【2023年最新版】パート薬剤師の年収|年収を左右する条件、気を付けたい年収の壁、年収アップの方法を徹底解説

「パート薬剤師の年収はどれくらいなの?」
「扶養控除内で働くにはどうしたらいい?」

と思っていませんか。

パート薬剤師の平均時給は2,000円前後ですので、勤務条件によっては正社員並みに稼ぐことも可能です。

とはいえパート勤務の場合、扶養控除のことを考えて働く必要がある方が多いため、いわゆる「年収の壁」についても知識を得ておいたほうが良いでしょう。

この記事では、これまで薬剤師の転職をサポートしてきた私が、パート薬剤師の平均年収や平均時給、「年収の壁」の基礎知識、さらにパート薬剤師として年収アップをさせる方法まで、ご紹介します。

(目次)

  1. パート薬剤師の時給・年収・手取り額|年収を左右する3つの条件を解説
  2. パート薬剤師が気を付けたい「年収の壁」
  3. パート薬剤師がもっと年収をアップさせる方法
  4. パート薬剤師におすすめの転職サイト5選

この記事を読めば、安心してパート薬剤師として職場復帰ができるようになるはずです。

1.パート薬剤師の時給・年収・手取り額|年収を左右する3つの条件を解説

まず初めに、パート薬剤師の時給や年収について解説します。

さらに、パートの年収を左右する3つの条件、パートで働くメリット・デメリットを解説します。

  1. パート薬剤師の年収と手取り額
  2. パート薬剤師の職場別平均時給額

順番に見ていきましょう。

1-1.パート薬剤師の年収と手取り額

一般的なパート薬剤師の時給は、全国平均で1,800円~2,200円程度です。

ここでは時給2,000円と設定し、年収計算しました。

結果は以下の通りです。

・フルタイムで勤務した場合(1日8時間・週5日勤務/1ヶ月20日勤務を想定)

2,000(円)×8(時間)×5(日)×4(週)×12(ヶ月)=384万円(年収)

・時短勤務の場合(1日6時間・週3日勤務/1ヶ月12日勤務を想定)

2,000(円)×6(時間)×3(日)×4(週)×12(ヶ月)=172万円(年収)

・超時短勤務の場合(1日5時間・週2日/1ヶ月8日勤務を想定)

2,000(円)×5(時間)×2(日)×4(週)×12(ヶ月)=96万円(年収)

手取り額の計算方法ですが、一般的に手取りは、総支給金額の75~85%になるといわれており、おおまかな金額を知りたいのであれば、額面(年収)に0.75~0.85を掛ければわかります。

上記の例であれば、手取り額は以下の通りです。

年収384万円の場合/手取り288万円~326万4,000円
年収172万円の場合/手取り129万~146万2,000円
年収96万円の場合/手取り72万~81万6,000円

次にパート薬剤師の年収を決める3つの条件について解説します。

(1).パート薬剤師の年収を決める3つの条件

  1. 働く時間帯
  2. 働く地域
  3. 働く職場
1.働く時間帯

働く時間帯によって時給は変動します。

午後5時以降の勤務であれば、日中の時給の25%増になる店舗もありますし、夜勤の時給はさらにアップするのが普通です。

遅い時間帯に勤務可能であれば、高い収入が望めるでしょう。

2.働く地域

薬剤師は全国どこでも働く場所がありますが、働く地域によって時給に開きがあります。

一般的に同じ職種で比べた場合、地方よりも都市部のほうが時給が高くなることが多いのですが、薬剤師の場合は逆です。

都市部は薬剤師が余っているため時給は低めで、人手不足が深刻な地方では時給が高くなります。

交通の便が悪い地方ほど人手は足りなくなるので時給も上がっていき、時給が3,000円を超える地域もあるのです。

3.働く職場

調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社など、勤務先によって時給は変わります。

年収アップをしたいのであれば、高い時給が望める職場を選ぶようにしましょう。

次章の「1-2.パート薬剤師の職場別平均時給額」で職場ごとの平均時給をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

