- 「通関士の転職事情について知りたい」
- 「貿易業界はコロナの影響が大きいのだろうか」
と考えていませんか?
結論から言いますと、コロナ禍で輸入・貿易業は大きな打撃を受けており、特にアメリカ・ヨーロッパ圏との貿易量は減っています。(11月の貿易輸入額は前年比-11%)
その結果、通関士の求人は少なくなっているというのが現状です。
通関士の転職を検討している方は、入念な情報収集を行った上で、転職すべきかどうかの判断を下さなければなりません。
そこで、この記事ではキャリアカウンセラーとして多くの通関士転職をサポートしてきた私が、通関士の転職をする上で重要なポイントを、以下の流れでお伝えしていきます。
- 通関士転職を成功させるために押さえておきたいポイント
- 【未経験】通関士転職をする前に知っておきたい基礎知識
- 通関士転職を成功させたいならエージェントの利用がおすすめ
- 【条件別】通関士におすすめの転職エージェント
- 転職エージェントをより効果的に利用する7ポイント
- 【図解】転職エージェント利用の流れ
この記事を読めば、通関士転職に必要なスキルを知ることができ、有利に転職活動を進めることができるようになるでしょう。
目次
1.通関士転職を成功させるために押さえておきたいポイント
通関士の転職を成功させるために押さえておきたいポイントについて解説します。
順に見ていきましょう。
1-1.【コロナ禍】通関士の求人は減少中
通関士転職の現状として、新型コロナウイルス感染症の影響で求人数が減っています。
というのも、2020年10月時点の輸出入額は共にマイナスとなっており、通関士の業務量は減少傾向だからです。
出典:「財務省貿易統計」
実際にこの影響で、大手転職サービスの『リクルートエージェント』や『doda』でも通関士の公開求人はわずか数十件程度となっています。
国を横断した物流が縮小しており、かつ回復の見込めない2020年時点において、通関士の転職は慎重に考えるべきでしょう。
1-2.実務経験があるほど転職しやすい
通関士として実務経験があれば、転職自体は有利に進められます。
通関士は合格率が低く(10~20%ほど)、資格保有者も少ないため、目安として5年以上の実務経験があれば、転職しやすいと言えます。
1-3.高年収を目指すなら通関士の資格を活かせる業種に転職する
高年収を目指す場合は、通関士の資格を活かして他業種に転職することをおすすめします。
通関士が活躍する業種は主に以下の3つがあります。
- 関業者
通関業務を生業としている会社。
通関書類の作成が主な仕事であり、デスクワークが多い。 - フォワーダー
別名「貨物利用運送事業者」と呼ぶ。
商品を海外に販売したい企業に、運送サービスを提供する国際物流の仲介役。 - 商社/メーカー
商社やメーカーの貿易を、通関士としてビジネス面からサポートする。
以下の表で、貿易業界の平均年収を比較したので、参考にしてみてください。
職種 | 平均年収 |
貿易事務 | 440万円 |
航空会社事務職 | 500万円 |
通関業者 | 540万円 |
フォワーダー | 550万円 |
倉庫会社 | 610万円 |
メーカー | 620万円 |
海運会社 | 700万円 |
商社 | 1,140万円 |
この表のように、商社・メーカーで働く場合は通関士の資格を活かして、高年収を狙えます。
1-4. 通関士としてのキャリアアップには学習が必須
転職して年収を上げるやり方もありますが、通関士として長期的にキャリアを高めていきたいのであれば勉強は必須です。
まだ資格を取得していない方は、まずは資格取得を目標にして学習することをおすすめします。
実際に学習しながら仕事をすることで、理解も早まるでしょう。
なお、通関士試験対策や通関士養成講座を受けたい方は以下のサイトが役に立ちます。
- 通関士.COM
https://tsukanshi.com/
- 通関士ポータル
https://www.kanzei.or.jp/tsukanshi/
2.【未経験】通関士転職をする前に知っておきたい基礎知識
未経験で通関士転職を考えている方に必要な基礎知識を、以下の順で説明していきます。
それでは見ていきましょう。
2-1.通関士の業務内容
通関士の主な業務内容は以下のようになっています。
順に説明していきます。
(1)通関書類の作成
通関士のメインの仕事で、依頼者の代行で通関書類を作成します。
通関書類とは、通関士が税関に提出する書類で、「輸出申告書」「輸入(納税)申告書」「仕入書(インボイス)」「船荷証券または海上運送状」などがあります。
