看護師で年収600万円は可能?周囲より高年収を稼ぐ看護師の条件とは

「看護師で年収600万円って稼げる?どれくらい大変?」とお考えですね。

結論から言うと、若いうちに年収600万円を超えるのは少々ハードルが高いです。ですが、着実にキャリアを積み上げていけば十分可能な金額です。

そこでこの記事では、看護師が年収600万円を超えるにはどうすれば良いか、具体的な方法を解説していきます。

  1. 看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能
  2. 看護師年収600万円超えの条件
  3. 年収600万円以上を目指す具体的な方法

この記事を読めば、どうすれば年収600万円を稼げるようになるか、具体的に理解できます。

1.看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能

結論から言うと、看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能です。

事実、「看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)の3割は、年収600万円以上」という調査データもあります。(参考:2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査

病院勤務の看護職の賃金に関する調査図解

看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)対象の調査

こちらは2012年とやや古い調査になりますが、看護職の給与水準は過去10年でほとんど変化がないため、2021年現在も割合としてはほとんど変わらないと予測できます。

このことから、年収600万は決して不可能なラインではないことが分かるでしょう。なお、看護師全体の年収は492万円なので、約100万円ほど周囲より高い計算です。(看護師の年収について詳しくは『看護師の平均年収は?給与相場やボーナス額は本当に割に合うのか徹底調査』で解説しています)

では、どんな看護師が年収600万円を超えられるのでしょうか。次章では、年収600万超えの条件を解説していきます。

2.看護師年収600万円超えの条件

結論、以下いずれかを満たす場合、年収600万円を超える確率が高くなります。

それぞれ具体的に説明します。

条件①.正職員で勤続年数20年以上

正職員看護師で勤続年数が20年を超える頃になると、年収600万円は現実的になります。

というのも、看護師の給与は年功序列で決まることがほとんどだからです。

事実、8割以上の病院が「正職員の給与は年齢・勤続年数を基準にしている」と回答している調査もあります。(参考:2020年病院看護実態調査

「一つの職場で長く働く」というのは、年収600万円超えの最も現実的な方法です。

勤続年数の目安

20年というのはあくまで目安ですが、40代以前だとややハードルは高いでしょう。

概算にはなりますが、勤続10年経過時(31~32歳・非管理職)の看護師の年収は、新卒時の年収より60万円ほど高くなります。看護師の初年度の年収は多くても400万円弱なので、年収600万円まで昇給するには、最低でも20年以上はかかる計算になります。

条件②.中間管理職以上の役職に就いている

役職に就いている看護師は、手当支給により年収が高くなります。

事実、前述の調査では「中間管理職の3人に2人が年収600万円以上」という結果です。これに対し、「非管理職(役職なし)で年収600万円を超えているのは5人に1人だけ」となっています。

年収600万円と職位の関係

中間管理職は、具体的に以下のような役職が該当します。

  • 主任
  • 副看護師長
  • 看護師長相当

これらの役職に就けば、役職手当で年収が高くなりますが、やはり上記はある程度経験を重ねなければ難しいポジションです。そのため、40代以降で年収600万超えになるというのが順当な流れでしょう。

なお、看護部長クラスになると更に高収入になります。

条件③.規模の大きい病院で働いている

看護師の年収は、働く病院の規模が大きくなるほど高くなります。

看護師の年収は病院によって異なり、特に病床数が増えるほど看護師の給与も高くなります。

以下は、勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職を想定)の平均月収と目安年収です。

病床数月収
(万円)
目安年収
(万円)
~9930.8449.1
100~19931.3455.1
200~29931.7459.9
300~39932.9474.3
400~49933.5481.5
500~34.6494.7

※日本看護協会「2020 年 病院看護実態調査 」をもとに試算

上記は30代前半の金額なので、どの職場でも平均年収は600万円に届いてはいませんが、病床数に応じて、年収が高くなっていることが分かります。

このことから、大病院であるほど年収600万円に近づきやすいと予測できます。

特に大規模病院は、看護師の勤続年数や経験、ラダーによるレベル達成度等を重んじる傾向があります。そのため、「大規模の病院で長期的なキャリアを築く」というのが、年収600万円の近道と言えるでしょう。

