今すぐ派遣を辞めたい!契約期間中・入ったばかりでも退職できる理由とは

派遣 辞めたい

「派遣の仕事、今すぐ辞めたい」「でも契約期間中だと無理だよね」と悩んでいませんか?

派遣は原則、契約期間中の退職はできません。新しい職場に入ったばかりなら、最初の更新まで待って、そのタイミングで辞めるのがベストです。

ただ、どうしても続けられそうにない・今すぐ辞めたい場合、派遣会社の担当者に事情を話して、やむを得ないと判断されれば契約期間中でも辞められます。

この記事では、派遣のプロとしてこれまで派遣社員の悩みを解決してきた私が、今すぐ派遣を辞める方法について詳しく説明します。

  1. 派遣は「やむを得ない事情があれば」契約期間中・更新前でも辞められる
  2. 辞めたいと思ったらまずは派遣会社の担当者に相談
  3. 厳禁!派遣を辞めたいと思った時のNG行動
  4. 派遣を辞めたいよくある悩みと対処法【次の更新までやり過ごす方法】
  5. 契約更新しないなら、1ヶ月前までに伝えておく
  6. 派遣を辞めた場合のお金の不安・疑問を解決
  7. 【働きやすい職場を見つけるなら】登録するべき派遣会社を紹介

この記事を読めば、今の派遣先を辞めるには何をすれば良いか分かります。

1. 派遣は「やむを得ない事情があれば」契約期間中・更新前でも辞められる

派遣の仕事を辞める場合は、「派遣会社に次回更新はしない旨を伝える→契約終了で退職」の流れが基本です。原則として契約期間中の退職はできません。

しかし、「やむを得ない事情」があるなら、契約期間中でも退職できます。

正当な辞めたい理由となる「やむを得ない事情」とは

以下の理由であれば、やむを得ないと判断されやすいです。

家庭の事情

家庭の事情によって、仕事を続けられなくなった場合です。

例えば、

  • 結婚・妊娠を機に退職する
  • 家族の介護をしなければならない
  • 配偶者の転勤で引っ越ししなければならない(急な引っ越し)

などが該当します。

体調不良

体調に伴い、業務の継続が困難な状況になった場合です。

例えば、

  • 身体的なケガ
  • 精神的な病気
  • 持病が悪化
  • 健康状態が悪くなり、静養が必要になった

などがこれに該当します。

体調不良を訴えるスタッフを無理に働かせられないので、比較的スムーズに退職できます。(ただし、派遣会社によっては診断書の提出などを求められるケースがあるようです。)

職場でのハラスメント

派遣先の上司からのハラスメントなど、明らかに企業側に問題がある場合も、退職を認められる理由となります。

パワハラは主観的な概念であり、一概に断定できませんが、例として厚生労働省では「精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定めています。

職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義をしました。

出典:厚生労働省『パワーハラスメントの定義について

この定義を踏まえると、例えば以下のような事例はパワハラに該当すると考えられます。

  • 人格を否定するような発言・暴言
  • 大勢の前で叱責
  • 十分な指導をせず放置
  • 指導の過程で個人の人格を否定するような発言で叱責
  • 物を机にたたきつけるなど威圧的な態度
  • 仕事を割り振らず、プロジェクトから疎外する
  • 十分な指導を行わないまま、過去に経験のない業務に就かせる
  • パートナーや配偶者との関係など、プライベートを必要以上に詮索する

上記のような環境下にいるなら、かなり劣悪な環境であり、契約途中に辞めたいと感じるのもやむを得ないと判断され、退職につながりやすくなります。

補足:「やむを得ない」の定義はかなり曖昧

退職理由をやむを得ない事情と捉えるかどうかは、人によって違い、定義はかなり曖昧です。そのため、辞めたいと思ったら、まずは派遣会社の担当者に相談してみることをおすすめします。

契約途中の退職においてペナルティなどはない

契約を遵守しないと、何かしらの罰則があるのではと思われる方もいるかもしれませんが、その心配は不要です。

実際に労働基準法では、労働者に損害賠償を予定する契約をしてはならないと明記されています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

出典:労働基準法第16条

急な退職により会社の経営に影響するような莫大な損害が生じた場合は、その限りではありませんが、派遣社員(企業にとっては外部スタッフ)にそのような重責な仕事を任せるケースはほぼないでしょう。

