- 50歳の平均年収はどのくらいだろう
- 周囲と比べて自分の年収は低いのだろうか
と考えていませんか?
結論からいうと、50歳の平均年収は532万円と言われています(doda:年齢・年代別に見る日本の平均年収,2022.)。
ただ、平均年収は性別や企業規模など様々な条件によって以下の票のように異なります。
条件 | 平均年収 |
---|---|
50歳男女計 50歳男性 50歳女性 |
532万円 607万円 411万円 |
大学院卒 大学卒 高専・短大卒 専門学校 高校卒 |
796万円 644万円 466万円 463万円 435万円 |
正規雇用 非正規雇用 |
528万円 317万円 |
大企業 中企業 小企業 |
568万円 490万円 440万円 |
※学歴・雇用形態・企業規模は50代前半の金額、(平均年収=項目別平均月収×12+平均賞与[令和3年度平均年末賞与+令和4年度平均夏季賞与])
〔出典〕厚生労働省:令和三年賃金構造基本統計調査,2021.
厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.
この記事では、人材会社や公的機関の調査をもとに、50歳の平均年収を詳しく解説します。
すべて読むことで、様々な角度から同年代との収入比較ができます。
1.50歳の平均年収は532万円
1-1.50歳の年収の「中央値」は425万円
2.【条件別】 50代前半の平均年収
3.50歳平均の生活費目安【年収532万円の場合】
4.年収をアップさせる3つの方法
5.平均年収に関するFAQ
6.さいごに
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---|---|
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1. 50歳の平均年収は532万円
50歳の平均年収は、532万円です。
〔出典〕doda:年齢・年代別に見る日本の平均年収,2022.
男女別にみると、
- 男性:607万円
- 女性:411万円
と、約200万円の差が生じていることがわかります。
なお、上記は転職エージェント利用者を対象にした調査によるデータです[20歳から65歳までの年齢別に、2021年9月〜2023年10月の1年間にdodaサービスに登録した約56万人のビジネスパーソン(サラリーマン)の平均年収データを、集計・分析したもの(doda:年齢・年代別に見る日本の平均年収,2022.)。]。
平均年収は調査によって若干の変動があるものの、50歳の平均年収は400〜600万円というのが一般的のようです。
国税庁が実施する「民間給与実態統計調査」によると、50歳周辺の平均年収は以下の通りとなっています。
年代 | 全体 |
---|---|
40代後半 (45~49歳) |
504万円 |
50代前半 (50~54歳) |
520万円 |
50代後半 (55~59歳) |
529万円 |
こちらは、50歳だけを対象にしたものではありませんが、上記の表をみる限り、50歳の平均年収は「500万円前半」辺りだと判断できます。
50歳の年収の「中央値」は425万円
50歳の年収中央値は、425万円前後と考えられます。
厚生労働省の調査をもとにした、50歳周辺の年収中央値の推定金額は以下の通りです。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
40代後半 (45~49歳) |
496万円 | 358万円 |
50代前半 (50~54歳) |
526万円 | 352万円 |
50代後半 (55~59歳) |
523万円 | 344万円 |
[平均年収=月収中央値 × 12 + 令和三年度給与階級別平均賞与で算出
〔出典〕厚生労働省:令和元元年賃金構造基本統計調査,2019.
厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.
