看護師の平均年収は?給与相場やボーナス額は本当に割に合うのか徹底調査

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「看護師の平均年収っていくら?」「周りと比べて自分はどうなんだろう」とお考えですね。

結論から言うと、看護師の平均年収は492万円です。

看護師はよく「他職種の同世代と比べて高年収」と言われやすいですが、夜勤・残業手当ありきの激務が前提なこともあり、「正直、仕事と給料が見合ってない」と感じる看護師さんはかなり多いです。

この記事では、公的調査をベースにややこしい看護師のお金事情をどこよりも分かりやすく解説します。周りの看護師は実際どれくらい稼いでいるのか、気になるところを見ていきましょう。

  1. 看護師の平均年収
  2. 看護師の年収・給与を「年代・エリア・施設」で細かく調査
  3. 「看護師の年収って割に合わない」と思ってしまう背景
  4. 看護師が年収・給料をアップさせる方法
  5. 看護師の年収についてよくある質問

すべて読めば、看護師のお金にまつわる疑問が全て解消します。

この記事は、厚生労働省『賃金構造基本統計調査(令和二年)』と日本看護協会『病院看護実態調査』をもとに作成しています。

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1.看護師の平均年収

看護師年収

厚生労働省の最新資料(2021年時点)によると、看護師の平均年収は、491万8,000円です。

内訳は、平均月収額が33万8,000円、平均ボーナス額が85万8,000円となっています。

なお、月収は各種手当(残業・夜勤・通勤)を含んだ金額です。

2.看護師の年収・給与を「年代・エリア・施設」で細かく調査

本章では、看護師の年収をいくつかの区分に分けて、細かく見ていきます。

年代別の「平均年収」と「毎月の手取り額目安」

以下は、各年代の看護師の平均年収と、月々の手取り額をまとめたものです。

年代(歳)平均年収
(万円)
平均月収
(万円)
毎月の手取り額目安
(万円)
20~24391.928.422.7
25~29450.431.325
30~34460.632.425.9
35~39475.233.226.5
40~44500.234.227.4
45~49531.33628.8
50~54549.437.329.8
55~59563.23830.4

※手取り額は月々の給与×0.8で計算。百円未満切り捨て

年収はキャリアを重ねるごとに増えてはいきますが、家庭との両立などからパート・残業ナシなどの働き方を選ぶ看護師も多く、それほど大幅に増加するわけではありません。

「月収」と「手取り」の違いを正しく理解

  • 月収
    病院から支払われる毎月の給料
  • 手取り
    月収から社会保険料・税金を差し引いた自由に使えるお金

社会保険料や税金額は年齢や地域によって異なりますが、手取り額は月収の約75~80%ほどと言われています。(月収30万円なら、手取りは22万5,000円~24万円)

以下では、年代別の詳細を、同世代の女性の平均年収(全ての職種)と比較していきます。※国税庁「民間給与実態統計調査」のデータ(全職種を対象にした女性の年収)と比較

20代前半

20代前半女性平均年収
(万円)
看護師391
全職種248

看護師は夜勤手当があることで、若いうちから周囲よりかなり高年収になりやすいです。実際に、20代前半女性の平均よりも150万円近くの差があることが分かります。

20代後半

20代後半女性平均年収
(万円)
看護師450
全職種328

全職種の年収は20代後半になるとグッと増加しますが、それでも看護師の方がまだ120万円近く上回る状況です。

30代前半

30代前半女性平均年収
(万円)
看護師460
全職種321

働く女性の年収は、30代以降増加することはなくなります。これはパートや専業主婦などになる方が増えるからです。

看護師も働き方を変える人は多いですが、国家資格なだけあって時給も高めで、夜勤手当などもあるので、平均年収が下がることはありません。

30代後半

30代後半女性平均年収
(万円)
看護師475
全職種313

看護師の給料は年功序列なので、年齢を重ねるごとに増えていきます。30代後半になると、160万円近くまで差は広がります。

40代前半

40代前半女性平均年収
(万円)
看護師500
全職種318

看護師は40代に入ると、年収500万円が平均になり、管理職などの役職に就いている方は年収600万円以上を稼ぐ方も珍しくありません。

40代後半

40代後半女性平均年収
(万円)
看護師531
全職種324

40代後半になると、周囲の同世代と比較して年収に200万円ほどの差が生じるようになります。ただし、やはりパートや非常勤などの働き方では不可能で、その場合は同世代よりやや高収入という水準です。