注意:その派遣会社からの派遣就労は難しくなることを理解しておく

一つ注意点として、契約期間中の退職をした場合、その派遣会社からの派遣就労は難しくなることを理解しておきましょう。

派遣会社からの信用低下は避けられないからです。「また同じようにすぐ退職する可能性がある」と判断されていまいます。

就業期間に関する情報は、派遣会社内にデータとして残るので、好条件の求人があったとしても紹介してもらえる可能性はほとんどありません。

特に大手派遣会社からの仕事の場合、今後の派遣先探しでかなり不利になります。大手が扱う派遣求人に応募できなくなるからです。そのため、できる限り契約更新まで待つことをおすすめします。

2.辞めたいと思ったらまずは派遣会社の担当者に相談

どのような理由であれ、辞めたいと思ったら「派遣会社の担当者」にまず相談しましょう。

理由次第では、担当者に相談してみることで、退職せずに問題が解決することもあります。

口コミ・評判

元派遣スタッフ(20代女性)
以前働いていた会社でどうしても部署の上司と合わず、この先到底やっていけないと思い派遣会社の担当者の方に相談しました。すると担当者の方は親身に相談に乗ってくれて、派遣先企業の管理者(苦手な上司の更に上の立場の人)にそれとなく交渉してくれました。その結果、別のチームに配置換えしてもらえたんです。
そこでは人間関係も良好で、仕事内容も合っていたので、結婚で退職するまでずっと続けられました。いきなり辞めると決めずに、まず相談して良かったと思います。

この方のように、配置調整などで働きやすさががらりと変わるケースも珍しくありません。悩み事があって辞めたいと考えているなら、まずは派遣会社の担当者に遠慮なく相談してみましょう。

3.厳禁!派遣を辞めたいと思った時のNG行動

本章では、派遣を辞めたいと思ったときに絶対してはいけない行動を2つ紹介します。

NG行動①.派遣先企業に伝えてしまう

退職の意向を伝えたり、辞めたいという相談をしたりする相手は「派遣会社」です。派遣先に伝えてしまわないよう注意してください。

退職に関する手続きは、スタッフの雇用主である派遣会社が担います。派遣先としても、派遣会社からの連絡を受けない限りは、退職に向けた準備を行うことができません。

この手順を間違えて、うっかり派遣先の上司に先に伝えてしまうと「そんな話は聞いてない!」と思わぬトラブルにつながる恐れがあります。

あくまであなたを雇用しているのは派遣会社であることを理解しておきましょう。

NG行動②無断欠勤・音信不通

退職の意思を伝えるのは億劫だと感じてしまう方もいるかもしれませんが、無断で欠勤・退職したり、音信不通になったりすることは厳禁です。

派遣会社・就業先の双方に多大な迷惑をかけることになります。

なにより、無断欠勤を行った場合、今後登録先の派遣会社から仕事の紹介を受けるのは、金輪際できなくなります。

理由を言いづらい場合でも、派遣会社の担当者とのやり取りを通して退職することは必須です。

筆者の実体験

筆者は派遣就労の現場にいた経験がありますが、一般企業の派遣さんで音信不通になる方はほとんどいません。

しかし、コールセンターや工場作業など「大量募集」の仕事では、派遣翌日に連絡が取れなくなるケースが多々ありました。事前に聞いていたよりも仕事内容が大変で、最初の更新まででさえ続けられないと判断したのだと思います。

もちろん、その職場にはそれ以上出勤しなくて済みますが、同じ派遣会社からの紹介は受けられなくなるようです。

ここまでのまとめ

ここまでは「入ったばかり・契約期間中だけどすぐ辞めたい」方向けの退職事情について解説しました。

要点を再掲します。

  • やむを得ない事情があれば辞められるが、それ以外の場合は原則不可
  • どうしても無理そうならまずはとにかく派遣会社の担当者に相談
  • 派遣先企業に相談したり、音信不通になったりするのはNG

