40代薬剤師の平均年収を男女別に紹介!雇用形態別の違いや給与を増やす4ポイント

「40代薬剤師の平均年収ってどれくらい?」とお考えですね。

厚生労働省の調査によると、40代薬剤師の男女別平均年収は、以下の通りです。

40代前半 40代後半
652万円 704万円
578万円 601万円

就業先や都道府県によって若干の差異はあるため、この記事では公的機関が調査したデータをもとに「40代薬剤師の平均年収」を詳しく解説します。

  1. 【男女別】40代薬剤師の平均年収
  2. 【職場・雇用形態・エリア別】薬剤師の平均年収
  3. 薬剤師が年収を上げる4つの方法
  4. 40代薬剤師の年収アップ転職におすすめのサイト

すべてを読めば、自分が周囲と比べてどのくらい稼いでいるのか、おおよその目安が分かります。

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1.【男女別】40代薬剤師の平均年収

再掲となりますが、40代薬剤師の平均年収は以下の通りです。

40代前半 40代後半
652万 704万
578万 601万

参考:賃金構造基本統計調査(2019)

男性でおよそ600万円台後半、女性で500万円台後半が平均年収の目安です。

なお、全職種を含めた40代平均年収と比べると、薬剤師は150~200万円ほど高くなっています。

40代前半 40代後半
薬剤師 652万 704万
全職種平均 482万 515万
薬剤師 578万 601万
全職種平均 411万 419万

参考:賃金構造基本統計調査(2019)

国家資格が必要かつ希少職種である薬剤師は、同世代と比べて市場価値が高くなりやすい仕事と言えます。

補足:女性薬剤師はパート勤務の割合が高いので、平均年収データは低めになる

上記のデータ性別差が生じているのは、女性薬剤師はパート勤務者の割合が高いからです。

上記の年収調査は「正規雇用・非正規雇用を合わせたもの」なので、パート(週数日・数時間のみ勤務)の多い女性薬剤師の全体平均を押し下げる形となり、結果として女性薬剤師の方が平均年収が低く見えるようになります。

非正規雇用薬剤師

引用:厚生労働省『薬剤師に関する基礎資料

薬剤師の年収は基本的に性別による差はありません。

次章では、就業先/雇用形態/エリアの軸で、薬剤師の平均年収についてより詳細に紹介していきます。

2.【職場・雇用形態・エリア別】薬剤師の平均年収

薬剤師の平均年収は、「就業先/雇用形態/都道府県」といった条件によって異なります。

そこでこの章では、以下3つの項目で解説していきます。

それぞれの項目で詳しく見ていきましょう。

2-1.就業先でみると製薬会社が最も高い

就業先別で比較してみると、以下の表のとおりになりました。

就業先 平均年収
製薬会社 543.2万円
ドラッグストア 512.5万円
調剤薬局 488.3万円
病院 434.6万円

マイナビ薬剤師のデータもとに算出

ドラッグストアと製薬会社では、平均年収が500万円を超えているため高収入を狙えます

年収が高い要因は、ドラッグストアの数が増加にともなう人員強化のために、各社で薬剤師が取り合いになっているからです。

また、製薬会社は業績が給与に関係する仕事であるため、高収入を得られる可能性のある就業先なのです。

一方で病院や調剤薬局の平均年収は、400万円~500万円と他の就業先と比べると低いのが現状です。

2-2.派遣薬剤師であれば正社員と同じくらい稼げる

正社員とパート、派遣の3つの雇用形態を比較して見ていきます。

雇用形態 平均年収
正社員 男:678万円
女:590万円
パート 276.1万円
(時給2,538円で換算)
派遣 469.2~704.1万円
(時給2,444~3,688円で換算)

