「医師の転職は何から始めるべき?」
「絶対に転職で失敗したくない」
とお考えの方も多いのではないでしょうか。
新専門医制度や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により、医師のキャリアを取り巻く環境は変化しています。
いまの働き方に疑問を感じ、転職を考える医師も珍しくありません。
しかし、転職は医師のキャリアにとって大きな決断となるため、実際に行動に移すかどうか迷っている方もいらっしゃいますよね。
結論から述べると、医師の転職を成功させるためには地域性や診療科ごとのニーズを把握することが重要です。
また転職すべきか迷っている方は、勢いで転職するのではなく、転職を希望する理由を分析し、将来的なキャリアを見据えた選択をすべきでしょう。
とはいえ、医師の転職事情がわからなかったり、そもそも転職自体不慣れだったりと、転職活動に踏み切れない方もいますよね。
そこでこの記事では、医療業界の転職事情に詳しい私が、医師の転職について以下の流れで解説していきます。
- 医師が転職を考える8つの理由
- データから読み解く医師の転職事情とは
- 医師が転職を成功させるための4つのコツ
- 医師転職におすすめの4つの求人の探し方
- 医師におすすめの転職サイト・転職エージェント3選
- 【医局を辞める方向け】円満に退職するためのポイント
- 医師の転職でよくある質問
- まとめ
記事の中では、最新データに基づく医師の転職事情や、医局を辞めたいとお考えの方に向けた円満退職のポイントもご紹介しております。
この記事を読むことで、医師転職に関する知識が得られ、ご自身にとってベストな選択ができるようになるでしょう。
それでは、まずは医師が転職を考える理由から詳しく見ていきましょう。
目次
1. 医師が転職を考える8つの理由
医師の仕事は、患者を診察し治療を行うことです。
専門性を活かして患者とダイレクトに関わることができる立場であるため、誇りややりがいを感じている方も多いでしょう。
しかし、時間を問わず働かなければならなかったり、キャリアに関係がない仕事を振られたりすることもあり、働きやすさやキャリアアップを求めて転職する医師は多くいます。
厚生労働省の調査では、医師の平均勤続年数は7.7年(平均年齢45.3歳)であり、全職種の平均勤続年数12. 3年と比較すると、医師は転職の機会が多い職業であることが明らかになっています(厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査,2022.)。
医師が転職する理由はさまざまですが、実際に転職した医師がどんな理由で転職しているのか気になる方もいるでしょう。
そこでこの章では、医師が転職を考える主な理由を8つご紹介いたします。
- 1-1. 業務の負担が大きい
- 1-2. 人間関係に問題がある
- 1-3. 年収や待遇に不満がある
- 1-4. 家庭の事情で続けるのが難しい
- 1-5. 病院の方針についていけない
- 1-6. スキルや専門性を高めたい
- 1-7. 今とは違う働き方がしたい
- 1-8. 医局から離れたい
- この章のまとめ
それでは、さっそく見ていきましょう。
1-1. 業務の負担が大きい
「とにかくやることが多くて忙しい」「休む暇もない」と、業務量の多さや業務負担の大きさから転職する医師は多くいます。
医師の主な仕事は患者の診察と治療ですが、適切な診療を行うためには多種多様の業務をこなさなくてはなりませんよね。
たとえば、病棟と外来業務の兼務、当直や休日のオンコール対応、研究や論文作成、勉強会への参加など、医師の業務は数多く、長時間労働を避けることは難しいのが現状です。
厚生労働省が行った医師の勤務実態調査によると、週60時間以上働く医師は男性が41%、女性が28%であり、長時間労働を余儀なくされている医師はかなり多いことがわかっています(厚生労働省医政局医事課:医師の勤務実態について,2020年.)。
※宿日直許可を取得していることがわかっている医療機関に勤務する医師の宿日直中の待機時間を勤務時間から除外したうえで、
診療科別の性、年齢調整、診療科ごとの 勤務医療機関調整を行っている
〔出典〕厚生労働省医政局医事課:医師の勤務実態について,2020年.
上記の調査では、宿日直中の待機時間を除外しているため、実際の拘束時間はさらに長い可能性も否定できないでしょう。
こうした医師の過酷な労働環境は長らく問題視されており、国は2024年4月から医師に対する時間外労働の上限規制を適用すると発表しています。
今後は医師にも働き方改革が期待できるかもしれませんが、一方で現場の意識改革や業務改善が進まなければ、1人ひとりにかかる負担を減らすことは難しいでしょう。
「心身の限界を感じる」「ワークライフバランスを大切にしたい」と考えた結果、転職を選択する医師は今後も増えるかもしれません。
1-2. 人間関係に問題がある
「人間関係がストレス」「しがらみが多く疲れてしまった」と、人間関係の悩みで転職する医師は多くいます。
人間関係の悩みはどんな職場でも起こり得るものですが、医師の場合、人間関係が今後のキャリアに直結するケースもあり、無下にはできないですよね。
とくに、以下の理由から人間関係のストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。
- 医局内の派閥や上下関係に配慮しながら立ち回らなくてはならない
- 上司や先輩に高圧的な対応をされても、受け流さなくてはならない
- 医局人事や異動によって環境の変化に適応しなくてはいけない
- 医師や他職種の人間関係にも気をつけながら付き合わなくてはいけない
苦手な人と距離を置きたいと思っても、研究への評価やキャリアへの影響を懸念し、我慢しなくてはならない場面もあるでしょう。
結果的にストレスに耐えられなくなる人も多く、派閥やしがらみのない職場を求めて転職する医師は後を絶ちません。
1-3. 年収や待遇に不満がある
「もっと年収を上げたい」「経験に見合った評価が欲しい」と、年収や待遇に不満を感じて転職する医師も多くいます。
医師の平均年収は1,378万円(厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査,2022.)であり、医療従事者の中でもっとも年収が高い職業であることは言うまでもありません。
ただ、年齢や勤続年数、就業先によっては平均より年収が低いケースもあり、年収アップを目的に転職を考える医師もいます。
そこで家族とも話し合い転職を決心しました。
給料を上げること、あとは通勤時間を削減したいと考え、その条件で転職先を探しました。
また、新型コロナウイルス感染症の流行から収益が減少してしまい、医師の年収に影響を及ぼしている診療科もあります。
