「銀行員から転職したい」
「金融業界以外にも転職できるの?」
と考えていませんか。
銀行員は、融資営業経験や金融知識が評価されるため、異業種へも転職しやすいです。特に、コンサル業界やM&A、不動産業界で評価されやすいでしょう。
ただし、メガバンクからの転職は年収ダウンしやすい、40代以上になると転職難易度が上がるなどの懸念点もあるため注意が必要です。
そこでこの記事では、金融業界専門の転職エージェントとして多くの銀行員を支援してきた私が、銀行員の転職理由、有利な資格や転職先を紹介します。
- 銀行員の転職事情
- 銀行員から異業種への転職は有利?不利?
- 銀行員におすすめの転職先ランキング
- 銀行員から異業種への転職を有利にする資格とは
- 銀行員から異業種に転職する方法と成功のポイント
- 銀行員におすすめの転職エージェント
- 銀行員の転職に関するよくある質問
- まとめ
それでは、銀行員の転職事情から詳しく見ていきましょう。
目次
1. 銀行員の転職事情
どのくらいの銀行員が転職しているのでしょうか。また、そこにはどのような理由があるのでしょうか。この章では、銀行員の転職理由などを紹介します。
1-1. 銀行員の離職率と転職先
転職を決意する銀行員は多いです。
金融業界全体の離職率は7.7%と高い値ではありません(厚生労働省:令和2年雇用動向調査,2021.)。
しかし、ノルマの厳しさや労働時間の長さから、特に若手の離職率が高く、新卒入社後3年で3割、5年で5割が離職(退職)すると言われています。
また、ノルマの厳しさや将来性への不安から、金融業界以外の異業種に転職する人も多くいます。
厚生労働省の調査によれば、「金融業・保険業」から転職した人の約71%が異業種に転職していることがわかっています(厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021.)。
銀行員が転職する具体的な理由を見ていきましょう。
1-2. 銀行員の転職理由
銀行員が転職する理由は、主に以下の5つが挙げられます。
(1)ノルマが厳しい
銀行員はノルマが特に厳しい職業です。銀行は数字主義で営業成績が昇進や給料に直結するため、常にプレッシャーが付きまといます。
近年、みずほ銀行や三井住友銀行などノルマを廃止する銀行が増えていますが、「個人目標」として数値目標が掲げられているなど、ノルマが形を変えて残っているのが現状です。
ノルマや目標はかなり厳しく、精神的なストレスから転職する銀行員が多いです。
(2)資格取得の負担が大きい
金融商品を取り扱う銀行員には、求められる資格が多くあります。
銀行員に求められる資格の例
特定の業務を行う上で必須となるもの
- 証券外務員
- 生命保険募集人
- 損害保険募集人
法律上必須でないが会社に求められることが多いもの
- 証券アナリスト
- 銀行業務検定
- ITパスポート
業務に必要なもの、昇進に必要なもの、行内で定められているものなど様々ですが、入社後も勉強し続けることになります。
どのような仕事であっても生涯勉強と言われればそのとおりですが、業務時間外や休日も試験勉強のために机に向かわなければならないとなれば、負担に感じる人がいることにもうなずけます。
(3)銀行の将来性が不安
銀行の将来性に不安を感じ、今後のキャリアを考える人も多いです。
近年、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた「FinTech(フィンテック)」が盛んで、今後、IT(AI含む)による新しいサービスや事業領域がさらに増えれば、銀行(銀行員)の需要は減っていくというのが大方の見通しだからです。
たとえば、インターネット上で口座が簡単に開設できるネット銀行(インターネットバンキング)が、若い世代を中心に普及しています。
ネット銀行は店舗がなく人件費や賃料を削れるため金利が高めに設定され、また、楽天ポイントやnanacoポイントなどが貯まる仕組みも導入されていることから、メインバンクを銀行からネット銀行に移行する人が増えているというわけです。
事実、3大メガバンクの2021年新卒採用人数は前年度と比べ、15%減少しています。
銀行名 | 採用予定人数 | 前年度比 |
三菱UFJ銀行 | 400 | 22%減 |
三井住友銀行 | 530 | 16%減 |
みずほフィナンシャルグループ | 510 | 7%減 |
合計 | 1,440 | 15%減 |
出典:松浦龍夫:3メガバンクが新卒採用を15%削減、余波はIT業界に意外な形で.日経クロステック,2020年4月14日.
(4)転勤が多い
銀行員は、異動や転勤が多い職業です。
理由は、特定の企業や顧客と親密になり不正を行うこと、つまり癒着を防止するためです。
地方銀行や信用金庫は管轄エリアが限られるため、長距離の転勤は少ないですが、いわゆるメガバンクや大手銀行では、全国的な転勤が少なくありません。
部署にもよりますが2~3年ほどで転勤となるため、単身赴任する人が多く、家族と過ごす時間は少なくなります。
また、上司、同僚、後輩が転勤する度に歓送迎会が開かれるなど、飲み会が多いことにストレスを感じる人もいるようです。
(5)人間関係への不満
銀行は数字主義のため、ノルマを達成しないと上司に詰め寄られるなど、人間関係への不満から職場に嫌気がさしたという人も多くいます。
ノルマの程度や、人間関係(風土)は銀行により異なるため、異業種ではなく、まずは同業種(他の銀行)への転職を考える人もいます。
1-3. 銀行員の転職は異業種に絞るべき?同業種(他の銀行)への転職はあり?