次にパート勤務と正社員勤務の比較をしてみます。

(2).正社員との比較

パート勤務の場合、正社員よりも年収が下がってしまうことは明らかです。

しかし、パート勤務であっても、時給が高ければ正社員の平均年収を超える収入を得ることは可能です。

正社員と同程度もしくはそれ以上の年収をパート勤務で得るには、

  • 時給3,000円以上
  • フルタイム勤務(1日8時間、週5日勤務は必須)

上記の条件で働く必要があります。

ここでパート薬剤師として働くメリット・デメリットを整理しておきましょう。

メリット デメリット
  • プライベート優先で働ける
  • 仕事と家庭の両立が可能
  • 育児・子育てもできる
  • 残業がない
  • 転勤がない
  • 同じ職場で長く働くことが可能
  • ボーナス・退職金は基本的に出ない
  • シフト状況によっては希望額が稼げない
  • 勤務時間を減らされてしまうこともある
  • 福利厚生がパートは対象外の職場もある

パート勤務は、出産・育児の時期を経て、正社員として薬剤師に復帰するための準備として働きたいママ薬剤師や、家庭を優先したい人、趣味が長期旅行の人など、プライベートな時間を大切にしながら働きたい方に向いています。

次に、職場別の時給をご紹介します。

1-2.パート薬剤師の職場別平均時給額

薬剤師が活躍できる主な職場のパートの平均時給は以下の通りです。

ドラッグストア 1,800~2,700円
調剤薬局 2,000~2,500円
病院(薬局) 1,800~2,000円

出典:マイナビ薬剤師

薬剤師に人気の「製薬会社」は、正社員・派遣・パート全てにおいて求人が少ないです。

2023年10月時点でネット上で調べた結果、パート募集をしていた製薬系企業の時給は「2,500~2,800円」と高額時給でした。

2.パート薬剤師が気を付けたい「年収の壁」

パート薬剤師として働く際に注意したほうがいいことに「年収の壁」があります。

年収の壁とは、税制上や社会保険上の扶養控除を受けられる年収の上限のことで、別の表現にすれば、「税金の壁」です。

年収の壁は複数ありますが、大きく影響が出る壁は下記のとおりです。

  1. 130万円の壁
  2. 150万円の壁
  3. 201万円の壁

それぞれの「年収の壁」を超えるとどうなるか、くわしく見ていきましょう。

2-1.130万円の壁

「130万円の壁」は「社会保険加入の壁」と言えます。

年収が130万円を超えると、配偶者の社会保険上の扶養から外れるので、自分で社会保険などに加入する必要が出てくるのです。

この金額は月々約3万円程度、1年間でおよそ36万円程度の差が生じます。

では、年収130万円を超えないようにするにはどうしたらいいでしょうか?

例)パートの時給2,000円で計算

年収130万円÷12(ヶ月)≒ 月額10万8,300円程度

1ヶ月の上限額は、10万8,300円程度となります。

108,300(円)÷2,000(円)= 54.15(時間)

1ヶ月の勤務時間は、54時間以下にする必要があります。

1ヶ月4週とすると、週に12~13時間程度の勤務が上限になります。

パート薬剤師の平均時給(2,000円)で計算すると、130万円の壁を超えないように働くためには、週12~13時間程度の勤務時間に抑えなければいけません。

非常に短時間の勤務となりますので、希望の就業先に勤務可能かどうか相談する必要があります。

2-2.150万円の壁

年収が150万円を超えると、税制上の扶養から外れ、配偶者特別控除を満額で受けることができなくなります。

これによって、大きく収入が減ることはありませんが、150万円をボーダーに「扶養手当」を設定している企業も多いです。

このため、年収が150万円を超えると、平均して年間約20万円の扶養手当がもらえなくなる恐れがあるので注意が必要となります。

夫・妻の就業先の扶養手当の条件を確認して、150万円以下に抑えたほうがいいのか、それを超えて稼いだ方がいいのかをしっかり検討しましょう。

ちなみに、パート薬剤師(時給2,000円の場合)が年収150万円に抑えるためには、1ヶ月62時間以下、週15時間程度まで勤務時間を抑える必要があります。

2-3.201万円の壁

年収が201万円を超えると、全ての扶養から無条件で外れて、自ら所得税等を納めることになります。

150万円の壁と同じく、税制や社会保険上の大きな収入の変化はありませんが、年収200万円以下を扶養手当の対象としている企業も多く存在します。

201万円の壁についても、150万円の壁と同じく、扶養手当の対象を確認し、いくらまで稼ぐのが一番損がないのか、事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。