50代前半

50代前半女性平均年収
(万円)
看護師549
全職種320

一般的に女性の年収は50代になると下降し始めますが、看護師の場合は500万円台半ばまで上昇が続きます。

50代後半

50代後半女性平均年収
(万円)
看護師563
全職種248

50代後半になると平均年収の差はもっとも開き、300万円近く違うことになります。

年代別の平均ボーナス額

以下は、各年代の看護師の平均賞与額をまとめたものです。

年代(歳)平均賞与
(万円)
20~2449
25~2975.5
30~3479.5
35~3982.2
40~4492.1
45~49101.2
50~54103.7
55~59106.3

※年間の支給額合計

上記は夏・冬ボーナスの合算なので、1回あたりの支給額は概ね25~50万円となります。

基本給をベースに考えると、看護師のボーナスは給与1.2~1.4カ月分が平均と言えるでしょう。

都道府県による違い

看護師の平均年収を都道府県別に分けたものを、年収が高い順で以下にまとめました。

全体平均(492万円)を超えているのは26都道府県

関東圏・東北エリア一部は平均より高め、九州・四国地方は低めの傾向にあります。

看護師年収都道府県

平均年収492万円を超えている都道府県のみ色付け(色が濃いほど高年収)。関東・東北一部は平均を大きく上回る地域が多く、九州沖縄は全て平均年収を下回っていると分かる

施設規模による違い

看護師の年収は病院によって異なり、特に病床数が増えるほど看護師の給与も高くなります。

以下は、勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職を想定)の平均月収と目安年収です。

病床数月収
(万円)
目安年収
(万円)
~9930.8449.1
100~19931.3455.1
200~29931.7459.9
300~39932.9474.3
400~49933.5481.5
500~34.6494.7

※日本看護協会「2020 年 病院看護実態調査 」をもとに試算

病床数に応じて、月収が高くなっていることが分かります。

設置主体別の違い

看護師の収入は、その病院をどこが運営しているかによっても違います。

以下は、勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職を想定)の平均月収と目安年収を、どこが運営しているかで分けて高い順に並べたものです

 設置主体月収目安年収
私立学校法人36.1513
日本赤十字社35.1501
会社34.5494
社会保険関係団体
34.2490
公立33.5482
国立33.4480
済生会32.6471
社会福祉法人32.6471
厚生連32.2466
医療生協32.2466
公益法人32.1465
その他医療機関31.5458
その他法人31.3455
医療法人30.7448

※日本看護協会「2020 年 病院看護実態調査 」をもとに試算

一見、多くの職場が30代前半看護師の平均年収(460万)を上回っているように見えますが、看護師の職場の多くが医療法人運営であり、年収高い順にみると最下位に位置しています。

このことから、私立学校法人や社会保険関係団体など、一部のとりわけ高給の職場が、看護師年収の全体平均を引き上げている可能性も考えられます。

3.「看護師の年収って割に合わない」と思ってしまう背景

看護師は、世間では「高給取り」と言われることが多い仕事ですが、その実態は過酷で働き方はかなりハードです。そのため、「周りより多少良いかもしれないけど、正直割に合わない」と感じている看護師さんも少なくありません。

本章では、現役看護師にヒアリングした際に判明した病院ならではの背景を解説します。あなたも「あるある」と思う部分があるのではないでしょうか。

背景①.過酷さと給料が見合ってない

「労働と給料が合ってない」と話す看護師は実に多いです。

もちろん、全ての職業と比較すると、同世代の女性と比べて、80~120万円ほど年収が高くはなっています。

年齢女性(全職種)の平均年収
(万円)
看護師の平均年収
(万円)
どれくらい年収が高いか
(万円)
20~24300.6391.190.5
25~29359.2450.491.2
30~34377.6460.683
35~39396.4475.278.8
40~44410.8500.289.4
45~49419.2531.3112.1
50~54420549.4129.4
55~59410.2563.2153

