発達障がいの方におすすめの転職エージェント | 発達障がい者の転職が厳しい理由と対策

発達障がい 転職

発達障がい者の方が転職しようとしても、

また転職を繰り返してしまうだろうか…
発達障がい者向け転職エージェントってどう?

といった悩みを持つことは多くあります。

結論として、発達障がい者は転職を繰り返す傾向にありますが、事前にポイントさえ押さえれば、満足のいく転職をすることも可能です。

このページでは、転職エージェントとして多くの方の転職支援をしてきた私が、「発達障がい者が転職する前に知っておくべき現実」と「転職活動をすると決めたら取るべき行動」を紹介していきます。

<目次>

  1. 障がい者の方におすすめの転職エージェント6選
  2. 発達障がいの方が転職時に考えるべきこと
  3. 発達障がい種類別の適職
  4. 発達障がい者の転職を成功に導く5つのポイント
  5. 障がい者の方向けのその他の転職サービス3選
  6. 【FAQ】発達障がいと転職に関してよくある質問と回答

全て読めば、満足のいく転職を実現することができるようになります。

1. 障がい者の方におすすめの転職エージェント6選

障がいのある方の転職活動においては、転職エージェントの利用がおすすめです。

多くのエージェントがありますが、エージェントを選ぶ際は下記のポイントに注意しましょう。

  • 専門性:障がい者の転職に詳しく、実績もある担当者がついてくれる
  • 求人数:障がい者向けの求人を豊富に保有している
  • サポート力:カウンセリング〜内定後まで手厚いサポートをしてくれる

以下に上記を満たすおすすめの転職エージェントをまとめました。

大手転職エージェント
障がい者専門転職エージェント

1-1. まず登録すべき大手転職エージェント3選

まずは下記の大手3社に登録するところから始めましょう。

ランスタッド(チャレンジド)

ランスタッド

ランスタッド』は人材派遣をメインに、世界39カ国で人材ビジネスを展開する世界最大級の転職エージェントです。

首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)を中心にサービス展開しており、30代40代を中心に幅広い転職支援実績があるので、該当地域にお住まいであれば、非常におすすめできる一社です。

ランスタッドでは、専任コンサルタントが就職準備から就業後の定着フォローまで一貫してサポートしてくれます。

また、ランスタッドで転職を成功させた方の多くが年収アップを実現しており、約60%が年収300万円以上となっています。

非公開求人も多く保有しているので、まずは登録してみましょう。

ランスタッド公式サイト:
https://www.randstad.co.jp/challenged

dodaチャレンジ

dodaチャレンジ

dodaチャレンジ』は日本最大級の転職サイト「doda」を運営するPERSOLグループの障がい者に特化した転職エージェントです。

日本屈指の転職実績を生かした転職支援、企業との圧倒的なパイプなどを考え非常におすすめできる転職エージェントです。

公開求人は400件強とやや少ないものの、9割が非公開求人で、大手企業・人気企業への転職実績も豊富です。

またdodaチャレンジでは、一人ひとりに合った就職・転職サポートを目指し、身体、精神、発達、知的といった障がい種別の専門チームで支援をしています。

丁寧なカウンセリングやサポートを受けたい方は、dodaチャレンジへの登録がおすすめです。

【公式】https://doda.jp/challenge/

※カウンセリング拠点が東京・大阪・名古屋ですが、行くのが難しければ電話、チャット、テレビ電話でも対応してもらえます。

ソーシャル・パートナーズ(Spring転職エージェント)

ソーシャル・パートナーズ(Spring転職エージェント)

ソーシャル・パートナーズ(Spring転職エージェント)』は、人材事業では世界1位の規模を持る、アデコグループの障がい者向けの転職エージェントサービスです。

アデコグループには、「アデコビジネスサポート株式会社」という障がい者雇用促進を目的とした特例子会社があり、障がいのある方がたくさん活躍しています。

採用側での豊富な経験、また人材業として世界1位の実績を活かしたサポートを受けられます。

ただし、障害者手帳をお持ちか、申請中の方のみが対象となっているので、対象外の方は「Spring転職エージェント」を利用してみるといいでしょう。

ソーシャル・パートナーズ公式サイトhttps://www.springjapan.com/socialpartners/

※面談場所は東京(秋葉原、霞が関、新宿)のみですが、行くのが難しければ個別に相談に乗ってくれます。

1-2. 合わせて登録すべき障がい者専門転職エージェント3選

上記に合わせて下記の3つの中から、あなたに合いそうなものを1つ以上登録しましょう。

エージェント・サーナ|迷ったらこれ!26年の実績のある老舗エージェント

エージェント・サーナ

エージェント・サーナ』は障がい者の転職支援で29年の実績を誇る老舗の転職エージェントです。

求人は一切公開されていませんが、エージェント・サーナにしかない求人が大半で、大手優良企業の求人も多いです。

実績・信頼を活かしたサポートをしてくれ、面談から6割の方が2ヶ月以内に内定を決めています。実績を考え、迷った場合は大手2社+エージェント・サーナの利用がおすすめです。

また、障がいのあるエンジニア向けのサービス「テック・エージェントサーナ」も運営していますので、エンジニアの方におすすめです。

エージェント・サーナ公式サイト:https://www.agent-sana.com

※東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫・滋賀在住の方向けのサービスです。

アットジーピー|ハイクラス/アスリートまで幅広い求人をもつ

アットジーピー

アットジーピー』は障がい者向けに転職・就職をサポートしている人材サービスです。

キャリア相談の後、2,000社以上の企業の中からあなたにフィットした求人を紹介してくれます。

ホームページ上にも800件程度の求人が公開されているので、まずはどんな企業があるのか覗いてみましょう。

高いスキルを持つ障がい者向けの「アットジーピーハイクラス」、障がい者アスリート向けの「アットジーピーアスリート」など幅広く転職・就職サポートを行っています。

アットジーピー公式ページ:https://www.atgp.jp

※カウンセリング拠点が東京・大阪・名古屋ですが、行くのが難しければ電話でも対応してもらえます。

アビリティスタッフィング|精神障がいのある方の転職実績豊富なエージェント

アビリティスタッフィング

アビリティスタッフィング』はリクルートグループの障がい者向け転職支援サービスです。

日本最大規模の人材会社ゆえの企業とのパイプ、転職ノウハウで転職を支援してもらえます。

身体障がいのある方ももちろん利用可能ですが、精神障がいのある方向けの求人や利用者が中心なので、精神障がいの方におすすめのエージェントです。

アビリティスタッフィング公式ページhttps://ability.r-staffing.co.jp

※首都圏のみのサービスです。

もし転職エージェントに利用を断られたら

転職エージェントに登録・利用を断られてしまったら、就労移行支援事業所を利用することがおすすめです。

事業所は、一般企業への就職に必要なスキルアップ・個々人に合った就業先・就業後のアフターフォローまで一貫してサポートを行っています。

詳しくは、7章『7-2. 就労移行支援事業所』にて説明していますので、参考にして下さい。

2. 発達障がいの方が転職時に考えるべきこと

障害者雇用促進法の改正以来、発達障がいを持つ人の雇用枠は年々増え続けています。

しかし、発達障がい者の就労においては「職場定着率」が課題です。

本章ではそうした発達障がい者の転職状況を詳しく見ていきましょう。

  1. 一般枠と障がい者枠の違い
  2. 障がい者の雇用状況は良くなっている
  3. 職場定着が課題

2-1. 一般枠と障がい者枠の違い

発達障がいの方が転職を考える際には、2つの採用枠を検討する必要があります。

一つは非発達障がいの方と同じ条件で働く「一般枠」で、もう一つは、障害者手帳を取得して就労する「障がい者枠」です。

2つの採用枠のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
一般枠
  • 賃金水準が高い
  • 就職先の選択肢が多い
  • 障がいへの配慮が受けづらい
障がい者枠
  • 障害への配慮が受けやすいため働きやすい
  • 賃金が低い
  • 業務の選択肢が少ない

