「パイロットに転職したい」
「未経験でも転職できるの?」
と考えていませんか。
養成コースのある大学に入ったり、関連企業を選んだりすると、転職をきっかけにパイロットになることができます。
近年、パイロットの平均年齢が上がっており、2030年にはパイロット労働人口が激減するといわれています。
そのためパイロットへの転職は引く手あまたです。
しかしパイロットへの転職を成功させるには、多くの乗客乗員の命を背負いながら長時間のフライトを安全に運行するという、体力・メンタル両方の強さが必要となります。
そこでこの記事では、転職のプロとして多くのパイロット転職をサポートしてきた私が、パイロットの転職理由や職種ごとの有利な転職先を紹介します。
- パイロットの転職事情
- 他社のパイロットへの転職はうまくいく?
- パイロットから他の仕事へ転職するのはアリ?ナシ?
- パイロット転職の注意点|後悔しないためのヒントを解説
- パイロットから別の仕事へ転職するのに資格取得は必要ない
- パイロットの転職には転職エージェントがおすすめ
- パイロットの年収に関するQ&A
- おわりに
それでは、パイロットの転職事情について、詳しくみていきましょう。
目次
1. パイロットの転職事情
パイロットへ転職する人はどれくらいいるのか、パイロットへの転職理由にはどのようなものがあるのか、パイロットの転職事情について知っておきましょう。
この章では、下記についてまとめています。
1-1. パイロットへの転職を希望する人は少ない
基本的に、他の仕事からパイロットへの転職を希望する人は少ないと言っていいでしょう。
パイロットになるにはライセンスを取得する必要があり、ライセンスの受験資格を得るために航空学校や海外のスクールに通う必要があります。
時間もお金もかかるので、パイロットへの転職には余程の覚悟が必要になるでしょう。
1-2. パイロットの転職理由
この章では下記についてまとめました。パイロットへの転職を考える際の参考にしてみてください。
(1)別の仕事からパイロットへ転職した人の転職理由
パイロットの転職に時間もお金もかかるとはいえ、他の仕事からパイロットになることができないわけではありません。別の仕事からパイロットへの主な転職理由は下記のとおりです。
① 小さいころからパイロットへのあこがれがあった
パイロットへの転職を決意する人の理由としては、本当は小さいころからパイロットへのあこがれがあり、他の仕事に就いたけれどチャレンジしたい、というものが多いようです。
② 好きなことで仕事をしたい
前述の理由と少し似ていますが、「乗り物、特に飛行機が好き」という理由で転職を考える人もいるようです。
③ 海外で活躍したい
パイロットは世界中を飛び回る仕事なので、海外で活躍したいと考える人も転職する傾向にあります。学生時代に語学力を身につけたけれど、今の仕事で活かせていない、海外で活躍したいと思って入社したのに海外に行く機会が全くない、と現状に不満を感じている人が、パイロットへの転職を考えることもあるようです。
(2)パイロットから別の仕事へ転職した人の転職理由
一方で、他の仕事への転職を考えるパイロットもいます。現役のパイロットが転職を考える理由を知れば、パイロットという仕事の内情を知ることができるでしょう。
① 勤務形態が不規則で心身に悪影響
パイロットの仕事は基本的に不規則なので、心身に影響を及ぼすため転職したいという人は多いようです。
フライト時間が早朝のこともあれば深夜のこともあり、国によっては時差もあるため生活のリズムが崩れやすい勤務形態といえるでしょう。
体調に影響が出るのはもちろんのこと、家族との時間も積極的につくりづらい、と感じるパイロットは少なくないようです。
② 業務内容と給料が見合わない
令和3年度の調査によるパイロットの平均年収は約1072万円と比較的高給です。しかし実際には航空会社によってかなりの差があり、従業員数が100名未満の中小企業では、平均年収は約659万円です。(厚生労働省:令和3年度賃金構造基本統計調査,2022.)。
そのため、不規則な勤務形態や激務に給料が見合わないと感じるパイロットもいるようです。
③ プレッシャーに耐え切れない
パイロットの仕事は一見華やかに思えますが、実際には乗客・乗務員全員と自分自身の命を背負っているというプレッシャーを抱えながらの業務になります。
特に空の状態は不安定で変わりやすく、フライト中は気が休まることはないでしょう。
フライトのプレッシャーに耐え続けられなくなり、もう少し気楽に働ける職場に転職したい、と考えるパイロットもいるようです。
2. 他社のパイロットへの転職はうまくいく?