もちろん、嘘の理由を伝えても辞められはしますが、決しておすすめはできません。

期間中の退職とはいえ、あと何度かは職場にいかなければなりませんし、退職日までの間に嘘がバレてしまう危険もあるからです。

そのため、「派遣先で働き始めてみたものの、無理そうなので辞めたい」という方は、最初の更新までなんとか続けてみることを推奨します。

3ヶ月更新の派遣契約なら、あと1~2カ月。初回更新はたいていの場合、1ヶ月であることが多いので20日くらいです。

そこで次章では、派遣でよくある悩みとそれを何とか1カ月間だけやり過ごす方法を解説していきます。

4. 派遣を辞めたいよくある悩みと対処法【次の更新までやり過ごす方法】

本章では、派遣を辞めたいよくある悩みと、それに対する対処法を解説します。

円満退職したいという方は、本章の内容を参考に、次の更新までやり過ごしましょう。

4-1. 人間関係や職場の雰囲気が合わない

派遣を辞める理由として、最も挙げられるのが、人間関係についての悩みです。

特に派遣社員は企業にとって外部の人員なので、「円滑なコミュニケーションを取れない」「職場での疎外感を感じてしまい」「性格的に合わない人と仕事をしなければならない」などの悩みは抱えやすくなります。

実は、苦手な相手とも良好な関係を築く方法は心理学で確立されているので、明日からすぐに実践できる工夫を以下にまとめます。

円満な人間関係を築く心理学的テクニック

1.相手との共通点を見つける

人は共通点を持つ相手に親近感を覚えます(類似性の法則)。

相手の話に耳を傾けて、自分と共通する部分があれば、積極的に自己開示してみると良いでしょう。

2.周囲に自分から話しかける

人は好意を示してもらった相手に好意を持つと言われています(好意の返報性)。

良好な関係を築きたいという意思を示す意味でも、積極的に自分から話しかけてみると良いでしょう。

3.ポジティブな感情を表情に出す

自分は好意的に接しているつもりでも、表情に出ていなければうまく伝わらず、良好な関係が築けないケースもあります。

例えば「嬉しい」と言っているのに表情が曇っている場合、受け手は視覚情報=表情を重視して「嬉しくないのでは」と捉えてしまいます(メラビアンの法則)

4.人間関係はある程度のところで割り切る

必要以上に周囲と仲良くしようと考えず、「仕事上で必要不可欠なやり取りができればOK」くらい割り切って考えるのも大切です。「自分ではコントロールできないものに一喜一憂しない」という考え方で、アドラー心理学では課題の分離と言われています。

苦手な人が居たとしても、他人の行動は変えられません。無理になんとかしようとせず、自分のペースを乱されないようにある程度距離を取って、最低限のやり取りで仕事に集中してみましょう。

5.学ぶ姿勢を見せる

学ぶ姿勢を見せ、積極的に頼ることも意識してみましょう。

実は「アドバイスを求めるほど相手から好かれる」と言われており、ビジネスの分野ではアドバイスシーキングという交渉テクニックもあります。(相手にアドバイスを求めることで、好意を獲得する心理的テクニック)

謙虚さをもって、「学びたい」という姿勢でコミュニケーションを取ることで、円滑な人間関係が築きやすくなります。

更新までの間だけと割り切って、自分でできる工夫を試してみてください。

なお、人間関係の悩みで退職したいと担当者に伝えるなら、以下のように伝えましょう。

伝え方の例

「派遣先の社員との人間関係に悩んでいます。性格的にも相性が悪く、円滑なコミュニケーションを取るのは困難です。精神的に限界を感じており、このまま業務の継続は不可能と判断したため、退職の申し出をさせていただきました」

4-2. 時給に不満がある

給与の不満は、辞める前に検討の余地があります。

というのも、派遣社員は正しく交渉すれば、時給が上がる可能性があるからです。

なお、時給アップの話も、

  1. あなた→派遣会社の担当者に相談
  2. 担当者→企業と交渉

という流れで進めます。

担当者には、「希望する金額に見合うだけの能力がある」という根拠を具体的に提示して相談することを心がけましょう。

伝え方の例

「現在就業先では、テレアポ件数■■件達成という実績を残しており、チームの売り上げアップに大きく貢献しているとの評価を受けています。つきましては現在ご提示いただいている時給から■■円アップをお願いしたいのですが、可能でしょうか。」