大手医師転職サイト『医師転職ドットコム』が運営する医師転職研究所によると、医師1,869人に行ったアンケートにて、2020年のコロナ禍以降「収入が減った」と回答した医師が一定数おり、特に小児科、耳鼻咽喉科、健診・人間ドッグなどの医師が減収を感じていることが明らかになっています。
■新型コロナウイルスによる収入の変化
回答者の属性 | 主たる勤務先での収入の状況 (2019年→2020年での変化) |
|||
診療科 | 回答数 | 減った | 変わらない | 増えた |
一般内科 | 208 | 29% | 53% | 17% |
消化器内科 | 92 | 39% | 47% | 14% |
呼吸器内科 | 53 | 23% | 51% | 26% |
循環器内科 | 67 | 36% | 43% | 19% |
腎臓内科 | 39 | 21% | 51% | 28% |
神経内科 | 32 | 25% | 59% | 16% |
内分泌・糖尿病・代謝内科 | 56 | 34% | 43% | 23% |
血液内科 | 20 | 15% | 60% | 25% |
老人内科 | 21 | 43% | 33% | 24% |
一般外科 | 45 | 31% | 51% | 18% |
消化器外科 | 67 | 37% | 49% | 13% |
心臓血管外科 | 20 | 45% | 40% | 15% |
脳神経外科 | 30 | 40% | 40% | 20% |
泌尿器科 | 43 | 30% | 47% | 23% |
整形外科 | 107 | 26% | 55% | 19% |
形成外科 | 38 | 32% | 42% | 26% |
眼科 | 55 | 29% | 47% | 24% |
皮膚科 | 78 | 35% | 38% | 27% |
耳鼻咽喉科 | 34 | 50% | 38% | 12% |
精神科 | 121 | 21% | 48% | 31% |
放射線科 | 49 | 33% | 49% | 18% |
小児科 | 83 | 51% | 41% | 8% |
産科 | 25 | 44% | 40% | 16% |
婦人科 | 39 | 36% | 41% | 23% |
麻酔科 | 91 | 35% | 40% | 25% |
救命救急 | 26 | 27% | 54% | 19% |
健診・人間ドック | 56 | 48% | 36% | 16% |
リハビリテーション | 29 | 31% | 48% | 21% |
回答者総計 | 1,624 | 34% | 46% | 20% |
〔出典〕医師転職研究所:コロナ禍での医師の年収事情―特にどの診療科の医師の収入に影響があった?(2023年10月17日閲読)を基に編集部作成
主たる勤務先の年収に変化がない場合でも、感染予防の観点から副業やアルバイトが禁じられるケースもあり、年収減少に悩む医師は少なくありません。
今の職場で年収アップを目指そうにも、役職や序列を上げるためにはある程度の年数と実績が必要であり、「転職した方が早い」「転職した方が評価してもらえる」と考える医師もいるようです。
1-4. 家庭の事情で続けるのが難しい
「結婚したら今の働き方は難しい」「家庭と両立して働きたい」と、結婚や育児、介護などの家庭の事情で転職する医師もいます。
医師に限った話しではありませんが、仕事と家庭を両立させるためには、働き方を柔軟に変化させることが欠かせません。
しかし、周囲からの理解や協力が得られないと、仕事を続けること自体難しくなってしまいますよね。
(40代・麻酔科)
子どもの学校行事に参加できなかったり家事が疎かになったりと、家族に迷惑をかけている自覚もありました。
子どもも中学生となり、いま転職しないと一緒に過ごす時間を持てないまま独り立ちの時期が来てしまうと感じ、転職を考え始めました。
そもそも、結婚や出産などのライフイベントと仕事を天秤にかける必要はなく、どちらかを諦める必要もありません。
結婚や出産・育児・介護などの経験は、医師という仕事に深みを持たせ、キャリアを積み続けることでご自身の可能性を広げられるでしょう。
とはいえ、これらの実現のためには周囲の理解や協力が欠かせず、人手不足の職場で働く医師の中には個人的事情として片づけられ、実現が難しい方もいるでしょう。
その結果、「転職した方が早い」「両立できる働き方をしよう」と考え、転職する医師が多いように思います。
1-5. 病院の方針についていけない
「経営重視の方針についていけない」「自分の理想の診療ができない」と、病院の方針に疑問を感じて転職する医師もいます。
ご存知のとおり、医療機関を存続させるためには経営者としての視点が欠かせません。
昨今の感染症の影響によって、大病院が経営不振に陥るニュースが報じられたのは記憶に新しく、日々の診療の中で診療報酬やコストを意識して働いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、病院の方針がご自身の医師像からかけ離れすぎてしまうと、ジレンマを感じながら働くこととなり、転職を決意する医師もいるようです。
(40代・内科専門医/消化器内科専門医)
そのときの経験から、大きな病院での専門医療よりも、自分は地域に密着した総合診療に向いていると感じていました。
また、その後、入職した病院は、医局からの派遣や派閥など人間関係に気を使うことが多く、経営方針など、診療以外のところで疲れきってしまい、もっと患者と向き合える医療がしたいという思いが、どんどん強くなっていったのです。
医師として働く以上、病院経営の視点や知識は重要ですが、利益ばかり重視していては患者ファーストの医療を提供することは難しいでしょう。
経営と診療のバランスが上手くとれないことが原因で、やりがいを求めて転職を決意する医師も多いように感じます。
1-6. スキルや専門性を高めたい
「もっと経験を積みたい」「専門性を高めたい」と、スキルアップを目的として転職する医師は多くいます。
医師としてステップアップするために、専門医資格が取得できる病院や手術件数の多い医療機関に転職をお考えの方もいるのではないでしょうか。
実際に転職を経験した医師からは、「スキルアップしたくて転職した」という声が寄せられています。
(20代・精神科)
初期研修終了後、精神科クリニックで働いてきました。そこでは外来業務に追われる日々で、勉強する時間もなかなかとれませんでした。なにより時間をかけて患者さんに接することができないのがストレスでした。
今後の自らの精神科医としての人生を考えた時、精神保健指定医をしっかりと取得し、精神科の症例や患者とのかかわり方など、基本的な部分から学び直したいと考え、転職を決意しました。
キャリアを達成するために具体的な目標を掲げて転職する姿は周囲から理解されやすく、転職先の採用担当者も前向きな印象を抱くことが多いようです。
1-7. 今とは違う働き方がしたい
「今の働き方は向いていない」「キャリアよりも家族との時間を大切にしたい」と、ご自身のQOLを高めるために働き方を変える医師もいます。