障がいを自分自身で上手に乗り越えられる場合は「一般枠」でも良いと言えますが、周囲に配慮してもらう必要がある場合は、「障がい者枠」で就職することをおすすめします。

ただし、これはあくまで一般論ですので、具体的なことは就労支援機関などに相談しましょう。

2-2. 障がい者の雇用状況は良くなっている

発達障がいを含む障がい者の雇用率は近年上昇傾向にあります。

下記の「発達障がい者・高次脳機能障がい者等のハローワークにおける職業紹介状況に関するグラフ」を見てみましょう。

このグラフから、発達障がい者等の就職件数は、10年間で10倍以上に上がっていることが分かります。

出典:令和2年障がい者雇用状況の集計結果

発達障がい者の就職件数が増加している理由として、障がい者雇用に関わる法整備が進み、発達障害についての世間の認知度が高まったことが挙げられます。

発達障がい者の雇用状況は今後さらによくなっていくと言えるでしょう。

2-3. 職場定着が課題

雇用状況がよくなっているとはいえ、発達障がい者の転職には「職場定着」という課題が残っています。

以下のグラフによると、発達障がい者の就職1年後の定着率は約70%で、発達障がいの方の約30%が就職から1年以内に離職していることがわかります。


出典:厚生労働省職業安定局

ここで、発達障がい者の職場定着率が低い原因について、口コミを見てみましょう。

対人コミュニケーションが上手くいかない

口コミ・評判

A さん
自分は発達障害持ちで、なかなか対人コミュニケーションが上手くいかないまま勤務してました。
同僚からの苦情を鵜呑みにして、いい所は見ず悪い所を責めてくる上司ばかり。
結果転職を繰り返し、採用してくれるところもなくなって生活保護で食ってます(;A;)

出典:Twitter

また少し古い口コミですが、以下のような内容も寄せられていました。

仕事内容や人間関係などのトラブルを起こしやすい

口コミ・評判

B さん

私の個人的な意見ですが・・・

定型発達の人でも転職を繰り返す人はいますが発達障害の人の体験談などを見ると確かに転職が多いように思います。

ケアレスミスが多かったり、臨機応変な対応ができなかったり、こだわりが多すぎたり、相手の気持ちが読み込めずトラブルになったり・・・。

普通の「一般的な社会生活のルール」や「社会生活の上での常識」が通じない・理解できないみたいなので仕事内容や人間関係などでトラブルがおき、会社に居づらくなってしまいクビになったり、退職を迫られたりするため転職が多いんだと思います。

出典:Twitter

このように、発達障がいの方が転職する大きな要因として、下記のような問題があることがわかります。

  • 人の気持ちをうまく汲み取れない
  • 臨機応変な対応ができない
  • ケアレスミスが多い
  • こだわりが強すぎる

そのため、職場定着を促進るためには、一人ひとりが抱える問題を理解し、長く働くことを考えた仕事探しが必要になってきます。

次章では、発達障がいの種類別に向いている職業を紹介していきます。

3. 発達障がい種類別の適職

発達障がいは常にマイナスの影響があるわけではなく、活かし方次第では強みとなることもあります。

そのため、発達障がいの特徴や特性を理解しながら自分にあった仕事を選ぶことが、転職を成功させるための第一歩と言えるでしょう。

本章では、発達障がいの中でも代表的な障がい3つ、ADHD、ASD、LDについて、それぞれに向いている職業をご紹介していきます。

3-1. ADHD(注意欠陥・多動性障害)|発想力と集中力を活かせる職種

ADHDの人の職業については、不注意性が際立たず、発想力と集中力を活かせる職種を検討しましょう。

なぜなら、ADHDの方には以下のような特性があるからです。

  • 注意力の欠如
  • 多動性障害
  • 衝動性
  • 豊富な発想力
  • 好きなものに没頭する力(過集中)

このような特性を活かすことのできる具体的な職種は下記の通りです。

  • デザイナー職
  • システムエンジニア
  • マスコミ・メディア系
  • アーティスト系

ADHDの人は興味のある分野には集中力を発揮できるため、専門性の高い職業が適職になるケースが多いです。

また、ADHDの人は発想力豊かで、新たなアイデアを生み出すのが得意であると言われるため、企画職やクリエイター職において自分の強みを発揮することができると言えるでしょう。