本章では、他社のパイロットへの転職のメリット・デメリットを紹介します。
パイロットの勤務形態や給料は、所属する会社によって異なることもあるため、他社のパイロットに転職することで状況が改善されるかもしれません。
パイロットは特殊な職業なので、他社への転職は容易く感じられますが、実際にパイロットとして他社へ転職することは可能なのか、見ていきましょう。
- 2-1. 【結論】現役パイロットが同業他社へ転職するなら今!
- 2-2. 他社のパイロットへ転職するメリット&デメリット
- 2-3. パイロット職の転職成功例
- 2-4. パイロットを続けるか別の仕事をするか悩んでいるときは?
2-1. 【結論】現役パイロットが同業他社へ転職するなら今!
現状としては、パイロットが同業他社への転職を考えるなら今がおすすめです。
格安航空会社の台頭により、日系の大手航空会社が既存路線の見直しをおこなうことで、今後国内線・国際線ともに増便する傾向にあります。また、オンラインショッピングの普及により、海外輸送の需要は高まってきました。
また、パイロットは前述したように激務のため、心身ともに影響が出やすい業務です。年齢が若く体力があるうちに転職するほうが、有利に進めやすいでしょう。
2-2. 他社のパイロットへ転職するメリット&デメリット
他社のパイロットに転職すると、下記のようなメリットとデメリットがあります。
メリット: 給料がアップする可能性がある
パイロットの給料は航空会社の規模によっても差があるため、他社に転職すれば給料がアップする可能性もあるでしょう。
特に中小企業のパイロットが大手企業に転職すれば、給料が上がる可能性は高まります。
デメリット:勤務環境が悪くなる可能性がある
勤務環境を改善したくて転職したのに、かえって勤務環境が悪くなってしまう可能性もあります。
新規参入企業に転職して給料が低くなってしまったり、大手企業で給料が良くなった代わりに激務になってしまったりすることもあるので、気になった企業の処遇条件などをよく調べて選ぶようにしましょう。
2-3. パイロット職の転職成功例
一般企業からパイロットに転職して成功した一例を見てみましょう。
◆【SE→パイロット】転職サイトでパイロット候補の募集に出会った
小さいころからパイロットを志していた男性ですが、試験に受からず断念。物流会社でSEとして4年間勤務したそうです。
転職サイトで偶然パイロットの求人を見つけ、応募して熱意を伝えたところ、念願のパイロットへの転職を実現しました。
2-4. パイロットを続けるか別の仕事をするか悩んでいるときは?
パイロットは激務ですが、特殊な職業でもあるため、別の仕事へキャリアチェンジするのも勇気が要るでしょう。パイロットを続けるべきか、別の仕事に転職するべきか悩んだときは、下記を考えてみてください。
(1)今の職場を辞めたい理由を整理する
自分が転職を考える理由を整理整頓します。人間関係や待遇、給料であれば、今の職場で交渉してみたり、同じパイロットとして他企業に転職したりすることで解決するかもしれません。
辞めたい根本的な理由がパイロットの仕事内容や、航空業界の文化にあるとしたら、思い切って業界を変えてみるのがいいでしょう。辞めたい理由を整理整頓することで、向かうべき道筋が見えてくるはずです。
(2)パイロットにこだわらないなら、別の仕事の求人情報を見てみよう
パイロットという仕事そのものにこだわりがないのであれば、別の業種・職種の求人情報を見てみましょう。視野を広げることで、おもしろそう、これならやってみたい、と思える仕事が見つかるかもしれません。
3. パイロットから他の仕事へ転職するのはアリ?ナシ?
本章では、現役パイロットが他の仕事に転職するのはアリかナシか、という点について解説します。
パイロットは専門的な業務が多いので、他の業界でも活かせるスキルがあるのかを知っておくことが大切です。
パイロットが他の仕事に転職できるのかどうか、見ていきましょう。
3-1. 【結論】パイロットから異業種・異職種への転職は有利!
