看護師の給料アップに資格取得は役立つ?年収を上げる現実的な方法とは

看護師 給料アップ 資格

「資格を取れば給料上がる?」「看護師の年収アップにおすすめの資格を知りたい」とお考えですね。

結論から言うと、資格取得は給料アップにつながりません。

資格を評価する給与体系の病院はほとんどないからです。仮に認定看護師などの資格を取り、手当が付与されたとしても、その額は数千円ほど。費用対効果があまりに悪く、割に合いません。

ただし、資格勉強はあなたのスキルアップに有効で、資格を取得すると市場価値を高められます。理想の職場に転職しやすくなるので、長い目で見れば給料・待遇の良い職場で働けるようになります。

つまり、資格取得がすぐに給料アップにつながることはありませんが、キャリアアップにはなるので、長期的にみると給料・待遇に良い影響を与えると言えるでしょう。ぜひ本記事で紹介する資格取得を検討してみてください。

この記事では、数多くの看護師転職をサポートしてきた私が、キャリアアップに有効な資格を紹介します。すぐに給料を上げたい方は、本記事後半で紹介する「資格取得以外の給料アップ方法」を参考にしてください。

  1. 「認定看護師」「専門看護師」資格で給料アップは難しい
  2. 看護師のキャリアアップに役立つ民間資格一覧
  3. 資格取得以外で看護師の給料を上げる4つの方法

全て読めば、月々の給料をアップする具体的な方法が分かります。

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1. 「認定看護師」「専門看護師」資格で給料アップは難しい

看護師のキャリアに役立つ資格として「認定看護師」「専門看護師」があげられることが多いですが、この二つを取得して給料アップを目指すのは現実的ではありません。

「認定看護師」「専門看護師」とは

「認定看護師」「専門看護師」とは、ある特定の分野で深い知識・熟達した技術を持っていることを示す資格です。

 認定看護師専門看護師
概要特定の看護分野において、高い技術・知識を持っていることを示す患者とその家族を総じてケアするための、特定の分野の高い技術・知識があることを示す
必須要件看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること
(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
・大学院の修士課程を修了
・実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修であること
勉強期間6~8か月間2年間
入学金・受験料約30万円~100万円計200万円
実習費用年間10万円〜
(授業料に含まれていない場合)
年間10万円〜
(授業料に含まれていない場合)
※認定審査料・認定料それぞれ5万円
特定分野救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護などがん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護

これらは、もちろんキャリアアップに役立つ資格ではありますが、給料に直結するわけではありません。したがって、単に月々の給料を上げたいという動機だけで取得を目指すのはやめておいた方が賢明です。

給料アップ目的で「認定看護師」「専門看護師」の取得がおすすめできない理由

ネット上の情報には、認定看護師や認定看護師資格の取得を給料アップの方法として紹介していることも多いですが、これは全くおすすめできません。

費用対効果が全く釣り合わないからです。

具体的に言うと、認定看護師の資格取得には、授業料・実習費などを合わせると100万円以上のコストがかかります。その上、専門の教育機関で6ヶ月以上、計615時間の教育課程をクリアしなければなりません。

専門看護師は更にハードルが高く、200万円のコストと2年の期間が必要です。

事実、6割の病院は資格を取っても昇給・手当がない

長い時間・多額の費用をかけた結果、それが給料に還元されれば問題ありませんが、実際はそうではありません。

専門看護師・認定看護師の資格を取得しても、昇給・手当がつくとは限らず、看護協会の資料によると、病院の約6割は、「認定看護師・専門看護師の資格手当や昇給がない(=資格の有無が給料に関係ない)」ようです。

専門看護師・認定看護師の処遇

専門看護師・認定看護師の資格は、半分以上の病院で給料に加算されない

出典:日本看護協会

そして仮に給与に反映されても、月およそ5,000円アップするくらいが相場です。

このことから、給料アップの目的だけで資格取得を検討するのは現実的ではないと言えます。

補足

資格を取っても4割ほどの病院でしか評価されないとお伝えしましたが、「国立病院」は例外で、資格が給料に反映されやすいです。2012年とやや古い調査ですが、病院設置主体別に認定看護師への手当有無をみると、国立病院の8割以上で資格手当があるという結果もあります。(参考:認定看護師の活動及び成果に関する調査報告書

このため国立病院で勤務している(する予定)の看護師は、給料アップ目的の資格取得も一つの方法です。

ここまでのまとめ

看護師が取る資格として有名な「認定看護師」「専門看護師」は、給料にほとんど関係しないことが分かりました。

このことから、昇給・手当目的で上記の資格を目指すのは推奨できません。資格取得を目指す人は、「もっと学びたい!」という方が多いので、給料アップ目的で行くと周りとのギャップを感じるでしょう。

