薬剤師の再就職は難しい?出産後&ブランク明けでスムーズに復帰する事前準備

薬剤師への再就職を考えていても

「ブランクがあるから不安」
「どうすればスムーズに再就職できるのだろう」

という不安がありますよね。

結論、薬剤師はブランクがあっても再就職しやすい職業です。

ただ、コロナ禍で求人数が減少し、転職難易度が上がっているため「入念な情報収集」を行い「再就職を成功させるためのポイント」を抑える必要があります。

そのため、この記事では転職のプロとして薬剤師転職をサポートしてきた私が、コロナ禍における再就職のポイントを以下の流れで説明していきます。

  1. 【2021年最新版】薬剤師の再就職は難しい状況
  2. 再就職前には法律・制度、新薬知識のアップデートが必須!
  3. ブランクがある方におすすめの職場
  4. 再就職を成功させるためのポイント
  5. 転職サイトのサポートを活用する
  6. 薬剤師の再就職におすすめの転職サイト

この記事を読めば、薬剤師の再就職への不安がなくなり、後悔しない決断ができるようになるでしょう。

薬剤師500名が選んだ人気の転職サイト

編集部が実施した薬剤師500名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。

キャリア・転職に悩んでいたり、今の仕事・職場から離れようかなと考えていたりするすべての薬剤師におすすめの相談先です。

左右にスクロールできます。

おすすめ転職サイト口コミ満足度公開求人数おすすめポイント
薬キャリエージェント
1位:薬キャリエージェント

4.3点

約6.0万件
  • 利用者満足度No. 1(※エムスリーキャリア調べ)
  • 丁寧・親身なサポートが大好評
  • 病院・企業との強固なコネクション
ファルマスタッフ2位:ファルマスタッフ

4.1点

約4.5万件
  • 圧倒的公開求人数を誇る大手サイト
  • 20-30代薬剤師のキャリアアップ転職におすすめ
  • 正社員だけでなくパート・派遣求人も豊富
マイナビ薬剤師3位:マイナビ薬剤師

4.0点

約4.5万件
  • 全国に拠点があり地方にも強い
  • ドラッグストア・企業の求人は特に豊富
  • 求人検索システムが超使いやすいのも魅力

〔求人数〕2023年1月5日時点

 

1.【2021年最新版】薬剤師の再就職は難しい状況

2021年現在、コロナ禍の影響で薬局の売上が減少していることから、薬剤師の再就職は難しい状況にあります。

経営状況の悪化により、派遣やパートの勤務時間短縮や給与削減が行われ、正社員のみ辛うじて雇用が守られている状態です。

求人倍率も派遣・パートでは大きく減少し、正規雇用においても募集を見合わせているものが多くあります。

薬剤師の求人倍率

※求人倍率は医師・薬剤師を合わせたものです。

出典:厚生労働省(2020年2021年)

そのため、今再就職すべきかどうかは以下の基準をもとに慎重に検討してみてください。

ブランク年数が再就職に与える影響

  • ~1年半:スムーズに再就職しやすい
  • 1年半~3年:ブランクがあると判断されやすい
  • 3年~:完全に復帰するまで時間がかかるため再就職の難易度が高い

スムーズな再就職のためには入念な情報収集と勉強が必須となります。

特にコロナ禍において求人数が減少しているため、「選ばれる薬剤師」となれるようスキルを磨きましょう。

2.再就職前には法律・制度、新薬知識のアップデートが必須!

