緩和薬物療法認定薬剤師になろうかと考えていても
「条件を満たせるだろうか」
「試験に合格できるだろうか」
といった不安があると思います。
結論、緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得するには、幾つもの条件を満たさなくてはならないため、合格までに多くの時間と労力を要します。
よって、条件を入念に確認し、試験に向けて計画的な準備を行うことが大切です。
この記事では、緩和薬物療法認定薬剤師への転職サポートのプロである私が、
- 緩和薬物療法認定薬剤師として就職する前に知っておくべき現実
- 緩和薬物療法認定薬剤師になるために取るべき行動
を紹介していきます。
- 緩和薬物療法認定薬剤師とは
- 緩和薬物療法認定薬剤師になるには
- 緩和薬物療法認定薬剤師になるメリットデメリット
- 【結論】緩和薬物療法認定薬剤師になるのがおすすめの人
- 緩和薬物療法認定薬剤師として働きたい人におすすめの転職サイト5選
- 転職サイトをより効果的に利用する7ポイント
- 【図解】転職サイト利用の流れ
- 【FAQ】緩和薬物療法認定薬剤師への転職でよくある疑問と回答
本記事を読めば、緩和薬物療法認定薬剤師薬剤師になるために必要な知識を得ることができます。
目次
1. 緩和薬物療法認定薬剤師とは
緩和薬物療法認定薬剤師とは、がん患者の症状を管理し痛みの緩和に貢献する薬剤師のことです。
日本緩和医療薬学会により、2009年から認定制度が始まりました。
1-1. 緩和薬物療法認定薬剤師の仕事内容
緩和薬物療法認定薬剤師の仕事内容は以下の通りです。
- 患者の情報を集め、適切な薬剤を使用して痛みの予防と緩和に努める
- 使用している薬剤に関する医薬品情報(副作用など)を患者と家族に提供し、服薬指導を行う
- 医師や看護師と患者の症状について情報共有する
- 専門知識を生かして治療計画や感染症への対策を立てる
このように、がん患者の心と体の痛みを和らげることは、QOLの向上に大きな役割を果たしていると言えます。
1-2. 緩和薬物療法認定薬剤師が働くことができる職場
緩和薬物療法認定薬剤師は主に、ホスピスや緩和ケア病棟、一般病棟、在宅で働くことができます。
ただ、ホスピスや緩和ケア病棟は未だ数が少なく、一般病棟、在宅においても充実した緩和ケアを提供するためのシステム作りが急がれているのが現状です。
近年では、在宅医療を受ける患者数が増えていることから、今後の在宅現場の増加が見込めます。
そのため、緩和薬物療法認定薬剤師が働ける場所は増加傾向にあると言えるでしょう。
2. 緩和薬物療法認定薬剤師になるには
緩和薬物療法認定薬剤師になるために、以下の3つのポイントを確認しましょう。
それでは1つずつ見ていきます。
2-1. 資格取得の難易度
公式な合格率は発表されていませんが、2010年時点で83%、2014年の認定薬剤師資格全体での合格率は82.4%となっていました。
比較的容易であると考えられるかもしれません。
しかし、油断をすべきでないことが、下記の口コミからも分かります。
出典:Twitter
2020年度の試験はコロナウイルスにより中止となったため、まだ時間はあります。
条件を念入りに確認し、試験勉強を行うと良いでしょう。
2-2. 緩和薬物療法認定試験を受ける条件
試験を受けるために必要な条件を以下にまとめました。
条件1 | 薬剤師として5年以上の実務経験があること。 |
条件2 | 日本緩和医療薬学会の会員であり年会費を完納していること。 |
条件3 | 薬剤師認定制度認証機構で認められ下記の資格の中から
いずれかの資格を有していること。 |
条件4 | 緩和薬物療法認定薬剤師資格申請時において、連続して3年以上、緩和医療チームがある病院で緩和医療にに従事していること。もしくは同じ期間、麻薬小売業者免許を保有し、がん診療を実施する保険薬局等に勤務して緩和ケアに従事していること。 |
条件5 | 過去5年以内に、認定対象となる研修や講習に参加し、100単位以上を取得していること。また、ホスピスケアや医療用麻薬の適性使用に関する講習会に参加していること。 |
条件6 | 薬剤師として働きながら、緩和医療に関する学会発表(一般演題)を2回以上行い、内1回以上は発表者として参加していること。 |
条件7 | 病院薬剤師: 緩和治療の症例を、30例以上提出できること。
薬局薬剤師: 緩和ケアに関する服薬指導の実績について15例提出できること。 |
条件8 | 医療機関の所属長、もしくは薬局開設者の推薦が受けられること。 |
これらの情報をweb登録システムへ入力し、それを元に書類審査が行われます。
年に1度の筆記試験を受けるためには、書類審査に合格することが必要です。
2-3. 緩和薬物療法認定試験の内容