条件④.可能な限り夜勤シフトに入っている

夜勤シフトにできる限り入れば、その分年収も高くなり、年収600万円も可能です。

20~30代で年収600万円を目指すなら、体力が許す限り夜勤に入るのが現実的な方法です。

実際に、副看護師長経験者の方にお話を伺ったところ、「役職も重要だが、やはり最終的に年収に大きな影響を与えるのは夜勤」という回答が得られました。

口コミ・評判

副看護師長経験者
私は日勤中心の副看護師長の経験がありますが、その頃より夜勤にひたすら入ってた頃の方が年収は高かったです。年収600万円の看護師も普通にいましたよ。若手でも夜勤に入りまくれば、年収600万は厳しくても、500万円くらいまでは稼げると思います。

なお、夜勤手当の平均額は以下の通りです。

シフト平均手当額(円)
三交代:準夜勤4,141
三交代:深夜勤5,033
二交代11,026

※「日本看護協会調査研究報告」より

22時~翌5時までは割増賃金(1.25倍)が加算されるので更に給与は高くなります。

仮に三交代制の深夜勤に月8回(日本看護協会推奨の上限)入れば、月収あたり約4~5万円、年収換算で48~60万円分になります。

条件⑤.転職を経験している

一つの病院で長く働くと年功序列で給与が徐々に上がりますが、飛躍的に給与アップを目指すなら転職も一つの方法です。

経験年数や前職の役割・職位が評価されれば、今より高い基本給で働ける可能性もあります。

実際に中途採用の賃金は、以下の要素を基準として採用時に決定されます。

中途採用時の賃金決定基準

  • 看護師の経験年数(46.0%)
  • 以前の勤務先で経験した役割・職位(34.1%)
  • 取得している資格(29.0%)
  • 以前の勤務先の病院種別(機能)(24.6%)
  • ブランクの長さ(23.8%)

※カッコ内は回答した病院の割合

※「病院勤務の看護職の賃金に関する調査」より

これらを踏まえると、以下に該当する数が多いほど、転職で給与がアップしやすいと言えます。

  • 看護師経験が長い
  • 中間管理職以上の役職経験がある
  • 資格を持っている
  • 高度なスキルが求められる病院での勤務経験がある(三次救急など)
  • ブランクが短い

ただし、年収600万円を超える求人はそれほど多くはないので、根気強く探していく必要があります。

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3.年収600万円以上を目指す具体的な方法

看護師の給料を上げる現実的かつ具体的な方法は、以下の4通りあります。

それぞれ詳しく説明します。

方法1. 単発・スポットの仕事をする

給料アップの最も現実的な方法は、単発・スポットの仕事をすることです。(※副業になるので、就業規則を確認は必須)

単発・スポットは、主に介護施設などの医療行為を行わない施設に、1日~数日だけ派遣され、看護師として施設スタッフのサポートを行います。

「1日だけ介護施設の夜勤をする」「3日間だけ訪問入浴の介助の仕事をする」といった柔軟な働き方が可能です。給料も高めに設定されており、日給2~3万円の求人も見られます。

さらに2021年4月以降は、新型コロナウイルスワクチン接種に限り、医療施設での単発の仕事も可能になりました。

補足:ワクチン接種に限り医療機関への看護師派遣が可能になった(2021年4月改正省令)

看護師の派遣は原則、介護施設など医療行為を行わない施設でのみ可能ですが、新型コロナウイルスワクチンの接種に限り、医療現場への看護師派遣が解禁となりました。

働く場所はワクチン接種を実施している病院・診療所で、期間は令和4年2月28日までと定められています。(変更の可能性あり)

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について

単発・スポットの求人は、転職サイト・派遣サイトなどを使って探せます。

例えば、看護師転職・派遣支援サービスの『MCナースネット』では、スケジュールが空いている日を選択すると、その日に募集している求人が一覧で表示されます。

mcナースネットMCナースネット検索画面

「夜勤を増やしたいけど、今の病院ではなかなかできない」という方は、単発の仕事をしてみるのもおすすめです。

方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る

現職の給料アップを目指しているなら、普段から上司と良好な関係を築いておくことも重要です。

看護師の給料は、在籍年数の長さが評価基準となりますが、それ以外にも「師長の評価」も関係します。分かりやすく言うと、師長が認めている看護師ほど給料が上がりやすいということです。