ADHDの転職については「ADHDの方におすすめの転職サイト・エージェント11選」でさらに詳しく説明しているので、興味のある方はぜひご一読ください。

3-2. ASD(自閉症スペクトラム障害)|ルールやマニュアルが整備された定型業務

ASDの方は、柔軟なコミュニケーションが求められず、淡々とした同じ作業や行動パターンが求められる職種に適性があると言えます。

というのも、ASDの方には以下のような特性があるからです。

  • 対人関係が苦手
  • 想像力の障害
  • 臨機応変な対応が苦手
  • 高い記憶力や集中力

これらを考慮すると、ASDの人には以下のような仕事が向いていると考えられます。

  • プログラマー
  • 経理
  • 情報管理

上記の職業であれば、文字や数字といった論理的なものを扱いながら定型業務に従事できるため、ASDの人が活躍する機会を見出せるでしょう。

3-3. LD(学習障害)|クリエイティブな業種

LDの人の職業については、自分で読み書きや計算することが必要ない、クリエイティブな職種がおすすめです。

なぜなら、LDの方には以下のような特性があるからです。

  • 読むことが苦手
  • 書くことが苦手
  • 計算・推論が苦手
  • 普通の人と異なる考え方や表現ができる

このような特性を活かすことのできる具体的な職種は下記の通りです。

  • コピー&ペーストを利用したデータ入力業務
  • Excelを用いた計算業務
  • 広告業界

まず、読み書きや計算など、自分が苦手とする作業の基本的な部分をアプリやツールを用いて行える仕事が向いています。

また、普通の人と異なる考え方や表現ができるため、広告業界などクリエイティブな業種で活躍しているケースも多くあります。

4. 発達障がい者の転職を成功に導く5つのポイント

本章では発達障がいのある方の転職を成功に導くためのポイントを紹介していきます。

  1. 二次障がいを治す
  2. 雇用枠を検討する
  3. 就職先の障がいへの配慮の程度を見極める
  4. 就労形態を確認する
  5. 就労支援サービスを利用する

4-1. 二次障がいを治す

転職活動を行う際には、まずは二次障がいがあるかどうかを確認し、ある場合は必要な治療を受けることから始めましょう。

二次障がいとは、発達障がいに伴って引き起こされるうつ病や心的外傷後ストレス障がい(PTSD)といった精神障がい等を言います。

発達障がいを抱えている人は、コミュニケーションや事務処理に難があるため、集団生活に馴染みづらい傾向にあります。

そのため、いじめ被害を受けたり疎外感を感じたりすることが多く、ストレスからうつ病などの精神疾患を抱えやすいのです。

こうした二次障がいを抱えた状態で就職活動を行っても成功する可能性が低いので、二次障がいがある場合にはしかるべき医療機関にかかり、必要な治療を受けましょう。

4-2. 雇用枠を検討する

2つ目のポイントは、「一般枠」か「障がい者枠」かを検討することです。

人によっては一般枠で大丈夫だと思って別の企業へ転職しても、無理がたたって二次障害を悪化させてしまったというケースがあります。

そのため雇用枠を検討する際には、後述する転職エージェントや就労移行支援などで専門家のアドバイスを仰ぎながら、慎重に判断することが望ましいでしょう。

また、労働そのものに慣れる、自分の向き不向きを確かめるために、いきなりフルタイムの勤務をするのではなく、業務量の少ないアルバイトやパート勤務から始めた方がよい場合もあります。