これまで見てきたような業界・勤務先への不満を受けて、銀行員の転職では銀行から異業種への転向もポピュラーです。
とはいえ、銀行員の転職先としては、もちろん同業種(他の銀行)への転職も有力候補となり、年齢やスキル、環境などによって自分に合う選択をするべきです。
というのも、同業種(他の銀行)への転職であれば、銀行員としての経験や資格を存分に活かせる、異業種への転職に比べ年収が下がりにくい(金融業界の給与水準が高いため)などのメリットがあるからです。
一方で、同業種への転職には、デメリットも存在します。
そこでここでは、同業種(他の銀行)への転職を考えている人のために、3つの注意点を紹介します。
同業種か異業種か、あなたのシチュエーションにあった選択をしましょう。
(1)銀行員の同業種(他の銀行)への転職は若手の方が有利
銀行員が他の銀行へ転職するなら、すぐに転職活動を始めることをおすすめします。
銀行への転職では、金融知識やリスク管理能力などが評価されるのはもちろんですが、業務が特殊なため前職の経験や勤続年数よりも、年齢が重視される傾向があります。
そのため、同業種(他の銀行)への転職は、早ければ早いほど有利と言えます。
(2)地方銀行や信用金庫からメガバンクへの転職は難しい
地方銀行や信託銀行からメガバンクへの転職はかなり難しいです。
メガバンクは新卒社員を多く採用し、知識や経験を積み上げて長期育成します。スキルアップにつれ、融資相手が個人から中小企業、大企業へと変わり、扱う金額が増え、年収も上がっていきます。
経験者を中途で採用した場合でも、銀行によって求められる資格やスキルは異なるため、長期的に育成した社員には及びません。
そのためメガバンクでの中途採用の枠はかなり狭くなっているのです。
その結果、狭い採用枠に高いスキルを持つ銀行経験者の応募が殺到するため、メガバンクは転職難度が非常に高いのです。
(3)メガバンクや信託銀行に転職すると異動や転勤が増える
メガバンクや大手銀行に転職した場合、異動や転勤が増える可能性があることも考慮しておく必要があります。
銀行では、特定の企業や顧客と親密になることによる不正を防止するため、2~3年間隔で異動や転勤が発令されます。
管轄エリアが限られる地方銀行や信用金庫に比べ、広範囲に支店を持つメガバンクなどでは全国的な転勤があることを含んでおきましょう。
(転勤頻度は銀行や部署によって異なるため、事前の情報収集が重要です)
2. 銀行員から異業種への転職は有利?不利?
この章では、銀行員から異業種に転職するメリット・デメリットを解説していきます。
一般にエリートのイメージがある銀行員ですが、「銀行の業務は特殊で、(異業種で)活かせるスキルがない」と、転職には不利と言われることもあります。
銀行員は金融業界以外にも転職できるのか、見ていきましょう。
2-1. 【結論】銀行員から異業種への転職は有利!
結論として、銀行員は他の業界への転職においても有利です。銀行員という職歴は様々なスキルが評価されます。
銀行員経験があることで期待してもらえる知識・スキル
- 金融知識がある
- 資格を多く持っており、努力ができる
- 厳しいノルマの元での営業経験がある
- コミュニケーション能力など個人の能力が高い
銀行員は、金融に関する資格を多く取得しており、取得には継続的な学習や知識のアップデートが不可欠なものであるため、努力し続けられる人材とみなされます。加えて法人営業経験はどの業界であっても営業職として欠かせないビジネス経験です。
新卒就職時の採用倍率が高い銀行員になるには高い学歴やスキルが求められるため、銀行員というだけで転職時にも高い個人能力を持つ人材と評価されやすいという一面もあります。
なお、銀行員から異業種への転職先としては、製造業(10.4%)、医療・福祉業(10.7%)、その他サービス業(10.3%)の割合が高いです(厚生労働省:令和2年転職者実態調査,2021.)。
人材紹介業界大手のリクルートは銀行業界の転職市場動向についてこう展望しています。
専門性にこだわる金融専門職の方は、出向・転勤を機に転職を考える傾向が強い。
一方、リモートワークからフル出勤に戻ることに抵抗を感じ、転職を考え始めるケースも見られる。DXやESG・SDGs関連のコンサルに興味を持っているものの、銀行内で携わるチャンスを得られない方が、コンサルティング業界への転職を希望するケースも増えてきている。これまでの金融業界には、専門性を磨いてキャリアを築きたいと考えながら、家庭・育児のためにそれをあきらめる女性も多かった。しかし最近では、キャリアとプライベートを両立させる働き方ができるチャンスが増えている。そうした制度・環境を整えている企業が選ばれているといえるだろう。
出典:株式会社リクルート:2022年 転職市場の展望(PDF),2021年12月22日.