看護師の仕事の成果は、売上などで客観的に測れるわけではないので、どうしても「上司の主観的な印象」が大きく影響してきます。

実際に、スタッフのうち何人かをプラス評価(収入アップなど)するという時には、良い印象を持っている部下を推薦するということもあるようです。

そのため、普段から良好な関係を築いておき、高評価を受けやすくするという姿勢も、給料アップには必要と言えるでしょう。

方法3.管理職のポジションを目指す

時間はかかりますが、主任・師長などの管理職に就いて給与アップを目指すのも現実的な方法です。

実際にフルタイム勤務の看護師の平均年収が519万2,417 円であったのに対して、中間管理職は648万3,444円と、100万円以上の給与アップを期待できます。日本看護協会の調査)

看護師の管理職として、具体的には以下の役職があります。

看護師の管理職

  • 看護部長
    ...看護部の責任者として、病棟の看護師長・スタッフナースをまとめ、病院全体の経営にも関わる仕事。
  • 看護師長
    ...スタッフナースを統括する役割があり、主任看護師と一緒に業務の円滑化と質向上を目指す仕事。
  • 看護主任
    ...スタッフナースの上位にあたる役職で、業務が円滑に進むように看護師長を補佐する仕事。

端的にいうと、看護師の管理職は「看護の現場のまとめ役」です。複数人のスタッフをまとめ上げるマネジメント力や忍耐力が求められます。

一般的に、管理職の資質があると認めた看護師を看護師長が推薦し、まずは看護主任を目指します。

大病院などの規模が大きく看護師の多い病院だと、競争が激しく管理職に就くのには最低でも10年以上かかりますが、中・小規模の病院であれば、看護師経験10年未満で管理職に就けるケースもめずらしくありません。

ちなみに、筆者が以前勤務していた大学病院では、特別な条件・手続がなくても、10年以上勤めていれば主任看護師として認定を受けていました。(そもそも10年以上勤続する看護師が少なく、自動的に主任に昇格するようになっていました)

時間はかかりますが、着実にステップアップしながら給料を上げる方法と言えます。

方法4. 基本給の高い病院・施設に転職する

基本給が高い他の職場に転職するというのも一つの方法です。

病院の経営母体や規模によって昇給率が異なるため、業務内容は変わらなくても年収が上がることは多々あります。

このまま働き続けても大幅な給与アップが見込めないなら、給与水準が高い他の職場への転職がおすすめです。

病院によってですが、以下のような明確な昇給基準を定めていることもあります。

  • クリニカルラダーをもとにしたレベル達成度
  • 病院独自の試験・面接による評価制度
  • ポイント制度を導入し、そのポイントとレベルに見合った評価制度

特に規模の大きな病院ほど、このような基準を明確に定めているケースが多いです。

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補足:給料アップに資格取得はおすすめしない

ネット上の情報には、認定看護師や認定看護師資格の取得を給料アップの方法として紹介していることも多いですが、これは全くおすすめできません。

費用対効果が悪すぎるからです。

例えば認定看護師の資格取得には、授業料・実習費などを合わせると100万円以上のコストがかかります。その上、専門の教育機関で6ヶ月以上、計615時間の教育課程をクリアしなければなりません。

それが給料に還元されれば問題ありませんが、実際はそうではありません。

専門看護師・認定看護師の資格を取得しても、昇給・手当がつくとは限らず、看護協会の資料によると、「病院の約6割は、認定看護師・専門看護師の資格手当や昇給がない」ようです。

専門看護師・認定看護師の処遇

専門看護師・認定看護師の資格は、半分以上の病院で給料に加算されない

出典:日本看護協会

そして仮に給与に反映されても、月およそ5,000円アップするくらいが相場です。

このことから、給料アップの目的だけで資格取得を検討するのは現実的ではありません。職場を変える方が、手軽かつ現実的と言えるでしょう。

さいごに

看護師が年収600万円を目指すのは、現実的に可能かどうか解説しました。

結論を再掲すると、若いうちに年収600万円を超えるのは少々ハードルが高いです。ですが、着実にキャリアを積み上げていて、以下に該当する方なら、十分可能です。

  • 正職員で勤続年数20年以上
  • 中間管理職以上の役職に就いている
  • 規模の大きい病院で働いている
  • 可能な限り夜勤シフトに入っている
  • 転職を経験している

なお、看護師はなかなか給料が上がらない職種と言われることも多いです。これについては『【徹底解説】看護師の給料が上がらない4つの原因&年収を上げる現実的な方法』で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてください。