会社や転職エージェントの口コミ・評判を調べるとき、悪い意見が目立ったり人によって評価が分かれたりして、どこまで信じるべきか迷うことはありませんか。投稿者の不満や立場による偏りもあるため、書かれた内容をそのまま鵜呑みにすることはできません。ただし、気になる点を洗い出し、公的なデータや面接・面談で客観的な事実を確かめる手がかりとして役立てることはできます。入社する会社や利用する転職エージェントを選ぶための正しい見方を紹介します。
口コミ・評判の調べ方
企業の口コミは、現役社員や退職者が勤務先について書き込んだ個人の体験談です。投稿者の多くは匿名のため、どの部署に所属していたのかや、当時の状況までは分からないことが多いです。一方で、書いた人の職種や雇用形態、在籍していた時期は書かれていることもあります。
また、転職エージェントの評判を調べる手段としては、公式サイトに掲載されている利用者の声や、実際に利用した知人の体験談、ネット上の口コミなどが挙げられます。ただし、ネット上の口コミは投稿者の経歴が分からないため、鵜呑みにせず気になる点を拾う材料にするのが賢明です。
口コミサイトで調べる
転職会議やOpenWork、エン カイシャの評判といった会社の口コミサイトでは、求人票には出にくい情報が確認できます。具体的には、年収や賞与の内訳、残業時間、有給休暇の取得しやすさ、退職理由、面接で聞かれた質問などです。
多くの口コミサイトでは、総合評点や口コミ本文の冒頭部分であれば登録なしでも閲覧可能です。ただし、全文を読むためには、無料の会員登録や勤務先の口コミ投稿などを求められるケースが一般的です。閲覧の条件に投稿を求めるのは、口コミサイトが社員や元社員からの投稿だけで成り立っており、閲覧者にも情報を提供してもらわなければデータが増えないためです。
掲示板・SNSと口コミサイトの違い
口コミサイトと掲示板・SNSとの大きな違いは、掲載前に運営側による確認が入るかどうかです。多くの口コミサイトでは、投稿者に登録やSMSでの本人確認を求めています。そのうえで、運営側が目視で内容を確かめ、読む人が不快になる投稿や意味をなさない投稿をあらかじめ除外して掲載しています。ただし、投稿の多くは匿名のため、書かれた中身が事実かどうかまで確かめられるわけではありません。
一方、掲示板やSNSには掲載前の確認手順がなく、投稿者がいつ在籍していたのか、どのような職種だったのかも分からないことが多いです。そのため、偏った意見や、誤った情報も混じります。
SNSや掲示板では「会社名 残業」「会社名 評判」のように、知りたい言葉と組み合わせて検索してみましょう。SNSや掲示板は、気になる点や懸念材料を洗い出すためのツールとして使うのが適切です。そこで見つけた情報だけで良し悪しを決めつけないようにします。応募先の会社なら口コミサイトのデータと比較したり面接で質問したりして確かめ、転職エージェントなら初回の面談で確かめましょう。
口コミはどこまで信じる?信憑性の見極め方
口コミは、応募や登録を決めるための答えではなく、面接や面談で確かめる点を見つける材料として使います。
悪い口コミが多く見える理由
会社に満足して働いている人や転職がうまくいった人は、わざわざ口コミを書く理由があまりありません。一方で、不満を抱えて退職した人や、転職がうまくいかなかった人ほど投稿したくなるため、全体として悪い口コミが多く集まる偏りが生じます。社員や利用者の多い会社やサービスほど悪い口コミの件数も増えるため、件数の多さだけでなく、口コミ全体に占める悪い口コミの割合や具体的な中身を見ることが大切です。
また、同じ会社でも部署や雇用形態、時期によって働き方は異なります。ある部署の残業が多くても会社全体がそうとは限りません。ただし、残業代が支払われない、ハラスメントが放置されているなど、法律に反する扱いを指摘する口コミがいくつも見られる会社は、応募を見送るほうが安全とされます。
参考にしやすい口コミの特徴
会社の口コミの信憑性を確かめる際は、次の特徴をチェックしましょう。
- 「忙しい」「つらい」といった主観的な意見だけでなく、月の残業時間や評価面談の回数など数字で表せる事実が書かれている