ブランクがある方は、数年間の知識の遅れを取り戻すために、再就職前から勉強しておくことが大切です。

この章では勉強のポイントを以下の3つに分けて説明していきます。

それでは見ていきましょう。

2-1.改正された法律・制度を把握する

2年に1度行われる診療報酬改定や、薬機法の改定で薬剤師の業務内容が大きく変わることがあるため、制度内容を把握しておきましょう。

2020年に改訂された薬機法では、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」で薬局の機能分化が大きく進みました。

出典:薬機法改正

新たな制度を知らずに再就職すると現場で戸惑うことが多くあるため、厚生労働省のHPで確認しておきましょう。

2-2.新薬について勉強する

新薬は年間約100品目承認されており、職を離れていた間に承認されたものについて勉強しておく必要があります。

特に作用機序が従来のものと異なる場合は注意が必要であり、違いを説明できなければなりません。

新たに承認された新薬の全てを一気に覚えることは難しいですが、職場で用いられるものについては必ず目を通しておきましょう。

以下に新薬の勉強に役立つおすすめの本を紹介します。

薬の相互作用としくみ

出典:amazon

どんな相互作用が起こり得るのか、どう対応すべきか、基礎から実践まで、相互作用をまるごと学べる必読書
薬物相互作用の発現機序(しくみ)を薬理学・分子生物学の最新知見に基づいて詳説するとともに、相互作用を引き起こす薬剤の組み合わせと起こり得る結果を一覧表にまとめました。

薬局で使える実践薬学

出典:amazon

薬の知識、日ごろの薬局業務に活かせていますか?わかったつもりの説明から脱し、薬の知識を踏まえた考え方「実践薬学」をマスターしよう。
処方監査や服薬指導といった薬局業務では、薬物動態学や薬理学の真理に関わる様々な疑問に遭遇します。きちんと理解していないと、添付文書に書かれた内容しか説明できない薬剤師に…。実践薬学では、そんな真理を日ごろの業務に活かすための考え方を養います。

補足:研修制度を利用する

ブランク期間の遅れを取り戻すには、研修制度を利用することもおすすめです。

また「研修認定薬剤師」になると、自分の薬剤師としてのスキルを客観的に評価することができるため、研修の過程で認定を取得することも検討してみましょう。

研修認定薬剤師

一定の期間自己研修により定められた単位を取得することで、「自己研鑽により資質向上努力を継続している」と認められた薬剤師のことです。
この認定を取得することで、専門性の向上やキャリアアップにつながり、再就職でも有利となります。

研修制度や認定試験に関して詳しく知りたい方は『日本薬剤師研修センター』のHPを参考にしてみてください。

また、以下で研修制度を利用できるサービスを紹介しているため、『日本薬剤師研修センター』と合わせてチェックしておきましょう。

MPラーニング

MPラーニング』は、薬剤師のための有料Web研修システムであり、研修認定薬剤師に対応したeラーニングとして認可されています。

インターネットに接続できる端末さえあれば、 いつでもどこからでも研修を受けることができ、忙しい方にもおすすめできる学習ツールと言えるでしょう。

公式サイト:
https://www.mp-learning.com/

メディカルナレッジ

メディカルナレッジ』は、特定非営利活動法人医療教育研究所が提供するeラーニングシステムです。

研修認定薬剤師の必要単位を取得でき、企業でも導入されていることがあります。

MPラーニング同様有料のサービスとなっていますが、最新情報を簡単に入手でき、スマホでも手軽に利用できるためおすすめです。

公式サイト:
https://www.medical-knowledge.net/

3.ブランクがある方におすすめの職場

ブランクがある方は、まずは以前勤めていた職場と同じ業種で再就職するとスムーズです。

この章では、ブランクがある方でも復帰しやすいおすすめの職場を紹介します。

順に見ていきましょう。

3-1.ドラッグストアは福利厚生が充実している

ドラッグストア薬剤師は福利厚生が充実しているためおすすめです。

ドラッグストアの運営元は大企業であることが多く、人材確保のためにも福利厚生を手厚くしている傾向にあります。

実際、大手ドラックストアの1つである『ウエルシア薬局』では以下のような福利厚生が整っています。

福利厚生

  • 社宅制度
  • 従業員割引制度
  • 活動助成金制度
  • 社費留学制度
  • 産休・育休制度
  • 育児短時間勤務制度
  • 慶弔見舞金
  • LTD制度
  • グループ医療保険

店舗で販売されている商品を安く購入できる「従業員割引制度」や「産休・育休制度」など、様々な制度が利用されています。

産休・育休制度の取得率100%!

