「年収が下がったらどうしよう」
「転職先の環境に馴染めるだろうか」
「転職先が決まるか不安」
転職活動には不安がつきものですよね。
特に35歳になると「転職は35歳まで」「35歳以降の転職は辞めた方がいい」という噂もあって余計に判断に迷ってしまうという人もいるでしょう。
事実、35歳を超えると転職難度は大きく上がります。
求人数が少ないことや即戦力採用が基本となり、専門性・年齢相応の経験値を要求されるという現実があるからです。
35歳以降は、年齢を追うごとに難易度は上がります。本当に転職したいのならすぐに行動したほうが良いでしょう。
しかし、万が一失敗したとしても若いころのようにやり直しはきかないので、転職すべきかどうかは慎重に決断すべきです。
今回は、35歳の転職事情が難しいと言われる理由や転職を迷った時にすべきこと、成功のポイントも解説していきます。
- 「転職限界説」はもう古い!35歳の転職事情
- 35歳の転職が厳しいと言われるのには理由がある!
- 35歳が転職市場で求められる人材像とは
- 迷っているなら慎重に!35歳が転職する前に注意すべきこと
- 35歳の転職活動における5つの注意点
- 35歳の転職は書類選考が肝!通過率を上げるためのポイント
- 35歳におすすめの転職エージェント
- 転職エージェントを使う際に注意すべき5つのポイント
- 35歳が必ず登録しておきたい転職サイト5選
- まとめ
この記事を読めば、転職で失敗しないために今の自分がすべきことがわかります。
目次
- 1.「転職限界説」はもう古い!35歳の転職事情
- 2.35歳の転職が厳しいと言われる4つの理由
- 3.35歳で転職する3つのメリット
- 4.35歳で転職する3つのデメリット
- 5.35歳で転職をしたほうがいいケース6選
- 6.35歳で転職をしないほうがいいケース3選
- 7.35歳が転職市場で求められる人材像とは
- 8.迷っているなら慎重に!35歳が転職する前に注意すべきこと
- 9.35歳の転職活動を成功させる5つのコツ
- 10.35歳の転職は書類選考が肝!通過率を上げるためのポイント
- 11.35歳におすすめの転職エージェント
- 12.転職エージェントを使う際に注意すべき5つのポイント
- 13.35歳が必ず登録しておきたい転職サイト5選
- 14.35歳の転職に関するよくある質問
- 15.35歳の転職事情のまとめ
1.「転職限界説」はもう古い!35歳の転職事情
はじめに、35歳の転職事情について解説します。
35歳の転職について、難しいイメージはあるけれど実情はどうなのか知らない人も多いかと思います。
過去には「転職35歳限界説」など、転職は35歳が限界と言われていたこともありましたが、現在は中途採用で35歳を含む30代後半を求める求人は増えています。
厚生労働省発表の一般職業紹介状況によると、35歳〜39歳の新規求人倍率は2009年時点では0.75%だったのに対し、2019年時点では2.35倍と3倍以上になっています。(厚生労働省:一般職業紹介状況,2020)。
また2019年時点の新規求人倍率は、25歳〜29歳が2.44倍、30歳〜34歳は2.41倍と、実際に30代後半と20代後半や30代前半では、それほど大きく変わらないのです。
このように35歳の人材を求める企業は増えており、転職できるチャンスは増えていると言えます。
この章で、転職成功例や内定までの期間、応募社数など具体的な数値を見ていきましょう。
1-1. 4割以上の人が転職で年収アップに成功
厚生労働省の調査によると、転職した35歳〜39歳の求職者のうち、4割以上が年収アップに成功しています。
〔出典〕厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021を基にCareer Theory編集部作成
詳しく見てみると、35歳〜39歳で転職によって年収を上げた人は40.6%で全年齢の平均値39%よりも高い数値になっています。
「変わらなかった」と回答した人も合わせると、6割以上の35歳が年収を維持・上げて転職できたことになります。
この数値を見ると35歳での転職は意外となんとかなりそうに思えますよね。
ただ、転職で給与アップできた人の割合を年齢別で見てみると、以下のように30〜34歳をピークに右肩下がりで推移しています。
〔出典〕厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021を基にCareer Theory編集部作成
30代後半から下落を始め、40代はほぼ横ばい、50代以降は一時的に上昇するものの60代前半にかけての下がり幅は顕著です。
50代以降は数値の一時的な回復が見られており、一見希望が持てそうな気がしてしまいます。
しかし、これはそもそも定年間近のこの年代で転職する人自体が少なく、さらに転職先が決まる人は、もともとのスキルが高く市場で評価してもらえる人材だからということが考えられます。
転職後に給与の増加・維持できている人がいる一方で、年代別にみると加齢とともに給与を上げての転職が難しくなる傾向にあるので、30代以前よりも転職成功は厳しいと覚悟しておいたほうがよいでしょう。
1-2. 約半数が3ヶ月以内に転職を決めている
厚生労働省の調査によると、35歳〜39歳の求職者のうち約半数の47.9%が3か月以内、6割以上が半年以内で転職を決めているとされています(厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021)。
一方で、エン・ジャパンの調査によると、年代別の転職に要した期間の内訳を表したグラフを見てみると、4ヶ月以上かかった割合は、20代で18%、30代で27%、40代で33%となっています(エン・ジャパン:「転職活動」実態調査,2018)。
このことから、年齢とともに転職活動が長期化する傾向があると言えるでしょう。
短期で決まる方は、知人の紹介(リファラル採用)やヘッドハンティング等の特別な選考フローを経てすぐ内定を獲得する人か、企業が求めるスキルを保有しているなど優秀な人材が多いと言われています。
また、転職を意識し始めた時から事前準備として自己分析や転職市場の調査をじっくりおこなった結果、実際に応募など本格的な活動開始から転職先が決まるまでの期間が短かったというケースもあります。
準備期間を含めると3ヶ月以内に転職先が決まらない可能性は十分にあると覚悟しておきましょう。
1-3. 約4割が仕事内容やスキル、約2割が賃金以外の労働条件で転職先を選んでいる
厚生労働省の調査によると、35歳〜39歳の求職者のうち4割近い37.5%が仕事内容やスキルを活かせること、約2割の20.4%が賃金以外の労働条件で転職先を選択しています(厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021)。
このような結果となった背景には、35歳の転職は基本的に即戦力採用であることや、応募資格の募集の段階でスキルや専門性が必須となるため職務経験を活かした転職となりやすいことが挙げられます。
一般的に30代を超えると職種未経験での採用は難しくなります。よって何かやりたいことがあっても経験がなければ採用されず、それが35歳以上では特に顕著になるのです。
もちろん、職務経歴やスキルを活かして満足する転職を叶える人も多いでしょう。しかし転職によって大きく方向性を変えたいと思っても、35歳という年齢が壁になってしまうことは現実としてあります。
厚生労働省の調査によると、35歳の離職理由の1位は「会社の将来性に不安を感じたから」でした。
35~39歳の転職理由 | 割合 | |
1位 | 会社の将来に不安を感じたから | 29.1% |
2位 | 賃金以外の労働条件が良くなかったから | 25.9% |
3位 | 満足のいく仕事内容ではなかったから | 25.0% |
4位 | 賃金が低かったから | 22.9% |
5位 | 人間関係がうまくいかなかったから | 18.0% |
「会社の将来」は自分の力では大きく変えにくい要件であり、40代になるとさらに転職が難しくなることから、30代後半のうちに転職を決断する人が多いことがわかります。
全ての条件で納得できる転職先を探し続けていたら、転職活動が長期化してしまいます。納得いく転職を最短で実現するためにも、どうしても譲れない条件以外は柔軟に考慮することも必要になるでしょう。
2.35歳の転職が厳しいと言われる4つの理由
1章を読むと、「難しいと言われる割に、35歳の転職はなんとかなりそう」と思えた方もいると思います。
ここでは、35歳の転職が厳しいと言われる主な理由を解説していきます。
- 2-1.一気に求人数が減る
- 2-2.ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
- 2-3. 新環境・職場への適応力が35歳未満より低いとみられがち
- 2-4.家庭がある人は年収や勤務地など条件に融通が利かないことが多い
2-1.一気に求人数が減る
35歳になると、応募できる求人が一気に減ってしまいます。
多くの企業は、会社を長期的に発展させていくための戦略の一つとして、自社で採用した人材が長く活躍できるよう育成します。
20代や30代前半などの若いうちに採用し、自社の社風や価値観、仕事の進め方などを実務を伴いながら教えていく会社が多いのです。