特に銀行業界からコンサルティング業界への転職は、2020年頃から注目され始め、数字に強く、物事を俯瞰でき、プロセス設計を得意とする銀行員とは親和性があると言えます。
2-2. 銀行員が異業種へ転職するメリット
銀行員が異業種へ転職するのには、以下のようなメリットがあります。
メリット1. 金融知識が評価されやすい
銀行員が持つ金融知識や金融に関する資格は、銀行以外でも評価されます。
金融知識を持つ銀行員は、金融業界の証券会社や保険会社、金融系シンクタンクへ転職しやすいです。特に、銀行業務のために証券外務員や生命保険募集人などの資格を持っていると、入社後すぐに資格を要する業務を担当できるので、さらに有利となります。
金融業界以外でも、特にM&Aやコンサルティングファームの中途採用は金融業経験者を優先的に募集し、好待遇でかつ専門性の高い業務を任せる傾向にあります。こうした状況も、銀行員が異業種への転向によってキャリアアップを実現しやすい一因となっています。
メリット2. 市場価値が高まる
銀行以外の業界や職種も経験することで、経歴の幅が広がり市場価値が高まります。
銀行員だけを長年続けていると、銀行で役立つスキルや経験は培われますが、他業界では評価されにくい業務も多く、年齢が上がるにつれ転職難度は上がり、異業種を目指す場合は転職時に待遇が下がる可能性が高まります。
異業種で銀行以外でも通用するスキルを身につけることで、市場価値が高まり、今後また転職する際に役立てることができるのです。
例えば、銀行での法人営業経験を活かして、転職先で個人営業や営業部の管理職経験を積むと、さらに市場価値を高めることができます。
メリット3. ノルマへのストレスがなくなる
異業種への転職では、厳しいノルマへのプレッシャーがなくなり、精神的なストレスが減ります。
銀行の営業ノルマは営業職の中でも特に厳しいと言われています。異業種の営業職への転職でも、ストレスは軽減されるでしょう。
銀行の転職理由がノルマへのプレッシャーである人は、スキルを身につけて営業職以外の職種へ転職すると、よりストレスを減らす事ができます。
実際に銀行員から、IT業界(Web制作)へ転職した人でストレス激減を感じた方がいました。
銀行員は激務や厳しいノルマによりストレスを感じやすい職業です。異業種へ転職し、銀行から完全に離れると、ストレスが減りやすいでしょう。
2-3. 銀行員が異業種へ転職するデメリット
一方で、銀行員が異業種へ転職するのには、以下のようなデメリットが存在します。
デメリット1. 社会的信用が落ちる
銀行員から異業種に転職すると、社会的信用は落ちやすいです。
安定して高収入が得られる銀行員は、社会的信用が非常に高いので、ローンを組みやすく、クレジットカードの審査もほぼ通ります。
銀行員を辞めてしまうと、社会的信用が落ち、ローンが組みにくいことやカードの審査に通りにくいと感じることもあるでしょう。
デメリット2. 福利厚生が悪くなる
銀行員は福利厚生が特に充実しているので、転職先の福利厚生に不満を持ちやすいです。
多くの銀行は、月2万円ほどで住むことのできる社宅を完備しています。他にも、住宅補助や食事補助、財形貯蓄制度など様々な福利厚生があるので、待遇面での不満は感じにくいです。
銀行ほど充実した福利厚生を完備している企業は少ないため、月の支出額が増える、補助額が減り、家計負担は増えることが多いでしょう。
デメリット3. マニュアルがなく仕事に慣れるのに時間がかかる
異業種への転職では、マニュアルがなく仕事を教えてもらいながら覚えていく必要があるため、仕事に慣れるまで負担が大きくなります。
銀行の業務はミスのないようにマニュアル化されているものも多く、資格を取得して経験を積めば業務の幅を広げることができます。
一方で、異業種では年齢や経歴に関係なく、仕事に慣れるまで重要な業務を任せてもらいにくいです。さらにマニュアル化されている業務自体も少なく、仕事を覚えるのにも難儀するでしょう。
銀行員時代に培ったスキルが活かされないと感じることも多く、慣れるまでは業務に対してストレスを感じやすいです。
3. 銀行員におすすめの転職先ランキング
銀行員の経験は異業種や異職種にも活かすことができます。
この章では、編集部がおすすめする「銀行員からの転職先」を紹介します。
銀行員からの転職先 おすすめランキング
1位. 公務員
銀行員から公務員に転職する人は非常に多いです。
銀行員は安定性や社会的地位が高いため、「転職するなら同程度の水準を保てる公務員」と考えるためです。
また公務員には年功序列の風土が色濃く残っているため、これも銀行員と似ている部分と言えるでしょう。
さらに、ノルマや異動に辟易してしまった銀行員には、ノルマがないことや異動の少なさも大きな魅力です(転居を伴う異動は少ないですが、3年間隔くらいで部署異動が発令されます)。
転職に際しても、銀行で鍛えられた「コミュニケーション能力」「数字への強さ」「ストレス耐性」などが評価されやすく、「勉強習慣」も公務員試験突破には有利と言えます。
ただし、銀行員は体育会系、公務員は文化系と表現しても差し障りがないくらい、働いている人の性質が異なります。部署によりますが、仕事が単調でつまらないと感じてしまう人もいるでしょう。
また、ノルマがないことからストレスフリーを想像するかもしれませんが、「市民の税金から給料が支払われている」という点において、風当たりが厳しくなるケースもあります。
2位. 不動産業界
不動産業界への転職は、銀行の不動産融資の業務経験があると有利です。不動産融資業務のために、宅地建物取引士の資格を持っている銀行員はさらに有利となります。
不動産用語には、資産運用や信託など金融用語と重なるものが多く、仕事に慣れやすいです。
融資やローンの扱いにも慣れているため、銀行員経験を存分に活かせる業界です。
3位. M&A業界
企業の合併や買収をサポートするM&A仲介会社は、銀行員からの転職が多い仕事です。
M&A仲介会社では、合併や買収に向けた戦略策定や企業との交渉、アドバイスを行います。銀行の法人営業では、M&Aのサポートも行っているため、銀行経験が評価されやすいのです。
また、M&Aには財務・法務・会計・税務の知識や、企業と交渉ができるコミュニケーション能力が必要で、銀行で求められるスキルと被るものが多いです。
数千万から数億円単位の取引を行うスケールの大きさや、年収の高さが魅力的です。
4位. 保険業界
保険業界は、法人融資で保険に関わっている銀行員におすすめです。