しかし、これを月収換算すると月8万円前後です。看護師には他の仕事にはない「看護師だからこその大変さ」があり、その分に見合っているかというと難しいところでしょう。

看護師だからこその大変さ(例)

  • 汚物処理
  • ハラスメント
  • 人間関係
  • 命と向き合うプレッシャー
  • 血液などからの感染リスク、放射線被ばくリスク
  • うつ病発症リスク…など

「確かに数字で見れば年収は高いけど、それでも正直割に合うとは思えない」という方も多いのではないでしょうか。

また、世間的にもやはり「看護師=高給取り」のようなイメージが根強く、「安泰で稼げる仕事だよね」と周囲に言われたことがある方もいるでしょう。

確かに需要は絶えない仕事なので安定はしていますが、体力・精神的な負担を考えると現場で一生働き続けるというのはかなり厳しいと言えます。

背景②.夜勤手当ありきの高収入

さらに、前述の「看護師の月収は他の仕事より8万円前後高い」というのは、夜勤ありきの金額で、実際に夜勤手当が多くを占めます。

日本看護協会の調査によると、看護師の夜勤手当平均(月)は3~5万円と言われています。

夜勤手当平均平均回数(※)1カ月の夜勤手当
(円)
2交代11,286円4.753,000
3交代準夜勤4,154円7.731,900
3交代深夜勤5,122円7.739,400

三交代制勤務における月平均夜勤回数7.7回で統一

夜勤シフトに入れば確かに稼げはしますが、それだけ体力的にも負担が大きくなりますよね。かなりきつい働き方が前提となっているので、単純に仕事内容だけをみると「到底割に合わない」と感じることもあるでしょう。

また、「手当が充実していて稼げる」と言えば聞こえは良いですが、裏を返せば、手当充実は基本給が低いことを意味します。基本給ベースで支給されるボーナスも「思ったより少ない」というケースは多々あります。

生活水準を上げてしまった結果苦労する人も

たまにですが、高収入だが激務で体調崩す→夜勤・残業なしの職場に転職して給料下がる→生活水準を下げられず、結局激務の職場に戻る…のような負のループに陥ってしまう方もいるようです。

背景③.やりがい搾取の実態

看護師は他の仕事と比べて「奉仕の精神」のようなものを求められる仕事のため、やりがい搾取のような働き方になりやすいです。

看護学校時代から、「看護師とはこうあるべき」といった教育をされるのはもちろん、病院によっては聖母マリアやナイチンゲールのような、いわゆる理想の看護師像を押し付けられることもあります。

このような背景から、看護師の現場は、働き方や労働環境に対してNoと声を上げるような風潮がなかなかなく、いつの時代も現場の看護師が損をするような働き方になってしまうのです。

近年は、看護協会自体が働き方改革に取り組んでくれていますが、現場まで浸透してるかどうかは正直疑問が残るところです。

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4.看護師が年収・給料をアップさせる方法

看護師の給料を上げる現実的かつ具体的な方法は、以下の4通りあります。

それぞれ詳しく説明します。

方法1. 単発・スポットの仕事をする

給料アップの最も現実的な方法は、単発・スポットの仕事をすることです。(※副業になるので、就業規則を確認は必須)

単発・スポットは、主に介護施設などの医療行為を行わない施設に、1日~数日だけ派遣され、看護師として施設スタッフのサポートを行います。

「1日だけ介護施設の夜勤をする」「3日間だけ訪問入浴の介助の仕事をする」といった柔軟な働き方が可能です。給料も高めに設定されており、日給2~3万円の求人も見られます。

さらに2021年4月以降は、新型コロナウイルスワクチン接種に限り、医療施設での単発の仕事も可能になりました。

補足:ワクチン接種に限り医療機関への看護師派遣が可能になった(2021年4月改正省令)

看護師の派遣は原則、介護施設など医療行為を行わない施設でのみ可能ですが、新型コロナウイルスワクチンの接種に限り、医療現場への看護師派遣が解禁となりました。

働く場所はワクチン接種を実施している病院・診療所で、期間は令和4年2月28日までと定められています。(変更の可能性あり)