このため新卒や20代での採用が最も多く、30代の募集は20代よりも少なくなり、35歳になると一気に求人数が減ってしまいます。
また35歳になると入社以降の実績次第では、管理職ポジションに就く人も出てきます。この管理職ポジションは、社内に適任者がいればわざわざ外から採用する必要はありません。
社内で活躍できるかわからない転職者を採用するよりも、自社で長く勤務している人材を登用するほうが圧倒的にリスクが低いからです。
40代になれば管理職としてマネジメントの経験を積んでいる人も出てきますが、35歳だと管理職としては未熟と判断されやすい年齢でもあります。
結果として一般社員と管理職、どちらの求人需要も少ないことで一気に求人数が減ってしまうのです。
2-2.ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
35歳での転職は基本的に即戦力採用です。ポテンシャル採用の対象は主に20代〜30代前半で、35歳を超えると採用基準が高くなります。
求職者は年齢に見合ったスキルや知識、経験を求められますし、企業側は採用基準のレベルアップと合わせて、相応の給与を支払う必要が出てきます。
転職後の給与は、前職の給与や過去の実績、自社の相場などから総合的に判断して決まります。
企業としてそれなりの給与を支払う分、求職者はその金額に見合うだけの人材であるのかを厳密にチェックされているのです。
また、同じ能力の20代・35歳未満がいた場合、企業が支払う給与は若手の方が安くすむので、そちらを優先的に採用するでしょう。
教育コストを回収しやすいという面からも若手は優遇されやすいです。
中途採用であっても入社後の研修やオリエンテーションなど教育にかかるコストは少なくありません。
35歳と比べて、35歳未満の若年層の方が伸びしろがあり、かつ長期的に就業する可能性が高いため、教育コスト回収の観点でも有利となるのです。
2-3. 新環境・職場への適応力が35歳未満より低いとみられがち
35歳になると、35歳未満の若手と比べて新たな環境や職場への適応力が低いのではないかと思われてしまいます。
一般的に採用側は、若手のほうが自由な発想力があり環境に柔軟に対応できると考えがちです。
例えば、転職先では新たな人間関係を築いていく必要があります。35歳で転職すると、自分よりも若い世代と同列のポジションで仕事をしたり、上司が自分よりも年下だったりするケースも少なくありません。
このような新たな環境・人間関係に適応してやっていけるのか懸念されてしまうことがあるのです。
また企業にとっては、自社の社風に合わせて業務ができるかも採用の重要なポイントになります。
35歳で社会人歴も長くなると、仕事に対する考えも固定されてきている人が多いです。自社方針に合わせられるかどうかも懸念されやすく、同じ能力であれば若手のほうが優遇されてしまいます。
2-4.家庭がある人は年収や勤務地など条件に融通が利かないことが多い
35歳は家庭がある人も多いため、年収や勤務地など譲れない条件も増えます。
35歳になると住宅ローンや近い将来の子どもの教育費を想定して年収を下げられない人も多く、転勤を嫌がる人もいるでしょう。
家庭を持つ割合が高くなるこの世代は条件に融通が利かないことも多く、結果として選択肢が限られてしまい転職先探しが難航する可能性があります。
【補足】35歳の女性の転職事情
35歳の女性の転職事情も男性と変わらず厳しくなっています。
その厳しい転職市場の中でも求められているのは、女性の場合でもやはり「即戦力」です。
dodaの調査によると、多くの35歳女性が転職先に選んでいるのは「事務・アシスタント系」と「企画・管理系」の職種でした(doda:35歳女性の転職事情 ~データで見るリアル~,2023年10月26日閲読)。
両職種の転職者ともに、前職でも類似業務の経験があってそのスキルを活かせる転職を選んだ人の割合が多く、このことからも35歳ならではの豊富な経験やスキルが買われていることがわかります。
また35歳の女性というと、家庭を持っている人や子育て中の人など、プライベートと両立できる働き方を望む人が多いのではないでしょうか。
総務省の統計を参照してみると、35歳の有業者で育児をしている人・介護をしている人それぞれにおいて、仕事と両立しているの割合は5年前よりも増えています。
女性有業者 | ||
2012年 | 2017年 | |
育児をしている人(35~39歳) | 約53.2% | 約64.1% |
介護をしている人(40歳未満) | 約59.0% | 約66.1% |
これから子供の教育費を必要としていたり、老後の資金を意識し始めたりする年代なので、家庭と両立しながら、安定して稼げる正社員になりたい(維持したい)と考えている人も多くいます。
最近では、女性の就業率増加に伴い、女性やワーキングマザーに特化した転職エージェントも増えてきました。
ワークライフバランスを重視した正社員求人も、以前より探しやすくなってきており、「残業30時間以下」や「時短勤務可能」などといった項目で求人情報を検索できるサービスもよく見られます。
自分の理想の条件をすべて叶えることは困難でも、豊富な経験を売りに時間をかけて転職活動をすることで、納得のいく職場が見つかるかもしれません。
3.35歳で転職する3つのメリット
ここでは、35歳で転職する3つのメリットを解説します。
3-1.適職が見つかる可能性が高い
これまでの仕事の経験から明確になっている得意不得意を踏まえて、転職先を探せます。
仕事経験がない新卒採用や仕事期間が短い第二新卒では、得意不得意が不明瞭ななかで就活・転職活動を進めます。
一方で、35歳はこれまでの仕事の経験から、得意不得意な業務が明確になっているでしょう。
不得意分野の仕事だとストレスは感じやすいですが、得意分野の仕事はやりがいを持って楽しく続けられるので、あなたの適職といえます。
「マーケティング戦略を考えるのが得意」「既存顧客の営業では誰にも負けない」のような得意を活かせる求人を探してみましょう。
3-2.年収アップが実現できる
マイナビキャリアリサーチLabによると、男性30代で転職した人のうち41.5%が年収をアップさせられています。
つまり、男性30代の約半数は転職によって年収が上がっているということです。
30代は、家族を養うことやマイホーム・車などの購入が重なって家計が赤字になるケースもあります。
働くうえで年収がすべてではないですが、自分・家族のためにも十分な給与をもらいたいですよね。
会社を変えて年収がアップできるのは、大きなメリットといえます。
3-3.これまでの実務が評価されやすい
20代の転職はポテンシャル採用ですが、30代では即戦力採用であることが一般的なので「入社後にすぐに活躍できるか」という点が重視されています。
そのため、企業は35歳の中途採用選考でスキルや実績、保有している資格などをもとに、企業が求める人物像とマッチしているか、企業に貢献してくれる人材かどうかを確認しています。
転職活動ではあなたのこれまでの仕事を実績としてアピールすることで、志望する企業や業界へ転職しやすくなるでしょう。
4.35歳で転職する3つのデメリット
ここからは、35歳で転職する3つのデメリットを紹介します。
メリットだけでなくデメリットも知ることで、転職すべきか判断しやすくなるのでぜひ参考にしてみてくださいね。
4-1.周りから転職を反対されるかもしれない
35歳で転職することは可能ですが、転職する人はまだそれほど多くはありません。
そのため、35歳の転職を否定的に考える人もいるでしょう。
あなたが転職しようとする際に家族や友人、上司や同僚から転職を反対されるかもしれません。
「なぜ転職するのか」「今の仕事ではいけないのか」などと質問される場合もあるでしょう。
あなたの転職したい理由を、価値観や考え方がまったく違う他人に伝えても理解をあまり得られないかもしれません。
理解してもらうためには、あなたの目指すキャリアを明確にしたうえで、転職したい理由を丁寧に説明してみましょう。
なお、「会社の人からは絶対に反対される」という人は、上司や同僚には黙って転職活動をおこない、家族だけに伝えて納得してもらうのもひとつの選択肢ですよ。
4-2.転職に時間がかかる場合もある
35歳に対する求人数は20代と比べると限られるため、転職活動に時間がかかる可能性があります。
また、現職を続けながら合間時間で転職活動をする場合は、本業に時間を取られてしまい、転職に余計に時間がかかる可能性もあります。
厚生労働省が発表した「令和2年度転職者実態調査の概要」によると、30代後半の転職期間として1ヵ月から3ヵ月かかった人は約30%、3ヵ月から6ヵ月を要した人が約15%だとわかっています。
時間がかかっても転職活動を継続できる体力や根気が必要だといえます。
4-3.未経験への転職は厳しいときもある
35歳の転職では即戦力採用であってポテンシャル採用ではありませんので、未経験の業界や職種への転職は厳しいときもあります。
企業からすると、未経験者を採用すると入社後に知識やスキルを培ってもらうための教育コストがかかります。
「教育コストがかかるなら、体力もあり長く働ける20代の若手を採用したい」と企業から思われることもあるでしょう。
未経験への転職を目指す際は、あなたのスキルを違う分野でどう活かせるのかを考えてアピールすることが大切です。
なお、以下の記事では未経験転職を成功させるコツや、未経験でも転職しやすい業界・職種を解説しているので参考にしてみてくださいね。