口コミ・評判

前職の経験談
先輩で認定看護師や専門看護師取得している方々が結構いました。小児専門看護師を取得した先輩は、大学に通いながら座学&実習をこなすため、2年間近く夜勤専従しつつ、論文を何本も書き、ほとんどプライベートがないと言ってました。ただ、その方は、小児看護を極めたい方だったので、楽しそうに勉強してました。結果的には一発合格し、小児専門看護師として、講習会を主催したり、さまざまな研修に参加して、バリバリ働いてます。

ですが、資格を取るというのは、あなたの市場価値を高められ、今後のキャリアに良い影響を与えます。専門分野の資格を取ることで、スキル・技術を身に付けられ、それを転職面接などで客観的に証明できるようになります。

そして看護師のキャリアアップにおすすめの資格は、上記(認定看護師・専門看護師)以外にもたくさんあります。

そこで次章では、看護師のキャリアアップにおすすめの資格をジャンル別に紹介していきます。

2. 看護師のキャリアアップに役立つ民間資格一覧

この章では、看護師が取得することでキャリアアップにつながる資格を紹介します。

給料に直結するわけではありませんが、将来的なキャリアには良い影響があるので、参考にしてください。

2-1. 循環ケアの資格

看護師が取得できる循環ケアの資格を、以下に挙げました。

循環器専門ナース
  • 医師の心臓外科手術のサポート
  • 循環器の問診、運動療法によるリハビリなど
心臓リハビリテーション指導士
  • 心臓病患者の生活指導(食事・運動)
  • 心臓病予備軍(糖尿病、高血圧など)に対する生活指導
体外循環技術認定士
  • 医師が心臓手術をする際のサポート
  • 医師の指示に従って、体外循環装置を操作(人工心肺など)

上記の資格を活かせる「循環器科」は手術・夜勤が多いことから、ハードな職場です。オペナースなら手術手当なども追加されるため、給料を増やせる可能性があります。

各種試験内容などについては、以下公式ページを参照してください。

循環器専門ナース
https://www.jeccs.org/medical/nurse-training/

心臓リハビリテーション指導士
https://www.jacr.jp/web/jacrreha/

体外循環技術認定士
https://www.jsao.org/gijutsu-ninteishi/nintei-01/

2-2. 呼吸器ケアの資格

呼吸器ケアの資格としては、以下の2つが挙げられます。

3学会合同呼吸療法呼吸療法を習得し、呼吸管理を行う医療チームの一員
体外循環技術認定士医師の指示に従って、体外循環装置を操作(人工心肺など)

資格を取得するだけで給料アップは望めませんが、転職時に呼吸器病棟・ICUなどへの配置を考慮してもらえるというメリットもあります。

各種試験内容などについては、以下公式ページを参照してください。

3学会合同呼吸療法士
https://www.jaame.or.jp/koushuu/kokyu/k_index.html

体外循環技術認定士
https://www.jsao.org/gijutsu-ninteishi/nintei-01/

2-3. 不妊治療の資格

不妊治療の資格も、今後需要が高まると考えられます。

というのも、高齢出産の増加に伴い不妊治療を必要とする人が増えているからです。

不妊カウンセラー
  • 不妊治療を受ける夫婦の悩み相談・アドバイス
  • 医療機関・不妊相談の窓口の現場で活躍
体外受精コーディネーター
  • 不妊治療を受ける夫婦に対する、より高度なカウンセリング
  • 体外受精や顕微授精についての情報提供
  • 医療施設・不妊専門のART施設で重宝

不妊カウンセラーの資格を取得することで、クリニックによっては資格手当が15,000円程度つくこともあります。

また体外受精の需要は高まっているにも関わらず、体外受精コーディネーターの資格取得者は450名程度と少ないことから、希少性が高くキャリアアップに役立つ資格であるといえるでしょう。

各種試験内容などについては、以下公式ページを参照してください。

不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター
https://www.jsinfc.com/user_data/coordinator.php

2-4. 介護(認知症関連)の資格

看護師がプラスで取得可能な介護・福祉の資格は、以下の通りです。

認知症ケア専門士
  • 認知症ケアの知識・技術を備えた専門技術士
  • 入院している認知症患者・患者家族のサポート
認知症ケア指導管理士
  • 認知症治療病棟での看護業務・身体介助
  • 介護記録記入業務・心身機能の向上サポートなど

これらの資格取得に向けて勉強することで、認知症患者へのケアの質が向上し、患者本人・家族との信頼関係を構築することにも役立つでしょう。

また、職場で認知症患者への対応に不安がある看護師を助けたり、相談に乗ったりすることもでき、存在感が増す可能性があります。

各種試験内容などについては、以下公式ページを参照してください。

認知症ケア専門士
https://ninchisyoucare.com/senmonsi/Ssenmonsi.htm

認知症ケア指導管理士
https://www.ss-cc.jp/shiken/ninchi.html

3.資格取得以外で看護師の給料を上げる4つの方法

看護師の給料を上げる現実的かつ具体的な方法は、以下4通りあります。

それぞれ詳しく説明します。

方法1. 単発・スポットの仕事をする

給料アップの最も現実的な方法は、単発・スポットの仕事をすることです。(※単発・スポットの仕事は副業にあたるため、必ず本業の就業規則を確認してください)

