未経験者が総合商社へ転職するための8つのチェック項目

商社 転職 未経験

「総合商社は転職時の市場価値が低いのだから、私でも転職できるだろう」
「受かるための近道は何なのだろうか」

総合商社へ転職しようと考えてみたものの、このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

厳しい現実ですが、転職で総合商社に入ることは相当ハードルが高く、よっぽどな素養がなければ不可能に近いといってもいいでしょう。

事実、中途採用を最も積極的に取り組んでいる三井物産ですら倍率は100倍超になりますので、その難易度が高いことは明らかです。

そこで、総合商社営業部員が既存転職者にヒアリング・転職エージェントとの検討の結果作成した「総合商社への転職条件チェックリスト」をご紹介します。

  1. 8つのチェック項目と重要な理由
  2. 6つ以上当てはまった場合:次に自己分析をしよう
  3. 6つも当てはまらなかったけど総合商社に行きたい人は
  4. 最後に

このページを読めば、御自身の総合商社転職への可能性をひと目で把握することができます。

1. 8つのチェック項目と重要な理由

総合商社営業部員の私が、既存転職者にヒアリング・転職エージェントとの検討の結果、下記のチェック項目を6つ以上満たしていれば、総合商社内定の可能性ありといえます。

以下に、なぜこれらの8項目が重要なのかをご紹介します。

6つ未満しか当てはまらなかった方
6つ未満の方は、もしかしたら総合商社よりも御自身にあっている職種、職業があるのかもしれません。そういった方の中でも「やっぱり商社行きたい!」という方のために、総合商社に近道になる転職先候補を最後に御紹介します。

1-1. 人生で絶対に達成したい自分の夢を持っている

総合商社で中途・新卒構わず最も人事上重要視されるのは「自分のやりたいこと」を持っており、それを語れるかどうかです。

毎年の人事面談でも必ずこの質問は飛んできます。それは、総合商社とはトップから案件が降ってくるのではなく、下から案件を推進していくBottom Up形式の案件形成がなされていくことがほとんどだからです。