年代によって異なりますが、概ね女性は350万円、男性は500万円程度であると判断できます。
補足:平均年収と年収中央値の違い
- 平均値
…対象者の年収を足し、対象者の数で割った値 - 中央値
…対象者の年収を上から順に並べ、ちょうど真ん中に位置する値
このように、平均値は一部の極端な値が全体に大きな影響を及ぼします。
一方で中央値は、極端な値が含まれていたとしても、その影響はほとんどなく、よりリアルな結果が導き出されます。
※参考記事:『年収の中央値はいくら?年代別・男女別・雇用形態別に解説』
ここまでは50歳の平均年収を紹介しました。
次の章からは、同年代の年収をより詳しく把握するために、50代前半(50歳~54歳)の「条件別の平均年収の違い」を解説していきます。
2. 【条件別】 50代前半の平均年収
50代前半(50歳~54歳)の平均年収を、以下の区分で解説します。
それぞれの違いを把握しておきましょう。
50歳周辺の40代後半(45〜49歳)から50代後半(55〜59歳)のデータを載せているので、そちらも参考にしてみてください。
2-1.【男女別】50代前半の平均年収
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
40代後半 (45~49歳) |
630万円 | 328万円 |
50代前半(50~54歳) | 664万円 | 328万円 |
50代後半(55~59歳) | 687万円 | 316万円 |
2-2.【学歴別】50代前半の平均年収
学歴 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
大学院卒 | 796万円 | 813万円 | 706万円 |
大学卒 | 644万円 | 669万円 | 522万円 |
高専・短大卒 | 466万円 | 590万円 | 415万円 |
専門学校卒 | 467万円 | 512万円 | 416万円 |
高校卒 | 435万円 | 478万円 | 347万円 |
(平均年収=学歴別平均月収×12+平均賞与[令和3年度平均年末賞与+令和4年度平均夏季賞与])
〔出典〕厚生労働省:令和三年賃金構造基本統計調査,2021.
厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.
2-3.【雇用形態別】50代前半の平均年収
雇用形態 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
正規雇用 | 529万円 | 570万円 | 430万円 |
非正規雇用 | 317万円 | 359万円 | 298万円 |
(平均年収=雇用形態別平均月収×12+平均賞与[令和3年度平均年末賞与+令和4年度平均夏季賞与])
〔出典〕厚生労働省:令和三年賃金構造基本統計調査,2021.
厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.
2-4.【企業規模別】:50代前半の平均年収
企業規模 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
大企業 | 568万円 | 636万円 | 427万円 |
中企業 | 490円 | 544万円 | 396万円 |
小企業 | 440万円 | 480万円 | 363万円 |
(平均年収=企業規模別別平均月収×12+平均賞与[令和3年度平均年末賞与+令和4年度平均夏季賞与])
〔出典〕厚生労働省:令和三年賃金構造基本統計調査,2021.
厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.
2-5.【産業別】50代前半の平均年収
50代前半の平均年収を産業別にまとめると、業界別の年収ランキングは以下の通りとなりました。
([平均年収=産業別平均月収×12+平均賞与(令和3年度平均年末賞与+令和4年度平均夏季賞与)]厚生労働省:令和三年賃金構造基本統計調査,2021.・厚生労働省:毎月勤労統計調査,2月速報・9月速報,2022.)