4-3. 就職先の障がいへの配慮の程度を見極める

3つ目のポイントは、就職先の障がいへの配慮の程度を見極めることです。

障がい者枠で転職したとしても、職場定着に向けて手厚いフォローをしてくれる職場もあれば、研修が行き届いておらず、働きづらさを感じる職場もあります。

そこで、障がいへの配慮の程度を見極めるために、以下の2点を注意してみてください。

  • 研修制度が充実しているか
  • 福利厚生制度が整備されているか

上記の点を判断材料にしながら、障害への配慮の程度を見極めるようにしましょう。

4-4. 就労形態を確認する

就労形態を確認するのも、転職を成功させるポイントの1つです。

発達障がいのある方には、定時・出勤日や勤務場所が厳密に決まっている働き方よりも、自由度の高い就労形態が合っています。

自由度の高い就労形態には以下の2つがあります。

  • 裁量労働制
  • フレックス制

長く働き続けるためには、上記のように自分のペースで働ける就労形態を検討することがおすすめです。

4-5. 就労支援サービスを利用する

5つ目のポイントは、転職エージェントや就労移行支援といった就労支援サービスを利用することです。

発達障がいを持つ方の転職活動においては、発達障がいの就職に詳しい人に相談し、障がいの特性に合った職種を探すことが重要です。

就労支援では発達障がい者の転職を後押しするために、下記のようなサービスを受けることができます。

  • 発達障がいの特性理解
  • 転職活動に役立つスキルの習得
  • 仕事紹介
  • 就業前後のフォロー
  • 職場定着のサポート

5. 転職エージェントの登録後のサービスの流れ

ここまでがおすすめの転職エージェントです。

まずは上からできる限り登録し、サポートしてくれそうなところを見つけ、そこに支援をお願いしましょう。

※登録後は基本的に下記のようにサービスを受けます。まずは登録し、連絡を待ちましょう。

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Step 1. 登録する

それぞれの公式ページから登録を行います。

派遣など幅広く人材サービスを提供している企業もあるので、他のサービスと間違えないように下記のページから登録しましょう。

Step 2. 電話がかかってくる

登録すると、転職エージェントから数日以内に電話かメールで連絡が入ります。

準備などをする必要は全くありませんが、ざっくり下記のようなことを聞かれます。

  • 転職希望時期は?
  • 希望する職種や業界は?
  • 希望年収は?

10分ほどの最低限のヒアリングを受けた後、キャリアカウンセリングのアポイント調整を行います。

この時、キャリアカウンセリングに備え、障害の内容や障がい者手帳の有無を聞かれることもあります。

Step 3. キャリアカウンセリング

あなたがエージェントのオフィスに訪問することもあれば、エージェントが近くまで来てくれることもあります。都合が合わなければ電話の場合もあります。

初回面談での話題で多いのは下記のようなテーマです。

  • あなたのキャリアの棚卸
  • PRポイントの整理
  • 転職するべきかどうか
  • 転職するとしたらどのような企業に内定をもらえそうか
  • 今後やってみたいこと
  • 転職についての要望の深堀

キャリアカウンセリングで気づくことも多く、なるべく多くのエージェントに意見をもらえば、考えがまとまっていき後悔ない転職をすることができるでしょう。

Step 4. 求人紹介を受ける

あなたの希望に合いそうな求人をいくつか紹介してもらいます。

思ってもないような大手もあれば、今まで知ることのなかった魅力的な中小企業もあるでしょう。

それぞれのエージェントしか扱っていない独占求人もありますので、複数社のエージェントから求人紹介を受けることを推奨します

Step 5. 職務経歴書の添削

応募する企業を決めたら、職務経歴書や履歴書といった選考書類を添削してもらいます。

場合によってはこのためだけに面談を設定してくれたり、何度も書き直しを行います。

最高の職務経歴書をエージェントと一緒に作り上げましょう。

Step 6. 応募する

選考書類が完成したら、エージェントが最後に推薦文を添えて企業に応募します。

自分ではなかなか伝えられないあなたの魅力を、エージェントが企業に営業してくれます。

転職サイトを使って自力で応募すると、推薦文はもちろん誰も書いてくれませんし、企業への手続きも全部自分でしなければならないため、それに比べるとエージェント経由は圧倒的に有利です。

Step 7. 面接対策を受ける

応募している企業の面接担当者がどのような質問をして、どのようなタイプの方を好むのか、今持っているスキルのなかで何をPRするべきなのかといったポイントのアドバイスを貰います。

あなたが希望すれば模擬面接を実施してもらえるケースも多いです。

Step 8. 企業との面接を行う

面接の日時設定はエージェントが全て行ってくれます。

対策してもらったことをフル活用して、力を出し切りましょう。

面接に落ちてしまった場合には、多くの場合、エージェントが人事担当者からフィードバックを受けているため、次の面接に生かすことができます。

Step 9. 内定・退職〜内定後のサポート

内定が出た後は、エージェントが給料交渉や入社日の調整を責任を持って行ってくれます。今の企業との退職交渉もアドバイスをくれます。

また、入社後もあなたが定着するために、仕事環境などの相談に乗ってくれ、言いにくいことは企業側に伝えてくれます。

あなたが、すぐに辞めてしまうと、転職エージェントは紹介料を返さないといけなくなるので、辞めないように全力でサポートしてくれます。

6. 転職エージェントにしっかりサポートしてもらうためのコツ

転職エージェントも商売ですから、より熱意のあって、転職をすぐに決めてくれる方を優先することが多いです。

※転職エージェントが無料で使えるのは下記のようにあなたが転職することで紹介料をもらえるからです。

転職エージェントと良好な関係を築くため、あなたも上手く使うために、下記の6つのポイントを意識しつつ転職エージェントを使っていきましょう。

6-1. エージェントに登録後は、2週間に1回くらい連絡を入れておく

転職エージェントは、企業から依頼を受けるとデータベースの中から条件を絞り応募者を探していくのですが、この時の表示順番が「更新日」(=最後にコンタクトを取った日)なのです。