5.35歳で転職をしたほうがいいケース6選
ここからは、35歳で転職したほうがいい6つのケースを解説します。
どのような人が転職すべきなのか知ることで、あなたが転職活動をスタートしたほうがいいのかわかりますよ。
- 5-1.仕事にやりがいを感じられない
- 5-2.会社が業績不振・事業縮小に陥りそう
- 5-3.職場の人間関係に不満が溜まっている
- 5-4.働き方がそろそろ限界だと感じている
- 5-5.現職を続けてもキャリアが頭打ちである
- 5-6.やりたい仕事が明確にある
5-1.仕事にやりがいを感じられない
仕事にやりがいを感じられないと、仕事に前向きに取り組めないですよね。
「自分の業務を淡々とこなすだけ」「漫然と終業時間がくるのを待つだけ」という人は、仕事の成果も出にくいでしょう。
仕事で結果を出せないと、自分に対する評価が下がり出世することは難しいです。
役職も変わらず給料も上がらないので、ますます仕事のモチベーションが下がっていくという悪循環に陥ってしまいます。
仕事は一日のほとんどの時間を占めるので、つらいと感じる業務を続けるのは大きなストレスですよね。
日々の生活を楽しみ人生をより有意義にするために、仕事にやりがいを求めることは大切。
「仕事がまったく楽しくない」という人は転職をしたほうがいいでしょう。
5-2.会社が業績不振・事業縮小に陥りそう
会社の赤字状態が続いてると、そのうち事業縮小や人員整理につながるかもしれません。
自分一人の力で会社の赤字状態を変えるのは難しいので、マーケットが拡大している業界や勢いがある企業に転職するのもひとつの選択肢です。
業績不振の企業で働き続けるのは、心身ともにストレスがかかりやすいですよね。
「会社の売上が低迷している」という人は、伸びている企業への転職を検討してみましょう。
5-3.職場の人間関係に不満が溜まっている
人間関係がよくないと、興味のある業務内容であってもストレスを感じてしまいます。
また、上司のパワハラやセクハラも要注意。
企業に働き方改革が求められているなかで、パワハラやセクハラをしているということは時代遅れな企業である証拠かもしれません。
そのような企業で、お客様に喜んでいただくサービスを提供し続けるのは難しいと考えられます。
職場の人間関係やパワハラ・セクハラに悩まされている人は、あなたのやりがいや今後のキャリアのためにも、転職を視野に入れてみてくださいね。
5-4.働き方がそろそろ限界だと感じている
「残業が多すぎる」「ノルマが厳しい」のように働き方が限界だと感じているなら、転職がおすすめです。
20代では少々無理をした働き方もやり通せても、体力的に衰える30代後半になると難しいですよね。
人生100年時代と言われるなかで、無理をせずに長く働き続けられることが大切です。
「残業代が支払われない」「休日出勤が頻繁にある」などと働き方に不満を感じているなら、転職を考えてみましょう。
5-5.現職を続けてもキャリアが頭打ちである
「このまま今の仕事を続けても出世できない」という人は、転職がひとつの解決策になります。
出世コースから外されてしまった場合は、現職で努力しても出世は厳しいかもしれません。それなら転職先で努力するほうが、頑張りがいがありますよね。
また、スキルが上がらずに時間が過ぎて年をとっていくにつれて、転職するのも難しくなっていきます。今の仕事を続けてもキャリアが頭打ちなら、転職がおすすめです。
5-6.やりたい仕事が明確にある
その仕事への興味がなくなるのを待つよりも、転職して実際に関わるほうが後悔しないキャリアを歩めます。
今や転職は当たり前の時代なので、「転職=悪いこと」という認識は捨てましょう。
会社の外に興味のある仕事があるなら、まずはその会社の採用説明会や社員との座談会に参加してみて、本当にあなたがやりたい仕事なのかチェックするのがおすすめです。
6.35歳で転職をしないほうがいいケース3選
実は、35歳で転職をしないほうがいいケースも存在します。
ここからは、35歳で転職をしないほうがいい3つのパターンを解説します。
6-1.周りからの理解を得られない
周りに転職したい理由を説明しても理解を得られないなら、転職理由に説得力が欠けているのかもしれません。その状態で転職しても、転職先で活躍できる可能性が高いとは言いがたいです。
とくに、家族が賛成してくれない場合は、転職しないほうがいいでしょう。家族から否定されているのに転職したら、家族からあなたへの信頼が損なわれてしまうこともあるからです。
それでもなお転職したいなら、転職したいという思いを周りに愚直に伝えることで賛同を得ましょう。
6-2.年収をダウンさせたくない
35歳での転職により年収アップしている人が多いものの、全員が必ず上がるというわけではありません。年収がダウンする人もいるので、その覚悟はしておいてください。
「転職はしたいけど、年収がダウンするのは絶対に嫌」という人は後ほど紹介する転職エージェントの活用がおすすめ。転職エージェントが、あなたの希望年収にマッチした求人を探してくれます。
ちなみに、今のあなたの年収が業界のなかでどれくらいなのか気になる人は、以下の記事をご覧ください。
6-3.環境を変えるのが怖い
転職によって仕事内容も職場も変わるのは大きな変化であり、ストレスがかかります。
転職すれば、一から仕事を覚えていきながら、職場の人間関係も構築しなければいけません。
新しい環境を刺激的にとらえられるなら問題ありませんが、「慣れた環境を変えたくない」という人は転職は向いていないでしょう。
7.35歳が転職市場で求められる人材像とは
35歳の厳しい転職市場で求められている人材は「高い専門性」「マネジメント経験」のいずれかを持つ人物です。
転職市場で求められる35歳の人材像について、詳しく見ていきましょう。
7-1.即戦力となる高い専門性がある人
経験・知識が豊富で高い専門性を持ち合わせている人は、転職市場で高い需要があります。
企業が35歳に求めているのは即戦力であり、入社直後から現場で動けて数カ月後には成果を上げているような人材です。
さらに、わざわざコストをかけて中途採用をするわけですから、自社の同年齢以上のパフォーマンスを期待されるでしょう。
つまり35歳が転職する際は、高い専門性を活かして新たな価値や実績を創造できる人や、会社を牽引するくらいの力がある人が求められます。
組織内で部下を先導する立場となることも多い年代なので、手本となるような人間性も必要です。
7-2.マネジメント経験がある人
35歳は一人前のプレーヤーとしての能力があることが前提で、人材の育成や組織をけん引するなどマネジメント経験を求められます。
マネジメント経験と言っても、肩書を持っているだけでは安心できません。
マネジメント経験の有無は、マネジメントスキルを持ち合わせているか否かの判断材料となるため、実際のマネジメント経験を通して自身のマネジメント能力が磨かれてきたか否かが重要となります。
マネジメントスキルの例
- 現状の課題を見出し目標を立てる力
- 目標を現場で共有し達成に向けてチームを動かす力
- 部下を育成し能力を引き出す力
- チームメンバーの状況を把握し仕事を調整する力
- 状況を冷静に分析・判断する力
今までのキャリアの中で、部下への指導や案件立ち上げ、プロジェクトチームを率いた経験などがある人は、上記のようなスキルを発揮した機会があるはずです。
役職に就いたことがないからといってマネジメント経験がないということはありません。
マネジメントに通じる経験や、それを通して自分の中に培われたスキルがないかを確認してみましょう。
【補足】どちらもあてはまらないときは新たな環境への適応力をアピールする
マネジメント経験や高い専門性のどちらもあてはまらないときは、高い適応力をアピールしましょう。
35歳となると、業務遂行に際して高い能力があることは当たり前とみなされてしまいますが、一方で職場に馴染めるか、新たな環境への適応力が懸念される傾向にあります。
「考え方が違う部下と相互理解ができ業務を遂行できた」など具体的なエピソードがあれば、強みとして伝えやすいでしょう。
8.迷っているなら慎重に!35歳が転職する前に注意すべきこと
35歳の転職は若い世代と比べて難航しやすく、その傾向は年齢を追うごとに高まります。
30代前半以前と同じような感覚で転職活動をしてしまうと、転職先がなかなか見つからなかったり、大きく年収が下がったりと失敗してしまうケースもあります。
以下で、35歳の転職で失敗してしまった事例を紹介します。
35歳での転職は一度失敗してしまうと、再転職に踏み出しにくくなってしまいます。きちんと準備をして慎重に転職活動をしましょう。
もし、転職を迷っている状態ならば勢いのままに退職することはおすすめできません。
ここでは、辞めたいと思った時に考えたほうが良いことを解説していきます。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
8-1.辞めたい理由を明確にする
35歳での転職は、ラストチャンスに近い側面もあるので、中途半端に失敗することは許されません。
そのため、転職に踏み出す前に、あなたがなぜ今の会社を辞めて転職したいのかを一度考えてみましょう。
きちんと分析することには以下のような2つの意味があります。
- 転職しなくても済む問題で悩んでいるかもしれないから
- 転職したい理由を整理することでスッキリできる可能性があるから
ではそれぞれの側面から解説していきます。