- 1位.電気・ガス・熱供給・水道(インフラ)業:706万円
- 2位.情報通信業:654万円
- 3位.金融業・保険業:644万円
- 4位.学術研究・専門・技術サービス業:640万円
- 5位.教育・学習支援業:560万円
それぞれ簡単に説明します。
1位.電気ガス水道(インフラ)業:706万円
業種別にみると、もっとも年収が高いのはインフラ業界で、年収は706万円です。電気・ガス・水道などを供給し、私達の生活を支える仕事です。
インフラ系企業は、安定性も高く、他の業種と比較して給与も高くなる傾向にあります。
2位.情報通信業:654万円
2位は情報通信業で、年収は492万円です。
IT技術の進展などにより、業界全体が拡大傾向であり、かつ人材不足が顕著なため、他の業種と比べて高い給与が得られやすい特徴があります。
また、スマートフォンの普及により情報通信業も私達の生活を支える仕事と言えるでしょう。
3位.金融業・保険業:644万円
3位は金融業・保険業で、年収は644万円です。
金融・保険業界は、証券会社や投資銀行など、高収入の職種が多いのも特徴です。
4位.学術研究・専門・技術サービス業:640万円
4位は学術研究・専門・技術サービス業で、年収は640万円です。
学術研究・専門業は、主に学術的研究などを行う事業所、個人または事業所に対して専門的な知識・技術を提供する事業所で、他に分類されないサービスを提供する企業や人を指します。
具体的には、弁護士や税理士も学術研究・専門業に分類されるので、平均年収は高くなる傾向にあります。
5位.教育・学習支援業:560万円
5位は教育・学習支援業で、年収は560万円です。
教育・学習支援業は、学校教育を除く組織的な教育活動を行う事業所を指します。
具体的には、予備校や通信学習がこれらの部類に含まれます。
3. 50歳平均の生活費目安【年収532万円の場合】
年収532万円で、単純に12ヶ月で割った場合、月々に使用できる金額はおよそ35万円です。※手取り額は平均年収の80%として計算)
手取り35万円の生活費の目安を、以下にまとめました。※夫婦2人暮らしの場合
割合 | 金額 |
---|---|
食費 15% |
5.2万円 |
住居費 25% |
8.7万円 |
水道光熱費 5% |
1.7万円 |
通信費 6% |
2.11万円 |
保険料 4% |
1.4万円 |
趣味・娯楽費 3% |
1万円 |
こづかい 12% |
4.2万円 |
日用雑貨・被服費 5% |
1.7万円 |
交際費 2% |
0.7万円 |
貯蓄 20% |
7万円 |
その他 3% |
1万円 |
〔出典〕ほけんROOM:家計における理想の支出の割合は?家計の支出割合の見直しをしよう
3-1. 家賃は手取りの25%を目安に
家賃は、手取りの25%を目安にすると考えておきましょう。
手取りが35万円の場合は、8.7万円ほどです。
これを大幅に上回ってしまうと、食費や娯楽費を削る必要があります。
3-2. 食費は手取りの15%を目安に
食費は手取りの15%を目安にしましょう。
手取りが35万円の場合は、5.2万円ほどです。
3-3. 貯金は手取りの20%できるのが理想
貯金は、月の流動費によって変動はありますが手取りの20%程度できるのが理想です。
手取りが35万円の場合は、7万円ほどです。
年代別:貯蓄額の平均
年代別の貯蓄額(2人以上の世帯)の平均値は以下の通りです。
- 全世代平均:1880万円
- 40歳未満:726万円
- 40代:1134万円
- 50代:1846万円
4. 年収をアップさせる3つの方法
収入を増やす具体的な方法は、以下の通りです。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
今の年収が適正か、一度確かめてみませんか?
年収・手取り額に悩みを抱えている方は、dodaが提供する「年収査定」の利用をおすすめします。これはあなたの適正年収を、AI技術によって導き出すツールです。
能力・経歴に見合った給料を得られているかどうか、一度チェックしてみましょう。
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4-1. 昇進や昇格などによる給与アップを目指す
もっとも堅実に収入を上げる方法は、昇進や昇格によって給与をベースアップさせることです。
成果を上げることを常に意識し、日々の業務に取り組みましょう。
この際、企業の評価基準を把握しておくことも大切です。
資格を取得するのも有効
資格手当などの制度が職場にある場合は、資格を取得することで給与アップが見込めます。
資格勉強はスキルとして身に付きますので、仕事に活かせる場面も多いでしょう。昇給や昇格への足掛かりとなることもあるため、長期的に学習する意欲があるのであれば、現職に活かせる資格の勉強をしてみるのもおすすめです。
