【例文】看護師の転職理由を本音で突破する方法|面接で好印象を与える伝え方とは

看護師の中途採用面接を控えつつ、

  • 転職理由を聞かれたらなんて答えれば良いんだろう
  • 人間関係が悪かったからとか言っても良いの?

とお考えですね。

前提として、「前職の悪いところ・不満点」を直接伝えるのは避けてください。理由は以下の2つです。

  • 人や環境のせいにしている(他責思考)ような印象を与えるから
  • ウチの病院も同じように不満を言って辞めるのでは?と思われるから

ただその一方、嘘の退職理由を作り上げるのもNGです。他の回答と矛盾が生じる可能性があるからです。嘘が露呈すれば、不採用に繋がります。

では「転職理由はどう伝えるべきか」の結論を先にお伝えすると、以下の3点を押さえておけば、納得感のある転職理由になります。

伝え方の要点

  • 私は○○という働き方がしたいと考えている
  • しかし前の職場ではそれが実現しなかった
  • その理想の働き方を実現させるために、転職という決断をした

重要なのは「どんな理由を言うか」ではなく「どのように伝えるか」です。この記事では、元看護師で転職コンサルタントの私が、看護師の転職理由の適切な伝え方を例文と一緒に紹介します。

  1. 看護師の本音の退職理由
  2. 看護師の転職理由は「内容」より「伝え方」が大事
  3. 看護師の転職理由の具体的な伝え方【例文で解説】
  4. 看護師の転職理由に関するよくある質問

この記事を読めば、転職理由に磨きがかかり、自信をもって面接に臨むことができるでしょう。

1.看護師の本音の退職理由

厚生労働省の『看護職員就業状況等実態調査結果』をもとに、看護師の退職理由を多い順にまとめました。

看護師の退職理由

ライフステージの変化(結婚・出産)を除くと、人間関係・残業などの理由が上位

ライフステージの変化が退職理由の大半ですが、その一方で、人間関係や労働環境の問題(残業が多い・休暇が取れない)を理由にあげている方も少なくありません。

この中で、採用選考時、以下に該当する理由はありのままを伝えても問題ありません。

そのまま伝えてOK

  • 環境やライフステージの変化(やむを得ない事情)
    出産・育児、結婚、家族の事情、通勤が困難など
  • キャリアアップ
    他の施設への興味など

ですが、それ以外の理由については、冒頭で述べたように「伝え方を工夫」しなければなりません。

要対策

  • 待遇(給料など)の不満
  • 労働環境の問題
  • 人間関係の悩み
  • 仕事内容への不満

次章から、上記のような一見ネガティブな理由をどのように伝えるべきか、その要点を解説していきます。

2.看護師の転職理由は「内容」より「伝え方」が大事

看護師の転職理由は、何を言うかよりも、どのように伝えるかを意識すると、選考通過しやすくなります。

内容自体は、本当の理由で構いません。というよりも、むしろ極力嘘はつかない方がベストです。

2-1.転職理由は「本当の理由」を言うべき理由

転職理由は嘘をつかず、本当の理由を伝えましょう。

嘘の理由は不採用の元だからです。虚偽の内容を作り込んでも、他の回答とのズレがあれば矛盾が生じてしまいます。面接に慣れた採用担当者であれば、発言の不自然さはすぐに見抜かれたり、懸念材料になったりするはずです。

そもそも看護師の職場で、人間関係や労働環境の悩みを抱えるのはごく一般的です。退職のきっかけにネガティブなものが含まれることは、採用担当者も理解しています。

採用面接はお互いの意向(こういう職場で働きたい・こういう人材が欲しい)がマッチするかを判断する場なので、極力「本当の理由を伝える」ようにしましょう。

2-2.不平不満のようなニュアンスにならないような伝え方を徹底する

本当の理由を伝えるとはいえ、その伝え方には細心の注意を払わなければなりません。結論から言うと、「不平不満」のニュアンスにならないように徹底しましょう。

ただ単に前職の不満を述べるだけだと、他責思考(他人のせいにする考え方・性格)な人物と判断されやすいからです。そういった印象を持たれてしまうと、当然ながら採用は遠のきます。

極端な例ですが、「前の職場では誰も教えてくれなかったので、スキルアップできませんでした」「頑張ったのに全然評価してくれませんでした」といったストレートな表現だと、もし前の職場制度に問題があったとしても、印象の悪さの方が際立ってしまいます。