参考:賃金構造基本統計調査のデータを基に算出
※パート:労働日数(月)13.7日、労働時間(日)6.1hとした

正社員とパート、派遣の薬剤師を比べると、派遣薬剤師と正社員の薬剤師では同程度の年収を稼げることがわかります。

派遣薬剤師のなかには、時給4,000円を超える求人もあるため、正社員以上に稼ぐことも可能です。

パートは労働日数が少ないため、年収が276.1万円となり、他の雇用形態と比較すると低くなります。

ただその分、パートでは時短勤務ができるため、自身のライフスタイルと合わせやすいというメリットがあります。

2-3.都心に比べて地方が年収は高い傾向にある

都道府県別で40代薬剤師の平均年収をみると、地方が高めの傾向にあります。

順位 都道府県 平均年収
1 静岡県 922.8万円
2 長野県 910.7万円
3 高知県 848.8万円
4 島根県 826.6万円
5 愛知県 821.7万円
6 青森県 818.7万円
7 秋田県 817.3万円
8 宮城県 806万円
9 三重県 793.3万円
10 山形県 786.1万円
11 神奈川県 770.5万円
12 茨城県 767.1万円
13 広島県 754.7万円
14 宮崎県 752.5万円
15 北海道 748万円
16 福井県 747.2万円
17 滋賀県 744.8万円
18 和歌山県 743.5万円
19 大阪府 738.2万円
20 東京都 731.2万円
21 香川県 723.3万円
22 山口県 711.7万円
23 大分県 710万円
24 千葉県 709.9万円
25 熊本県 709.5万円
26 鹿児島県 709万円
27 富山県 708.2万円
28 福岡県 700.7万円
28 沖縄県 700.7万円
30 岡山県 698.2万円
31 京都府 696.5万円
32 兵庫県 696.1万円
33 鳥取県 693.4万円
34 佐賀県 690.2万円
35 埼玉県 688.4万円
36 栃木県 687.7万円
37 山梨県 675.6万円
38 奈良県 669.3万円
39 岐阜県 664.9万円
40 石川県 653.9万円
41 岩手県 652.6万円
42 福島県 646.1万円
43 群馬県 638.6万円
44 愛媛県 612.5万円
45 新潟県 590.6万円
46 徳島県 586.5万円
47 長崎県 565.6万円

賃金構造基本統計調査を基に算出

上記の表を見ると、東京や首都圏などの都市部に比べて、静岡県や長野県といった地方の年収が高いことがわかります。

地方ほど薬剤師不足になりやすく、需要と供給に差があるからです。

また、同じ都道府県でも薬剤師の充足感にはかなりの差が開くこともあります。

例えば以下は東京都の「人口10万人あたりの薬剤師数」を見てみます。

薬剤師に関する基礎資料

引用:厚生労働省『薬剤師に関する基礎資料

「23区内(特に一番左の中央部)」は全国平均を大幅に上回っており、端的に言うと薬剤師余りの状態になっています。都市部ではありますが、意外と高収入の職場は見つけづらいです。

対して、「23区外(多摩地区など)」は全国平均をかろうじて上回る程度or下回る数値となっており、薬剤師が不足気味です。都市部からやや離れますが、比較的好待遇が期待できます。

このように、同じ都道府県であっても、就業エリアによって薬剤師の充足感は異なり、それによって待遇なども影響する可能性があるので、「とにかく年収を上げたい」という方は、働く場所の条件を柔軟にし、視野を広げて求人を探すと良いでしょう。

ここまで、条件別で40代薬剤師の平均年収について紹介しました。

次章では、薬剤師が年収を上げる4つの方法について紹介していきます。

3.薬剤師が年収を上げる4つの方法

現状で、40代薬剤師の平均年収を下回っており「年収をもう少し上げたい」と考えている方も多いでしょう。

そこでこの章では、薬剤師が年収を上げる方法を4つ解説していきます。

それぞれを詳しく紹介していきます。

3-1.キャリアアップによる給与アップを目指す

もっとも堅実に手取り額を上げる方法は、キャリアアップによって給与をアップさせることです。

薬剤師がキャリアアップする方法として、「管理薬剤師」「エリアマネージャー」役職を目指す道があります。

管理薬剤師

管理薬剤師は、各薬局や店舗に配置される責任者です。

管理薬剤師になる一般的なルートは、今働いている職場で薬剤師として3~5年経験を積んで昇進する方法があります。

特別な資格は不要で、試験などもありません。

職場によって変わりますが、役職手当として3万~5万円の給与アップが見込めます。

関連記事:
≫管理薬剤師になるには|仕事内容や年収、資格について転職のプロが徹底解説

エリアマネージャー

エリアマネージャーは、複数の店舗を管理する仕事です。

管理薬剤師と同様に、特別な資格は不要となります。

薬剤師の知識や調剤スキルだけでなく、中間管理職としてのマネージメントやコミュニケーション能力が求められます。

  • 薬剤師の知識とスキル
  • マネージメント
  • コミュニケーション能力

40代でエリアマネージャーになるケースは少なく、勤務年数や実績があり、経営者から信頼がある薬剤師が選ばれやすいようです。

職場によって変わりますが、役職手当として5万~10万円の給与アップが見込めます。

3-2.薬剤師関連の資格を取得する

資格手当などの制度がある薬剤師の職場では、薬剤師関連の資格を取得することで月々3万~5万円の給与アップが見込めます。

薬剤師の場合、以下の資格の取得がおすすめです。

  • 緩和薬物療法認定薬剤師
    …悪性腫瘍に関する
  • 薬物療法認定薬剤師
    …HIVや感染症、精神科領域
  • 小児薬物法認定薬剤師
    …小児科疾患
  • 漢方薬・生薬認定薬剤師
    …漢方薬や生薬