理由1. 転職しなくても済む問題で悩んでいるかもしれないから
やりがいを感じられる業務を担当したければ異動すれば解決できるなど、あなたの転職したい理由が、今の会社で解決できるのであれば、会社を辞めずに異動することをおすすめします。
なぜなら、「せっかく築いてきた社内での地位や人脈がもったいない」「転職すると待遇が悪化する可能性がある」からです。
また長く働いたほうが、昇進や退職金の面で有利なので、焦って転職することは避けましょう。
理由2. 理由を分析することでスッキリできるかもしれないから
転職しようと思ったことは一時的な衝動に過ぎない可能性があります。
あなたがなぜ転職したいかを考えた結果、それが「部署」や「職務内容」起因の問題であった場合、会社を辞めずに異動することで解決できる可能性があります。
そこで部署異動で済む問題であれば、異動を申し出るなど会社に残って解決する方法を考えることがおすすめです。
8-2.転職先に求める譲れない条件を考える
転職先に求める譲れない条件を整理しておくことも大切です。
というのも、転職活動が上手くいっていないと気づきながら、今の会社を辞めたい思いが強いがあまり、条件面などで大きく妥協して転職し、結果後悔してしまうことがあるからです。
高望みをするのはおすすめできませんが、焦りすぎると自分を客観視できなくなり、妥協して転職にしてしまう恐れがあります。
これだけは譲れないと思う条件を軸にして求人探しをおこない、後悔のないようにしましょう。
年収や勤務地、勤務時間など待遇面だけでなく、自分のやりたいことやスキル、会社との相性を考慮すると企業とのミスマッチを防げます。
ただ、具体的な条件を絞りすぎてしまうと、応募出来る求人が極端に少なくなってしまう可能性があります。
年収なら最低金額、通勤時間ならば片道の限度時間など最低限のラインを決めたり、条件の中でも優先順位をつけたりすると良いでしょう。
8-3.キャリアの棚卸をしておく
転職活動に踏み出す前にキャリアの棚卸をしておきましょう。
今までの自分の実績や仕事内容を見直すことで、以下の2点が明確になります。
- 仕事での強み・弱み
- 興味のある分野、やりがいが持てること
キャリアの棚卸をしておくと、自分の得意分野ややりがいを感じられる仕事がわかるので、待遇だけにとらわれずに仕事を探せます。
「どうしても年収を下げたくない」など待遇にだけとらわれて転職先を探していると、入社後に考え方が合わず馴染めないなど、企業とのミスマッチが起こりやすくなります。
こういった失敗を防ぐためにも、自分のこれまでの実績や仕事に対する考え方を見直しておく必要があるのです。
また、強みや得意分野がわかることで、面接や書類選考でのアピールポイントの整理になるでしょう。
35歳での転職はとにかく即戦力であることが求められるので、「経験」や「できること」をきちんと自分の言葉で伝えられるようにしておくことが大切です。
そのため、35歳の方は過去・現在・未来のそれぞれの側面に対する自己分析が必要です。
自己分析の方法を詳しく知りたい方は、すべてのステップを解説した「プロ直伝!転職成功に導く自己分析4ステップ【シート付】」を参考にしてみてください。
8-4.自分の市場価値を知る
自分の市場価値を正しく理解することは、転職活動を進める上で非常にとても大切なことです。
自身が持つ人材としての価値から見ても過度に高望みしてしまうと、いつまで経っても転職先が決まることはないでしょう。
他方で、自身の価値を過小評価していると、本来もっと好条件の職場を得られるにもかかわらずそのチャンスを逃し、後になって後悔することにつながる可能性もあります。
市場価値を知るには、実際に転職活動を行い、その結果自体を指針とするのが一番です。
採用選考の結果は、その人の市場価値に対する最も端的な評価と言えるからです。
たとえば書類選考・面接をどの程度クリアできるか、応募件数に対してどの程度内定をもらえるのかといったことは、あなたのキャリアやスキルに対して、企業の目線としてどの程度魅力が感じられたかの表れと言えるでしょう。
こうしたことからも、自身の市場価値を探ることが可能です。
とは言え、忙しい中覚悟も決まっていないのに転職活動を始めることを躊躇してしまう方もいるでしょう。
転職活動を始めるまでにおおよその市場価値を把握する以下の2つの方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
- 業界の標準年収と自分の年収を比較する
- 転職エージェントから届くスカウトから把握する
業界の標準年収と自分の年収を比較する
同じ業種・年代の平均年収と自分の年収を比較すると、自分の適正年収と能力に見合った評価がされているかを判断する材料ができます。
適正年収を知る方法としては、
- 求人情報から給与を知る
- 職業×標準年収で検索する
この2つがあります。
しかし、同じ業種や年代であっても企業の規模や地域によって年収は変動するので、この方法では正確な数値が把握できるわけではありません。
判断材料の1つとして捉えておいた方が良いでしょう。
転職エージェントから届くスカウトから把握する
もう1つの方法は、転職エージェントから届くスカウトから市場価値を把握する事です。
転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーがあなたの経歴にあった求人を紹介してもらえたり、スカウトメールが届いたりします。
この転職エージェントのスカウト機能は、経歴や年収がマッチした人に届く仕組みになっているので、あなたが転職市場でどのような評価になるのかが具体的にわかります。
届いた求人を複数見ると、あなたの市場価値や適正年収がおのずとわかるでしょう。
このほかにも転職エージェントに登録するメリットは多くあります。
詳しくは、5-5で解説していますので、そちらを参考にしてみてください。
9.35歳の転職活動を成功させる5つのコツ
何をもって転職活動が成功したと判断するかは人それぞれです。
ただ、大幅な収入減で経済的に困窮したり、転職先の社風が自分と価値観や働き方が合わず後悔したりすることは誰もが避けたいでしょう。
ここでは、35歳の転職活動における5つの注意点を紹介します。
- 9-1.業種にとらわれないで探す
- 9-2.応募先の企業の情報は入念に調べる
- 9-3.転職先が決まるまで退職しない
- 9-4.転職後に一時的に年収が下がる可能性も。家族がいるなら理解も得て
- 9-5.転職エージェントを利用する
それでは、1つずつ見ていきましょう。
9-1.業種にとらわれないで探す
35歳の転職は、求人探しが難航する可能性があります。
同じ業種にこだわりすぎてしまうと、選択肢が狭まってしまうため、業種にとらわれずに幅広く求人を探してみましょう。
未経験の業種であっても、自分の経歴や社会人として身につけてきたスキル・専門性が生きるケースも多いです。
どのスキルを生かせばいいかわからないという人は、自分の中に、全ての環境で通用するスキル=ポータブルスキルがないか考えてみると良いでしょう。
ポータブルスキルの例
- コミュニケーション能力
相手の話を傾聴する、受容する、相手を支援する、自己主張、提案する力 - 論理的思考
物事を整理して矛盾や飛躍せずに筋道を立てる思考法 - 交渉力
ビジネスシーンで互いが納得できる所に結論を持っていく力 - 問題解決能力
現状から課題を把握、目標を設定、計画の立案、行動と評価する力 - マネジメントスキル
部下の育成や組織をまとめる力
一般的に、即戦力が求められる35歳で未経験の業種に参入するハードルは高いです。
しかし上記のようなポータブルスキルを持っていて、かつそれをうまくアピールできるならば転職成功の可能性はぐんと高くなります。
例えば、ポータブルスキルをアピールして不動産営業からMR(製薬メーカーに務める医療機関向けコミュニケーション・情報提供担当)に転職ということも不可能ではありません。
一見して関連のなさそうな不動産業界と医療業界ですが、実のところ、2つの仕事は間には高い共通性があります。
どちらも顧客が個人(MRの場合は医師)であるため営業スタイルが似ており、かつ営業経験で培ったコミュニケーション能力や交渉力は業種が変わっても役立つ可能性が大きいのです。
このように、自分が今までの業務で培ったポータブルスキルを洗い出し他の業種でも生かせないか考えると、転職先の選択肢が広がります。
【補足】未経験でも参入しやすい職種や業界
ここでは、35歳未経験でも参入しやすい職種や業界を紹介します。
- 営業職
- 販売・接客業
- 物流関係・ドライバー
- 介護職
未経験可の分野というと力仕事や介護業界が多いイメージですが、営業職も求人が多く、比較的参入しやすいと言われています。
営業職は全ての業界で必要な職種であり、業界や雇用形態に幅広い選択肢があります。
幅広い年代とのコミュニケーションが必要な職種なので、35歳の豊富な社会人経験を生かせるでしょう。
商材にもよりますが、人生経験を武器に若手とは違った提案ができる可能性もあります。
営業職未経験の場合、特に35歳におすすめなのが以下の2つの業界です。
- 不動産業界
- 保険業界
不動産はメインターゲットが30〜35歳でファミリー層が多いです。家庭がある人も多い35歳は顧客ニーズを把握しやすく、営業トークの説得力も増します。
保険業界も主な顧客層が30〜60代で、介護や年金など老後を意識しはじめる35歳は親近感を持たれやすいでしょう。