試験内容は以下の書籍から抜粋され、マークシート形式で出題されます。
- 「緩和医療薬学」(南江堂)
- 「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年版(日本緩和医療学会・編集,金原出版)」
- 「新臨床腫瘍学改訂第5版(南江堂)」
- 「がん緩和ケアに関するマニュアル」(厚生労働省・日本医師会監修)
- 「医療用麻薬適正使用ガイダンス~がん疼痛及び慢性疼痛治療における医療用麻薬の使用と管理のガイダンス~」
- 平成29年4月発行版(厚生労働省医薬、生活衛生局 管理指導、麻薬対策課)
- 「専門家をめざす人のための緩和医療学改訂第2版」(日本緩和医療学会・編集,南江堂)
これらの書籍を確認しておくと良いでしょう。
この試験に合格することで、ご自身の名前が緩和薬物療法認定薬剤師の名簿へと記載されます。
3. 緩和薬物療法認定薬剤師になるメリットデメリット
緩和薬物療法認定薬剤師にになるメリットとデメリットを3つずつ挙げました。
メリット | |
デメリット |
では、詳しく解説していきます。
3-1. メリット
緩和薬物療法認定薬剤師になるメリットは以下です。
それでは見ていきましょう。
メリット1. キャリアアップに繋がる
がんの緩和医療に関する専門的な知識を持つことは、今後のキャリア向上に繋がります。
緩和ケアを実施する医療機関や施設、在宅医療で緩和ケアを行う患者が増えている現状から、今後もより一層ニーズが高まる資格だと言えます。
ダブルライセンスの取得により薬剤師緩和時代を乗り切ることができるでしょう。
メリット2. 給与が増える
緩和薬物療法認定薬剤師になることで、今後給与が増える可能性があります。
現状では、比較的新しい資格であるため、実際の平均年収は公表されていません。
しかし、がんの緩和医療に関する専門性が高く敷居が高いことから、限られたごく僅か人しか業務に携われません。
よって、キャリアアップと共に給与も増加すると考えて良いでしょう。
メリット3. やりがいが大きい
緩和薬物療法認定薬剤師の資格を生かして働くことで、大きなやりがいを感じることができます。
なぜなら、資格を保有することは、患者の状態を見て適切に薬物を投与できる知識とスキルを持つということの裏付けとなるからです。
また、以下のインタビューから分かるように、患者の苦痛を緩和し、信頼関係を築いていくこともやりがいに繋がります。
痛みを感じることなく人生を全うする。薬剤師としてそのお手伝いができることにやりがいを感じます。患者さんのご家族から「痛みを感じずに亡くなることができてよかった」と言われることも少なくありません。病院にとっても患者さんやご家族からの信頼を得られる資格だと思います。
出典:リクナビ薬剤師「緩和薬物療法認定薬剤師」
3-2. デメリット
一方で、緩和薬物療法認定薬剤師になるデメリットも考慮しなくてはなりません。
それぞれ確認していきましょう。
デメリット1. 条件を満たすことが難しい
試験を受けるために必要な条件を満たすことは、非常に難しいです。
出典:リクナビ薬剤師「緩和薬物療法認定薬剤師」
上記のインタビューからも分かるように、症例提示の準備に多くの時間がかかってしまいます。
また、がん治療全般の知識を持っている必要があるため、書籍を用いて勉強に勤しむことが必要です。
デメリット2. 資格の維持が大変
資格を維持するためには、5年おきに更新しなくてはならないため、維持することは容易ではありません。
認定対象となる講習を通して勉強し、5年間で100単位(年間20単位)を取得する必要があることから、プライベートの時間が取りづらくなります。
よって、自由時間を削ってでもキャリア向上を目指したいという決心が大切です。
デメリット3. 責任が重い
緩和薬物治療における薬剤師の役割は大きく、責任も重いものとなります。
なぜなら、死と隣り合わせの仕事だからです。
日々人の死に直面しなくてはならない職場環境は、大きなストレスとなる場合もあります。
患者の苦痛を緩和することのやりがいと、責任の重さを天秤にかけてみると良いでしょう。
4. 【結論】緩和薬物療法認定薬剤師になるのがおすすめの人
以下の条件を多く満たせる方に、緩和薬物療法認定薬剤師への転職はおすすめです。
- キャリアアップし、給与を増やしたい
- 大きなやりがいを感じたい
- 薬剤師として長く働き、条件を満たすことができる
- 資格維持のために、勉強し続けることを厭わない
- 責任感を持って仕事をすることができる
まだ迷われている方はメリットとデメリットをもう1度比較し、自身の生活における優先順位について考えましょう。
メリット | |
デメリット |
ここまで読んできて実際に緩和薬物療法認定薬剤師として働きたいという方に向けて、次章ではおすすめの転職サイトをご紹介します。