資格の勉強はスキルとして身に付くため、仕事に活かせる場面も多く、患者さんからの信頼も得られます。

ある程度長期的に学習する意欲があるのであれば、現職にも活かせる資格の勉強をしてみるのもおすすめです。

3-3.大手ドラッグストアへ転職する

薬剤師の職場の中で、ドラッグストア(調剤併設型)は給与が高めに設定されていることが多いです。

ドラッグストア業界は、他社との差別化のためほとんどの大手で調剤併設型の店舗を構えていますが、店舗運営には薬剤師や登録販売者資格保有者が必須で、常に人手が不足しがちになります。

人材確保目的で、大手企業がM&Aや多店舗展開でシェア拡大戦略を進めているケースもあり、中小調剤薬局や病院より好待遇の求人も増えています。

そのため、年収アップを目指すなら大手ドラッグストアへの転職を軸に検討するのもおすすめです。

関連記事
≫薬剤師のドラッグストア転職を成功させる全知識|準備からおすすめ転職サイトまで網羅的に解説

3-4.転職サイトに相談する

年収アップを目指すなら、薬剤師専門転職サイトに相談するのもおすすめです。

ハローワークなどで自分で探す方法もありますが、高年収求人が見つかる確率は低くなります。

というのも、好条件の求人は非公開求人という形で募集されることが多く、転職サイト経由でないと応募できないからです。

非公開求人とは

社名や詳しい勤務地公開されていない求人のこと。高年収・好条件であることが多い。それゆえ一般公開すると応募が殺到し、採用コストがかかる背景があり、非公開扱いになっている。

非公開求人に応募する唯一の方法は、転職サイトに登録して、担当者(キャリアアドバイザー)から紹介してもらうことです。

キャリアアドバイザーに「今年収〇〇万円なのですが、あと50万円アップさせたい」と具体的に伝えることで、希望年収の求人を紹介してもらえます。

転職サイトはこのように「希望条件を伝える→紹介してもらう」という流れなので、自分で求人を検索する必要はありません。また、高年収の職場は当然選考も厳しくなりやすいですが、転職サイト利用者は「応募書類の添削」や「面接の回答例の指南」など、選考対策も行ってくれます。

これらのことから、「年収アップしたいが、具体的にどういう職場を選べばよいか分からない」「選考を突破するコツを知りたい」という方は、転職サイトの利用をおすすめします。

4.40代薬剤師の年収アップ転職におすすめのサイト

数ある転職サイトの中から、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い薬剤師向け転職サイト」をピックアップしました。

転職サイト選定基準

  1. 求人の数
    …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
  2. 利用者満足度(提案&サポート力)
    …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアコンサルタントに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる

利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。

転職サイト 求人数|総合満足度
1位.
薬キャリエージェント
約60,000件|◎4.3
薬剤師さんからの利用満足度No1(※エムスリーキャリア調べ)の転職サイト。求人の質の高さや、丁寧なキャリアヒアリングが高評価
2位.
ファルマスタッフ
約51,000件|○3.9
調剤薬局の求人数・量ともに業界トップクラスの転職サイト。20年以上に渡る転職支援実績があり、サポート力も高い
3位.
マイナビ薬剤師
約46,000件|○3.8
マイナビグループのネットワークを活かした圧倒的な求人数が魅力の転職サイト。地方在住の方もおすすめ

※求人数:2024年5月7日更新

※この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『薬剤師500人が選ぶ転職サイトおすすめ比較!口コミ評判&求人数ランキング』を参考にしてください。

1位.薬キャリエージェント | 総合満足度No1、実績豊富で利用者満足度95%(※エムスリーキャリア調べ)

薬キャリ

『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)

運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。

また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。

業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。

公式サイト:
https://agent.m3career.com/

2位.ファルマスタッフ | 調剤薬局と派遣の求人が豊富

ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。

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薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。

公式サイト:
https://www.38-8931.com/

3位.マイナビ薬剤師 | 親身なサポート体制に高評価

マイナビ薬剤師

※マイナビのプロモーションを含みます。

『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。

マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています

また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。

親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。

公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/

※マイナビのプロモーションを含みます。

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さいごに

今回は「40代薬剤師の平均年収」「薬剤師が年収を上げるポイント」を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

40代薬剤師の平均年収です。

ただ「もう少し年収を上げたい」「高収入を得たい」という方は、今の職場で昇進や資格の取得を狙ったり、大手や地方へ転職したりすることをおすすめします。

大手ドラッグストアや地方への転職を検討する際には、あなたの要望やキャリアに沿ってサポートしてくれる転職サイトのキャリアコンサルタントに相談してみましょう。

あなたの人生が豊かになることを願っています。