結論として、パイロットが持つ経験やスキルは他の仕事への転職において有利です。
パイロットに期待される知識・スキル
- 語学力
- 乗り物の仕組みや安全管理の知識
- 臨機応変なサービス精神
- 非常時にも動じない強靭な精神力
世界中を飛び回るパイロットは、メインである英語のほか第二外国語を習得している人もいます。長年飛行機を運転してきた経験から、専門の機器や安全管理の知識も備わっているでしょう。
また、乗客への気遣いも必要とされる仕事のため、自然とサービス精神が磨かれていることも多いです。
さらに、運行中のトラブルにも冷静に対処してきた精神力は大きなアピールポイントとなり得ます。
これらの知識やスキルを活用できる業界・職種は多いので、きちんとアピールすれば転職を有利に進めることができます。
3-2. パイロットが他の業種・職種へ転職するメリット&デメリット
パイロットが他の業種や職種に転職すると、メリットもあればデメリットもあります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
(1)パイロットから他の仕事へ転職するメリット
パイロットから他の仕事に転職すると、下記のようなメリットが想定されます。
①労働環境が改善される
一般企業の多くは定時出社・定時退社となるため、不規則な勤務形態を経験したパイロットにとっては労働環境がかなり改善されるでしょう。パイロットも月に10日程度は休日がありますが、土日に必ず休みがとれる職場になれば、家族や知人との予定も合わせやすくなります。
②選択肢が広がる
パイロットから他の仕事に転職することで、人生には様々な選択肢があることに気づけます。パイロットは激務のため、仕事に追われていて自分と向き合う時間や他に目を向ける時間が少ないという人もいます。
転職活動で他の業界のことを知ったり、職場で様々な価値観に触れたりすることで、自分の人生の新たな道が開けるかもしれません。
③プレッシャーから解放される
もちろんどんな仕事にも責任は伴いますが、パイロットのようにフライトの度に、直接的に人命を背負うという責任やプレッシャーは計り知れません。一般企業に転職すれば、そうしたプレッシャーからは解放されるでしょう。
(2)パイロットから他の仕事へ転職するデメリット
パイロットが他の仕事に転職すると、下記のようなデメリットが想定されます。
①給料が下がる可能性がある
一般的にパイロットは高給なので、転職するとパイロットの頃よりは給料が下がる可能性はあります。これまで年収1000万円ベースだったとしても、一般企業の大半は長年勤めて役職を得ないとそのような給料には届きません。
②社会人をイチからやり直すくらいの覚悟が必要
パイロットは専門職であり、基本的には飛行機の操縦や安全な運行が仕事です。語学力や接客スキルがあるため適性はあっても、転職してすぐに仕事に反映できるとは限りません。社会人をイチからやり直すくらいのフレッシュな気持ちで臨む必要があるでしょう。
③異業種を物足りなく感じる可能性がある
パイロットの激務に疲れて転職したものの、毎日同じようなルーティンの業務に飽きてしまう可能性もあります。
パイロットから異業種に転職した人の中には、「激務だったけどパイロット時代のほうがやりがいがあって楽しかった」と後悔してしまう人もいます。
3-3. パイロット経験が活かせる異業種・異職種の仕事5選
パイロットの経験は、異業種・異職種でも十分に活かすことができます。
① 官公庁 | 経験者を採用する傾向にあるため有利
航空会社のパイロットから警察や消防、海上保安庁や自衛隊などの官公庁のパイロットへの転職は、経験者を優先的に採用する傾向にあるため有利です。
ただし身長や視力などの身体条件には厳しい基準が設けられているので、転職する前に必ずチェックしておきましょう。
② 接客やサービス関連 | 元パイロットという経歴を活かせるので有利
飛行機を目的地まで安全に運ぶため、乗員乗客を束ねてきたパイロットには、人への気づかいや思いやりが不可欠です。
そうして培ってきたスキルに加え、接客業やサービス関連業では「元パイロット」という経歴を活かすことができます。
というのも、接客やサービス業では顧客との会話が重要になりますが、元パイロットという経歴はインパクトが強いため、顧客に興味を持ってもらいやすく、売上やサービスの利用につながる可能性も高くなるでしょう。
