「転職サイトってとりあえず登録だけしておいていいの?」「会社にバレたりしない?」など、疑問をお持ちではないですか。
結論から言うと、転職サイトは「登録だけ」で全く問題ありません。というよりむしろ、それが転職サイトの正しい使い方です。
転職活動は、
- とりあえず転職サイトに会員登録だけしておく
- 空き時間に求人を検索(スカウトメールが届く)
- 気になった求人があれば応募
という流れで進めていきます。企業からスカウトメールが届くこともありますが、企業側はあなたの個人情報を知る術がないので、勤め先・取引先にバレる心配もありません。
なお、「登録なし」でも転職サイトの求人検索は可能ですが、応募はできません。良い求人があれば結局登録することになりますし、登録だけしておくと診断ツールなどが使えるサイトもあるので、気になったサイトはとりあえず会員登録しておくことをおすすめします。
この記事では、初めて転職活動をする方に向けて、転職サイト登録時のあらゆる疑問を全てまとめて解説します。
- 転職サイトはとりあえず登録だけでOK
- 意外と知られていない転職サイト登録時の2つの注意点
- 転職サイトは複数登録(2~3つ)がおすすめな理由
- おすすめ転職サイト一覧【求人数・特徴で比較】
- 転職エージェントの「登録だけ」はおすすめしない
全て読めば、転職サイトに登録したらどうなるのか、疑問が全て解消できます。
目次
1. 転職サイトはとりあえず登録だけでOK
結論から言うと、転職サイトはとりあえず登録だけでOKです。登録・利用にお金はかかりません。
「情報収集だけしておきたい」「とりあえず色んな企業の求人を比べてみたい」という方こそ、転職サイトの利用がおすすめです。
実際に、マイナビ「転職動向調査 2021年版」によると、転職経験者の約半数以上は「情報収集のタイミングで転職サイトを利用している」という結果も出ています。(情報収集での利用率55%)
漠然と転職を考え始めた段階で大手サイトにいくつか登録し、求人を検索したり情報収集をしたりしておき、気になる企業があれば応募するという流れが、転職活動のスタンダードな流れです。
登録するだけで新着求人がメールで届く
大手転職サイトには、会員登録者を対象に新着求人の配信機能があります。
登録した希望条件に合致した求人の募集が開始されれば、いち早くその情報を取得可能です。
わざわざサイトにアクセスして検索する必要がないので、情報収集が楽になります。
スカウトメール(オファー)が届くこともある
転職サイトには、企業からスカウトが届く機能(氏名情報などは秘匿されており、企業は登録者の職歴などをもとに判断している)もあります。
特にハイクラス人材のスカウトに主軸を置くサービス(ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト)では、企業の人事担当者やヘッドハンターが登録者のレジュメを吟味し、本当に欲しい人材と考えている人に熱意を込めたスカウトメールを送ってくれることもあります。
ただし、一般的な転職サイト(リクナビNEXTなど)のスカウトメールは、ほとんどがスカウトとは名ばかりのテンプレメールなのが現実です。あまり過度な期待はしないでおきましょう。
登録者限定のコンテンツが使える
大手転職サイトは、登録者限定のコンテンツが充実しています。
例えば、『リクナビNEXT』の自己分析ツール「グッドポイント診断」は、質問に答えるだけであなたの強みを言語化してくれるコンテンツです。「自己PR作成の参考になる」と利用者から好評です。
大手サイトはサービスの独自性を出すために、このような魅力的な診断コンテンツを各社用意しており、登録者限定で利用できます。
無料で使えて、求人探し(どんな仕事に向いてるか)や自己PR作成で活用できるので、こういったコンテンツを利用するだけでも転職サイトに登録しておく価値はあります。
2.意外と知られていない転職サイト登録時の2つの注意点
本章では、あまり知られていない転職サイト登録時の注意点を説明していきます。
注意点①いつの間にか転職エージェントに当時登録されていることがある
実は多くの転職サイトでは、登録時に転職エージェントサービスの当時登録を促すようになっています。
転職エージェントとは
自分で求人を探す転職サイトと違い、担当者(キャリアアドバイザー)のサポートを受けながら転職活動を進めていく転職支援サービスです。
登録後は担当者から連絡が来て、キャリア面談(30分~1時間の電話面談)をしておすすめ求人を紹介されます。今すぐ転職先を決めたいという方には役立つサービスですが、「まずは求人を見たい」「とりあえず情報収集だけしたい」という方には適していません。