4-3. 労働環境や仕事量が聞いていた内容と違う

労働環境や仕事量が聞いていた内容と違う場合は、即座に派遣会社の担当者に連絡しましょう。

契約と実態が違う場合、ほぼ確実に対応してくれます。残業代が正しく支払われないなどの場合は、派遣会社にとっても損失となるので、相談するだけで解決するケースがほとんどです。

単純に労働時間が長い・仕事量が多すぎるなどが理由で、私生活に影響が出ている場合などは、以下のように更新しない旨を伝えましょう。

伝え方の例

「許容量をはるかに超えるタスクを任されており、残業時間も当初伺っていた目安時間を20時間以上も上回ってしまっています。このままでは私生活への影響が懸念されるため、大変申し訳ないのですが、次回更新はしない方向でお願いします。」

4-4. 仕事内容が合わない・ついていけない

仕事内容が合わない・ついていけない悩みは、単純に経験不足が原因なことが多いです。慣れるまではきつく、早々に辞めたいと感じるかもしれませんが、もし就業開始したばかりであれば、慣れるまでしばらく継続してみるのがおすすめです。

ちなみに「明らかにスキル不足」なら、派遣先の方から契約を更新しないと判断されます。なので、派遣先が継続の意向なら、適性があると考えても良いのではないでしょうか。

参考までに、仕事をスムーズに進めるコツを以下に載せておきますので、辞めるまでの数カ月間はとにかくこれだけ意識して仕事をしてみましょう。

仕事をスムーズに進めるコツ

  • 始業前にTODOリストを作り優先順位を把握する
  • 時間を区切って作業する
  • 5分考えて分からないことは誰かに聞く
  • 自分の得意な作業から始めてモチベーションを上げる
  • 常にメモを携帯し、指示は文字で残しておく

こちらも更新までの間だけと割り切って、自分でできる工夫を試してみてください。

なお、どうしても仕事内容が合わない・ついていけない(続けたくない)なら、以下のように担当者に伝えて、次回更新はしないでおきましょう。

伝え方の例

「担当業務のレベルが高く、周囲にまったくついていけていない状況です。上司からもスキル不足の指摘を受けています。基礎を身につけなおす必要があると感じていますので、就業を辞めて一から勉強したいと考えています。」

5.契約更新しないなら、1ヶ月前までに伝えておく

「契約期間はしっかり勤務して、更新はしない」なら、相談のタイミングは早い方が好ましいです。遅くとも辞める1カ月前までには伝えておきます。

たいていの場合、更新1ヶ月前頃になると、派遣会社から更新するかどうかの確認が行われるため、このタイミングで契約についての意向を伝えるのがベストです。

口頭・電話で伝える機会がないなら、派遣会社の担当者に以下の文面でメールを送付しておきましょう。

例文

タイトル:契約更新の件

お世話になります。派遣スタッフの○○です。(スタッフNo.XXXXXX)

本日は、派遣先○○(企業名)との契約更新の件で連絡致しました。

大変恐れ入りますが、次回の契約更新はしない方向でよろしくお願いいたします。

ご対応のほどよろしくお願いします。

その後担当者から電話がかかってくることもありますが、たいていは「メールの内容の確認」と「事務手続きについて」の話をされます。説得されたりするケースはほとんどありません。

契約更新しないなら、退職理由を詳しく伝える必要はない

「派遣会社に次回更新はしない旨を伝える→契約終了で退職」の流れで辞めるなら、退職理由を詳しく伝える必要は特にありません。

もし理由を聞かれたら、「仕事内容が合わず」など正直かつ簡潔に伝えておきましょう。言いづらい理由なら「一身上の都合により」で問題ありません。

ただし、その派遣会社から今後も仕事を紹介してもらいたいなら、詳細な理由を伝えておいた方が良いです。

理由は、以下2点です。

  • 就労意欲は高く、たまたま派遣先の会社が合わなかっただけと理解してもらえるから
  • 同じような会社の紹介をされる確率が下がるから

再度その派遣会社から仕事を紹介してもらいたいなら、担当者からの印象をなるべく下げないようにしておきましょう。

.6派遣を辞めた場合のお金の不安・疑問を解決

「派遣をできることならすぐ辞めたいけど、生活のことを考えるとそう簡単には退職できない」と悩みますよね。

次の職場を決めてから退職すれば、収入が途絶えることはありませんが、「次の仕事のことは今すぐに考えられない」「いったん充電期間を設けたい」という方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、以下の2点を満たす方なら、最低限の生活費(3~5カ月)は工面できます。