5. 緩和薬物療法認定薬剤師として働きたい人におすすめの転職サイト5選
数ある転職サイトから以下の3点を基準に、「総合評価の高い薬剤師転職サイト」を選出しました。
総合評価を導き出す3つの基準
- 求人の質・量:求人の量や質は十分かどうか
- 提案力:ニーズにぴったりの提案をしてくれるかどうか
- サポート力:コンサルタントからの手厚いサポートを受けられるかどうか
さらに、当サイトが薬剤師500人を対象に行った独自アンケートの調査結果に基づき、おすすめの転職サイトを、利用者の総合評価順にまとめました。
結果、おすすめの転職サイトランキングは以下の通りとなりました。
転職サイト | 求人 | 提案力 | サポート力 |
1位. 薬キャリエージェント | ◎
4.1 |
◎
4.3 |
◎
4.1 |
2位. マイナビ薬剤師 | ◎
3.6 |
◎
4.2 |
○
3.7 |
3位. ファーマキャリア | ○
4.5 |
○
3.8 |
◎
4.1 |
4位. ファルマスタッフ | ◎
3.9 |
△
3.4 |
◎
4.1 |
5位. リクナビ薬剤師 | ◎
4.0 |
○
3.9 |
△
3.4 |
最上位である『薬キャリエージェント』と2位の『マイナビ薬剤師』は求人がとても多く、提案力やサポート力にも定評があるため、登録しておくことを推奨します。
また、3位の『ファーマキャリア』もサポートが手厚いという評価を受けているため、登録することがおすすめです。
それでは、ランキング上位のサイトを1つずつ紹介していきます。
1位. 薬キャリエージェント|求人数が多く、交渉力が強い転職サイト
『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)
運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。
また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。
業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。
公式サイト:
https://agent.m3career.com/
2位. マイナビ薬剤師|豊富な求人数と面談の安定感
『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。
マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています。
また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。
親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。
全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。
公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/
3位. ファーマキャリア|優秀なコンサルタントによるオーダーメイドでの提案力が強み
『ファーマキャリア』は、オーダーメイド求人が魅力の転職サイトです。あなたの希望に合わせた好条件求人を、キャリアコンサルタントが厳選して提案してくれます。
求人の数よりも質を重視したい方におすすめです。
また、優秀なキャリアコンサルタントが担当してくれる点も特徴的です。
一人ひとりがより満足のいく転職を実現するために、非常に親身なサポートを実施しています。
公式サイト:
→https://pharmacareer.jp
4位. ファルマスタッフ|日本調剤グループ・病院求人でトップクラス
『ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。
特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。
20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。
薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。
公式サイト:
https://www.38-8931.com/
5位. リクナビ薬剤師|優秀なコンサルタント・ドラッグストア求人
『リクナビ薬剤師』は、人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師を専門に扱ったサイトです。
サービスの規模も大きく、数多くの転職実績があります。
ドラッグストアの求人や、高収入の求人が多い点も特徴です。