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について

単発・スポットの求人は、転職サイト・派遣サイトなどを使って探せます。

例えば、看護師転職・派遣支援サービスの『MCナースネット』では、スケジュールが空いている日を選択すると、その日に募集している求人が一覧で表示されます。

mcナースネットMCナースネット検索画面

「夜勤を増やしたいけど、今の病院ではなかなかできない」という方は、単発の仕事をしてみるのもおすすめです。

方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る

現職の給料アップを目指しているなら、普段から上司と良好な関係を築いておくことも重要です。

看護師の給料は、在籍年数の長さが評価基準となりますが、それ以外にも「師長の評価」も関係します。分かりやすく言うと、師長が認めている看護師ほど給料が上がりやすいということです。

看護師の仕事の成果は、売上などで客観的に測れるわけではないので、どうしても「上司の主観的な印象」が大きく影響してきます。

実際に、スタッフのうち何人かをプラス評価(収入アップなど)するという時には、良い印象を持っている部下を推薦するということもあるようです。

そのため、普段から良好な関係を築いておき、高評価を受けやすくするという姿勢も、給料アップには必要と言えるでしょう。

方法3.管理職のポジションを目指す

時間はかかりますが、主任・師長などの管理職に就いて給与アップを目指すのも現実的な方法です。

実際にフルタイム勤務の看護師の平均年収が519万2,417 円であったのに対して、中間管理職は648万3,444円と、100万円以上の給与アップを期待できます。日本看護協会の調査)

看護師の管理職として、具体的には以下の役職があります。

看護師の管理職

  • 看護部長
    ...看護部の責任者として、病棟の看護師長・スタッフナースをまとめ、病院全体の経営にも関わる仕事。
  • 看護師長
    ...スタッフナースを統括する役割があり、主任看護師と一緒に業務の円滑化と質向上を目指す仕事。
  • 看護主任
    ...スタッフナースの上位にあたる役職で、業務が円滑に進むように看護師長を補佐する仕事。

端的にいうと、看護師の管理職は「看護の現場のまとめ役」です。複数人のスタッフをまとめ上げるマネジメント力や忍耐力が求められます。

一般的に、管理職の資質があると認めた看護師を看護師長が推薦し、まずは看護主任を目指します。

大病院などの規模が大きく看護師の多い病院だと、競争が激しく管理職に就くのには最低でも10年以上かかりますが、中・小規模の病院であれば、看護師経験10年未満で管理職に就けるケースもめずらしくありません。

ちなみに、筆者が以前勤務していた大学病院では、特別な条件・手続がなくても、10年以上勤めていれば主任看護師として認定を受けていました。(そもそも10年以上勤続する看護師が少なく、自動的に主任に昇格するようになっていました)

時間はかかりますが、着実にステップアップしながら給料を上げる方法と言えます。

方法4. 基本給の高い病院・施設に転職する

基本給が高い他の職場に転職するというのも一つの方法です。

病院の経営母体や規模によって昇給率が異なるため、業務内容は変わらなくても年収が上がることは多々あります。

このまま働き続けても大幅な給与アップが見込めないなら、給与水準が高い他の職場への転職がおすすめです。

病院によってですが、以下のような明確な昇給基準を定めていることもあります。

  • クリニカルラダーをもとにしたレベル達成度
  • 病院独自の試験・面接による評価制度
  • ポイント制度を導入し、そのポイントとレベルに見合った評価制度

特に規模の大きな病院ほど、このような基準を明確に定めているケースが多いです。

給料が高い病院の特徴については『【看護師必見】給料が高い病院の特徴と給料を上げるための全知識』で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

転職を検討中の方は転職サイトへの登録がおすすめ

 

転職を視野に入れて検討している方は、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。

キャリアアドバイザーは看護師転職支援のプロで、あなたの希望条件をヒアリングしたうえで最適な職場・求人を紹介してくれます。

人気が高い良質な求人ほど、非公開求人として転職サイト利用者だけに限定公開されているので、登録しておくだけで選択肢をグッと増やせますよ。

大手サイトだと『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などが有名です。評判の良いサイトを詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。

