派遣から正社員を目指す3つのルート!どのくらいの確率でなれる?転職のプロが徹底解説

「正社員で安定して働きたい」「派遣から正社員になることはできるのだろうか」と考えていませんか?

派遣という働き方に不安を感じ、正社員として働くことを望んでいる方も少なくないでしょう。

結論からいうと、派遣から正社員になるには、主に以下の3つの方法があります。

方法難易度メリットデメリット
派遣社員として働きながら、正社員登用を目指す転職活動が不要ハードルが高い
紹介予定派遣で働くミスマッチを減らせる実際に正社員になれる確率は30%ほど
転職活動を行う正社員になれる確率は最も高い労力がかかる

この記事では、転職のプロとしてこれまで数多くの求職者の悩みを解決してきた私が、派遣から正社員を目指す具体的なノウハウを解説します。

  1. 派遣から正社員を目指す3つの現実的なルート
  2. 正社員転職の面接で派遣社員がよく聞かれる質問
  3. 今の職場で派遣から正社員登用を目指すうえで欠かせないこと
  4. 今の職場で正社員登用を目指す際の注意点
  5. 紹介予定派遣で働くうえで、意識すべきこと
  6. 派遣から正社員についてよくある質問

この記事を読めば、派遣から正社員になるにはどうすればよいのか、理解することができるでしょう。

1.派遣から正社員を目指す3つの現実的なルート

派遣から正社員を目指す現実的なルートは、以下の3つです。

それぞれ詳しく解説します。

1. 方法1.派遣社員として働きながら、正社員登用を目指す【可能だがハードルは高い】

派遣社員の仕事で経験を積むことで、現在の職場で正社員として登用されることがありますが、結論からいうとこの方法は、非常にハードルが高いと言わざるを得ません。

なぜなら、派遣社員を正社員登用するのは、企業にとってそれほどメリットがないからです。

企業が派遣を活用する場合、「人件費を削減するため」「繁忙期のみ人員を確保するため」などの何かしらの理由が存在します。

特に派遣社員は、正社員と比べると採用のコストも低く、契約の融通が利くため、流動的な人材配置に最適です。

一方、正規登用の場合、人件費は高くなりますし、人員を簡単に調整することはできません。

これらの背景を踏まえると、。派遣社員から正社員登用を目指す道のりは、ハードルが高いと言えるでしょう。

補足:国の助成制度もあるが、認知度は低い

非正規雇用者への待遇改善を目指し、厚生労働省は制度「キャリアアップ助成金」を施行しています。

これは、非正規社員を正社員登用に転換した企業に対する助成金の一つです。正社員登用の積極的な促進を目的としています。

ただ、この制度を活用している企業は少ないというのが現状です。

平成25年度に実施された調査では、キャリアアップ助成金を活用している企業はわずか2.8%、さらに調査対象企業の半数は制度の存在すら認知していないという結果になっていました。

正社員登用の可能性は低いが、決して不可能ではない

派遣社員から正社員登用を目指せる可能性は低いですが、不可能というわけではありません。

自社で働く派遣社員を、正社員として登用する制度を設けている企業も、多く存在します。

口コミ・評判

採用担当者Nさん
派遣さんに正規雇用を打診することはあります。
普段の仕事振りを見れている分ミスマッチも起こりにくく、中途社員を面接して雇うよりずっとローリスクです。
なにより、派遣会社に抜かれているマージンがなくなるので人件費自体はそう変わりませんからね。

このように、すでに派遣社員として働いているスタッフを正規雇用することで、企業はミスマッチのない採用を実現しているようです。

この背景には、労働市場における人手不足問題も影響していると考えられます。

少子高齢化に伴い、労働人口が減少していく中、いかに優秀な人材を確保するかという点は、企業にとっての課題となっています。

人手不足に課題意識を持っている企業は、派遣契約期間満了時に正社員登用の打診を行ったり、正規採用試験を実施したりすることで、優秀な人材を確保しようと試みているようです。

※派遣から直接雇用を提案されたとしても、必ずしも「正社員」とは限らないので注意してください。詳しくは『派遣先から直接雇用を提案されたら?知っておくべき注意点』で解説しています。