転職サイト登録時は、同時に「エージェントサービスへの登録の案内」が表示されます。
実際に、転職サイト『リクナビNEXT』に登録してみると、同じ会社が運営する転職エージェント『リクルートエージェント』への同時登録を案内されました。
転職エージェントは、担当者とやり取りをしながら転職活動を進めるサービスなので、登録後に電話がかかってきて、「転職活動の状況」などを伝えなければなりません。
「転職サイトに登録しただけなのに、なぜか電話がかかってきた」という事例は多くありますが、その原因は「申込時、エージェントサービスに同時登録してしまっていた」というのがほとんどです。
なので、「とりあえず求人だけ見たい」「マイペースに転職活動をしたい」という方は、同時申し込みしてしまわないように気を付けましょう。
注意点②バレるケースもあるので、勤め先・取引先はブロックをしておく
転職サイトに登録している個人情報(氏名・電話番号など)は外部に一切開示されませんが、それでも勤め先・取引先にバレる可能性はゼロではありません。
というのも、企業はスカウトメールを送るために登録者の匿名レジュメ(氏名などが書いてない職歴情報)を閲覧できるのですが、その職歴情報などからあなたの特定につながることもあり得るからです。
名前は応募しない限り分かりませんが、職務経歴などで社内の採用担当・取引先に特定される可能性もゼロではありません。
しかしこれは、あらかじめ勤め先企業をブロックしておけば避けられます。
大手転職サイトであれば、ブロック機能(特定の企業だけWEB履歴書を非公開にする)が用意されているので、そういったサイトを選べば安心です。
また、そもそも「スカウトは必要ない」方は、設定ページからスカウト設定をオフにできます。
本記事では後ほどおすすめ転職サイトを一覧で紹介しますが、全てブロック機能があることを確認済みです。転職サイト選びの参考にしてください。
転職活動のことをうっかり喋ってしまわないように気を付けよう
勤め先に転職活動をしているのがバレる原因としてよくあるのは、意外にも「転職サイトを使っていることを同僚に言ってしまうこと」です。
雑談の中で思わず口をついてしまったり、この人なら大丈夫だろうと相談したりしたことで、職場に広がってしまうケースも珍しくありません。
在職中から情報収集を始めるなら、転職活動をしていることは誰にも言わないようにしておきましょう。また、会社のメールアドレスで登録するのも厳禁です。
3.転職サイトは複数登録(2~3つ)がおすすめな理由
転職サイトはどれか一つに絞るのではなく、複数利用することをおすすめします。具体的には2~3つのサイトを使うと良いでしょう。
使うサイトが増えるほど、選択肢が広がっていくからです。
実は転職サイトに掲載されている求人は、どこも同じではありません。サイトによって、掲載されている求人のラインナップは異なります。
サイトによって求人のラインナップが違う背景
企業は採用活動で、どのサイトに求人を出すのかを吟味します。広告掲載には多額のコストがかかるからです。
もちろん複数のサイトに広告を出す企業もありますが、「以前はサイトAで募集していたけど、集まりが悪かったので今はサイトBに広告を載せている」という企業は意外と多く、一つのサイトしか使わないと、こういった企業の情報を取りこぼしてしまいます。
ちなみに転職サイト全ては、登録なしでも求人検索までは可能です。そのため気になるサイトがあったら「まずは求人を絞り込んでみて、応募のタイミングで登録する」でも問題ありません。
4.おすすめ転職サイト一覧【求人数・特徴で比較】
「まずはどれかのサイトに登録しておこうかな」と考えている方に向けて、本章では求人数・特徴を比較軸に、おすすめの転職サイトを一覧で紹介します。
←左右にスクロールできます→
転職サイト | 掲載求人数 | 特徴 | 独自コンテンツ |
---|---|---|---|
リクナビNEXT 公式サイトを見る 詳細を見る |
63,000件 | 日本最大級の転職サイト | ・グッドポイント診断 ・3分適職診断 |
doda 公式サイトを見る 詳細を見る |
150,000件 (エージェント経由応募の求人含む) |
サイト&エージェントサービス | ・人気企業300社合格診断 ・年収査定 / キャリアタイプ診断 ・転職タイプ診断 / 自己PR発掘診断 など多数 |
マイナビ転職 公式サイトを見る 詳細を見る |