③ 使用事業会社 | 経験を活かせるので有利
民間企業の中でも、「使用事業会社」に分類される企業ではパイロットを募集していることがあります。
少人数の乗客を相手にした遊覧事業やチャーター飛行、農薬散布や物流、報道取材など、航空会社以外にもパイロットが活躍できる仕事は幅広くあります。
実際、これらの使用事業会社は定年退職したパイロット等に向けて定期的に採用を行っていることもあるため、パイロットからの転職もスムーズにできるでしょう。
④ 整備士やメンテナンス | 機械や乗り物に興味があれば有利
パイロットとして飛行機に携わってきた経験は、整備士やメンテナンスの仕事にも有利にはたらきます。
パイロットは自身が搭乗する飛行機の事前チェックを自ら行うため、整備面での基礎知識は持ち合わせています。機械や乗り物に興味があり、その情熱をアピールできれば、転職が成功する確立は高まるでしょう。
⑤ 通訳・翻訳 | 語学スキルを重宝されるので有利
通訳や翻訳は、パイロットとして各国を飛び回り、磨いた語学スキルを活かせる仕事です。
自動で通訳・翻訳できるテクノロジーは発達してきていますが、即時通訳できる人材やスラングやニュアンスを正しく翻訳できる人材は重宝されるので、英語力に自信のあるパイロットであればスムーズな転職が期待できます。
4. パイロット転職の注意点|後悔しないためのヒントを解説
パイロットからの転職、パイロットへの転職は可能ですが、注意点を抑えておくことで後悔のない転職ができます。
こちらでは、パターン別に転職時の注意点を紹介します。
4-1. 他社へパイロットとして転職する場合
他社のパイロットに転職する場合の注意点を、下記のとおりパターン別にまとめました。
(1)未経験からの転職編
未経験からパイロットに転職する場合、下記の4点に注意する必要があります。
① パイロットになるための条件
パイロットの採用には、基本的に年齢や身体的な基準が設けられています。まずパイロットになるための条件をきちんと満たしているかどうかを確認しましょう。
② パイロットになるために必要な資格
パイロットとして航空業務に従事するには、下記のような資格を取得して国土交通大臣の技能証明を受ける必要があります。
- 事業用操縦士
- 自家用操縦士
- 定期運送用操縦士
新卒で航空会社に入社した場合、入社後に会社でこれらのライセンスを取得するための訓練を受けることができますが、未経験から転職する場合は、自力で国内の私立大学パイロット養成コースや、海外のフライトスクールに通って取得しなければなりません。
なお、パイロット養成機関として代表的な航空大学校は入学に25歳未満という条件があるので注意が必要です。
③ これまでの経験やスキルで活かせるものを探す
上記のライセンスのほか、これまでの経験やスキルで活かせるものがあればきちんとアピールしましょう。
これまでに精密機械を扱ったり、大型の乗り物を運転した経験があれば、飛行機の操縦技術も会得しやすいと判断されるかもしれません。
また、世界を飛び回るパイロットには語学力が必要不可欠なので、語学力に自信がある場合は大いに活かせるでしょう。
前述の国土交通大臣の技能証明の中でも、「自家用操縦士」は自家用軽飛行機など私的な利用ができるライセンスです。飛行機好きですでに資格を持っていれば、有利になるでしょう。
④ 面接では熱意を伝える
未経験から転職する場合、どうしても経験不足はネックになります。そのため、面接では熱意を十分に伝えましょう。
実際、航空業界はハードルが高いうえに、「小さいころからのあこがれだった」「好きなことを仕事にしたい」という熱意を持って面接に向かう人がほとんどなので、その中を勝ち抜けるように伝えなくてはいけません。
パイロットは激務になるので、それを乗り越えるだけの情熱があると認められたら、未経験でも採用される可能性は高くなるでしょう。
(2)海外への転職編
よりグローバルな環境にチャレンジしたい場合は、海外への転職も検討してみましょう。海外への転職で注意するべき点は下記の2点です。
① 海外のスクールで学ぶ
海外のパイロットに転職するには、海外のスクールに自費で入学してライセンスを取得する必要があります。
費用はかかりますが、海外のスクールは基本的に年齢制限がないので、費用面さえクリアできればチャレンジしやすいといえるでしょう。
