新卒入社1年目・2年目の転職は厳しい?辞めるか続けるかの判断とタイミングを解説

新卒入社1年目や2年目の転職は、経験者を求める企業が多いことから厳しいといわれますが、仕事への姿勢や伸びる見込みが評価される時期でもあります。不満だけで動いて転職を繰り返さないよう、新卒で入った会社を辞めるかどうかの見極め方や、働きながら活動を進めるポイントを解説します。

新卒入社1年目・2年目の転職が厳しいといわれる理由

新卒入社から1年目・2年目の転職が厳しいといわれる理由は、中途採用をする企業の多くが社会人経験があり、入社してすぐ働ける人を求めているためです。そのため、新卒入社から間もない人が応募できる求人は、経験者を求める求人よりも少なくなります。また、企業は在籍期間が短い応募者について「入社してもまたすぐ辞めるのでは」と定着を気にします。

企業は、新卒入社から3年以内の転職者を「第二新卒」と呼ぶことが多く、入社1年目や2年目の人もこれに当たります。第二新卒に決まった定義はありませんが、企業は第二新卒を一般の経験者と区別し、「第二新卒歓迎」などの求人で採用を行います。

新卒入社1年目で転職する場合

新卒入社から3か月〜半年で別の会社に応募すると、応募先の企業には「仕事の中身がわかる前に辞めた」と受け取られやすくなります。入社直後は今の会社での研修や育成の期間にあたり、新入社員がまだ任されていない仕事も多いためです。また、入社から半年を過ぎていても、入社1年未満で動く人は応募先の企業に定着を疑われやすいため、早く辞める理由を説明できるようにしてから動く必要があります。

一方で、企業は1年目の応募者を、これまでの経験よりも仕事への姿勢や意欲、これから伸びる見込み(ポテンシャル)で選ぶことが多いです。そのため、入社1年目の人は、まだ経験の無い職種や業界にも応募しやすい傾向があります。

新卒入社2年目・3年目で転職する場合

新卒入社から1年以上勤めた人は、繁忙期や決算月など、会社の1年の仕事の流れを一通り経験したと応募先の企業に見てもらいやすいです。そのため、第二新卒向けの求人にも、これまでに経験の無い職種の求人にも応募しやすい時期です。

ただし、同じ職種へ転職する場合、2〜3年目の人は前の職場での仕事の中身や実績を面接で応募先の企業から聞かれます。なお、新卒入社から満3年を過ぎると、企業は応募者を第二新卒ではなく経験者として扱い、実績やスキルを見るようになります。そのため、経験の無い職種への応募は難しくなります。

新卒で入った会社を辞めるか続けるかの判断

新卒で入った会社を辞めるか続けるか迷うときは、今すぐ転職を考えるべき深刻な状態なのか、社内で解決を試せる不満なのかを見極めることが大切です。それでも迷うときは、辞めたい理由と転職で実現したいことを整理して判断します。

早めに転職を考えたほうがよいケース

新卒で入った会社で次のような状態にある人は、在籍期間にかかわらず早めに転職を考えてよいといえます。

  • 上司や先輩からパワハラやセクハラを受け、周囲に相談しても改善しない
  • 法律の上限を超える長時間労働やサービス残業が続いている
  • 給与の未払いや遅配がある
  • 残業や休日、配属先などの労働条件が入社前の説明と大きく違う
  • 希望退職の募集など、会社の経営状態の悪化が見える

会社に行こうとしても行けない、会社の前で体調が悪くなる状態は心身が限界に近いサインです。そうした人は一人で判断せず、病院で受診したり信頼できる人に相談したりしてください。厚生労働省の「こころの耳」では心の悩みを相談でき、明らかな法令違反があるときは労働基準監督署に相談できます。

辞める前に社内で試せること

ハラスメントや心身の不調といった問題がない場合は、辞める前に社内で試せる手があります。

配属や仕事内容に不満がある人は、上司や人事に相談すると解決することがあります。研修後に再配属される会社や、経験を積んだあとに希望部署へ異動できる会社もあるためです。

人間関係に不満がある人は、異動や席替えなどの相談ができます。

成果が出ないことが理由で辞めたい人は、ミスの原因を分けて対策したり先輩に助言をもらったりして進め方を見直せます。

辞めたい理由と転職でやりたいことの整理

社内でできることを試しても不満が解消されず、辞めるか迷う人は、「辞めたい理由」と「辞めたくない理由」を紙に書き出します。両方を書き出して比べることで、今の会社に残る理由と辞めたい不満のどちらが大きいかを整理でき、転職すべきかが見えやすくなります。