通関書類に誤りがあると、取引に遅れが生じ、トラブルにつながる可能性もあるため、正確さが求められる仕事です。
(2)通関手続き
品目の審査を行い、税関から輸出入の許可を受ける手続きです。
輸入・輸出に関係する取引書類の確認や、輸出品の分類、輸出入品目が規制や法令に違反していないか、関税・消費税などを徴収すべきかなどの判断を行います。
(3)不服申し立て
不服申立てとは、「関税法およびその他関税に関する法律のもと、税関長が行った処分などにより権利や利益が侵害された人を救済するための制度」です。
申請した書類が税関から許可が下りなかった場合、通関士が依頼者の代わりに不服申し立てをすることがあります。
2-2.通関士に求められるスキル
通関士には、主に3つのスキルが必要とされています。
順に見ていきましょう。
通関士資格
通関士として働くうえで、通関士資格は必須です。
通関士試験は財務省関税局が管轄しており、毎年7月下旬~8月上旬に出願、10月上旬に試験が行われています。
受験料として3,000円かかるものの、特別な受験資格はないため、誰でも受験することができます。
試験内容は以下のようになっています。
試験内容(マークシート方式)
- 通関業法:
択一式10問(10点)、選択式10問(35点) - 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
(ただし同法第6章に係る部分に限る):
択一式15問(15点)、選択式15問(45点) - 通関書類の作成要領その他通関手続きの実務:
書類作成2問(20点)
その他手続き・択一式5問(5点)、選択式5問(10点)、計算式5問(10点)
通関士試験科目の一部免除
- 通関事務として通算5年以上勤務した場合、(3)の実務試験を免除。
- 通関事務として通算15年以上勤務した場合、(2)と(3)の試験を免除。
合格基準の目安として、各分野でそれぞれ60%以上を得点する必要があり、合格率は10~20%と非常に狭き門です。
【参考:合格率は毎年10~20%】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2016 | 6,997 | 688 | 9.8% |
2017 | 6,535 | 1,392 | 21.3% |
2018 | 6,218 | 905 | 14.6% |
2019 | 6,388 | 878 | 13.7% |
パソコンでの書類作成スキル
通関士のメイン業務である書類作成において、WordやExcelなどのMicrosoft Officeを使いこなせなければいけません。
転職前に、事務職などで頻繁に書類作成を行っていた場合、その経験が活かされるでしょう。
出典:「doda」
また、通関士はNACCSという専用のシステムを使って通関業務を行うため、スムーズに作業できるようシステムを理解しておきましょう。
NACCS「輸出入・港湾関連情報処理システム」
- 通関士と税関・輸出入者を相互に繋ぎ、通関業務を処理するオンランシステム。
- 通関士IDからログインして使用する。
読み書きがスムーズにできる語学力
通関業務で扱う書類の多くは英語表記となっているため、英語の読み書きができる必要があります。
しかし実際に英語を話す機会はほとんどなく、書類も定型的な英語表現であるため、それほど高い英語力は必要ありません。
TOEICスコアの目安としては、500点以上ですが、まれに800以上や英語以外の語学力を求める企業もあるので注意が必要です。
出典:「doda」
引用元:通関士.COM
2-3.平均年収は約540万円
通関士の平均年収は約540万円となっています。
以下の表で、通関士の平均年収を年齢別にまとめたので、参考にしてみてください。
年齢 | 通関士 | 全職種平均 |
20歳~29歳 | 290万円~400万円 | 260万円~360万円 |
30歳~39歳 | 370万円~470万円 | 410万円~440万円 |
40歳~49歳 | 420万円~610万円 | 470万円~500万円 |
50歳~59歳 | 540万円~650万円 | 510万円~520万円 |
60歳~65歳 | 340万円~650万円 | 400万円~510万円 |
ただし、表はあくまでも平均であり、通関士の収入は勤める企業や役職等によって変動するので注意しましょう。
例えば、外資系企業や海外勤務の場合は平均600~800万円程度になります。
これは、海外赴任手当・家族手当・危険手当などの手当てが支給されるからです。
通関士としてより高い年収を目指したい場合は、視野に入れておくといいでしょう。
2-4.通関士の転職は若いほど有利になる!