また「日本一の人材紹介会社」としてのノウハウが豊富であり、特に優秀なコンサルタントがいるという点も大きな強みです。
薬剤師におすすめの転職サイトの口コミについて、さらに詳しく知りたい方は「200人の口コミ比較でわかった薬剤師転職サイトおすすめランキング」を参考にしてみてください。
6転職サイトをより効果的に利用する7ポイント
この章では、転職サイトをより効果的に利用するためのポイントを7つお伝えします。
- スカウトを利用した場合、2週間に1回くらい連絡を入れておく
- 転職時期は最短可能日程で答える
- 相性が合わなければ担当コンサルタントの変更を申し出る
- 経歴やスキルに嘘をつかない
- 推薦文は必ず確認する
- 同じ案件に複数の転職サービスから応募しない
- 紹介された会社の実態を口コミサイト『OpenWork』で調査
せっかく良い転職サービスを選んでも、上手に活用できなければもったいないので必ずチェックしましょう。
Point-1. スカウトを利用した場合、2週間に1回くらい連絡を入れておく
転職サイトは、企業から依頼を受けるとデータベースの中から条件を絞り応募者を探していくのですが、この時の表示順番が「更新日」(=最終接触日)なのです。
「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されるので、連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります。
例えば、上記は「年齢30歳以下、転職回数1回以下、勤続年数2年以上、TOEIC780以上」で検索した結果ですが、実務的な処理としては、更新日が新しい順番に20人ずつメールを送って反応をみて、応募者がいなければ次の20人へ、といったように送信していきます。
更新日が古いと、いくら条件が良くても機械的に後回しになってしまう場合があるのです。
Point-2. 転職時期は最短可能日程で答える
コンサルタントとのファーストコンタクトで必ず「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と聞かれるので、この時には「いいところがあればすぐにでも」と答えるようにしましょう。
そうすればあなたはすぐに売上に繋がると考え、優先順位をあげて対応してくれることでしょう。
※もちろん現職での退職手続きや引継ぎがあるはずなので、その点は伝えておきましょう。
Point-3. 相性が合わなければ担当コンサルタントの変更を申し出る
担当コンサルタントに情をうつしてはいけません。
担当変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。
担当変更メール文面例
いつも大変お世話になっております。現在転職の支援をして頂いている○○と申します。現在、ご担当者の○○様には大変丁寧にご対応頂いており感謝をしておりますが、
転職活動が初めてで不安が大きく、他の方のご意見も是非お伺いしたいです。
もし可能であれば、他のコンサルタントの方と一度お話をしたく考えております。
大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
Point-4. 経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについては、申し出をしない限りは情報が残ります。
コンサルタントでよく話題にあがるのが、「去年の登録情報と今回とで登録情報が違うよ・・・」という話です。
この場合、虚偽報告を行うリスキーな人材として、紹介する案件を絞るなどの判断がくだされます。
Point-5. 推薦文は必ず確認する
ほとんどの場合、担当コンサルタントはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書きます。
そこで「面接時に相違があると困るのと、客観的に今一度自分を見直したいため、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」と一声かけましょう。
Point-6. 同じ案件に複数の転職サービスから応募しない
数社の転職サービスを使っている場合、同じ案件には複数の転職サービス経由で応募しないようにしましょう。
企業から「他の転職サイトからも応募があるんだけど」と担当に連絡がいってしまいます。
企業・担当コンサルタント両者に不信感を与え、場合によっては破談となるリスクさえあります。
Point-7. 紹介された会社の実態を口コミサイト『OpenWork』で調査
転職サイトも売上がかかっていますから、なんとかしてあなたに転職を決めてもらいたいと考えています。