産前6週・産後8週の産休制度はもちろん、最長でお子さんが3歳になるまでの間、育休の取得が可能です。取得率も100%を誇るなど、取得しやすい環境も整っています。

出典:ウエルシア薬局

関連記事:薬剤師がウエルシア薬局への転職を成功させるためのポイント集 | プロ直伝

3-2.調剤薬局は求人数が多い

調剤薬局は求人数が多いためおすすめです。

実際、以下のグラフからも調剤薬局の求人数は他の職場と比べて群を抜いていることが分かります。(2021年7月時点)

出典:ファルマスタッフ

また、調剤薬局のなかでも以下のように処方内容がシンプルな診療科の門前薬局(病院の近くにあり、処方箋の受付率が高い薬局)を選ぶと、ブランク明けの適度な肩慣らしができるでしょう。

ブランクがある方におすすめの診療科

  • 眼科
  • 皮膚科
  • 整形外科

一方で内科や総合病院前の薬局は、扱う薬の種類も多く業務内容が複雑になりやすいため、ブランク明けの方にはおすすめできません。

自分の得意分野に絞って職場を探してみましょう。

4.再就職を成功させるためのポイント

再就職を成功させるには、薬剤師としてのスキルを磨くことと、働きやすい職場を選ぶことが大切です。

この章では、再就職を成功させるための3つのポイントを紹介していきます。

それでは見ていきましょう。

4-1.研修制度が整っている職場を選ぶ

ブランクがある方が安心して復職するためには、研修制度が充実している職場を選ぶことが大切です。

以下のように薬学講座やフォローアップセミナーなど、多くの研修を用意している企業もあります。

出典:マツモトキヨシ

研修制度の内容は企業ごとに異なるため、自分のスキルと合っているか確認しましょう。

4-2.子育て中の薬剤師はどのくらいいるか確認する

育児により職を離れていた方は、再就職先を選ぶ際に、子育てをしながら働いている薬剤師がいるか確認しましょう。

子育て中の薬剤師が職場に多ければ、働きやすさの1つの指標となり、また職場全体の理解も深くなります。

もし子どもが急に体調を崩しても、寛容な対応をしてくれる職場で、相談に乗ってくれる同僚がいれば、ストレスなく働くことができるでしょう。

上司が子育て世代に理解があると働きやすい

口コミ・評判

匿名 さん
入店舗の管理薬剤師さんは在籍15年以上のベテランで、子育て経験あり
そのため、お子さまの病気や行事のための急なお休みなどにも理解があり、子育て世代が働きやすい環境になっています。

子育ての悩みを相談する相手がいると良い

口コミ・評判

匿名 さん
とりあえず同僚にママ薬剤師がいないのでなんで定時にダッシュで帰るのかということに対しては理解が得られないがそれは別にいいんだけど
たまに子育ての話とか誰かとしたくなるからその時は赤ちゃん育ててる男の職員と話したりしてる。

4-3.ブランクがある理由を説明できるようにする

育児や介護などの理由から職を離れていた方は、その理由を簡潔に説明できるようにしましょう。

また人間関係や給与への不満から辞めた方も、以下のように再就職への前向きな動機を話すことが大切です。

  • チームワークを大切にして働きたい
  • 努力が正当に評価される環境で働きたい

加えて、理由と共にブランク中に再就職へ向けて勉強してきたことや、復帰後は長く働けることなどをしっかりアピールしましょう。

ここまで再就職成功のポイントをお伝えしてきましたが、コロナ禍での再就職が不安な方や面接対策をしたい方は、転職サイトのサポートを受けることをおすすめします。

5.転職サイトのサポートを活用する

就職活動は、求人検索から書類の準備、面接対策などやることが多く、すべて1人で進めるのは非常に大変です。

そのため、再就職では転職サイトを活用しましょう。

転職サイトを利用するメリット

  • 求人紹介や面接の日程調整など面倒な手続きを代行してくれる
  • 非公開求人も紹介してもらえる
  • 無料でキャリアカウンセリングをしてもらえる
  • 面接対策や書類添削をしてもらえる
  • 職場に推薦文を書いてもらえる
  • 育児や介護との両立など、親身に相談に乗ってもらえる