通関士の転職は若いほど有利になります。
その理由としては以下の3点です。
- 法律や通達の変更が多く、柔軟性が求められるため
- 未経験でも、長く経験を積むことが優先されるため
- 品物の知識や言語等、覚える物が多く吸収力が必要になるため
一方、35歳以上になると経験者であることが前提となるため未経験転職は難しくなります。
2-5.まずは通関事務として働くという選択肢もある
まだ資格を取得していない方は、通関業者や商社に転職して通関事務として働くことを考えてみましょう。
というのも、5年以上通関事務として勤務すれば、資格試験の内1科目を免除されるからです。
通関事務として働く間に、資格の勉強をし、貿易業界で経験を積んでおけば、通関士に転職する際に有利となります。
通関事務
- 海外企業との貿易を行う中で、商品の受発注や輸送手配に関る書類の作成など、取引に必要な事務作業全般を担う。
勤務先によって通関事務の仕事内容は様々であり、自分に合った転職先を見つけるためには、情報収集が欠かせません。
企業の詳しい情報を得るためには、転職エージェントを利用することをおすすめします。
3.通関士転職を成功させたいならエージェントの利用がおすすめ
ここまで通関士として働くことについて述べてきましたが、まずは一人で悩まずに転職エージェントを活用することをおすすめします。
その理由は以下3つです。
順にご説明します。
理由1. 最適なキャリア提案をしてくれる
全ての職種には踏むべきステップがありますが、転職エージェントは求職者一人ひとりの要望に合わせたキャリア提案を行ってくれます。
自身の希望条件と、会社の要望を踏まえて「転職のプロ」の視点でアドバイスが無料でもらえるのですから、活用しない手はありません。
この点だけでも、転職エージェントを活用する価値は大いにあると言えるでしょう。
理由2. 独自の非公開求人をもらえる
転職エージェントは、転職サイトや企業採用ページに載っていない通関士の「非公開求人」を大量に保有しており、登録者に紹介しています。
なお、非公開求人は登録者にしか出回りません。
登録しないことで自身の可能性を狭めないためにも、まずは転職エージェントに登録することをおすすめします。
非公開求人とは
事業戦略上などで表立って募集できないが、こっそり人を採用したい企業がエージェントに依頼する求人。
給与やポジションなどがハイグレードであるケースが多い。
理由3. 目指す業界・職種に特化した対策が可能
多くの転職エージェントでは「業界別」「職種別」の対策に力を入れており、その対策によって内定を獲得できた方も数多くいます。
このような対策が行える理由は、転職エージェントが企業選考を熟知して突破するノウハウを多く保有していることにあります。
具体的には、過去どのような人が受かって、落ちたのか、またその時にどのような質問をされて、どのように回答したか、といったデータを保有しており、選考前に教えてくれるのです。
これらのメリットがあるので、転職を考えるすべての方にとって転職エージェントをおすすめしています。
4.【条件別】通関士におすすめの転職エージェント
まずは数ある転職エージェントの中から、以下の3点を基準に、通関士の転職におすすめのエージェントを厳選して紹介します。
転職エージェントを選ぶポイント
- 求人の質・量…優良案件が多く、求人数も十分にある
- 提案力…希望条件に合った求人を紹介してもらえる
- サポート…選考対策や書類管理を丁寧に行ってくれる
通関士の求人数は多くないため、自分にあったエージェントにできるだけ多く登録し、求人情報を集めることが成功のポイントです。
それでは、通関士におすすめの転職エージェントを以下の3つに分けて紹介します。
順に見ていきましょう。
4-1.全ての通関士転職希望者におすすめ
まずは、全ての通関士転職希望者におすすめの転職エージェントを紹介します。
転職エージェント | 通関士の求人 | 提案力 | サポート体制 |
リクルートエージェント | ◎ 40件 |
〇 3.6 |
〇 3.5 |
doda | 〇 27件 |
〇 3.9 |
◎ 4.0 |
通関士キャリア転職 | 非公開 | ◎ 4.0 |
◎ 4.0 |
※求人数は2020年11月時点の外資系求人件数です。
リクルートエージェント|求人数豊富。地方にも強い
『リクルートエージェント』は、求人数No.1の総合転職エージェントです。
公開求人は約37万件、登録者のみ閲覧できる「非公開求人」を合わせると約62万件以上の求人を扱っています(2023年4月7日時点)。
業界最大の転職支援実績があり(厚労省「人材サービス総合サイト」より2019年実績)、サポートも充実しているので、転職を検討しているなら必ず登録すべき1社です。
転職成功率を上げるには、『dodaエージェント』や、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
◆補足:リクルートが運営している関連サービス
- リクルートダイレクトスカウト(年収700万円ある人向け)
- リクルートエージェントIT(エンジニア向け)
doda|人材業界大手の実績あり