  1. 失業手当の受給資格がある(離職日以前の2年間に「被保険者期間」が12ヶ月以上ある)
  2. 最低でも3ヶ月分の生活費がある

退職金の支給があれば、更に離職期間を延ばせます。

ただ失業手当の受給要件・期間は人によって違い、更に退職後に思ったより支出が必要なこともあるので、「もし辞めたら、自分の生活はどう変化するのか」を金銭的な観点で入念に確認しておきましょう。

本章では、退職後のお金の不安・疑問について詳しく解説していきます。

6-1.「失業手当の申請」をすれば最低限の生活費は工面できる

「失業手当の申請」をすれば、最低限の生活費は工面できます。

失業手当は、仕事を辞めた人に対して国から支払われるお金で、以下の条件を満たせば誰でもハローワークで申請できます。

失業手当を受け取れる条件

  • 再就職しようという意思があること
  • 離職の日以前2年間に、「被保険者期間(雇用保険に入っていた期間)」が通算して12か月以上あること

月々の給料から引かれるお金の中に「雇用保険」がありますが、これが引かれていた月が過去2年で12カ月以上あれば、申請可能です。(同じ職場でなくてもOK)

いくら受け取れる?

失業手当額は、離職前の給与の50~80%ほどです。

参考までに、離職前の給与と失業手当の目安金額をまとめました。(離職時の年齢や給付率によって変動します)

離職前の給与
(月収)
月々受け取れる失業手当
(目安)
15万円11万9,000円
20万円14万5,000円
25万円16万5,000円
30万円17万7,000円
35万円18万3,000円
40万円19万9,000円

※CASIO『生活や実務に役立つ計算サイト』にて30~25歳、被保険者期間5~10年で試算

何か月支給される?

失業手当の給付期間は、雇用保険の加入期間によって、90~150日の間で変動します。

雇用保険加入期間1年未満1年以上、10年未満10年以上、20年未満20年以上
給付日数なし90日120日150日

端的に言うと、勤めていた期間が長い人ほど、より長い期間、失業給付金を受け取れます。

ただ、退職後すぐに給付金を受け取れるわけではありません。

失業手当の受給には、まず申請後7日間の待期期間があり、自己都合退職の場合は、その後さらに給付制限期間(自己都合退職なら2カ月)が設けられます。そのため、その間の生活費は自分で工面しなければなりません。

6-2. すぐに辞めたいなら3ヶ月分の生活費は必須

派遣をすぐに辞めたいなら、最低でも3ヶ月分の生活費が必須です。というのも前述の通り、失業手当の受給には早くても3ヶ月かかるからです。

失業手当は早くても3か月後の支給になる

  • 申請に必要な書類が届くまで:2週間程度
  • 待期期間:7日間
  • 給付制限期間:2カ月(自己都合退職の場合、すぐには受け取れない)

ただ3ヶ月分というのはあくまで最低ラインで、理想は半年~1年分です。次の仕事がすぐ決まれば問題ありませんが、半年以上かかることも珍しくないからです。

特に若年層(20代前半)や、ミドル層(40代後半以降)は、長引く傾向にあるので、生活費の準備は余裕を持っておくべきでしょう。

失業保険について詳しくは『自己都合退職で失業保険受給をするための全知識』の記事を参考にしてください。

6-3.年金の支払いは免除申請できる

退職後は厚生年金から国民年金に切り替わり、年金の支払いは続きますが、特例として失業者は免除できる仕組みがあります。

一般的に年金支払いの免除は前年所得を基準にした審査がありますが、仕事を辞めた場合は「所得を考慮せず」に審査されます。退職理由なども問われないので、比較的スムーズに免除してもらえるでしょう。

更に免除申請により、保険料は全額免除になりますが、満額の納付と比較して1/2を納付したのと同じ扱いをしてもらえるのでお得です。(※満額を払い続けていた人と比較すると、若干将来受け取れる年金額は目減りします)