銀行では、一部の損害保険商品や生命保険商品を販売しており、資産運用の一貫として保険の相談をする顧客もいるため、基礎的な保険知識が求められます。そして保険業界への転職では、銀行員の多くが有している保険商品の知識を活かして働くことができます。
特に、生命保険募集人や損害保険募集人の資格を保持している人は、転職で有利となるでしょう。
5位. 経営コンサルタント
経営コンサルティングファームは、リスク管理能力や営業経験のある銀行出身者を積極的に採用する傾向にあります。
近年、IT化やグローバル化に伴い企業の経営課題は複雑化しており、コンサルティングの需要が増大しています。中途採用の募集人数も多く、未経験者も募集する企業が多いです。
特に金融業界に顧客を多く持つコンサルティング会社は、銀行出身の経営コンサルタントや財務コンサルタントを募集することが多くなっています。
コンサルティング会社は給与水準も高く、高年収を狙う銀行員におすすめです。
6位. 一般企業のバックオフィス
一般企業でも、リスク管理能力や金融知識が評価されます。
銀行員は細かい数字管理やリスク管理を求められているため、会計や経理に向いている人材です。かつ財務諸表の分析や会計処理など銀行と似た業務が多く、銀行経験者は有利な職種です。
財務部では銀行への決算報告や融資交渉を行うため、銀行の内情を知っている銀行出身者を積極的に採用する傾向もあります。
銀行員の経験があれば、会計や経理関連のポジションに対しては、金融業界に留まらずあらゆる業種でスキル・経験をアピールすることができます。
7位. ベンチャー企業
ベンチャー企業の経理責任者(CFO)は銀行や証券会社など金融業界出身者が多いです。
上場を目指すベンチャー企業は数字管理やリスク管理が重要視されるため、CFO職に銀行出身者を積極的に採用します。
上場前の企業へ転職する場合は一時的に年収が下がる可能性もありますが、企業を共に成長させていくやりがいがあります。
8位. 無形商材の営業職
無形商材の営業職は、銀行の営業経験を十分に活かせる仕事です。無形商材とは、サービスや人材、保険など物質的ではない商材のことです。
銀行業務では投資信託や融資の提案など、形のない無形商材を扱うため、無形商材の営業には慣れています。
銀行員はノルマが厳しいことは一般にも浸透しているイメージであるため、銀行の営業経験があればそれを乗り越えられる営業力を持っていると評価されやすく、転職を有利に進めることができます。
9位. フィンテック企業
Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた「FinTech(フィンテック)」業界への転職もおすすめです。
フィンテック企業では、「金融 × IT」の知識が必要になるため、両方の知識を持っているに越したことはありません。
しかし、すでに突出した金融の知識を持っている銀行員には、(たとえITの知識がなくとも)親和性が高い業界です。
そもそも、未経験者がIT業界に転職することは簡単ではありませんし、銀行内でフィンテック関連の部署に異動できる可能性は一般的に低いため、IT業界にチャレンジしたい銀行員にとってはチャンスと言えるでしょう。
さらに、フィンテック企業にはスタートアップが多い傾向があります。
その分、銀行に比べると福利厚生の質は下がりますが、挑戦する機会には多く恵まれるでしょう。
日々の業務に刺激や自己成長を求めている銀行員にも、ぜひおすすめしたいところです。
4. 銀行員から異業種への転職を有利にする資格とは
銀行員から異業種へ転職する際には、以下の資格を取得していると有利になります。
4-1. 日商簿記検定(2級以上)
日商簿記検定は、日本商工会議所が行う検定です。高度な商業簿記・工業簿記を習得し、財務諸表を読み取る能力があるとみなされる簿記2級以上を取得すると転職に有利となります。
簿記の資格は、非常に知名度のある資格で、どの業界でも評価されます。さらに銀行員の場合は就職活動や銀行で推奨されて取得している人も多く、新たに取得を目指す場合でも、金融知識があるため独学も容易で、非常におすすめの資格です。
合格率 | 20~30% |
目安勉強時間 | 300時間 |
試験日程 | 年3回(2月・6月・12月) |
出典:『簿記|商工会議所の検定試験』,2023年10月3日閲読.
4-2. 中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断や助言を行う専門家です。資格取得者は「一定以上の経営コンサルティング能力がある」とみなされるので、コンサルティングファームへの転職に有利となります。
運営管理や中小企業経営、経営情報システムなど、範囲が幅広く、暗記だけでなく口述試験もあるため、資格取得に2-3年かける人も多い難関資格です。
難易度が高く、試験は年に1回だけ行われるため、入念な準備が必要ですが、キャリアアップを目指す銀行員におすすめです。
合格率 | 18~19% |
目安勉強時間 | 1,000時間 |
試験日程 | 1次:8月 2次:11月(筆記)1月(口述) |
出典:『J-SEMCA 中小企業診断協会 |中小企業診断士試験』,2023年10月3日閲読.
4-3. 宅地建物取引主任士
宅地建物取引主任士は、宅地や建物の売買・交換・賃借取引などの取引で、顧客の利益の保護を優先し、公正かつ誠実に法に定める事務を行う専門家です。
不動産会社は、営業所の社員5人に1人の割合で、宅建士の資格保持者を設置することが義務付けられているため、不動産業界において、非常に有利な資格となります。
銀行業務においても活かせるため、取得する銀行員が多く、合格率は低いですが、金融知識があると取得しやすい資格です。
合格率 | 15~18% |
目安勉強時間 | 300~400時間 |
試験日程 | 10月第3日曜日 |
出典:『一般財団法人 不動産適正取引推進機|宅地試験の概要』,2023年10月3日閲読.
4-4. 銀行業務検定試験
銀行業務検定は、銀行員向けの資格ではありますが、保険会社や証券会社でも有利になります。
銀行業務検定には
- 法務
- 財務
- 税務
- 年金アドバイザー
- 金融リスクマネジメント
など様々な資格があり、銀行によっては取得が義務付けられているものもあります。
銀行だけでなく、証券会社や保険会社など金融業界では評価されやすいため、取得しておくことをおすすめします。
合格率 | 2級:約30% 3級:約40~50% |
目安勉強時間 | 100時間 |
試験日程 | 年2回 |
出典:『銀行業務検定協会|検定試験要項』,2023年10月3日閲読.