転職の理由は、紙に書き出した辞めたい理由にあたる「退職理由」と、「転職して実現したいこと」に分けて考えます。「人間関係がつらい」「入社前の話と違った」といった不満は退職理由にあたります。不満だけを理由に転職した人は、次の職場でも同じ問題にぶつかり、転職を繰り返すことになりやすくなります。そのため、退職理由だけでなく、転職して何を実現したいのかまで整理する必要があります。

転職して実現したいことは、希望の条件として紙に書き出して整理します。新卒1年目の人は「今度こそ長く働ける会社を」と希望の条件が増えやすいため、「必ず叶えたい条件」と「できれば叶えたい条件」に分けます。条件を絞りすぎないように整理することで、次の職場を選ぶ基準が明確になります。

新卒入社後に転職するタイミングと辞めるときの注意点

新卒で入った会社を辞めると決めたら、入社何年目・何月に動き出すかと、退職時の注意点を押さえておく必要があります。

転職活動を始める時期

新卒入社から何年目で動くかは、転職先の職種で変わります。経験の無い職種へ移りたい人は、企業がこれから伸びる見込みで見てくれる入社3年以内のうちに動くほうが応募しやすいです。今と同じ職種へ移りたい人は、面接で話せる実績が1つできてから動くほうが評価されやすいです。

活動を始める月は、求人の多い時期に合わせるなら、転職先の会社に入社したい月から逆算します。企業は年度末や半期末に退職者が出やすく、中途採用の募集を出すため、4月入社を目指すなら1〜3月、10月入社を目指すなら7〜9月が目安です。

ただし、企業は第二新卒の採用を年間を通して行っています。そのため、新卒入社から間もない人は求人が増える時期を無理に待つ必要はなく、自分が動き出したいタイミングで転職活動を始めて構いません。

新卒1〜3年目で辞めるときの注意点

新卒入社から何年目の人も、転職活動は働きながら始めます。先に会社を辞めると、次が決まるまで収入がなく、空白期間が延びるほど選考で不利になり、焦って条件を下げた会社に決めやすいためです。ただし、ハラスメントが深刻な場合など、やむを得ないときは先に辞めることもあります。

賞与は会社が決めた日に在籍している人だけが受け取れることが多いため、支給日より前に辞めると受け取れなくなります。何年目の人も、辞める前に就業規則で支給の条件を確かめて退職日を調整します。

雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが受給の条件です。新卒で入社して1年未満で自己都合で辞めた人は、この条件を満たさないため基本手当を受けられません。ただし、新卒1年目の人でも基本手当を受けられる場合があります。次のような理由で辞めたとハローワークに判断された人は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば基本手当を受けられます。

  • 倒産や解雇
  • 上司などからのひどい嫌がらせ
  • 基準を超える長時間の残業
  • 入社のときに示された労働条件と実際が大きく違うこと

新卒入社から間もない人の転職活動の進め方

新卒入社から間もない時期の転職活動は、新卒の就職活動とは進め方や評価の基準が異なります。

新卒の就職活動と転職活動の違い

一度就職した人が別の会社に応募すると、中途採用の枠で選考を受けます。新卒の就職活動では学生時代の経験が評価の材料でしたが、転職活動では在籍期間が短くても、仕事で経験したことや取り組みが企業の評価の材料になります。

求人は就活サイトではなく転職サイトで探します。

転職エージェントは、利用者の希望を聞いて求人を紹介し、応募書類の添削や面接の対策を手伝います。また、ハローワークには、卒業後おおむね3年以内の人の就職を支援する「新卒応援ハローワーク」があり、担当者が求人の紹介や応募書類の見直し、面接の練習を手伝います。

短い在籍期間での転職理由の伝え方

応募先の企業は、在籍期間が短い応募者には、とくに転職の理由を細かく聞きます。企業は、応募者がこれまでの判断を振り返り、次に生かせる人かどうかを見ています。前の会社への不満をそのまま伝えると印象が悪くなります。不満がきっかけでも、応募先の会社で実現したいことと今後の見通しにつなげて伝えます。例えば、配属が希望と違った人は、次のように伝えられます。「希望の部署に配属されず、学生のころから就きたかった仕事を諦められなかったため、その業務に携われる御社で経験を積んでいきたい」

社内で異動の相談をするなど自分から動いたことを話すと、応募先の企業に問題を解決しようとした姿勢として受け取ってもらえ、定着についての企業の心配を和らげられます。職務経歴書には、在籍期間が短くても「特になし」と書かず、自分で考えて取り組んだ仕事や工夫したことを具体的に書きます。