先に述べた通り、医師は医療の専門家であるからこそやらなくてはならない仕事が山積みであり、自己犠牲的な働き方をする医師も少なくありません。
しかし、プライベートを削るような働き方は長くは続かず、ご自身のQOLと向き合い、転職する医師も増えています。
(40代・内科専門医)
これ以上やっていたら、自分が燃え尽き症候群になってしまうのではないかと思うところまで来て、転職を決めました。
(40代・血液内科医のご家族)
患者さんの状態が悪いと、深夜帰宅することも珍しくなく、毎日やつれていく姿は見ていられなかったです。
「転職してもいいかな」と相談された時は、内心ホッとしたのを覚えています。
今は、しっかり定時で帰宅できる病院に転職し、家族の時間も増えています。医局を離れることになったようですが、長く働ける職場に転職できて本当によかったです。
医師としてキャリアを積んでいくためには仕事一筋で頑張る時期も必要でしょう。
ただ、他を顧みない働き方を長く続けた結果、ご自身の人生を棒に振ってしまうのはおすすめしません。
患者のために尽くすことができる医師だからこそ、ご自身の人生と向き合い、ときには立ち止まることも必要なのかもしれません。
1-8. 医局から離れたい
「医局を辞めたい」「とにかく医局から離れたい」と、医局に関する不満を抱き転職する医師は多くいます。
これまでお伝えしたように、医局内の人間関係や医局人事に負担を感じ、医局を離れてキャリア形成をしようとお考えの方もいますよね。
厚生労働省によると、初期研修終了後の医師の約80%が入局する予定であると回答しており、とくに大学病院での勤務を希望する医師は約97%が入局を予定しています。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:平成31年臨床研修修了者アンケート調査を基に編集部作成
医局に入局することで基礎研究や海外留学のチャンス、人脈づくり、専門医取得など多くのメリットがあり、入局する医師が大多数を占めます。
しかし、実際に入局してみると、上下関係の厳しさ、派閥、医局人事、業務負担や薄給、将来への不安から医局不信を抱く医師も少なくありません。
(30代・形成外科医)
今はまだそれでもよいのですが、40歳を超えると体力的にきつくなってしまわないか不安でした。
そこで、年齢的にも医局を抜けるにはよいタイミングだと思い、転職することにしました。
ただ、医局を辞めたいと思ったとしても、キャリアへの影響を懸念し転職を諦めている方もいますよね。
とくに、2018年に導入された新専門医制度によって大学病院・基幹病院志向が強まり、これまで以上に医局との関係性に頭を抱えている方もいるのではないでしょうか。
医局という特殊な環境の中で、キャリアをどう描くべきか、悩みながら仕事を続ける医師は一定数いると考えられます。
この章のまとめ
医師が転職を考える主な理由は、以下の8つでした。
- 業務の負担が大きい
- 人間関係に問題がある
- 年収や待遇に不満がある
- 家庭の事情で続けるのが難しい
- 病院の方針についていけない
- スキルや専門性を高めたい
- 今とは違う働き方がしたい
- 医局から離れたい
転職を考える理由は人それぞれでしたが、人間関係や労働環境など、今の職場に対する不満を抱えている医師は多いということがわかりました。
ただ、どんな理由であっても、勢いのまま転職することはおすすめできません。
とくに、医師の場合は専門分野のニーズ分析や医局との関係性などを明確にしておかないと、「転職しなければよかった」「失敗した」と後悔する可能性もあります。
そこで次章では、最新のデータをもとにした、医師の転職市場について解説していきます。
2. データから読み解く医師の転職事情とは
医療の専門家である医師は需要が高く、全体的に見ると転職のハードルはそこまで高くありません。
しかし、地域性や診療科によっては転職のハードルは大きく変化し、場合によっては転職活動に難航する可能性も否定できません。
こうした転職の失敗を防ぐためには、最新のデータをもとにした医師転職事情を知ることが大切です。
そこで、この章では最新データから読み解く医師の転職事情を解説していきます。
- 2-1. 新型コロナウイルスの影響で転職ハードルが高まりつつある
- 2-2. 求人検索をしたことのある医師は8割以上!転職の需要は高まっている
- 2-3. 転職するなら地域や診療科に合わせた市場調査は必須
- この章のまとめ
2-1. 新型コロナウイルスの影響で転職ハードルが高まりつつある
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これまで売り手市場であった医師転職市場にかげりが見え始めています。
厚生労働省が発表する最新の医師の有効求人倍率は2.03倍であり、数値上では医師不足の状況は以前と変わらず続いています(厚生労働省:令和4年3月一般職業紹介状況(職業安定業務統計),2022.)。
有効求人倍率とは「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す値のことです。
ハローワークの情報(求人の数・仕事を探す人の数)をもとに算出されており、有効求人倍率が1を超える状況を「売り手市場」、1を下回る状況を「買い手市場」と呼びます。
医師の有効求人倍率は1を超える状況が続いており、求職者は仕事を選べる立場にあるといえます。
ただ、医師の有効求人倍率は新型コロナウイルス感染症が流行してから明らかに下降しており、景気に左右されない医療系職種では異例の事態が続いています。
〔出典〕厚生労働省:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)を基に編集部作成
医師の有効求人倍率は、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師を含めた数値であり、元々ハローワークで医師求人を取り扱うことは少ないため、「あくまで参考値として捉えるべき」といった声もあるでしょう。
しかしながら、医師数は年々増加傾向であり、将来的に医師過剰の時代が来る可能性を指摘するデータもあるため、将来的に医師の転職ハードルが上がっていくかもしれません。
厚生労働省によると、2020年12月31日時点の医師数は約34万人であり、右肩上がりで増え続けていることがわかっています。
〔出典〕厚生労働省:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計,2022を基に編集部作成
また、医師需給分科会は、医師の労働時間を週60時間程度に制限したと仮定する場合、2023年の医学部入学生が医師になる2029年頃に医師の需給バランスが整い、それ以降は医師過剰になるという推計を発表しています。
〔出典〕厚生労働省医政局 医師需給分科会:令和2年医師需給推計の結果,2020年8月31日付.