2-3.納得感のある伝え方の原則

転職理由を納得感のあるものにして、かつ悪い印象にならないようにするには、以下の3要素で構成して伝えましょう。

  1. 私は○○という働き方がしたいと考えている
  2. しかし前の職場ではそれが実現しなかった
  3. その理想の働き方を実現させるために、転職という決断をした

「自分が理想とする働き方が前職では実現できなかったから、それを叶えるために退職をした」という論理であれば、納得感のある転職理由になります。

では、具体的にどのような伝え方をすれば良いか、例文を踏まえながら次章で解説していきます。

3.看護師の転職理由の具体的な伝え方【例文で解説】

ほとんどの看護師さんは何かしらに不満があって退職しており、しっかりと対策をすれば面接を乗り切ることは可能です。

この章では理由別に、悪印象にならない転職理由の伝え方をお伝えします。

ご自身に当てはまるところをぜひご覧ください。

3-1.人間関係が悪かった

前職の人間関係に不満があった場合は、あまり詳細は伝えず、他の言葉や理由で言い換えましょう。

ではどう伝えれば良いかというと、「スタッフ間のコミュニケーションが適切・円滑に取れない環境だった」と言い換えるのが最適です。

具体的には、以下のようになります。

【例文:人間関係が悩みで転職】

口コミ・評判

前の職場は、個々人の考えを尊重する職場だったので、ケアのほとんどが、個人の裁量に任されていました。
しかし、そうした環境に身を置くことで、私自身は、周囲と意思疎通を図りながら、チームで仕事をするほうが向いていることに気づきました。特に、看護はチームで共有することで、より質の高いケアを提供できると思っております。
このことから、貴院のように、看護師同士の連携を深めるような取り組みが行われている病院で、チーム看護を学びたいと思い、今回応募させていただきました。

人間関係が原因の場合でも、単純に「前の職場で合わない人がいたので辞めた」と伝えるより、このように「理想の働き方が明確にあるが、前の職場では実現できなかった」と伝えた方が納得感があります。

特に人間関係の悩みは「業務に必要なコミュニケーションが適切に取れない」という状況に陥りやすいので、「スタッフ同士の連携を大切にして、チームとして患者さんに適切な看護ケアを提供したい」という理由であれば、悪印象になることはないでしょう。

人間関係を詳しく伝える必要はない

前職の人間関係を詳しく明かす必要はありません。「上司からのパワハラ」「いじめ」などを詳細に伝えると、どうしても愚痴のようなニュアンスになってしまうからです。

また人間関係の悩みはどの職場でも起こりやすいため、「今のスタッフと合わなかったらウチもすぐ辞めるのでは?」と懸念されてしまいます。

3-2.働き方を変えたい(残業・夜勤・休暇が取れない・人手不足)

勤務時間の超過や夜勤の多さなど、働き方を変えたくて退職する場合、「数字を用いてとにかく具体的に伝える」ことを意識してください。

退職理由では、前職でどのような状況だったのかをとにかく具体的に伝えてください。

採用担当者が採用可否を判断する基準になるからです。

そもそも面接官が転職理由を聞く目的は?

「この人は採用してからすぐに辞めたりしないだろうか」と見極めるためです。

看護師の採用・教育には非常にお金がかかるので、転職に至る経緯を把握し、慎重に判断しています。つまり、前職を辞めた理由を知ることで「ウチも同様の理由で辞めることになりそうか」を見極めているのです。

前職の状況を具体的に伝えることで、採用担当者は「あなたがどのような状況で辞める決断を下したのか」を把握できます。具体的に伝えるポイントは、できるだけ数字を使って説明することです。

【例文:残業の多さが理由で転職】

  • × :「残業が多く、体力的に限界で、転職を決めました」
    →採用担当者「(ウチも残業あるから、またすぐに辞めそうだな…)」
  • 〇 :「残業が毎日4時間以上あり、体力的に限界で、転職を決めました」
    →採用担当者「(ウチも残業あるけど30分程度なので、ハードワークを理由に退職されることはなさそうだな…)」

上記のように、数字を用いて具体的に伝えると、採用担当者もあなたの辞めた状況を理解しやすくなります。

もちろん、「残業が4時間あって体力的に限界でした」と伝えて不採用になることはあります。しかしこれは裏を返せば、「その病院は、残業が同じくらいorそれ以上ある可能性が高い」と推測できます。転職できたとしても、同じような悩みを抱えることになるので、本末転倒ですね。