海外のスクールでライセンスを得れば、「有資格者」として日本の航空会社に入社することもできますが、その際は会社の中途採用に年齢制限があるかどうかを調べておく必要があります。
② 転職エージェントを活用する
海外のパイロットになりたい場合は、転職エージェントを積極的に活用しましょう。
パイロットの転職実績がある転職エージェントであれば、保有求人数も多いのでピッタリの転職先が見つかる可能性が高くなります。転職エージェントを利用するメリットは6章でお伝えします。
4-2. パイロットから他の仕事に転職する場合
パイロットから他の仕事に転職する場合は、下記の2点に注意しましょう。
(1)給料が下がってもやりたい仕事かどうか
パイロットから他の仕事に転職すると、給料が下がる場合が大半です。給料が下がったとしても本当にやりたい仕事なのかどうか、今一度検討してみましょう。
(2)キャリアプランは明確に思い描けているか
航空業界はこれからニーズが高くなると言われており、パイロットは将来性のある仕事です。
新型コロナウイルス感染症の影響で、一時期は大手の航空会社さえ就職人気は落ちていました。LCCに至っては経営破綻したところもあるほどです。
しかし人の流れが戻りつつあること、オンラインショップの普及で空輸が増えたこともあり、今後は便数回復、路線の見直しに伴う増便に向けて採用が増える見通しも出ています。
慢性的に人手不足でもあるため仕事に困ることはほとんどなく、キャリアアップも望めるでしょう。
そんなパイロット職を離れてでも転職した先で、同じくらい明確にキャリアプランが描けているかどうかは、仕事のモチベーションアップにもかかわるので重要です。
5. パイロットから別の仕事へ転職するのに資格取得は必要ない
「パイロットが別の仕事に転職するときに有利になる資格はあるのか」と気にする人もいるでしょう。
結論として、パイロットが別の仕事に転職するために、資格を取得する必要はほとんどありません。
その理由は2つあります。
理由①:経験を活かせば資格は必要ないから
パイロットの経験を活かせる仕事は接客業や通訳・翻訳の仕事がありますが、これらの仕事には資格が不要です。
そのため新しく資格を取得しなくても、パイロットの経験の中で磨いてきたスキルをアピールすれば転職に有利に働く可能性があります。
理由②:すでに持っている資格を活かせるから
官公庁や使用事業会社のパイロットに転職する場合、当然ですがすでに操縦の資格を持っています。
パイロットに必要とされている資格があれば、他企業のパイロットへの転職は容易になるでしょう。
6. パイロットの転職には転職エージェントがおすすめ
パイロットの転職には、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントを利用すると、希望条件に合った求人を代わりに探して紹介してくれ、書類の添削や面接練習などの選考サポートまで受けられるので、転職活動をスムーズに進めることができます。
この章では、パイロットにおすすめの転職エージェントやエージェントの選び方を紹介します。
6-1. 【目的別】パイロットにおすすめの転職エージェント
パイロットが転職活動する上でおすすめの転職エージェントをご紹介します。希望する転職先に合わせて、より効果的な転職エージェントを利用しましょう。
他社のパイロットを目指す人におすすめの転職エージェント2選
パイロットから他の仕事を目指す人におすすめの転職エージェント4選
- リクルートエージェント | 業界No.1の求人数とサービスの質
- パソナキャリア | 女性の転職に強い
- マイナビエージェント | 20~30代へのフォローが手厚い
- dodaエージェント | 18万件以上の求人から自分のペースで転職活動できる
では、詳しく見ていきましょう。
(1)他社のパイロットを目指す人におすすめの転職エージェント2選
他社のパイロットとして転職先を探す人におすすめの転職エージェントは、下記の2つです。
①GP PILOT AGENT SERVICE | パイロット専門の転職エージェント
『GP PILOT AGENT SERVICE』は、パイロット専門の転職エージェントです。
航空会社出身の元機長や元教官が指導者として在籍し、日本のパイロット不足を補い優秀なパイロットを育成することを目的としています。