「更新日が古い=もうすでに転職を決めた可能性が高い」と判断されるので、連絡を怠っていると後回しにされ、いずれ案件紹介メールが届かなくなります

更新日が古いと、いくら条件が良くても機械的に後回しになってしまう場合があるので、2週間に1回何かしらの連絡を入れておきましょう。

6-2. とりあえず「良いところがあればすぐにでも」と言っておく

キャリアコンサルタントも売上目標があり日々追われています。コンサルタントとのファーストコンタクトで必ず「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と聞かれますが、この時に「良いところがあればすぐにでも」と答えるようにしましょう。

そうすればあなたはすぐに売上に繋がると考え、優先順位をあげて対応してくれることでしょう。

6-3. 担当コンサルタントは合わなければ変更する

担当コンサルタントに情をうつしてはいけません。担当変更はさほど大した問題ではないため、性格が合わなかったり、知識に不満があれば変えてもらいましょう。

担当変更がどうしてもしづらい場合は他社を当たりましょう。

担当変更メール文面例

いつも大変お世話になっております。

現在転職の支援をして頂いている○○と申します。

現在、ご担当者の○○様には大変丁寧にご対応頂いており感謝をしておりますが、

転職活動が初めてで不安が大きく、他の方のご意見も是非お伺いしたいです。

もし可能であれば、現在志望しております○○業界に詳しいコンサルタントの方と

一度お話をしたく考えております。

大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

6-4. 経歴やスキルに嘘をつかない

登録情報や一連のやりとりについては申し出をしない限りは情報が残ります。コンサルタントでよく話題にあがるのが、3年前の登録情報と今回とで登録情報が違うよ・・・という話です。

この場合、虚偽報告を行うリスキーな人材として紹介する案件を限るなどの判断がくだされます。

6-5. 推薦文は必ず確認する

ほとんどの場合、担当コンサルタントはあなたを200字〜1000字で紹介する推薦文を書きますが、あまり優秀ではないコンサルタントの場合は経歴をそのまま写すだけなどひどいケースがあります。

そこで「面接時に相違があると困るのと、客観的に今一度自分を見直したいため、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」と一声かけましょう。

今までみた中でもっともひどかった推薦文(参考)

「業務内容を把握している現場の方の目でご判断頂くことが一番です。スキル面については掘り下げてお聞き下さい。」

言ってることは間違いではないですが、応募者からすると転職エージェントを使う意味がないですよね。しっかりプッシュしてもらいましょう。

6-6. 同じ案件に複数のコンサルタントから応募しない

数社の転職サイトを使っている場合、同じ案件には複数のコンサルタントから応募しないようにしましょう。企業から「他の転職サイトからも応募があるんだけど」と担当に連絡がいってしまいます。

企業・担当コンサルタント両者に不信感を与え、場合によっては破談となり、企業に再度応募することはもちろん、その転職エージェントから案件を紹介してもらえなくなるでしょう。

7. 障がい者の方向けのその他の転職サービス3選

転職エージェントの他にも障がい者が転職を成功させるためのサービスはたくさんあります。

7-1. 転職サイト

転職サイトは、あなたが条件に会う求人を探して、応募するというものです。

転職エージェントのようにサポートを受けられる訳ではなく、いい求人はみんなが見ていて、応募者が殺到するので、倍率も高くなりがちです。

そのため、基本的には転職エージェントを使い、「期待していたほど求人を紹介してくれない」「一人でやったほうが楽」などの結論になったときに使いましょう。

主なおすすめ転職サイト

おすすめは下記の障がい者向け転職サイトです。求人数が限られているので転職サイトメインで転職を進めるときは3つ全て使いたいところです。

7-2. 就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、就職の支援を行ってくれるサービスですが、転職エージェントと比べると下記のような違いがあります。

転職エージェント 就労移行支援事業所
してくれること
  • 転職活動のサポート
  • 内定後のフォロー
  • スキルアップの支援(およそ2年)
  • 転職/就職活動のサポート
  • 内定後のフォロー
料金 完全無料 自己負担 月額0~37,200円