9-2.応募先の企業の情報は入念に調べる
書類選考や面接を通るために、念入りな企業研究は転職活動の基本であり、全世代に重要です。
転職活動のラストチャンスと言える35歳は、より一層重点的におこなう必要があります。
企業研究の主な目的は、以下の通りです。
選考を通りやすくする
そもそも、応募先の企業の情報なしには志望動機を作成出来ません。
志望動機は、「なぜその企業で働きたいのか」「どのような点に魅力を感じているのか」を伝えます。
この企業でなければいけない理由が採用担当者に伝わらない志望動機は、納得感が薄く印象に残りません。それどころか、下調べの少なさから志望度が低いと判断されてしまいます。
例えば、ただ「経営理念に惹かれた」というだけでは、なぜ経営理念に魅力を感じるのか、かつ企業が応募者を採用するメリットが伝わって来ないですよね。
企業は志望動機を通して、
- 自社の考えとマッチする人材なのか
- 入社後に会社にどのように貢献してくれそうか
- 自社の応募にかける熱意はあるか
を知りたいと考えています。
応募にかける熱意や自分という人材がいかに企業にマッチして貢献出来る存在なのか、説得力のある志望動機を作成するには、入念な企業研究が必須なのです。
企業とのミスマッチを防ぐ
給与や勤務時間など待遇面での条件がマッチしていても、企業の風土や経営方針と自分の理想とする働き方があっていなければ、転職を後悔する可能性があります。
特に、以下の事例のように慢性的な人手不足に陥っている企業はブラックな社風であることも多いです。
苦労して転職活動をしている中で、1社だけすぐにでもきて欲しいと言ってくれる会社がありました。
退職を決意した時に、ふと気になってその会社のネット掲示板を調べました。
そこには、社員の方が不満をひたすら書き込んでいて、会社の良くない状況がひしひしと伝わってきました。
私を採用したのは、私の能力ではなく会社の慢性的な人員不足だったのだとその時初めて気づきました。あの時、掲示板を見ずに転職していたらと思うとゾッとします。
企業とのミスマッチを防ぐためにも、企業が公表している情報に加えて内部からの評価など、企業の社風や考え方を研究しておきましょう。
企業の安定性を見極める
35歳の転職は、ラストチャンスとなる可能性もあります。
定年まで約25年勤務する可能性がある企業なので、現在の経営状態や今後の見通しから安定性があるかも判断していく必要があります。
そこで経営が長期的に安定しやすい企業の特徴を以下に挙げました。
- 業界のシェア率が高い
- 自己資本率が高い
- 業界に将来性がある
どんなに有名企業でも一生安泰の保証はありません。
これらの情報を参考にし、目先の人気企業やネームバリューだけにとらわれないようにしましょう。
企業研究として調べておいたほうがいい内容を以下にまとめました。
- 企業の基本情報
- 事業内容
- 働き方に関する制度
- 採用情報
- 同業界での位置づけ
- 他社との違い
また、企業情報を調べる方法としては以下があります。
- 企業の公式サイトを確認する
- IR情報をチェックする
- 口コミサイトを確認する
- 転職エージェント・サイトを利用する
入念な情報収集は、書類選考・面接に通過しやすくなりますし、「転職に失敗した……」と感じるリスクを減らすことにもつながります。
実際に企業に応募する前に、時間をかけておこなうようにしましょう。
9-3.転職先が決まるまで退職しない
基本的に転職先が決まるまでは退職しないことをおすすめします。
35歳の転職活動は難航するケースもあるため、勢いで辞めてしまうと経済的に困窮する可能性があるからです。
前の会社を勢いでやめてしまい、転職活動をしていましたが、全然決まりませんでした。
自己都合の退職だったので、失業手当もすぐには出ず、貯金を切り崩しながら職探しをしていました。
その焦りから入社を決めたのが、前職よりも条件が悪いいわゆるブラックな会社です。
やめてしまったことを後悔する日々が続いています。
自己都合の退職の場合、失業手当が出るまでに3ヶ月程度かかります。また、無収入の期間があると焦りが生じ、上記の事例のように妥協して転職先を決めると、失敗する可能性が高いのです。
体力的には負担がかかりますが、転職活動は在職中におこないましょう。
9-4.転職後に一時的に年収が下がる可能性も。家族がいるなら理解も得て
転職タイミングによってはボーナスが満額もらえないこともあり、一時的に年収が下がるケースも少なくありません。
35歳は家庭がある人も多く、住宅ローンの支払いや子供の教育費の捻出など何かと出費がかさむ時期です。
あなたの収入減は家族の生活にも大きく影響を与えるため、転職活動に際して家族の理解を得る必要があります。
収入が減少する可能性があるのなら、これを機に家計の収支を見直してみましょう。
毎月の支出だけでなく、子供の教育費や車の買い替え、家の修繕費など、将来的な大きな出費に耐えうる年収はどれくらいなのか、把握してみてください。
また、あなたが仕事をしながら転職活動をすることによって、今までよりも家庭との時間が減少し、他の家族の家事・育児の負担が増えることも考えられます。
家庭のことを考えて転職活動をしたのに、家族との関係が悪くなっては元も子もありません。
少しの間負担が増えるかもしれないということをきちんと説明し、理解・協力が得られるように努力しましょう。
9-5.転職エージェントを利用する
35歳の転職であればまず「転職エージェント」に登録することをおすすめします。
転職エージェントとは、登録すると転職相談に乗ってくれて、企業の求人紹介から面接のセッティング、給与交渉など転職に必要なサポートをしてくれるサービスのことです。完全無料で使える点もポイントです。
35歳こそ転職エージェントを使うべき理由は主に以下の4つがあります。
それぞれの理由を具体的に紹介していきます。
理由1. 書類の通過率が高まるから
35歳は思った以上に書類選考が通らず、転職サイト経由で応募した場合、書類選考の通過率は約1割、良くても2割と言われています。
理由としては「高い専門性」「マネジメント経験」「豊富な業界経験」など、何かしら秀でた理由がないと採用されないからです。
人手不足の場合や、人員拡大の場合、20代や30代前半を優先して採用します。
ここで転職エージェントを使えば、エージェントが企業の採用担当者に、「こんな人(あなた)がいるのですが、この方の前職経験が御社で役立ちそうなので、会ってみませんか?」とプッシュしてくれます。
書類からでは伝わりにくい「あなたを採用すべき理由」を営業してくれるので、書類選考はもちろん、面接についても有利に進められます。
少ない椅子を奪い合う多くのライバルたちに戦略的に勝つために、転職エージェントの力をうまく活用しましょう。
理由2. エージェントしか知り得ない情報を知れるから
書類選考に運良く通ったとしても、そもそもの求人数の少なさから35歳の方の転職活動は厳しい戦いが続きます。
そんな中、成功率に大きく影響するのが「情報量」です。
転職エージェントもあなたが転職に成功して初めて利益を得られるため、あなたが選考に通過するために彼らが持っている様々な情報を提供してくれます。
特にエージェントの担当者によっては面接担当者の名前や人柄、求められている人物像を事前に教えてくれるところもあるため、こういった事前情報で大きな差がつきます。
数いる候補者の中であなたのみ知っている有益な情報があれば、有利に選考を進められるでしょう。
理由3. 自分の経験やキャリアを客観的に見つめ直せるから
転職エージェントでは、キャリア面談を経て求人を紹介してもらうため、転職のプロに相談しながらあなたの経験やキャリアを見つめ直すことができます。
一人での転職活動では気づけないあなたの市場価値や、最新情報を転職エージェントは教えてくれます。
失敗できない35歳の転職だからこそ、転職のプロと相談しながら客観的に自分を見つめ直すことは大切です。
理由4. 面倒な手続きを代理で行ってくれるから
転職エージェントを通して転職をおこなうと、普通ならあなたが対応する以下のことをエージェントが代行してくれます。
- 履歴書・職務経歴書の作成(添削)
- 求人探し
- 求人の応募手続き
- 面接の日程調整
- 配属先の交渉
- 給与・ポジションの交渉
- 雇用契約書の確認
- 入社関連手続き
転職活動で面倒なことは自分の代わりに全てやってくれて、本番面接以外で直接企業とやりとりすることはほぼありません。
35歳の方は仕事の負担が増えやすい時期であり、さらに家庭もあると、転職活動の同時進行は非常に大変です。
よって、手間を少しでも減らすべく転職エージェントを活用しましょう。
また、きちんと仕組みを理解した上で使いたい方は「【図解】転職エージェントとは|1から理解し使いこなすための全知識」を参考にしてみてください。
10.35歳の転職は書類選考が肝!通過率を上げるためのポイント
前述のとおり、転職活動時の書類選考通過率は最大でも約20%です。
まずは、この書類選考の通過率を上げるために出来ることをピックアップしました。
- 10-1.職務経歴書は「見てもらう」ことを意識。レイアウトをわかりやすくする
- 10-2.転職理由にキャリアアップや学びたいは通用しない
- 10-3.志望動機を書く時はスキルのアピールに偏りすぎないよう注意
- 10-4.書類の折り目やしわにも細かな気配りを
- 10-5.印鑑の押し忘れや日付の記載も忘れずに