ただし登録できるのは「GP PILOT AGENT SERVICE要件」もしくは「航空身体検査の条件」のいずれかの条件を満たしている機長・副操縦士のみに限られるので、注意しましょう。
『GP PILOT AGENT SERVICE』公式サイトを見る
登録&利用は完全無料!まずは情報収集&相談から
② ビズリーチ | ハイクラス転職に強い
『ビズリーチ』は年収1000万円以上の求人が全体の3分の1を占めるとされ、ハイクラス転職が強みです。
運輸・交通業界の求人も豊富に保有していて、ヘッドハンターがキープしている非公開求人の数も多いことから、
パイロットは高給なので、転職して給料が下がることは避けたいと考える人もいるでしょう。ビズリーチであれば他社のパイロットへの転職でもその水準を変えずにいられるでしょう。
なお、ビズリーチは、厳密には転職エージェントではありません。
大きな特徴として、転職サイトには珍しい有料プランがあるという点があり、サービスカテゴリとしてはヘッドハンティング型転職サイトに近いものです。
利用者は主にプロフィールを登録してスカウト(企業やヘッドハンターからのアプローチ)を待つことになりますが、有料プランを利用することで求人の閲覧や応募も可能となります。
またヘッドハンターに企業へアプローチを仲介してもらうことで、転職エージェントと同様の効率的な転職活動を実現することが可能です。
※ 無料会員でも「公募・特集求人」といった特別な求人情報への応募は可能です。
(2)パイロットから他の仕事を目指す人におすすめの転職エージェント4選
現役パイロットで、他の業界や職種に転職したい人におすすめの転職エージェントを4つご紹介します。
① リクルートエージェント | 業界No.1の求人数とサービスの質
『リクルートエージェント』は、求人数がトップクラスの転職エージェントです。
パイロットとして培ったスキルを活かせる仕事は幅が広く数も多いため、求人数が多ければ多いほど自分の求める仕事を見つけられる確率は高くなるでしょう。
提案力が高いことでも定評があり、転職成功の累計実績No.1といわれています(人材サービス総合サイト 2020年6月時点)。
経験豊富なキャリアアドバイザーのサポートが受けられる点や、独自の業界・企業分析情報を提供してくれる点もおすすめのポイントです。
『リクルートエージェント』公式サイトを見る
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② パソナキャリア | 女性の転職に強い
『パソナキャリア』は、転職による年収アップも実現している転職エージェントです。5万件以上の求人数を誇り、内80%が非公開求人といわれています。
顧客満足度も高く、オリコン顧客満足度調査では3年連続1位を記録しました。
女性の転職に強く、女性パイロットも増えている近年においては、登録して損はないといえるでしょう。
『パソナキャリア』公式サイトを見る
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③ マイナビエージェント | 20~30代へのフォローが手厚い
『マイナビエージェント』は、20~30代の転職におすすめの転職エージェントで、書類の添削や面接の対策などフォローが手厚いのが特徴です。
ベンチャー企業から大手企業まで幅広く、人事との太いパイプを持っています。優良企業の求人が多く、労働環境を改善したいパイロットなら適切な転職先が見つかる可能性があるでしょう。
『マイナビエージェント』公式サイトを見る
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④ dodaエージェント | 18万件以上の求人から自分のペースで転職活動できる
『dodaエージェント』はリクルートエージェントに次ぐ求人数が魅力で、18万件以上の求人を有しています。
自分のペースで転職活動を進めやすい一方、キャリアアドバイザーがこまめに情報提供もしてくれます。
スカウト機能もあるので、企業から面談オファーが来れば自分で求人を探す手間も省けます。普段激務で求人を探す暇もない、というパイロットの人には使いやすい転職エージェントといえるでしょう。
『dodaエージェント』公式サイトを見る
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6-2. パイロットが転職エージェント選びで気を付けるポイントは?