2024年から導入される医師の働き方改革によって、医師の時間外労働に上限規制が設けられるため、現状では医師確保に向けて積極的に採用を行っている病院や企業も多くあります。
しかし、こうした動きが長続きするとは言い難く、コロナ禍以前のような「売り手市場」に戻る見通しは立たないと覚えておいたほうが良いでしょう。
2-2. 求人検索をしたことのある医師は8割以上!転職の需要は高まっている
現役医師の転職需要は高まっていることが、さらに転職のハードルを高めています。
大手医師転職サイト『医師転職ドットコム』が運営する医師転職研究所によると、アンケートの協力が得られた医師1,613人のうち、直近1年間で求人検索した医師は85%という結果となりました。
〔出典〕医師転職研究所:医師求人サイトの利用状況に関するアンケート調査,2022を基に編集部作成
上記のアンケートでは、医師転職サイトに登録する医師会員を対象にしているため、元々転職意欲が高い医師が多いことは否定できません。
ただ、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経営悪化による年収減少、陽性患者の対応や感染予防対策の徹底などに疲弊し、転職を考えている医師は一定数いるとみておくべきでしょう。
2-3. 転職するなら地域や診療科に合わせた市場調査は必須
これまでお伝えしたとおり、医師の転職難易度は徐々に高まっています。
転職をお考えでしたら、地域性や診療科ごとのニーズは確認しておいたほうがよいでしょう。
厚生労働省の調査では、医師の総数は増加している一方で、地域別・診療科別の偏在化は長年続いていることがわかっています。
たとえば、都道府県別にみた人口10万人当たりの医師数は、全国平均よりも医師数が多い地域と少ない地域には大きな差があります。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計,2022を基に編集部作成
また、診療科別にみた医師数は、診療科ごとの差が大きい現状があります。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計,2022を基に編集部作成
上記の調査は、都道府県や診療科など1つの側面から見た統計結果です。
実際は、競合する病院の数や地域医療構想などによって求められる医師像などによっても、転職活動のハードルが変わってきます。
安易に「医師不足の地域だから転職しやすい」「〇〇科は人が多いから競争が激しい」と判断はせず、市場調査やニーズ分析を行いながら、転職成功に向けた準備を行うことが重要です。
この章のまとめ
最新のデータによって明らかになった医師転職市場の実態は、以下のとおりでした。
- 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医師の転職難易度は高まっている
- 求人検索をしている医師も多く、転職の需要も高い
- 将来的には医師過剰となる可能性は否定できない
- 転職を成功させるためには、地域性や診療科を踏まえた市場調査とニーズ分析が重要
こうした医師転職市場をもとに、次章では医師が転職を成功させるコツをご紹介します。
3. 医師が転職を成功させるための4つのコツ
この章では、医師が希望通りのキャリアや働き方を手に入れるために必要な転職成功のコツを5つご紹介します。
順を追って、見ていきましょう。
3-1. 転職したい理由を明確にする
まずは、転職したい理由をハッキリさせることが大切です。
「転職したい」と考えたきっかけや理由を明確にすることで、次の転職先を選ぶ基準をつくることができるからです。
また、転職したい理由をじっくり考えることで「仕事をする上で重視していることは何か」「そもそも転職すべきか」といった本質的な答えを見つけ出すことができるでしょう。
以下に、医師の方におすすめの転職理由を明確にする3つのステップをご紹介します。ぜひ参考になさってください。
▼ Step 1:転職を考えたきっかけを紙に書く
辞めたいと思ったきっかけや出来事を箇条書きでいいのでノートに書く。
『書く』という作業を通して、現状を客観視できる。
▼ Step 2:紙に書いた内容から、不満を感じるポイントを抜き出してみる
今の職場の不満点はどこか、具体的に挙げる。
▼ Step 3:抜き出したポイントを改善するために転職が必要かどうかを評価する
転職という方向性が本当にベストなのかどうかを考えることで、後悔のない選択ができる。
作業時間は5〜10分程度を目安に行うと、負担なく行えるでしょう。
転職に失敗したくない方、転職後に後悔したくない方は、ぜひ実践してみてください。
3-2. 将来を見据えたキャリアを選択する
つぎに、条件ばかりに注目するのではなく、将来のキャリアプランを見据えた選択をしましょう。
どのような医師になりたいのか、どういった専門分野を極めたいのか、開業の意志はあるかなど、将来的なキャリアに合った選択ができれば、転職の満足度を上げることができるからです。
たとえば、興味のある専門分野がある方は、研究や教育が盛んな病院や専門医資格取得ができる病院を選ぶことで、キャリアを邁進することができます。
また、開業の意思がある方は、医療だけでなく経営について学ぶことができる就業先を選ぶことで将来に繋げられるのではないでしょうか。
「転職で失敗してもまた転職したら良い」とお考えの方もいるかもしれませんが、2章でお伝えした通り、医師転職市場は求職者にとって厳しいのが実情です。
さらに、医師を取り巻く環境は大きく変化しており、将来求められる医師像が今と同じとは限りません。
地域医療構想の推進、人工知能や医療ロボットといった最新技術の導入、オンライン診療を取り入れた診療スタイルの遷移など、政策やテクノロジーは日々変化し続けています。
こうした変化を捉えることができなければ、いずれ訪れる医師過剰の時代で理想のキャリアプランを描くことが難しくなってしまうでしょう。
目先の条件だけにとらわれず、将来のキャリアプランから逆算して転職先を選ぶようにしましょう。
3-3. 退職までのスケジュールを立てておく
転職活動では、転職までの大まかなスケジュールを立てておきましょう。
大まかなスケジュールを決めておくと、余裕をもって転職活動に望めるからです。
とくに、医師は多忙な職業であり、仕事と転職活動の両立は至難のワザです。忙しい合間を縫って転職活動にあたっても、専門分野を活かせる求人があるとは限らず、人によっては難航する可能性もあります。
また、職場からの強い引き留めや、医局人事への配慮などを考慮しておかなくてはなりません。地域性や専門分野にもよりますが、半年~1年程度の期間を見積もっておくと、スムーズに転職活動を進められるのではないでしょうか。
スケジュールを甘く見積もった結果、「希望通りの転職先が見つからない」「医師不足で強く引き留められてしまった」といった失敗をすることのないよう、スケジュール管理をしっかり行いましょう。
3-4. 失敗したくないならプロに相談する
ここまでお伝えした転職のコツを実践するためには、多くの時間と労力が必要です。
医師を取り巻く環境が変化する中で、市場調査から時代のトレンドを読み取り、自分に合った選択を行うことは非常に困難でしょう。
とくに働きながら転職活動を進めようと思っている方は、転職活動に専念することが難しく、時間をかけられないのが現実です。