5. 銀行員から異業種に転職する方法と成功のポイント
この章では、銀行員から異業種に転職するための方法と、成功のポイントを解説していきます。
5-1. 銀行員から異業種に転職するおすすめの方法
銀行員から異業種に転職する方法は主に3つあります。
「リファラル採用を狙う」、「転職サイトで求人を探す」、「転職エージェントを活用する」を順番に紹介します。
リファラル採用を狙って応募
「リファラル採用」とは、企業が社員に対して「転職したい知人がいれば紹介してほしい」と入社希望者を募る方法です。
企業側には、外部の転職サービス経由で採用するよりコストを抑えられるというメリットがあります。
求職者側には、知人から企業風土や実情をあらかじめ教えてもらうことができ、入社後のミスマッチを防げるというメリットがあります。
また、紹介者の後押しにも期待できることから、リファラル採用は、通常の採用に比べ選考に通りやすいと言われています。
転職したい業界に勤めている知人に心当たりがある場合、1度相談してみると思わぬ縁があるかもしれません。
転職サイトで求人を探し応募
「転職サイト」で求人を探し、自分で応募する方法です。
自分のペースで転職活動を進めることができるため、良い求人があれば応募したい程度の場合や、どんな求人があるか業界市場を知りたい場合などに向いています。
転職サイトごとに掲載されている求人が異なるため、複数の転職サイトを併用するのがおすすめです。
ただし、転職サイトは応募書類の添削や面接練習などのサポートは行っていないことがほとんどのため、転職の意志が固まっている人には「転職エージェント」の活用がおすすめです。
転職エージェントを活用し応募
「転職エージェント」に登録し、転職エージェントの担当者と二人三脚で転職活動を進める方法です。
転職エージェントに登録したら、まずはキャリアアドバイザーとの面談を行い、希望の条件などをすり合わせます。
その後は、求人検索(紹介)、履歴書・職務経歴書の添削、応募、面接日程の調整、面接練習、待遇の交渉などをキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、転職回数が少なく不慣れな人でも安心して転職活動を進めることができます。
なお、転職エージェントによって強い業界や職種があり、扱っている求人も異なるため、希望する業界に特化した転職エージェントを選ぶことが重要になります。
できるだけ多くの求人を比較したい場合は、取り扱い求人数の多い総合型の転職エージェントと併用する方法もおすすめです。
5-2. 転職エージェントと転職サイトとの違い
「転職エージェント」と「転職サイト」は似たサービスですが、大きな違いは転職活動の進め方です。
転職エージェントは担当者と一緒に転職活動を進めますが、転職サイトは自分1人で活動することになります。
この違いについて詳しく解説します。
転職エージェント | 転職サイト | |
気軽さ | △ 登録・相談のハードルが高いと感じる人も |
◎ 自分で求人を検索するだけなので気楽 |
得られる情報 | ◎ 職場の内部情報なども教えてくれる |
△ 求人票の情報だけ |
求人の選択肢 | ◯ 豊富(非公開求人や独占求人があることも) |
◯ 豊富(サイトによっては少ないので注意) |
転職アドバイス | ◎ 転職のプロからのアドバイスが得られる |
× なし |
選考対策 | ◎ 履歴書・職務経歴書の書き方や面接の答え方 |
× なし |
転職成功率 | ◎ 選考対策を入念に行えるので、採用確率アップ |
◯ 上手く活用できればスムーズに決まる |
年収アップ率 | ◎ 年収交渉をしてくれるので良い待遇で転職しやすい |
△ 自分で交渉できれば問題ない |
転職サイトではサポートがないので、「良い求人がない」「履歴書の書き方が分からない」と悩んでも、自分でなんとかしなければなりません。
自力で解決できれば問題ないのですが、自分一人だと客観的なアドバイスを受けられず、次第に視野が狭くなっていきやすいので、間違った方向に進んでしまう可能性もあります。
このため、「転職活動に不安がある(履歴書や職務経歴書の書き方が分からない)」「次の転職は絶対失敗したくない(良い職場に入りたい)」という人は、転職エージェントの利用をおすすめします。
(1)そもそも転職エージェントとは
転職エージェントとは、無料で、求人探しから面接対策まで、幅広いサポートをしてくれる『人材紹介サービス』のことです。
登録すると、担当者がつき、あなたの転職理由や希望条件、理想の働き方をしっかりとヒアリングした上で、エージェントが保有する求人から適切な職場を選び、あなたに合った求人を提案してくれます。
応募を決めると、応募書類作成や面接対策もサポートしてくれるので安心です。転職先が決まるまで手厚いサポートが受けられます。
転職エージェントが無料で利用できる理由は、職場から紹介料を受け取って利益を上げる仕組みだからです。
求職者の入社が決まると、転職エージェントは企業から仲介料(年収の30%前後)を受けとっています。そのため、利用者側に料金は一切発生しないのです。
このように、転職エージェントは「紹介料を払ってでも優秀な人材を求めている」企業と、「希望条件に合った職場に転職したい」求職者をつないでくれるサービスとなっています。
(2)銀行員が転職エージェントを利用するメリットとは
銀行員が転職エージェントを利用するメリットは以下の3点です。
メリット1. 希望条件に合った求人を代わりに探してくれる
まず、転職エージェントでは担当者に年収や勤務地などの希望条件を伝えると、あなたに合った求人を代わりに探してくれます。
エージェントによっては、待遇が良いため公開して募集を行わない非公開求人を保有している場合もあり、自分で探すよりも年収が高い職場が見つかりやすいのです。
仕事を続けながら転職活動をする場合も、自分で求人を探す手間が省けるので便利です。
メリット2. 応募書類の添削や面接練習などの選考対策が受けられる
転職エージェントを利用すると、応募書類の添削や面接練習など選考対策も受けることができます。
担当者がヒアリングを通してあなたの人柄や経歴を把握し、伝え方のコツも教えてくれるので、誰でも魅力的な応募書類を作り上げられます。
転職経験がない、少ない場合、一人で応募書類を作るのは難しいものです。過不足無く経歴を書いたつもりでも、プロの視点でみると内容が不十分であったり、見せ方が適切でなかったりするケースはよくあります。
面接対策でも、転職のプロから客観的な意見がもらえるので、面接のコツが分かり、どのような質問をされるのか想定して面接に臨むことができます。
担当者と万全な対策を行うことで、内定獲得の可能性がアップします。
メリット3. 応募先とのやり取りを代行してくれる