『dodaエージェント』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する国内最大級、顧客満足度No.1(2024年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント20代 第1位)を誇る転職エージェントです。
提案力・求人数ともにトップレベルで、かつ「悪い口コミ」も見当たらず、担当者の当たり外れが少ないエージェントだと言われています。
首都圏の20代30代にはもちろん強く、他にも地方での転職や、高齢での転職など、他の転職エージェントで断られるような場合でも、dodaであれば案件が見つかるとの口コミが見受けられたので、『全ての人におすすめできる転職エージェント』と言えます。
通関士キャリア転職 | 通関士のベテランによるサポート
『通関士キャリア転職』は、通関士歴40年のベテランによる通関士・貿易事務専門の求人サイトです。
コンサルタントが通関士の知見を多く保有するため、一人ひとりの面談を通じてミスマッチを防ぐことができます。
また、前職までの強みを活かした転職支援をしてもらえるためキャリアアップも期待できます。
気になった方は、大手総合転職エージェントと合わせて登録してみてください。
通関士.COM公式サイト:
https://tsukanshi.com/
4-2.通関士で高年収・キャリアアップを目指す人におすすめ
次に、通関士で高年収・キャリアアップを目指す人におすすめの転職エージェントを紹介します。
転職エージェント | 求人の質・量 | 提案力 | サポート体制 |
ランスタッド | 〇 29件 |
◎ 4.1 |
〇 3.9 |
ビズリーチ | ◎ 74件 |
〇 3.6 |
〇 3.6 |
CAREERCARVER | △ 13件 |
〇 3.8 |
〇 3.6 |
※求人数は2020年11月時点の外資系求人件数です。
ランスタッド|年収800万円以上の外資求人
『ランスタッド』は、オランダに本社を置き、世界39カ国で人材ビジネスを展開する世界最大級の外資系転職エージェントです。
保有求人全体の約半数が「年収800万円以上」の求人で、中には年収2000万円以上のハイクラスな求人も見つけることができます。S&P500企業からスタートアップまで、求人の幅が広いことも特徴的です。
またランスタッドでしか募集をしていない「独占求人」も多く、特にグローバル企業や外資系企業のハイクラスポジションの仕事を見つけられます。
公式サイト:
https://randstad.co.jp
※ランスタッドでは、IT企業の転職に特化したエージェントサービスも行っています。IT業界志望者はこちらを利用してみてください。
ビズリーチ|CMで話題のヘッドハンティング型サイト
『ビズリーチ』は、管理職・専門職などのハイクラス向け求人に特化したヘッドハンティング型転職サイトです。
企業の求人掲載、求職者の登録の双方に事前審査が行われることにより、質の高いマッチングを実現しているのが特徴です。
基本的な検索サービスなどは無料で利用できますが、求人応募やプラチナスカウトの受信などの機能は有料会員への登録が必要となります。
- タレント会員
年収750万円未満の方対象 / 月額3,278円(税込) - ハイクラス会員
年収750万円以上の方対象 / 月額5,478円(税込)
月額課金制の転職サイトは業界でも珍しく、利用をためらってしまう人もいるかもしれませんが、その分質の高い求人が揃っているので、「本気で転職したい」と考える方に特におすすめです。
公式サイト:
https://bizreach.jp/
CAREERCARVER|リクルート運営のヘッドハンティング型サイト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス向けのヘッドハンティング型転職サイトです。
ハイクラス求人の検索はもちろん、レベルの高いコンサルタント(ヘッドハンター)を選んで相談をすることもできます。
レジュメを登録しておけば、それを見たヘッドハンターから好条件のスカウトをもらうことも可能です。
また、総求人は118,653件と選択肢も多いので、高年収を狙う方であればすべての方におすすめできる転職サービスといえます。
レジュメ登録後はスカウトを待つだけで良いので、「時間をかけて高年収の仕事を見つけたい」という方におすすめです。
5転職エージェントをより効果的に利用する7ポイント
この章では、転職エージェントをより効果的に利用するためのポイントを7つお伝えします。
- スカウトを利用した場合、2週間に1回くらい連絡を入れておく
- 転職時期は最短可能日程で答える
- 相性が合わなければ担当コンサルタントの変更を申し出る
- 経歴やスキルに嘘をつかない
- 推薦文は必ず確認する
- 同じ案件に複数の転職サービスから応募しない
- 紹介された会社の実態を口コミサイト『OpenWork』で調査
せっかく良い転職サービスを選んでも、上手に活用できなければもったいないので必ずチェックしましょう。
Point-1. スカウトを利用した場合、2週間に1回くらい連絡を入れておく
転職サイトは、企業から依頼を受けるとデータベースの中から条件を絞り応募者を探していくのですが、この時の表示順番が「更新日」(=最終接触日)なのです。