自己分析や市場調査、求人検索、履歴書・職務経歴書の準備、面接対策、転職に関する手続き、退職に関する話し合い、スケジュール調整など多くのタスクを効率よくこなすためには、医師の転職をサポートしてくれる転職サイトに登録し、転職のプロであるキャリアコンサルタントに相談しながら転職活動を進めることをおすすめします。
Career Theory編集部が転職を経験した医師に行ったアンケートでは、転職サイトを活用し転職を成功させた方が多くいます。
(30代・小児科医)
特に助かったのが、面倒なことを全てやってくれたことです。
自分で転職するとなると、求人を探して、応募して..という作業が増えるのが転職活動前の気がかりでしたが、面談でお話しした後は、病院との調整も全て間に入ってくれました。
まるで転職のための秘書のようでした。
あと、直接は言いにくい、給料面も、私の希望が通るように病院側と何度も調整をしてくださり、条件面でも納得できる転職になりました。
(30代・呼吸器科医)
いい転職先があればという程度で登録した転職サイト。最初の面談で、希望を少し欲張って伝えましたが、それでもそれに合う求人を次々紹介してくれたことに驚きました。
また、条件面でここをこうしてほしいというお願いを先方にしてくれて、受け入れてもらえたこともあります。
結果、仕事のハードさは変えることなく120万円の年収アップを実現できました。
転職サイトを利用することで、転職活動をスムーズに進み、満足できる転職ができるでしょう。
転職サイトに関する詳しい解説は4章を、Career Theory編集部が厳選したおすすめ転職サイトは5章をご覧ください。
4. 医師転職におすすめの4つの求人の探し方
医師の転職活動は、ご自身に合った方法を選び、スケジュールを意識することが大切です。
とはいえ、転職がはじめての方や、医師転職市場に不安を感じている方は、どんな方法があるのか、どの方法が自分に合っているのか、判断しづらいですよね。
そこでこの章では、医師の転職でよく使われるおすすめの求人探しの方法を4つご紹介します。
順番に見ていきましょう。
4-1. 先輩や知人の紹介(リファラル採用)
同僚や先輩、知人の紹介で転職する方法(リファラル採用)は、医師転職において定番の転職方法です。
この方法では求人票ではわからない内情を包み隠さず教えてもらうことができるため、転職後のミスマッチが少ないという利点があります。
下記の特徴に該当する方は、ぜひ活用してみましょう。
- 希望の転職先に先輩や知人が在籍している人
- 転職先の紹介が期待できる人脈がある人
- 人間関係や労働環境などのリアルな内部事情を知った上で転職したい人
リファラル採用は、採用担当者が紹介者に対して一定の信頼を置いていることで成り立つ方法です。
そのため、採用されやすいというメリットがあります。
一方、職場見学や面接で「イメージと違う」と思っても断ることは難しく、入職条件の交渉がしづらかったり、退職時に紹介者への配慮が必要だったりと、デメリットもあります。
周囲を気にせず転職したい方は、避けたほうが無難でしょう。
4-2. 求人情報サイト
求人情報サイトとは病院や施設の詳しい求人情報が掲載されているサイトのことで、「求人サイト」と呼ばれることもあります。
医師に特化した求人情報サイトでは、年収や待遇などがスマホやパソコンから簡単に検索できるという利点があります。
- とにかく多くの求人情報が見たい人
- 自分のペースで転職を進めたい人
- 細かい求人情報の確認を簡単に済ませたい人
求人情報サイトを使った転職活動は、以下の流れで行います。
▼ Step 1:応募先を探す
スマホやパソコンから求人情報サイトにアクセスし、希望の条件を入れて求人情報を確認する。
▼ Step 2:求人サイトの案内に従い、応募する
求人情報サイトのフォーマットに必要事項を入力し、応募を行う。応募先の病院から連絡が来たら、必要書類の確認や面接日程の調整を行い、選考に進む。
▼ Step 3:選考を経て内定、転職へ
内定をもらったら、退職手続きと入職手続きを行う。退職日や入職日が近付いてから慌てることのないよう、計画的に進める。
求人情報サイトは、後述する転職サイトと異なり、担当キャリアコンサルタントがつきません。
他の転職方法と同様に、自力で転職活動を行うことになります。
求人広告サイトと転職サイトの違い | |
会員登録の有無 | |
医師特化型 求人広告サイト |
基本的には登録しなくても求人検索が可能 (登録することでスカウト求人を紹介してもらえたり、会員限定の情報を知ることができたりと、会員登録がメリットになる求人広告サイトもある) |
医師転職サイト |
|
利用料 | |
医師特化型 求人広告サイト |
無料 |
医師転職サイト | 無料 |
キャリアアドバイザーの有無 | |
医師特化型 求人広告サイト |
担当アドバイザーはいない |
医師転職サイト |
|
求人検索のしやすさ | |
医師特化型 求人広告サイト |
細かい求人条件の検索ができる |
医師転職サイト | 細かい求人条件の検索ができる |
求人選びに関するサポート | |
医師特化型 求人広告サイト |
なし 希望条件を設定しておけば、条件に合う求人をメールやLINEに届けてくれる求人広告サイトもある |
医師転職サイト | あり 単に条件に合う求人を紹介してくれるだけでなく、ひとり一人のキャリアに合った求人を紹介してくれる |
選考サポート | |
医師特化型 求人広告サイト |
なし 履歴書や職務経歴書の作成機能がある求人広告サイトもあるが、基本的には自力で作成する |
医師転職サイト | あり 希望者には履歴書添削や面接練習などの手厚いサポートが受けられる |
転職に関する手続きや調整のサポート | |
医師特化型 求人広告サイト |
なし 基本的にはすべて自力で行う |
医師転職サイト | あり 退職や転職に関わるさまざまな手続き・調整を代行してくれる |
ただし、医師向け求人情報サイトの中には、医療機関や施設が直接求人を掲載しているケースと別の転職サイト(人材紹介会社)が保有する求人を掲載しているケースの2パターンが混在しているサイトもあります。
つまり、求人によって転職活動の流れが異なる場合があるのです。
そのため、気になる求人を見つけたら、転職活動の流れについても確認することをおすすめします。
4-3. 直接応募
直接応募とは、病院や施設の公式ホームページを通じて直接応募する方法のことです。
求人募集の状況は各施設の公式ホームページから確認しなくてはならないため、こまめにチェックする必要があります。
とはいえ、その過程で病院の経営方針や理念を確認することができるため、結果的に転職後のミスマッチを減らせるといった利点があります。
- 働きたい病院や施設が既に決まっている人
- 国立や公立の医療機関で働きたい人
- スキルや経験のアピールに自信がある人
直接応募で転職する場合は、以下の流れで転職活動を進めていきます。
▼ Step 1:応募先を探す
働きたい病院や施設の公式ホームページをチェックし、求人情報の確認を行う。
各医療機関によって募集時期は異なるため、こまめにチェックすることが大切である。
具体的な転職先が決まっていない場合は、ハローワークや求人情報サイトで情報収集するところから始める。
▼ Step 2:求人内容の詳細を確認する
応募先が決まったら、求人情報を確認する。