このような事態にならないためにも、転職理由は具体的に正確に伝えることを意識しましょう。

3-3.やりたい仕事ではなかった

仕事内容に不満があった場合、「入職後にその業務をやりたいと感じた理由」「前職での経験を活かし貴院に貢献する」の2点をアピールできれば理想です。

例えば、「希望していた配属先と異なり、やりたい仕事ではなかった」という不満があり退職した場合は、次のように言い換えることができます。

【例文:やりたい仕事ではなかった】

口コミ・評判

前職の集中治療室での仕事は、看護師資格を取得した当初の私の看護観である「患者様と信頼関係を築きながら看護をすること」とは異なるものでしたが、初めての配属であったので、まずは看護の基本をしっかりと学ぶために、4年間取り組みました。

実際に取り組んでみて、患者様を救うための迅速な対応や、集中治療における技術経験など、多くの学びを得ました。ですが4年間働いてみて、あらためて入職当初に感じていた自身の看護観に沿う看護がしたいと考え、貴院の病棟看護師として働くことを希望しています。前職で得たスキルを活かしながら、患者様が安心して看護を受けられる環境整備と関係性の構築を心がけながら、貴院に貢献していきます。

3-4.職場の制度・あり方に不満があった

職場の制度や仕組みに不満があって辞めた場合、退職を決断するまでに行動したことを具体的に伝えるのも効果的です。分かりやすく言うと、「悩み・不満を解決するために何をしたのか」です。

ただ単に前職の不満を述べるのではなく、「こういうこと試みたが、組織体制上、改善は見込めなかったので辞めました」という伝え方にするだけで、採用担当者の印象は間違いなく変わります。

【例文:残業の多さが理由で転職】

口コミ・評判

前職では、勤務時間内は座る余裕がない状況が続き、残業が当たり前な環境が続いたことで、退職をする方が相次いでいました。そこで、同僚と共に業務改善を目的とした委員会の発足などを提案し、日勤・夜勤の仕事の内容の見直しや、医師や看護助手などのコメディカルスタッフと業務内容の分担などを試みましたが、組織体制上、実現は難しいと退けられました。スタッフが疲弊した環境では、患者さんにとって適切な看護ケアを提供するのは難しいと考えており、現職で働き続けるのは自身の看護観と相反すると思い、この度転職を決断しました

「改善提案したものの、実現はできなかった」と伝えると、他人事ではなく自分事として行動し、その結果として転職という決断をしたという印象になります。

3-5.給与に不満があった

「給与への不満」は、どのように伝えても好印象にはならないので、「組織制度上、能力が正当に評価されない環境だった」と言い換えるのが適切です。

ただし、「ただ評価に不満を言っている」と捉えられかねないので、相応の説得力(例えば、「資格」「継続的なキャリアアップの実績」など)が必要です。

【例文:年功序列の評価制度への不満】

口コミ・評判

前職では急性期病棟に6年間勤務し、看護師としてのスキルや知識、対応力を高めるために努力を続けてきました。しかし、前職では年功序列の風土が強く、急性・重症患者看護の専門看護師の資格を取得しても、評価に反映されることがないうえ、院内でのキャリアアップも叶わない環境でした。

そこで、「クリニカルラダーをもとにしたレベル達成度」や「独自の試験・面接による評価制度」を採用されている貴院への入職を希望しました。前職での急性期病棟での経験を活かしながら、さらに専門性を高め、患者様と貴院に貢献する看護師を目指します。

特に面接では、「評価制度に不満があるのであれば、自分は評価されるだけのことをやっているのか」という点を深掘りされる可能性が高いため、ご自身が前職でどのような働きをし、職場に貢献していたのかを具体的にしておくことが欠かせません。