転職エージェントは、企業とのやり取りを代行してくれるので、働きながらの転職活動がスムーズになります。
担当者が代行してくれるやり取り
- 各企業への応募
- 面接の日程調整
- 採用担当者への連絡
- 入社日の調整
在職中に転職活動を行うとなると、細かいスケジュール管理が困難になります。
特に複数求人に応募している場合、それぞれの職場と並行してやり取りを行わなければならなりません。予定管理が不十分だと、ダブルブッキングなどのトラブルにつながる恐れもあります。
転職活動に関する煩雑なやり取りを、代わりに行ってくれるのは大きなメリットです。
5-3. 銀行員が転職エージェント選びで気をつけるポイント
銀行員が転職エージェントを選ぶときのチェックポイントは、次の4点です。
point 1:求人数が多いか
求人の量は、理想の職場に転職できるかどうかを左右する、重要な要素です。
登録者のみが閲覧・応募できる「非公開求人」を多く保有している転職エージェントを利用すれば、さらに選択肢を増やせます。
「なるべく多くの候補の中から、自分の希望条件にぴったりの求人を選びたい」という方は、求人の量に強みのある転職エージェントを選びましょう。
point 2:支援実績が豊富か
転職を成功させたい場合、転職の支援実績も確認しましょう。
支援実績が豊富な転職エージェント(キャリアアドバイザー)にサポートしてもらえば、転職成功の確度が上がるためです。
転職エージェントの公式サイトには、支援実績や、強みとする業界・職種が紹介されていることが多いです。なかには、以下のような「銀行員から異業種への転職を成功させた成功事例」が掲載されていることもあります。
前職が銀行で、残業時間や賞与、また福利厚生面が整っていたので、そのようないい待遇の事務職があるのかどうか不安でした。
新卒での就職活動時代も苦手な面接に慣れるまで時間がかかって苦労しましたので、初めての転職も自分は大丈夫なのか、心配でした。自己PRや面接でよく聞かれる質問項目の回答例を添削して下さったのがありがたかったです。
また、実際に企業へ面接へ行く際には必ず面接対策をして下さり、過去に聞かれた質問や、それに対して面接官がどういう回答を求めているのか一緒に考えて対策してくださったので心強かったです。〔出典〕マイナビエージェント公式サイト転職成功事例から2020年7月27日抜粋
新卒で入社した地方銀行が転職前の会社です。内勤で2年間働きました。出納や為替などの後方事務から相続、窓口など事務の面でも幅広く業務に携わりました。
会社から最も求められていた職務は個人営業で、主に投資信託や保険の販売です。
窓口に来店した個人のお客様に対して積立の運用商品を提案したり、お金をたくさん持っているお客様に電話でアポイントを取り、来店いただいた方には運用商品を提案したりといった仕事をしていました。転職先は金融関係の会社の事務をアウトソーシングされている企業です。
私は前職の地銀で経験した事務の中でも、相続で戸籍謄本を読み取る事務がとても達成感や、やりがいを感じて好きでした。
転職先は相続部門の部署に配属されるということで、今までの経験が生かせること、今までの仕事で好きだった職務内容を極められるということで理想的な転職先でした。
営業なしにもかかわらず年収が前職よりも微増な点も魅力でした。〔出典〕マイナビエージェント公式サイト転職成功事例から2020年7月27日抜粋
豊富な支援実績は、選考通過のためのノウハウが蓄積されていることの表れです。
求人数だけでなく、これらの情報も参考にしましょう。
point 3:サポート体制が整っているか
特に在職中に転職活動をする人や、転職が初めての人は、サポート内容も確認しましょう。
転職エージェントによっては、履歴書や職務経歴書といった応募書類の添削、面接の練習など転職活動を効率化するサポートの他に、転職に関するノウハウを解説した動画やセミナーを提供しているものもあります。
また、サポートの丁寧さも気になるところですが、必ずしも大手転職エージェントだからといってサポートの質が高いとは限りません。
大手転職エージェントは利用者が多いため、求職者1人あたりに割けるサポート時間が短くなりがちだからです。
ただし、中小規模の転職エージェントは求人数が多くないため、どちらにもメリットデメリットがあると言えます。
このような観点からも、自分にマッチする転職エージェントが見つかるまでは複数の転職エージェントを併用することをおすすめします。
point 4:利用者の口コミが良いか
利用者の口コミから、その転職エージェントの提案力やサポート力を確認することができます。
特に
- 希望条件に合った求人を紹介してくれるのか
- 選考対策や退職準備などしっかりとサポートしてくれるのか
は必ず確認しましょう。
年代や希望する職場によっても、口コミは異なる場合もあります。口コミを確認して、自分に合った転職エージェントを利用することでスムーズに転職活動を進めることができます。
6. 銀行員におすすめの転職エージェント
銀行員の転職には、転職エージェントの利用がおすすめです。
この章では、銀行員におすすめの転職エージェントを紹介します。
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サービス名 | リクルートエージェント | dodaエージェント | パソナキャリア | マイナビAGENT | ビズリーチ |
JACリクルートメント |
利用者層 (目安年収) |
20代後半~50代 (300~700万円) |
20代後半~50代 (300~700万円 ) |
30代前半~50代 (400~700万円) |
20代後半~30代 (300~500万円) |
30代以降 (600万円~9 |
40代以降 (800~1,000万円) |
公開求人数 | 約37万件 (業界トップレベル!!) |
約18.8万件 | 約3.6万件 | 約6.3万件 | 約8.3万件 | 約8,700件 |
満足度 |
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特徴 |
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公式サイト | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る |
解説 | ≫解説を見る | ≫解説を見る | ≫解説を見る | ≫解説を見る | ≫解説を見る | ≫解説を見る |
※求人数:2023年10月10日更新
(1)リクルートエージェント | 求人数No.1
総合力
求人数No.1で、全国どの職種への転職でもおすすめ
求人の量・質