ホームページを見てもわからないことは、直接電話で問い合わせる。その際、可能なら職場見学を依頼すると良い。
▼ Step 3:応募(書類提出・日程調整)
病院や施設の規定に合わせて、必要な書類を提出し、面接の日程調整をする。
働きながら転職活動をしている場合は、勤務日と被らないように注意する。
▼ Step 4:選考を経て内定、転職へ
内定をもらったら、退職手続きと入職手続きを行う。退職日や入職日が近付いてから慌てることのないよう、計画的に進める。
直接応募は施設側の費用の負担がないため、一部の病院や施設の採用担当者には歓迎されやすい転職方法です。
しかし、応募条件を細かく確認したり、自力で選考対策を行ったりと、求職者にかかる負担が大きい転職方法でもあります。
転職に自信のある方や国公立系の医療機関に転職したい方以外は、他の転職方法を選ぶことをおすすめします。
4-4. 転職サイト・転職エージェント
転職サイト・転職エージェントは、医師の転職事情に詳しいコンサルタントからサポートしてもらえる転職方法です。
保有している求人が豊富で、なかにはインターネット上に出ていない好待遇の求人(非公開求人)もあるので、登録するだけで転職の選択肢を増やすことができるでしょう。
また、求人票だけではわからない人間関係や職場の雰囲気に関する情報もしっかり把握しているため、転職後のギャップを減らすことにもつながります。
求人紹介だけでなく、キャリアの相談、選考対策、各手続きの代行など、さまざまなサポートを行ってくれるため、転職をお考えのすべての医師におすすめの方法といえます。
- 転職先が決まっていない人
- なるべく多くの求人を見比べたい人
- 転職の軸が定まっていない人
- 履歴書や面接に対する不安がある人
- とにかく忙しく、時間が無い人
- 転職前に人間関係や労働環境の内情を確認したい人
転職サイトを利用する場合、以下の流れで転職活動を進めていきます。
▼ Step 1:面談(キャリアカウンセリング)
各転職サイトの公式ページから登録すると、担当キャリアコンサルタントから電話かメールで連絡がくる。
初回の連絡では具体的な面談の日程調整を行い、その後、キャリアや転職先に求める条件等のヒアリングが行われる。(面談ではなく電話で相談も可能)
▼ Step 2:求人の紹介
面談後、希望に合う求人を紹介してもらえる。
気になる職場があれば、担当のキャリアコンサルタントに伝えると、職場の内情や雰囲気などを教えてもらうことができる。
気になる職場がなければキャリアコンサルタントに伝え、再度求人を探してもらう。
▼ Step 3:転職サイト経由で応募する
担当者が選考書類の確認や面接日程の調整を行ってくれる。
必要な書類を揃え、面接に臨む。なお、選考書類や面接が不安な方は履歴書添削や面接練習などのサポートを受けることも可能である。
自分からは言いにくい給与や待遇に関する条件の交渉も行ってくれる。
▼ Step 4:選考を経て内定、転職へ
内定後の入職手続きや入職前の挨拶などの手続きはキャリアコンサルタントが代行してくれる。
入職までのスケジュール調整や、退職時に発生したトラブルなどについて相談できるので、安心して転職できる。
転職サイトの利用には料金が一切発生しません。
医師が入職するごとに、採用した病院のほうが転職サイトへ紹介手数料を支払うという仕組みで成り立っています。
医師の転職活動をフルサポートしてくれる方法であるため、「失敗したくない」とお考えの方こそ転職サイトを使うべきです。
転職を成功させたい方は、まずは登録することから始めましょう。
5. 医師におすすめの転職サイト・転職エージェント3選
医師が転職する場合、転職サイト・転職エージェントを使うことで転職成功へグッと近づくことができます。
とはいえ、インターネット上には医師向けの転職サイトが数多く存在しており、「どれを選ぶべき?」「多すぎてわからない」とお考えの方も多いでしょう。
医師向けの転職サイトは、それぞれサポート体制や保有求人が異なるため、選び方を間違えると、せっかく登録しても役に立ちません。
そこで、この章では実際に転職サイトを利用したことのある医師100人に行ったアンケートをもとに、医師におすすめの転職サイト・転職エージェントを3つ紹介します。
- 掲載求人数:非公開求人を含めた求人の量
- 登録医師数・実績:多くの医師が選んでいるか・ノウハウは蓄積されているか
- 満足度:実際の口コミなどからサポートの手厚さなどを評価
100人の医師が選んだ 医師転職サイト・エージェント満足度ランキング | ||
求人数 約2.0万件 |
|
|
医師の登録実績8年連続No1の転職サイト!利用者満足度は96%超え。医療経営士の資格を持つコンサルタントからのサポートが魅力 | ||
2位.医師転職ドットコム公式サイトを見る詳細を見る |
求人数 約4.0万件 |
|
求人数トップレベルの転職サイト!公開求人3万件以上+高待遇の非公開求人が多数 | ||
3位.リクルートドクターズキャリア 公式サイトを見る詳細を見る |
求人数 約1.6万件 |
|
医師転職サポート歴37年の実績が強み。大手リクルート社ならではの営業力&交渉力で年収アップを目指せる |
〔出典〕求人数は各サービス求人検索システムによる編集部調べ,2023年10月4日時点.
詳しく紹介していきます。
5-1. エムスリーキャリアエージェント|情報力と交渉力で転職成功に導く
公開求人数
提案力
サポート力
- キャリアコンサルタントのサポート力が抜群
- 独自の情報収集力で医師の転職をアシストしてくれる
- 求人数が豊富であり、選択の幅が広がる
『エムスリーキャリアエージェント』は、医師の登録実績10年連続No. 1(m3.com CAREERでの登録者,2023年10月時点)の信頼できる転職サイトです。
運営会社のエムスリーキャリアは、医師・薬剤師に特化した転職支援を行っており、医療機関からも厚い信頼を得ています。
そのため、好条件求人が集まりやすく、登録するだけで選択の幅を広げることが可能です。
『エムスリーキャリアエージェント』の品質を裏付ける特徴として、所属するコンサルタントたちの専門性の高さが挙げられます。
エムスリーのコンサルタントは全員医療経営士の資格取得が義務づけられており、経営者視点と知識を活かした交渉力が大きな強みとなっています。
30万人以上の医師(国内の医師の9割に相当)が登録する国内最大級の医療専門サイト「m3.com」から得られる情報量は国内トップレベルで、医師の最新の転職市場を踏まえたアドバイスがもらえる点も魅力的です。
実際に利用者満足度は96%(※エムスリーキャリアでのアンケート実績,2014年度)であり、『エムスリーキャリアエージェント』を利用した医師からは、コンサルタントの質の高さや対応力を評価する声が寄せられていました。
前の職場には給与面で不満があり、自分の成長機会を伸ばすためにも転職を決意しました。
転職の際にはコンサルタントの方に推薦状、履歴書のアドバイスから条件交渉まで手伝っていただき、想定していたよりも不安になることがなく転職を行えました。
コンサルタントの方は知識が豊富でとても信頼できました。
さらに、元医療関係者だったので、とても心強かったです。
転職エージェントを3つ登録しましたが、エムスリーキャリアエージェントには最も良い対応をして頂きました。