優良なコンサルタントであれば都合の悪いことを隠したりすることは少ないでしょうが、自衛のために口コミサイトの『OpenWork』を利用して裏をとるようにしましょう。
以下のような口コミが大量に集まっているので、その情報をもとに、社風や雰囲気をあらかじめ予想することができます。
上場企業であればほぼ全ての企業についての口コミが集まっていますので、ぜひ利用してください。
7【図解】転職サイト利用の流れ
ここまで、転職が有利に進む転職サービスと、その活用ポイントをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
転職サイトに登録したあとは、特に準備は必要とせず、気軽に身をゆだねれば良いのですが、初めて使う方は不安も多いかと思いますので、登録後何が起こるのかをざっくり把握しておきましょう。
Step 1. まずは公式ページから登録する
それぞれの公式ページから登録を行います。
登録する際は、『転職サービス』なのか『派遣サービス』なのかを確認するようにしてください。
例えば、「パソナ」と検索するとパソナの派遣登録サイトが出てくるように、紛らわしいサービスが複数あるため、登録前にしっかりと確認しましょう。
正社員転職を目指していたのに、知らずのうちに派遣社員の面接を受けていた…ということがないように、十分に注意しましょう。
Step 2. 担当コンサルタントから連絡が来る
登録すると、担当から数日以内に電話かメールで連絡が入ります。
事前に準備などをする必要は全くありませんが、ざっくり下記のようなことを聞かれます。
- 転職希望時期は?
- 希望する職種や業界は?
- 希望年収は?
10分ほどの最低限のヒアリングを受けた後、キャリアカウンセリングのアポイント調整を行います。
※最初からアポイント調整に入る場合もあります。
Step 3. キャリアカウンセリング
あなたが転職サイトのオフィスに訪問することもあれば、担当コンサルタントが近くまで来てくれることもあります。(近年はコロナの影響により、オンライン面談も積極的に取り入れられています。)
初回面談での話題で多いのは下記のようなテーマです。
- あなたのキャリアの棚卸
- PRポイントの整理
- 転職するべきかどうか
- 転職するとしたらどのような企業に内定をもらえそうか
- どのように職務経歴書を書いたら通過しやすくなるか
- 転職についての要望の深堀
キャリアカウンセリングで気づくことも多く、なるべく多くのコンサルタントに意見をもらえば、考えがまとまっていき、後悔ない転職をすることができるでしょう。
担当コンサルタントとは長い付き合いとなるため、できれば拠点に足を運ぶようにしましょう。
Step 4. 求人紹介を受ける
あなたの希望に合いそうな求人を5件~20件ほど紹介してもらえます。
思ってもないような大手もあれば、今まで知ることのなかった魅力的な中小企業もあるでしょう。
それぞれのエージェントしか扱っていない独占求人もありますので、複数社のエージェントから求人紹介を受けることを推奨します。
Step 5. 履歴書・職務経歴書の添削
応募する企業を決めたら、職務経歴書や履歴書といった選考書類を添削してもらいます。
場合によってはこのためだけに面談を設定してくれたり、何度も書き直しを行ったりしてくれます。
最高の職務経歴書をエージェントと一緒に作り上げていきましょう。
Step 6. 紹介された求人に応募する
選考書類が完成したら、担当コンサルタントが最後に推薦文を添えて企業に応募します。
自分ではなかなか伝えられないあなたの魅力を、担当コンサルタントが企業に伝えてくれます。
求人サイトを使って自力で応募すると、推薦文はもちろん誰も書いてくれませんし、企業への手続きも全部自分でしなければならないため、それに比べると転職サイト経由は圧倒的に有利です。
Step 7. 面接対策を受ける
応募している企業の面接担当者がどのような質問をして、どのようなタイプの方を好むのか、今持っているスキルのなかで何をPRするべきなのかといったポイントのアドバイスを貰います。
あなたが希望すれば模擬面接を実施してもらえるケースも多いです。
Step 8. 企業との面接を行う
面接の日時設定は担当コンサルタントが全て行ってくれます。
対策してもらったことをフル活用して、力を出し切りましょう。
面接に落ちてしまった場合には、多くの場合、担当コンサルタントが人事担当者からフィードバックを受けているため、次の面接に生かすことができます。
Step 9. 内定と退職サポート
内定が出た後は、担当コンサルタントが給料交渉や入社日の調整を責任を持って行ってくれます。
また、退職手続きについて不安な場合も、上司にどのように報告するかなど転職サイトであればノウハウを必ず持っていますので、頼ってしまいましょう!