17,000件 | 転職フェア情報も多数掲載 | ・適職診断 ・社会人力診断 ・あなたの仕事適性診断 |
エン転職 公式サイトを見る 詳細を見る |
6,000件 | 元社員の口コミも見られる | – |
Green 公式サイトを見る 詳細を見る |
30,000件 | IT・WEB業界専門 | – |
リクルートダイレクトスカウト 公式サイトを見る 詳細を見る |
279,000件 | ハイクラス向け (スカウト) |
– |
ビズリーチ 公式サイトを見る 詳細を見る |
80,000件 | ハイクラス向け (スカウト) |
– |
詳しいサービス内容を紹介します。
リクナビNEXT
『リクナビNEXT』は、大手人材企業リクルートが運営する、業界最大規模の転職サイトです。
転職をするならまずは登録すべきサイトの一つで、実際に転職者の実に8割が登録していると言われています(会員数は916万人以上)。
リクナビNEXTに掲載されている求人は、20代~50代まで幅広い世代を対象としています。
「地方在住で求人が少ない」「他のサイトでは自分に合う仕事を見つけられなかった」という方でも、リクナビNEXTであれば、希望条件に合致する求人が見つかるでしょう。
転職に役立つ機能「グッドポイント診断」も魅力
「グッドポイント診断」は、リクナビNEXT内にある会員限定の自己分析ツールです。選択形式の質問に答えていくことで、自分では気づかなかった長所や言語化できていなかった強みを発見することができます。
選考書類作成・面接準備の段階で、「自分の強みや自己PRってなんだろう?」と悩んだ際、強力な助けとなるでしょう。
グッドポイント診断は、リクナビNEXTのオリジナルツールであり、登録するだけで誰でも無料で使えるようになります。
関連記事
doda
dodaは、利用者満足度の高い転職サイトです。
掲載求人数は15万件以上、業界・職種問わず多種多様な求人を探すことができます。
また、キャリアの適正年収が分かる「年収査定」や「人気企業300社合格診断」など、独自の診断コンテンツが豊富なのも魅力の一つです。
一人で転職活動を進められますが、希望すれば転職のプロからのサポート(dodaエージェントサービス)を受けることも可能で、求人広告型とエージェント型の良さを兼ね揃えた転職サイトと言えます。
今の年収が適正か、一度確かめてみませんか?
年収・手取り額に悩みを抱えている方は、dodaが提供する「年収査定」の利用をおすすめします。これはあなたの適正年収を、AI技術によって導き出すツールです。
能力・経歴に見合った給料を得られているかどうか、一度チェックしてみましょう。
dodaに登録して適正年収をチェックする:
https://doda.jp
マイナビ転職
『マイナビ転職』は、人材業界大手のマイナビが運営する転職サイトです。
独占求人の多さが魅力で、求人の約84%が他のサイトには載っていない求人となっています。
また、トップページからは「オンライン面接特集」など、トレンドに合わせた情報をも得られます。
「他のサイトを使ってみたが、良い求人がなかった」という方におすすめです。
エン転職
『エン転職』は、質の高い情報が特徴の転職サイトです。
求人検索だけでなく、その会社の社員の口コミ評価などを閲覧することができるので、社内の雰囲気や働き方をリアルに把握することができます。
ただ、他のサイトと比べて求人数の面でやや劣るので、『リクナビNEXT』などの大手サイトと併用がおすすめです。
Green
『Green』は、IT・WEB業界に特化した転職サイトです。
IT業界を中心に、3万件以上の求人を常に掲載しており、IT求人探しには欠かせないサイトの一つとなっています。
求人情報も社員やインタビューなどが豊富で、企業の雰囲気などが分かりやすいのも特徴です。
また、登録すると人事担当者からのスカウトが届く機能もあり、利用者の60%以上がスカウト経由で転職を実現させています。
リクルートダイレクトスカウト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス・エグゼクティブ向けの転職支援サービスです。
レベルの高いコンサルタント(ヘッドハンター)を自ら選んで相談をすることもできれば、レジュメを登録して好条件のスカウトも待つこともできます。
年収800万円以上を狙うすべての方におすすめできる転職サービスです。
ビズリーチ
『ビズリーチ』は、管理職・専門職などのハイクラス向け求人に特化した転職サイトです。