- 10-6.プロの添削を受けよう
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
10-1.職務経歴書は「見てもらう」ことを意識。レイアウトをわかりやすくする
職務経歴書は面接官にとって見やすいレイアウトを意識して作成しましょう。
どんなに素晴らしい経歴を持っていてもごちゃごちゃと見にくい職務経歴書だと、「相手への配慮が足りない」と思われてしまう可能性もあります。
面接官が1人の職務経歴書に目を通す時間は数十秒とも言われているほど非常に短いです。
短時間でもあなたの強みが目に止まり、「会ってみたい」と思わせるようにするにはレイアウトから工夫しなければならないのです。
具体的には、以下の工夫をしてみてください。
自分にあったフォーマットを選ぶ
職務経歴書のフォーマットは主に3種類あり、特徴を把握したうえで、自分の強みを生かせるものを選んで使用しましょう。
内容 | こんな人におすすめ | |
編年体形式 | 学歴や職歴のように、時系列順に業務経験を書いていく形式 |
|
逆編年体形式 | 編年体形式とは逆に、最新の業務経験からさかのぼって書いていく形式 |
|
キャリア形式 | 時系列に関係なく携わってきた業務別にまとめていく形式 |
|
強調したい業務や実績を決め、客観的かつ具体的に書く
35歳となると業務経験も豊富なため、経歴をすべて書いてしまうと内容が長くなりすぎてしまう可能性があります。
経歴の中でも強調したい業務や実績を決めておき、ポイントを絞って書くようにしましょう。
担当業務や実績を伝える時は、数値を用いて具体的に書いてみてください。
業務や実績の記載例
- 売上目標を達成→20☓☓年度の売上目標を120%達成
- チームリーダーとしてメンバーの教育・育成を担当→チームリーダーとして5人のメンバーの教育・育成を担当
このように、数値を入れることであなたの担当業務の規模や実績が採用側に伝わりやすくなります。
また、具体的に書くといっても専門用語を多用しないように注意してください。
相手が、あなたの業界や仕事内容について同じように認識があるとは限りません。
専門用語を多用してあると読みづらくなってしまい「相手への配慮が欠ける」と思われてしまう可能性があります。
見やすい文字サイズで一文が長すぎないようにする
文字サイズや一文の長さにも注意しましょう。
全体的に見やすい職務経歴書にするには、手書きではなくPC入力にし、文字サイズは10.5ポイント以上にしてください。
細かい字がごちゃごちゃと並んでいるだけで、時間がない採用担当者は読む気が失せてしまいます。
1文が長すぎると視覚的に見づらい印象になるので、1文あたり25〜40字程度を意識するとよいでしょう。
また、文章をすべて繋げるのではなく、ある程度内容がまとまり次の話に移行する時は、改行で余白を作るとより見やすくなります。
多すぎず少なすぎず適切な分量を心がける
職務経歴書の枚数はA4用紙2枚を目安に、多すぎず少なすぎないようにしましょう。
分量が少ないと応募へのやる気が感じられないと思われたり、内容が具体性に欠けてしまったりとあなたの魅力が十分に伝わらない可能性があります。
また、多すぎるのも相手にとって負担になるうえ内容にまとまりがないと思われてしまう可能性があるので注意しましょう。
具体的な職務経歴書の書き方についてはCareer Theoryの以下の記事も参考にしてみてください。
◆職務経歴書の詳しい書き方・テンプレートはこちらの記事をチェック
10-2.転職理由にキャリアアップや学びたいは通用しない
転職理由にキャリアアップや学びたいと意欲をアピールするのは若い世代では有効ですが、35歳の転職ではあまり効果的とは言えません。
経験が少なく伸びしろがある20代や30代前半は、意欲をアピールすることでポテンシャルがあると思われプラスに働くケースもあります。
しかし企業が35歳に求めているのは即戦力なので、若い世代と同じようにアピールしても、効果的とは言えないでしょう。
また企業は若い世代よりも給与が高くなる35歳の教育に、時間もお金もかける余裕がないのが本音です。
35歳の採用は、いち早く結果を出し企業に貢献できる能力があることが前提条件です。
自分の経験やスキルがいかに企業に貢献出来るかをアピールするようにしましょう。
10-3.志望動機を書く時はスキルのアピールに偏りすぎないよう注意
35歳の転職では、経験やスキルで即戦力をアピールすることが大切とお伝えしましたが、志望動機を書く時はスキルのアピールに偏りすぎないように注意しましょう。
志望動機は、「なぜ自分がこの企業で働きたいか」をアピールし、企業に自分が応募にかける熱意を伝えることが最も重要です。
スキルのアピールに偏りすぎていると、読み手に応募先にかける熱意が伝わりづらいだけでなく、傲慢な印象を与えてしまう可能性すらあります。
ただ、熱意をアピールするといっても、魅力に感じた点を書き連ねればいいわけではありません。
自分が次の職場や「働くということ」に求めている要件と、応募先のビジョンや業務内容のマッチしている点について語りましょう。
そのうえで、自分の経験・スキルが応募先にどのように貢献できるのかを伝えるようにしてください。
そうすることで、採用側に、あなたが企業にマッチした人材であるとアピールできるだけでなく、入社後に活躍しそうな人材だと思わせることができるでしょう。
志望動機の書き方について具体的に知りたい方は『職務経歴書で完璧な転職の志望動機を考える3ステップ』を参考にしてみてください。
10-4.書類の折り目やしわにも細かな気配りを
履歴書や職務経歴書、封筒の折り目やしわにも細かな気配りをしましょう。
些細なことですが、きれいな折り目がついている書類と、折り目が曲がっていたりしわが付いていたりする書類では、採用側が受ける印象は変わります。
採用担当者も応募者一人ひとりの書類をじっくり読み込んでいる時間はないため、第一印象が重要になります。
シワがつき折り目が曲がっている書類では、普段のあなたの仕事ぶりも雑な人物だと思われてしまう可能性もあるでしょう。
また、応募先にかけるモチベーションも低いと思われてしまうかもしれません。
マイナスイメージを与える要素を1つでも減らすためにも、提出書類の扱いにも注意しましょう。
10-5.印鑑の押し忘れや日付の記載も忘れずに
基本的なことですが、印鑑の押し忘れや日付の記載漏れ、誤字脱字がないかきちんと確認しましょう。
基本事項が整っていないと、いくら内容が素晴らしい履歴書であっても中身を見てもらえずに選考から外されてしまう可能性があります。
選考の対象になったとしても、「仕事が雑そう」、「ビジネスマナーがなっていなさそう」と懸念されてしまうかもしれません。
また、誤字を訂正する時に二重線と訂正印を押す人がいますが、見栄えが悪くなるうえビジネスマナーとしては適切ではないので、面倒ですが新しい用紙に書き直すようにしてください。
10-6.プロの添削を受けよう
完成させた職務経歴書は、必ず転職のプロであるキャリアアドバイザーに添削を依頼しましょう。
「経歴書の書き方なんてをすでにわかっている」という方もいるかもしれません。
しかし、応募書類は相手(採用担当者)に内容が伝わって初めて意味を成すものです。
プロからの客観的な添削を受けることで1人で書いた文章よりも格段に書類選考通過の可能性を高められるので、必ず応募前にチェックしてもらいましょう。
また職務経歴書は、ただ自分の経歴やスキルを書き連ねればいいというものではありません。
書類選考通過のカギは、企業の求める人材像と応募者のスキル・経験がマッチしているかどうかです。
企業によって求める人材像は異なります。例え同一スキルや経験をアピールする場合でも、個々の応募先に合わせて伝え方を変えていく必要があります。
つまり、他社宛の応募書類に書いた内容の使いまわしは出来ないのです。
地震で書いた内容が各企業のニーズにマッチしているかどうかを客観的に評価してもらうためにも、プロの目線でアドバイスをもらうことが有用です。
さらに、転職のプロであるキャリアアドバイザーの添削を受けることで、自分では見落としていた価値のある経験を見つけられるケースもあります。
キャリアアドバイザーはあなたとの面談や書類添削を通じて、あなた自身では気づいていない強みを引きだしてくれる可能性があります。
自分にとっては何気ない業務や経験が、応募先の企業にとっては高く評価できるものだったというケースも意外とあるため、そういった強みを見落とさないためにも、プロのアドバイスを受けることは重要です。
【補足】面接が決まったら身だしなみにも気をつけて
書類選考を通過して面接が決まったら、服装や髪型にも気を配ってから挑みましょう。
外見だけで内定が決まることはないものの、第一印象は面接官に人材としての魅力を感じてもらう上で非常に重要です。
35歳ならではの落ち着いた雰囲気と清潔感を意識して服装選びをしましょう。
転職活動の基本は、スーツスタイルです。古すぎるものやサイズが合わないものは、新調したほうが良いでしょう。
また、「自由な服装で」と言われたときもジャケットを着用した方が無難です。
服装以外にも、女性の場合ナチュラルメイクを心がけ髪はまとめる、男性はひげを剃り髪は短く切るなど、おしゃれさではなくとにかく清潔感を意識してください。
11.35歳におすすめの転職エージェント
35歳の方がエージェントを使って転職を成功させる方法は、信頼できるエージェントに登録することです。