転職エージェントとは違い、働くための訓練を約2年間受けた上で、就職活動をサポートしてくれます。

料金は収入などにより自己負担金額が変わりますが、ほとんどの方が無料で使えていて、自己負担があっても1万円未満のケースが多いです。

事業所によってカリキュラムは異なりますが、しっかりトレーニングができるので、これからすぐに働く上で不安があれば、こちらの利用も検討しましょう。

おすすめの就労移行支援事業所

LITALICOワークス|障害のある方と一般企業への就職を目指す

LITALICO

LITALICOワークス(リタリコ)』は障害のある方に向けて就労移行支援を行う事業所で、一般企業への就職から職場定着まで一貫したサポートを行っています。

利用には市役所や区役所の障害福祉課などの窓口での受給者証の申請が必要ですが、手続きに関してもスタッフのサポートを受けることが可能です。

LITALICOワークスが直接求人を紹介することはありませんが、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センター等と連携することで、利用者により良いキャリアを提案します。

ほとんどの方が無料でサービスを利用でき、利用期間の上限は原則2年間です。

転職エージェントと違って、その2年間の中でじっくりと職業訓練を行えるので、ブランクがあり社会復帰に不安がある方におすすめできます。

利用前に、体験会や見学会などで実際の雰囲気を確かめることもできるので、気軽に問い合わせてみましょう。

LITALICOワークス公式HP:
https://works.litalico.jp/

新型コロナウイルスのLITALICOワークスの対応

LITALICOワークスでは、新型コロナウイルスへの対策としてサービスを全てオンライン化させ、「自宅で受講できる在宅支援」「通常の通所支援」を利用者様に選択していただいております。

LITALICOワークスに登録する前の体験会もオンラインで参加することができます。

障害や就職に関する相談に関しても、「電話で相談」「TV電話(オンライン)相談」の2つを全国で実施していますので、ご自宅からお気軽に相談することが可能です。

ミラトレ|就職率98%

ミラトレ

ミラトレ』は、パーソルの子会社であるパーソルダイバーズ株式会社(旧・パーソルチャレンジ株式会社)が運営している就労移行支援事業所です。

ミラトレの平均就職率は98%であり、全国の就労移行支援事業所における平均就職率22.4%を大きく上回ります。

またミラトレ卒業生の職場定着率(半年間)は80%で、その大半は定着率が60%と低い精神障害のある方です。

ミラトレは、同じパーソルダイバーズが運営する障がい者向け転職・就職支援サービスdodaチャレンジ」とも連携し、多彩な就職先候補を紹介してくれます。

そのため、こうしたつながりを最大限に活用し、一人ひとりが満足できる就職・転職を実現することができるのです。

ミラトレ公式HP:
https://mirai-training.jp/

Cocorport(ココルポート)|交通費・昼食支援あり

Cocorport(ココルポート)

Cocorport(ココルポート)』の最大の強みは、全500種以上もの豊富なプログラムを提供していることです。

Cocorportにはこれまで累計1,000名以上の方の就職を支援してきた実績があり、平均就職率も89.4%となっています。

またCocorportのもう一つの特徴としては、自宅から事業所までの交通費助成(上限1万円)、ランチ応援制度があることが挙げられます。

就労移行では給料がもらえず、週に4~5回通うことになるで、交通費や昼食代の助成は通所の大きな支えとなるでしょう。

Cocorport公式HP:
https://www.cocorport.co.jp/

就労移行支援事業所の探し方

上記で紹介した事業所以外にも、日本には全国に就労移行支援事業所が存在しています。

ヨツバノハ」という就労移行支援事業所を検索するためのサイトがあります。下記のようにお住いの地域別に探せるので、お近くの事業所を調べてみましょう。

引用:ヨツバノハ

7-3. ハローワーク

ハローワークには膨大な求人があり、職業相談から職場適応指導まで、障がい者の方の転職をしっかり支援してくれます。

ただし、利用が無料な分お金のない企業が掲載されていたり、求人票と労働条件が違うというトラブルが頻発していますので優先順位は下げていいでしょう。

ちなみにハローワークの苦情の4割が労働条件が違っていたことによるものです。(産経ニュース

基本的に、転職エージェントを使い、お住いの地域的に利用が難しいなどの悩みがあればハローワークの利用を検討しましょう。

ちなみに「こちら」から、ハローワークにどんな求人があるのか検索できます。

8. 【FAQ】発達障がいと転職に関してよくある質問と回答

Q-1. 障害を持っていることを隠して転職活動をした方が有利ですか?