なお、パート薬剤師(時給2,000円の場合)が年収を201万円以下に抑えるには、勤務時間を1ヶ月83時間以下、週20時間以下で抑える必要があります。

「年収の壁」まとめ

今までご紹介した3つの壁を超えないように働く目安に、以下のシフト例を参考にしてください。

希望年収 働く時間(シフト例)
130万円未満 週12時間(週2日/1日6時間)
150万円未満 週15時間(週3日/1日5時間)
201万円未満 週20時間(週4日/1日5時間)

※時給2,000円で計算

さらに、「夫もしくは妻の収入が1,120万円以下であるかどうか」等の細かい条件も存在するので、自分の家庭に最適な働き方ができる職場を探している場合は、転職サイトを利用して相談することをおすすめします。

ここまで、パート薬剤師が意識するべき3つの年収の壁と、それを超えないようにする働き方について解説しました。

次章では、パート薬剤師が年収アップをさせる方法についてくわしく解説します。

3.パート薬剤師がもっと年収をアップさせる方法

パート薬剤師が年収をアップさせる方法は以下の3つです。

  1. 今より時給の高い地方に転職する
  2. 平均時給の高い製薬会社に転職する
  3. 転職サイトを利用する

ひとつずつ見ていきましょう。

3-1.今より時給の高い地方に転職する

手っ取り早く年収をアップしたいのであれば、今より時給の高い職場で働くことです。

実は、薬剤師の平均時給や平均年収は他の業界と違って、都市部よりも地方のほうが高めとなっています。

2019年、パート薬剤師の全国平均時給は、2,197円でした。

2019年・薬剤師の都道府県別パートの時給ベストテンは以下になります。

1位 島根県 2,800円
2位 高知県 2,700円
3位 青森県 2,575円
4位 岩手県 2,550円
5位 鳥取県 2,520円
6位 長崎県 2,500円
7位 宮崎県 2,500円
8位 福井県 2,500円
9位 山口県 2,480円
10位 大分県 2,480円

ちなみに東京、愛知、大阪、福岡などの時給は以下になります。

24位 東京 2,214円
30位 愛知 2,188円
31位 大阪 2,186円
43位 福岡 2,029円

データ出典:賃金構造基本統計調査

薬剤師が余っている都市部と異なり、 地方は薬剤師が不足しています。

このため、パート薬剤師の需要が高くなり、高時給となっているのです。

つまり、交通の便が悪い地方ほど人手が足りない状況であるため、時給も上昇する傾向があります。

また、地域によっては時給3,000円以上で募集するケースもありますので、お住まいの近隣県の時給なども確認してみましょう。

3-2.平均時給の高い製薬会社に転職する

製薬会社でのパート勤務は平均時給が高いので、年収アップしたい方におすすめします。

しかし、製薬会社は非常に狭き門となっていて、正社員はもちろんパートや派遣の募集も非常に少ないのが実情です。

土日祝に休める製薬会社を希望するパート薬剤師は多く、たまにパートの求人があれば競争率も非常に高くなります。

どうしても、企業でパート薬剤師がしたいと希望している方は、次の章でご紹介する転職サイトを利用しましょう。

転職サイトには、非公開の求人も多く、製薬会社のパート勤務のようなレアな求人も見つかる可能性が高まるからです。

3-3.転職サイトを利用する

年収アップのための転職を成功させる最大のポイントは転職サイトを利用することです。

補足:転職サイトとは

    一般的な求人サイトと異なり、求職者一人に対してキャリアコンサルタントが担当し、転職活動をサポートしてくれるサービスです。求人の紹介から、面接対策まで、転職活動を総合的に支援してくれます。