パイロットが転職エージェントを選ぶ際に、気を付けるべきポイントは下記の3つです。
point 1:求人数が多いかどうか
求人の数が多いほど、選択肢が広がるので理想の職場に転職できる可能性は高くなります。
求人数が多ければ求人の質にこだわることもでき、より自分の望む条件に合った求人を見つけやすくなるでしょう。
point 2:大手企業が運営しているかどうか
転職エージェントは、なるべく大手企業が運営しているものを選ぶようにしましょう。
大手企業が運営する転職エージェントには、下記のような特徴が多く見られます。
- 求人保有数が多いため、選択肢が広がる
- 書類添削や面接対策などのサポートが手厚い
- 人事との繋がりがあり、非公開・独占求人が多い
point 3:利用者の口コミが良いかどうか
転職エージェントのサポート対応の良さは、実際に利用してみた人にしかわかりません。
事前に利用者の口コミをチェックして、転職エージェントの提案力やサポートの質を知っておきましょう。
6-3. 転職エージェントと転職サイトの違いは?
本章では、転職エージェントと転職サイトとの違いをご紹介します。
転職エージェントと転職サイトとはよく似ていますが、転職エージェントは担当のエージェントがついてサポートしてくれるのに対し、転職サイトは求人を探すのも応募するのも基本的に自力でおこなう必要があります。
具体的な違いについては、下記の表にまとめました。
転職エージェント | 転職サイト | |
気軽さ | △ 登録・相談のハードルが高いと感じる人も |
◎ 自分で求人を検索するだけなので気楽 |
得られる情報 | ◎ 職場の内部情報なども教えてくれる |
△ 求人票の情報だけ |
求人の選択肢 | ◯ 豊富(非公開求人や独占求人があることも) |
◯ 豊富(サイトによっては少ないので注意) |
転職アドバイス | ◎ 転職のプロからのアドバイスが得られる |
× なし |
選考対策 | ◎ 履歴書・職務経歴書の書き方や面接の答え方 |
× なし |
転職成功率 | ◎ 選考対策を入念に行えるので、採用確率アップ |
◯ 上手く活用できればスムーズに決まる |
年収アップ率 | ◎ 年収交渉をしてくれるので良い待遇で転職しやすい |
△ 自分で交渉できれば問題ない |
(1)転職エージェントとは
転職エージェントは、求人探しから選考対策、企業への応募までを担当のエージェントがサポートしてくれる転職支援サービスです。
基本的に登録は無料で、転職理由や希望条件、キャリアプランなどをしっかりと確認したうえで、より条件に合った求人を探してくれます。
(2)パイロットが転職エージェントを利用するメリット
パイロットが転職する際に転職エージェントを利用するメリットは、下記の3つです。
メリット1:希望条件に合った求人を代わりに探してくれる
転職エージェントは、希望条件に合った求人を代わりに探してくれます。
パイロットから一般企業に転職するにも、求人数が多いとスキルを活かせる仕事を探すのにどこからはじめたらいいのかわからない、ということもあるかもしれません。
転職エージェントでは、担当エージェントがしっかりと希望条件をヒアリングした上で、条件にマッチしそうな求人を探してくれるので、効率的に希望の求人を見つけることができます。
メリット2:応募書類の添削や面接練習などの選考対策が受けられる
転職エージェントに登録すると、応募する書類の添削や面接練習などの選考対策が受けられます。
パイロットから転職する人の中には、転職経験がなく効果的な書類の書き方や面接の受け答えなどに不慣れという人もいるでしょう。
選考対策を受けることで、初めての転職や未経験業界への転職でも内定を勝ち取りやすくなります。
メリット3:応募先とのやり取りを代行してくれる
転職エージェントでは、求人の検索から応募先との日程調整まで、主なやり取りをすべて代行してくれます。
パイロットの仕事を続けながら転職活動をするには、不規則な勤務形態の中ではうまく時間がとれないこともあるでしょう。パイロットに限らず、あまり間を空けずに転職したいという人にとって大きなメリットです。
親身になってくれる転職エージェントであれば、給料の交渉などもしてくれることがあるので、転職して給料を下げたくないというパイロットにもおすすめです。
7. パイロットの年収に関するQ&A
パイロットへの転職・パイロットからの転職を考える人にとって、気になる年収についてまとめました。
7-1. パイロットの転職編
パイロットに転職する上でも、パイロットから転職する上でも、基本的な年収や転職した後の年収がどうなるのか気になりますよね。
こちらでは下記の4点に厳選してご紹介します。
Q1. パイロットの新卒年収はどれくらいですか?