「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されるので、連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります。
例えば、上記は「年齢30歳以下、転職回数1回以下、勤続年数2年以上、TOEIC780以上」で検索した結果ですが、実務的な処理としては、更新日が新しい順番に20人ずつメールを送って反応をみて、応募者がいなければ次の20人へ、といったように送信していきます。
更新日が古いと、いくら条件が良くても機械的に後回しになってしまう場合があるのです。
Point-2. 転職時期は最短可能日程で答える
コンサルタントとのファーストコンタクトで必ず「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と聞かれるので、この時には「いいところがあればすぐにでも」と答えるようにしましょう。
そうすればあなたはすぐに売上に繋がると考え、優先順位をあげて対応してくれることでしょう。
※もちろん現職での退職手続きや引継ぎがあるはずなので、その点は伝えておきましょう。
Point-3. 相性が合わなければ担当コンサルタントの変更を申し出る
担当コンサルタントに情をうつしてはいけません。
担当変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。
担当変更メール文面例
いつも大変お世話になっております。現在転職の支援をして頂いている○○と申します。現在、ご担当者の○○様には大変丁寧にご対応頂いており感謝をしておりますが、
転職活動が初めてで不安が大きく、他の方のご意見も是非お伺いしたいです。
もし可能であれば、他のコンサルタントの方と一度お話をしたく考えております。
大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
Point-4. 経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについては、申し出をしない限りは情報が残ります。
コンサルタントでよく話題にあがるのが、「去年の登録情報と今回とで登録情報が違うよ・・・」という話です。
この場合、虚偽報告を行うリスキーな人材として、紹介する案件を絞るなどの判断がくだされます。
Point-5. 推薦文は必ず確認する
ほとんどの場合、担当コンサルタントはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書きます。
そこで「面接時に相違があると困るのと、客観的に今一度自分を見直したいため、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」と一声かけましょう。
Point-6. 同じ案件に複数の転職サービスから応募しない
数社の転職サービスを使っている場合、同じ案件には複数の転職サービス経由で応募しないようにしましょう。
企業から「他の転職サイトからも応募があるんだけど」と担当に連絡がいってしまいます。
企業・担当コンサルタント両者に不信感を与え、場合によっては破談となるリスクさえあります。
Point-7. 紹介された会社の実態を口コミサイト『OpenWork』で調査
転職エージェントも売上がかかっていますから、なんとかしてあなたに転職を決めてもらいたいと考えています。
優良なコンサルタントであれば都合の悪いことを隠したりすることは少ないでしょうが、自衛のために口コミサイトの『OpenWork』を利用して裏をとるようにしましょう。
以下のような口コミが大量に集まっているので、その情報をもとに、社風や雰囲気をあらかじめ予想することができます。
上場企業であればほぼ全ての企業についての口コミが集まっていますので、ぜひ利用してください。
6【図解】転職エージェント利用の流れ
ここまで、転職が有利に進む転職サービスと、その活用ポイントをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
転職エージェントに登録したあとは、特に準備は必要とせず、気軽に身をゆだねれば良いのですが、初めて使う方は不安も多いかと思いますので、登録後何が起こるのかをざっくり把握しておきましょう。
Step 1. まずは公式ページから登録する
それぞれの公式ページから登録を行います。
登録する際は、『転職サービス』なのか『派遣サービス』なのかを確認するようにしてください。
例えば、「パソナ」と検索するとパソナの派遣登録サイトが出てくるように、紛らわしいサービスが複数あるため、登録前にしっかりと確認しましょう。
正社員転職を目指していたのに、知らずのうちに派遣社員の面接を受けていた…ということがないように、十分に注意しましょう。
Step 2. 担当コンサルタントから連絡が来る
登録すると、担当から数日以内に電話かメールで連絡が入ります。
事前に準備などをする必要は全くありませんが、ざっくり下記のようなことを聞かれます。
- 転職希望時期は?
