろうとすると、自分の今の不満や、スキル、今後のキャリアなどを客観的に把握できず、転職活動を間違った方向に進めてしまう恐れがあります。
5-2. 求人の紹介を受けられる
面談の後は、あなたの要望に合わせて求人の紹介を受けられます。
転職サイトだけが把握している病院の実情なども踏まえながら、提案をしてもらえるのは大きな魅力です。
また転職サイトの場合、ネット上などに公開されている公開求人の他に、ネット上には公開されない「非公開求人」も存在します。
非公開求人は何がいいの?
非公開求人は「好条件の求人が多い」というメリットがあります。
実際にネット上に公開されたら応募者が殺到してしまう、今働いている方よりいい条件になってしまうなど、好条件の求人は、一般的な求人サイトに出回っていない傾向にあります。
転職サイトを使わないとここが大変!
転職サイトを使わずに一人でやろうとすると、以下のような点で難航する可能性があります。
- 好条件な求人をなかなか見つけられにくい
- 膨大な量の求人から自分の要望に合ったものを探さなければならない
- 求人票以上の情報を知らないまま応募しなければならない
- 応募書類を一人で作成し、自分で応募しなければならない
5-3. 選考のサポートをしてもらえる
履歴書や面接対策などのサポートも、転職サイトの大きな魅力です。
特に『看護roo!』のような手厚いサポートが強みの転職サイトであれば、はじめての転職活動でも安心です。
転職サイトを使わないとここが大変!
転職サイトを使わずに1人でやろうとすると、以下のような点で難航するでしょう。
- 面接や履歴書の対策を全て1人で行わなければならない
- 給与や勤務体系などの条件交渉を自分で行わなければならない
5-4. 内定後のサポートをしてもらえる
内定が決まった後も、転職サイトのサポートは続きます。
- 病院側との条件などの調整
- 入職手続きの代行
- 現職の退職交渉のアドバイス
以上のように、内定から入職するまでの工程でもサポートを受けられ、面倒な手続きなどもほとんど代行してくれます。
転職サイトを使わないとここが大変!
転職サイトを使わずに1人で転職すると、以下のようなポイントで苦労します。
- 入職手続きなどの面倒なことを1人でやらなければならない
- 病院の内情を事前に転職サイトから聞けない分、ミスマッチが起こりやすい
さいごに
看護師の平均年収や、年収アップの方法について解説しました。
看護師の給料や働きやすさは、就業先によって大きく異なります。
現在の給料や働き方に不満がある方は、以下の転職サイトを利用し、自分に合った職場を探してみましょう。
この記事があなたのキャリアに役立つことを願っています。