Step 10.退会手続きをする
転職先の内定がもらえたら、転職サイトを退会するのが無難です。
万が一転職後も転職サイトに入会し続けていたら、転職先の人事担当者に見つかってしまうかもしれません。
転職サイトを利用している会社は、転職サイトに登録している人材を「スカウト」機能でチェックしています。
転職先の人事担当者が「スカウト」機能であなたの情報を見つけた場合、「入ったばかりなのに、もう転職しようとしている」と、無用な疑いをかけられるかもしれません。
8. 【FAQ】緩和薬物療法認定薬剤師への転職でよくある疑問と回答
緩和薬物療法認定薬剤師へ転職する際に、よくある疑問と回答をご紹介します。
それでは見ていきましょう。
Q1. 更新には、講習を通して年間どのくらいの単位数が必要ですか?
5年間で取得する単位数は新規と同等に100単位ですが、更新の場合は年間取得最低単位が最低10単位まで認められています。
例えば、1年目に10単位、2、3、4年目に20単位、5年目に30単位という取得の仕方でも良いのです。
新規の場合は、年間取得最低単位が20単位となっています。
つまり、更新時の方が柔軟に単位を取得できると言えるでしょう。
Q2. 具体的には、どのような症例が認められますか?
病院勤務の場合、緩和医療チームによって行われた症例が必須です。
施設によっては、任意のチーム、つまりチーム加算を取っていないところもあります。
チームが無いのであれば、看護師や医師に働きかけ、任意でもチームを作り症例提示をしましょう。
保険薬局勤務の場合、麻薬を扱っていることが必須です。
たまに来るがん患者に服薬指導を行なっている程度では、症例の提示内容としては希薄です。
そのため、麻薬小売業者の免許がない保険薬局に勤めている方は、要件を満たすようにオーナーに働きかけてみると良いでしょう。
Q3. 40代で転職は可能ですか?
可能です。
緩和薬物療法認定薬剤師は年齢関係なく、専門的な知識と高いコミュニケーション能力が必須です。
また、医薬品の服薬指導と処方支援を行う際の注意力も必要となります。
40代薬剤師の転職について詳しく知りたい方は、「40代薬剤師におすすめ転職サイト・エージェント5選」のコンテンツを是非参考にしてみてください。
9. さいごに
いかがでしたか。
資格取得に向けた準備は大変ですが、緩和薬物療法認定薬剤師になることのメリットは大きいです。
まだ転職をするかどうか悩んでいる方でも以下の転職サイトに登録し、相談してみると良いでしょう。
あなたの転職が成功することを祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
緩和薬物療法認定薬剤師の試験を受けました
ざっくり言うとガン末期の方の苦痛を和らげる薬の専門家ですかね。比較的病院薬剤師が多いです。
まだ始まって10年も経ってないせいか全国で1,000人いるかいないかくらいの資格なのですが、筆記試験で落とされるので大変だったんです…orz