公開求人数は16万件以上と圧倒的な多さ
サポート力
内定を勝ち取るための面接対策が充実している
『リクルートエージェント』は、Career Theory編集部が行った500人の転職経験者を対象とした調査では、総合評価第1位に輝いた最もおすすめの転職エージェントです。
求人数No.1の総合転職エージェントなので、銀行員経験が活かせる仕事が見つかりやすいです。
公開求人だけでも17万件以上、登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人まで含めれば約39.8万件の求人情報を保有しており、主要な転職エージェントのなかでは求人数No. 1に位置しています(2023年10月時点)。
エージェント選びに悩んでいる場合は、まず1番にこの『リクルートエージェント』へ登録しましょう。
『リクルートエージェント』を利用した人の声
(2)dodaエージェント | 求人の質・転職サポートが評判
総合力
担当に当たり外れが少なく、書類作成や面接対策のサポートが充実しており、好評
求人の量・質
求人の量はリクルートに次いで多く、評価が高い。
サポート力
書類作成や面接対策のサポートが充実していると、評価が高い。
『doda』エージェントは、転職支援実績が豊富な大手転職エージェントです。
提案力・求人数ともにトップレベルで、担当者の当たり外れが少ないエージェントだと言われています。
特に若年層の求人情報や地方在住者への転職支援に強みを持っており、第二新卒での転職や地方銀行から転職したい人におすすめです。
『dodaエージェント』を利用した人の声
(3)パソナキャリア | サポート充実で満足度が高い
総合力
利用者の満足度No.1!丁寧なサポートに定評があり始めての転職におすすめ
求人の量・質
最大手のdodaやリクルートと比べると劣るが、高年収向け非公開求人も多い。
サポート力
サポートは最高評価。親身・丁寧、転職すべきか悩んでいる人にもフラットに対応。
『パソナキャリア』は、利用者の満足度が高く、丁寧なサポートに定評がある初めての転職におすすめの転職エージェントです。
親身で丁寧なサポートで、銀行員から転職すべきか悩んでいる人にも深く寄り添って対応してくれます。
求人数はそれほど多いわけではありませんが、求人の質が良いため、高年収・高待遇の仕事も見つけやすいでしょう。
「不安を最小限に転職活動をしたい」という人におすすめです。
『パソナキャリア』を利用した人の声
(4)マイナビエージェント | 第二新卒におすすめ
総合力
20~30代からの評価が高い
求人の量・質
第二新卒や若年層向け求人が多い
サポート力
サポートが熱意があって丁寧と評判
『マイナビエージェント』は業界4、5番手の転職エージェントです。
サポート力に定評があるので異業種への転職でも、銀行員経験を最大限アピールする方法をアドバイスしてくれます。
第二新卒や20代の案件が多いことから、第二新卒の人は登録してみて担当者とのフィーリングを確かめてみることをおすすめします。
『マイナビエージェント』を利用した人の声
(5)ビズリーチ | 金融系専門職ならこれ
総合力
ヘッドハンターの質が均一でないが、求人数が非常に多いので、選択肢を広げるためにも利用すべき1社
求人の量・質
高年収の求人が非常に多く他社を圧倒している
サポート力
ヘッドハンターによるスカウトが受けられるが、担当によって差はある
『ビズリーチ』は、管理職・専門職などのハイクラス向け求人に特化したヘッドハンティング型転職サイトです。
企業の求人掲載、求職者の登録の双方に事前審査が行われることにより、質の高いマッチングを実現しているのが特徴です。
基本的な検索サービスなどは無料で利用できますが、求人応募やプラチナスカウトの受信などの機能は有料会員への登録が必要となります。
- タレント会員
年収750万円未満の方対象 / 月額3,278円(税込) - ハイクラス会員
年収750万円以上の方対象 / 月額5,478円(税込)
月額課金制の転職サイトは業界でも珍しく、利用をためらってしまう人もいるかもしれませんが、その分7万件以上の質の高い求人が揃っているので、「本気で転職したい」と考える人に特におすすめです。
『ビズリーチ』を利用した人の声
(6)JACリクルートメント | ハイクラス求人に特化
総合力
ハイキャリア・高収入の転職では実績No.1。
求人の量・質
外資系の高年収・ハイキャリア案件が多い
サポート力
社内教育が徹底されておりサービスが良い
『JACリクルートメント』は、ハイクラス求人に特化した転職エージェントです。
金融業界出身者が多く在籍しており、独自の繋がりで多くの質の高い独占案件を保有しています。
30年以上にわたり、約43万人を超える求職者の転職支援を行ってきた信頼と実績があります。担当するキャリアコンサルタントは、各業界・職種の専門知識と経営者視点を持つ少数精鋭のエキスパートなので、心強いパートナーとなるでしょう。
他の転職エージェントにはないグローバルな求人を多く扱っているので、外資系企業や海外進出企業への転職を検討している人におすすめです。
『JACリクルートメント』を利用した人の声
7. 銀行員の転職に関するよくある質問
最後に、転職を検討している銀行員の方からよくある質問に答えていきます。
7-1. 銀行員からの転職編
銀行員の転職事情に関連するよくある質問に、転職プロがお答えします。
Q1. 女性銀行員は転職しやすいですか?
女性銀行員も、金融知識や法人営業経験が評価されるので、転職しやすいです。銀行と似た業務が多い金融業界や、不動産業界への転職がおすすめです。
転職前に産休や育休は取れるのか、実績として産休・育休から職場復帰した人がいまどれくらい働いているのかや女性管理職の割合など、女性でも働きやすい環境であるか、しっかりと確認しましょう。
Q2. 銀行員の転職におすすめの時期はありますか?
3月末か9月末に退職できるように転職するのがおすすめです。
銀行の人事異動は4月・10月に行われることが多く、引継ぎがしやすいからです。
退職予定月の3~6ヶ月前に転職活動を始めましょう。9月末に退職する場合は1~6月、3月末に退職する場合は7~12月に転職活動を行うのがベストです。
Q3. 銀行から公務員への転職はできますか?
銀行員から公務員へ転職する人は非常に多いです。
ノルマ達成へのプレッシャーから解放される、ワークライフバランスが充実するなどのメリットがありますが、年収は下がりやすく、公務員試験に合格しなければ転職できないなどの注意点もあります。
公務員か民間企業のどちらが合うのか迷った場合は、転職エージェントに相談することをおすすめします。
Q4. 銀行員が異業種に転職した場合、年収は下がりますか?