入社するときに持つ想いは間違いなく面接の時にも重要な質問として飛んで来るでしょう。

1-2. 前職での経験で成功例として語れるものが1つでもある

総合商社では何より結果が重要視されます。

入社後の結果を採用時に把握は出来ませんが、その前の実績なら面接で把握出来ます。

そのことを見るために、前職での経験・成功談は間違いなく重要視されます。

1-3. 前職でリーダーシップを取って達成したプロジェクト経験がある

商社は新規事業を始める際にプロジェクトマネージャーとして活動することがほとんどです。

すなわち、自社内の調整から、ビジネスパートナーとの調整を滞り無く実施することが求められます。

一般的にリーダーシップと呼ばれる能力を活かしプロジェクトを達成した経験があるという方は、商社内でも非常に重宝されます。

1-4. 前職で専門的な職種に付いていた

現在総合商社の課題は、専門性を持っていないという点です。

そのため、専門的な知識やバックグラウンドを中途採用者に求める傾向にあります。

又、以前までは転職者はただのサポート的な役しか担わないと言われていましたが、近年では中途でもマネージャークラスに昇進するケースも増えております。

1-5. 目先の売上ではなく、会社全体の収益を考慮した業績目標を意識していた

総合商社での基本として、全体感を意識することが常に重要視されます。

ビジネスモデルの全体感、全社収益の意識を常に必要とします。

前職においても、目前の利益だけを見ていたのでは入社後の業務内容に慣れるのは困難でしょう。

1-6. 他言語の利用に絶対的な自身がある

総合商社は今でも更にグローバルな展開を目指しております。

従って、英語だけでなく、その他言語を操れる人材は非常に重宝されます。

中国語、スペイン語、フランス語等が堪能という方はぜひとも受験してみることをおすすめします。

1-7. 総合商社に相談できる知り合い、先輩が各社に1人以上いる

入社を目指す上では、とにかく各社がそれぞれ何をやっているのか、そしてそれが自分自身のやりたいこととリンクするのか、ということをよく吟味する必要があります。

正直に申し上げると、総合商社のHPや説明会ではかなり各社の取り組み内容は濁しています。

従って本当に何をしているか、ということをリサーチするには社員の方々に話を聞いていくことです。

まずはお知り合いの方から相談してみましょう。

1-8. 前職の業界について100%語れる

中途採用される方は新規で案件を発掘していきます。

更には前職での専門としていた業界について、そこの人脈も含めて100%語れることは重宝されます。

まずは自身の業界をもう一度見つめなおすことも総合商社入社には非常に重要になります。

2. 6つ以上当てはまった場合:次に自己分析をしよう

上記でも申し上げた通り、総合商社ではまずは自分自身のやりたいことを見つけることが大前提です。

同時に “想い”を持って語ることは他の受験者に対する差別化要因になるので、想い先行型の自己分析方法として下記を紹介します。

2-1. まずは人生のゴール・コンセプトを定める

自分自身の人生として達成したいことのコンセプトを設定することから始めます。

例えば、「ミュージシャンになりたい」「音楽業界にイノベーションを起こしたい」「億万長者になりたい」「ホリエモンのようになりたい」等です。

確かにこれらのコンセプトは非常に曖昧ですが、一方で象徴的で、このあとに面接官は詳しく質問をしたくなります。

又、総合商社の人たちは良くも悪くも全人生を通してその会社に務め上げることを前提としています。

従って自分自身の人生のゴールについて語ることは商社の面接官にはとても響きます。

2-2. 自分自身の人生を振り返る

前職やってきたこと、また学生時代にやってきたことを、仕事とプライベートの両側面で振り返ることをします。

具体的には本ブログにて紹介されている「振り返り」を行うことと同義です。

これにより、今自分がゴールに対してどのようなポジションにいるのかがわかるようになります。

注意するべきは、振り返りの際に自分のゴールを意識した経験を抽出することです。

1stステップキャリアの振り返り

例えば、最終的なゴールが「ミュージシャンになりたい」であった場合、ゴールとは関係ない経験が蓄積されていることも多いはずですが、それは除外します。

上記図の中に、書いてはいないが、バンドを社内で編成し、密かにCDの販売を実施していた等があり、その上で社内でもグループリーダーとして活躍、それはつまり会社とプライベートの両方で自分自身がゴールに向かって成長してきたということをアピールできることになります。

そんな中で、自分自身がゴールに向かってやってきたことにフォーカスすれば、ゴールまでの道程を明らかにすることが出来ます。

2-3. ゴールと自分の現状とのギャップを見つける

最後に人生のゴールと現状の自分とのギャップを見極めます。

これにより、自分がゴールに向かって何をすれば良いのかを抽出することが出来ます。

すなわち、ゴールに向かった具体的なアクションが見えてくるのです。これが具体的に総合商社に就職後にやることになります。

又、ここで自分自身としてゴールに向かって必要な経験・能力・スキルが何なのかが明らかになります。

以上の分析プロセスを図示すると下記の通りになります。

そして、それぞれの経験と自身の想定している近い未来と、人生のゴールとの間で、 “So What”, “Why So” と常に自問し続けることが重要です。

そうすることで、現状とのギャップが何なのかということがBrush Upされ、又近い未来として自分が歩むべきキャリアが明らかとなります。

商社 自己分析

面接での注意点

これは面接に関してですが、総合商社の面接では質問に対する回答は必ず30秒以内を目指してください。それでも時間がかかってしまう、としても最長1分が限界です。

総合商社ではあらゆる業界のあらゆる事業について触れていく事になりますが、それぞれの事業や業界についてとにかくコンパクトに報告をすることが好まれます。

また、そもそも総合商社の面接時間は10〜15分程ととても短いため、自分自身のアピールをすべて言うにはとてもコンパクトにまとめる必要があるのです。

従ってとにかく自分のアピールをコンパクトにまとめるよう意識して、事前準備をしておいてください。

3. 6つも当てはまらなかったけど総合商社に行きたい人は

まずチェックリストで自身が当てはまらなかったという方には、まずは次に挙げるアクションを取ってみてはいかがでしょうか。

上記では “想い”を先行させたアプローチでしたが、下記の転職先ではそれをもかき消すくらいに総合商社が重宝するスキルが身につけられる職種になります。

なので、まずはこれにてご検討されてみてはいかがでしょうか。

3-1. 外資系投資銀行

総合商社では事業投資が今後主流の収益源になっていきます。

そのためファイナンスの知識、及び応用スキルは喉から手が出るほど総合商社は欲しています。実際に外資系投資銀行から転職してきた方は多くいます。

3-2. コンサルティング会社

上記投資銀行とは違うアプローチで、経営戦略に関する知識と経験も重宝されます。

総合商社では企業をM&Aや投資したあとに必ず自社で経営管理を行っていきます。

従ってただ投資リターンを求めるだけでなく、経営による更なる事業価値拡大を図っていくため、経営戦略スキルは重要になります。

3-3  専門的な職種の職業

先にも申し上げた通り、総合商社では業界・業種の専門性は非常に重宝されます。

従って、エンジニアやTV番組のプロデューサーなども業界の専門人材として重宝されます。

3-4. 現職を継続する

専門的な知識も特別なスキルがない場合でも自分自身で100%語れることがあったり、成功例、リーダーシップ経験をもつことがあれば、今の職業でもできるのでは無いでしょうか。

実は特別な要素がなくても達成できる条件で6つはチェックリストに該当することは可能です。

従って現在の職業で全力を発揮することも一つのやり方かも知れません。

4. 最後に

総合商社の採用可能性を図る8つのチェックリストを解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

これを通して皆さんの転職するべき企業を把握する上で一助になればと思います。

たとえ今回6つ以上当てはまらなかったとしても、先に申し上げたその他会社を経てからの転職でも遅くはありませんし、これが当てはまらなければみなさんが気持よく仕事ができないということを意味しています。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。

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