パート勤務でも転職サイトを利用できるの?と思うかもしれませんが、雇用形態にかかわらず転職サイトの利用が可能であり、おすすめです。

なぜなら、薬剤師に特化した転職サイトを利用することによって、一般に公開されているよりも条件のいい求人を見つけやすくなるからです。

転職サイトを利用すると、以下のようなメリットがあります。

  • 転職活動に必要なサポートを全て無料で受けられる
  • 自分のキャリアを客観的に見つめ直すことができる
  • 表には出ていない非公開求人を探してきてくれる
  • 面接では伝えきれないあなたの魅力を、人事に別途プッシュしてくれる
  • 面倒な手続きや調整を代理で行ってくれるので手間が減る

転職サイトはあなたの悩みや希望をヒアリングして、適切な求人を紹介してくれます。

もちろん、転職そのものに悩んでいる段階でも利用が可能です。

「できるだけ残業の少ない職場がいい」
「子育てが終わったら正社員になりたい」

といった希望にも、丁寧に対応してくれるでしょう。

次の章では、数ある転職サイトの中から、薬剤師の転職におすすめの会社を厳選して紹介します。

4.パート薬剤師におすすめの転職サイト5選

パート薬剤師の方におすすめの転職サイトを5つ選びました。

下記は、200名の口コミの結果から採点した薬剤師転職サイトの総合ランキングです。

  求人数・質 提案力 サポート力
薬キャリエージェント
4.1

4.3

4.1
マイナビ薬剤師
4.2

4.2

3.7
ファルマスタッフ
3.9

3.8

4.1
ファーマキャリア
4.2

3.4

4.1

リクナビ薬剤師


4.2

3.9

3.4

転職サイトは、担当するキャリアアドバイザーの相性や質が重要ですから、数社登録して面談をしてみて、一番良いと思ったところを活用することをおすすめします。

面談を受けて、最終的に転職をしないことに決めても全く問題ないので、まずは気軽な気持ちで一歩を踏み出してみましょう。

それでは、ひとつずつご紹介します。

1位.薬キャリエージェント|求人数が多く、交渉力が強い転職サイト

薬キャリ

『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)

運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。

また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。

業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。

公式サイト:
https://agent.m3career.com/

2位.マイナビ薬剤師|豊富な求人数と面談の安定感

マイナビ薬剤師

※マイナビのプロモーションを含みます。

『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。

マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています

また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。

親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。

公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/

※マイナビのプロモーションを含みます。

3位.ファルマスタッフ |20代正社員薬剤師から高評価&派遣も対応

ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。

20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。

薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。

公式サイト:
https://www.38-8931.com/

4位.ファーマキャリア |希望に沿った好条件求人を提案

『ファーマキャリア』は、オーダーメイド求人が魅力の転職サイトです。あなたの希望に合わせた好条件求人を、キャリアコンサルタントが厳選して提案してくれます。

求人の数よりも質を重視したい方におすすめです。

また、優秀なキャリアコンサルタントが担当してくれる点も特徴的です。

一人ひとりがより満足のいく転職を実現するために、非常に親身なサポートを実施しています。

公式サイト:
https://pharmacareer.jp

5位.リクナビ薬剤師|優秀なコンサルタント・ドラッグストア求人1位

リクナビ薬剤師

『リクナビ薬剤師』は、人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師を専門に扱ったサイトです。

サービスの規模も大きく、数多くの転職実績があります。

ドラッグストアの求人や、高収入の求人が多い点も特徴です。

また「日本一の人材紹介会社」としてのノウハウが豊富であり、特に優秀なコンサルタントがいるという点も大きな強みです。

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7.さいごに

パート薬剤師の年収は、「働く時間帯」「働く地域」「働く職場」の3つの条件で大きく変わります。

できるだけ高い時給でパート勤務したい、自分のライフスタイルに合わせた働き方がしたいと考えているのであれば、ぜひ下記の転職サイトに登録し、相談してみてください。

あなたの転職活動がうまくいくよう、心から願っています。