方法2.紹介予定派遣で働く【実際に正社員になれる確率は約30%】

紹介予定派遣とは、一定期間の派遣終了後、直接雇用へと切り替えることを前提とした働き方です。

最長6ヶ月の派遣契約期間を経て、企業と労働者がお互い納得・合意すれば、派遣先の企業で直接雇用されます。

正社員を目指すルートとしては現実的ですが、実のところ、紹介予定派遣で正社員になれる確率は、およそ30%ほどです。

紹介予定派遣の実態

  • 実際に直接雇用に切り替わるのは約半数
  • 直接雇用に切り替わっても、正社員になれるのは約6割

たとえば、100人の紹介予定派遣社員がいたとすると、直接雇用になるのはその半分、50人です。そして、正社員になれるのはその中の6割、すなわち30人だけとなります。

(1)実際に直接雇用に切り替わるのは約半数

紹介予定派遣として働いた人(36,791人)のうち、直接雇用となったのは全体の約半分の19,214人。割合にしておよそ52%です。(参考:厚生労働省

紹介予定派遣は、双方の合意を経て直接契約となる仕組みです。残りの半数は、何かしらの理由で合意に至らなかったと考えられます。

ちなみに、派遣スタッフが就業先での仕事に違和感を覚えた場合などは、直接契約をしないという選択も可能です。ミスマッチを避けられるという点は、紹介予定派遣の最大のメリットであるといえるでしょう。

(2)直接雇用に切り替わっても、正社員になれるのは約6割

上記の調査だけを見ると、全体の半数ほどが直接雇用に結びついていることが分かりますが、全員が必ずしも正社員となっているわけではありません。

直接雇用になった労働者のうち、正社員として雇用される割合は、およそ6割と言われています。

参考:独立行政法人『労働政策研究・研修機構』

これらの調査結果を組み合わせで考えてみると、紹介予定派遣から正社員になれる確率は、およそ3割程度であると判断することができるでしょう。

紹介予定派遣については、以下の記事で詳しく解説しています。

≫紹介予定派遣とは?メリットデメリットを徹底解説

方法3.転職する【派遣から正社員への一番の近道】

「現在の派遣先でどうしても正社員になりたい」「紹介予定派遣で働くことにこだわりがある」という方以外は、転職活動を行うことが、最も早く確実に正社員になるための方法であると言えるでしょう。

前述の通り、正社員登用制度を設けている企業は、それほど多くないというのが現状で、紹介予定派遣も、必ず正社員として働けると決まっているわけではないからです。

派遣の経歴も強みになる

「職歴が派遣の仕事ばかりだと、充分な職歴がないと判断されるのでは」と懸念をお持ちの方もいるかもしれませんが、選考において重要なのは、「あなたの能力や経験をいかに上手く伝えられるかどうか」です。

むしろ、派遣として複数の環境で働いてきた経験は、強みにもなり得ます。複数の会社での経験を、アピールポイントとして伝えましょう。

特筆すべき経験がなくても、「どのような姿勢で業務に望んでいたのか」「日々の業務を行う上で、何を考え、どんな工夫をしてきたのか」など的確に表現できれば、選考通過は充分可能です。

ここまでのまとめ

派遣から正社員を目指すには、以下のルートがあることが分かりました。

  • 方法1.派遣社員として働きながら、正社員登用を目指す
  • 方法2.紹介予定派遣で働く
  • 方法3.転職する|派遣から正社員への一番の近道

それぞれ一長一短ありますが、最も現実的かつ時間をかけないのは、「転職する」という方法です。

もし「派遣の経歴がネックになりそうで不安」という場合は、転職エージェントなどのサポートサービスの利用を検討してみてください。

転職エージェントとは

登録すると、あなたの経歴や希望に合った求人を紹介してくれるサービスです。誰でも無料で利用でき、求人紹介の他にも「応募書類の添削」や「面接対策」なども行ってくれます。

大手の『リクルートエージェント』『dodaエージェント』などは、年代やキャリアを問わず多くのユーザーから好評のエージェントです。

キャリアに自信がないという方は、『ハタラクティブ (既卒・フリーター向け)』や『マイナビジョブ20’s』がおすすめです。

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2.正社員転職の面接で派遣社員がよく聞かれる質問

転職活動の面接では、「スキルと経験」「志望動機」に関する質問をされることが多いようです。

2-1.スキルと経験

あなたのスキルとこれまでの職務経験は、基本的に必ず質問されます。

自分を採用すると、会社にとってどのようなメリットがあるのかを、的確に伝えなければなりません。

これまで派遣社員として培ってきた経験の中から、応募先企業の業務に活かせそうなものをピックアップして、具体的に説明しましょう。

「前職ではどのような工夫をしていたのか」「どのようにスキルを身に付けたのか」など、仕事に対する前向きな姿勢をアピールすることも忘れないようにしてください。

2-2.志望動機

応募企業への志望動機を質問されます。志望動機を考えるために、企業研究を入念に行っておかなければなりません。

企業の事業内容や、応募職種の仕事内容などを詳しく把握し、なぜその会社・職種を志望したのかを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