このように、転職サイトを活用するメリットは多数あります。

転職サイトを利用することで、選考通過率をグッと高めることができるため、気になるサイト2~3社を必ず活用しましょう。

次章では、薬剤師の再就職におすすめの信頼できる大手転職サイトをご紹介します。

6.薬剤師の再就職におすすめの転職サイト

数ある転職サイトの中から、以下の3点を基準に、「総合評価の高い薬剤師転職サイト」をピックアップしました。

総合評価を導き出す3つの基準

  1. 求人の質・量:薬剤師求人の量や質は十分かどうか
  2. 提案力:求職者のニーズにぴったりの提案をしてくれるかどうか
  3. サポート力:コンサルタントからの手厚いサポートを受けられるかどうか

さらに、当サイトが薬剤師500人を対象に行った独自アンケートの調査結果を加味し、利用者の総合評価順にランキング形式でまとめました。

転職サイト公開求人数 | 利用満足度
1位
薬キャリ
約6.0万件| ★★★★☆4.3
実績豊富で満足度95%
2位
ファルマスタッフ
約5.2万件| ★★★★☆4.2
調剤薬局と派遣の求人が豊富
3位
マイナビ薬剤師
約5.8万件| ★★★★☆4.1
親身なサポート体制に高評価
4位
ファーマキャリア
約4.8万件| ★★★★☆3.8
好条件求人をオーダーメイドで提案
5位
リクナビ薬剤師
約4.2万件| ★★★★☆3.7
優秀なアドバイザーが全面サポート

※2021年12月現在の情報です

それでは、ここからおすすめの転職サイトを1つずつ紹介していきます。

1位.薬キャリ|実績豊富で満足度95%

薬キャリ

『薬キャリ』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)

運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。

また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。

業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。

公式サイト:
https://agent.m3career.com/

当サイトでは薬キャリのコンサルタントにインタビューを行いました!

薬キャリの強みコロナ禍における薬剤師の転職事情をお話いただいたので、転職を検討している方はぜひご覧ください。

こちらをタップ ▼

薬剤師の人生を照らす転職を――薬剤師満足度No1『薬キャリ』のコンサルタントによる「求職者ファースト」の転職支援とは

2位.ファルマスタッフ|調剤薬局と派遣の求人が豊富

ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。

20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。

薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。

公式サイト:
https://www.38-8931.com/

3位.マイナビ薬剤師|親身なサポート体制に高評価

マイナビ薬剤師

※マイナビのプロモーションを含みます。

『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。

マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています

また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。

親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。

公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/

※マイナビのプロモーションを含みます。

4位.ファーマキャリア|好条件求人をオーダーメイドで提案

『ファーマキャリア』は、オーダーメイド求人が魅力の転職サイトです。あなたの希望に合わせた好条件求人を、キャリアコンサルタントが厳選して提案してくれます。

求人の数よりも質を重視したい方におすすめです。

また、優秀なキャリアコンサルタントが担当してくれる点も特徴的です。

一人ひとりがより満足のいく転職を実現するために、非常に親身なサポートを実施しています。

公式サイト:
https://pharmacareer.jp

5位.リクナビ薬剤師|優秀なアドバイザーが全面サポート

リクナビ薬剤師

『リクナビ薬剤師』は、人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師を専門に扱ったサイトです。

サービスの規模も大きく、数多くの転職実績があります。

ドラッグストアの求人や、高収入の求人が多い点も特徴です。

また「日本一の人材紹介会社」としてのノウハウが豊富であり、特に優秀なコンサルタントがいるという点も大きな強みです。

さいごに

薬剤師の再就職について詳しくお話してきましたが、いかがでしたか?

コロナ禍では就職難易度が高くなっているため、入念な事前準備をし、選ばれる薬剤師となるために勉強していきましょう。

それと共に、再就職では転職サイトを利用してサポートを受けることをおすすめします。

あなたの人生が豊かになることを願っています。