- 投稿時期や在籍時期が新しく、給与や評価の制度が見直される前の古い情報ではない
- 書いた人の職種や立場、雇用形態が自分に近い
- 複数の口コミサイトで共通する傾向が見られる
なお、抽象的な良い点ばかり並ぶ口コミは、本人の体験に基づいているかが分からないため、割り引いて読みましょう。
転職エージェントの評判の見方
転職エージェントの口コミの多くは、サービス全体ではなく担当者(キャリアアドバイザー)個人への評価です。同じサービスに「親身だった」「放っておかれた」と真逆の声が並ぶのも、担当者が違えば体験が変わるためで、おかしなことではありません。
転職エージェントの口コミが分かれやすい理由
転職エージェントの満足度は、担当者の経験や力量、利用者との相性で大きく変わります。また、転職エージェントが紹介できる求人数は希望職種や年代、地域によって初めから違うため、合う求人が多く届いた人は高く評価し、少なかった人は低く評価します。
そのため、口コミを読むときは自分と希望職種や年代、地域が近い人の声を優先しましょう。担当者が合わないと感じたら、変更を申し出られる転職エージェントが多いです。
ランキング・比較サイトを見るときの注意点
転職サービスを比べるサイトの多くは、サイト経由で登録があると運営者に報酬が入る仕組み(アフィリエイト)で運営されています。そのため、ランキングの順位が報酬の額に左右されていないとは言い切れません。比較サイトを読むときは、広告であることを書いているか、悪い点や注意点にも触れているかを見ましょう。
口コミだけに頼らない情報収集の方法
応募先の会社については、求人票や企業のホームページから仕事内容や待遇、経営方針といった公式情報が分かります。直近の業績や過去の不祥事への対応などの客観的な事実をつかむには、ニュースサイトが役立ちます。
公的機関が公表しているデータも参考になります。企業の法令違反を確認したいときは、厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を見ます。女性の活躍や子育て支援への取り組みは、厚生労働省の「えるぼし認定・くるみん認定」が目安です。上場企業であれば、「有価証券報告書」で平均年収や平均勤続年数が分かります。転職エージェントを調べる際は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で事業者の許可や届出の状況を確かめられます。
なお、口コミが少ない会社や、応募する職種の口コミが少ない会社に応募するときは、配属される部署での働き方を面接で確認しましょう。
面接・面談で確かめる
面接の最後に応募者から質問できる逆質問の時間は、口コミで気になった点を解消する絶好の機会です。悪い口コミの内容や、口コミと求人票との食い違いは、そのままぶつけるのではなく、客観的な事実を答えてもらえる質問に変えて尋ねてみましょう。
- 「残業が多い」という口コミや、口コミと求人票の残業時間の違いがある場合は、配属される部署の月平均の残業時間を聞く
- 「評価に不満がある」という口コミの場合は、中途入社した人の評価がどのように決まるかを聞く
転職エージェントを利用する際は、登録後の初回面談を通じて担当者の対応を自分の目で見極めましょう。こちらの希望を丁寧に聞いたうえで提案してくれるか、連絡への返事が早いか、助言が自分の状況に合っているかを確認します。もし希望と合わない求人を強く勧められたり、応募を急かされたりしたときは、その場で決めずに一度持ち帰ることが大切です。
まとめ
口コミだけで応募や登録を決めるのではなく、直接確かめるための手がかりとして活かしましょう。迷ったときは、次の順番で進めてみてください。
まずは応募や登録の前に、口コミで気になる点を拾い、求人票や企業のホームページ、ニュース、公的な情報などで確認して応募先や登録先を選びます。そして、応募した会社には面接の逆質問で、登録した転職エージェントには初回の面談で、残った点を聞いてみましょう。そのうえで、入社する会社や利用する転職エージェントを決めるのがおすすめです。

