- 希望する職種や業界は?
- 希望年収は?
10分ほどの最低限のヒアリングを受けた後、キャリアカウンセリングのアポイント調整を行います。
※最初からアポイント調整に入る場合もあります。
Step 3. キャリアカウンセリング
あなたが転職エージェントのオフィスに訪問することもあれば、担当コンサルタントが近くまで来てくれることもあります。(近年はコロナの影響により、オンライン面談も積極的に取り入れられています。)
初回面談での話題で多いのは下記のようなテーマです。
- あなたのキャリアの棚卸
- PRポイントの整理
- 転職するべきかどうか
- 転職するとしたらどのような企業に内定をもらえそうか
- どのように職務経歴書を書いたら通過しやすくなるか
- 転職についての要望の深堀
キャリアカウンセリングで気づくことも多く、なるべく多くのコンサルタントに意見をもらえば、考えがまとまっていき、後悔ない転職をすることができるでしょう。
担当コンサルタントとは長い付き合いとなるため、できれば拠点に足を運ぶようにしましょう。
Step 4. 求人紹介を受ける
あなたの希望に合いそうな求人を5件~20件ほど紹介してもらえます。
思ってもないような大手もあれば、今まで知ることのなかった魅力的な中小企業もあるでしょう。
それぞれのエージェントしか扱っていない独占求人もありますので、複数社のエージェントから求人紹介を受けることを推奨します。
Step 5. 履歴書・職務経歴書の添削
応募する企業を決めたら、職務経歴書や履歴書といった選考書類を添削してもらいます。
場合によってはこのためだけに面談を設定してくれたり、何度も書き直しを行ったりしてくれます。
最高の職務経歴書をエージェントと一緒に作り上げていきましょう。
Step 6. 紹介された求人に応募する
選考書類が完成したら、担当コンサルタントが最後に推薦文を添えて企業に応募します。
自分ではなかなか伝えられないあなたの魅力を、担当コンサルタントが企業に伝えてくれます。
求人サイトを使って自力で応募すると、推薦文はもちろん誰も書いてくれませんし、企業への手続きも全部自分でしなければならないため、それに比べると転職エージェント経由は圧倒的に有利です。
Step 7. 面接対策を受ける
応募している企業の面接担当者がどのような質問をして、どのようなタイプの方を好むのか、今持っているスキルのなかで何をPRするべきなのかといったポイントのアドバイスを貰います。
あなたが希望すれば模擬面接を実施してもらえるケースも多いです。
Step 8. 企業との面接を行う
面接の日時設定は担当コンサルタントが全て行ってくれます。
対策してもらったことをフル活用して、力を出し切りましょう。
面接に落ちてしまった場合には、多くの場合、担当コンサルタントが人事担当者からフィードバックを受けているため、次の面接に生かすことができます。
Step 9. 内定と退職サポート
内定が出た後は、担当コンサルタントが給料交渉や入社日の調整を責任を持って行ってくれます。
また、退職手続きについて不安な場合も、上司にどのように報告するかなど転職エージェントであればノウハウを必ず持っていますので、頼ってしまいましょう!
Step 10.退会手続きをする
転職先の内定がもらえたら、転職サイトを退会するのが無難です。
万が一転職後も転職サイトに入会し続けていたら、転職先の人事担当者に見つかってしまうかもしれません。
転職サイトを利用している会社は、転職サイトに登録している人材を「スカウト」機能でチェックしています。
転職先の人事担当者が「スカウト」機能であなたの情報を見つけた場合、「入ったばかりなのに、もう転職しようとしている」と、無用な疑いをかけられるかもしれません。
まとめ
ここまで、通関士の転職について詳しく説明してきましたがいかがでしたか?
通関士への転職をする際には、転職活動のポイントを押さえ、自身の経験にあった企業を選ぶことが重要です。
あなたの目的や現状にあわせて、今回ご紹介したおすすめの転職エージェントから、まずは話を聞いてみてください。
全ての通関士転職希望者におすすめ
通関士で高年収・キャリアアップを目指す人におすすめ
この記事が通関士転職の良いサポートとなることを祈っています。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。