補足:ネガティブな志望動機はNG

派遣社員からの正社員転職を考えている方にとって、志望動機はポジティブなものばかりとは限らないでしょう。

「給与や低いから」「不安定だから」といった理由から、転職活動を始める方も少なくありません。

とはいえ、本音をそのまま伝えてしまっては、採用担当者にマイナスな影響を与えてしまう可能性があります。

転職活動の場においては、なるべくポジティブな回答を行うよう心がけてください。

3.今の職場で派遣から正社員登用を目指すうえで欠かせないこと

派遣社員から正社員登用を目指すのであれば、以下の点を常に意識しておく必要があります。

  1. 積極的に業務に取り組む
  2. 目に見える形で成果を上げる
  3. コミュニケーション能力

それぞれを詳しく見ていきましょう。

3-1. 業務に対する前向きな姿勢を示す

日々の仕事にあたるうえでは、積極的に業務に取り組むことが欠かせません。

言われたことをただやるのではなく、自ら仕事を見つけ出すなど、前向きな姿勢を心がけましょう。

3-2.目に見える形で成果を上げる

派遣社員から正社員登用を目指すのであれば、日々の仕事を通して、成果を上げることは必須となります。

この場合、目に見える形で結果を示すという視点が重要です。

「売上」や「顧客満足度」「作業の速さ」「対応件数」など、具体的な数字として、能力を示すことを意識しましょう。

3-3. コミュニケーション能力

円滑なコミュニケーションを取るという意識も欠かせません。

企業の一員として長く働くためには、的確に意思疎通を図ったり、人間関係をうまく構築したりするといった面も重要だからです。

日々、積極的にコミュニケーションを取ることを心がけましょう。仕事ができれば良いというわけではないことを忘れないようにしてください。

口コミ・評判

採用担当者Nさん
もちろん会社の体制や本人の志向性にもよりますが、仕事がデキて組織の和を乱さない方であれば、お声がけすると思います。
特に、主体的な意志をもち、自ら仕事を作り続けられる方であれば大歓迎です!

4. 今の職場で正社員登用を目指す際の注意点

派遣から正社員登用を目指す際は、以下の点を理解しておきましょう。

  1. 就業規則を確認しておく
  2. 派遣の契約期間終了のタイミングで切り替える
  3. 最長3年働かないといけない可能性がある

それぞれを詳しく解説します。

4-1. 就業規則を確認しておく

派遣社員の正社員登用制度の有無は、就業規則に記載されていることが一般的です。

これには、勤務年数や出勤率、社員からの推薦などの条件が定められていることがあります。一度確認しておきましょう。

また、就業先から正社員登用の打診を受けた場合、条件を詳しく確認することは必須です。

派遣社員でなくなるということは、給与や勤務時間、仕事内容なども大きく変わる可能性があります。

場合によっては、派遣社員の頃よりも働きづらくなってしまうこともあるかもしれません。

直接契約とはいえ、条件は様々であり、必ずしも待遇がよくなるわけではないことを理解しておきましょう。

4-2. 派遣の契約期間終了のタイミングで切り替える

もしも就業先から直接契約の打診をされた場合、雇用形態の切り替えは、派遣契約が満了になったタイミングで行うようにしましょう。

派遣会社と就業先は派遣契約を締結しているため、期間中の採用は契約違反と判断されることがあるからです。

ただし、派遣会社が直接契約への切り替えを止めることはできません。実際、労働者派遣法第33条には、以下のような定めが明記されています。

「派遣期間終了後に派遣先と派遣労働者が雇用契約を締結することを、派遣元が禁止してはならない。

出典:派遣元事業主の講ずべき措置等

派遣期間が満了となったタイミングで契約を解除し、正式に直接契約を結ぶという流れでなければならない点を、忘れないようにしてください。

4-3. 最長3年働かないといけない可能性がある

今の職場で正社員を目指す場合、最長3年働かないといけない可能性があります。

これは3年ルールと呼ばれる制度があるからです。

3年ルールとは

「派遣社員は同じ職場の同じ部署で、最長3年までしか働けない」という決まりのこと。3年が経過したのち、スタッフが希望する場合は、派遣会社は派遣先企業へ、あなたの直接雇用を依頼することが義務づけられています。

派遣スタッフの雇用安定とキャリアアップを目的として策定されたルールであり、「3年立ったら直接雇用に切り替えなどを行ってください」というものなのですが、言い換えると、3年間は派遣社員として働くことが前提となっています。