その結果、給料は変わることなく、無事に内科医として転職することができました。
「転職が初めてなのでサポートしてほしい」「優秀なコンサルタントに対応してもらいたい」とお考えの方は、ぜひ『エムスリーキャリアエージェント』に登録しましょう。
5-2. 医師転職ドットコム|圧倒的な求人数と豊富な転職実績が強み
公開求人数
提案力
サポート力
- 業界トップクラスの求人数で、自分に合った求人が見つかりやすい
- 将来を見据えたコンサルティングには定評あり
- 病院の内部事情までしっかり調査してくれる
『医師転職ドットコム』は、業界トップクラスの求人数を誇る、医師向け転職エージェントです。
4万件以上の公開求人(2023年10月4日現在)以外にも、好条件の非公開求人を多数保有しており、自分に合う転職先が見つかりやすいと評判を得ています。
また、5万人以上の医師の転職をサポートしてきた実績を有しており、安心して転職サポートをお願いすることができるでしょう。
在籍するコンサルタントは「納得のいく転職」をモットーに、将来を見据えたコンサルティングを実施してくれます。
「丁寧さ・スピード感」の両軸で利用者満足度93.4%(株メディウェル調べ)を獲得しており、転職のお考えの方はまず登録することをおすすめします。
オフィスは7拠点ですが、最寄りの場所まで来てくれるので、顔の見える担当者から手厚いサポートを受けられます。
実際に『医師転職ドットコム』を利用した医師からは、提供するサービスへの信頼感や安心感を表現する声が寄せられています。
驚いたのは、今の勤務先で待遇改善ができればそれも検討するべきでは?と言われたことです。
転職エージェントは無理にでも転職をさせると思っていたので、転職をしない可能性まで提案してくれることに、信頼が持てました。
コンサルタントにそういった事情を話したところ、「先生でしたら待遇は大幅に良くなりますよ」と言っていただき、実際に部長待遇で2,400万円の年収で転職できました。
「高額年収」とは異常に忙しかったり、雰囲気が良くない職場だったり、何か問題があるからだと思っていましたが、コンサルタントが医療機関の詳細な情報やスタッフの雰囲気まで細かく調査してくれたので、不安なく希望にあった転職ができました。
「多くの求人から自分に合った選択がしたい」「ベストな選択を手助けしてほしい」とお考えの方は、ぜひ『医師転職ドットコム』に登録しましょう。
5-3. リクルートドクターズキャリア|大手人材会社の転職ノウハウが定評
公開求人数
提案力
サポート力
- 大手人材紹介会社リクルートが持つ転職ノウハウが魅力
- スピーディーな対応で転職活動が円滑に進みやすい
- 研修医から開業を目指す医師まで、各キャリアに合わせた提案力が評判
『リクルートドクターズキャリア』は、大手人材紹介会社リクルートグループが運営する医師特化型の転職サイトです。
大手人材会社ならではの転職ノウハウには定評があり、各年代や診療科ごとの傾向を捉え、希望のキャリアや働き方が叶う転職を提案してくれます。
また、営業力や交渉力の高いキャリアコンサルタントが多数在籍しており、転職活動がスムーズに進みやすい点も魅力です。
スピーディーな対応は他社に引けをとらず、忙しい合間を縫って転職活動を行う医師にとっては心強い存在といえるでしょう。
転職のプロだからできる抜群のサポートで、キャリアアップや働き方の変化を叶えた医師は数え切れません。
実際に『リクルートドクターズキャリア』で転職した医師からは、対応力の高さやサポート力を評価する声が寄せられています。
すぐ産休になってしまうため、探すのに苦労するだろうと考えていました。
しかし、コンサルタントの方に相談したら、私の条件に合う病院を見つけてもらえて、探し始めて1ヵ月で転職できました。
仕事と子育てが両立できています。オンコール、当直はなし。週3日の勤務、定時帰宅です。
しかし、将来開業することを考えると、もっと一人で全体を見られる環境を経験しておきたいと思って、症例が多く、専門分野以外の一般的な症例も幅広く経験を積める職場への転職を考えました。
後期研修中に就業先を変更するというのは大きなチャレンジでしたが、コンサルタントの方から各病院の症例数を教えていただくなどのサポートもあり、都内の一般病院に転職することができました。
「転職先をなるべく早く決めたい」「キャリアが叶う転職がしたい」とお考えの方は、『リクルートドクターズキャリア』に登録しましょう。
6. 【医局を辞める方向け】円満に退職するためのポイント
「医局を辞めたいけど、どう伝えよう」「トラブルなく辞める方法はないだろうか」と、医局の辞め方で悩んでいるのではないでしょうか。
1章でお伝えした通り、医局内の人間関係や医局人事に悩み、転職する医師は多くいます。
しかし、医局を辞めようとしても強く引き留められたり、トラブルに発展したりするケースも珍しくなく、どう辞めたらよいか、頭を抱えている方もいることでしょう。
先に申し上げておきたいのですが、医局を円満に辞める完璧な方法は存在しません。
どれほど配慮しても、各医局の風土や教授の考え方によって円満に退局できないケースもあるのです。
ただし、医局を辞める際のトラブルを減らす方法はあります。
そこで、この章では医局を円満に辞めるための5つのポイントをご紹介します。
- 6-1. 医局を辞めた経験のある先輩医師から話を聞く
- 6-2. 医局を辞めるメリットとデメリットをあげておく
- 6-3. 医局人事が決まる前に退局の意志を伝える
- 6-4. 転職を決意したらすぐに転職活動を開始する
- 6-5. 退局が受理されるまで教授としっかり話し合う
6-1. 医局を辞めた経験のある先輩医師から話を聞く
医局を辞めた先輩医師が身近にいる方は、医局を辞める方法やポイントについて相談することをおすすめします。
なぜなら、実際に医局を辞める時の様子や退局後の影響を教わることができ、具体的な注意点やポイントを学べるからです。
先にお伝えした通り、医局を円満に辞められるかどうかは、医局の風土や教授の考え方に左右されやすいものです。
一般的な円満退職の方法が通用しないケースもあるため、身近に医局を辞めた先輩医師の話しを聞き、より的確な対策を立てることが重要といえます。
また、実際に医局を辞めた後のキャリアを聞くことで、「本当に医局を辞めるべきか」「医局との関係を完全に断ち切って良いのか」といった、ご自身の決意を再確認することもできるでしょう。
身近に医局を辞めた経験のある医師がいる方は、相談してみると良いでしょう。
6-2. 医局を辞めるメリットとデメリットをあげておく
医局を辞めるメリットとデメリットを比較検討することも大切です。
医局についてさまざまな側面から考えることで、辞めてから後悔することを防ぐことに繋がるからです。
医局人事を気にせず働ける
業務の負担が軽減できる
年収アップの可能性がある
医局内の派閥や人間関係を気にしないで良い
症例数の多い病院で経験を積める
自らキャリアを切り拓くことができる
医局以外の医療現場を知れる
学位(博士号)の取得ができない
専門医資格の取得が難しい
研究や留学などのチャンスが少ない
人脈が狭まる可能性がある
育児や介護などの際に復職しづらいケースもある
これから学位や専門医資格を取得する方や、研究や留学に注力したい方は、ご自身の目的を達成してから医局を辞めたほうが、将来的なキャリアの幅を広げられるでしょう。