単発・スポットは、主に介護施設などの医療行為を行わない施設に、1日~数日だけ派遣され、看護師として施設スタッフのサポートを行います。

「1日だけ介護施設の夜勤をする」「3日間だけ訪問入浴の介助の仕事をする」といった柔軟な働き方が可能です。給料も高めに設定されており、日給2~3万円の求人も見られます。

さらに2021年4月以降は、新型コロナウイルスワクチン接種に限り、医療施設での単発の仕事も可能になりました。

補足:ワクチン接種に限り医療機関への看護師派遣が可能になった(2021年4月改正省令)

看護師の派遣は原則、介護施設など医療行為を行わない施設でのみ可能ですが、新型コロナウイルスワクチンの接種に限り、医療現場への看護師派遣が解禁となりました。

働く場所はワクチン接種を実施している病院・診療所で、期間は令和4年2月28日までと定められています。(変更の可能性あり)

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について

単発・スポットの求人は、転職サイト・派遣サイトなどを使って探せます。

例えば、看護師転職・派遣支援サービスの『MCナースネット』では、スケジュールが空いている日を選択すると、その日に募集している求人が一覧で表示されます。

mcナースネットMCナースネット検索画面

「夜勤を増やしたいけど、今の病院ではなかなかできない」という方は、単発の仕事をしてみるのもおすすめです。

方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る

現職の給料アップを目指しているなら、普段から上司と良好な関係を築いておくことも重要です。

看護師の給料は、在籍年数の長さが評価基準となりますが、それ以外にも「師長の評価」も関係します。分かりやすく言うと、師長が認めている看護師ほど給料が上がりやすいということです。

看護師の仕事の成果は、売上などで客観的に測れるわけではないので、どうしても「上司の主観的な印象」が大きく影響してきます。

実際に、スタッフのうち何人かをプラス評価(収入アップなど)するという時には、良い印象を持っている部下を推薦するということもあるようです。

そのため、普段から良好な関係を築いておき、高評価を受けやすくするという姿勢も、給料アップには必要と言えるでしょう。

方法3.管理職のポジションを目指す

時間はかかりますが、主任・師長などの管理職に就いて給与アップを目指すのも現実的な方法です。

実際にフルタイム勤務の看護師の平均年収が519万2,417 円であったのに対して、中間管理職は648万3,444円と、100万円以上の給与アップを期待できます。日本看護協会の調査)

看護師の管理職として、具体的には以下の役職があります。

看護師の管理職

  • 看護部長
    …看護部の責任者として、病棟の看護師長・スタッフナースをまとめ、病院全体の経営にも関わる仕事。
  • 看護師長
    …スタッフナースを統括する役割があり、主任看護師と一緒に業務の円滑化と質向上を目指す仕事。
  • 看護主任
    …スタッフナースの上位にあたる役職で、業務が円滑に進むように看護師長を補佐する仕事。

端的にいうと、看護師の管理職は「看護の現場のまとめ役」です。複数人のスタッフをまとめ上げるマネジメント力や忍耐力が求められます。

一般的に、管理職の資質があると認めた看護師を看護師長が推薦し、まずは看護主任を目指します。

大病院などの規模が大きく看護師の多い病院だと、競争が激しく管理職に就くのには最低でも10年以上かかりますが、中・小規模の病院であれば、看護師経験10年未満で管理職に就けるケースもめずらしくありません。

時間はかかりますが、着実にステップアップしながら給料を上げる方法と言えます。

方法4. 基本給の高い病院・施設に転職する

基本給が高い他の職場に転職するというのも一つの方法です。

病院の経営母体や規模によって昇給率が異なるため、業務内容は変わらなくても年収が上がることは少なくありません。

「このまま働き続けても大幅な給与アップが見込めない」場合、給与水準が高い他の職場への転職がおすすめです。

転職を検討中の方は転職サイトへの登録がおすすめ

 

転職を視野に入れて検討している方は、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。

キャリアアドバイザーは看護師転職支援のプロで、あなたの希望条件をヒアリングしたうえで最適な職場・求人を紹介してくれます。

人気が高い良質な求人ほど、非公開求人として転職サイト利用者だけに限定公開されているので、登録しておくだけで選択肢をグッと増やせますよ。

大手サイトだと『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などが有名です。評判の良いサイトを詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。

さいごに

看護師の給料アップにおすすめの資格について解説してきましたが、いかがでしたか。

「認定看護師」「専門看護師」などの資格は給料アップに役立つ可能性がありますが、資格取得には多くの時間と労力がかかります。

そのため、給料を手っ取り早く上げたいなら、基本給の高い職場への転職が適しています。

看護師のお金事情について知りたい方は、

の記事も参考にしてください。

この記事が、あなたのキャリアに役立つことを願っています。