また、これはあくまで依頼義務であり、雇用することが確約されているわけではありません。

さらに直接契約の場合でも、必ずしも正社員になれるわけではなく、「契約社員」や契約期間が撤廃されただけの「無期雇用派遣社員」として採用される場合も多いようです。

3年ルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。

≫派遣3年ルールとは?3年後はどうなる?メリット・デメリットを詳しく解説

5.紹介予定派遣で働くうえで、意識すべきこと

紹介予定派遣で正社員を目指す際の注意点は、以下の4つです。

  1. 応募の段階で志望動機を考えておく
  2. 直接契約時の雇用形態に注意
  3. 紹介予定派遣であっても慢心せずに業務に取り組む
  4. 実績豊富な派遣会社を選ぶ

それぞれを詳しく解説します。

5-1. 応募の段階で志望動機を考えておく

企業への直接契約を前提としている紹介予定派遣は、通常の派遣採用と異なり、事前の選考が入念に行われる傾向にあります。

通常の派遣契約では、スキルマッチを重視するのに対し、紹介予定派遣は、社風との相性や、志望動機、キャリアビジョンなどにまつわる質問をされることが多いようです。

一般的な就職面接と同様のものであると理解しておくと良いでしょう。

5-2. 直接契約時の雇用形態に注意

正社員登用の場合と同様に、紹介予定派遣も正社員として契約が確約されているわけではありません。

「契約社員」として採用されることもあり得ます。

紹介予定派遣で働く場合には、エントリーの段階で直接契約の際の雇用形態を必ず確認しておきましょう。

5-3.紹介予定派遣であっても慢心せずに業務に取り組む

積極的に業務に取り組む姿勢は、紹介予定派遣であっても重要です。

指示されたことを受け身でこなすのではなく、能動的に行動することを心がけましょう。

また、就業先の担当者は、スタッフが社員と良好なコミュニケーションを取れているかどうかも見極めています。社風に合致しているかも重要なポイントです。

5-4.実績豊富な派遣会社を選ぶ

実績豊富な派遣会社を選ぶのも重要です。

紹介予定派遣として働いている期間中に困ったことがあっても、手厚くサポートしてくれる可能性が高いからです。

特に『スタッフサービス』や『テンプスタッフ』などの大手派遣会社は、紹介予定派遣のサポート実績も豊富なので、的確かつ具体的なアドバイスも期待できます。

当サイトが派遣社員を対象に行った満足度調査で、上位に挙がった派遣会社は『派遣会社おすすめランキング』の記事で紹介しています。

派遣から正社員についてよくある質問

派遣から正社員になる際によくある質問と、その回答をまとめました。

Q1. 派遣から正社員になるメリットって?

正社員になる最大のメリットは、安定した働き方ができることです。

派遣社員は、一定期間ごとに契約が打ち切りになる可能性があります。業績悪化などの影響を真っ先に受けることになるでしょう。

ですが正社員であれば、その心配は少なくなります。

また、正社員であれば、より責任のある仕事を任されることになるでしょう。

仕事の裁量が大きくなることで、ビジネスパーソンとしての成長につながります。

Q2. 派遣から正社員になるデメリットって?

正社員の場合、派遣と比べて、ライフスタイルを優先させた働き方が難しくなります。

残業が多くなったり、転勤になったりすることもあるでしょう。

家庭の事情などで柔軟な働き方をしたいという方にとっては、派遣の方が適しているという場合もあります。

また、正社員になったからと言って、必ずしも待遇がよくなるわけではないことにも注意が必要です。

Q3. 派遣から正社員を目指すべきな人の特徴は?

上記のメリット・デメリットを踏まえると、派遣から正社員を目指すべきな人の特徴は以下の通りです。

  • 安定した働き方がしたい人
  • 裁量の大きい仕事をしたい人

派遣から正社員を目指す際には、まず「自分がどのような働き方を望んでいるのか」じっくりと考える機会を設けることをおすすめします。

複数の選択肢を検討し、将来のキャリアにとってもっともベストな雇用形態を選択しましょう。

最後に

この記事では、派遣から正社員になる具体的な方法について解説しました。

方法まとめ

  • 方法1.派遣社員として働きながら、正社員登用を目指す
  • 方法2.紹介予定派遣で働く
  • 方法3.転職する|派遣から正社員への一番の近道

それぞれ正社員になるまでの道のりや意識すべきことは違うので、自分に合った方法を選びましょう。

あなたの今後の人生がより明るいものであることを心から願っています。