求人検索→応募もできますが、一番の強みはヘッドハンティングです。ビズリーチには約4,700名のヘッドハンターが登録しており、市場価値の高い人材ほど好条件のスカウトメールを受け取れます。
ヘッドハンターの数では約2,500名のリクルートダイレクトスカウトを凌駕しており、ヘッドハンティングサービスでは圧倒的首位です。
最近では年収500万円前後のミドル層への求人も豊富で、高年収を目指す全ての人におすすめできる転職サイトです。
5.転職エージェントの「登録だけ」はおすすめしない
転職サイトと似たサービスに「転職エージェント」がありますが、この「転職エージェントにとりあえず登録」はおすすめしません。
前提:転職エージェントとは
転職エージェントとは、登録すると転職相談に乗ってくれて、求人探しから面接対策まで、幅広いサポートをしてくれる『人材紹介サービス』のことです。例えば、『リクルートエージェント』『マイナビエージェント』などがこれに該当します。
転職エージェントがやってくれること
- 面倒な手続きをすべて代行してくれる
- あなたに合った非公開求人を探してきてくれる
- 過去データから万全な面接対策をしてくれる
- 年収交渉を引き受けてくれる
- 退職トラブルの相談相手になってくれる
そして、ここまでのサービスが全て無料で受けられることが大きな強みであるため、転職活動をするにあたって利用は必須と言えるでしょう。
しかし、「まずは情報収集だけしたい」「マイペースに転職したい」というニーズには合致しません。
転職エージェントにとりあえず登録はおすすめしない理由
この転職エージェントは「今すぐ転職したい」という方を対象にしたサービスだからです。
登録後は担当者から電話がかかってきて、「面談」「求人紹介」など、サクサクと転職活動が進んでいきます。
また転職エージェントは、積極的に転職を勧めてくることがあります。求職者を企業に紹介することで収益を上げるビジネスモデルで、言ってしまえば「利用者を転職させないと売り上げにならないから」です。
これに対し、転職サイトは求人広告の掲載費(企業から)で収益を上げるサービスなので、登録したからといって無理に転職を勧められることはありません。登録後、いったん放置でもOKです。
そのため、「まずは情報収集したい」という方は、転職サイトへの登録がベストです。
今すぐ転職したいなら転職エージェントは役立つ
「今すぐ転職したい」なら転職エージェントはおすすめできます。
転職エージェントは、転職意欲の高い人を優先してサポートしてくれるからです。特に「良い求人があればすぐに転職したい」という人には、積極的に求人を紹介してくれます。
また転職エージェントは、一般的な転職サイトに掲載されていない「非公開求人」を扱っているので、選択肢を増やせるメリットもあります。
このため、転職エージェントは「転職サイトを使ってみたけど良い求人が見つからなかった」という方にもおすすめです。
求人の多さで選ぶなら「リクルートエージェント」がおすすめ
『リクルートエージェント』は、求人数No.1の総合転職エージェントです。
公開求人は約37万件、登録者のみ閲覧できる「非公開求人」を合わせると約62万件以上の求人を扱っています(2023年4月7日時点)。
業界最大の転職支援実績があり(厚労省「人材サービス総合サイト」より2019年実績)、サポートも充実しているので、転職を検討しているなら必ず登録すべき1社です。
転職成功率を上げるには、『dodaエージェント』や、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
◆補足:リクルートが運営している関連サービス
- リクルートダイレクトスカウト(年収700万円ある人向け)
- リクルートエージェントIT(エンジニア向け)
さいごに
転職サイトの登録にまつわる疑問を解説してきました。
転職サイトは登録だけでOKなので、気軽に使ってみてください。
もしいくつも登録するのが面倒と感じる方は、ひとまず求人数の多い大手『リクナビNEXT』に登録しておきましょう。あとはいくつかサイトを登録なしでザッピングし、気になる企業が見つかった時に登録すれば問題ありません。
この記事の最後に紹介した転職エージェントについて詳しく知りたい方は、『【図解】転職エージェントとは|1から理解し使いこなすための全知識』や『転職エージェントおすすめランキング|500人の評判比較!』の記事を参考にしてください。
このページがあなたのキャリアのお役に立てることを心から祈っています。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。