4.看護師の転職理由に関するよくある質問

この章では、看護師さんの転職理由に関するよくある質問を紹介します。

順番にご紹介します。

Q1.職場を円満に辞めるための伝え方があったら教えてください

職場を円滑に辞めるうえで大切なことは、「上司が納得できる理由であること」です。

具体的には、以下のような内容ならスムーズな退職につながりやすいでしょう。

円満な退職理由の伝え方

  • 子育てや親の介護、配偶者の状況などの家庭の事情
  • キャリアアップのために環境を変えて出直したい
  • 看護師とは違う分野に挑戦してみたい

退職したいという決意のもと、前向きで納得してもらえるような退職理由を用意しておきましょう。

しかし、円満に退職するためとは言え、嘘をつくことはおすすめしません。

なぜなら、看護師として転職する場合、退職後になんらかのつながりで再会するケースもあるからです。

また、たとえ本音であっても不満は口に出さないようにしましょう。

残る側としては良い気はしないですし、最終出社日までの引継ぎに悪影響を及ぼす可能性もあります。

Q2.転職活動は何ヶ月くらいかかりますか?

基本的に3ヶ月程度で考えておくと良いですが、早い人は内定まで3週間~1ヶ月ほどの人もいます。

看護師の転職活動は、以下のステップで進んでいきます。

看護師の転職活動の流れ

  • Step1:事前準備
  • Step2:情報収集
  • Step3:書類作成
  • Step4:応募、面接
  • Step5:内定
  • Step6:引継ぎ、退職

看護師の転職活動にスピード感がある理由は「多くの医療機関が、面談が1回で終わる」「一般企業よりも選考がスピーディーであること」の2点です。

ただ、在職中の場合、内定が出れば必ずしもすぐに転職できるというわけではなく、退職準備や引継ぎの期間も必要となります。

転職は迷うことも多いですが、転職のプロに相談することで、ご自身の状況に合わせたサポートを受けられるため、ぜひ活用してみてください。

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Q3.退職するには、辞める何ヶ月前に言えば良いですか?

勤務先によって異なりますが、多くの医療機関は1ヶ月前までの申告が必要です。

法律上は14日前までの申告で問題はありませんが、きちんと引継をし円満退職するためにも、遅くとも1ヶ月前までに退職希望日と合わせて上司に伝えるようにしましょう。

また、就業規則に何ヶ月前までに申告が必要か明記されていることもあるため、併せて確認することをおすすめします。

Q4.上司に退職を引き留められていて、辞められません

まずお伝えしたいのは、絶対に辞められない職場はありません。

ただ実際には、退職希望を出しても、「退職の許可が下りずに辞められない…」と悩む方は非常に多いです。

「退職」は労働者の権利

  • 無期雇用の場合、退職の意思表示をしてから2週間で退職できる。(民法627条)
  • 有期雇用(契約社員・アルバイト)の契約期間が1年を超える場合、1年目を経過した後は退職可能。(労働基準法137条)
  • 雇用期間が定められていても、やむを得ない理由があれば、雇用契約を解除できる。(民法628条)

退職したいと相談したら強い引き留めにあったり、退職は許可されても人員不足を理由に退職日を3ヶ月後に先延ばしにされたりと、様々なケースがあります。

そのような引き留めに合ったときは、まずは以前よりも強気に退職する旨を伝えてみて、それでも話が進まなければ、直属の看護部長ではなく、人事部や総務部への相談がおすすめです。

また、「労働基準監査官に相談しに行きます」と伝えると、許可が出るケースもあります。

Q5.奨学金が残っているのですが、退職できますか?

結論、奨学金の返済期間を満了しなくても退職はできます。また、奨学金の未完済を理由に引き止めを行うことはできません。

看護師奨学金制度とは

看護師奨学金制度とは、月額約3万円を受け取りながら看護学校に通うことができる制度で、東京都の場合、卒業後は指定の施設で5年間看護業務に従事することで、返済が免除となります。

参考:東京看護師等修学資金貸与制度

とても便利な制度ですが、看護師を辞めたいと申し出た場合に『奨学金を返還するように』と言われるケースがあるのです。

そもそも、労働基準法第16条では、契約期間を満了しないからという理由で、違約金や損害賠償を予定する契約を結んではいけないという規定があります。

賠償予定の禁止 (第十六条)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

出典:労働基準法第16条

ただし、退職できたとしても奨学金の返済は必要となりますので、返済計画を提示するなどの対応は必要となります。

さいごに

受かる転職理由のための、ポイントや例文をご紹介してきました。

転職理由では嘘をつかず、伝え方を工夫することが大切です。ご紹介した例文を参考に、ご自身だけの転職理由を考え、自信をもって面接官に伝えてみてください。

あなたの人生がより明るくなることを願っています。