障害があることを企業に開示する「オープン就労」と開示しないで就職する「クローズ就労」のそれぞれにメリットとデメリットがあります。

結論から言うと、「オープン就労」をおすすめします。

というのも、オープン就労であれば職場の発達障がいに対する理解が生まれるからです。

その結果として、転職後の働きやすさが高まるので、オープン就労の方が定着しやすい傾向にあります。

下の表にそれぞれのメリットとデメリットをまとめてあるので、ご確認ください。

メリット デメリット
オープン就労
  • 通院や服薬に対する理解をしてもらえる
  • 障害に合わせた業務内容の相談が可能
  • 職場仲間に発達障がいのことを理解してもらえる
  • 求人の幅が狭まる
  • 障害者雇用になるため賃金が安い傾向にある
クローズ就労
  • 求人数が豊富
  • 障害者雇用と比べて求人の賃金が高い傾向にある
  • 通院や服薬に対する理解が得られない
  • 障害を考慮した業務内容の相談ができない
  • 障害を隠して入社したことがいつか発覚する恐

Q-2. 過去の転職回数が多いと不利になりますか?

転職回数はそこまで影響しません。

当然、選考の際には見られますし、自己都合による転職が大半を占めると印象はよくありませんが、過去の転職理由をしっかりと伝えることができれば問題ありません。

dodaチャレンジの転職事例の中には転職回数が多くても成功されている方もいます。

どうしても心配な場合は、事前に転職エージェントに相談しておくといいでしょう。

障がい者向け転職エージェントについては、「障がい者におすすめの転職エージェントと転職サイト7選」で詳しく紹介しています。

Q-3. 発達障がい者が就ける仕事の給与は低いのですか?

発達障害に良いといわれる「定型業務」「下流工程」は多くの人ができる可能性があり、給与が低めに抑えられがちです。

一方で適性を活かしつつより高い給与の期待できる職種や正社員採用も存在します。

ですので、発達障がい者の就職に詳しい人に相談し、自分の障がいの特性を理解しながら適した職種を探すことがおすすめです。

身近に心強い相談相手がいない場合は、転職エージェントや就労移行支援を利用してみましょう。

Q-4. ASDに定型業務が良いなら公務員はどうでしょうか?

公務員の仕事は定型と思われがちですが、最近は定型部分はすでに業者に委託しており、職員が行っているのは企画・調整など多くの発達障害の方が苦手な業務です。

公務員の障害者枠ならどうか、という質問もよくありますが、公務員では正社員の障害者採用は身体障害者がほとんどです。

知的障害者や発達障害者向けの「チャレンジ採用」という3年限定の雇用枠は各地にありますが、正社員にはさせてもらえないものばかりです。

つまり、障害者枠に限っては民間企業の方が進んでおり、安定も民間企業のほうがしやすいと言えます。

Q-5. ADHDに起業やフリーランスは向きますか?

たしかに起業家やフリーランスで働く人の中にADHD的な気質を持った方は多いと思われますが、ADHDが起業に向くというわけではありません。

ADHD傾向のある人には、ミスの多さや苦手なものへの集中力の弱さ、計画やその修正、つまり段取りの苦手さなど、一人で何でもすることが必要な起業・フリーランスには向かない部分が多いことは否定できません。

起業・フリーランスで成功するためには、周囲の人を上手に巻き込み自分の苦手を補ってもらうことが重要になります。

Q-6. 就職先でうまくやっていけるか心配です

就職後のフォローもしてくれる転職サービスの利用がおすすめです。

就職決定後、「うまくやれるだろうか」「仕事をしているが体力が持たない」「たくさんの人から指示があり、パニックになる」などといった不安を抱えている発達障がい者は多くいます。

転職エージェントや就労移行支援では、就職支援のみならず、職場に適応できるようスタッフの職場訪問や相談対応が実施されることが一般的です。

ですので、転職に不安を抱える発達障がいの方は、転職エージェントや就労移行支援を利用してみましょう。

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気になるものがあれば、ぜひご一読ください。

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10. おわりに

ここまで、発達障がいの転職について詳しく説明してきましたがいかがでしたか?

発達障がい者は転職を繰り返す傾向にありますが、事前にポイントさえ押さえれば、転職に成功し新しい一歩を踏み出すことも可能です。

発達障がいで転職を考えている方は以下のようなサービスを利用していきましょう。

転職エージェント

就労移行支援

あなたの就職・転職活動が上手くいくよう、心から願っています。