20~24歳のパイロットの平均年収は約330万円とされています。新卒の年収もそれくらいになると考えると、一般企業と大きな差はないかもしれません(厚生労働省:令和3年度賃金構造基本統計調査,2022.)。
Q2. パイロットの年収の中央値はいくらですか?
パイロットの年収の中央値は約976万円といわれています(厚生労働省:令和3年度賃金構造基本統計調査,2022. )。
さらに年間賞与や特別給与額が上乗せされます。
Q3. パイロットで年収が最も高くなるのはいつですか?
パイロットの平均年収は40代後半くらいが最も高くなる傾向にあり、約1,443万円というデータが出ています(厚生労働省:令和3年度賃金構造基本統計調査,2022.)。
この年代が、機長としてフライトしている時間が長いことが要因になると予想されます。
Q4. パイロットの将来性が心配です。
パイロットは慢性的な人手不足の状態にあり、将来的に必要とされ続ける職業です。
グローバル化が進んで海外への往来が増えているだけでなく、オンラインの普及によって人だけでなく物資も海を超えて運ばれることが増えているためです。
海外のフライトが多いと、紫外線を浴びすぎることや時差による体内時計の乱れが懸念されることもありますが、国内だけでもパイロットが活躍できる現場は多いので、将来的に安定した職業といえるでしょう。
7-2. 転職エージェントの利用編
実際に転職エージェントを利用する上で、よくある質問をまとめました。
Q1.仕事をしているので電話での連絡は避けたいです
転職エージェントは、電話だけでなくメールでの対応をしてくれるところも多いです。
担当エージェントに電話は避けたいと伝えれば、対応してくれるでしょう。
Q2.転職エージェントの担当者と考え方が合わなかったら…と不安です。
担当エージェントが合わない場合は、担当を変更してもらうことも可能です。
Q3.勤務先・取引先にばれてしまいませんか?
転職エージェントを利用しても、転職活動が勤務先や取引先に知られることはないと考えて良いでしょう。
同じ業界内の転職でも特定の企業を検索しないように設定できたり、担当エージェントに避けたい企業を伝えることができたりします。
Q4.地方に住んでいるのですが、転職エージェントは利用できますか?
地方に住んでいる人でも、転職エージェントを利用することができます。
それぞれの地方に特化した転職エージェントもあるので、自分の住む地域に特化した転職エージェントに登録すれば見つけやすくなるでしょう。
Q5.転職エージェントは本当に無料なんですか?
転職エージェントは無料です。
転職エージェントは成果報酬型で、転職が決まったときに求人を掲載している企業から報酬をもらえるビジネスモデルのため、利用する側が料金を支払う必要はありません。
ヘッドハンディング型転職サイトのビズリーチだけは、有料サービスがあるので注意しましょう。
8. 【おわりに】パイロットへの転職もパイロットからの転職もできる
パイロットの転職事情についてまとめました。
パイロットは業界全体で人手不足であり、業界未経験でも必要な資格を取得すれば転職できる可能性は十分にあります。
パイロットからの転職を考える人でも、パイロットの経験を活かせる業界や職種は複数あるので、未経験の業界にもどんどんチャレンジしてみるといいでしょう。
パイロットは特殊な職業であり、自力で転職するにはハードルが高いと感じるかもしれません。また、転職先の選択を間違えてしまうと、せっかく転職しても理想の働き方ができない可能性もあります。
転職する際には、業界の知識も豊富で転職の成功実績もある、転職エージェントを活用することをおすすめします。
他社のパイロットを目指す人におすすめの転職エージェント2選
パイロットから他の仕事を目指す人におすすめの転職エージェント4選
- リクルートエージェント|業界No.1の求人数とサービスの質
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現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
〔出典〕リクナビNEXT|私の転職成功ストーリー,2023年10月7日閲読.