補足:給料アップに資格取得はおすすめしない

ネット上の情報には、認定看護師や認定看護師資格の取得を給料アップの方法として紹介していることも多いですが、これは全くおすすめできません。

費用対効果が悪すぎるからです。

例えば認定看護師の資格取得には、授業料・実習費などを合わせると100万円以上のコストがかかります。その上、専門の教育機関で6ヶ月以上、計615時間の教育課程をクリアしなければなりません。

それが給料に還元されれば問題ありませんが、実際はそうではありません。

専門看護師・認定看護師の資格を取得しても、昇給・手当がつくとは限らず、看護協会の資料によると、「病院の約6割は、認定看護師・専門看護師の資格手当や昇給がない」ようです。

専門看護師・認定看護師の処遇

専門看護師・認定看護師の資格は、半分以上の病院で給料に加算されない

出典:日本看護協会

そして仮に給与に反映されても、月およそ5,000円アップするくらいが相場です。

このことから、給料アップの目的だけで資格取得を検討するのは現実的ではありません。職場を変える方が、手軽かつ現実的と言えるでしょう。

5.看護師の年収についてよくある質問

本章では看護師の年収に関してよくある質問をまとめましたので、気になることがあればお読みください。

Q1.看護師の年収に男女差はありますか?

男性の方が女性より10万円ほど高い傾向にあります。看護師の平均年収を性別でみると、男性が約506万円、女性が約490万円です。

この理由として、男性は特殊手当や危険手当がつく職場(精神科、救命救急、ICUなど)で働くケースが多いことが考えられます。

Q2.准看護師の年収はどれくらいですか?

准看護師の年収は403万円です。看護師より70万円程低くなっています。

准看護師が年収を上げるには、やはり正看護師になるのが一番現実的です。日本看護協会のサイトでは資格取得の手順や必要なお金がまとめられているので、参考にしてください。

Q3.医療系職種の中では稼げる方ですか?

医療・福祉業界の区分で比較した場合、看護師の平均年収は20職種中5位と高い水準であることが分かります。

職種年収
(万円)
1位医師1183.3
2位歯科医師676.2
3位助産師570
4位薬剤師527.2
5位看護師490
6位保健師478.4
7位臨床検査技師471.9
8位診療放射線技師453.7
9位准看護師410.9
10位PT・ST・OT397.4
11位ケアマネジャー386.2
12位保険医療従事者(その他)371.1
13位栄養士369.2
14位社会福祉専門職(その他)364.7
15位歯科衛生士356.1
16位訪問介護349.5
17位介護職343
18位看護補助309.2
19位歯科技工士304.1
20位保険医療サービス(その他)296.4

Q4.看護師は今後も安定して稼げますか?

看護師の収入は、今後も安定し続けると予測できます。

看護師の年収・給料は他職種と比較して、景気に左右されにくいからです。

むしろ需要は高まり続けており、2010年の年収が約469万円であるのに対し、2020年は約492万円と、緩やかに上昇しています。

看護師 年収推移 2020

看護師の年収は上昇傾向

ただし、2020年以降は赤字の病院が増えており、一時的にボーナスがカットされた職場も多いようです。

Q5.看護師の年収は専門卒・大卒でどれくらい違いますか?

初年度の年収を比較すると、10万円ほど違いがあります。

初任給
(万円)
初年度年収
(万円)
大卒27.0324.3
専門卒26.2314.7

詳しいデータは『大卒1年目看護師の年収はいくら?初任給や新卒の年収・給料アップ法も紹介』で解説しているので参考にしてください。

さいごに

看護師の平均年収や、年収アップの方法について解説しました。

看護師の年収は全職種平均より高めで、夜勤に多く入ることで、特に若いうちから稼ぎやすい特徴があります。ただその場合も、身体の負担が大きくなりすぎないように気をつけましょう。

転職で年収アップを考えている方は『【看護師転職】年収アップのカギは自分の市場価値にあった!転職のプロが教える知っておきたいお金の話』も参考にしてみてください。