銀行員の平均年収は606.6万円(東京商工リサーチ:「平均年間給与」調査 銀行トップは三井住友銀行 842万2,000円,2021年8月11日付.)、全職種の平均年収は488万円であることから、銀行員の年収は高いと言えます(厚生労働省:令和2年賃金構造基本統計調査 ,2021.)。
そのため、年収維持や年収アップを重視してしまうと転職先選びは難航するでしょう。特にメガバンクや大手銀行からの転職では、年収は下がる可能性が高いと考えておきましょう。
Q5. メガバンクに勤務する銀行員の市場価値は高いですか?
メガバンクに就職した人は、高学歴であったり、突出したスキルを持っている人が多いです。しかし、異業種への転職においては、銀行員の市場価値は高いとは言えません。これは銀行員に限らず異業種への転職活動においては共通とも言えますが、銀行員経験が評価されず、「使えない」「役に立たない」と思われてしまうこともあります。
銀行員経験をどれだけ活かせるかを踏まえ、大手人気企業だけでなく幅広い企業を転職先の候補に入れましょう。
Q6. 銀行員が転職に向けて身に付けておいた方がよいスキルはありますか?
基本的なITスキルを身につけておきましょう。特に地方銀行や信用金庫からの転職者には、パソコンを使う業務に慣れていない人がいます。
具体的には、Excel、Wors、PowerPointなどの基本的なソフトの使い方です。どの業種、職種でも基本的なITスキルが求められます。
ITスキルがない場合、銀行員という経歴があっても、転職において不利になりやすいです。
7-2. 転職エージェント編
転職エージェントの利用を考える銀行員から多く寄せられた質問とその答えを転職プロが紹介します。
Q1. 仕事をしているので電話での連絡は避けたいです。
多くのエージェントは希望をすれば、メールやLINEのみで連絡を取ることができます。
ただし、登録時の電話面談のみは行いましょう。電話面談は、担当者に自分の経歴や希望条件を伝え、転職活動の方向性を決める重要な機会です。
電話面談後は、メールのみでやり取りをすることも出来るので、初回の面談だけは30分程度時間をとって面談をすることをおすすめします。
Q2. 転職エージェントの担当者と考え方が合わなかったら……と不安です。
転職サイトでは、担当者をいつでも変更することができます。
口コミの良い大手サイトでも、担当者によっては十分なサポートをしてくれなかったり、自分の性格とは合わないと感じることがあります。
多くの転職エージェントでは、変更フォームへの入力や総合窓口へ連絡すると、担当者を変更することができます。担当者の変更は珍しいことではないので、合わないと感じたらすぐに変更をお願いしてみてください。
Q3. 勤務先・取引先にばれてしまいませんか?
ばれることは基本的にありません。
転職エージェントに登録した段階で、あなたの登録した情報は「転職エージェントのキャリアアドバイザーと担当部署」だけが分かる状態となります。
勤務先や取引先が仮に転職エージェントで人材を募集している場合でも、あなたの情報にアクセスすることはありません。
唯一バレる可能性としては、「会社のメールアドレスで転職エージェントに登録してしまった場合」です。なので転職エージェントへの登録は必ず個人のアドレスから行うようにしてください。
情報漏洩が気になるという人もいるかもしれませんが、滅多に起きないと考えて大丈夫です。大手転職エージェントでは、各社ともに個人情報を守るために万全の対策を行なっており、厳しい第三者機関の監査が定期的に入っているからです。
Q4. 地方に住んでいるのですが、転職エージェントは利用できますか?
地方でも転職エージェントを利用することができます。
大手転職エージェントは全国に相談会場を設け営業所を持っていたり、電話・Webでの面談を受け付けています。新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの転職エージェントは電話かビデオ電話で面談を行うため、特に困ることはありません。
地域に密着した求人情報を持っているエージェントもいるため、地方で転職を考えている銀行員も安心です。
Q5. 転職エージェントは本当に無料なんですか?
有料の転職エージェントはなく、利用は完全無料です。ただ、唯一例外なのが、『ビズリーチ』です。ビズリーチは転職エージェントというよりスカウトサービスを受けられる転職サイトで、無料でも十分に活用できますが、サービスを完全に利用するためには下記の料金がかかります。
- 年収600万円未満: 3,278円(税込)/30日間
- 年収600万円以上: 5,478円(税込)/30日間
詳しくは『ビズリーチを利用するべき人の3つの条件と活用方法の全て』で解説しているので、気になる人はこちらを参考にしてください。
8. まとめ
銀行員の転職事情について説明しました。
銀行員は、厳しいノルマの元で行う営業経験や金融知識が評価されるので異業種への転職も有利です。特に、M&Aや不動産会社、コンサルティング会社への転職では、銀行出身者は有利となり、年収アップが見込めることもあります。
ただし、40代以上の転職では、銀行業務以外のスキルが身についていないと判断され、不利になる可能性もあるため注意が必要です。
転職する際には、希望条件に合った求人を代わりに探し、選考サポートしてくれる転職エージェントの利用をおすすめします。
また、銀行員を続けるか異業種に転職するか悩んでいる人も、年齢やスキル、環境(家族構成など)、業界の見通しなどを総合的に検討する必要があるため、業界事情に明るい転職エージェントの無料相談を活用してみてはいかがでしょうか。
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サービス名 | リクルートエージェント | dodaエージェント | パソナキャリア | マイナビAGENT | ビズリーチ |
JACリクルートメント |
利用者層 (目安年収) |
20代後半~50代 (300~700万円) |
20代後半~50代 (300~700万円 ) |
30代前半~50代 (400~700万円) |
20代後半~30代 (300~500万円) |
30代以降 (600万円~9 |
40代以降 (800~1,000万円) |
公開求人数 | 約37万件 (業界トップレベル!!) |
約18.8万件 | 約3.6万件 | 約6.3万件 | 約8.3万件 | 約8,700件 |
満足度 |
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特徴 |
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公式サイト | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る | ≫公式サイトを見る |
※求人数:2023年10月更新
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