ただし、同じ職場でのキャリアアップを目指す場合は、長期的な視点を持っておく必要があります。
昇進や昇格の機会は多くても年に数回程度ですし、必ずしも結果が評価されるとは限りません。
いますぐ収入を増やしたいという方は、次に紹介する二点に取り組むことをおすすめにします。
4-2. 空いた時間で副業する
本業とは別に副業を行うことで、収入を増やすことも可能です。
ダブルワークをしたり、クラウドソーシングを通して仕事を請け負ったりすることで、空いた時間を活かして効率的に稼ぐことができます。
ただ、本業に加えて仕事をすることになるため、体力的・精神的な負担が大きくなるという懸念は拭えません。
本業に支障が出てしまっては本末転倒です。また、企業によっては副業を容認していないこともあります。
副業については十分に検討してから始めることをおすすめします。
4-3.給料の高い職場に転職する
誰にでも実現可能かつ最も確実な収入アップの方法は、転職です。
職種や仕事内容は同じでも、職場を変えるだけで月々数万円ほど給与が上がるケースも珍しくありません。
月給にそれほど違いがなくても、ボーナスのある職場に転職するだけで、年収が数十万円アップすることもあるでしょう。
「昇格や昇進が見込めない」「業績がかんばしくなく、ボーナスや手当も支給されない」という場合は、現職よりも条件の良い企業への転職を検討してみることをおすすめします。
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2位. パソナキャリア
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5. 平均年収に関するFAQ
平均年収に関するよくある質問をまとめました。
気になることがあればここで解消しておきましょう。
Q-1.50代の平均年収はいくらですか?
dodaによって行われた「年齢・年代別に見る日本の平均年収」によると、「50代以上の平均年収」は532万円です(男性607万円、女性411万円)。50代の平均年収を年齢ごとに区分したものを以下にまとめました。
年齢 | 平均年収 | ||
---|---|---|---|
全体 | 男性 | 女性 | |
50歳 | 532万円 | 607 万円 | 411 万円 |
51歳 | 540万円 | 612万円 | 412万円 |
52歳 | 558 万円 | 625万円 | 418万円 |
53歳 | 577万円 | 653万円 | 423万円 |
54歳 | 586万円 | 6611万円 | 423万円 |
55歳 | 612万円 | 679万円 | 432万円 |
56歳 | 639万円 | 701万円 | 454万円 |
57歳 | 626万円 | 688円 | 万円 |
58歳 | 636万円 | 686万円 | 440万円 |
59歳 | 681万円 | 724万円 | 460万円 |
50代以上全体 | 532万円 | 607万円 | 411万円 |
〔出典〕doda:年齢・年代別に見る日本の平均年収,2022.
年齢が上がるに連れて、平均年収が十万円程度上昇していることがわかります。
Q2. 50歳で年収1000万円以上の人の割合を教えてください
dodaの調査によると、50代以上で年収1000万円以上を稼ぐ人の割合はわずか12%程度であると判明しています。年収は年齢が上がるにつれて増えていくことから考えると、50歳の段階で年収1000万円を超えている人は、全体の10%を下回ると判断できるでしょう。
そもそも年収1000万円以上を稼ぐ人は、すべての年代を含む労働者のうち、およそ5%ほどです(国税庁:民間給与実態統計調査,2021.)。
51歳の段階で年収1,000万円を超えるためには、以下のような戦略を立てて、行動していく必要があります。
年収1000万円を稼ぐ戦略
- 金融、不動産、商社など、高収入を見込める分野へ転職する
- マネジメントスキルなどの管理職に必要なスキルを身に着け、出世する
- 自身のスキルや経験を最大限に活かして、他企業で今よりも高い役職へ転職する
年収1000万円を目指すのであれば、上記のような戦略を試してみましょう。
さいごに
50歳の年収事情を紹介しました。
現時点で年収が532万円を超えているのであれば、周囲よりも高収入であると考えて問題ないでしょう。
年収532万円を下回っている場合は、給与アップを目指すことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
年収アップを狙う方は、副業や転職など新しい行動に踏み切ってみることをおすすめします。
転職を検討しているのであれば、4章で紹介している転職エージェントに相談してみてください。
あなたの暮らしが、より良いものになるよう願っています。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。