詳しくは『誰でも使える退職時の年金の全知識』の記事を参考にしてください。

なお、退職時は健康保険の切り替え手続きも必要です。どんな手続きをするのかについては、『5分でわかる退職時の健康保険全知識』で解説しています。

6-4.次の派遣の仕事をするなら、他の派遣会社にも登録しておこう

派遣を退職する際は、他の派遣会社に登録し、相談してみることをおすすめします。

もちろん今登録している派遣会社に相談しても構いませんが、退職理由によっては仕事を紹介されづらくなる恐れもあります。

複数の派遣会社に登録することは問題なく、むしろ派遣で仕事をしている方の7割ほどが、複数の会社に登録をして、仕事を探しています(参考:一般社団法人日本人材派遣協会

派遣の働きやすさは、派遣会社次第

実は派遣の働きやすさは、相性が良い派遣会社に登録するかどうかでも左右されます。

あなたのニーズを的確に汲み取ってくれる相性の良い派遣会社であれば、希望にぴったりの仕事を紹介してもらいやすくなるでしょう。

派遣先の問題点に対して、臨機応変に応対してくれる担当者であれば、安心して仕事を続けられます。

複数の派遣会社に登録しておけば、その分、相性の良い担当者と巡り合える可能性も高まるでしょう。キャリアや働き方について、これまでとはまた違った角度からアドバイスがもらえるかもしれません。

では、具体的にはどの会社に登録するべきなのでしょうか。次の章では、おすすめの派遣会社を紹介しています。

7. 【働きやすい職場を見つけるなら】登録するべき派遣会社を紹介

希望条件にぴったりの働きやすい職場を見つけたいという方に向けて、本章では求人数が豊富な派遣会社を3つ厳選しました。

派遣会社求人数 | 利用者満足度
約15万件 | ★★★★☆4.1
求人数が豊富で選択肢を増やすなら登録必須
2位.
テンプスタッフ
約3.5万件 | ★★★★☆ 4.3
求人数No.1!!女性が働きやすい制度が整っている
3位.
パソナ
約1万件 | ★★★☆☆ 3.8
高時給求人が多い!スキルに自信がある人向け

7-1. スタッフサービス|求人数は派遣業界No.1

スタッフサービス

スタッフサービスは、派遣業界No.1の求人数を保有する大手派遣会社です。

実際、職種・業種ともにほぼ全ての派遣領域をカバーしており、2万件ほど保有しています。

相談できる事業所があり、登録利用者からは「仕事紹介のスピードが早い」「他の派遣会社に比べて圧倒的な求人で選択肢が広い」など、高く評価されています。

担当者の質に関しては評判は分かれるものの、求人数は業界No.1であり選択肢を増やすために、ぜひ一度登録することをおすすめします。

<スタッフサービスの派遣サイト>

7-2. テンプスタッフ|スキルアップのための研修が充実

テンプスタッフ

テンプスタッフ』は、人材業界大手の「パーソルグループ」が運営する派遣会社です。

紹介可能求人の数は、常時5万件以上と、派遣会社の中でもトップレベルです。

また、会社としての教育体制も整っており、利用者から「担当者の対応がよかった」と高評価の声もあがっています。

業界最大手で利用満足度の高いスタッフサービスと併せて利用すれば、希望にぴったりの求人をスムーズに見つけられるでしょう。

公式サイト:
https://www.tempstaff.co.jp


※スキルに不安な方向けに「テンプオープンカレッジ」といったスキルアップ支援制度もあります。

7-3. パソナ|事務職案件豊富。初めての転職に

『パソナ』は、高時給案件の豊富さに強みのある派遣派遣会社です。

大企業や人気企業のオフィスワーク求人を見つけやすく、女性の就業支援にも力を入れている点が特徴的です。

「PCスキルを活かして好条件の職場で働きたい」という方は、登録しておくと、就業先の選択肢が広がるでしょう。

公式サイト:
https://www.pasona.co.jp/

さいごに

派遣の契約期間中に辞めたいと感じた時に、とるべき行動について、解説しました。

体調的にやむを得ない事情があったり、どうしても続けられないという場合は、無理をせず退職の意思を伝えましょう。

今後も派遣として働くつもりなのであれば、本章で紹介した派遣会社も利用してみてください。

あなたにとって、この記事が参考になれば幸いです。