大手で求人数も多く、35歳の転職も成功させている転職エージェントをご紹介します。
また求人数をさらに多く集めるために、転職サイトでの求人チェックも同時に行うと良いでしょう。
まず35歳が登録しておくべきエージェントを紹介し、次にハイキャリアや管理職の人向けのエージェントを紹介します。
11-1. 35歳がまず登録すべき転職エージェント3選
35歳の転職では、基本的にキャリアに自信のある人や明確な強みのある人でないと転職は厳しいです。
そのため35歳が転職で成功するには、とにかく求人数を集めて、数多く応募していくことがコツになります。
求人数が多く信頼できる転職エージェントにはできる限り登録し、担当のコンサルタントと良好な関係を築くのが重要なポイントです。
ちなみに「35歳に強い転職エージェントはいないの?」とよく聞かれますが、35歳に特化したサービスは残念ながら聞いたことがありません。
35歳以上に特化したリクルート系列の転職エージェントもありましたが、採算が合わず撤退しました。以上を踏まえて35歳がまず登録すべきおすすめの3社を紹介します。
←スマホの方は左右にスクロールできます→
公開求人数 | サポート体制 | 提案力 | |
リクルートエージェント | ◎ (約37万件) |
◎ 対面あり |
〇 3.3 |
doda | ◎ (約18.8万件) |
◎ 対面あり |
◎ 4.0 |
マイナビエージェント | 〇 (約6.3万件) |
◎ 対面あり |
〇 3.8 |
2023年10月6日時点
リクルートエージェント|求人量圧倒的No.1
『リクルートエージェント』は、求人数No.1の総合転職エージェントです。
公開求人は約37万件、登録者のみ閲覧できる「非公開求人」を合わせると約62万件以上の求人を扱っています(2023年4月7日時点)。
業界最大の転職支援実績があり(厚労省「人材サービス総合サイト」より2019年実績)、サポートも充実しているので、転職を検討しているなら必ず登録すべき1社です。
転職成功率を上げるには、『dodaエージェント』や、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
◆補足:リクルートが運営している関連サービス
- リクルートダイレクトスカウト(年収700万円ある人向け)
- リクルートエージェントIT(エンジニア向け)
なお、リクルートエージェントの詳細な評判や口コミは、以下の記事を参考にしてくださいね。
doda|顧客満足度No.1
なお、JAC Recruitmentのメリットやデメリットについて以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
ランスタッド|年収800万円以上の外資求人豊富
『ランスタッド』は、オランダに本社を置き、世界39カ国で人材ビジネスを展開する世界最大級の外資系転職エージェントです。
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※ランスタッドでは、IT企業の転職に特化したエージェントサービスも行っています。IT業界志望者はこちらを利用してみてください。
なお、以下の記事ではランスタッドの評判を500人の口コミからまとめています。年収800万円以上の外資系求人に興味がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
パソナキャリア|年収500万円から高年収を目指すなら
『パソナキャリア(ハイクラス向け)』は、大手人材サービス会社「パソナグループ」が運営するハイクラス向け転職エージェントです。
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なにより、注目すべきなのが利用者満足度の高さです。
2019〜2022年オリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門において、4年連続総合1位を獲得し、実績と信頼を兼ね揃えたサービスであることは疑いようがありません。
CareerTheory編集部が行ったアンケート調査でも、「満足のいく転職ができた」「サポートがよかった」という声が多く寄せられています。
「なるべく多くのハイクラス求人を見比べたい」「サポート体制が整った転職エージェントを探している」とお考えの方は、『パソナキャリア(ハイクラス)』をぜひ利用してください。
なお、パソナキャリアを使う詳細なメリットや注意点については、以下の記事を参考にしてください。
ヘッドハンティング型転職エージェントで使うべき2社
求人の 質・量 |
提案力 | |
ビズリーチ | ◎ 4.0 |
〇 3.7 |
リクルートダイレクトスカウト | 〇 3.5 |
〇 3.6 |
ビズリーチ
『ビズリーチ』は、管理職・専門職などのハイクラス向け求人に特化したヘッドハンティング型転職サイトです。
企業の求人掲載、求職者の登録の双方に事前審査が行われることにより、質の高いマッチングを実現しているのが特徴です。
基本的な検索サービスなどは無料で利用できますが、求人応募やプラチナスカウトの受信などの機能は有料会員への登録が必要となります。
- タレント会員
年収750万円未満の方対象 / 月額3,278円(税込) - ハイクラス会員
年収750万円以上の方対象 / 月額5,478円(税込)
月額課金制の転職サイトは業界でも珍しく、利用をためらってしまう人もいるかもしれませんが、その分質の高い求人が揃っているので、「本気で転職したい」と考える方に特におすすめです。
公式サイト:
https://bizreach.jp/
なお、ビズリーチの良い口コミや良くない口コミについては、以下の記事をご覧くださいね。
リクルートダイレクトスカウト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス向けのヘッドハンティング型転職サイトです。
ハイクラス求人の検索はもちろん、レベルの高いコンサルタント(ヘッドハンター)を選んで相談をすることもできます。
レジュメを登録しておけば、それを見たヘッドハンターから好条件のスカウトをもらうことも可能です。
また、総求人は118,653件と選択肢も多いので、高年収を狙う方であればすべての方におすすめできる転職サービスといえます。
レジュメ登録後はスカウトを待つだけで良いので、「時間をかけて高年収の仕事を見つけたい」という方におすすめです。
なお、リクルートダイレクトスカウトの上手な活用方法については、以下の記事を参考にしてくださいね。
12.転職エージェントを使う際に注意すべき5つのポイント
この章では、知らないと損する絶対に注意すべき5つのポイントを解説します。
特に35歳の方はチャンスが限られる分、転職エージェントと上手に付き合い、最大限使う必要があります。
そのため、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 12-1. エージェントに登録後は、2週間に1回くらい連絡を入れておく
- 12-2. 担当コンサルタントが合わなければ遠慮なく変更する
- 12-3. 経歴やスキルに嘘をつかない
- 12-4. 推薦文は必ず確認する
- 12-5. 同じ案件に複数のコンサルタントから応募しない
12-1. エージェントに登録後は、2週間に1回くらい連絡を入れておく
転職エージェントに登録後は、2週間に1度を目安にこまめに担当とコンタクトを取りましょう。
転職エージェントは、企業から依頼を受けるとデータベースの中から条件を絞り応募者を探していくのですが、この時の表示順番が「更新日」(=最後にコンタクトを取った日)なのです。
「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されるので、連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります。
例えば、上記は「年齢30歳以下、転職回数1回以下、勤続年数2年以上、TOEIC780以上の営業」で検索した結果です。
実務的な処理としては、更新日が新しい順番に20人ずつメールを送って反応をみて、応募者がいなければ次の20人へ、といったように送信していきます。
更新日が古いと、いくら条件が良くても機械的に後回しになってしまう場合があるのです。
12-2. 担当コンサルタントが合わなければ遠慮なく変更する
担当コンサルタントに情をうつしてはいけません。担当変更はさほど問題ではないため、性格が合わない、知識が不足しているなど不満があれば変えてもらいましょう。
担当変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。
担当変更メール文面例
いつも大変お世話になっております。
現在転職の支援をして頂いている○○と申します。
現在、ご担当者の○○様には大変丁寧にご対応頂いており感謝をしておりますが、
転職活動が初めてで不安が大きく、他の方のご意見も是非お伺いしたいです。
もし可能であれば、現在志望しております○○業界に詳しいコンサルタントの方と
一度お話をしたく考えております。
大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