6-3. 医局人事が決まる前に退局の意志を伝える
医局を辞める場合は、医局人事が決まる前に退局の意志を伝えることが重要です。
医局人事が決定してから退局すると、医局人事の調整がつかず引き留めにあいやすくなるからです。
また、「医局人事に配慮できない」と評価され、トラブルに発展する可能性も否定できません。
なるべく円満に退職するためにも、半年〜1年ほど余裕をもって退局の意志を伝えましょう。
6-4. 転職を決意したらすぐに転職活動を開始する
転職を決意したら、すぐに転職活動を始めることをおすすめします。
2章でお伝えした通り、医師転職のハードルは以前より高くなっており、希望の転職先を見つけるまでに時間がかかる可能性もあります。
せっかく医局を辞める決意をしても、転職先が決まらないと辞めるに辞められず、転職自体先延ばしになる可能性も否定できません。
また、医局を辞めるか迷っている方は、転職先の条件や待遇を確認した上で、医局に残るか転職するかの比較検討をする時間が必要になります。
時間的余裕がなく、焦って転職を決めることのないように、転職活動を早めにスタートさせましょう。
6-5. 退局が受理されるまで教授としっかり話し合う
退局の意志を伝えても、なかなか受理されなかったり、強い引き留めにあったりすることはよくあります。
大学医局や教授にとっては、あなたという人材が退局するデメリットが大きいため、慰留してもらいたいという本音があるのです。
しかし、相手のペースのまま退局の時期を伸ばされてしまうと、次の転職先の内定が取り消しになってしまいかねません。
退局が受理されるまでは、医局長や教授とじっくり話し合い、双方が納得した上で退局できるように努めましょう。
何度もお伝えしていますが、どれほど周囲に配慮したとしても、円満に医局を辞めることができないケースもあります。
残念ながら、医局を辞めることで「医局の風土や教授の考え方に逆らっている」と判断する人もおり、人によっては「退局の意志を伝えなければよかった」と後悔することもあるかもしれません。
しかし、転職や退局は善悪で判断するものではありません。
転職や退局は、あなたが希望のキャリアや働き方を叶えるためのプロセスに過ぎず、必要以上に気に病む必要はないのです。
退局の意志を伝えてからも仕事にしっかり取り組み、周囲への配慮や後任への引継ぎ、担当患者への挨拶などを行うことで、周囲の反応が変わる場合もあります。
やりきれない状況にお悩みの方は、「円満に退職できないこともある」「円満に退職できなくても仕方ない」と切り替えることも必要であると、心得ておきましょう。
7. 医師の転職でよくある質問
この章では、医師の転職でよくある質問について、回答していきます。
- Q1. 転職すべきかどうか迷っています。そもそも、自分にどんな選択肢があるのかがわかりません。
- Q2. 病院以外で働きたいです。具体的にはどんな職場がありますか?
- Q3. 転職自体初めてで不安です。転職活動ではどんなことに気を付ければいいでしょうか?
- Q4. 転職サイトを利用したいですが、転職活動をしていることを周囲に知られたくありません。
Q1. 転職すべきかどうか迷っています。そもそも、自分にどんな選択肢があるのかがわかりません。
医療業界は業績やノルマを競う世界ではないため、ご自身のスキルや市場価値を判断しにくいですよね。転職を迷っている方や、転職できるのか不安な方は、医師の転職市場に精通している転職サイトに登録し、ご自身のキャリアについて相談することをおすすめします。
本記事でご紹介した『エムスリーキャリアエージェント』『医師転職ドットコム』『リクルートドクターズキャリア』には、医師のキャリア支援実績が豊富なコンサルタントが多数在籍しています。
各転職サイトの特色については、5章で詳しくご紹介していますので、気になる転職サイトにまずは登録してみましょう。
Q2. 病院以外で働きたいです。具体的にはどんな職場がありますか?
近年、病院以外のさまざまな職場で働く医師が増えています。病院以外で働く医師の中には、以下のような職場で働く方がいます。
- 企業(産業医勤務、製薬会社のメディカルドクター、保険会社の社医・査定医、オンライン診療医など)
- 大学や研究機関(講師、研究職など)
- 介護老人保健施設
- 保健所(公衆衛生医師)
また、病院やクリニックに所属しながら在宅診療医(訪問診療医)として働く医師や、開業や起業する医師もいます。
しかし、病院以外の求人は比較的少なく、インターネット上には公開されていないこともあります。
「病院以外で働きたい」「気になる職場や働き方がある」という方は、転職サイトに登録し非公開求人なども含めて検索することをおすすめします。
Q3. 転職自体初めてで不安です。転職活動ではどんなことに気を付ければいいでしょうか?
しかし、忙しい医師にとって、転職市場の把握や求人検索、スケジュール管理、退職や入職に関する手続きなどを1人で行うには限界があります。転職に不慣れな方や、転職のプロに相談したい方は、転職サイトに登録し、転職のプロに相談しながら転職活動を進めることをおすすめします。
Q4. 転職サイトを利用したいですが、転職活動をしていることを周囲に知られたくありません。
そのため、周囲にバレることなく転職活動を始めることができます。たとえば、大手転職サイト『医師転職ドットコム』では、具体的な転職の話が進むまでは、名前や現在の勤務先などの個人情報を伏せたまま転職活動を進められます。他の転職サイトでも、匿名性を担保した状態で転職活動を進めることが可能であるため、登録した際に担当コンサルタントに相談してみると良いでしょう。
8. まとめ
医師の転職で押さえておきたい転職市場や、転職を成功させるためのコツなどについてご紹介しました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、政策やテクノロジーの導入などによって、医師を取り巻く環境は大きく変化しています。
転職を成功させるためには、転職市場を正しく把握し、コツを押さえて転職活動を行うべきです。
数ある転職方法の中で、すべての医師の方におすすめできる方法が転職サイト・転職エージェントの利用です。
おすすめの医師転職サイト・転職エージェントは以下の3社です。
100人の医師が選んだ 医師転職サイト・エージェント満足度ランキング | ||
求人数 約2.0万件 |
|
|
医師の登録実績8年連続No1の転職サイト!利用者満足度は96%超え。医療経営士の資格を持つコンサルタントからのサポートが魅力 | ||
2位.医師転職ドットコム公式サイトを見る詳細を見る |
求人数 約4.0万件 |
|
求人数トップレベルの転職サイト!公開求人3万件以上+高待遇の非公開求人が多数 | ||
3位.リクルートドクターズキャリア 公式サイトを見る詳細を見る |
求人数 約1.6万件 |
|
医師転職サポート歴37年の実績が強み。大手リクルート社ならではの営業力&交渉力で年収アップを目指せる |
〔出典〕求人数は各サービス求人検索システムによる編集部調べ,2023年10月4日時点.
無料で利用でき、個人情報が漏れる心配はありませんので、まずは登録から始めてみましょう。
あなたが輝かしいキャリアと人生を歩まれることを、陰ながら祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
(40代・整形外科)