12-3. 経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについては申し出をしない限りは情報が残るので、経歴やスキルに嘘をつかないようにしましょう。
コンサルタントでよく話題にあがるのが、3年前の登録情報と今回とで登録情報が違うという話です。
この場合、虚偽報告をするリスキーな人材として紹介する案件を限るなどの判断がくだされてしまいます。
12-4. 推薦文は必ず確認する
担当コンサルタントが書いた推薦文は必ず確認しましょう。
企業の採用担当者は推薦文に高確率で目を通しています。
本来なら書類審査で落とす対象であっても、信頼できるコンサルタントの推薦文を見て面接に進むというケースもあります。
逆に、不適当な推薦文の場合、自社に合っていないと書類選考を落とされたり、面接まで進めても質疑応答に矛盾が生じてしまったりと、あなたに不利益が生じる可能性があります。
ほとんどの場合、コンサルタントはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書きますが、あまり優秀ではないコンサルタントの場合は経歴をそのまま写すだけなどひどいケースがあります。
そこで「面接時に相違があると困るのと、客観的に今一度自分を見直したいため、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」と一声かけましょう。
12-5. 同じ案件に複数のコンサルタントから応募しない
数社の転職サイトを使っている場合、同じ案件には複数のコンサルタントから応募しないようにしましょう。
企業から「他の転職サイトからも応募があるんだけど」と担当に連絡がいってしまいます。
企業・担当コンサルタント両者に不信感を与え、場合によっては破談となり、企業に再度応募することはもちろん、その転職エージェントから案件を紹介してもらえなくなるでしょう。
なお、転職エージェントを掛け持ちして利用する際の注意点やうまく使うコツは、以下の記事を参考にしてくださいね。
13.35歳が必ず登録しておきたい転職サイト5選
35歳での転職を成功させるためには、転職エージェントだけでなく、転職サイトにも合わせて登録し、とにかく求人情報を多くキャッチすることが大切です。
両タイプとも信用できて求人数の多いサイトに登録することが重要です。
求人数も多く、転職成功者の多くが利用する信用できるサイトだけをご紹介します。
35歳におすすめの5サイトは以下の通りです。
←左右にスクロールできます→
公開求人数 | サポート体制 | 提案力 | |
リクナビNEXT | ◎ (約53,000件) |
– なし |
– なし |
doda | ◎ (約188,000件) |
– なし |
– なし |
Green | 〇 (約28,000件) |
– なし |
– なし |
@Type | 〇 (約2,600件) |
– なし |
– なし |
日経転職版 | ◎ (約74,000件) |
– なし |
– なし |
2023年10月時点
※転職サイトは、自分で求人を選んで直接企業へ応募するので、サポート体制&提案力は「なし」としています。
薬剤師や看護師といった専門職を対象とする求人情報や、医療施設のような一般企業とは異なる業態の事業者からの求人は、
大手総合系の求人広告サイトにはあまり掲載されない傾向にあります。
特に薬剤師・意思は人材の需要も高いこから、薬剤師転職・看護師転職を専門に扱う職種特化型の転職サイト(求人サイト)が存在します。
それらを詳しくまとめた「薬剤師が使うべき転職サイト6選」「看護師が使うべき転職サイト8選」をチェックしてみましょう。
13-1. リクナビNEXT
『リクナビNEXT』は、転職業界最大手のリクルートが運営する求人型サイトです。
求人件数も首位で(具体的な数値は非公開)、会員数については約1,200万人、2番手が800万前後と言われていますから、国内での優位性は圧倒的No.1です。
年収600万円を超えるようなハイクラス人材であれば、『リクルートダイレクトスカウト』がおすすめですが、年収600万円に満たない方であれば、すべての人におすすめできる転職サイトです。
公式サイトから登録する:
https://next.rikunabi.com/
13-2. doda
『doda』は、20万件以上の求人を保有している転職サイトです(2023年3月時点、非公開求人を含む)。
顧客満足度No.1(2023年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント20代 第1位)を誇り、幅広い職種に対応しています。良い求人が見つかりにくい地方の転職にも向いています。
なお、dodaはエージェントサービスも提供しており、転職のプロからのアドバイスを受けながら転職活動をしたい方は『dodaエージェント』がおすすめです。
13-3. Green
『Green』は、IT・WEB業界に特化した転職サイトです。
エンジニア・プログラマー求人は、常時2万件以上掲載されています。
企業の求人ページは写真が豊富で社内の雰囲気が分かりやすいのが特徴です。
登録者限定で、人事担当者から直接スカウトが来る機能もあります。また「気になる」ボタンを押し、企業側もあなたのプロフィールに興味を持った場合カジュアル面談(面接ではない気軽な面談)を実施できます。
「まずは色んな企業の求人を見てみたい」方におすすめです。
公式サイト
https://www.green-japan.com/
13-4. @type
『@type』は、東証一部上場の株式会社キャリアデザインセンターサイトが運営する求人型サイトです。求人数はもちろん、サイトの操作性が非常に高くリクナビNEXTと同様の人気度です。
13-5. 日経転職版
『日経転職版』は、日経新聞社グループの日経HRが運営する求人型サイトです。日経新聞という大きなブランドがあるため企業側からの信頼度がとても高く、幅広い業界の大手企業・有名企業の求人が多いです。
14.35歳の転職に関するよくある質問
ここでは、35歳の転職についてよく聞かれる質問に回答します。
14-1.35歳の転職が厳しいって本当?
厳しくありません。マイナビ転職動向調査(2023年版)によると、2021年の30代の転職率は8.7ptであり、前年比2.8ptアップ、2016年比では3.7ptアップしていることから、年々30代の転職者は増加していることがわかります。
「35歳限界説という言葉があるとおり、転職するのは無理なのでは」と心配している人が多いですが、今やそれぞれの業界で転職は当たり前となりつつあります。
転職に興味があるなら、最初から諦めずに、情報収集したり転職エージェントに登録したりして、行動に移してみてくださいね。
14-2.35歳の転職で年収アップは可能?
可能です。実際、転職した男性30代のうち41.5%が年収アップを実現させています。(マイナビキャリアリサーチLab)
あなたの実績やスキルをしっかりアピールできれば、今よりも高年収な職に就けますよ。
14-3.35歳未経験・スキルなしでも違う職種・業種に転職できる?
転職できますが、あなたのスキルや経験を新しい仕事でどのように活かすのか説明できることが大切です。
20代のポテンシャル採用と違って、35歳の転職では即戦力採用であることが一般的です。
未経験の職種・業種になぜ転職したいのか、どう活躍したいのか説得力を持ってアピールできれば、企業から内定をもらえる可能性は高まるでしょう。
15.35歳の転職事情のまとめ
今回は、35歳の転職事情について解説しました。
35歳の転職事情
- 年収アップさせている人が4割
- 約半数が3ヶ月以内に転職出来ている
- 約4割は仕事内容やスキル、約2割が賃金以外の労働条件で転職先を選んでいる
この数値だけを見ると、なんとかなりそうなイメージです。
その一方で、
- 一気に求人数が減る
- ポテンシャル採用が終わり採用基準が高くなる
- 新環境・職場への適応力が低く見られがち
このような事情もあり、高い専門性やマネジメント経験がある人材でなければ、転職成功は難しいと覚悟しておいた方が良いでしょう。
また、35歳の転職は若い世代のようにやり直しはききません。
迷っているのなら、まずは退職せずに解決する方法はないか考えてみてください。
もし、転職を視野にいれるのなら、転職先に求めるものを明確にし、キャリアの棚卸しや自分の市場価値を確認したうえで慎重に考えて行動しましょう。
すでに転職を決意した方は、おすすめの転職エージェント・サイトを有効活用してみてください。
35歳におすすめの転職エージェントは以下の通りです。
35歳がまず登録すべき転職エージェント3選
総合転職エージェントで使うべき3社
ヘッドハンティング型転職エージェントで使うべき2社
また、転職エージェントと合わせて、以下の転職サイトの登録も推奨します。
あなたの転職が成功することを、心より祈っています。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
転職活動をするも、なかなか転職先が決まらず、ようやく1社から内定が出ました。
前の会社は人間関係が悪く、とにかく早く辞めたいと思っていました。条件には問題がなかったため、すぐに入社を決意しました。
ところが実際に働いてみると、みなし残業で長時間労働、緊急対応で夜勤も月に数回あります。
30代のうちに転職すればまだ間に合うかも…と思いつつ、また失敗するのが怖く、動けずにいます。